プロジェクトリーダーを育成する慶應sdmの挑戦¦による人材育成学sdm...

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プロジェクトリーダーを育成する慶應ＳＤＭの挑戦

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科准教授

ＰＭＩ日本支部教育担当理事

当麻哲哉

PMI Japan Forum 2012 2012年7月8日


Think big. Think deep. Think Keio.

Keio University

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科


日本の問題

激動する現代社会が直面する問題の多くは、問題をシステムとして俯瞰的視点からとらえ、全体として整合性のある解を導くべき問題なのに、それができていないこと。

環境問題

年金

防衛

震災

国家財政破綻

国家ビジョン

TPP 農業

技術のガラパゴス化

理系離れ

領土問題

セキュリティー

資源

格差国際競争力の低迷

小子高齢化外交原子力

雇用教育


大学院SDM研究科とは?

• 2008年新設（慶應義塾150年）

–システムズエンジニアリングとデザイン思考を基盤

• 既に何らかの専門性を有する者への教育

–過半数は社会人学生

–バックグラウンドを問わない文理融合

• 多様な分野から集められた教授陣

–企業経験・起業経験・国際経験豊富

• 授業の重視（研究も重視）

–国際的チームによるイノベーション教育


「木を見て森も見る」構想提言力

「森を見て木も見る」詳細設計力

これを実現するのは… グループプロジェクト教育リーダーシップ・コミュニケーション力モデリング・シミュレーション未知問題解決力

次世代を担うリーダーに必要な能力


45

28

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23

14

5 4 3

0

5

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50（人数）

4

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2 2 2

0

2

4

6

8

10

12

14（人数）

製造, 19.6

通信, 11.2

コンサルティン

グ, 10.3

情報, 9.3 航空・宇

宙, 6.5 金融, 4.7

不動産, 3.7

官公庁, 3.7

建築, 3.7 エネル

ギー, 3.7

システ

ム, 2.8

医療, 1.9

マスコミ･出

版, 1.9

法曹, 1.9

物流, 1.9 教員, 1.9

教育, 1.9 素材, 1.9

デザイン, 1.9 公務員, 1.9

スポーツ, 0.9 翻訳, 0.9 食品, 0.9 製薬, 0.9

(%)

25

21

75

43

3

3

22

2

18

理工学部

工学部

法学部

環境情報学部

経済学部

政治経済学部

文学部

理学部

教育学部

商学部

農学部

その他

修士課程学生年齢分布

博士課程学生年齢分布

実務経験学生の職種分布

学生の属性（2011年4月期）

学生の出身学部

メーカー、サービス、シンクタンク、金融、建築、アート、マスコミ、コンサルタント、法曹、省庁、教育、経営者・・・

生涯学習（大人の大学院）


保井俊之

白坂成功

林美香子嶋津恵子

神武直彦

ヒジノケン狼嘉彰

小木哲朗

中野冠

高野研一

手嶋龍一

当麻哲哉西村

秀和

春山真一郎

前野隆司

湊宣明

佐々木正一

環境共生安全

ｼｽﾃﾑ論・協生

ｼｽﾃﾑﾃﾞｻﾞｲﾝ・ﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ

Organization System

Socio-Critical System

Socio- Technical System

Environmental System

食と農業

環境・ﾓﾋﾞﾘﾃｨ-

ﾋﾞｼﾞﾈｽ・生産

社会中枢システム

遠隔教育・医療ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ

組織・安全ｿﾌﾄｳｪｱ

システムズエンジニアリング

ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ、通信

ﾋｭｰﾏﾝｲﾝﾀﾌｪｰｽＶＲ・ＡＲ

ﾓﾋﾞﾘﾃｨｰ、ﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ＆ｺﾝﾄﾛｰﾙ

ｼｽﾃﾑﾃﾞｻﾞｲﾝ・ﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ

幸福

人間健康

ﾓﾁﾍﾞｰｼｮﾝｾｷｭﾘﾃｨｰ

ｼﾐｭﾚｰｼｮﾝ

科学技術

ネットワーク

ｲﾝﾃﾘｼﾞｪﾝｽ政治

経済経営

マーケティング

協生ＬＣＡ

感性

社会

宇宙

ＳＤ

共生

情報

軍事

教育

ｾｰﾌﾃｨｰ

ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞ

サプライチェーン NPO NGO

社会企業

ユビキタス

都市地球

エネルギー

外交

西山敏樹

教員と研究分野


国内外招聘教授陣

R. Halligan G. Motet （INSA)

R. Jane（SIT)

村上周三（建研）

O. deWeck （MIT)

H. Stower

林美香子

藤原洋（インターネット総研）

要求工学

建築システム

安全文化

農業システムデザイン

プロジェクトマネジメント

マルチディシプリナリ最適化

システムアーキテクティング

和泉洋人（内閣官房）谷口智彦

（外務省参与）

吉田篤生（吉田会計事務所）

松崎久純（中部産業連盟）

Kart Beiter （Stanford)

Sun Kim Design Project

Whit Fowler (MIT)

Dr. Balmelli （IBM) 高橋良之(日揮)

政治・経済システム

会計システム

システムモデリング

コミュニケーション

茂木健一郎（ソニーCSL）

村上憲郎橋本大二郎

エネルギーシステム

インターネット

人間システム


Prof. Dov Dory, MIT

“Object-Process Methodology”

ALPS “Safety and Security” (2010)

Prof. Paul Schonsleben, ETH,

“Supply Chain Management”

Prof. Tever Greene, Keio SDM

English Training for Study Abroad

海外講師によるレクチャー


デザイン学

システム学

マネジメント学

リーダーシップ力

創造力コミュニケーション能力

国際性実行力自我作古

SDM

チームでの協働によりイノベーションを生み出す、デザイン思考を基盤とするデザイン学体系

システマティックに学ぶ手法を駆使した新コンセプトデザインと検証

プロジェクトマネジメントやビジネス系科目によるマネジメント学体系

PMP(Project Management Professional)認定につながる科目群

システムズエンジニアリングを基盤とするシステム学体系

必修コア科目を中心にシステムとしての見方の基礎を徹底的に教育

SDM学による人材育成

SDM学のコンセプト


環境共生社会協生

健康・福祉

安心・安全

政治経済科学技術

国際問題問題解決相互理解

全体最適バランス

グローバル人間理解

国・地方

大学・研究所

産業界

SDM学による人材育成 SDM学による国内外連携

連携マネジメント

社会貢献

人材育成

ビジネス化

国際的学術成果

SDM デザイン学

システム学


リーダーシップ力

創造力コミュニケーション能力

国際性実行力自我作古

SDM

SDM学のコンセプト


システム学

デザイン学


システムズ・アプローチ

「場」

協創力

技法習得を超えて身に付く「協創力」

「つながり」を見つけ出す力

「つながり」を創りだす力

「つながり」を段取る力


ネットワーク型の手法

ツリー型の手法マトリックス型の手法

マインドマップ

コンテキスト分析

根本原因分析

因果関係ループ

システムダイナミクス（SD)

顧客価値連鎖分析（CVCA）

バリューグラフ

QFD

FTA FMEA

OPM

WBS

ブロック線図

動的静的

共分散構造分析

UML/SysML

シナリオグラフモルフォロジカルアナリシス

Pughコンセプトセレクション

ユースケース図

なぜなぜ5回法

多変量解析 N2チャート

ガントチャート

FFBD

特性要因図

SWOT分析

連関表

ニューラルネットワーク

問題構造ツリー

システム思考・システム工学で用いる手法マップ

「思考脳力の作り方（前野隆司）」より

MECE

実システムの構造をなるべくそのままネットワーク表現

漏れなく重なりなく階層型に表現・分類

２つの因子の関係性を明確化

SDM学で学ぶ手法の例



Keio University

ＳＤＭ研究科カリキュラム


SDM学体系

（カリキュラム）


SDMのプロジェクトマネジメント教育

Harvard Business Review 2009年11月号

Harvard Business Review慶應SDMのPM教育


プロジェクトマネジメント関連科目

SDM序論デザイン・プロジェクト

統合

スコープ

調達

人的資源

コミュニケーション

システムの評価と検証

システムアーキテクティングとインテグ

レーション

システムデザインのための統計とデータ

処理

ヒューマンリレーションズ論

リスクマネ

ジメント論

ヒューマンファクター論

SDM特別講義

PMBOK®の９つの知識エリアを身につける

経営・財務

戦略論

コミュニ

ケーション

創造的

意思決定論

リスク


タイムコスト

品質


教科書はPMBOK®ガイド

• 入学時に全員に配布

– 『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド（PMBOK®ガイド）第4版』(PMI)

– 海外留学生には英語版『Project Management Body Of Knowledge (PMBOK® Guide) Fourth Edition』(PMI)

– PMBOK®ガイド第4版レファレンス

http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/1933890517/ref=dp_image_z_0?ie=UTF8&n=52033011&s=english-books


プロジェクトマネジメントの講師陣

• メイン講師

–教科書PMBOK®に基づく基礎（当麻哲哉）

– PMの現場から（元日揮・高橋良之氏）

• ゲスト

–プロマネの人間術（アスカプラニング・永谷裕子氏）

–プロマネ的生活のススメ（アクセンチュア・米澤創一氏）


Project Management (English)

• 英語による講義

–海外からの留学生

–英語で学びたい学生

• 講師陣

– PMIJボランティア講師陣

• 各界で現役で活躍する講師

• ものづくり演習

– Paper Tower

– Paper Bridge


デザインプロジェクト



Keio University

“ＫｉＤＳ” デザイン思考ワークショップ


慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM) SDM研究所イノベーティブデザインセンター主催

慶應イノベーティブデザインスクール KiDS (Keio innovative Design School)


最先端が生まれたわけ

マサチューセッツ工科大(MIT)

スタンフォード大デルフト工科大

連携

2008年4月発足

ALPS: Active Learning Project Sequence 慶應SDMがMIT, スタンフォード大, デルフト工科大と連携して立ち上げた大学院生イノベ―ション教育プログラム

KiDS ALPSでの3年間の教育経験をもとに方法論を確立


KiDSの標準メニュー

第1日:

スタートアップと概観

第2日:

アイディア創造

第3日:

理解とアーキテクティングその1

第4日:

理解とアーキテクティングその2

第5日:

システムデザインと検証

• メニューを長く・短くするのに柔軟に対応します。 • 一日だけのワークショップコースも可です。 • ご要望に応じますのでご相談ください。


Validation

System Design and Evaluation

Understanding and Architecting

Idea Creation

Start Up / Overview 1

2

3

4

5

KiDSで身に付く方法論・技法(例)

システムズ・エンジニアリングとデザイン, Vモデルについて, チームビルディング, 創造のための繰り返し, デザインと哲学, 等

ブレインストーミング, KJ法, マインドマップ, 等

観察(フィールドワーク, エスノグラフィ, 参与観察), CVCA, WCA, バリューグラフ, シナリオグラフ, ユースケース, 等

エネーブラー・フレームワーク, QFD, FFBD, OPM, モルフォロジカル分析, ピュー・コンセプトセレクション, エンパシーのためのプロトタイプ, 等

テストのためのプロトタイプ, AHP, インタビュー(有識者調査, 専門家判断), アンケート, 社会調査, 社会実験


デザイン思考ワークショップ参加者が学べる内容

• デザイン思考とシステムエンジニアリング手法の融合

• チームを編成してアイデアを創造

• システマティックなアイデア創出

• ユーザーの立場からデザイン

• プロトタイプを作ってアイデアの共有や提案

• 効果的なコミュニケーション能力、発表能力


KiDSから続々と成果: 加速する社会と組織のイノベーション

福島と日本をつなぐフューチャーセンター構想

秋田の中心市街地活性化のイノベ―ティブ・ソリューション提案

山形県最上町「若者を鍛えるツアー」というソリューション

人間の”欲望”の構造を分析し、社会デザインに

人と人をつなげるスマートフォンアプリ「Frame In」

都市型農業という新しいビジネス

停電回避プロジェクトというソリューション


企業・自治体等の研修を実施

★ 組織内で世の中のニーズにマッチしたデザインイノベーションを起こせるグローバル人材育成にご興味をお持ちの方、お気軽にお問い合わせください。

★ 問い合わせ先

慶應義塾大学大学院システムデザイン･マネジメント研究科附属SDM研究所イノベーティブデザインセンター

〒223-8526 横浜市港北区日吉4-1-1協生館

URL: http://lab.sdm.keio.ac.jp/idc/index.html

e-mail: [email protected]



Keio University

プロジェクトマネジメント教育


PMI会員数の推移

本部会員数と

PMP資格保有者数

（グローバル）

日本支部会員数

（2011年6月 3,000人突破）

PMI日本支部提供


プロジェクトの失敗

1994 1996 1998 2000 2002 2004 2009

成功 16% 27% 26% 28% 34% 29% 32% 時間通り、予算内、要求通りの品質・機能

問題あり 53% 33% 46% 49% 51% 53% 44% 遅延、予算オーバー、要求より低い品質・機能

失敗 31% 40% 28% 23% 15% 18% 24% 完成前にキャンセル、または完成したが使われず

Standish Group International

のデータより

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1994 1996 1998 2000 2002 2004 2009


時間

確率

決められた時間を守れない

• 納期に間に合わなかったことはありますか？

• 何度も繰り返していませんか?

–やり方を変えない限り、何度でも繰り返します！

–予測の推定に問題があるのでは？


なぜ素早い立上げが重要か？

投資と回収

+作業がもたらす利益

–作業にかかる費用 – プロジェクトコスト（意外に小さい）

–何もしなくてもかかる費用 – 日々のスタートの遅れ、残業の無駄

–遅延による損失 – 導入遅延によるビジネスチャンスの喪失

doing nothing doing benefit

idea start done

Niels Malotaux – Predictable Projects 講義資料


一日遅れるとコストアップはいくら？

• あなたの一日の賃金をご存知ですか？ • 給与だけではありません。福利厚生、オフィス備品、施設 etc.

• 加えて、遅れによるビジネスチャンスのロスは？

たとえば‥

• 年間１２億円売れるはずの新製品開発

• 2000万円投資すれば開発が２ヵ月早くなるとすると、あなたはこの投資をしますか？

• ３人で２週間の追加調査をしたら、もっといいアイデアが出るかも。スタートを２週間遅らせますか？

• 追加でかかる費用よりも、遅れで失うビジネスを評価せよ


QCD+P 鉄の三角形

Project

Scope （目的、ゴール）

Cost （予算、費用）

Delivery （納期、スケジュール）

Quality （品質、要求）


QCDの優先順位に基づき

これらのトレードオフを

資源でバランスさせること

Person, Resource （人的資源、物的資源）


プロジェクトに大切なこと

• 日数、コストなどを推定する場合、

–予測と現実は意外に開きがある

–経験を積むと予測の正確性が増す

–チェック（検算）すると品質が向上する

–速くやるほどミスも多くなる

–良い結果を出すには、予想以上に時間や費用がかかることを認識する（2倍～3倍?）


リーダーに求められる人間関係のスキル

• リーダーの責任

「実務担当者の能力を引き出し、かつ気持ちよく働く環境を提供する」（元日揮・高橋良之）

• 人間関係のスキル

リーダーシップ、チーム形成活動、動機付け、

コミュニケーション、影響力、意思決定、

交渉、政治的風土と文化に対する認識

• リーダーはメンバーに対して

– 個人の尊重、自主性の尊重

– 失敗の許容、アイデアの尊重

PMBOK ® 付録G p.409



Keio University

慶應ＳＤＭのプロジェクトリーダー育成コース


一般向けプロジェクトリーダー育成

ビズテリア経営企画 Vol.22 (2009年4月発行)

2009年、産学協同でのプロジェクトリーダー育成

を立上げ


学

産

産学協同の育成セミナー

• 従来「産」でのコーチング：企業でのOJT

– 先輩・上司から学び、経験を積みながら育っていく

– プロジェクトの複雑化・多様化により、リーダーを育てるのに時間がかかる

– 海外のシステマチックな育成に比して国際競争力が低下

• 「学」によるティーチング：大学の役割

– 論理的な思考能力の開発

– 多視点でのモノの捉え方、問題の可視化の習得

– 勘や経験に頼らない意思決定能力の向上


産学協同育成の流れ

学

産


プロジェクトリーダー育成講座

主催：慶應義塾大学 SDM研究所後援：PMI日本支部（カテゴリーA、最大36PDU受講証明書取得可能）

合宿制の

集中講座

昨年度開催したものの例です。


学産 • SDM講師陣

–当麻哲哉（セミナーコーディネーター）

–白坂成功

• 外部講師陣

–高橋良之（チーフトレーナー）

–古屋邦彦

–岩下貢

セミナー講師



セミナーの構成

5日間の合宿制で、リーダーに必要な5つの柱を学ぶ

2011年度の講座日程（例）【前半】 11/15（火）～11/17（木）【後半】 12/5（月）～12/6（火）



PMP養成コース（PMP資格受験対策）

• 高い合格率を誇る講座！

– 2011年度の受講生から、PMP合格者10名！ • 現在はSDM在校生、研究所研究員に限定開講中

– 日程：7時間×5回＝合計35時間（模擬試験含む）

• PMP® (Project Management Professional) とは？

– プロジェクトマネジメントの国際資格 • 受験者のプロジェクトマネジメント知識、理解度をはかり、専門知識を有していることを証明するための資格認定

• 出題範囲はPMBOK®を基本に多様なPM業務を対象

• 200問4択式（制限時間4時間）

– 受験資格要件 • 学士号、3年以上のPM経験、4500時間以上のPM指導経験

• 35PDU以上のPM教育受講経験（本講座参加で完全にカバー）

講師：大塚有希子PMP （富士ゼロックス総合教育研究所）


本日のまとめ

• システムデザイン・マネジメント学とは？

–システム学

–デザイン学

–マネジメント学

• 慶應ＳＤＭのカリキュラムと研修

–デザイン思考ワークショップ

–プロジェクトマネジメント

–リーダー育成コース


Let’s Design the Future!

SDM, Keio University

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