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NTT技術ジャーナル 2015.11 56 179 市場環境の変化に対応することで 生き残ることができた ◆まず,貴社の設立の経緯をお聞かせください. 日本テレマティークは,1985年に設立され,現在では総 合商社の伊藤忠商事とNTT東日本が50%ずつ出資をしてい ます.NTTと同じく,2015年に30周年を迎えました. 当時,国内ではNTTの民営化に代表される通信事業の自 由化に伴い,電気通信ネットワーク上で単なる電話として ではなく,音声 ・ 映像 ・ テキストのやり取りができるよう なサービス,すなわち,通信 ・ 情報を融合した新しいかた ちの,いわゆるニューメディア構想が拡大し,それに伴い 新たなビジネスチャンスの機運が高まりました.そのよう な潮流の中,弊社は伊藤忠商事の強みである,世界規模で の商品 ・ サービスの売買や情報収集力,マーケティング力 と,NTTの持つ先進的な技術力を結集し,電話網の新たな 使い方を志向した企業として事業を始めました.当初,ビ デオテックスサービス *1 の普及を見据え,さまざまな情報 を視聴するための機器などの普及 ・ 販売を目指したわけで す.しかし,当時はサービスも機器も必ずしも経済的で使 いやすいとはいえず,先進的な企業や自治体などの団体を ターゲットとしていたものの,事業は軌道に乗らず,会社 設立わずかな期間で債務超過に陥り,会社のあり方そのも のを議論せざるを得なくなりました.しかし,そこから事 業を立て直し,会社として本当のスタートを切ることにな りました. ◆1990年代の,インターネットを核とした通信の大革命 は貴社にどのような影響をもたらしたのですか. 会社の立ち直りを図るために,弊社は,ニューメディア対 応の機器を普及させるというよりもむしろ,商社と通信技術 のDNAを持った人材を活用すべく,方向転換を図りました. 1990年代から2000年の前半は,広く一般にもPCが普 及し,また,NTTドコモのiモードがサービス開始されるなど, 携帯電話などの情報機器とともに,インターネット利用が加 速した時期です.さらに,ADSLの台頭からフレッツ光など のFTTHが,高速インターネットサービスのインフラとして 普及することになり,通信事業者やインターネットサービス プロバイダは,トラフィック増加や大量の情報処理に対応す ることになります.その中核を担う機器として,サーバやネッ トワーク機器の効率的な展開は不可欠でした.このような状 況下で,弊社はいち早く米国SUN(現Oracle)のサーバの NTTグループへの調達ベンダとなり,普及の一翼を担うこと になりました.その活動が事業を牽引し,利益を生み出す構 造へと転換することになったわけです. ◆事業概要について教えてください. 21世紀になり数年が経過すると,状況はまた一変す ることになります.システムインテグレーション市場は 変革が激しく,さまざまなメーカやサービス ・ 技術提供事 業者が台頭し競争の激化や資本関係も変わっていきます. さらには,スマートフォンに代表される情報デバイスの爆 発的な普及に伴い,これまでのビジネスモデルが変革し, 会社として生き残り事業を継続するためにはこれに対応し ていかなければなりません.こうした状況を考慮しつつ, 3つのコア事業を成長させていこうとしています. 1つはこれまでも弊社事業の主軸であった,システムイ ンテグレーションの発展的成長です.お客さまの業務運営 をかなえる仕組みのご意向に沿い,経済性 ・ 機能性 ・ 拡張 性 ・ 運用性などの条件を考慮し,最適かつ今後を見通した システムの選定や,効率的なオペレーションのご提案をし ています.取り扱う機器はサーバをはじめ,ネットワーク 機器や付随するソフトウェアはもちろんですが,弊社が開 発したソフトウェア等も提案し,付加価値を高める工夫を *1 ビデオテックスサービス:専用端末を電話回線で接続,文字情報および 静止画を検索 ・ 閲覧することのできるサービス.NTTグループでは CAPTAIN(Character And Pattern Telephone Access Information Network System)の名称で提供されていました. http://www.nti.co.jp/ 確かな技術力と情報収集力に支え られ先行型ビジネスで事業を拡大 2015年8月,日本テレマティークは設立から30周年を迎えた. その歩みは,情報通信産業界における30年の変遷とも重なっている. 業界を取り巻く大きなうねりの中で,どのような歴史を刻み,どこ へ向かおうとしているのか.佐野晃之社長に今後の戦略や展望につ いて話を伺った. 日本テレマティーク株式会社 日本テレマティーク 佐野晃之社長

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NTT技術ジャーナル 2015.1156

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市場環境の変化に対応することで 生き残ることができた

◆まず,貴社の設立の経緯をお聞かせください.日本テレマティークは,1985年に設立され,現在では総

合商社の伊藤忠商事とNTT東日本が50%ずつ出資をしています.NTTと同じく,2015年に30周年を迎えました.

当時,国内ではNTTの民営化に代表される通信事業の自由化に伴い,電気通信ネットワーク上で単なる電話としてではなく,音声 ・ 映像 ・ テキストのやり取りができるようなサービス,すなわち,通信 ・ 情報を融合した新しいかたちの,いわゆるニューメディア構想が拡大し,それに伴い新たなビジネスチャンスの機運が高まりました.そのような潮流の中,弊社は伊藤忠商事の強みである,世界規模での商品 ・ サービスの売買や情報収集力,マーケティング力と,NTTの持つ先進的な技術力を結集し,電話網の新たな使い方を志向した企業として事業を始めました.当初,ビデオテックスサービス*1の普及を見据え,さまざまな情報を視聴するための機器などの普及 ・ 販売を目指したわけです.しかし,当時はサービスも機器も必ずしも経済的で使いやすいとはいえず,先進的な企業や自治体などの団体をターゲットとしていたものの,事業は軌道に乗らず,会社設立わずかな期間で債務超過に陥り,会社のあり方そのものを議論せざるを得なくなりました.しかし,そこから事業を立て直し,会社として本当のスタートを切ることになりました.◆1990年代の,インターネットを核とした通信の大革命は貴社にどのような影響をもたらしたのですか.会社の立ち直りを図るために,弊社は,ニューメディア対

応の機器を普及させるというよりもむしろ,商社と通信技術のDNAを持った人材を活用すべく,方向転換を図りました.

1990年代から2000年の前半は,広く一般にもPCが普及し,また,NTTドコモのiモードがサービス開始されるなど,携帯電話などの情報機器とともに,インターネット利用が加速した時期です.さらに,ADSLの台頭からフレッツ光などのFTTHが,高速インターネットサービスのインフラとして普及することになり,通信事業者やインターネットサービスプロバイダは,トラフィック増加や大量の情報処理に対応することになります.その中核を担う機器として,サーバやネットワーク機器の効率的な展開は不可欠でした.このような状況下で,弊社はいち早く米国SUN(現Oracle)のサーバのNTTグループへの調達ベンダとなり,普及の一翼を担うことになりました.その活動が事業を牽引し,利益を生み出す構造へと転換することになったわけです.◆事業概要について教えてください.

21世紀になり数年が経過すると,状況はまた一変することになります.システムインテグレーション市場は変革が激しく,さまざまなメーカやサービス ・ 技術提供事業者が台頭し競争の激化や資本関係も変わっていきます.さらには,スマートフォンに代表される情報デバイスの爆発的な普及に伴い,これまでのビジネスモデルが変革し,会社として生き残り事業を継続するためにはこれに対応していかなければなりません.こうした状況を考慮しつつ,3つのコア事業を成長させていこうとしています.

1つはこれまでも弊社事業の主軸であった,システムインテグレーションの発展的成長です.お客さまの業務運営をかなえる仕組みのご意向に沿い,経済性 ・ 機能性 ・ 拡張性 ・ 運用性などの条件を考慮し,最適かつ今後を見通したシステムの選定や,効率的なオペレーションのご提案をしています.取り扱う機器はサーバをはじめ,ネットワーク機器や付随するソフトウェアはもちろんですが,弊社が開発したソフトウェア等も提案し,付加価値を高める工夫を

*1 ビデオテックスサービス:専用端末を電話回線で接続,文字情報および静止画を検索 ・ 閲覧することのできるサービス.NTTグループではCAPTAIN(Character And Pattern Telephone Access Information Network System)の名称で提供されていました.

http://www.nti.co.jp/

確かな技術力と情報収集力に支えられ先行型ビジネスで事業を拡大

2015年8月,日本テレマティークは設立から30周年を迎えた.その歩みは,情報通信産業界における30年の変遷とも重なっている.業界を取り巻く大きなうねりの中で,どのような歴史を刻み,どこへ向かおうとしているのか.佐野晃之社長に今後の戦略や展望について話を伺った.

日本テレマティーク株式会社

日本テレマティーク 佐野晃之社長

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しています.次に,弊社でクラウドマイグレーションと呼んでいる分野

のサービスです.これは,最近普及が著しいクラウドの利用にあたり,ニーズに応じたインテグレーションサービスを,ハードウェア ・ ソフトウェアを駆使して提供しようとするものです.具体例として,お客さまがもともと保有している個別システムの機能を一度にクラウドに移行させることは,業務継続上ハードルが高い場合もあるので,いったん既存シス テ ム と ク ラ ウ ド を 連 携 し て,SCM(Supply Chain Management) やCRM(Customer Relationship Management)などの機能を実現しようとするものです.例えば企業間での製品データのファイル転送やこれに伴う意思決定プロセスを行う機能などを提供しています.

もう1つがマネージドサービスです.これは,ICTを活用したシステムの運用に際し,お客さまの機器の設定 ・ 構築から運用 ・ 管理に至るまでのプロセスをまとめてサービスとして提供しようとするものです.後述のCisco Merakiは,現在拡大を図りつつある事例です.また,これまで提供してきた実例の1つとして,弊社での名称TACOS(NTI Auto Construction Operation System)が挙げられます.通信サービスを開通 ・ 利用いただくためには,一定の条件下でネットワーク機器を接続 ・ 稼働させる必要があります.そのためのサービス開通にあたり,お客さまのお申込みから設定,工事,保守までをワンストップにかつ,遠隔 ・ 自動で行えるサービスとして提供しています.

チームNTIで「サービス主体のビジネスモデル」 の創生と展開に挑む

◆貴社の強みを教えてください.強いていえば2つあると考えています.1つは,グロー

バルレベルなビジネス展開のできる伊藤忠商事のパワーとグローバル情報通信事業者のNTTグループのパワーの両方を活用できるポジションにいるということです.グローバルレベルでサービスやプロダクトのリサーチをしつつ,一方弊社は大規模なシステムインテグレータではありませんが,逆説的にその特徴を活かし,局地的なサービスでも事業となり得るものを迅速に判断し,優位に展開し得る能力を活用しようとしています.弊社の「営業力」といっても良いかもしれません.

もう1つは,弊社は少数精鋭ながら社員1人ひとりが高いスキルを有しているということです.例えば,ネットワーク ・サーバ機器の設定を自ら現場で実行したり,またソフトウェアを構築するためのお客さまの要望を汲み上げ,それを形にしていく力です.弊社は,1人ひとりの力と,それらの結集からもたらされる組織のパワーの向上を目指し「チームNTI」の概念として掲げています.そのためには,チーム内のコミュニケーション力を向上させ,会社としてもスキルアップや資格取得のための努力を惜しまず,人材育成の環境をつくり上げていくことが責務であると考えています.

◆今後について,どのような戦略をお持ちですか.近年,IoT(Internet of Things)やIoE(Internet of Every­

thing)などの新たな言葉や概念が先行し,市場には次々新しいサービスが浸透し,ビジネスモデルを変革させていきます.私たちは,市場の動向に対して一層の感性を研ぎ澄まし,迅速な判断と小回りのきくPDCAに基づく事業運営を強みとし,事業に活かしていく,いわば先行型ビジネスに取り組んでいきたいと考えています.「手離れの良い仕事が良いサービスだ」が,これまでの優良

な商品やサービスを表す一般常識でしたが,良い意味で手離れし難く,お客さまに長らくお付き合いいただき双方のメリットとなるようなサービスを手掛けていきたいと考えています.

そのためには,既存ノウハウを活かしつつ,クラウド基盤と既存システムとの連携や,マネージドサービス等への取り組み強化が必須です.特に自社の付加価値が高められるマネージドサービスの開発と,それらをパッケージ化し,提供することに注力します.限られたリソースの中で,持前の優れた技術力と機動性に富んだ営業力を背景に,内製化も意識する一方で,パートナー戦略も視野に入れつつ事業を推進していきます.

感性のアンテナを張り巡らせ, 市場の動向に敏感になってほしい

◆最後に社員の方へのメッセージをお願いします.管理職から中堅社員の多くは中途採用で,別の職場で鍛

えた腕を持ち,熱意を持って弊社に入社しています.そのため,仕事への取り組みも非常に熱心で,お客さまの課題解決に対して,とことん取り組む,ある意味執念さえも感じることがあります.このようなマインドを,目まぐるしく変化する市場環境に効果的に向けていく必要があると感じています.それを実現させるためには,第1に,市場の動きに敏感になること.そのためにはマーケットを感じる時間をつくり,新しいサービスや技術に触れ,例えば時間を創造してエキシビション等にも出向き,どのようなことが話題になり,どのようなジャンルに人が集まっているのかを実感し,それを自らの目標達成のために活かしてほしいと思います.

第2に,目標を達成するためのスキルを身につけてほしい.ICTを理解するうえで不可欠な英語力でも良いし,もちろんICT系プロダクトを扱うための資格も必要です.自らに課されたミッションは自分の夢を実現するための手段だと考え,自らを磨くための努力を継続していただきたいです.第3に,コミュニケーションを大切にしてほしいということです.1人ひとりがこなせることは限定的でも,これがネットワーク化され相互に機能し合っていけば,より高度なことができるようになるはずです.まさに「チームNTI」の真髄です.

このようなことを継続していくことにより,より大きな力が発揮でき,事業の達成とともに皆さんの充実感も達成できると信じています.

NTT技術ジャーナル 2015.1158

担当者に聞く

◆�業務内容についてお聞かせください.ビジネスソリューション

事業本部ではCisco Merakiという,クラウドから制御できるネットワーク機器とモバイル端末情報管理ツールの販売,および構築 ・ 運用,保守の統合的なサービスを提供しています.具体的には,無線アクセスポイント,ルータ,セキュリティ装置,スイッチ等のネットワーク関連機器,それらに加え,タブレット端末やスマートフォンに搭載するソフトウェアやそれらのモバイル情報を管理するための機能の提供です.

Merakiは,もともと米国のMeraki社が2006年に始めたサービスで,伊藤忠商事と弊社が,いち早くこの技術に着目し,国内での展開を目指し,交渉を始めていました.その後,CiscoがMeraki社を買収しましたが,弊社はそれ以前から取り扱っていたという経緯があり,一次代理店としての権利を獲得しました.◆Cisco�Merakiにはどのような機能があるのですか.

Cisco Merakiの特長は,インターネット上のクラウドからそれぞれの機器を集中的に制御できることです.そのため,従来,制御に必要であった,専用のコントローラといったハードウェアは不要となり,各種設定も,クラウドを介した遠隔操作で可能になります.結果として,技術者の派遣も不要で,初期費用が削減できるというメリットがあります.導入後も常にクラウド上で管理 ・ 監視 ・ 制御されていますから,運用 ・ 保守も容易で,それらのコストも低減できます.複数の拠点をお持ちのお客さまについては,1カ所のセンターからクラウドを介してすべての拠点の管理を行えるという利点もあります.◆日本市場に投入する際,苦労された点はありますか.

米国発の機器ですから,それを国内で展開するにあたっては,主に2つの点で苦労しました.1つは,電波法や電気用品安全法といった日本の法制度に適合させる必要があったことです.

もう1つはベンチャーマインドの塊ともいえるMeraki社とのコミュニケーションです.ドキュメント類,契約書,技術サポート等,すべて直接米国Meraki社とやり取りをしなくてはなりません.今はそれらの問題を解決し,ようやく体制が整いましたので,販売の拡大に向けて,重点的

に取り組んでいるところです.◆販売体制はどのようになっていますか.

国内においては,全国レベルの営業網を持っている販売パートナー様約10社とアライアンスを組み,展開しています.製品の販売だけでなく,それに付随する構築作業,運用 ・保守までを含めた一連のマネージドサービスをパッケージ化した弊社独自の付加価値をつけ,お客さまに提供します.

パートナー企業様に対しては,営業面でのサポートとして,セールスツールの提供や営業担当,SE向けのトレーニング等を行っています.それらに加え,弊社のMerakiデモ ・ 検証ルームで実機を使っての技術研修やMeraki製品の貸し出しも行っています.◆今後の取り組みを教えてください.

Cisco Merakiでは,クラウド側に蓄積されたさまざまな情報を使い,新たな付加価値ビジネスに応用できると考えています.例えば,マーケティング支援ツールのような使い方です.具体的には,無線アクセスポイントをいくつかの場所に設置し,ショッピングモールなどにおける個別の店舗の集客状況のデータ収集やキャンペーンの効果測定への応用です.

ネットワーク機器は価格競争に陥っていますから,今後は,データ分析等を含めた高付加価値ビジネスを伸ばしていかなくてはなりません.機器の販売から統合サービス,それらにプラスアルファとして,今後はデータ分析やレポートの高度 ・ 高品質な付加価値の提供を広く目指していく必要があるでしょう.

◆現在の業務内容についてお聞かせください.EOSL*2後保守サービス

とは,メーカー保守終了機器に対して,代替機 ・ 保守部材を弊社で確保することにより,メーカー保守期限終了以降もハードウェア交換対応の保守を独自に提供するサービスです.

サービスレベルは先出しセンドバック,平日日勤帯オンサイト,24時間365日オンサイト,スポット対応等,お客さまのご要望に応じて提供することが可能で,お客さま

クラウドでネットワーク機器を制御包括的なマネージドサービスとして提供ビジネスソリューション事業本部� ITマネージドサービス部長 種子島剛さん� ITマネージドサービス部 担当部長 土屋幸雄さん

市場のニーズにいち早く対応EOSL後保守サービスとはシステムソリューション事業本部� システム営業部 担当部長 山越力丸さん� システム営業部 諸橋朗子さん

左から 種子島剛さん,土屋幸雄さん

*2 EOSL: End of Service Lifeの略で 「メーカー保守期間終了」を意味します.

左から 諸橋朗子さん,山越力丸さん

59NTT技術ジャーナル 2015.11

ごとのカスタマイズもお請けしております.対象機器については,メーカーにとらわれず中古市場等

から準備可能な機器であれば対応が可能です.また,厳しい検品作業に合格した部材のみ本サービスにて利用しますので,部材の品質は担保されています.◆EOSL後保守サービスを始めた要因はどのようなことですか.資源循環型社会の実現に向けて,弊社では2010年ごろ

よりIT機器の利活用について検討を進めており,その一環として中古機器への取り組みを行っておりました.さらに,同時期にお客さまからメーカー保守期間終了後のIT機器へ対する保守の提供についての期待を多くいただき,事業化を判断いたしました.

お客さまのご要望は,EOSLに合わせてシステム終了時期を設定したものの,システム利用が延びたためその期間だけ保守延命したい,EOSL契機にて新規機器の購入を検討したものの,上位アプリケーションの改修等で費用が想定以上にかかるため,システム延命で実施時期の再検討の時間を確保したい等,さまざまです.

最近では弊社のホームページからのお問い合わせ等,NTTグループ会社にとどまらずさまざまな企業からご依頼をいただくようになりました.弊社から購入いただいた機器のみならず,弊社とお取引のない企業からもご相談を受けています.◆どのような機器が対象となりますか.

ネットワーク機器に関してはCisco製品,サーバ機器は

HP,Oracle(旧SUN)製品が多いのが現状です.最近ではNetAppやEMC等のストレージの需要も増加傾向で引き合いも増えています.

弊社の技術者が責任を持って対応できる製品をメインに,必要に応じてメーカーのトレーニング等を適宜受講し技術スキルの向上に努めています.◆EOSL後保守サービスではどのようなことに留意していますか.基本的にはお客さまの環境に適合する,既存環境と同じ

部材を準備します.例えば,ネットワーク機器ですとOSのバージョン,サーバであればハードディスクやボード等の仕様や構成が関係してきますし,同じ部材が準備できなくても,詳細をお聞きしたうえで最適な部材を準備できるよう対応しています.◆今後の展望についてお聞かせください.

EOSL後のIT機器に限らず,EOSL前のIT機器,弊社以外からの購入のIT機器においても,既存保守費用の低減策として本サービスを利用するお客さまも増えてきています.また,機器売却を望まれるお客さまもあり,対応も行っています.その際,情報漏洩を心配されるお客さまには,ハードディスクのデータ消去や物理破壊を実施し,それらの消去証明書を発行することも可能です.このような動向を踏まえ,弊社としても,よりお客さまのTCOの削減や満足度の向上につなげられるよう,EOSL後保守サービスメニューをさらに広げていきたいと考えています.

■月1回のハッピー ・ フライデー日本テレマティークの従業員数は100名(2015年10月1日現在).内訳は男性86名,女性14名,平均年齢は42歳.そんな同社は社内コミュニケーションをとても大切にしています.それを象徴するのが,毎月(4 ・ 8月は除く)最終金曜日に会議室で開催されるハッピー ・フライデー(写真 1, 2).きっかり17時30分から始まり,自由参加ですが,毎回50名ほどの方が参加されるそうです.もともとは上司と部下のコミュニケーション促進のために始まったそうですが,規模が大きくなり,今では会社全体で行っているとのこと.費用は,会社の経費は一切使わず,担当部長以上のポケットマネーで賄われています.担当幹事は部署の持ち回りで,飲み物,食べ物を用意しますが,毎回個性が出るようです.中には趣向を凝らして,夏であれば,かき氷やパフェをつくれるように準備をしたり,生ビールのサーバを用意したりする部もあるとか.そういう場で社長や上司との会話や部門の枠を超えた交流を楽しみます.お酒がなくなるまで宴は続くそうですが,19時には終わるとのことで豪傑が多い?■仕事で楽しく(?)健康増進2014年,社員全員に活動量計(万歩計)が配布されました.データを毎月登録し,ランキングに基づき,四半期ごとに上位3名が表彰されるのだそうです.ちなみに,2015年4〜6月期のトップは3カ月間で178.3万歩だそうです.部対抗もあり,そういうときには,趣向を凝らして歩く距離を増やします.ならば営業部の成績が一番良いのかと思いきや,上位に入ったことがないとのこと.土日に持ち歩かないと,カウントされないので,差がついてしまうそうです.エレベータに乗らなければ環境にも良いうえ,健康促進にもつながると,一石二鳥で歩け歩けの毎日.筆者も見習わなくては.

日本テレマティークア・ラ・カルトア・ラ・カルト

写真 2

写真 1