酒類・加工食品業界 gtin-ediの 普及に向けて 2 -...
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酒類・加工食品業界
GTIN-EDIの
普及に向けて
2016年3月15日
Ver.2.6
酒類・加工食品業界標準化推進会議
事務局:(株)ファイネット
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- 1 -
改定履歴
項番 Ver. 日付 内容
001 1.0 2011/06/22 新規作成
002 1.5 2011/10/21 P.15~P.16(酒類・加工食品業界のGTIN-EDI導入事例)につ
いて、各社の取り組み状況を「システム整備状況」と「本番稼働状
況」に分けて掲載
003 1.6 2012/03/30 P.15~P.16 各社取り組み状況(「システム整備状況」と「本番
稼働状況」を最新状況にあわせて修正
004 1.7 2012/09/25 P.15~P.16 各社取り組み状況(「システム整備状況」と「本番
稼働状況」を最新状況(2012年8月末現在)にあわせて修正
005 2.0 2013/03/12 業界全体への普及へ向け、これまで以上に導入の意義や手順など
が分かりやすいものに改定
・P.2 《参考文献》追加
・P.3 「国際標準の商品識別コード」図表の追加
・P.6 「14桁のコード体系」図表の追加
・P.7 「単品JAN不一致型GTIN」図表の追加
ほか
P.16~P.17 各社取り組み状況(「システム整備状況」と「本番
稼働状況」を最新状況(2013年3月現在)にあわせて修正
006 2.1 2013/09/26 P.16~P.17各社取り組み状況(「システム整備状況」と「本番稼
働状況」を最新状況(2013年8月末現在)にあわせて修正
007 2.2 2014/03/18 P.16~P.17各社取り組み状況(「システム整備状況」と「本番稼
働状況」を最新状況(2014年3月1日現在)にあわせて修正
008 2.3 2014/11/27 P.16~P.17各社取り組み状況(「システム整備状況」と「本番稼
働状況」を最新状況(2014年10月1日現在)にあわせて修正
009 2.4 2015/3/17 P.16~P.17各社取り組み状況(「システム整備状況」と「本番稼
働状況」を最新状況(2015年3月1日現在)にあわせて修正
010 2.5 2015/9/14 P.16~P.17各社取り組み状況(「システム整備状況」と「本番稼
働状況」を最新状況(2015年8月末日現在)にあわせて修正
011 2.6 2016/3/15 P.16~P.17各社取り組み状況(「システム整備状況」と「本番稼
働状況」を最新状況(2016年2月末日現在)にあわせて修正
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本資料は、メーカーと卸売業の間でGTINを商品識別コードとする企業間データ交換(EDI)を
行うにあたり、 メーカーおよび卸売業が社内外の関係者に向けて伝えるべき内容を記したもので
す。
本資料の活用により、企業間データ交換(EDI)の当事者企業のみならず、広く酒類・加工食品
業界内でGTIN-EDIが普及することを期待します。
■□■ 目 次 ■□■
1. GTINとは ........................................................................................... - 3 -
(1) GTIN登場の背景 ................................................................................................. - 3 -
(2) 企業間データ交換(EDI)におけるGTIN .................................................................. - 6 -
(3) アロケーション(付番・印字)ルールと使用例 ................................................................ - 6 -
2. GTINでEDIを行う ............................................................................... - 8 -
(1) GTINでEDIを行う目的・必要性とは ........................................................................ - 8 -
(2) GTIN-EDI、および商品マスタ同期化(GDS)の普及により期待される効果 ............... - 12 -
(3) GTIN-EDI導入に向けて自社内で説明を行う際のポイント ...................................... - 13 -
3. GTIN-EDIの普及に向けて ................................................................ - 14 -
(1) 小売業との取引において留意すべき点 .................................................................. - 14 -
(2) 酒類・加工食品業界の GTIN-EDI 導入事例 ............................................................ - 15 -
【①酒類・加工食品業界標準化推進会議メンバー企業のシステム整備実施状況】 ................... - 16 -
【②酒類・加工食品業界標準化推進会議メンバー企業の GTIN-EDI 本番稼働状況】 ............. - 17 -
(3) 他の業界での状況 .............................................................................................. - 18 -
《参考文献》
・2008~2009 流通情報システム化の動向 財団法人流通システム開発センター発行
・2012~2013 流通情報システム化の動向 一般財団法人流通システム開発センター発行
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1. GTINとは
(1) GTIN登場の背景
従来、商品を表すコードとして、米国を中心にUPC(12桁)、欧州ではEANコード(13桁)が普及して
います。日本国内は、EANコードと同体系のJANコードが商品へのソースマーキングを中心に普及し
ていますが、企業間データ交換(EDI)では、各種プライベート商品コードを使用することが多く、各社
は、その取引先毎の個別対応(変換作業)に多大なコストをかけています。
また、国をまたがる企業間データ交換(EDI)や物流の増加もあり、国際標準となる商品識別コードの
必要性が高まってきました。
このような背景の下、国際的な流通標準化機関のGS1(GS1 Japan: 一般財団法人流通システム
開発センター)により、標準化された商品コード(JAN コードなど)の総称として、GTIN(Global
Trade Item Numberの略)が登場しました。
現在、国際的に標準化されている商品識別コードには以下のものがあります。
すべて
GTIN
商品識別
コード 桁数 国際的な呼称
データキャリア
(バーコードなど) 備考
JANコード 標準タイプ13桁 GTIN-13 JANシンボル JANコードは、日
本固有の呼称 短縮タイプ8桁 GTIN-8
UPC 標準タイプ12桁 GTIN-12 米国で利用されて
いる商品コード
集合包装用
商品コード
14桁 GTIN—14 ITFシンボル 消費者が購入す
る単位を除く企業
間取引単位(集合
包装)を識別する
商品コード
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次の図は、取引パートナー相互間の「1.データの共通基盤形成」から「7.商品企画・開発における
協働」までの7つのステップを描いています。
この図に表現しているように、「1.データの共通基盤形成」、「2.商品登録の一元化」を「(ローカル
/プライベートではない)グローバルな言語」のGTINにより実現し、次の「3.商品情報の同期化」、「4.
取引先の協働管理」へとステップアップすることを各社に求めています。
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《参考》GDSとは
GDS(Global Data Synchronization)は、製配販の三層間で商品マスタを同期化することで
す。
同期化の際の商品識別コードとしてGTINを使用することにより、商品の荷姿(単品(個装)・ボール
(中装)・ケース(外装)・梱(バンド掛け・半裁品))毎のさまざまな属性情報が、転記・再入力を経ずに取引
先の三層間で共有できるようになります。
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(2) 企業間データ交換(EDI)におけるGTIN
前述のように、従来から使用しているJANコード(13桁)もGTINと定義されますが、「ある商品」の荷
姿情報を含まないコード、つまり、商品を識別するための「目印」として使われる場合がほとんどです。
ただし、企業間データ交換(EDI)におけるGTINは、1つのGTINが「ある商品」の「存在する荷姿」
(=単品(個装)、ボール(中装)、ケース(外装)、梱(バンド掛け・半裁品)、パレット)を一意で示さなけ
ればなりません。
そのため、企業間データ交換(EDI)にてGTINを使用する場合、下表のように14桁にそろえて運用
します。
荷姿
14桁のコード体系
T1 T2 T3 T4 T5 T6 T7 T8 T9 T10 T11 T12 T13 T14
単品(個装)を除く
存在する荷姿 集合包装用商品コード C/D
単品(個装)※ 0 JANコード(標準タイプ) C/D
単品(個装) 0 0 UPC C/D
単品(個装) 0 0 0 0 0 0 JANコード(短縮タイプ) C/D
単品(個装)※:ケース販売用JANコードも含む
(3) アロケーション(付番・印字)ルールと使用例
1) 従来から商品の包装上に印字しているJANコードの桁数は、13桁(または8桁)から変わりません。
また、先頭に0をつけて14桁にそろえて表記する場合、これらのゼロを印字する必要はありません。
(JANシンボルに変更はありません)
2) 集合包装自体も1つの商品として販売する場合(ケース販売)、単品(個装)荷姿のJANコードとは
別にケース販売用JANコードを新たに付番し、ケース(外装)荷姿にはJANシンボルとして印字しま
す。また、その先頭に0をつけて14桁とし、ITFシンボルを印字することもできます。(この場合の14
桁のコードは、集合包装用商品コードではありません)
3) 梱(バンド掛け・半裁品)荷姿のGTIN、透明シュリンクパックなどで包装しているボール(中装)荷姿
のGTINのように、商品包装上に印字しないGTINもあります。
4) 「単品(個装)の荷姿のGTIN(=JANコード)のチェックデジットを除く部分(12桁)」と「ケース(外
装)荷姿のGTIN(=集合包装用商品コード)の先頭のインジケータおよびチェックデジットを除く部
分(12桁)」が一致していないものを「単品JAN不一致型GTIN」と呼ぶ場合があります。
集合包装用商品コードのインジケータの 1~8まで使い切っている状況で、さらに9番目の取引単
位が発生した場合に起こります。
卸売業がケース(外装)荷姿の集合包装用商品コードで入荷検品を行う場合、商品誤認による不
荷受などが起こらないように準備しておく必要があります。
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・「単品JAN不一致型GTIN」
荷姿 T1 T2 T3 T4 T5 T6 T7 T8 T9 T10 T11 T12 T13 T14
JANコード - GS1事業者コード(JAN企業コード:7桁または9桁)を含む12桁 C/D
集合包装用
商品コード ※ GS1事業者コード(JAN企業コード:7桁または9桁)を含む12桁 C/D
除く この部分が不一致 除く
※:インジケータ(1~8)、9は計量商品に表示する場合
5) その他、GTINの付番・印字に関するルールの詳細は、一般財団法人流通システム開発センター
の『GTINアロケーション(付番)ガイドライン(JANコード、集合包装用商品コードの付番方法)』を
参照してください。
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小売 卸 メーカー
変
換
変
換
変
換
荷姿変更
商品識別のための商品コードの伝達
プライベート商品コード
JANコード(8桁/13桁)
集合包装用商品コード(14桁)
プライベート商品コード
JANコード(8桁/13桁)
集合包装用商品コード(14桁)
導入前
変
換
小売 卸 メーカー
GTIN GTIN
荷姿情報も認識できる商品コードの伝達
導入後
変
換
変
換
2. GTINでEDIを行う
(1) GTINでEDIを行う目的・必要性とは
1) 現状の問題点
製配販三層における受発注、出荷案内、販売実績等の各データ種でやりとりする商品コードは、
ほとんどがどちらかのプライベート商品コードやJANコードを利用しています。各社は、その現状を
容認した上で自社システムに自社コードに変換するための仕組みを組み込んでいます。
この変換のためのシステム構築もさることながら、取引先毎に変換作業を継続的に作業する多大
なコストは、無視できるものではありません。また、この変換作業がミスを誘発し、取引先や最終消費
者に影響を及ぼすことにもなりかねません。
商品コードの一般的な登録作業および変換マスタ介在の有無(Mはメーカー)
受発注(EOS)
受発注(卸→M)
出荷案内(M→卸)
販売実績(卸→M)
在庫報告(卸→M)
販促金請求(卸→M)
販促金支払(M→卸)
メーカー ○ △ ○ ○ ○ ○卸 ○ ○ ○ ○
小売 ○
自社商品マスタ
変換マスタ
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2) GTINを使用しない企業間データ交換(EDI:受発注)を製配販三層で実施した場合、商品マスタ
登録と商品変換登録の一般的な作業の例を提示します。
製配販各層で類似のコード変換作業、マスタ登録作業が重複しています。
Aメーカー商品
Bメーカー商品
Cメーカー商品
Aメーカー商品
Bメーカー商品
Cメーカー商品
Aメーカー商品
Bメーカー商品
Cメーカー商品
メーカーC社
メーカーB社
メーカーA社
卸丙社
卸乙社
卸甲社
小売γ社
小売β社
小売α社
自社商品マスタ
3社×3品=9回のマスタ登録作業3社×3品=9回のマスタ登録作業
&3社×3品=9回のマスタ変換作業
自社商品マスタ
自社商品マスタ
自社商品マスタ
自社商品マスタ
自社商品マスタ
自社商品マスタ
商品変換マスタ
商品変換マスタ
商品変換マスタ
商品変換マスタ
登録
登録
登録
商品変換マスタ
商品変換マスタ
変換
発注 変
換
自社商品マスタ
自社商品マスタ
変換
変換
発注
変換
変換
GTINでの受発注EDI普及により、卸・メーカーのマスタコード変換作業18回分削減される。更に、商品マスタの同期化(GDS)が普及した際には、小売・卸のマスタ登録作業18回分も省力化される。
発注
発注
1)小売3企業はメーカー3社の新商品を商品マスタに登録し卸3企業に3アイテムを小売プライベートコードにて発注2)卸3企業は各々自社商品コードに変換し自社システムに取り込み、メーカー3企業に卸プライベートコードで補充発注3)メーカー3企業は各々自社商品コードに変換し自社システムに連携し出荷する
発注
3社×1品=3回のマスタ登録作業&
3社×3社=9回のマスタ変換作業
発注
登録
登録
登録
登録
登録
登録
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3) ファイネット社の利用状況を参考に、商品コード変換作業の概算コストを提示します。
小売業100社、卸売業100社、メーカー200社が製配販三層間の企業間データ交換(EDI:受発
注・出荷案内)に各社プライベート商品コードを使用した場合、商品変換マスタ登録作業に関わるコ
スト試算です。
【前提】・ メーカー1社当り年間30品を発売出荷する・ 1商品当り 商品変換マスタの登録に要する時間を調査時間を含めて2分とする・ 登録に関わる人件費を 1000円/時給 とする・ 各小売は全メーカーと取引はないであろうし、各メーカー全ての商品を取り扱わないものと想定し、 小売1社はメーカー50社と年間3品取り扱うものとした
小売数 100 社 ×
メーカー数 50 社 × 卸店数 100 社 ×
商品数 3 品 × 商品数 30 品 ×
1アイテム当り商品変換登録時間
2 分 ×1アイテム当り商品変換登録時間
2 分 ×
登録者時給 1000 円 × 登録者時給 1000 円 ×
卸数 100 社 = メーカー数 200 社 =
卸100社 合計 メーカー200社 合計
( 1社当たり ( 1社当たり
メーカー数 200 社 ×
商品数 30 品 ×
1アイテム当り商品変換登録時間
2 分 ×
登録者時給 1000 円 ×
卸数 100 社 =
卸100社 合計
( 1社当たり
年間100千円 )
メーカーの卸店からの発注データに関わる商品変換作業年間コスト
2千万円
卸店の小売からの発注データに関わる商品変換作業年間コスト
5千万円
年間200千円 )
卸店のメーカーからの出荷案内データに関わる商品変換作業年間コスト
2千万円
年間500千円 )
小売 ⇒ 卸 発注
卸 ⇒ メーカー発注
メーカー ⇒ 卸 出荷案内
ファイネット (2011 年1月末現在)・商品流通VAN参加メーカー 1239 社
〃 参加卸 565 社 ・FDB登録商品数 約 4 万アイテム(1年間で新規更新された件数)
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【卸売業1社の商品変換マスタ登録数】 【メーカー1社の商品変換マスタ登録数】
①受注 小売店数×取引メーカー商品数 ①受注 卸売業数×自社商品数
②出荷案内 メーカー数×取引商品数 ②販売実績 卸売業数×自社商品数
③販促金請求 卸売業数×自社商品数
このように、現時点の商品コード変換に関わる多大なコストは、GTIN-EDIの普及により、相当分
の削減が期待できます。
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(2) GTIN-EDI、および商品マスタ同期化(GDS)の普及により期待される効果
商品マスタ登録業務は、各企業個別の商品登録様式への転記や再入力の繰返しであり、各層で業
務負荷がかかっています。
このような現状に対し、製配販三層の商品マスタ同期化(GDS)の普及によって、標準化・電子化・自
動化・協働化を図り、サプライチェーンの全体最適化に向かうことが求められています。
GTIN-EDIとGTIN-EDIを基盤とした商品マスタ同期化(GDS)の普及が進むことによって、製配
販三層に期待される効果は、次のようなものが考えられます。
立場 短期的(GTIN-EDIの普及) 中長期的(GDSの普及)
小売業 ・ 商品コードを扱うさまざまな場面でミスが減る。
・ 商品マスタ同期化(GDS)が普及した場合、商品情報の取得がよりスピーディーかつ正確になる
卸売業 ・ 対小売業とのEDIの商品コード変換コストが削減される(EOS)
・ 対メーカーとの企業間データ交換(EDI:出荷案内)の商品コード変換コストが削減される
・ 対小売業との受発注で、流通BMS(GTIN使用を前提としたEDIフォーマット)が普及した場合、対小売業EDI処理コストが削減される
・ 商品マスタ同期化(GDS)の導入により、小売業に対する商品情報案内の個別対応が削減される
メーカー ・ 対卸売業との企業間データ交換(EDI:受発注)の商品コード変換コストが削減される
・ 商品マスタ同期化(GDS)の導入により、商品情報案内の個別対応が削減される
業界全体の最適化と製配販三層の業務負荷の最小化を目指して、GTINによる企業間データ交
換(EDI)とそれを基盤とする商品マスタ同期化(GDS)の普及をさらに推進していくことが必要で
す。
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(3) GTIN-EDI導入に向けて自社内で説明を行う際のポイント
現状、業界全体としては、GTIN-EDIを導入後、すぐに効果が現れるレベルには至っていません。
しかしながら、責任ある企業として業界全体の標準化の動きに賛同し、現状の課題解決に向けて推進する
ことが必要な時期に来ており、また期待されています。
企業間データ交換(EDI)における商品コードは、取引を円滑に進めるためのもので、円滑になることでメ
リットを得られる担当者は、出し手・受け手とも数多く存在します。
メーカーおよび卸売業が「存在する荷姿」のGTIN情報を商品マスタ上に保有することで、その他の属性
情報(「入数」、「価格」、「重量」、「寸法」など)を補完でき、GTINは、汎用性の面やコスト軽減面でも将来
性のあるコードです。
《導入ポイント》
1) 自社の変換コストの削減と相対する取引先の変換コスト削減
2) 業界全体の標準化推進活動への参画意識と協働化の動機づけ
3) 営業、物流、システム各々の場面で取引先と強固なパートナーシップの構築
《GTIN-EDI実現に向けた主な活動内容》
1) 商品各層でのGTIN付番ルール策定
2) GTINを組み込んだ商品マスタ登録システム構築
3) GTINの情報収集や付番およびマスタ登録作業
4) GTINを利用したEDIシステムの構築
5) GTINを利用した企業間データ交換(EDI)の取引先との折衝
*メーカーおよび卸売業のGTIN-EDI導入準備作業の具体的な内容については、『酒類・加工食
品業界 GTIN-EDI 導入ガイドライン』を参照してください。
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3. GTIN-EDIの普及に向けて
(1) 小売業との取引において留意すべき点
本資料は、ここまで主に、メーカー・卸売業間でGTINを用いて企業間データ交換(EDI)を行う際の
諸事項を述べてきましたが、メーカー・卸売業間にとどまらず、小売業を含めた三層間でGTIN-EDI
を行う際には、どのような点に留意すべきかについて、以下に提示します。
1) 商品マスタの整備
・メーカー、卸売業と同様に、小売業が商品マスタのGTIN項目を整備する必要があります。
・企業間データ交換(EDI)を開始する前に、双方の取引のある商品情報に対して、差異がないか
確認する必要があります。
・商談で新規取扱商品の取引が発生する場合も同様に、マスタに差異がないように確認する必要
があります。
2) 単品JAN不一致型GTINへの対応
・小売業のシステムにて、プライベート商品コードもしくはJANコードへの変換ができない場合、企
業間データ交換(EDI)に支障が生じます。小売業に対して、この対応ができているかを確認する
必要があります。
3) 「流通BMS」にて企業間データ交換(EDI)を実施している小売業の留意点
・小売側の検品は、納品した商品に印字されているバーコードシンボルをスキャンし、出荷メッセー
ジにセットした『出荷荷姿情報』※と合致させ行うため、実際の出荷荷姿の情報を『出荷荷姿情報』
にセットする必要があります。
『出荷荷姿情報』※:「集合包装用商品コード」、「出荷荷姿コード」、「出荷数量(出荷荷姿数)」
4) 新型バーコード(GS1 DataBarなど)への対応
・今後、GS1 DataBarなどの新しいタイプのバーコードシンボルを利用する場合、商品コードは、
GTINです。そのため、システム項目を新規構築するときは、GTINの項目を設ける必要がありま
す。
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(2) 酒類・加工食品業界の GTIN-EDI 導入事例
1) 経緯
酒類・加工食品業界標準化推進会議では、責任ある企業として、業界の全体最適化に向けて、早
期の企業間データ交換(EDI)におけるGTIN活用を目指して、2009年7月より「GTIN-EDI普及
検討部会」を開催しています。
参加企業各社間での課題とその解決方針、実現に向けた運用ルールの確認、テスト/本番の状況
などを共有しつつ、各データ種での導入企業の拡大を図ってきました。
2) 導入のポイント
・メーカー・卸売業間の商品マスタ整備
・単品JAN不一致型GTINへのシステム対応
3) 現在の状況
メーカーおよび卸売業が、事前に双方の商品マスタを整備し、企業間データ交換(EDI)を開始す
るデータ種ごとにシステム/運用テスト、検証を実施した上で、本番に移行する方式を取りました。
受発注・出荷案内・販売実績・販売促進金の企業間データ交換(EDI)のGTIN化への取組が活発
になってきています。
4)今後の予定
先行してGTINによる企業間データ交換(EDI)を実施している企業間の事例や、課題とその解決
方針を共有し、導入企業の拡大を図っています。
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【① 酒類・加工食品業界標準化推進会議メンバー企業のシステム整備実施状況】
2016年2月末日現在
(凡例: ◎:対応済み、○:対応中、△:検討中、×:未着手)
メーカー
卸売業
データ種01 データ種04 データ種16/17 データ種08
受発注 出荷案内 販売促進金 販売実績
アサヒビール株式会社 ◎ × × ×
味の素株式会社 ◎ ◎ ◎ ◎
カゴメ株式会社 △ × △ ○
キッコーマン株式会社 × × × ×
キユーピー株式会社 ○ △ × ×
麒麟麦酒株式会社 ◎ ◎ △ ×
月桂冠株式会社 × × × ×
サッポログループマネジメント株式会社 × × × ×
サントリービジネスエキスパート株式会社 × × ◎ ◎
宝酒造株式会社 × × × ×
テーブルマーク株式会社 △ △ △ △
株式会社ニチレイフーズ ○ ○ ○ ◎
日清オイリオグループ株式会社 △ △ △ ○
日清食品株式会社 × × × ×
日清フーズ株式会社 ○ ○ △ △
日本水産株式会社 ◎ ○ △ ◎
ハウス食品グループ本社株式会社 ◎ ◎ ◎ ◎
マルハニチロ株式会社 ◎ ◎ ◎ △
株式会社 Mizkan Partners △ △ △ ○
雪印メグミルク株式会社 × × × ×
合計(当表企業全体に対する◎○△の割合) 65%が着手
55%が着手
60%が着手
55%が着手
データ種
企業
データ種01 データ種04 データ種16/17 データ種08
受発注 出荷案内 販売促進金 販売実績
伊藤忠食品株式会社 ◎ ◎ ◎ ◎
加藤産業株式会社 × × ◎ ◎
国分グループ本社株式会社 × △ △ ○
株式会社トーカン ◎ × × ◎
株式会社日本アクセス × × × ◎
日本酒類販売株式会社 △ △ △ △
三井食品株式会社 × × × ◎
三菱食品株式会社 ○ ○ ○ ○
合計(当表企業全体に対する◎○△の割合) 50%が着手
50%が着手
63%が着手
100%が着手
データ種
企業
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【② 酒類・加工食品業界標準化推進会議メンバー企業の GTIN-EDI 本番稼働状況】
2016年2月末日現在
※本番稼動している社数
(社数には、酒類・加工食品業界標準化推進会議メンバー以外の企業との本番稼動も含む)
データ種01 データ種04 データ種16/17 データ種08
受発注 出荷案内 販売促進金 販売実績
味の素株式会社 1社 1社 2社 10社
カゴメ株式会社 - - - 1社
サントリービジネスエキスパート株式会社 - - 2社 -
株式会社ニチレイフーズ - - - 1社
日清オイリオグループ株式会社 - - - 1社
マルハニチロ株式会社 - - 1社 -
株式会社 Mizkan Partners - - - 1社
伊藤忠食品株式会社 - 1社 1社 2社
加藤産業株式会社 - - 6社 7社
国分グループ本社株式会社 - - - 1社
株式会社トーカン 3社 - - 3社
株式会社日本アクセス - - - 1社
三井食品株式会社 - - - 1社
三菱食品株式会社 - - 1社 1社
卸
メーカー
企業
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(3) 他の業界での状況
1) 日用品・化粧品業界
2010年に日本GCI推進協議会(GCIジャパン)では実用化アンケートを実施し、
次のGTIN-EDIの質問について、2011年3月末時点を想定した各社回答をスコア化して集計し
ました。
スコア 定義
GTIN-EDI
EDIでGTINを利用しているか?
× 回答不可 回答不可
0 未計画 計画なし
1 計画策定中/未実施 検討している
2 計画済 具体的な計画がある
3 導入試験/展開中 一部行っているが、全面対応の見通しはついていない
4 全面導入 全面対応している(または、全面対応の見通しがついている)
アンケート対象企業:日本 GCI 推進協議会(GCIジャパン)正会員、準会員
*日本GCI推進協議会(GCIジャパン)とは・・・
国際流通標準策定・推進機関と連携しつつ、日本における製配販が一体となって、日本の流通事情も考
慮した効率的で高品質な流通システムを実現する事によって、消費者満足度の更なる向上を目指すこと
を目的に、活動を行っている。
食品業界の他に日用品・化粧品業界のメーカーおよび卸売業も参加企業に加わっている。
■ 回答状況
回答企業数 GCI会員企業数 回答率
メーカー 20 30 67%
卸売業 5 11 45%
小売業 5 7 71%
計 30 48 63%
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【アンケート結果】
EDIで
GTINを
利用しているか?
スコア値
0 1 2 3 4
平均値 計画なし 検討している
具体的な
計画がある
一 部 行 っ て
いるが、全面
対応の見通
し は つ い て
いない
全 面 対 応 し
ている(また
は 、 全 面 対
応 の 見 通 し
が つ い て い
る)
メーカー
食品 3 3 1 5 0 1.7
メーカー
日用品・化粧品 1 3 0 1 3 2.3
卸売業
食品 1 1 1 1 0 1.5
卸売業
日用品・化粧品 0 0 0 0 1 4.0
小売業 1 2 0 1 1 1.8
《アンケート結果より》
日用品・化粧品業界は、メーカーおよび卸売業とも「GTIN-EDIに全面対応」という回答が寄せら
れており、当業界と比較するとGTIN-EDIの普及度が高いことが推察されます。
一方で、当業界ではメーカーおよび卸売業のGTIN-EDIへの関心が低いことがうかがわれます
が、これは、既存の日食協標準フォーマットがある程度充分な機能を果たしているため、日用品・化
粧品業界に比べてGTIN-EDIへの全面対応に踏み切れていない(対応しても短期的に得られる
効果が薄いと考えられている)という可能性があると思われます。
しかしながら、前述の繰り返しとなりますが、各社が責任ある企業として業界全体の標準化を推進
する必要性と期待が高まっている現在、そして今後は、短期的効果の観点のみにとどまらず、全体
最適化と各層の業務負荷最小化を目指して、汎用性の面やコスト軽減面でも将来性の高い商品
コードであるGTIN-EDIの導入と、GTIN-EDIを基盤とするGDSの普及をさらに推進することが
業界全体での大きなメリットを生み出すと考えられることを、再度強調しておきます。