単位名   学部  : 天体輻射論 i   大学院:恒星物理学特論 iv 教官名...

38
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I :線吸収                             2006年12月11日                     . 単位名   学部  : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一. 授業の最後に出す問題に対し、レポートを提出。 成績は「レポート+出欠」でつけます。 レポート出題は今日が最終回です。. 授業の内容は下の HP に掲載されます。 http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/STAFF/nakada/intro-j.html. 休講:1月15日、1月29日. - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

単位名  学部  : 天体輻射論 I  大学院:恒星物理学特論 IV

教官名     中田 好一授業の最後に出す問題に対し、レポートを提出。成績は「レポート+出欠」でつけます。レポート出題は今日が最終回です。授業の内容は下の HP に掲載されます。

http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/STAFF/nakada/intro-j.html

I :線吸収                              2006年12月11日                     

休講:1月15日、1月29日

Page 2: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

固有振動数 νo の双極子モーメント p=‐qz が密度 N で散らばる媒質を考える。

この媒質の誘電率を ε とすると、 εE=E + 4πNp=(1 + 4πNα)E  である。

この媒質を振動数 ν の電磁波 E が伝わる時、電磁波に起こる変化を求めよう。

p p

p

I.1.古典的双極子による吸収

媒質(屈折率 m=n- iκ )中で  

E=Eo exp[ 2πi(νt – mkx)]

= Eo exp[2πi(νt – n kx+iκkx)]

電荷qの運動は、   

γ=g/m, ( 2 πνo) 2=K/m, と置き、

入射電磁は真空中

(屈折率m=1)で  

E=Eo exp[ 2πi(νt – kx)]  

tieEqzKdt

dzg

dt

zdm 2

02

2

tiem

Eqz

dt

dz

dt

zd 20202

2

2

Page 3: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

z=A exp(i2πνt) とおいて、 ( - (2πν)2 + i2πγν + (2πν0) 2 ) A= - (qEo/m)

z

- q

q

  ν = νo で共振がおき、振幅が大きくなる。

双極子モーメント p= - qzは

24

222

1

220

2

20

220

0

i

e

m

Eqz

im

qEA

ti

24 22

0

2

20

2

i

e

m

Eqp

ti

従って、p= αE, (α= 感受率 susceptibility) とおくと、

2

1

4 220

2

2

im

q

Page 4: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

ε=誘電率( dielectric constant )

複素屈折率    m=n - iκ    複素誘電率       ε =m2=(n - iκ)2  

( refractivity )            ( dielectric constant ) 

次に、双極子モーメントpが密度 N で存在する媒質の誘電率 ε を求める。  εE=E + 4πNp=(1 + 4πNα)E

2

2220

2202

220

2

220

2

2

2

21

2

11

2

1

44141

i

m

Nq

im

Nq

im

qNN

星間空間では、誘電率 ε =1+ Δε とすると、 Δε <<1である。

したがって、m=1+( Δε/ 2)と近似できる。

mを実部と虚部に分けて、

Page 5: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

2

00

2

22

00

2

2222

0

2

41

1

4

44

2

22

m

Nq

m

Nq

m

Nq

真空中 (m=1) で E=E0 exp[ 2πi(νt – kx)] の電磁波が

屈折率 m=nー i κ の空間に入ると、

E=E0 exp[ 2πi(νt – m kx)] = E0 exp[ -2πκkx)]exp[ 2πi(νt – n kx)]

となる。これは減衰する電磁波を表している

2

0

0

0

2

22

0

0

0

2

2222

0

220

2

41

41

4

41

2

21

m

Nq

m

Nq

m

Nqn

上では ν = ν 0付近のみを考えて、 (νo 2 –ν2)=2ν 0 (νo –ν) と近似している。

Page 6: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

(Nq2/mνoγ)

κ

n-1

- 2(γ/4π)

02(γ/4π)

(νo –ν)

媒体の

複素屈折率

m=n-iκ

E=Eo exp[ 2πi(νt – ikx)] E=Eo ・ exp( - 2πκkx )・ exp[ 2πi(νt – nkx)]

X| E|2=Eo2 | E|2=Eo2exp( -4πκkx)

Page 7: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

σ(ν) =双極子1個の吸収断面積 、

N=双極子の数密度とすると、

| E| 2= Eo2 exp( -Nσ x) である。

前ページの| E|2=Eo2exp( -4πκkx)

と比べると、

4πκ(ν)k(ν) = 4πκ(ν)(ν/c)=Nσ(ν)

D S

N=nSD = S×D の筒内粒子数透かして見ると、Sの内不透明部分の面積X=N σ = nSDσ入射光線F=ISが距離Dを通過する間に X/Sが失われるから、

dI= - I(X/S)= - I(nSDσ) /S= - I nσD= - IκD

σ =吸収断面積 ( m2 )n=粒子数密度 (m-3)

[ 復習 ]   κ と σ の関係

2

0

2

2

00

2

41

1

)4(

1

41

14

cm

q

Nm

Nq

c

Page 8: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

σ(ν)=(q2/mc) (4π/γ) / {1+[(νo –ν)/(γ/4π)] 2}  の双極子が数密度nで

分布する媒質を考える。厚みLの媒質を通過した光は、

I(λ )

  I ´ ( λ )=I( λ )exp(-nL σ(ν) )

I( λ )-I ´ ( λ )=I( λ ) [ 1-exp(-nL σ(ν) ) ]

弱吸収では、  [ I( λ )-I ´ ( λ ) ] / I( λ ) = nL σ(ν)

I.2.振動子強度 ( Oscillator Strength 、 f-value )

F=0

Fc

λ

等値巾 ( Equivalent Width)  W=∫ [ I( λ )-I ´ ( λ ) ] / I( λ ) d λ

弱い吸収では上式より、 

   W = ∫nL σ(ν) d λ  

   =nL∫ σ(ν) d λ  

  I ´( λ )L

Page 9: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

吸収断面積の積分からは γ が消える

σ(ν)

σ(ν) πa

νo-2γ /4π νo-γ /4π νo νo+γ /4π νo+2γ /4π

3 f[2mc2/(hγ /4π )]

2γ /4π

∫σ (ν)dν=πa2 α 32π fc/λ c

=(πq2/mc)f

νo-2γ/4π νo-γ/4π νo νo+γ/4π νo+2γ/4π

吸収断面積 σ(ν)

γ/2π積分値 = (πq2/mc)

は γ に依らない。

mc

qdx

xmc

qd

mc

qd

2

2

2

2

0

2

1

1

41

14

cmc

qd

ccdd

22

2

s/cm10654.210998.210109.9

10803.4 221028

2102

cm

e

e

(q2/mc)(4π/γ)

Page 10: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

したがって、量子力学的双極子による吸収断面積は

結局、等値巾Wは吸収が弱い近似で計算すると、

ccm

qLndLndLnW

22 で、どの吸収線も強度は一定となる。しかし、実際には吸収線毎にその強度は様々な値を取る。古典的電気双極子モデルではこの違いを説明できなかった。

量子力学によって電気双極子の吸収を計算すると、古典電磁気学が与えた吸収断面積に f という係数をかければよいことが分かる。

f

41

1

)4(

12

0

2

cm

q

f = oscillator strength または f- 値 ( f-value) 。

f22

ccm

qLndLnW

また、等値巾Wは

Page 11: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

概算の場合は、吸収線ピークの吸収断面積は線幅 D を使って、

σ p= (πq2/mc) (λ2/c) f/D = 2.654 ・10-2(cm2 sec- 1)f・ (λ2/Dc)

Hα :  λ =0.65 μ =0.656 3 ・10-4cm D=0.00 01 μ =10-

8cm

c=2.998・1010cm /sec   f=0.6407

  を代入すると、 2172108

82

m104.2cm10998.210

106563.06407.002654.0

p

Hβ :  λ =0.4861 μ =0.4861・10-4cm D=0.00 01 μ=10-8cm

c=2.998・1010cm /sec   f=0. 1193

  を代入すると、2182

108

82

m100.3cm10998.210

104861.01193.002654.0

p

Page 12: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

例 1 : Lα線n=2 l=1 S=1/2 L=1 n=2 l=0 S=1/2 L=0

n=1 l=0 S=1/2 L=0

2P3/2

2P1/2

2S1/2

2S1/2

g=2

g=2

g=4 g=

g (1s2 S1/2) f(1s2 S1/22p 2 P 1 /2)=0.2774, f(1s2

S1/22p 2 P 1 /2) =0.1387

g (1s2 S1/2) f(1s2 S1/22p 2 P3/2)=0.5547, f(1s2

S1/22p 2 P3/2) =0.2774

g ( n= 1 ) f( n= 1 n=2)=0.2774+0.5547=0.8321, f( n= 1 n=2) =0.4161

 振動子強度の例

selection rules

Δ l= ± 1

ΔS =0、 ΔL= 0、 ± 1、  ΔJ= 0、 ± 1   ( J=0J=0 、 L=0L=0 を除く)

Page 13: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

例2: Hα3d2D5/2 3d2D3/2 3p2P3/2 3p2P1/2 3s2S1/2

g=6 g=4 g=4g=2 g=2

2p2P3/22p2P1/2 2s2S1/2g=4

g=2 g=2

transition gLfLU gL fLU

2s 2 S1/23p 2 P1/2 0.5796 2 0.2898

2s 2 S1/23p 2 P3/2 1.1592 2 0.5796

2p 2 P1/23s 2 S1/2 0.05434 2 0.02717

2p 2 P3/23s 2 S1/2 0.10468 4 0.02717

2p 2 P1/23d 2 D3/2 2.782 2 1.391

2p 2 P3/23d 2 D3/2 0.5564 4 0.1392

2p 2 P3/23d 2 D5/2 5.008 4 1.252

transition gLfLU gL fLU

2s3p 0.8694 2 0.4347

2p3s 0.08151 6 0.01358

2p3d 4.6732 6 0.6955

ターム間遷移(マルチプレット)のf-値

レベル間遷移(ライン)のf-値

Hα 線のf-値

23 5.1241 8 0.6405

Page 14: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

I.3. Voigt Profile

速度Vで動いている原子に、静止系で振動数 ν の光が当たる。原子は光の振動を ν Dと見る。

v=V ν

2

0

2

41

1

)4(

f

cm

q静止している原子の吸収断面積は、

速度分布 f(V) で動く原子の

平均吸収断面積 σ T( ν )は ?

1.速度Vの原子の吸収断面積  σ V( ν )= σ ( ν D)

  ここで、Vは光と同じ方向の速度成分であることに注意。

(ν D- ν)/ν= V /c ドップラーシフト

ν D= ν +(V /c) ν = ν +D

Page 15: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

2.速度分布 f(V)、∫f(V)dV=1で規格化、 の原子の平均吸収断面積は

   σ T( ν )=∫ σ V( ν )f(V)dV=∫ σ ( ν D)f(V)dV

  で与えられる。

2

0

2

2

0

2

41

1

)4(

f

41

1

)4(

f

Dcm

q

cm

q

D

D

D=(V /c) ν  なので、

dDD

dDc

V

cD

V

dVV

V

VdVVf

DD

2

2

02

02

0

22

0

20

2

0

exp1

exp1

exp1

)(

c

VD

00 ただし、

Page 16: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

3. σ T( ν )=∫ σ ( ν D)f(V)dV をDの積分で表示すると、

dDD

Dcm

q

dVVf

DD

DT

2

2

2

0

2

exp1

41

1

)4(

f

)(

4. ν Dで規格化する。DDD

uaD

x

0

4

u,aVcm

q

dxxua

ea

cm

q

dxx

axuacm

q

x

D

DT

f

1f

exp

1

11f

2

2223

2

22

2

2

Page 17: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

a=0.03

a=0

σT(ν)

ν

= Voigt function

∫V(u,a)du=1

dxxua

eau,aV

x

D

2223

2

1

Dcm

q

f2

101

2101

3101

41010 D 20 D 40 D 60

熱運動をする気体原子の平均吸収断面積 σT(ν)

DDD

uaD

x

0

4

=ドップラーシフト

ν D=熱運動に

   よるドップラー巾

=吸収線自然巾 =中心周波数との差

ドップラー  

  核

ローレンツ 

  ウィング

Page 18: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

D

za

D

az

D

x

D

dzz

edz

aza

ea

dxxa

eaa,uV

1

1

111

110

222

2

23

2223

222

2

Voigt関数の性質(1)a << 1の場合 (自然巾<<熱運動の巾、大抵の吸収線では成立)

f12

0

D

T cm

q

uxGxH

dxxGxH

dxxua

eau,aV

D

D

x

D

01

1

12223

2

1/(aπ)

2a

‐u

22

1

xua

axH

H or G

21 xexG

(2)

Page 19: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

(3) H(u=0) << G(x=-u) 、 大体  u <≒1、 の領域では 

D

xeu,aV

2

2

02

exp1

fDD

T cm

q

(4 ) H(u=0) >> G(x=-u) 、大体 1<<u 、の領域では

22

1

ua

au,aV

D

原子の熱運動によるドップラーシフトが支配的でガウス型のプロファイルとなる。吸収線の中央部分なので、ドップラーコアとも呼ばれる。

202

2

2

2

22

2

4

1f

1f

1f

cm

q

u

a

cm

q

ua

a

cm

q

D

DT

吸収線中心から離れるとドップラーシフトの影響が弱くなり、静止原子のローレンツ型プロファイルが再び出現する。

Page 20: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

I.4. 線形大気での吸収線形成吸収線形成を簡単なモデルで考えるために、次のような沢山の仮定をする。

(1) 局所平衡(LTE)

    S λ ( τ R)=B λ[T( τ R) ]           ( τ R=ロスランド光学深さ)

(2) エディントンモデル

    T( τ R)4=(3 /4)Te4 ( τ R+2 /3)   

(3) 線形大気

    S λ ( τ R)= Aλ + B λ ・ τλ  

生憎、(1)と(3)は厳密には両立しない。そこで、(1)を τ R=0のまわりで一次式で展開して近似的に(3)と考える。

R

ToTR

ToT

RToT

RRToT

RR

Td

dBToB

Td

dBToB

To

Te

dT

dBToB

d

dT

dT

dBTBTB

R

ln8

3

ln8

3

16

3

0

3

4

0

Page 21: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

したがって、(3)において、

R

ToTTd

dBBToBA

ln8

3,

と見なせば、(3)を(1)と両立させうる。

線形大気S( τ )=A+B τ の大気表面からのフラックスは

F= π[A+B・(2 /3) ] = πS( τ =2 /3)である。したがって、

RRTBTBF

3

2

3

2

または、

3

2

ln8

3

3

2

R

ToTTd

dBToBbaF

この式から分かるように、F λ = α +( β/τλ )の形をしていて、 τλ が

大きい所ではF λ が小さくなる。これが、吸収係数が大きい波長で吸収線が現れる原因である。

Page 22: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

τ R = 0.0

 0.2

0.4

0.6

0.8

τλ=2/3

κλ

大気表面

λ

λ L

もう少し物理的に考えると。

吸収係数が次の図のように、 λ = λ Lで盛り上がっているとする。  λ Lでは吸収が強いので、浅いところで τ L=2 / 3に達する。浅いためにそこの温度は低い。 浅いので温度

が低く、フラックスが小さい。

深いので温度が高く、フラックスが大きい。

Page 23: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

吸収係数と吸収スペクトルの関係をもう少し調べてみよう。

λ = λ Lの付近で、 κ = κ C+ κ Lとする。

1ln4

1

1ln4

1

ln4

1

ln4

1

C

L

L

R

ToT

C

L

C

L

C

R

ToTC

R

ToT

R

ToT

Td

dBToB

Td

dB

Td

dBToBF

Td

dBToBF

λ Lλ

κ ( λ)

κ C

1

11

1

1

C

L

L

R

C

L

C

L

C

RR

C

LC

R

LC

RR

に注意して、前々頁のFの式を書き直すと、

Page 24: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

前頁の式を検討すると、まず、下から2行目に出てくる

C

R

ToTTd

dBToBFc

ln4

1

は λ L付近での連続スペクトルとなっていることがわかる。

連続スペクトルの強さは、 κ Cと κ Rの強さの比で決まる。

    κ R< κ C  Fo<Fe= π B(Te)

    κ R> κ C  Fo>Fe= π B(Te)

次に下から2行目の最後の項

は、吸収線を表す。吸収が弱い( κ L< κ C)場合、吸収の深さが κ Lに比例することがわかる。

最後の行の

C

L

C

R

ToTA Td

dBF

ln4

L

R

ToTL

R

ToT Td

dBFo

Td

dBToBF

ln4ln4

1

Page 25: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

は吸収が強い場合には、大気の表面(T=To)しか見通せないことを示している。

図示すると以下のようである。弱いライン

3

2R

C

RR

3

2

C

L

C

RR

1

3

2

0R 大気表面T=To

ライン波長で見通せる深さ

連続光波長で見通せる深さ

有効温度T=Teの深さ

Page 26: 単位名   学部    : 天体輻射論 I   大学院:恒星物理学特論 IV 教官名 中田 好一

強いライン

3

2R

C

RR

3

2

L

RR

3

2

0R 大気表面(T=To)≒ ライン波長で見通せる深さ

連続光波長で見通せる深さ

有効温度T=Teの深さ

ピュアな吸収の場合、強い吸収の極限はT=Toの大気表面からの輻射がスペクトルの底になる。

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λ

Fc( λ )

F( λ

Fo( λ )

κ Lと共に深くなる

κ Lが非常に強いと吸収線の底が飽和する

吸収線の強度につれての形の変化

))

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I.5.等値巾 W ( Equivalent Width )

吸収線の近くのみを考え、連続吸収の強度 κ C=一定、吸収線では

κλ = κ C+ κ Lとする。 F λ = πB λ[T( τλ = 2/3)] であるが、

τλ =(2 /3)の深さは連続光では τ C=( 2/3)(κC/κλ) < 2/3 に対応する。

3

2

3

2CTBTBF

展開して、

C

L

CC

Cd

dBTBF

3

2

3

2

3/2

C

L

LCC

13

2

3

2

3

2 CC

弱い吸収では κL<<κC  なので、

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線輪郭( line profile )

R λ

F λ

CC

L

C

L

CC

C

d

Bd

d

dB

BF

FFR

ln

3

2

3

21

λ

等値巾 Wλ=∫Rλdλ

λ

R λWλ

1

0

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弱いライン:

d

d

Bdd

d

BddRW L

CCCC

L ln1

3

2ln

3

2

=光球( τ C= 2/3)までの原子数

f222

mc

q

cnd

cndnd LLLLLL

LLCC

L NnLn

3

2

3

2

fln 22

mc

q

cd

BdNW

CL

1

ln

3

2 00

CC

L

d

BdR

ドップラーコア:

10 Rマクスウェル速度分布: dN= (N / Vo π1/ 2 ) ・ exp[ - (V/Vo)2]・dV

              ここに、 Vo = (2kT /μ mH) 1/2  

 V ーー>  λ = λo (1 + V/c) = λo +D

ドップラーシフト分布: dN= (N /λ D π1/ 2 ) ・exp [ - (λ- λo)2/ λ D2 ] ・dD                ここに、 λ D= λo ・ Vo /c  

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F λ /FC1

0λλo λ1

Bλ(τC= 0 ) ――――― Bλ(τC=2/3)

R (λ1) =Dとなる λ1 より内側ではR=Dで飽和する。

2

020

2

exp1

fDD

L ccm

q

Dccm

q

d

BdN

Dccm

q

d

BdN

ccm

q

d

BdND

DCLD

DCL

D

DDCL

20

2

01

20

22

01

2

0120

2

1lnf

1f

lnexp

exp1

fln

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F λ /FC1

0λλo λ1

Bλ(τC= 0 ) ――――― Bλ(τC=2/3)

R (λ1) =Dとなる λ1 より内側ではR=Dで飽和する。

2

020

2

exp1

fDD

L ccm

q

Dccm

q

d

BdN

Dccm

q

d

BdN

ccm

q

d

BdND

DCLD

DCL

D

DDCL

20

2

01

20

22

01

2

0120

2

1lnfln

1f

lnexp

exp1

fln

Dccm

q

d

BdNDW

DCLD

20

2 1lnfln2

この時期はドプラーコアの吸収のみ

で、吸収量Wの増加は小さい。

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 ローレンツウィング (Ro>>1)

F λ /FC

1

Bλ(τC= 0 ) ――――― Bλ(τC=2/3)

λ1λo

非常に強いラインでは、ドップラーコアは完全につぶれてしまい、ウイング

部分が飽和するようになる。ウィングの形はローレンツ型。

1

fc

1

11f

c

20

2

02

0

20

2

cm

q

cm

qLL

Dccm

q

d

BdN

Dccm

q

d

BdN

ccm

q

d

BdND

CL

CL

CL

1f

1ln

1f

ln

1f

ln

2

001

20

22

01

201

20

2

Dccm

q

d

BdNDW

CL

1

f1ln

22

0

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弱いライン

I.6.成長曲線 (Curve of Growth)

D

LC

LL

CLL

DCL

D

CL

mc

q

cd

BdNX

D

X

Dd

BdN

Dmc

q

cd

BdN

D

W

mc

q

cd

BdNW

1f

ln

ln

1f

ln

fln

22

000

0

0

22

22

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ドップラーコア

ローレンツウィング

D

X

D

W

D

XD

Dccm

q

d

BdNDW

DD

DCLD

00

20

2

ln2ln2

1lnfln2

1f

22

11f

ln2

1f

ln2

220

0

00

220

20

2

cm

q

c

D

X

D

W

D

XD

Dcm

q

cd

BdND

Dccm

q

d

BdNDW

L

DDDD

CL

CL

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log (X 0 / D ) log(π1/2 X 0 / D ) log{ 2 [ ln (X 0 /D)] 1 / 2 } log{ 2 (Λ/λ D ) (X 0 / D )1/2

}

 -2 . 0   -1.75

 -1 . 0   -0.75 δ/λ D

 -0 . 5   -1.25 0.1 0.01

  0 . 0     0.25 -0.70

  0 . 5 0.75 0.33 -0.45

  1 . 0 1.25 0.48  -0.20

  1 . 5 0.57   0.05

  2 . 0 0.63   0.30

  3 . 0 0.72   0.80

-0.20

  3 .5 0.75    1.05

  0.05

  4 . 0     0.78     1.30

  0.30 

  5 . 0    0.83    1.80

  0.80

弱ライン、ドップラーコア飽和、ウィング飽和に対するlog(W / Dλ D )の近似値

   ( δ/λ D =0.1 、 0.01  )

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-2 -1 0 1 2 3 4 5

log X0/D

0

-1

-2

1

2

Log(W/Dλ D)

成長曲線( Λ/λ D =0.1  )

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星間ガスは低温なので、可視域ではその放射を無視できる。したがって、星間ガスによる恒星の光の吸収に対する吸収は、 I =Io exp(- τ )で表される。

吸収原子のコラム数密度=Nとすると、 τ ( λ)=N σ ( λ)である。

また、 Λ/λ D=0 .1とする。

授業では温度勾配のある恒星大気での吸収線の成長曲線を扱った。星間空間での

吸収に対する成長曲線を以下の順で考えよ。

1) 吸収が弱いときの等値巾Wを求めよ。

2) Nが増加して、吸収が強くなったときのWの近似式を授業にならって求めよ。

3) この吸収の成長曲線を求め、グラフにせよ。Xoとしてはどんな式が適当か?

レポート問題 I     出題1 2 月 11 日    提出12月1 8 日

        レポートには、問題番号、学生証番号、学科、学年、氏名を書くこと。