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26
5.岡山県内自治体の現状 45

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5.岡山県内自治体の現状

45

52

1) 岡山県内自治体におけるFMの取り組み状況

平成26年10月 岡山県下27自治体に、ファシリティマネジメントへの取組み体制、固定資産台

帳の現状、望む支援策についてアンケート調査を行った。

調査した質問内容は以下のとおりである。

1.自治体名

2.平成の市町村合併の有無

参考)平成の大合併を行った17市町村

3.公共施設マネジメントの担当課

担当課を記入

4.公共施設マネジメント担当課の職員数

行政職、建築技師、土木技師、その他記載

5.公共施設マネジメント担当課の業務内容

1. 公共施設マネジメント業務

2. 普通財産・物品管理等管財業務

3. 予算編成・査定等財政業務

4. 企画業務

5. 行財政改革業務

6. 建築業務

7. 土木業務

8. 都市計画業務

9. その他

6.公共施設白書の作成状況

7.公共施設白書の作成(予定)方法

8.固定資産台帳(建物、土地、道路・下水道等インフラ)の整備状況

9.建物更新費用の試算について(10年以上)

10.公共施設の再編や再配置を検討する全庁的な検討組織

11.公共施設等総合管理計画の作成業務の進め方

12.特記事項

例)台帳整備状況についての詳細

13.議会、住民、地元企業などへの情報提供の課題

14.望む支援策

47

5.岡山県内自治体の現状

53

その主要な調査結果は、以下の通りである。

2.平成の市町村合併の有無

回答自治体の内、合併自治体が17、非合併自治体が10となっている。

参考:平成の大合併を行った17市町村

岡山市 H17.3.22御津町、灘崎町編入合併

H19.1.22建部町、瀬戸町編入合併

倉敷市 H17.8.1船穂町、真備町編入合併

津山市 H17.2.28加茂町、阿波村、勝北町、久米町編入合併

井原市 H17.3.1美星町、芳井町編入合併

総社市 H17.3.22総社市、山手村、清音村が合併(新設)

高梁市 H16.10.1高梁市、有漢町、成羽町、川上町、備中町が合併(新設)

新見市 H17.3.31新見市、大佐町、神郷町、哲多町、哲西町が合併(新設)

備前市 H17.3.22備前市、日生町、吉永町が合併(新設)

瀬戸内市 H16.11.1牛窓町、邑久町、長船町が合併(新設)

赤磐市 H17.3.7山陽町、赤坂町、熊山町、吉井町が合併(新設)

真庭市 H17.3.31北房町、勝山町、落合町、湯原町、久世町、美甘村、川上村、八束村、中和村が合併(新設)

美作市 H17.3.31勝田町、大原町、東粟倉村、美作町、作東町、英田町が合併(新設)

浅口市 H18.3.21金光町、鴨方町、寄島町が合併(新設)

和気町 H18.3.1和気町、佐伯町が合併(新設)

鏡野町 H17.3.1鏡野町、富村、奥津町、上斎原村が合併(新設)

美咲町 H17.3.22中央町、旭町、柵原町が合併(新設)

吉備中央町 H16.10.1加茂川町、賀陽町が合併(新設)

17

10

合併自治体 非合併自治体

48

5.岡山県内自治体の現状

54

3.公共施設マネジメントの担当課

公共施設のマネジメントに関する担当部局がある自治体が22、決まっていない、もしくはない自

治体が5となっている。

4.公共施設マネジメント担当課の職員数

公共施設のマネジメントに携わる職員数の平均値が以下の通りである。行政職員(専任・兼任を

含む)5.3人、建築技師は0.4人、土木技師は0.1人、その他が0.4人となっている。

22

5

担当部局あり 担当部局なし

5.3

0.4 0.1 0.40.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

行政職 建築技師 土木技師 その他

49

5.岡山県内自治体の現状

55

5.公共施設マネジメント担当課の業務内容

担当課の業務範囲の現状が、以下のグラフである。

6.公共施設白書の作成状況

公共施設白書の作成状況について示したものが、下図である。作成済みが4自治体、作成予定が

11自治体、作成予定なしが12自治体となっている。

2319

13

812

0 02

48

14

1915

27 2725

0

5

10

15

20

25

30

公共施設マネジメント業務

普通財産・物品管理等管財業

予算編成・査定等財政業務

企画業務

行財政改革業務

建築業務

土木業務

都市計画業務

○ ×

4

11

12

作成済 作成予定 作成予定なし

50

5.岡山県内自治体の現状

56

8.固定資産台帳(建物、土地、道路・下水等インフラ)の整備状況

公共施設白書を作成するにあたって必要となる資産関連のデータの整備状況については、以下の

とおりである。土地、建物、インフラのそれぞれについて、電子・紙データともにある自治体が10

を超える一方、電子・紙ともにデータがない自治体もほぼ同数あることが明らかとなった。

9.建物更新費用の試算について(10年以上)

今後40年間の公共施設の更新費用について試算を行っているかどうか、状況を調査した結果が以

下のグラフである。10 自治体が試算できているとしている一方、それを超える 17 自治体が試算で

きていない状況にある。

1213

10

4 4

7

1110 10

02468

101214

固定資産台帳(建物)の整

備状況

固定資産台帳(土地)の整

備状況

固定資産台帳(道路・下水

等インフラ)

電子・紙データあり 紙データのみ 電子・紙データともになし

10

17

試算できている 試算できていない

51

5.岡山県内自治体の現状

57

10.公共施設の再編や再配置を検討する全庁的な検討組織

公共施設の再編や再配置を検討する全庁的な検討組織を設置しているかどうか、調査結果は以下

のとおりである。設置している自治体が2、設置しない自治体が2、設置を検討中が7自治体、設置

は未定が16自治体となっている。

11.公共施設等総合管理計画の作成業務の進め方

公共施設等総合管理計画の作成業務の進め方についての回答は、下図のようになっている。担当

職員が実施するが7自治体、一部をコンサルタントに委託するのが15自治体、コンサルタントに委

託するのが5自治体となっている。

2

7

16

2

設置している 設置を検討中 設置は未定 設置しない

7

15

5

担当職員が実施 コンサルタントに一部委託 コンサルタントに委託

52

5.岡山県内自治体の現状

58

14.望む支援策

ファシリティマネジメントを進めるために希望する支援策について、要望を尋ねた結果が以下の

ようになっている。最も多いのは職員間のネットワーク形成で(25)、続いて具体的な取り組みなど

の情報共有(24)、ファシリティマネジメントに関する専門的学習の機会づくり(22)となっている。

委託料などの財政支援は(20)となっている。首長・幹部などの普及啓発(19)、議員・市民向けの

普及啓発(18)、専門家による個別アドバイス(17)、大学との連携(8)となっている。

2225 24

1820

17

8

19

31 1

3 25

9

4

0

5

10

15

20

25

30

FM

に関する専門的な学習の機

職員間ネットワークや担当•

係職員の研修

具体的な取り組み•

事例の情報

提供

議員•

市民むけの普及啓発

委託料等の財政支援

専門家による個別アドバイス

大学との連携

首長•

幹部等への普及啓発

○ ×

53

5.岡山県内自治体の現状

自治体名

平成の大合併

公共FM担当課行政職

建築技師

土木技師

その他

公共施設マネジメント業務

普通財産・物品管理等管財業務

予算編成・査定等財政業務

企画業務

行財政改革業務

建築業務

土木業務

都市計画業務

その他

公共施設白書の作成状況

公共施設白書の作成(予定)方法

固定資産台帳(建物)の整備状況

固定資産台帳(土地)の整備状況

固定資産台帳(道路・下水等インフラ)

建物更新費用の試算について(10年以上)

岡山市

した(1市4町)

財産活用マネジメント推進課

7 2 0

機械1人、電気2人

○ ○ × × × × × ×

市有施設の保全状況調査、公の施設の管理運営及び指定管理者制度の全庁統括、財産区事務、土地開発公社など

作成予定なし

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

電子データはないが紙データあり

試算できている

倉敷市

した(1市2町)

財産活用課長期修繕計画室

1 5 0 2 ○ × ○ × ○ × × × 作成済担当職員による自作

電子データあり

電子データあり

電子データあり

試算できている

津山市

した(1市3町1村)

3 0 0 0 ○ ○ ○ × × × × ×作成予定

担当職員による自作

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

試算できている

玉野市

していない

総合政策課 2 2 0 0 ○ × × ○ ○ × × × 作成済担当職員による自作

電子データはないが紙データあり

電子データはないが紙データあり

電子データはないが紙データあり

試算できている

笠岡市

していない

総務部財政課管財係

2 0 0 0 ○ ○ × × × × × × 作成済担当職員による自作

電子データあり

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

試算できている

井原市

した(1市2町)

総務部 企画課

10 0 0 0 ○ × × ○ ○ × × ×作成予定

コンサル業者に包括委託

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

試算できていない

総社市

した(1市2村)

契約管財課 10 0 0 0 ○ ○ × × × × × × 契約業務作成予定なし

電子データはないが紙データあり

電子データはないが紙データあり

電子データはないが紙データあり

試算できていない

高梁市

した(1市4町)

総務部 理財課

8 0 0 1 ○ ○ ○ × ○ × × ×作成予定

コンサル業者に部分委託

電子データあり

電子データあり

電子データも紙データもない

試算できていない

新見市

した(1市4町)

0 0 0 0 × × × × × × × ×作成予定なし

電子データあり

電子データあり

電子データあり

試算できていない

備前市

した(1市2町)

財政課行革推進係

3人(内兼務1人)

1人(兼務)

0 0 ○ × × × ○ × × ×作成予定

担当職員による自作

電子データあり

電子データあり

電子データあり

試算できている

瀬戸内市

した(3町)

総務部契約管財課

6 0 1 1 ○ ○ × × × × × ×入札・契約及び

工事検査作成予定

担当職員による自作

電子データあり

電子データあり

電子データあり

試算できている

担当課の業務内容職員構成 資産台帳の現状

54

5.岡山県内自治体の現状

公共施設の再編や再配置を検討する全庁的な検討組織

公共施設等総合管理計画の作成業務の進め方

特記事項議会、住民、地元企業などへの情報提供の課題

FMに関する専門的な学習の機会

職員間ネット

ワークや担当•関係職員の研修

具体的な取り組み•事例の情報提供

議員•市民むけの普及啓発

委託料等の財政支援

専門家による個別アドバイス

大学との連携

首長•幹部等への普及啓発

その他(自由に記述ください)

設置しているコンサルに一部委託

施設インフラ所管課が保有しており、その内容の精度や情報量が不透明。庁内で横の連携が取れていない。

市民向けアンケート、プロポーザル、利用者調査など各種調査によってどの程度情報収集が必要か、実施規模等、事前に対策する内容がまだわからない。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定担当職員が行なう ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定担当職員が行なう

各資産の台帳をそれぞれの所管課が保有している状態。固定資産台帳に必要な項目の整理や様式の統合ができていない。

周辺自治体の進捗状況を説明するために、今回のようなアンケートを継続的に(年1回程度)実施していただけるとありがたいです。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置している担当職員が行なう

建物台帳についてのみ当課において、現在整理中。インフラ台帳については電子データがあるものもある。

H25.9に公共施設再編整備の方向性を決定している。 ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに一部委託

H26年度から保有資産の調査を行い,H27年度で台帳整備を予定 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置を検討中コンサルに委託

年度の更新はできているが、基礎的なデータの精度が低い。

特になし ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに一部委託

財産台帳が紙ベースのものしかないため,データ化していく必要があると考えており,平成27年1月に示される固定資産台帳の記載項目を踏まえ整備していきたいと考えています。

情報提供できるまでにいたっておりません。 ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに一部委託

固定資産台帳の機能はもっているが、データ内容の現状は公有財産台帳の域を出ていない。

各地域ごとの施設の現況維持等、地元からの強い要望があり、合併後の再配置は進んでいない。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに委託

平成27年度に固定資産台帳を整備し、平成28年度に公共施設等総合管理計画を策定する予定。

○ ○ ○ ○ ○

設置を検討中コンサルに一部委託

建物・土地については財政課財産管理係にてほぼ整備を終えている。インフラについては今後整備を行う。

○ ○ ○ ○ ○

設置は未定担当職員が行なう

インフラについては所管課が台帳データを保有しており、当課では内容を把握していません。今後共有できるよう調整予定です。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

望む支援策

55

5.岡山県内自治体の現状

自治体名

平成の大合併

公共FM担当課行政職

建築技師

土木技師

その他

公共施設マネジメント業務

普通財産・物品管理等管財業務

予算編成・査定等財政業務

企画業務

行財政改革業務

建築業務

土木業務

都市計画業務

その他

公共施設白書の作成状況

公共施設白書の作成(予定)方法

固定資産台帳(建物)の整備状況

固定資産台帳(土地)の整備状況

固定資産台帳(道路・下水等インフラ)

建物更新費用の試算について(10年以上)

担当課の業務内容職員構成 資産台帳の現状

赤磐市

した(4町)

財務部 管財課

7 0 0 0 ○ ○ × × × × × ×入札業務を別の班で行っていま

す。

作成予定

コンサル業者に部分委託

電子データも紙データもない

電子データあり

電子データも紙データもない

試算できている

真庭市

した(5町4村)

総務部 財産活用課

6 0 2 0 ○ ○ × × × × × ×

土木工事設計審査・検査業務、工事・委託入札業務、指名願い受付業務、公用車管理業

作成済

コンサル業者に包括委託

電子データあり

電子データあり

電子データはないが紙データあり

試算できている

美作市

した(5町1村)

0 0 0 0 × × × × × × × ×作成予定なし

コンサル業者に部分委託

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

試算できていない

浅口市

した(3町)

企画財政部財政課

7 0 0 0 ○ ○ ○ × × × × ×作成予定なし

電子データあり

電子データあり

電子データも紙データもない

試算できていない

和気町

した 0 0 0 0 ○ ○ ○ ○ ○ × × ×作成予定なし

電子データはないが紙データあり

電子データあり

電子データはないが紙データあり

試算できていない

早島町

していない

総務課 2 0 0 0 ○ ○ ○ × ○ × × ×作成予定なし

コンサル業者に部分委託

電子データあり

電子データあり

電子データあり

試算できていない

里庄町

していない

総務課 7 0 0 0 ○ ○ ○ × × × × ×作成予定

担当職員による自作

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

試算できていない

矢掛町

していない

0 0 0 0 × × × × × × × ×作成予定

担当職員による自作

電子データあり

電子データあり

電子データあり

試算できていない

新庄村

していない

総務企画課 8 0 0 1 ○ ○ ○ ○ ○ × × ×

議会・選管・税務・情報政策・環境衛生・自然保護・統計・出

作成予定なし

電子データも紙データもない

電子データはないが紙データあり

電子データあり

試算できていない

鏡野町

した(2町2村)

総務課 9 0 0 3 ○ ○ ○ × × × × ×総務業務(人事・給与等)

作成予定

担当職員による自作

電子データあり

電子データあり

電子データあり

試算できている

勝央町

していない

1 0 0 0 ○ ○ ○ ○ ○ × × ×作成予定なし

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

試算できていない

奈義町

していない

0 0 0 0 × × × × × × × ×作成予定なし

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

試算できていない

西粟倉村

していない

2 0 0 0 ○ ○ ○ ○ ○ × × ×作成予定なし

電子データはないが紙データあり

電子データはないが紙データあり

電子データはないが紙データあり

試算できていない

久米南町

していない

12 0 0 0 ○ ○ ○ ○ ○ × × ○作成予定なし

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

電子データあり

試算できていない

美咲町

した(3町)

まちづくり課 8 0 0 1 ○ ○ × ○ ○ × × ○

 定住促進、少子化、統計、入札、防犯業務ほか

作成予定

担当職員による自作

電子データも紙データもない

電子データも紙データもない

電子データはないが紙データあり

試算できていない

吉備中央町

した 12 0 0 0 ○ ○ ○ × × × × ×

総務課は12名ですが公共施設関係の担当は財政班で3名です

作成予定

コンサル業者に部分委託

電子データあり

電子データあり

電子データあり

試算できていない

56

5.岡山県内自治体の現状

公共施設の再編や再配置を検討する全庁的な検討組織

公共施設等総合管理計画の作成業務の進め方

特記事項議会、住民、地元企業などへの情報提供の課題

FMに関する専門的な学習の機会

職員間ネット

ワークや担当•関係職員の研修

具体的な取り組み•事例の情報提供

議員•市民むけの普及啓発

委託料等の財政支援

専門家による個別アドバイス

大学との連携

首長•幹部等への普及啓発

その他(自由に記述ください)

望む支援策

設置を検討中コンサルに一部委託

現在、公有財産管理システムを導入しており、土地データについては、税務データを取りこんでいますが、所有している建物データの精度が非常に低かったため、改めて、施設現況調査を行い、内容精査を実施中です。今後は、資産評価も含め、年次的に整備を行い、地方公会計への速やかな移行を計画しています。

総合管理計画に関する住民との合意形成方法について、思案しています。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに委託

公有財産台帳(土地・建物)の電子データ化はできているか、公共施設白書搭載物件以外の不動産は建設年月日・取得価格(建築価格)が入っていない。固定資産台帳(土地・建物)は未作成であり、27年度から取り組む予定である。

施設の整理、統合した後のまちづくりビジョンが必要 ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに委託

設置は未定コンサルに一部委託 ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに一部委託

現在は紙ベースのものと、個別に電子データが存在するのみ。今後これらのデータを統合しながら進めることとなる。

○ ○ ○ ○ ○ ○

設置を検討中コンサルに一部委託

固定資産台帳データは公会計用に作成したものです。棚卸をしたものでないことから精度が高いとは言えません。

その段階まで至っていません。 ○ ○ ○ ○

設置は未定担当職員が行なう

現時点で、財産管理のための個別の台帳はあるので、それを基にH27に財産評価を行い、固定資産台帳を作成する予定。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに一部委託

既存の紙媒体,電子データ双方をもとに台帳の見直しを実施する予定である。 ○ ○ ○ ○

設置しないコンサルに一部委託

平成27年度コンサル委託予定 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置を検討中コンサルに一部委託

建物については、床面積等で絞ることなく、町有建物全てを台帳に記載。土地についても、普通会計は基本的に全て記載。公営事業会計については、ある程度調査済。今後は台帳の更新と精査が必要。

住民からどれだけの反応があるのか未知数。いかに当事者意識を持ってもらい、議論に参加してもらえるかが課題。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置を検討中コンサルに一部委託

固定資産台帳整備支援業務を1月に公募によるプロポーザルを実施、11月着手予定。

情報提供する内容や提供時期、手段について何が適当なのか不明。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに一部委託

固定資産台帳についてはコンサルに委託を踏まえ検討中 ○ ○ ○ ○

設置しないコンサルに委託

今年9月にプロポーザルを行い、今年度中に作成予定 ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定担当職員が行なう ○ ○ ○ ○ ○ ○

設置を検討中担当職員が行なう

 正確な台帳の整備にむけた、個別施設の調査依頼を行っている。 ○ ○ ○ ○ ○

設置は未定コンサルに一部委託

エクセルにより平成22年に整備(公会計関係資料として)

57

5.岡山県内自治体の現状

59

2) 研究会の参加自治体における現状、課題の状況

以下の市町村が、成果報告会の各発表内容を自治体ごとに再現し、ポイントを整理した。

① 倉敷市 ② 津山市 ③ 玉野市 ④ 井原市 ⑤ 備前市 ⑥ 瀬戸内市 ⑦ 赤磐市 ⑧ 真庭市 ⑨ 早島町 ⑩ 里庄町 ⑪ 鏡野町 ⑫ 美咲町

58

5.岡山県内自治体の現状

① 倉敷市

平成 25 年 3 月に施設白書本編、平成 26 年 5 月に施設白書施設別編を公表している。本編は大

きな視点で人口推計、財政状況、施設の建設時期などを、毎年更新する施設別編は 515 施設の施

設ごとに、老朽化の状況、利用の状況などを掲載している。

今年度の更新時の追加項目のうち、エネルギー使用量に関する項目は、他の部署が作成したデ

ータを活用する。他の部署が持つ有効な情報や掲載してほしい項目案を、上手に吸上げて更新す

ることも必要である。単純に年度更新する項目は、作業量も少なく作業時間もかからないと考え

がちだが、施設白書全体のほんの一部分を更新するだけでも、非常に作業時間がかかる。施設白

書に掲載のデータは、システムを動かし試行錯誤した結果の部分であり、そこに至るまでの広範

囲の知識がないと更新さえできない。施設白書の作成や更新の核となる部分の継承が、今後は非

常に重要である。

施設白書の役割を、対象をつなげて公共FMを広げるツールと考える。つなげる対象は、ひと・

施設・組織・時間という視点で豊富なバリエーションがある。ひとの視点で、私が最も期待すべ

きことの一つは、市民と市民をつ

なげて公共FMを広げることであ

る。市民同士が市の課題を私事と

考えて、地域の寄合や会合での公

共施設大量一斉更新の問題などが

世間話の材料になり、市民が主体

で改善や解決へと進んでいくこと

を期待する。組織の視点で考えれ

ば、このFM研究会がまさにそう

である。参加自治体で研修や勉強

を通して、自治体同士をつなげて

公共FMが広がったことであり、

さらに今後は施設の広域利用など

も進めたい。

また、施設白書の役割を、公共

FMの推進のきっかけに欠かせな

い存在とも考える。施設白書に掲

載の情報は一部分に過ぎず、統一

的に表すことができる情報のみを

記載している。そこで、掲載され

ていない情報を知りたいというこ

とで、詳細な情報を集める機会が、

施設白書の公表後 1 年間で多数あ

った。その機会は、その施設のタ

ーニングポイントとなる機会であ

り、施設白書の公表が最初のきっ

かけであったことから、施設白書

の更新作業も引き続き進めていき

たい。

59

5.岡山県内自治体の現状

② 津山市

●津山市の公共施設の概要

津山市は約560施設、1,500棟余りの公共施設を保有。(インフラ、建物を有しない施設を除く。)

市民一人当たりの公共施設延床面積は 4.38 ㎡。

●津山市の人口動向

平成 7 年をピークに減少に転じ、平成 26 年には 104,840 人と、平成 7 年に比べて 7.7%、合併

した平成 17 年と比べても 5.2%減少した。

今後も津山市の人口は減少し続けるが、全ての世代が均等に減少するのではなく、65歳以上の

高齢者人口の割合はむしろ増加し、14 歳以下の年少人口および 15~64 歳の生産年齢人口の割合

が大きく減少する、いわゆる少子高齢化が進む。

●津山市が保有している公共施設の内訳

「学校教育施設」が最も高く、次いで「行政系施設」「公営住宅」「市民文化施設」と続く。

既に築 30年以上経過している施設が半数に及ぶ。

●今後の財政見通し(一般財

源ベース)

歳入額については、市税や地

方交付税の減額などから減少

傾向が続くものと推計され、平

成 25 年度の総額が 330 億円で

あったものが、平成 55 年度に

は 261 億円になる見込み。それ

に伴い、歳出額についても、歳

入額に見合った行政運営を行

うためには、歳出全体の抑制を

図らざるを得ない。

●公共施設の更新費用の試算

結果

現在津山市が保有している

全ての公共施設を更新した場

合、今後 40 年間で必要とされ

る大規模改修及び更新費用は

1,825 憶 3千万円となり、その

費用として現在と同規模の額

(31 億 8 千 8 百万円)を今後

40 年間確保できたとしても、

その 1.4 倍の費用が必要。

●津山市の今後の取り組み

上記の内容をパンフレット

にして、市広報誌に折り込んで

全戸配布(平成 27年 3月)。平

成 27 年度「津山市公共施設白

書」を発行。

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5.岡山県内自治体の現状

③ 玉野市

【概要】玉野市では H24 年 12 月に白書を作成し、H25 年 9 月に白書を元に各施設を最優先、優先、統廃合・民営化の 3 分類に分けている。それによると市民が直接利用する行政財産施設は 183 施設、総延床面積が約 27万㎡存在し、一人あたりの延床面積は 4.2 ㎡である。ちなみに総延床面積を宇野駅前の地図に落とし込むと色付部分となる。

【目的】私は今年度、白書更新作業を行っている。研究会に参加し、作りたい白書は「使える白書」ということが明確になった。「使える白書」とは施設別の客観的なデータ集をイメージしている。現在、当市では商業施設への図書館移転や民間譲渡を予定した施設があるが、市民や議員から、類似施設も含め施設情報を問われる場面がある。そんな場面は、「白書が活躍する」と感じる瞬間である。また、これは職員にとっての話になるが、同じ施設なのに書類によって情報が異なる現状があるので、情報の拠所として「使える」ものにしたい。

【取組み】「使える白書」を作るべく、8 月に収集項目の選定、10 月に所管課へ調査依頼、12 月に回答内容のヒアリングを行い、1 月から修正を行っている。特に力を注いだ点は、調査後のヒアリングで、データの取り方を再確認したことと、白書のいいところ(役割)を担当者に PRしたことである。ヒアリングでは、所管課の想いと当課の想いを合わせる作業を行った。その場では、「一つの項目に複数の情報があり、どれが正解か不明」、「この調査項目は必要なのか」、「貸室の有料化が適当と感じている」など様々な声があった。そんなときは「今度から迷わないために」、「こんな場合にこの情報をこんな風に見せて理解してもらうために」、「有料化の提案をするために」白書は使える、とPR した。

【今後】更新作業は各担当者が忙しい中、収集したデータである。まずは白書の存在を知ってもらわないと意味がないので、どう周知するか、使えると感じてもらえるかが最初の課題となる。庁内には今回習った分析方法など活用方法を伝え、併せて企業へも白書の存在を周知したい。また、市民や議会に市の現状や「全体の中の一施設」を伝えることで、総論賛成各論反対となる議論の中でも、客観的に判断してもらう材料としていきたい。来年度以降も最新情報への更新に加え、技師が施設の点検をした結果を追加するなど、バージョンアップを行い、公共施設等総合管理計画策定時にも役立てていきたいと考えている。

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5.岡山県内自治体の現状

④ 井原市

【概要】井原市財政課の台帳では、公共建物保有面積は 255,197 ㎡で、学校約 35%、公営住宅約

19%、本庁舎約 7%、以上 3部門で全保有面積の約 60%を占めている。人口 1人当たりでは、5.90

㎡で標準より高い数値である。

【試算結果】総務省の更新費用試算ソフトで推計を行った。入力の際、名称から建物の特定がで

きないものや所在地がわからないもの、木造か非木造かもわからないもの、床面積がわからない

ものなどが問題となった。最終的にソフトによる推計を断念したのは、建築年次が抜けているデ

ータがあったことによるものであった。

【公共施設等総合管理計画策定のスケジュール】26 年度中にカルテの作成を依頼し、回答を得る

こととした。この作業を通じて、職員に公共施設の更新問題に対する意識を植え付けることが目

的である。27 年度は、収集したデータをより正確なものとするため各課へのヒアリングも実施す

る。これは、所管課が施設をどうしたいかを直接聴くことができるメリットと、管理費用につい

て、特に人件費の取扱いを統一するためにヒアリングが必要と考えている。次に、収集したデー

タをもとに維持管理、更新に係る経費の推計、人口推計、必要な財源の見込みを行い、公共施設

白書を作成、公表する。28 年度は、公表した白書をもとにアンケート調査、パブリックコメント

を経て、総合管理計画を策定する。

【公共施設等総合管理計画策定体制】26年度中に、幹部職員で組織する策定準備委員会を立ち上

げ、全庁体制で臨む意思統一を図る。準備委員会の下には、事業の推進にあたる公共施設部会と

インフラ部会の専門部会を置く。27年度は、準備委員会を策定本部に切り替え、専門部会は引き

続き事業の推進にあたる。28年度からは、外部委員による策定委員会を組織したいと考えている。

【白書の活用方法】白書は定期的に更新することとし、公共施設等総合管理計画の進捗状況の確

認、また、個別計画としての公共施設の整備方針や再配置計画等の基礎資料として活用したい。

その他、公会計、固定資産台帳との連携や、住民との対話のツールとしての活用も考えている。

【研究会に参加して】多くの講師

の方々の講義や県内の他の自治体

の意見を聴くことができ、また、

多くの情報を得ることができた。

所管課の協力の必要性、上司の協

力や上層部の理解、白書は作って

終わりにはならないこと、情報は

共有することが大切である等が挙

げられる。研究会に参加して、公

共施設の抱える課題に早く気付く

ことができたことが一番の収穫で

あった。

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5.岡山県内自治体の現状

⑤ 備前市

公共建物保有面積は普通会計ベースで 23.5 万㎡、人口一人当たりの床面積は 6.34 ㎡と非常に

高く、更新費用試算結果は 40年で約 1,052 億円となった。人口は 1975 年の 50,745 人をピークに

減少が始まり、2010 年には 37,822 人、さらに 2040 年には 22,851 人との推計結果となった。加

えて、少子高齢化が急速に進展し、推計では 2040 年には年少人口割合が 8.0%、生産年齢人口割

合が 48.8%、老年人口割合は 43.2%と予測されている。これら人口減少や少子高齢化により施設

需要の変化が見込まれることから、公共施設のあり方は非常に重要で大きな課題の一つである。

合併後の備前市における公共施設に関する取組みは、平成 17 年度から平成 21 年度までを実施期

間とした「備前市集中改革プラン」の策定により公共施設のあり方についての検討がスタートし

た。その後、平成 22 年度から平成 26 年度までを実施期間とした「備前市行財政改革プラン」で

は、具体的に 31 の施設を明記し、施設の統廃合や譲渡等に取り組んだ。

また、行政評価の事務事業評価では平成 21年度から 142 施設について施設評価を実施している。

これらの取組みの結果として一部民間への譲渡や廃止を完了した施設もあるが、大半の施設が

計画通りの結果に至っていないのが現状として見られる。やはり公共施設に関する問題意識が浸

透していなかったことから調整に苦慮したことが原因と思われる。この様な現状からも施設白書

は重要な資料となり得ることを再認識した。

ここで本市の 2つの施設を紹介する。一つ目は、来春開通する備前♡日生大橋。これは日生地域

の鹿久居島と本土を結ぶ架橋で、すでに第 1 期工事で頭島と鹿久島が結ばれており、この第 2 期

工事において頭島・鹿久居島と本土が結ばれる。もう一つが、旧大型商業施設。総床面積が約 3

万㎡。昭和 59 年に開店し、平成 14 年に閉店。その後、平成 17年に市が購入し、現在、再利用に

向けて検討を進めている。この 2 つの公共施設は、ともに賛否両論あり議会等で白熱した議論が

なされた施設である。今回この研究会の参加により住民への説明、住民との合意形成の必要性・

重要性について強く認識させられた。その時自分自身が考えさせられたのがこの 2 つの施設であ

る。

公共施設の問題は、喫緊の課題

であり、将来にわたり持続可能な

行政経営を行うためには、公共施

設マネジメントの推進は必要不可

欠であり、早急な対応が求められ

ている。本市においても将来を見

据えた施設のあり方について市民

を交えて検討し、身の丈にあった

効率的で効果的な公共施設の活用

に向け早急に取り組む必要がある。

その為にもまずは施設白書の作成

である。

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5.岡山県内自治体の現状

⑥ 瀬戸内市

瀬戸内市は平成 16 年に旧邑久郡 3町が合併してできた人口 38,509 人(平成 26 年 12 月 1 日現在)、面積 125.53㎢の市である。

合併前の旧 3町がまちづくりのために整備してきた公共施設は約 13.3 万㎡である(病院、上下水道、ごみ処理やし尿処理施設を除く)。一般的に施設は建設後 30 年を超えると老朽化が大きくなり、大規模改修や建替えが必要になるといわれているが、瀬戸内市の公共施設の約半分、7 万㎡は既に建設後 30年を経過しており、今後 10 年間で建設後 30 年を超える施設は約 3万 7千㎡となっている。すなわち、10 年後には全体の約 8割の公共施設が老朽化する。建て替えるための費用を試算したところ、40年間で約 610 億円となった。瀬戸内市が毎年作成している中期財政計画では、各施設が行う事務事業について向こう 10年間の積み上げを行っているが、この中に大規模改修や建替えを盛り込んでいる施設は多くなく、多くの公共施設の老朽化は考慮されていない状態で収支を計算していることから、今後計画外の費用が大量に発生することが見込まれる。将来人口推計では、先ほど試算した将来の支出を税として負担する生産年齢人口は大きく減少する見込みである。そして高度成長期には数少なかった高齢者は増加することで、社会保障関係費が増え続けることも明らかである。 そして合併から 10 年間続いた

地方交付税の特例が終了し、歳入構造が大きく変化する中、今後建て替えるための費用を確保することは不可能であると結論した。よって、今後持続可能な行政サービスを続けるために、公共施設の総量縮減と利用しやすい施設づくり、そして維持管理経費の削減に加え、長寿命化による年度間負担の平準化を行うマネジメントが必要である。公共施設の総量縮減は市民サービスに直結するものであることから、今後の公共施設のあり方を市民と一緒に考えていく必要があり、その土台として、公共施設白書があるものと考えている。瀬戸内市版の公共施設白書は、全体像の把握と、個別施設について、小学校区を基礎とした範囲にどの程度施設があるかを示すことで、より身近な施設について市民にも理解してもらえる基礎資料としてまとめる予定である。 今回の研究会により県内自治体

の担当者と顔の見える関係性が築けたことは、将来的な官官連携にもつながり、更なるFMの実現に向けて取り組む素地となると感じている。

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5.岡山県内自治体の現状

⑦ 赤磐市

先進自治体のFM実施事例や取組み方等を研究し、各施設の詳細調査を実施、現状や課題をまとめた「赤磐市公共施設白書」を作成した。今後、これをたたき台とした「公共施設等総合管理計画」策定を予定している。白書作成の結果、種々の課題が浮上したが特に問題なのが施設の量である。施設保有数は 240 施設、延床面積約 23 万㎡。これを将来にわたり保有した場合、更新費用が 40 年間で約 1,018 億円、インフラを含めると約 2,383 億円も必要となる。市民1人あたりの施設延床面積は 5.15 ㎡(全国平均 3.42 ㎡)で明らかに過剰保有している。神奈川県秦野市志村氏による「新志村式計算法」を用い、延床面積削減率を計算すると今後 40 年間で約 45%の削減が必要との試算結果が出た。

次に、本市をはじめとした地方自治体が抱える問題や現状を医療カルテ風に例えてみる。地方自治体や公務員が罹りやすい病に次のようなものがある。①慢性変革恐怖症。思考や体質が硬直してしまい、新しいものや考え方を極端に恐れる病である。②SSKO。頭文字を取った略語で、「してもしなくても給料は同じ」という意味である。ただし、本市のみがこのような病を発症している訳ではなく、全国多数の地方自治体が同様と思われる。治療内容だが、①AM(アセットマネジメント)により保有財産を経営資源として捉え、質・量の最適化を行う。②財産の利活用、PPP/PFI を用いた積極的な自治体経営を行う。③職員の意識改革、いわゆるパラダイムシフトを行い、受け身の仕事から攻めの仕事への変化を促す。④全庁検討組織や専任部署の設置が必要不可欠で、自治体一丸となって取り組んでいくことが非常に重要である。⑤日常生活圏を主軸とした近隣自治体と広域連携を図ることで、各自治体の施設総量削減目標達成が容易となる。住民サービスのクオリティ確保のためには、こうした連携も重要なファクターとなる。

21 世紀になり、「予算を消化するのが行政の仕事」という時代は終わりを告げ、これからは自治体もお金を稼ぐ時代である。補助金や起債に頼らず、自主財源を確保し、基金運用を含めたAMを計画的に行わなければ生き残ることは困難である。公共施設更新問題は重要かつ喫緊の課題だが、それぞれが問題や対応を先送りすると、事の重大さに気付いた時には手遅れになっているのである。

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5.岡山県内自治体の現状

⑧ 真庭市

真庭市は平成 26 年 7 月に公共施設白書を公表している。将来人口推計によると、過去からの人口減少と少子高齢化がさらに進行し、総人口は、平成 22 年の約 4万 9千人から 30 年後の平成 52年には約 3万 2千人と約 1万 7千人が減少。加えて住民の 2.4 人に 1人が 65歳以上となることが予測されている。 公共施設の将来の更新費を推計した結果、今後 40 年間の推計から、既存の施設 37.1 万㎡を全

て保有し続けた場合、公共施設の大規模改修及び建替えに必要な更新費は総額 1,332 億円、年平均33.3億円と試算され、一方、普通建設事業費から予測した更新可能額は年9.2億円であるため、平均で年 24.1 億円の更新費が不足することが予測される。以上のことから、「公共施設を更新し続けることはできない。」という結論が導かれる。以上の現状及び推計を踏まえ、考えられる課題と取り組みは 1.公共施設等総合管理計画の策定、2.公共施設適正配置計画(仮称)の策定、3.固定資産台帳の整備、4.庁内組織の編成、5.住民との対話である。 今回、FM研究会に参加して良かったことは次の 5 点である。一つ目は、県内自治体の公共施

設白書等の作成状況を知ることができたということ。二つ目は、財政、行政改革、財産管理、まちづくりなど、業務が違う職員がそれぞれの立場からFM研究会に参加しているので、公共施設白書作成以外の仕事について情報交換ができ、大変参考になった。三つ目は、11月 12 日・13日の 2日間、サンピーチで公共施設白書の先進地である千葉県習志野市、神奈川県秦野市、山口県周南市、愛媛県砥部町、香川県三豊市から担当者を招いて現在進行中の事例や、失敗事例を学ぶことができた。印象に残ったことは、周南市のマスコミへの発表で、施設名一覧の公表の仕方によって反対運動がおこり、撤回しなければならなくなった事例などは、広報の重要性を改めて認識させられた。また、三豊市では、住民との対話にパワーポイントで動く資料をうまく使って説明している事例を研修できたことはこれからの業務に大変参考となった。四つ目は、先進地事例から課題に対するアプローチ方法はそれぞれであり、ノウハウは共有して良いものはどんどん真似して、パクッて取り入れて行こうと思えたことである。五つ目、最後は、FM研究会での白書作り研修は、これから盛り沢山にある課題解決に向けて、背中を押してくれる良いスタートになった。

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5.岡山県内自治体の現状

⑨ 早島町

早島町は、平成 28年 2月で町制施行 120 周年を迎える。この間、幾度となく市町村合併の波が押し寄せてきたが、その度に当町は、自主自立の道を選択し、その道を歩み続けてきた。この先も早島町が「早島町」であり続けるためには、ファシリティマネジメントへの取り組みが重要であることを人口や財政、公共施設等の現状を踏まえながら述べていく。

早島町の概要は、面積 7.61 ㎢、人口が約 1 万 2 千人、56 の公共施設が整備され、その総床面積は 41,706 ㎡となっている。人口は、平成 12 年度以降の国勢調査と直近 2 カ年の住民基本台帳人口では、増加傾向を示している。年齢構成別人口をみると、65歳以上は増加、24 歳以下は横ばい、「納税世代」である 25~64 歳人口は平成 17 年度以降減少し続けている。税収は、ここ数年、増加傾向を示している。注目すべきは、平成 22 年度まで個人住民税の割合が税収全体の増減に比例していたものが、平成 25 年度では、税収、人口ともに増加したにもかかわらず個人住民税の割合が低下している点である。このことは、納税世代人口の減少が税収に影響を及ぼしていることを示している。公共施設面積は、人口とともに増加している。人口 1 人あたり公共施設面積は、平成 25 年度で 3.41 ㎡と全国平均(3.42 ㎡※東洋大学 PPP 研究センター引用)並みであるが、人口増以上に公共施設が整備されている状況にある。

一方、将来推計では、当町の人口は、平成 32 年度をピークに減少に転じる中で 65 歳以上人口は伸び続け、64歳以下人口は減少するすると見込んでいる。また、公共施設の更新経費は、年間で 4.4 憶円が必要と試算しており、直近 5年間の公共施設への投資的経費平均額が 4.8 億円であることから、既に既存施設の更新や維持で精一杯の状況にあるといえる。

以上から、今後、当町は、少子高齢化の進行、財政状況の好転が見込まれない中で増大する公共施設の更新経費と向き合っていくことになる。このまま有効な方策を講じないでいると、真に必要な施策の実施、真に必要な公共施設の適正保有までも困難な状況に陥りかねない。公共施設の適正化に計画的に取り組む、つまりFMにより適正に公共施設を保有することは、単なる切り捨てではなく、行政運営の無駄や非効率の排除、適正な財源配分の実現につながり、より良いまちづくりに資するものである。

FMは、早島町が「早島町」であり続けられるための有力な手法のひとつであることをお伝えして私の発表とする。

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5.岡山県内自治体の現状

⑩ 里庄町

里庄町は、面積 12.23㎢、その中に 11,123 人が暮らしている。平成 26 年度一般会計予算額は42 億 7 千万円、決算規模は 40 億円前後を推移しており、その中で、施設やインフラにかかる費用である投資的経費は、平成 25 年度決算では 3 億 9 千万円、全体の 9.3%を占めている程度で、減少傾向にある。また、人口の推移を見ると、1994 年と 2014 年、2014 年と 2034 年の推計値を比較すると、少子高齢化が進行し、人口総数も今後減少していくことが見込まれる。公共施設は、種類別では学校が、建築年次では高度経済成長期の前後に整備したものが多く、全体では 155 施設、41,192 ㎡を保有している。これらを、築後 30 年で大規模更新、60 年で建替を行うとしてその費用を試算すると、今後 40 年間で 193 億4千万円、1 年平均で 4 億 8 千万円(最大 13 億 5 千万円)が必要という結果になった。 これまでの里庄町にとってのFM(ファシリティマネジメント)とは、現在ある公共施設をす

べて維持するために必要な経費を試算し、予算に組み込める範囲で維持修繕を行い、中長期での財政負担を軽減、平準化するためのツールという捉え方である。しかし、予算規模と試算結果を比較すると、今後、社会保障に要する費用が大幅に増加していくことが確実な中、この更新費用はとても予算に組み込めない額である。また、人口が減少する中、現在の施設の総量を維持しようとすれば、過剰な施設を抱え、不要な維持管理費を支出し続けることになる。更に、この試算には入っていない保育園や消防施設にかかる費用、そして、一番大きな、道路、上下水道、ため池等のインフラの更新問題も、ごく近い将来顕在化してくる。対処法であるが、通常の基金が減少している現状で、更に施設更新のための基金を積み立てることは不可能である。そのため、施設の統廃合等により施設の総量を圧縮することで、今後の負担を抑える方法が、財政的には一番現実的であると考えられる。 現在、町内施設の現況調査を少

しずつ進めており、平成 28 年度には、固定資産台帳を整備するとともに、公共施設白書の作成を予定している。今後は、そうしたデータを活用して、財政負担を軽減するためにいかにして施設の総量を減らしていくかに取り組まなければならないが、まずは、いかにこの問題が重要なのか上層部の理解を得て、また、職員間でも問題意識を共有して、庁内で意見の統一を図るところから始めなければならない。そのために、本研究会で得た知見は非常に有効であると感じている。非常に先の長い取り組みになるが、着実に進めていきたい。

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5.岡山県内自治体の現状

⑪ 鏡野町

これまで、FM に全く取り組んでいなかったため、その手法を学び、現状を知ることから始まった。以下、研究会を通じて明らかになった鏡野町の現状と課題を記す。

図 1は、建築年時ごとの延床面積を示している。特徴として、S60 年~H6年に 58,208 ㎡、全体の 31.9%を建築し、H7年~H16 年に 57,782 ㎡、全体の 31.6%を建築しており、この 20 年間に約6 割を建てていることが挙げられる。次に、学校教育施設の次に観光施設が多いことが挙げられる。住民一人あたりの保有面積は、13.09 ㎡と全国平均を大きく上回る。

図 2 は、この問題の大きなテーマである公共施設更新費用試算結果のグラフである。現有施設をそのまま更新したとすると今後 40 年間で 717.3 億円、年平均 17.9 億円が必要になる。これに対し、公共施設に要した投資的経費の直近 5年間の平均は、9.2 憶円に留まり、比較すると、8.7億円と約 2 倍の開きがある。ただし、このグラフのとおり更新時期には波がある。また、今後の行動計画は総合計画と整合を図る必要があるため、総合計画実施期間内で必要な費用を試算した。次期総合計画実施期間では 203 億円、1年あたり 20.3 億円の費用が必要となる。直近 5年間の投資的経費との差は、年 11.2 億円に広がり、10 年間で新たに 112 億円の予算が必要になる。建築年時に着目すると、比較的新しい施設が多く、公共施設更新問題は将来の話と思われたが、現実には大きな山がもう目前に迫っていた。さらに、H58 年からはもっと大きな山がそびえている。以上を踏まえ、この問題にどう対処すればよいのか。

まず、総量の問題に手をつけなければならない。合併による重複施設の影響があるにせよ一人あたり保有面積が 13 ㎡を超えており、今後の人口減少や人口構成の変化に合わせて、総量の見直しは必須である。次に、今後 10 年間に一斉に改修時期を迎え、10 年間で新たに 112 億円以上の予算が必要になる。総量の削減と並行して、建物の劣化度を調査し、計画的な修繕と長寿命化を行い、超えるべき山をなだらかにする。次に、資金不足になることが判明したが、中長期的な財政予測ができていない。中長期的な財政計画を立て、公共施設の維持に充てる基金の積み立てや、予算の確保を行う。最後に、職員・住民が危機感を共有しなければこの問題の解決はない。住民へ積極的に情報発信を行い、お互いに当事者意識を持ち、一丸となって解決していく。

今後は、この研究会で得たものを最大限に活かし、情熱を持って取り組みたい。

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5.岡山県内自治体の現状

⑫ 美咲町

公共施設等の総合管理計画や公共施設白書作成など、具体的な事例を学ぶため、研究会に参加した。いま、なぜ FM なのか。公共施設等の総合管理計画、施設白書がなぜ必要なのか。それは、「持続可能なまちづくり、将来のためのまちづくり」のためであり、同時に「持続可能な将来のまちのため」いま何が必要かを問われていることである。

日本の総人口は、既にピークを迎え、減少に転じている。減少に転じた人口はすぐに戻ることはない。「人口減少と人口構造の変化」は、施設の利用やその需給ニーズを変化させ、高度経済成長期に建てられた「公共施設は老朽化」し一斉に更新時期を迎える。また、地方も国も含め、依然として「厳しい財政」状況では、すべての施設を維持更新することは難しく、高齢化や、その先の将来のニーズを見据えた最適な施設配置が必要となる。どこの自治体も共通の課題を有する。「ピンチのあとにチャンス有り」、ピンチのまま終わらせないためにも、まずは、いまを知ること(現状把握)をすすめていかなければならない。美咲町の経常収支比率は 82.1%、歳入の大半は、地方交付税で、依存度の高い美咲町では、今後一層厳しい財政運営を想定していく必要がある。

美咲町の公有建物の一人当りの管理面積は 8㎡、4人家族であれば、32 ㎡の公共施設を保有し、管理していることになる。人口が減る中、いまのまま施設を維持していけば、おのずと負担も増えていくこととなる。そのため、まちの施設が、どこに、どれだけあり、どのように利用されているのか、機能や利用率、特徴などの把握が今後必要と考えられる。

「国立社会保障・人口問題研究所」の人口推計によると、5 年後の高齢化率は、40%を超え、2040 年、美咲町の人口は、1万人を下回る。今後の更なる高齢化や、その先の人口減少に対応するため、公共施設等の縮減、再配置や最適化は、ひとつの議論としてさけては通れず、こうしたことからも、いまのまちの姿を見えるかたちでわかり易く伝えるための公共施設白書の作成が必要となることがわかる。

今年度、全職員を対象とした研修会を実施したが、今後も、危機感や課題を共有し、現状把握を進めるといった継続的な取組みの中で、いまのまちの姿をわかり易くお示しできるよう取り組んでいきたい。最後に先進自治体の秦野市の志村さん、習志野市の吉川さんのことばを共有して研究報告とする。

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