大雪の農業への影響レポート140220...
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20140220 大雪の農業への影響と次にやること 1大雪の農業への影響 問題提起の後、何をすべきか?
2014年2月14日大雪の農業への影響
2014-02-20FB農業者倶楽部独自調査
https://www.facebook.com/farmerclub2https://www.facebook.com/groups/farmerclub/
野間 英樹
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 2質問
➢ FB農業者倶楽部は、宮崎県の上水 広志さん発案により「農業を商いとしている人による農業者のための情報交換コミニティー」です。
➢ 2012年より運用されており、現在1400名以上が参加してます。(非公開グループです)
➢ 大雪の被害状況をFacebookグループ内で収集したところ、甚大な被害が出ていることが判明し、また、各機関においても情報収集に手間がかかることが予想されるためご報告することとなりました。
➢ 現在は、公開ページでも情報収集及び拡散を行っております。
➢ 集約した情報を一旦ご報告する次第です。https://www.facebook.com/farmerclub2
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 3地域的な広がり
前橋牛舎、ハウス倒壊
入間市ハウス倒壊
渋川ガラス・ビニルハウス壊滅
山梨市鶏舎・ハウス倒壊
甲州市ハウス倒壊果樹被害
南佐久郡ハウス倒壊
中央市ハウス倒壊
桐生・みどりハウス半壊
宇都宮ハウス半壊
三重県伊勢市ハウス全滅
児玉郡上里町ハウス倒壊
大分県臼杵市一部ハウス倒壊
➢ 被害の大きいエリア● 山梨県を中心に群馬県全域、埼玉県、東京都の西部地域、栃木県の一
部、および長野県南部で特に大きな被害が出ていると考えられます。● 千葉、大阪等他のエリアでも一部被害が出ている模様
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 4被害の状況(類型化)
➢ 施設等の被害● ビニルハウス・ガラスハウスの倒壊・半壊● 雪除去のため、ビニルハウスのサイドカット● 畜産設備の倒壊・半壊
➢ 生産作物等の被害● 果樹の倒壊(時間の問題と言われている)● 被害ハウス内の野菜、いちご等に対する雪の影
響➢ 物流ストップによる二次被害
● 燃料不足
(山梨県内では重油が入手できない)● 飼料不足● 出荷できない
➢ 問題の大きな被害● 施設等の復旧(一時費用)
➔ 数千万円の費用が見込まれる農業経営者も多数
● 果樹等の復旧➔ 被害状況によるが元の品質の生産に戻るのに3-10年かかるとも言われている
● 地域全体が被災● 地域内全体で同様の被害が発生している地
域が多数見受けられる
ハウス栽培の継続断念の声も
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 5被害状況(金額ベース)
➢ 一番被害の大きいと考えられる山梨県については情報収集が追いついていないため被害額の算出に時間が掛かると思われる。
➢ 現時点で出ている数字から山梨県、長野県などの被害の大きいところの数字を加えると500億円規模の被害になっているのではないかと推測される。
(推測に具体的な根拠はありません)
➢ またこの金額には倒壊設備の撤去費用、再建費用などは含まれていないようです。
県 被害額 備考
宮城県 0.5 .
埼玉県 22 .
栃木県 70 .
茨城県 11.3 .
群馬県 139 .
山梨県 ビニールハウスの倒壊・損壊面積 計99.7ha(4割)
長野県 パイプハウスの倒壊など3,634棟
千葉県 6 .
和歌山県 1.1 .
静岡県 牛舎・養鶏場・ビニールハウスの倒壊・半壊等10棟以上
大分県 ビニールハウス 71カ所、6ha以上
熊本県 ビニールハウス100棟倒壊 数千万円の被害
249.4 億円
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 6現状見えている課題
➢ 短期的課題● 畑に辿り着けず、被害状況が不明● 重油などの燃料不足 ← 解消中● 雪に埋まった場合の対処法、知識不足● 除雪による重機の故障● ハウス立て直し
➔ マンパワー・資材・ノウハウ不足● 農水省から補助事業等に間に合わない?● 雪の持って行き場が無い
➔ そのため農道の除雪ができない➔ 除雪すると畑を潰すことになる
● 土がある程度乾くまで時間が掛かる● 被災農家の精神的サポート● 全体的な情報不足
➔ 行政の取り組んでいる姿勢が見えない
➢ 中長期的課題● 被害にあった農家の方の生活保障● 継続的な土地利用
➔ 今回の雪をきっかけにした、世代交代、新規就農体制の確立
➔ やる気をなくしてしまった農家の農地をどうするか➔ 耕作放棄地増加の可能性
● ワイン、ブドウ、桃といった基幹産業被害による産地ブランド構築の問題
● ハウス栽培を取りやめる農家検討をしている農家が多数
● 資金繰り➔ 2重ローンのリスクも
● 事業計画の頓挫➔ 公的補助を受けている場合は配慮が必要?
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 7個別課題:ハウスの再建・補修
➢ 資材の状況● 資材不足が予想される● 増産は4月以降という情報も
➢ 再建・補修● 補修業者も存在する● 地域に合ったハウスは農家自身で組むのもあり
➢ 雪対策の仕方● 補強
➔ 突っ張り、斜交い➔ ロープ
● 雪が乗らないアーチにする● 融雪管を通す● 構造
➔ パイプ(太さは?)➔ トラス構造
補強している例
http://an.ruralnet.or.jp/?p=3874農文協による雪害対策特集
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/noen/24gousetu_jireisyu.pdf青森県の雪害対策マニュアル
https://www.sedia-green.co.jp/customer/faq.html資材会社のビニルハウスのFAQ
地下水による融雪例
補強している例補強している例
人手と資材が足りない
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 8個別課題:雪害対策の知見蓄積
➢ ハウス● 凍る前に雪は落とす● 雪が溜まるとサイドから潰されるので、雪の逃げ場が無い場合は、ビニールのサイドを切りハウス内に雪を入れる
● ビニールの表面はきれいにしておく● 苔が生えてたりするとNG● ビニールを剥ぐ● 加温を高めに
➢ 果樹● 果樹の雪下ろしはできるだけ早く● 園地に粉末状の木炭を散布し消雪する
雪害対策マニュアル
農家の対策
大雪が予想される場合のアナウンス
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 9個別課題:事業の継続
➢ 資金繰り問題● ビニルハウス等被災した設備のローン● 収入の途絶、激減
➢ 事業計画の破綻● 公的助成・補助を受けているケースで遅延が特
に問題になると考えられる➢ やる気
● 果樹等復旧に時間が掛かるケースを中心に問題が大きい
➢
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 10ボランティアについて
➢ ボランティアニーズ● 農業
➔ 農道の確保➔ 果樹等の除雪➔ ハウスの解体➔ ハウスの補修・建設
● 農業以外➔ 除雪
• 歩道の確保• 通学路の確保• 消火栓の確保
➔ カーポートの補修➔ 買い物難民支援
➢ ボランティア受け入れについて● 宿泊場所の確保● 必要な活動がまとまっていない● 除雪しても雪の持って行き場がない● ハウス再建となると資材の調達問題がある
20140220 大雪の農業への影響と次にやること 11今後必要な対応
➢ 復旧フェーズに向けて● 被害から復旧に向けて発生し得る課題を掘り
起こす● 施設撤去費用などにも踏み込んだ支援が必要● 雪国ではないエリアであることを考慮した復旧支援体制
● 従来の雪害対策では対応しきれるレベルではない
● 不足する労働力を補うべくボランティアを活用する体制作り
きちんと復旧に力を注がないと、関東、甲州、信州の農業の将来が潰れます
当グループで協力できること
1.被災地の農業経営者からの情報収集2.被災地の農業経営者への情報発信3.全国の農業経営者かの意見聴取
お気軽にご連絡ください。
東京での窓口:野間 英樹人命救助が優先の時期ではありますが、今すぐ手を打たないと保てない農業の命があります。
できることをそれぞれの立場でお願いいたします。