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Page 1: 川 - 山形県立博物館 · 英行 氏 米沢市 諏訪好俊 氏 米沢市 米沢 伝統織物協同組合 白鷹町 米琉織 物工業協同組合 白鷹町 米琉織 物工業協同組合
Page 2: 川 - 山形県立博物館 · 英行 氏 米沢市 諏訪好俊 氏 米沢市 米沢 伝統織物協同組合 白鷹町 米琉織 物工業協同組合 白鷹町 米琉織 物工業協同組合

\川市紬」

臥、

重一綿から糸をつむいで手織りされだ絹織物の

種で、

独特の美しい風合いを持ち、

軽くて文夫な織物と

じて、

古くから人々C着用されてきましだ。

そして、

紬織

りの伝統的な技術は現在まで受け継、かれ、

日本の各地区お

いて、

それぞれ特徴のある美しい紬織物、がっくり続けられ

ています。

本展では、

国の伝統的工芸品に指定されている山形県の

置賜紬(白鷹紬・

長井紬・

米沢草木染)

を中心C、

結城紬

小干〈〈口紬・

塩沢紬芯ど各地の伝統的な紬織物をとりあげ、

紬織りの歴史や伝統的な製作技術、

さらC紬織物の美しさ

を紹介いだします。

本展巳よって、

より多くの方

、々か、

紬の織りなす伝統工

芸の世界に触れ、

理解を深める機縁巴なればと願うもので

す。最後巳、

本展開催巳あ芝り、

貴重な資料を出品・

提供し

ていだ古いだ万

、々

ご指導・

ご協力賜つだ万々に厚くお礼

を申しあげます。

平成十一

年九月

山形県立博物館長

eæ .!i:2.

うん げん

緯総耕絵羽紬着物 「鱈綱J

長井市 長岡正幸氏所蔵

う 4よみ

草木染訪問着 「卯浪」

米沢市 諏訪好俊氏所蔵

胡桃染真綿紬縞織物(明治初期)

白鷹町 小松紀夫氏所蔵

長井紬ねまき(大正時代)

長井市 斎藤良助氏所蔵

紬の織物は、

養蚕農家の自家用の衣料や農閑期の副業と

して織られたものに始まります。

養蚕の盛んな地域では、

たままゆでがらまゆ

必ず玉繭や出殻繭や汚れ繭のような売り物とならない無駄

が生じるので、

それを真綿として保存し、

農閑期にその真

綿から糸を紡ぎ、

その手紡ぎ糸で紬を織っ

たのです。

いわ

ば不良繭の再生利用という、

庶民が生活の中から生み出し

たすばらしい知恵の結晶と言えます。

紬は、

軽く暖かく、

しかも丈夫で見た目にも絹光りもせず、

大変素朴で独特な

風合いを持っ

た織物として人々に着用されてきました。

山形で紬が作られ始めた頃の古い時期の紬織物を見るこ

とはできませんが、

今にのこる明治1昭和期の紬織物から、

山形における染めや織りのすぐれた技術を知ることができ

ます。

また、

紬の端切れを使っ

た自家用衣料などもつくら

れており、

紬は、

生活の中で大切に利用されてきました。

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山形の

紬織りの

歴史

山形県置賜地方は、

江戸時代中頃、

米沢藩主上杉治憲(鷹

ざん山

)

の産業奨励策によって養蚕と織物が盛んになりました。

城下町米沢では、

現在の米沢織の基礎が築かれ、

養蚕が盛

くずまゅ

んになっ

た下長井地方(長井・

白鷹)

では、

屑繭・

玉繭を

利用した農家の副業としての紬織りが始まりました。

明治時代に入ると、

紬織りは長井・

白鷹地方の産業とし

かすり

てしだいに発展し、

各地の技術を取り入れて本格的な緋紬

の生産が行われるようになり、

「長井紬」

あるいは「米琉」

と呼ばれました。

明治犯年(一

九O一二)

に西置賜紬織物同

業組合が結成されると、

長井紬の全盛期を迎えました。

その後、

長引ぐ経済不況と戦時統制のため生産も減少の

途をたどりましたが、

戦後は伝統産業として復興に努力

し、

「置賜紬」

として国の伝統的工芸品に指定されていま

す。養査手引

市立米沢図書館所蔵

文化三年(1800)に米沢藩

が領内に配布した養蚕書

米琉変遷標本額長井市 小松慎一氏所蔵

明治時代の米琉(長井紬)

の代表的な図柄の標本額

精織な耕模様を生み出す「板締め染J

に使われる耕板

紬の織物は、

各地において古くから受け継がれてきた伝

統技術によって作られています。

玉繭や汚れ繭、

出殻繭な

どの屑繭を利用して、

女性が真綿から糸を紡いで、

丹念に

紬織物を織りあげました。

手紡ぎ糸は、

さまざまな染色技法によって染めあげられ

じぞめくくぞめす

ぞめ

ましたが、

その技法には、

板締め染・

括り染・

摺り込み染・

捺染・

草木染などがあり、

それぞれ特徴ある精微な緋模様

や鮮やかな図柄を生み出しています。

現在、

各地で盛んに繭を生産していた養蚕農家は年々減

少し、

女性が紬糸を手紡ぎする光景はほとんど見られなく

なりました。

また、

真綿からの紬糸だけでなく、

玉糸や生

糸などを使用したり、

織機も地機ではなく高機や力織機な

どを用いて織るなどの時代の変化もありますが、

染めや織

りの伝統技術は、

各地の紬産地でしっ

かりと受け継がれて

います。

養蚕や機織りは、

古くから人々の暮らしをささえてきま

した。

そのため、

人々は「運の虫」

とも言われた蚕の無事

な成長や豊蚕を願い、

また、

紡いだ糸を一

本一

本織りあげ

る機織り技術の向上などを祈願してきました。

このような、

養蚕や機織りにともなう信仰は、

時代によりまた地域によ

りさまざまな展開をみせてきました。

それは、

各地で養蚕

守護の「蚕神」

として信仰され、

また、

年中行事や社寺へ

の養蚕図絵馬の奉納などにも信仰の様子をみることができ

ます。養

蚕・

機織りが盛んであっ

た山形県においても、

広く蚕

神が信仰され、

蚕を養う農家には蚕神が杷られていました。

蚕神の日と言われた二月十六日と十月十六日は、

蚕神に餅

をお供えし、

白鷹町杉沢などでは「おっ

しゃ神講」

(養蚕

講)

を開いて蚕神を杷って会食しました。

小正月には、

の豊作を祈願する「だんごさげ」

の行事が行なわれ、

初午

の日には、

養蚕農家は蚕神である稲荷神社に参拝しました。

また、

養蚕や機織りの作業風景や社寺への参詣、

養蚕講

などを描いた絵馬も多数奉納されています。

機織り図絵馬(明治11年)

中山町 月山神社所蔵

女性が高機で機織りを行

っている様子が描かれて

いる

白!I町瑞龍院稲荷神社は

養蚕農家の信仰が厚く、

勅使門傍らの地蔵尊には

良い反物が織れるよう願

いを込めて布の端切れが

奉納された

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紬の歴史はきわめて古く、

すでに奈良時代には織られていたと考え

られています。

現在、

日本国内には伝統を受け継いだ多くの紬産地が

あり、

それぞれの地方独特の技術や特徴を持って織られています。

中でも、

古い歴史を持ち、

国の重要無形文化財に指定されている北

ち一ぢみ

関東の結城紬、

縮の技術を取り入れて、

雪国の副業として発達した新

潟県の小千谷紬・

塩沢紬、「泥染め」

の技法で知られる鹿児島県の本場

大島紬などは、

伝統的な技術を現代まで受け継いでいる代表的な紬織

物で、

山形の紬織物にも大きな影響を与えています。

また、

本来素朴で実用的であっ

た紬織物に、

作者の優れた感性によ

る芸術的な香りを加え、

紬の世界を広げたのが、

重要無形文化財保持

むねひろりきぞう

者に指定されている宗慶力三氏と志村ふくみ氏です。「紬」

は、

長い伝

統を受け継ぐと同時に、

その世界をさらに広げています。

結城紬1 6 0亀甲細工古典文着物

栃木県 小山市 永井千代子氏所蔵

宗贋力三氏作紬織着物「待春J

東京国立近代美術館所蔵

会期中、展示替えを行います。

-テlマ1「山形の伝統の紬」

紅花染白鷹お召

米琉板締ぼかし亀甲蚊耕着物

白鷹上布蚊緋反物

緯総緋絵羽紬着物

ぜんまい紬訪問着

草木染併用耕反物

草木染訪問着

草木染訪問着

草木染鷹山絹反物

天蚕絵羽紬

天蚕縞紬

白鷹町

白鷹町

白鷹町

長井市

長井市

長井市

淳一

米沢市

米沢市

米沢市

米沢伝統織物協同組合

白鷹町

米琉織物工業協同組合

白鷹町

米琉織物工業協同組合

-テlマ2「山形の手技の紬」

胡桃染真綿紬縞織物

米琉板締緋変わり織り市松模様着物

本場米琉併用緋着物

長井紬大耕羽織

長井紬ねまき

縞紬着物

座布団

-テーマ3「山形の紬織りの歴史」

上杉鷹山公肖像(左近司惟春筆)

機織の図(狩野文信筆)

養査手引

米琉変遺標本額

縞本

米琉標本

米琉標本

紬織売上帳

長井紬商標

白鷹町

白鷹町

長井市

長井市

長井市

白鷹町

白鷹町

米沢市

長井市

長井市

白鷹町

白鷹町

大三斎 小渡 中 小

貫浦藤松辺川松

啓 文良慎 喜紀

由吉助一徹市夫

氏氏氏氏氏氏氏

市立米沢図書館

慎一

表紙写真

avテiマ4「紬織りの伝統技術」

普通繭・

玉繭・

汚れ繭・

出殻繭

村山市

山形県立農業試験場査糸部

生糸・

紬糸

白鷹町

ツクシ・

オボケ

栃木県小山市

小山市立博物館

糸車・

糸巻き機・

糸枠

白鷹町

緋板・

耕板巻き機・

板締め機

白鷹町

シャクリカンナ・

罫引き・

作業台

白鷹町

種板・

図案・

種糸・

括り糸

長井市

板定規・

コパ定規

新潟県小千谷市

小千谷織物同業協同組合

板・

型紙

長井市

草木染染料・

染糸

米沢市

地機(イザリ

機)

栃木県小山市

小山市立博物館

高機

白鷹町

AVテiマ5「紬織りと信仰」

養蚕図絵馬

機織り図絵馬

瑞龍院稲荷神社御札版木

瑞龍院板札

養蚕神掛軸

白鷹町

中山町

白鷹町

白鷹町

白鷹町

敬一

阿久津

重彦氏

-テlマ6「受け継がれる伝統の紬」

結城紬縮織十の字細工着物

茨城県結城市

結城紬100亀甲細工緯総反物

茨城県結城市

結城紬160亀甲細工古典文着物栃

木県小山市

永井

千代子氏

結城紬やたら縞着物

栃木県小山市

小千谷紬着物「楽園」

新潟県小千谷市

小千谷紬草花文様経緯耕反物

新潟県小千谷市

小千谷織物同業協同組合

塩沢紬天の橋立文様着物

新潟県塩沢町

林織物株式会社

塩沢紬古典七三縞文様反物新

潟潟県塩沢町

中田屋織物有限会社

本場大島紬着物・

羽織

山形

宗贋力三氏作紬織着物「待春」

東京都

東京国立近代美術館

志村ふくみ氏作紬織着物「鈴虫」

東京都

東京国立近代美術館

奥順株式会社

奥順株式会社

鱒」(部分)

紅花染白鷹お召

、E一

記念講演会

「紬の歴史

日本染織の流れの中で

-

講師

長崎

巌氏(東京国立博物館染織室長)

日時

平成什年叩月お日(土)午後1時加分13時

F

会場

山形県立博物館

講堂

山形県立博物館

白鷹町

小松紀夫氏所蔵ーーーーー 圃,

機織り実演会

講師

中川喜市氏(置賜紬伝統工芸士会会長)

日時

平成刊年竹月3日(水)午前叩時叩分1 、

午後2時1

会場

山形県立博物館

特別展示室

展示解説会(当館学芸員による解説)

日時

平成刊年叩月9日(土)午後1時初分13時

会場

山形県立博物館

特別展示室

一T九九O

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山形市霞城町一番八号

TEL O二三l六四五|