核磁気共鳴装置 nmr (av600)¹´ 10 月 26 日 手順書no. nmr-r-1 作 成 承 認 目次 ⑦...

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分冊 核磁気共鳴装置 NMR (AV600) 操作手順書 R CPMAS プローブでの測定 横浜国立大学機器分析評価センター 作 成 日 2010 10 26 手順書 No. NMR-R-1

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分冊

核磁気共鳴装置 NMR (AV600)

操作手順書

R CPMAS プローブでの測定

横浜国立大学機器分析評価センター

作 成 日 2010 年 10 月 26 日

手順書 No. NMR-R-1

作 成 承 認

目次

⑦ CPMAS プローブでの測定

R CPMAS プローブでの測定 R-1

R-a 基本測定

R-b 13C 核 緩和時間測定

-別冊-

① ICON-NMR 基本操作 (DRX)

A ICON-NMR 測定(オートサンプラーなし) A-1

② ICON-NMR 基本操作(AV600)

B ICON-NMR 測定(オートサンプラーあり) B-1

③ TOPSPIN 1.3 基本操作1

C TOPSPIN 1.3 測定 C-1

④ TOPSPIN 1.3 基本操作2

D TOPSPIN 1.3 処理 D-1

⑤ TOPSPIN 測定法一覧

E TOPSPIN 測定法一覧 E-1

⑥ TOPSPIN 2.1 基本操作1

F TOPSPIN 2.1 測定 F-1

⑦ TOPSPIN 2.1 基本操作2

G TOPSPIN 2.1 処理 G-1

⑧ ALICE の使い方

J ALICE を利用したデータの処理 J-1

R-1

R CPMASプローブでの測定

【測定手順 早見表】

MAS 調整する場合は、測定試料の前に KBr / adamantane 混合試料をセットし、

★印の作業を行う(測定試料は★印不要)。

mascontrol の立ち上げ (Q-a-1 ~ Q-a-5)

※ Eject を押して、サンプルが入っていないことを確認!

サンプルセットと回転制御 (Q-a-6 ~ Q-a-10)

※ 段階的に上げる。回らなかったらすぐ Stop!

データセット(ファイル)の作成 “new” (Q-b-1)

ケーブル配線の確認と準備 (Q-b-2 ~ Q-b-5)

※ 1H デカップリングの有無で配線が変わる

チューニング ”wobb” (Q-b-6 ~ Q-b-14)

※ 観測側と照射側で作業手順が異なるので注意

★ MAS 調整 ”zgefp”, ”apk” ”gs” (Q-e-5 ~ Q-e-9)

← 調整後は初めに戻り、試料を入れ替えて測定

パラメータの設定 “ased” (R-a-2 ~ R-a-3)

※ 測定法によって異なる。D1 の長さに特に注意。

測定 (”rga”), ”zg” (R-a-5 ~ R-a-6)

※ rga は必要に応じて。

処理 “efp”, “sr”, (“abs”, “pp”) (R-a-7 ~ R-a-11)

印刷 Plot/Print ボタン (R-a-12)

R-a 基本測定

R-a-1 「Q-a、Q-b」にしたがって、サンプルセット、新しいファイルの作成、

チューニング調整までを行う。

※ 測定の開始時は、「Q-e」の MAS 調整も予め実施する。MAS 調整

は、標準試料で測定するため注意。

R-a-2 AcquPars タブを開く。

※ AcquGuide の AquisitionPars、または“ased”コマンドでもよい。

R-a-3 各パラメータを適切な値に変更する。

※ 詳細は別途作成予定。

※ 以下のコマンドを実行する前に、開いているデータが正しいか、

ここで確認しておいた方がよい。

既存パラメータ表(一次元)

Nuc. Parameter Sets 内容 標準試料

1H BL4.1H_mas 1H 標準

BL4.1H_shim シム調整専用 H2O

13C BL4.13C_ddmas High-power decoupling(hpdec)

BL4.13C_cpmas CPMAS(cpmas)

BL4.13C_cpnqs CP-NQS(cpnqs)

BL4.13C_cptoss CP-TOSS(cptoss)

glycine

or

adamantane

BL4.13C_cpxt1 CP を使った T1 測定

BL4.13C_90deg 90 度パルス調整

15N

17O BL4.17O_mas 17O 標準

BL4.17O_ddmas High-power decoupling(hpdec)

29Si BL4.29Si_mas 29Si 標準

BL4.29Si_ddmas High-power decoupling(hpdec)

BL4.29Si_cpmas CPMAS 測定(cpmas) hexamethylcyclo

trisiloxane

R-2

79Br BL4.79Br_magic MAS 調整 KBr

R-a-4 レシーバーゲイン調整が必要な場合は、”rga”コマンドを実行する。

※ 一般に、多核測定は「203」にすればよく、ほとんど必要ない。

※ AcquGuideのReceiver Gain - Determine RG value automaticallyでも

よい。

R-a-5 “zg” 測定を開始する。

※ AcquGuide の Start Acquisition、または右図

Start ボタン(▼)でもよい。

※ “zgefp” コマンドでもよい。( “zgefp”

は、”zg””em””ft””pk”の複合コマンドである。)

※ 測定を途中で終了する場合は、Halt ボタン(■)または Stop ボタ

ンで停止する(同名のコマンドでもよい)。Halt は測定途中のデ

ータを残したい場合に用いる。

※ 測定終了後に積算を追加したい場合は、必要な積算回数を設定し

た後、“go”コマンドを実行する。

※ 測定を開始すると測定中の FID 画面がリアルタイムで表示され

る。このウィンドウは閉じてもよいが、もう

一度見たいならば右図アイコンをクリック

する(”acqu”コマンドでも可)。

R-a-6 測定が終了すると、ステータスバーの Fid Flash の点滅が消え、

Acquisition information が no acquisition running となる

R-3

R-a-7 “efp” 一次元スペクトルを処理する場合

“xfb” 二次元スペクトルを処理する場合

※ “efp”は、”em””ft””pk”の複合コマンドである。

※ ProcGuide を開いて処理してもよい。ほとんどのメニューは

Automatic Mode で対応できる。

※ Window 関数を変更する場合は、”lb”コマンドを実行するか、

ProcGuide のマニュアルモードで処理する。固体 NMR はブロー

ドな信号になることがあるので、強めの Window 関数をかけるこ

とがある。ただし、やりすぎは恣意的な結果になりかねないので、

各自の判断で Window 関数を調整すること。

※ 線形予測(linear prediction: LP)をする場合は、”em”コマンドの

後、”ft”コマンドを実行するか、ProcGuide のマニュアルモードで

フーリエ変換する。LP は二次元 NMR で分解能を上げたい場合

(forward LP)や、多核 NMR で

うねり信号を低減する場合

(backward LP)に用いられる。

近の装置はうねりの原因とな

るアコースティックリンギング

が少ないので、backward LP はあ

まり使わなくて問題ない。

********(補足)******************************************************

位相合わせを Manual Phasing で行う場合(一次元)

1. Manual phasing を選び OK とする(右図

アイコンでも可)。

2. スペクトルの位相が見易いように、適当

な大きさにスペクトルを拡大する。

3. 赤い線(Pivot Point)が表示されている信号の裾を見て、アイコンの

R-4

4. 赤い線から も遠い信号の裾を見て、アイコンの「1」をクリックし

ながらマウスを上下に動かし、位相を合わせる。

5. Save & Return(右図)でモードを抜ける。

※ 保存しない場合は、Return アイコン(右隣)でモー

ドを抜ける。

※ 赤い線(Pivot Point)を変更したい場合は、カーソ

ルを合わせて右クリックし、Set Pivot Point を選択する。

***************************************************************

R-a-8 “sr” 化学シフト補正をする場合

※ 固体 NMR では、“cal”コマンドはほとんど使わない。標準試料で

測定した補正値を用いる。

※ 「SR」の値は ProcPars タブを開いたところにあるので、標準試

料で合わせたものと同じ値にする。ただし、測定前に BSMS 画面

から Field 値を読み込んでいない場合は一致しないので注意。

R-a-9 “abs” ベースラインコレクションをする場合

※ ProcGuide の Baseline Corr. ボタン( Auto-correct

baseline using polynomial)で処理してもよい。

※ ブロードな信号はベースライン補正で消えてしまう

R-5

※ マニュアルでベースライン補正する場合は、Correct baseline

manually で行う。ツールバーのアイコ

ンでもよい。

R-a-10 “pps”または”pp” ピークピッキングをする場合

※ 信号の数が多すぎる場合は、ピークピッキングを行う 低レベルを

縦軸から読み取り、Minimum intensity MI [rel] を入力してピークの数

を減らす。また、Detection sensitivity PC を上げると複雑な分裂のピ

ーク数が減少することがある。

※ ProcGuideからPeak Pickingボタンを押して、Auto-Pick

peaks on displayed spectrum regionまたはon full spectrum

を選び、OKとしてもよい。

※ マニュアルでピークピッキングする場合は、Define regions / peaks

manually, adjust MI, MAXI で行う。ツールバーのアイコンでもよい。

********(補足)***************

Define region / peaks manually で

行う場合

1. picking を行なうスペクト

ル領域を拡大する。

2. 右図アイコン(□)をハイ

ライト表示(緑)にする。

3. ピークが枠内に入るように

マウスでクリック&ドラッ

R-6

4. 必要な部分を繰り返し、終わったら Save & Return(○)する。

****************************

R-a-11 “abs”または“int” 積分をする場合

※ ProcGuide の Integration ボタンを押して、積分を取って

もよい。自動で行う場合は、Auto-find regions を選び、

マニュアルで行なう場合や編集する場合は、Define

integral regions manually を選ぶ。

※ Define integral regions manually は、ツール

バーのアイコンでもよい。

********(補足)**************************************************

Define integral regions manually で行う場合

1. Integration を行なうスペクトル領域を拡大する。

2. 下図アイコン(□)をハイライト表示(緑)にする。

3. 積分範囲をマウスでクリック&ドラッグする。

4. 積分の基準値を合わせたいシグナルにマウスカーソルを合わせ、右クリ

ックする。

5. 右クリックメニューの Calibration を選び、New value に希望の積分値を

入力し、OK とする。

6. 必要な部分を繰り返し、終わったら Save & Return(○)する。

R-7

****************************************************************

R-a-12 印刷する場合は、Plot/Print ボタンをクリックして希望のレイアウトを

選ぶ(Ctrl+p キーでもよい)。

Print active window [prnt]: 現在の画面をそのまま印刷

Print with layout – start Plot Editor [plot]: プロットエディターを起動

Print with layout – plot directly [autoplot]: プロットエディター書式で直接印刷

※ [ ]内のコマンド入力でもよい。

※ レイアウトファイルを変更する場合は、LAYOUT を選択する。

右クリック&

Calibration

R-8

R-b 13C核 緩和時間測定

R-b-1 Q-h 項で 13C 核 90 度パルスを求める。

R-b-2 Q-h-1~Q-h-2 の操作を行う。

R-b-3 “new” ファイルを作る。詳細は Q-b-1 参照。Experiment は

「BL4.13C_cpxt1」を選択する。

R-b-4 “ased” または AcquPars タブを開き、以下のように設定する。

・ パルスプログラム【Pulprog】 → cpxt1

・ パルス出力【PL1】 → 13C 核 90 度パルスの出力

・ パルス幅【P1】 → 13C 核 90 度パルス幅

R-b-5 ツールバーから を選択し、画面が出てきたら 2D を選択し、OK

とする。

・ 回復時間【VDLIST】 → を押して、使用する VDLIST を選択

する。 で設定したリストを見ることができる。

・ データポイント【TD】 → TD(F1)を VDLIST の行数と一致させる。

R-b-6 “edp”または ProcPars タブ 処理パラメータファイル(Processing

Pars.)を開き、以下のように設定する。

・ スペクトルデータ点数【SI】 → SI(F1)に、TD(F1)より大きい2

のべき乗の値を入れる

※ TD(F1)と VDLIST の行数が 14 なら、SI(F1)は 24=16 にする。

R-9

R-b-7 “zg” 測定を開始する。

※ rga は行わない。

R-b-8 “xf2” Fourier Transform 画面の右側のチェックをはずし(F2 だけ

チェックを入れる)、横軸だけフーリエ変換を行う。

R-b-9 Phase Correction マニュアル位相補正を行う。スペクトルの上部と下

部を右クリックで選択し、それぞれ add する。 アイコンをクリッ

クして、スペクトルの位相を合わせる。

R-b-10 ツールバーの Analysis→T1/T2 Relaxation を開くと NMR Relaxation

Guide がでてくるので、順に解析をしていく。Extract Slice を押し、

Spectrum を選択する。また、Slice number を聞かれるので、VDLIST

の行数の一番 後の番号を入力する。

R-b-11 Peaks/Ranges では、T1 解析したいピークをそれぞれ積分またはピー

クピックを行うが、通常は積分で行うとよい。セーブアイコン を

クリックし、“Export Resions To Relaxation Module and.ret.”を選択する。

R-b-12 Relaxation Window をクリックして緩和時間ウィンドウを開く。

R-b-13 Fitting Function をクリックする。

R-10

R-11

R-b-14 Start Calculation をクリックして、T1 計算を実行する。