シスコ スマート ライセンスについて -...

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シスコ スマート ライセンスについて スマート ライセンス クライアント機能は、シスコ ソフトウェアのエクスペリエンスを簡素化 し、シスコ ソフトウェアがネットワーク全体でどのように使用されるかを理解するのに役立つ 標準化されたライセンス プラットフォームです。スマート ライセンスは、すべてのシスコ ソ フトウェア製品の次世代のライセンス プラットフォームです。 このドキュメントでは、シスコ スマート ライセンス クライアント機能の概要について説明し、 製品の登録と承認を完了するために必要な複数のツールとプロセスについても説明します。ス マート ライセンスの詳細については、次のトピックを参照してください。 スマート ライセンスの概要 (1 ページ) 各リリースの新機能 (3 ページ) スマート ライセンスのメリット (3 ページ) 前提条件 (3 ページ) スマート ライセンスの制約事項 (4 ページ) スマート ライセンスでのライセンス評価 (4 ページ) スマート ライセンスの導入オプション (5 ページ) スマート ライセンスの概要 シスコ スマート ソフトウェア ライセンスは、新しい柔軟なライセンス方式で、このライセン スを使用することで、シスコ ソフトウェアを購入、導入、追跡、および更新できます。スマー ト ライセンスを使用することで、従来のライセンスまたはクラシック ライセンスに存在する 権限付与の障壁を取り除くことができます。スマート ライセンスは、シスコの e- 戦略に向け た主要なステップでもあります。これは、この機能により PAK ベースのライセンス モデルか ら脱却できるためです。 スマート ライセンスを使用すると、デバイスを設定、アクティブ化、および登録できます。こ のとき、Web サイトに移動し、PAK(製品認証キー)を使用して製品ごとに登録を行う必要は ありません。PAK またはライセンス ファイルを使用する代わりに、スマート ソフトウェア ラ イセンスでは、柔軟かつ自動化された方法で会社全体で使用できるソフトウェア ライセンスま たはエンタイトルメントのプールを設定します。ライセンス プールは、返品許可(RMA)で 特に便利です。これは、プールによって、ライセンスを再ホストする必要がなくなるためで す。 シスコ スマート ライセンスについて 1

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Page 1: シスコ スマート ライセンスについて - Cisco...在します。特定ライセンス予約の詳細については、特定ライセンス予約の設定を参照して

シスコスマートライセンスについて

スマートライセンスクライアント機能は、シスコソフトウェアのエクスペリエンスを簡素化

し、シスコソフトウェアがネットワーク全体でどのように使用されるかを理解するのに役立つ

標準化されたライセンスプラットフォームです。スマートライセンスは、すべてのシスコソ

フトウェア製品の次世代のライセンスプラットフォームです。

このドキュメントでは、シスコスマートライセンスクライアント機能の概要について説明し、

製品の登録と承認を完了するために必要な複数のツールとプロセスについても説明します。ス

マートライセンスの詳細については、次のトピックを参照してください。

•スマートライセンスの概要(1ページ)•各リリースの新機能(3ページ)•スマートライセンスのメリット(3ページ)•前提条件(3ページ)•スマートライセンスの制約事項(4ページ)•スマートライセンスでのライセンス評価(4ページ)•スマートライセンスの導入オプション(5ページ)

スマートライセンスの概要シスコスマートソフトウェアライセンスは、新しい柔軟なライセンス方式で、このライセン

スを使用することで、シスコソフトウェアを購入、導入、追跡、および更新できます。スマー

トライセンスを使用することで、従来のライセンスまたはクラシックライセンスに存在する

権限付与の障壁を取り除くことができます。スマートライセンスは、シスコの e-戦略に向けた主要なステップでもあります。これは、この機能により PAKベースのライセンスモデルから脱却できるためです。

スマートライセンスを使用すると、デバイスを設定、アクティブ化、および登録できます。こ

のとき、Webサイトに移動し、PAK(製品認証キー)を使用して製品ごとに登録を行う必要はありません。PAKまたはライセンスファイルを使用する代わりに、スマートソフトウェアライセンスでは、柔軟かつ自動化された方法で会社全体で使用できるソフトウェアライセンスま

たはエンタイトルメントのプールを設定します。ライセンスプールは、返品許可(RMA)で特に便利です。これは、プールによって、ライセンスを再ホストする必要がなくなるためで

す。

シスコスマートライセンスについて

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シスコスマートソフトウェアライセンス製品を購入またはアップグレードする場合、最初に

スマートアカウントを作成する必要があります。これを行うには、CiscoSmartSoftwareManager(CSSM)ポータルへのアクセス権を取得する必要があります。CSSMを使用して、バーチャルアカウントと呼ばれるグループ(ライセンスと製品インスタンスの集合体)でライセンスを

整理および表示します。バーチャルアカウントを使用すると、会社全体に展開されているライ

センスを簡単かつ迅速に管理できます。

お客様、お客様の選択したパートナー、およびシスコは、ハードウェア、ソフトウェアエンタ

イトルメント、およびサービスをCisco Smart SoftwareManagerインターフェイスを使用して確認できます。

次のリストに、CSSMポータルを使用して実行できる主な操作を示します。

•バーチャルアカウントを作成、管理、または表示する。

•製品インスタンスの登録トークンを作成および管理する。

•バーチャルアカウント間でライセンスを転送する、またはライセンスを表示する。

•製品インスタンスを転送、削除、または表示する。

•バーチャルアカウントに関するレポートを実行する。

•電子メール通知の設定を変更する。

•アカウント情報全体を表示する。

このように、スマートライセンスにより、標準的な製品オファー、標準的なライセンスプラッ

トフォーム、および柔軟な契約が簡素化され、ユーザエクスペリエンスが向上します。

サポートされるプラットフォーム

スマートライセンスは、すべてのルーティングプラットフォーム用の Cisco IOS XE 16.10.1aで最初にサポートされました。以下は、スマートライセンスをサポートするプラットフォーム

のリストです。

•すべての ASR1000シリーズ固定およびモジュラ型プラットフォーム

•すべての ISR 4000シリーズルータおよび ISR 1100シリーズルータ

• CSR1000vおよび ISRvルータ

ライセンスオプション

以下は、スマートライセンスでサポートされるライセンスオプションです。

•標準スマートライセンス:デバイスにソフトウェアライセンスを導入する一方で、使用情報を Cisco Cloudに通達します。

•特定ライセンス予約(リリース16.11.1aのみ):デバイスにソフトウェアライセンスを導入する一方で、デバイスは Cisco Cloudには直接接続されません。このオプションでは、システムはクラウドに直接接続されず、ネットワークとクラウドの間にエアギャップが存

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シスコスマートライセンスについて

スマートライセンスの概要

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在します。特定ライセンス予約の詳細については、特定ライセンス予約の設定を参照して

ください。

各リリースの新機能以下は、各リリースのスマートライセンスの新機能です。

表 1 :各リリースの新機能

機能リリース

•デフォルトでは、評価期間の期限切れのsyslogメッセージは 365日間出力されません。詳細については、リリース16.11.1aでの評価期間の期限切れメッセージの抑

制を参照してください。

•特定ライセンス予約が導入されました。特定ライセンス予約では、デバイスを

Cisco Cloudには直接接続せずに、そのデバイスにソフトウェアライセンスを導入

できます。詳細については、特定ライセ

ンス予約の設定を参照してください。

16.11.1a

スマートライセンスが導入されました。16.10.1a

スマートライセンスのメリット•購入および導入したデバイスとソフトウェアの可視性。

•標準ソフトウェアオファー、ライセンスプラットフォーム、およびポリシーによる製品の簡素化。

•無駄な購入をなくし運用コストを削減可能。

•製品アクティベーションキーを使用しない自動ライセンスアクティベーションによる導入の容易化。

前提条件スマートライセンスを有効にする前、またはスマートライセンスに移行する前に、以下を確

認する必要があります。

シスコスマートライセンスについて

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各リリースの新機能

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•スマートアカウント、および Cisco Smart Software Managerポータルへのアクセス権があるか確認します。スマートアカウントをを作成してアクセスするには、スマートアカウ

ントに移動します。[Get a Smart Account]をクリックして開始します。

•デバイスを CSSMに登録したか確認します。デバイスを登録する方法については、CiscoSmart Software Managerからの新しいトークンの生成およびidトークンを使用したデバイスの登録セクションを参照してください。

• CSSM Smart Software Managerサテライトへのレイヤ 3接続を設定したか確認します。

スマートライセンスの制約事項•リリース 16.10.1aでは、スマートライセンス機能は、ルータを CSSMポータルに直接接続しているユーザ、またはルータをサテライトサーバに接続しているユーザに対してのみ

適用されます。リリース 16.11.1aでは、CiscoCloudに直接接続されていないルータを使用する場合、特定ライセンス予約の設定で説明されているようにスマートライセンス予約を

使用できます。

• CSSMポータルにアクセスするには、Chrome 32.0、Firefox 25.0、Safari 6.0、またはこれら以降のリリースを使用します。ブラウザで Javascript 1.5以降が有効になっていることを確認します。

• IOS XEでは、非ユニバーサルK9イメージを実行しているASR 1000シリーズ RP2プラットフォームで DLCはサポートされません。回避策として、IOS XE 16.10.1aに移行する前に、IOS XE 16.3、16.6、16.9などの中間リリースに移行します。

• Smart Software Managerサテライト 6.0.1は、IOS-XE 16.10.1aリリースではサポートされません。

スマートライセンスでのライセンス評価SLのみのイメージを起動すると、スマートライセンスが自動的に有効になり、デバイスのライセンスが評価モードまたはEVALモードになります。90日の使用期間中にデバイスをCSSMに登録します。この期間中、ISRおよび ASRルータに対して既存の機能は通常通り動作します。デバイスが使用されている限り、評価タイマーはカウントダウンします。評価期間は、各

機能や権限ではなくデバイスに適用されます。デバイスの評価期間が終了した後、評価期間は

リセットできません。90日の期間が経過した後、これらのライセンスは期限切れ状態またはEVAL EXPIRED状態になります。CSRおよび ISRvでは、90日の期間が経過した後、スループットがデフォルトの 1Mbpsに引き下げられます。

リリース 16.11.1aでは、365日の期間中にデバイスを CSSMに登録します。この間、制限はなく、また評価期間の期限切れメッセージも受信しません。詳細については、リリース 16.11.1aでの評価期間の期限切れメッセージの抑制を参照してください。

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シスコスマートライセンスについて

スマートライセンスの制約事項

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スマートライセンスの導入オプション次の図は、スマートライセンスを導入するために使用できるさまざまなオプションを示してい

ます。セキュリティはどのユーザにとっても最も重要な事項の1つであるため、この図では、最も簡単なオプションから最も安全なオプションまで導入オプションをリストしています。

図 1 :スマートライセンスの導入オプション

1. ダイレクトクラウドアクセス:この導入オプションでは、インターネットで HTTPSを使用して、デバイスからクラウドサーバに使用情報を直接転送できます。

2. HTTPSプロキシを介したダイレクトクラウドアクセス:この導入オプションでは、インターネットで HTTPSプロキシを使用して、クラウドサーバにファイルを直接転送できます。したがって、Smart Call Homeトランスポートゲートウェイを使用するか、Apacheなどの HTTPSプロキシを使用します。

3. オンプレミスコレクタ接続を介した間接アクセス:この 3番目の導入オプションでは、「Cisco Smart Softwareサテライト」と呼ばれる内部収集デバイスが使用されます。このサテライトは、ユーザ側で使用でき、定期的なネットワーク同期を使用してクラウドに情報

を定期的に送信します。この導入オプションでは、クラウドに情報を転送する唯一のシス

テムまたはデータベースがサテライトになります。これにより、コレクタデータベースに

何を保存するかを制御でき、セキュリティが向上します。

4. オンプレミスコレクタ非接続を介した間接アクセス:この 4番目の導入オプションでは、サテライトを使用しますが、手動同期(少なくとも月 1回)を使用して収集したファイルを転送するためにのみ使用します。このオプションでは、システムはクラウドに直接接続

されず、ネットワークと Cisco Cloudの間にエアギャップが存在します。

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スマートライセンスの導入オプション

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Smart Software Managerサテライトの詳細については、『About Cisco Smart Software ManagerSatellite』および『Smart Software Manager Satellite Overview』を参照してください。

(注)

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スマートライセンスの導入オプション