名古屋市における ラウンドアバウト試行運用の...
TRANSCRIPT
-
名古屋市におけるラウンドアバウト試行運用の
取組報告
名古屋市緑政土木局路政部道路維持課 1
-
名古屋市について
名古屋市の概要(令和2年4月1日現在)
• 面積 326.50km2
• 人口 2,324,877人
名古屋市が管理する道路(平成31年4月1日現在)
• 路線数 27,598路線
• 延長 6,296km
自動車保有台数(平成31年3月31日現在)
• 愛知県 5,282,965台(全国1位)
• 名古屋市 1,307,341台2
-
平成26年の法改正を機にラウンドアバウトの導入を模索
名古屋市交通安全対策研究会(県警・有識者・市)
効果的な安全対策について議論
導入検討の経緯①
14,691 14,250 13,296
12,121 10,868 9,525 41
52
30
39
55
33
0
15
30
45
60
0
5,000
10,000
15,000
20,000
H26 H27 H28 H29 H30 R1
(人)(件)
年
人身事故件数 死者数
名古屋市の交通事故状況交通事故多発非常事態宣言を発令
新たな対策を!
具体的な検討を!
3
-
導入検討の経緯②
市内 21か所 官庁街 4か所 対象交差点を決定
候補地の絞込み
• 人身事故が発生していない
• 交通量が多い
• 用地買収が必要
• 近接する道路の接続が困難
• 道路占用物件への影響が大きい など
官庁街以外の交差点を除外した主な理由
• 比較的道路幅員が広い
• 過去に死亡事故が発生している
• 既に円形の交差点でラウンドアバウトに形状が近い など
21か所を選定した主な理由(いずれかに該当)
4
-
官庁街の導入候補地名古屋城
裁判所
裁判所
県警本部
愛知県三の丸庁舎
名古屋市本庁舎
愛知県本庁舎
中部地整 愛知県西庁舎
法務局名古屋市西庁舎
リニア工事
病院
護国神社
シグナルエイド
5
-
道路構造
• 車道の幅員が広い(16m)⇒ 横断歩道の距離が長い
• 正十字で交差している
交通規制
• 4か所のうち、信号機があるのは1か所(交通弱者に配慮した特殊な信号機)
• 交差点間隔が短いことなどから、新たな信号機の設置は困難
• 駐車禁止の緩和(平日の7~10時のみ駐車禁止など)
官庁街の道路の特徴①
6
-
利用状況
• 歩行者が多い(最も多い交差点で約1,000人/ピーク時一方向)
• 高齢者や足の不自由な方、視覚障害者の方なども利用している
• 路上駐車が多い
事故の発生状況
• 信号のない3交差点では、過去5年間(H26~H30)に計17件の人身事故が発生⇒ 17件中12件、約7割は歩行者や自転車が巻き込まれる事故⇒ 最も発生頻度が高いのは、歩行者が横断歩道を横断中の事故6件
官庁街の道路の特徴②
7
-
現地で散見される危険な事象
•片側1車線であるにも関わらず、車が並走している。⇒歩行者に譲るため横断歩道の手前で停止した車の横を別の車が追い越して交差点に入る。
•横断歩道の直近(5m以内)まで路上駐車されている。⇒横断歩道を渡ろうとしている人に車が気付かずに通過する。
•車の挙動が安定していない。⇒走行位置やスピード、交差点内での停止位置などがバラバラ。
•交差点で優先・非優先を守らない。
•車が交差点付近でUターンする。
•車道を自転車が逆走している。
官庁街の道路の特徴③
• 「歩行者が横断歩道横断中の事故」に繋がる可能性がある。
• 車道幅員の広さが大きく影響している。RAB導入により安全性向上が期待できる。
8
-
今回の導入箇所名古屋城
裁判所
裁判所
県警本部
愛知県三の丸庁舎
名古屋市本庁舎
愛知県本庁舎
中部地整 愛知県西庁舎
法務局名古屋市西庁舎
リニア工事
病院
護国神社
令和2年9月23日よりラウンドアバウト試行運用を開始※最も歩行者が多い(条件が厳しい)交差点で実施する
9
-
交通容量の確認
• 交通容量比0.04~0.13 ⇒ 目安の0.7を大きく下回る
• 北側の横断歩道(流出入部)の交通量歩行者交通量 約960人/時自動車交通量 流入36台/時 流出25台/時
歩行者交通量のピーク時(8時台)
• 交通容量比0.12~0.25 ⇒ 目安の0.7を大きく下回る
• 北側の横断歩道(流出入部)の交通量歩行者交通量 約300人/時自動車交通量 流入94台/時 流出76台/時
自動車交通量のピーク時(13時台)
10
-
ラウンドアバウトの設計①
B-B’断面図
外径の構成図
AA’
BB’30.0 20.0
15.0A-A’断面図
11
-
ラウンドアバウトの設計②歩行者の安全対策 自転車の安全対策
分離島(幅3.5m)の整備
エスコートゾーンの設置
矢羽根の設置12
-
ラウンドアバウトの設計③
A-A’断面図
自転車誘導標示(環道部)
AA’
13
-
期待する効果
•二段階横断になることで歩行者交通の安全性が向上する。
•車の挙動が安定化する。
安全性・円滑性の向上
•市民に広報しやすい。
•新たな道路の計画に携わる道路管理者、交通管理者等に広く周知できる。
官庁街のシンボルゲート
今後の導入推進に寄与できる
14
-
広報などの取組み①
• 記者クラブへの資料提供
• 公式ウェブサイトへ掲載
• 広報なごや(市内全戸に配布)へ掲載
• 官公庁施設への事前PR など
リーフレットを使用した広報
リーフレット
•テレビ報道 4社
•新聞報道 4社
•市民からのご意見 9件(メール、電話、窓口)
運用後20日間までの反響
中日新聞(R2.9.24掲載)15
-
広報などの取組み②
•名古屋市障害者団体連絡会での事前説明
•視覚障害者団体への事前説明
身体障害者への配慮
•ご協力して頂いた障害者の方視覚障害者 6名車いす利用者 2名
現地視察(9/29・9/30に実施)
凸凹図面を使った視覚障害者への説明 現地視察の様子 16
-
効果検証の予定
• 交差点通過に要する時間
• 遅れ時間 など
円滑性評価
• OD別車両速度
• PET指標(動線の交わる二者の交錯点での通過時刻差)
• 交通ルールの遵守 など
安全性評価
• 利用のしやすさ
• ラウンドアバウトの印象
• 通行ルールの認知度 など
利用者意識
②検証項目①調査時期および調査方法
事後調査②(運用開始3か月後)12月下旬頃
ビデオカメラ調査(12時間観測)
アンケート調査
事後調査①(運用開始2週間後)R2.10.7
ビデオカメラ調査(12時間観測)
アンケート調査
事前調査R2.8.4
ビデオカメラ調査(12時間観測)
済
済
効果検証の結果を踏まえ、本格整備に向けた準備を行う。 17