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i Magazine(以下、i Mag ) 今年の iSUC のセッショ ン構成がほぼ決定したようですね。 木村 はい、今年は「クラウド」「モバイル」「ビッグデー タ」などを中心にした 14 の IT キーワードと、13 の経営 課題キーワードにより、合計 136セッションをご用意します。 IBMの最新情報や先進技術、導入事例、そしてIBM i の活用などに関する豊富なセッションに加え、全国 15 の 地区研で展開されているIT 研究会の成果やJGS 研究プ ロジェクトチームの論文なども多数発表されます。 i Mag 今年は、どのような点に注力されていますか。 木村 セッションチームで今年の構成を決めていく過程 では、さまざまな問題提起や現在の ITを取り巻く課題、 注目の技術やソリューションなどに関してディスカッションを 重ねていきます。今年、とくに熱く議論が交わされたのは、 経営者や管理部門が IT 部門に求める要望と、IT 部門 自身が目指す目標やテーマとの間にギャップが生じている のではないか、という問題認識でした。 経営者とIT 部門の 意識のギャップを埋める U 研・ 発見! 多彩で魅力的なセッション群 リアルな場で学ぶ重要性を体感する 第25 回 iSUC 札幌大会 第25回iSUC札幌大会のセッション構成が固まった。今年はワークショップをはじめ、双方向コミュニケーションを重視したセッ ションの強化を図る。リアルな場に身を置くことの重要性をiSUCで体験してほしいと、セッションリーダーの木村仁氏は語る。 木村 仁第 25 回 iSUC 札幌大会 セッションリーダー トッパン エムアンドアイ株式会社 東日本インフラ・デリバリー 第 2 技術 課長 シリーズ 74 2014.08

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Page 1: 074-076 14imag08 isuc FIX · 2014. 9. 16. · スキルの獲得を目指すべきかといった視点で、セッション を設けました。 i Mag 具体的には、どのようなセッションですか。

i Magazine(以下、i Mag ) 今年のiSUCのセッショ

ン構成がほぼ決定したようですね。

木村 はい、今年は「クラウド」「モバイル」「ビッグデータ」などを中心にした14のITキーワードと、13の経営課題キーワードにより、合計136セッションをご用意します。IBMの最新情報や先進技術、導入事例、そしてIBM iの活用などに関する豊富なセッションに加え、全国15の

地区研で展開されているIT研究会の成果やJGS研究プロジェクトチームの論文なども多数発表されます。

i Mag 今年は、どのような点に注力されていますか。

木村 セッションチームで今年の構成を決めていく過程では、さまざまな問題提起や現在のITを取り巻く課題、注目の技術やソリューションなどに関してディスカッションを重ねていきます。今年、とくに熱く議論が交わされたのは、経営者や管理部門がIT部門に求める要望と、IT部門自身が目指す目標やテーマとの間にギャップが生じているのではないか、という問題認識でした。

経営者とIT部門の意識のギャップを埋める

U研・発見!

多彩で魅力的なセッション群リアルな場で学ぶ重要性を体感する

第25回 iSUC札幌大会

第25回iSUC札幌大会のセッション構成が固まった。今年はワークショップをはじめ、双方向コミュニケーションを重視したセッ

ションの強化を図る。リアルな場に身を置くことの重要性をiSUCで体験してほしいと、セッションリーダーの木村仁氏は語る。

木村 仁氏 第25回 iSUC 札幌大会 セッションリーダートッパン エムアンドアイ株式会社 東日本インフラ・デリバリー 第 2 技術 課長

シリーズ

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Page 2: 074-076 14imag08 isuc FIX · 2014. 9. 16. · スキルの獲得を目指すべきかといった視点で、セッション を設けました。 i Mag 具体的には、どのようなセッションですか。

 昨今のクラウドの普及で、「作るIT」から「使うIT」へのパラダイムシフトが起こり、IT部門に求められる役割やミッションは大きく変化し始めています。そこでクラウドやビッグデータなど新しいトレンドが登場する中、IT部門の改革や今後の方向性、あるいはどんな人材の育成やスキルの獲得を目指すべきかといった視点で、セッションを設けました。

i Mag 具体的には、どのようなセッションですか。

木村 たとえば、京王ITソリューションズの後藤順滋さんによる「ユーザー企業のIT部門はこれからどうあるべきか?」があります。経営的な視点で、真正面からこのテーマに切り込むセッションです。また日本情報システム・ユーザー協会の金修さんによる「企業IT動向調査から見るユーザー企業の課題意識とは」も有用でしょう。こうした調査データをベースにユーザー動向を解説するセッションは、iSUCでは初めてです。いずれも経営的な視点から、IT部門の改革や方向性を探る上で重要なヒントを与えてくれるはずです。

i Mag iSUCではここ数年、双方向型セッションを重

視していますね。

木村 その通りです。札幌という遠方の地にわざわざ足を運んでいただくのですから、iSUCはリアルな交流と研鑽の場として、ここでしか得られない双方向型コミュニケーションや体験型の知識習得を重視しています。講師と参加者がお互いに情報を受発信できるような場を、どのように創り出すかはiSUCの大きなテーマです。 このコンセプトで誕生したのが、「iSUC白熱教室」でした。講師が用意したコンテンツを一方的に伝えるのではなく、講師からテーマを投げかけ、それを受けて受講者がディスカッションし、そこから新たな問いや発見を得る。今年で4年目を迎え、すっかりiSUCの名物セッションになりました。今回は7つの「iSUC白熱教室」を用意しています。

i Mag それ以外に、双方向型コミュニケーションはど

のような形で実現するのですか。

木村 今年とくに力を入れているのは、ワークショップ型セッションですね。たとえば、iSUCの人気講師である樋栄ひかるさん(Ena Communication Inc. 代表)の今年のセッションは、「より強い組織を育てる『イクボス』を目指そう!」です。部下のタレント性を見抜き、うまく引き出し、チームの底力を引き上げるような強いボスを育成する目的で、これから管理者になる20代から30代前半の若手を対象に、ロールプレイング方式によりイクボスを

第25回iSUC札幌大会

木村

仁氏

U研・発見!

ワークショップ型セッションでリアルな体験によるスキル習得

第25回 iSUC札幌大会

挑 - i do mu -会  期:2014年11月5日(水)~7日(金)会  場:札幌コンベンションセンター(北海道札幌市)主  催:全国IBMユーザー研究会連合会支  援:日本アイ・ビー・エム株式会社協  力:北海道IBMユーザー研究会申込期間:2014年10月20日(月) 18時まで参 加 費:IBMユーザー研究会の会員6万円、非会員6万5000円会員特別割引:5万円(9月26日18時までの申込者)

http://www.uken.or.jp/isuc/isuc25/

75http://www.imagazine.co.jp/

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学びます。

i Mag おもしろそうですね。

木村 そうでしょう、私もぜひ参加したいと思っています。またIT部門やベンダーの担当者が、ユーザー部門との会議や打ち合わせで、うまく合意点を見出していけるようにファシリテーション能力の育成を目的にしたセッションや、LEGOブロックを使いながらアジャイル開発やリーン・スタートアップを学ぶセッションもワークショップ型で開催します。

i Mag 双方向コミュニケーションという点では、iSUC

には以前から「わいわいセッション」がありますね。

木村 そうです。「わいわいセッション」は、1つのテーマについて参加者同士が気軽に話し合う情報交換型のセッションです。今年は九州研・沖縄研のAS/400倶楽部による「みんなで語ろうAS/400、IBM i」や、「なぜ進まない、RPGⅢ→RPGⅣ移行の壁は?」などのわいわいセッションがありますから、IBM iユーザーの方々には興味をもっていただけるのではないでしょうか。 それからセッションを受講して、もう少し講師に質問したい、意見を聞きたいと思ったら、セッション後に講師の方と交流する「iSUCカフェ」や「セッション延長戦」も用意しています。iSUCカフェは昨年からスタートしたのですが、場所がセッションルームから離れていたため、「わざわざそこに足を運ぶのが面倒」とのご指摘をいただきました。そこで今年は、セッションルームのすぐ近くにセッション延長戦のスペースを設けるように改善します。

i Mag 今年はiSUCモールのセッションにも新しい企

画があるようですね。

木村 毎年、IT展示会であるiSUCモールの中でモールセッションが開催されていますが、今年は少し趣向を変えて、通常のセッション枠の中で開催する「モールコラボセッション」を企画しました。iSUCモールに出展している製品やソリューションついて、実際の活用事例を紹介するのが目的です。 

i Mag 北海道ゆかりの方々のお話が聞ける教養セッ

ションもおもしろそうですね。

木村 今年も北海道の魅力やパワーを感じられる多彩なセッションを予定しています。たとえば、エアーダイブ代表取締役で札幌在住の漫画家、田中宏明さんによる

「我が子が気づかせてくれた、逆境が生む創造」があります。田中さんは、息子さんが生後1カ月で深刻な脳の病気を患ったのですが、その命を救ってくれた高橋義男医師を主人公にした漫画「義男の空」を発刊しました。その感動的な内容とともに、企画・制作・編集・出版・営業のすべてを道内で手掛けた北海道初のコミック刊行として大きな話題になりました。

i Mag その田中さんに、今回のiSUCでお話しいただ

けるのですね。

木村 そうです。このほか、北海道の開発資源の開拓に取り組む北海道宝島旅行社の代表取締役である鈴木宏一郎さんによる「観光地域づくりによる北海道の活性化」。札幌国際短編映画祭プロデューサーで、マーヴェリック・クリエイティブ・ワークス代表取締役である映画人、久保俊哉さんの「札幌から世界を目指す!」。 世界的な彫刻家であり、庭園設計でも高い評価を得ている故イサム・ノグチによってデザインされたモエレ沼公園を、17年かけて開園にこぎつけた経緯をお話しいただく「イサム・ノグチの最後の傑作は、なぜ札幌に出来たのか」など。  それにもちろん、北海道旭川市の酒造メーカーである男山の社長、山崎與

よ し ろ う

四良さんによる日本酒のお話など、きっと皆さんに満足していただける内容だと自信をもっています。 iSUCの柱は、やはりセッションです。皆さんの仕事や人生に役立つ魅力的なセッションを多数ご用意していますので、札幌大会にぜひ足を運んでいただきたいですね。

北海道の魅力やパワーを実感する教養セッション

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