要求開発 with You
要求開発(匠メソッド)・モデリングで未来を創造する
株式会社ビープラウド 佐藤治夫
匠の夏祭り2015/8/7
自己紹介
• 名前 佐藤治夫(Sato Haruo)
• 株式会社ビープラウド代表取締役社長(2006年5月設立)
!→自社内開発(2009~現在)
体制:エンジニア40人程度
Web開発 python
BPStudy BPRD(BePROUD Remote Day)
!python開発での実践ノウハウを他社に提供
!Web系をテーマとした勉強会 2007年9月~毎月1回開催
週に5日、リモートで仕事
ビープラウドの取り組み
・匠道場 → 2013年1月~2015年7月までほぼ毎月30回参加 (1回欠席のみ) ・匠塾 → 2015年7月~1回参加 ・匠NET
→ 2013年11月~2015年7月まで21回全参加
要求開発(匠メソッド)の集まりへの参加
アジェンダ
• 匠メソッドを学び始めたきっかけ • 匠メソッド導入事例 • 要求開発がうまく行く場合、うまく行かない場合
要求開発(匠メソッド) !を学び始めたきっかけ
2011年8月初の自社サービス liblarリリース
本を友達と共有、すばらしい本に出会うためのサービス
liblar
2011年8月liblarリリース → 1日で5000人が会員登録 → 日経新聞にもリリース記事が載り → その後….
→長続きしなかった….
「とりあえずつくる。動くものをリリースしてユーザーの反応をみながら改善していけばいい!」
一次開発だけで ・エンジニア2名×4か月 ・デザイナー1名×4か月 ・企画担当者1名×4か月
→ 16人(1000~1500万)
とはいうものの….
「なんとなくよさそう」で始めてしまっていいのか!? 「まずはつくってみよう」でいいのか!?
新製品・サービスを創り出す 考え方・手法を学ぼう!
→ 要求開発(匠メソッド)
connpassへの導入
要求開発(匠メソッド)がもたらした効果
2014年1月当時のconnpassの問題他サイトと比較して
・小さなイベントが多い(個人開催) ・年末、年始に極端に利用率が減る
(アイデア)コミュニティ向け機能(グループ機能)
複数人で開催し、定期的に開催されるようなユーザーグループなどに使ってもらいたい
機能を一覧化(チケット化)
19個の解決策 → 全部を開発していたらリリースできない!→優先順位をつけ、ミニマムでリリースしたい
優先順位付けをどのようにするか?
解決したい課題実現したい価値
<機能>
対象ユーザー
タイミング効果
企業戦略
コスト市場ビジョン
価値分析モデル
①誰に、どのような価値があるのか?
ステークホルダー
価値
目的
②ステークホルダーの価値につながる プロジェクトの目的を抽出
導入した成果
かかった時間:約1日・午前中:価値分析モデル(2時間) ・午後:要求分析ツリー(4時間)
成果・19個のIT要求→ 7個のIT要求・メンバーの納得感→高かった 議論が迷走したり、行ったり来たりしなかった 今までは議論に疲弊することがあったが、そのようなことはなかった
connpassでの企画・戦略
必要充分でミニマムなリリース
connpassでの企画・戦略
1次リリース後に明らかになった課題を 1次リリース時の要求分析ツリーに追加
1次リリースの要求分析ツリーをもとに2次開発を検討
建設的な議論が可能に枝葉のレベルだと議論が収集しない
Aさんのアイデア
Bさんのアイデア
取捨選択の議論がしやすい
(そもそもの価値に近い)
プロジェクトの目的A
プロジェクトの目的B
<個人の価値観>
<Projectの価値観>
「要求の爆発」の恐怖からの解放赤色のIT要求=要求分析ツリーをつくってからアイデアとして出たIT要求
(通常)優先度を決める段階の新しいアイデア→ 議論を収束させたいので敬遠されがち (要求の爆発への恐怖)
(要求分析ツリーによる方法)「ツリーに葉を足すだけ」↓精神的負担が軽く、新しいアイデアに対しても、前向きに議論できる
このように価値創造効果の高い 匠メソッドに日々取り組んでいるが…
クリエイティブな結果が出る時と出ない時がある
要求開発(匠メソッド)
納得感無し
納得感有り
出会ったのが「U理論」
革新的なイノベーションを生み出している各業界のリーダー150人にインタビューし、その思考・行動を体系化
MITのC.オットー・シャーマー博士
収穫種畑
農業の収穫
入力 出力
プロセス
価値:製品・サービス (収穫)
人(種)
製品・サービスにたとえると
入力 出力
プロセス
組織・チーム(畑)
思考・対話
匠メソッドも同じ!
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
③感じ取る(Sensing)
④プレゼンシング
⑤結晶化
⑥プロトタイピング
⑦実践(Performing)U理論の「創造」のプロセス
U理論に従って、 匠メソッドのプロセスについて説明し、要求開発がうまくいくときと いかないときを、説明します。
要求開発 with U
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
③感じ取る(Sensing)
④プレゼンシング
⑤結晶化
⑥プロトタイピング
Uのカタチを描くように深い思考ができたとき
要求開発がうまくいかない場合
・決めつけ ・諦めの心 ・恐れ・不安 ・過去・現実を手放す覚悟がない ・ビジョンを見いだせない ・拙速なプロトタイプ
①ダウンローディング ⑦実践(Performing)
・過去の経験から評価・判断する考え(決めつけ)「それはわかっている」 「またいつもの話か」 「これは結局こうなる」
創造がうまくいかない思考
何も生み出さない(収穫無し)
①ダウンローディング
②観る(Seeing)現状をひたすら観察する
②観る(Seeing)
匠メソッド:ステークホルダーモデル現状を観察する。関係・問題点を洗い出す(AsIs)
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
「自分には無理だ」 「うちの会社にはできない」
創造がうまくいかないケース(諦めの心)
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
視座の転換(Redirection)③感じ取る(Sensing)
③感じ取る(Sensing)
ステークホルダーの立場に立ち、嬉しい気持ちをイメージし、未来の価値を描く(ToBe)
匠メソッド:価値分析モデル
思考する ↓ 言葉にする ↓ 行動する
創造の3つのプロセス
思考は何から生まれるか?
視点が変われば、結果が変わる
視点→思考→言葉→行動→結果
(入力) (出力)(創造のプロセス)
自分ステークホルダー
価値分析モデル:視点を変える
視点が変わる (redirection)
自分も生態系の一部
視点→思考→言葉→行動→結果
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
視点の転換(Redirection)③感じ取る(Sensing)
価値分析モデルで価値を「感じ取る」
創造がうまくいかない思考
・ステークホルダーの具体的な価値を充分に感じ取れない (視点を変えきれていない)
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
恐れ・不安の声
③感じ取る(Sensing) 「良いのはわかるが、失敗したら困る」
創造がうまくいかない思考
経済的保障、立場を失う、嘲笑される
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
③感じ取る(Sensing)
④プレゼンシング
④プレゼンシング
プレゼンシング
②手放す(Letting Go)
③迎え入れる(Letting Come)
①源(ソース)とつながる ! ・自分達は何者なのか(Self) 存在意義 ・自分達の成すべきことは何か(Work) 使命
④委ねる
プレゼンシング
①源(ソース)とつながる
匠メソッド:価値デザインモデル・自分達は何者なのか(Self) ・自分達の成すべきことは何か(Work)
ビジョン
コンセプト
デザイン
ストーリー意味
キャッチコピー
価値デザインモデルで 自分たちの一番深いところにまでたどり着く
・自分達は何者なのか(Self) ・自分達の成すべきことは何か(Work)
「答えは自分たちの中にある」
・強み ・やって来た事
創造がうまくいかないケース
・自分たちのビジョンと関係ないことをやろうとする !・外部から「うまい方法」を持ってくる !・ビジョンが感覚とマッチしないが、あきらめてしまう
プレゼンシング(創造の瞬間)
②手放す(Letting Go)
③迎え入れる(Letting Come)
④委ねる
未来
エゴ
操作しようとする
創造がうまくいかない思考
緊張
(新しい発想が湧かない時)
(委ねられていない)
新しい発想が湧くとき
未来
ToBe
リラックス (委ねる)
出現する
<覚悟> ・過去を手放し(Letting Go) ・未来を受け入れる(Letting Come)
過去を手放す(Letting Go)、 未来を受け入れる(Letting Come)、委ねる
未来
緊張・不安
サバイバルモードと創造モード
ベータ波
アルファ波
シータ波
デルタ波
リラックス
催眠(うたた寝)
睡眠
サバイバルモード
体を守る 環境を守る
創造モード発想・ひらめき
「あなたという習慣を断つ」より
コントロールする
委ねる
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
③感じ取る(Sensing)
④プレゼンシング
ビジョンと意図を具体化する⑤結晶化
結晶化
価値・ビジョン・コンセプト、目的、解決策が結ばれて行く→要求として結晶化されていく
結晶化(要求分析ツリー)
価値
目的
ビジョン
コンセプト
IT要求業務要求戦略要求
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
③感じ取る(Sensing)
④プレゼンシング
頭、心、手を統合する
⑤結晶化
⑥プロトタイピング
プロトタイピング
プロトタイピング
あるお客様の悩み
デザイナーにイメージを伝えて、 プロトタイプをつくってもらうんだけどイメージとずれていて やり直してもらうことが多くて。。。
プロトタイプとはいえ、コストもそれなりにかかるし、 何度もやり直していると、どんどん時間とコストが….
プロトタイピング
プロトタイプ
プロトタイプアイデア
的を外し、プロトタイプがやり直しになることも
アイデアに一貫性があり、的に近いプロトタイプになる可能性が高い
アイデアの洗練
思考、言葉 行動
<要求開発によるプロトタイピング>
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
③感じ取る(Sensing)
④プレゼンシング
インフラに組み込む
⑤結晶化
⑥プロトタイピング
プロジェクト開始(PDCA)Perfoming
要求開発がうまく進み、結果が出るとき
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
③感じ取る(Sensing)
④プレゼンシング
インフラに組み込む
⑤結晶化
⑥プロトタイピング
自分達は何者なのか(Self) 自分達の成すべきことは何か(Work)
Uのカタチを描くように深い思考ができたとき
頭と手と心を統合する
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
恐れの声③感じ取る(Sensing)
障害を超えられず浅い思考になってしまう
諦めの心
・経験で評価・判断
エゴ 緊張
過去・現実を手放せないビジョン・存在を見いだせないビジョンにつながらないことをする
拙速なプロトタイプ
要求開発(匠メソッド)と U理論を組み合わせて考えるメリット
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
恐れの声③感じ取る(Sensing)
否定的な状況が現れても、段階が把握でき対策を打てる
諦めの心
経験で評価・判断
エゴ 緊張
覚悟ができていない存在・使命(Self,Work)の未認識ビジョンにつながらないことをする
拙速なプロトタイプ
アイデアが生まれない
入力(収穫)
要求開発(匠メソッド)
チームという畑を耕し、価値を生み出す
価値
製品・サービス システム
(種)
(畑)
①ダウンローディング
②観る(Seeing)
⑦実践(Performing)
③感じ取る(Sensing)
④プレゼンシング
⑤結晶化
⑥プロトタイピング
自分達は何者なのか(Self) 自分達の成すべきことは何か(Work)
チームの意識の変化を「創造」へと「導く」
モデリングによる空白のキャンバスのリーダーシップ
モデリング
未来 アイデア
空白のキャンバスに !共に未来を描いていく
まとめ
・諦め、不安、恐れを乗り越える !・過去を手放し、未来を迎え入れる覚悟をもつ !・答えは自分たちの中にあることを認識し、粘る !・チームの意識の変化を創造へと導くリーダーシップ
未来を創造していくには
要求開発・モデリングで、 未来を「創造」しましょう!
要求開発 with U