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春学期国際学インターンⅠ 2010.5.27() 特定非営利活動法人 開発教育協会(DEAR) Development Education Association & Resource Center リベラルアーツ学群4伊藤のはら 開発教育協会 開発教育協会 DEAR DEAR とは? とは? y 「開発教育」を推進するための ネットワーク NGO y 様々な立場の人たちが「学びの場」 づくりに参加し、世界学びの場をつないでいることが特徴 (教育関係者、NGONPO、青年海外協力隊OBOG、国際機 関、国際交流協会、自治体、研究者、学生など、様々な関係 者が参加)

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春学期国際学インターンⅠ 2010.5.27(木)

特定非営利活動法人

開発教育協会(DEAR)Development Education Association & Resource Center

リベラルアーツ学群4年伊藤のはら

開発教育協会開発教育協会 DEARDEARとは?とは?

「開発教育」を推進するための

ネットワーク NGO

様々な立場の人たちが「学びの場」

づくりに参加し、“世界”と“学びの場”をつないでいることが特徴(教育関係者、NGO・NPO、青年海外協力隊OB・OG、国際機

関、国際交流協会、自治体、研究者、学生など、様々な関係者が参加)

開発教育とは?開発教育とは?

DEARの定義

「わたしたち一人一人が、

開発をめぐる様々な問題を理解し、

望ましい開発のあり方を考え、

共に生きることのできる公正な

地球社会づくりに参加することを

ねらいとした教育活動」

開発教育とは?開発教育とは?

学習目標

1. 多様性の尊重

2. 開発問題の現状と原因

3. 地球的諸課題の関連性

4. 世界とわたしたちのつながり

5. わたしたちのとりくみ

「知り・考え・行動する」

団体概要団体概要

団体名 特定非営利活動法人

開発教育協会(DEAR)

英語名 Development Education Association and Resource

Center

経緯 1979年東京「開発教育シンポジウム」

開催を機に、開発教育の普及推進に

関心を寄せる個人や団体が参集し結成

団体概要団体概要

目的

幅広い関係者を対象として、地球社会

が抱える人類共通の諸問題に関する教育

活動の推進と、問題の解決に向けた国際

協力や国際交流の実践を図るため、開発

教育などに関する事業を行い、公正な地

球社会の実現に寄与すること

DEARDEARの役割の役割((開発教育を広めるために開発教育を広めるために))

政府との対話、政策提言

世界各地の関係団体とのネットワークづくり

開発教育の調査研究

開発教育に関連する国内外の情報の収集・発信

地域や学校などでの「学びの場」づくりの支援

DEARDEARの歴史の歴史

1982年 … 「開発教育協議会」が発足

1992年~ … 毎年「開発教育地域セミナー」を開催

→ 地域で開発教育の「担い手」が育つ

2000年~ … 学校教育で開発教育を実践する機会が

増加(総合的な学習の時間)

2002年 … 設立20周年。組織の役割の変化から、

名称を「開発教育協議会」から

「開発教育協会」へ変更

2003年 … NPO法人格取得

中期方針中期方針(2008(2008~~20122012年度年度))

1. グローバル化による諸課題を「足もとの

課題」から捉える視点の提示

2. 学校教育への開発教育モデル事業の提案

3. 国際協力NGOとの協働プログラムの実施

4. 地域との有機的なネットワークの再構築

5. 組織基盤の強化

主な事業主な事業

I. ネットワーク事業政策提言、国内ネットワーク、海外ネットワーク、広報・募金ネット

ワーク

II. 調査研究事業各種研究会、開発教育全国研究集会、研究誌『開発教育』編集・発行

III. 情報・出版事業会報『DEARニュース』編集発行、出版・制作、広報資料作成

IV. 研修・講座事業講師派遣、各種講座・セミナー開催、他団体との共催・協力

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国際学インターンⅠ 2010/5/27(木)

実習先概要報告書

実習先概要:

特定非営利活動法人 開発教育協会(DEAR)

LA4 年

伊藤のはら

1.DEAR とは

特定非営利活動法人、開発教育協会(以下 DEAR)とは、日本で開発教育を推進するために活動する、ネ

ットワーク NGO である。教育関係者、NGO・NPO、青年海外協力隊員 OB・OG、国際機関、自治体、

研究者、そして学生など、様々な立場の関係者が幅広く参加していることが特徴である。

2.団体概要

団体名 特定非営利活動法人 開発教育協会(通称 DEAR)

英語名 Development Education Association and Resource Center

経緯 1979 年、「開発教育シンポジウム」が日本で初めて開催されたのを機に、開発教育の普

及推進に関心を寄せる個人や団体が集まり、1982 年に開発教育協議会を結成。2002 年

に「開発教育協会」へ改称

目的 子どもや一般市民、行政や各種団体を対象に、開発教育などの事業を通して、地球社会

が抱える人類共通の諸問題に関する教育活動の推進、およびそれらの問題の解決に向け

た国際協力や国際交流等の実践を図り、公正な地球社会の実現の増進に寄与すること

事業 1.ネットワーク事業

政策提言、国内ネットワーク、海外ネットワーク、広報・募金

2.調査研究事業

各種研究会、開発教育全国研究集会、研究誌『開発教育』編集・発行

3.情報・出版事業

会報『DEAR ニュース』編集発行、出版・制作、広報資料作成

4.研修・講座事業

講師派遣、各種講座・セミナー開催、他団体との共催・協力

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中期方針 (2008 年度~2012 年度)

1. グローバル化による諸課題を「足もとの課題」から捉える視点の提示

2. 学校教育への開発教育モデル事業の提案

3. 国際協力 NGO との協働プログラムの実施

4. 地域との有機的なネットワークの再構築

5. 組織基盤の強化

3.開発教育とは

ここで、DEAR が推進する開発教育について説明する。

DEAR では、開発教育を以下のように定義している。

「わたしたち一人一人が、開発をめぐる様々な問題を理解し、望ましい開発のあり方を考

え、共に生きることのできる公正な社会づくりに参加することをねらいとした教育活動」

展開

開発教育は、1960 年代に南北問題への関心が高まる中で、欧米の NGO や、ユニセフなどの国際機

関により始められた。

初期は、途上国の貧困などの現状を知らせ、援助の必要性を呼び掛けていたが、1970 年代半ば頃か

らは、先進国との相互関係など、世界の様々な問題が構造的なものであることを理解し、一人一人が

行動していこうとする教育へと変わっていった。

学習目標

・多様性の尊重(人権を尊重し、さまざまな文化・生活から学ぶ)

・開発問題の原因と構造(国内外の格差や貧困の現状とその背景を学ぶ)

・地球的諸課題の関連性(環境・人権・平和などの関係性を学ぶ)

・世界と私たちとのつながり(衣・食・住など身近なところからつながりに気づく)

・私たちのとりくみ(足元からできることを考える)

方法

従来の教育のように、知識を吸収することに重点を置くのではなく、学習者と指導者が共に話し合う

中で、問題の現状や原因を理解し、解決方法を考えていく事を重要とする。

「参加型学習」とは、学習者が学習過程に主体的に参加していく学習方法であり、指導者は権威主義

的でなく、ファシリテーターの役割を担う。

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<追加資料>

財政

2008 年度収支

<収入>

合計:48,882,664 円

(会費・寄付収入 11%、助成金収入 12%、自主事業収入 34%、受託事業収入、16%雑収入 1%、

前期繰越金 26%)

<支出>

合計:48,882,664 円 (事業費 29% 事業管理費 35% 次期繰越金 36%)

スタッフ

※その他、事務局にはインターンやボランティアが多数在籍する。

開発教育の一般的な定義

「文化的多様性を前提としながらよりよい開発とは何かを考え、より公正な地球

社会と多文化共生社会をめざして自ら参加していくための知識、技能、態度を養

う教育学習活動」[田中 2008:215]

これまで、欧米や日本で様々に定義されてきて、国際的に共通した定義は特にないと考えられる。日

本においては、前述した DEAR の定義が簡潔で分かりやすく、一般的になっているといえる。

様々な定義の中でも共通していることは、単なる知的な学習にとどまるものではなく、自分や世界を

変えるための態度や技能に関わる、という点であるという。

政府との対話、政策提言とは?

DEAR では、開発教育や、「持続可能な開発のための教育の 10 年」などに対する政策提言・政策対話

を行っている。

代表理事 岩﨑 裕保

事務局長 中村 絵乃

有給職員 専従 2 名 非専従 3 名

会員数(2008 年度) 団体会員 44 団体(うち正会員 27/賛助会員 17)

個人会員 672 名(うち正会員 436/賛助会員 236)

※「持続可能な開発のための教育の 10 年」: 2002 年の国連総会において、2005~2014 年までの 10 年

間を「持続可能な開発のための教育の 10 年」とし、国際的に取り組むことが決定された。持続可能な開発

のための教育とは、持続可能な社会の実現に向けて、一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と

の関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するために行う教育のことである。

日本政府は、これに関する施策の実施を推進するため、関係省庁連絡会議を内閣に設置している。

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ネットワーク NGO の短所・欠点

ネットワーク NGO は、全国を拠点とした NGO の担い手となり、NGO をサポートするような機能を

果たす。情報収集や提供、政策提言などの影響力拡大などの長所がある。

一方で、情報収集能力や編集能力の向上などの必要性の指摘もある。また、政策提言などの場におい

ては、会員団体が自ら積極的に参加せず、ネットワーク NGO に依存してしまうという傾向もある。

そして、これらの課題を解決するためにも、一番の課題は財政や人的制約といえる。多くは専従職員

を持たず、予算規模は大半が 300 万円に満たないという。大きな役割を担っているだけに、その分の担

い手や財源が必要となる。

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参考資料

開発教育協会 HP(2010/05/27) http://www.dear.or.jp/

開発教育協会資料(2009/12/21) 「開発教育とは」

持続可能な開発のための教育の 10 年 HP http://www.env.go.jp/policy/edu/desd.htm

田中治彦研究室 HP(2010/05/27) 「開発教育と総合学習:生涯学習と開発教育」 http://www2.rikkyo.ac.jp/web/htanaka/98/shogaiDE.html#32

田中治彦(2008) 『国際協力と開発教育:「援助」の近未来を探る』明石書店

特定非営利活動法人 国際協力 NGO センター (JANIC)(2002) 「国際協力 NGO のネットワーキ

ングについての調査研究:より効果的な国際協力の実現に向けて」p.11

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/shien/ngo_nw/pdfs/ngo_nw02.pdf

読書レポート

『国際協力と開発教育』―「援助」の近未来を探る―

リベラルアーツ学群4年伊藤のはら

1.はじめに

テーマ…「参加型開発」

著者…筆者のインターン先、開発教育協会(DEAR)の理事であった田中治彦氏

カテゴリー…援助・開発の変遷、日本に

おける参加型学習や開発教育

2.問いかけ

日本人学生「アイ子」の例

タイ農村部の観光ツアーに参加し、村の学校の現状に衝撃を受けた「アイ子」は、日本に帰って寄付金20万円を集め学校に

寄付し、さらには寄付を募るための看板を現地に立てた

3.開発・援助のタイプ

1. 「慈善型援助」

2. 「技術移転型」

3. 「参加型開発」

4.「参加型開発」とは?

著者の定義

「参加型開発とは、開発の受益層、すなわち社会的弱者の立場にある住民自身が開発の意思決定プロセスに参加すること、そしてより公平にその恩恵を受けることである」

5.日本の開発教育

参加型開発=「見えにくい」援助を支援者やドナーに理解してもらう

近年の取り組み

「総合的な学習の時間」9.11事件とイラク戦争

「国連・持続可能な開発のための教育

(ESD)の10年」

6.まとめ

「アイ子」の今後

「援助・国際協力」、「参加型学習」、「開発教育」においての今後の課題