18回パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合 … 25 south west coast...

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降水量を高精度かつリアルタイムで観測。 資料 1 18回パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合 テーマ:防災分野について 1. 防災分野の海外展開の意義 3. 我が国が優位性を有する防災技術等 ミャンマーのサイクロン (2008年5月) 死者約14万人 スマトラ島沖地震・インド洋大 津波(2004年12月) 死者約22万人 出典: JICA 2. 世界の自然災害の現状 出典: 国土交通省 出典: JICA http://www.jica.go.jp/ topics/2011/pdf/20 111108_01_02.pdf http://www.jica.go.jp/ press/archives/jica/s umatra/gallery/ind_m edical.html 出典:アジア防災センター資料 図表1:世界の自然災害の発生件数(件) 1972~2011年の地域別自然災害の状況 図表2:発生件数 図表3:死者の内訳 出典: アジア防災センター資料より内閣官房作成 分野 具体例 土木構造物 堤防、ダム、橋梁、港湾・空港施設等の耐震化・免震化技術、火山砂防に おける無人化施工 建築物 超高層ビル・タワー等の耐震化・免震化技術、高強度鋼材の開発 ライフライン 上下水道管、ポンプ場等の耐震化技術 防災設備・機器 浮上式津波防波堤、広域防災拠点、排水ポンプ車、消防車 観測・予警報システム 気象レーダー、地震・津波観測計(高感度地震計、GPS波浪計)、人工衛 星、ICTシステム、緊急地震速報システム、洪水・高潮予測パッケージソフト 緊急停止システム 列車、エレベータ等の緊急停止システム 防災教育・救援制度 津波・洪水・高潮等のハザードマップ、防災教材、国際緊急援助隊 【橋梁の耐震化】 出典: JICA 【ダクタイル鋳鉄管】 【GPS波浪計】 出典: 厚生労働省 【防災教材】 【浮上式津波防波堤】 出典: 国土交通省 【新幹線の早期地震検知システム】 出典: 国土交通省 【気象レーダー】 出典: 気象庁 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 1972-1981 1982-1991 1992-2001 2002-2011 中期的に自然災害*は増加傾向(温暖化や都市化の影響も想定)(図表1) *ここでは、地震、津波、火山噴火、洪水、熱帯性低気圧による高潮、地滑り、竜巻、干ばつ等を対象とする。 災害発生数は、アジア39%、アフリカ19%、北米15%等(図表2) 死者数では、アジア約52%、アフリカ27%等(図表3)。 死者・行方不明者の9割近く は開発途上国 スマトラ島沖地震・インド洋大津波(2004年)、ミャンマーのサイクロン(2008年)、タ イ大洪水(2011年)等、アジアを中心に大災害が毎年のように発生し、甚大な被害 過去の災害経験で培った我が国の防災に関する優れた技術や知見を活かし、アジ アを中心とする新興国で防災機能の向上に寄与するとともに、そのインフラ需要を 取り込むことが重要 また、海外の本邦進出企業の操業の安全性とサプライチェーンの確保を図る上でも 防災分野の海外展開は重要(昨年のタイ大洪水等) さらに、人間の安全保障の実現に貢献し、国際社会における我が国の信頼感・存在 感を向上する上でも有効 参考:日本再生戦略( 20127月閣議決定) ●アジアを中心に、我が国の防災対策(政策、技術、教育等)の普及を図り、ポスト兵庫行動枠組の 策定・実施を主導する。 ●国際社会・国・地方・コミュニティなどあらゆるレベルでの防災の主流化*に貢献する。 *開発計画に防災の視点を導入し、予算・人員を重点投入するなど、防災を政策の優先課題とすること 安政南海地震で津波に 遭った和歌山県広村にお ける、津波避難の重要性 を説く「稲むらの火」の 各国語版防災教材 我が国の技術により耐震補強工事を 行ったトルコの第二ボスポラス橋 出典: 内閣府 伸縮性・屈曲性に優れた水道管 平常時は船舶航行のため海底に格納されているが、津波来襲時 に鋼管が空気圧により浮上して背後地を防護するもの。 【排水ポンプ車】 東日本大震災やタイ洪水時の排水作 業で活躍 出典: 国土交通省 衛星による位置情報をもとに沖合での波浪・潮位を リアルタイムで観測し、津波情報にも活用 地震による大きな揺れが到来する前に列車を緊急停止さ せるシステム。東日本大震災でも有効に機能した結果、 東北新幹線では、旅客列車の脱線・死傷者ゼロ。 出典: 国土交通省 以下の防災技術等を相手国のニーズを踏まえ、パッケージ化して提案 タイ大洪水(2011年10月) 死者約800人 (被害額・損失額計約3.8兆円*) *被害額・損失額は世銀の試算

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降水量を高精度かつリアルタイムで観測。

資料

1

第18回パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合

テーマ:防災分野について

1. 防災分野の海外展開の意義

3. 我が国が優位性を有する防災技術等

ミャンマーのサイクロン (2008年5月) 死者約14万人

スマトラ島沖地震・インド洋大津波(2004年12月)

死者約22万人

出典: JICA

2. 世界の自然災害の現状

出典: 国土交通省 出典: JICA

http://www.jica.go.jp/topics/2011/pdf/20111108_01_02.pdf

http://www.jica.go.jp/press/archives/jica/sumatra/gallery/ind_m

edical.html

出典:アジア防災センター資料

図表1:世界の自然災害の発生件数(件) 1972~2011年の地域別自然災害の状況 図表2:発生件数 図表3:死者の内訳

出典: アジア防災センター資料より内閣官房作成

分野 具体例

土木構造物 堤防、ダム、橋梁、港湾・空港施設等の耐震化・免震化技術、火山砂防における無人化施工

建築物 超高層ビル・タワー等の耐震化・免震化技術、高強度鋼材の開発

ライフライン 上下水道管、ポンプ場等の耐震化技術

防災設備・機器 浮上式津波防波堤、広域防災拠点、排水ポンプ車、消防車

観測・予警報システム 気象レーダー、地震・津波観測計(高感度地震計、GPS波浪計)、人工衛星、ICTシステム、緊急地震速報システム、洪水・高潮予測パッケージソフト

緊急停止システム 列車、エレベータ等の緊急停止システム

防災教育・救援制度 津波・洪水・高潮等のハザードマップ、防災教材、国際緊急援助隊

【橋梁の耐震化】

出典: JICA

【ダクタイル鋳鉄管】

【GPS波浪計】

出典: 厚生労働省

【防災教材】

【浮上式津波防波堤】

出典: 国土交通省

【新幹線の早期地震検知システム】

出典: 国土交通省

【気象レーダー】

出典: 気象庁

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

1972-1981 1982-1991 1992-2001 2002-2011

中期的に自然災害*は増加傾向(温暖化や都市化の影響も想定)(図表1) *ここでは、地震、津波、火山噴火、洪水、熱帯性低気圧による高潮、地滑り、竜巻、干ばつ等を対象とする。

災害発生数は、アジア39%、アフリカ19%、北米15%等(図表2) 死者数では、アジア約52%、アフリカ27%等(図表3)。 死者・行方不明者の9割近く

は開発途上国

スマトラ島沖地震・インド洋大津波(2004年)、ミャンマーのサイクロン(2008年)、タイ大洪水(2011年)等、アジアを中心に大災害が毎年のように発生し、甚大な被害

過去の災害経験で培った我が国の防災に関する優れた技術や知見を活かし、アジアを中心とする新興国で防災機能の向上に寄与するとともに、そのインフラ需要を取り込むことが重要

また、海外の本邦進出企業の操業の安全性とサプライチェーンの確保を図る上でも防災分野の海外展開は重要(昨年のタイ大洪水等)

さらに、人間の安全保障の実現に貢献し、国際社会における我が国の信頼感・存在

感を向上する上でも有効

参考:日本再生戦略( 2012年7月閣議決定) ●アジアを中心に、我が国の防災対策(政策、技術、教育等)の普及を図り、ポスト兵庫行動枠組の

策定・実施を主導する。

●国際社会・国・地方・コミュニティなどあらゆるレベルでの防災の主流化*に貢献する。

*開発計画に防災の視点を導入し、予算・人員を重点投入するなど、防災を政策の優先課題とすること

安政南海地震で津波に遭った和歌山県広村における、津波避難の重要性を説く「稲むらの火」の各国語版防災教材

我が国の技術により耐震補強工事を行ったトルコの第二ボスポラス橋

出典: 内閣府

伸縮性・屈曲性に優れた水道管 平常時は船舶航行のため海底に格納されているが、津波来襲時に鋼管が空気圧により浮上して背後地を防護するもの。

【排水ポンプ車】

東日本大震災やタイ洪水時の排水作業で活躍

出典: 国土交通省

衛星による位置情報をもとに沖合での波浪・潮位をリアルタイムで観測し、津波情報にも活用

地震による大きな揺れが到来する前に列車を緊急停止させるシステム。東日本大震災でも有効に機能した結果、東北新幹線では、旅客列車の脱線・死傷者ゼロ。

出典: 国土交通省

以下の防災技術等を相手国のニーズを踏まえ、パッケージ化して提案

タイ大洪水(2011年10月) 死者約800人

(被害額・損失額計約3.8兆円*)

*被害額・損失額は世銀の試算

資料 4. パッケージ化による海外展開の有望案件

(1)総合的な防災対策プロジェクトの推進: タイ洪水対策に関する国際コンペ

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(2)広域的な災害情報監視・提供システムの構築

① ASEAN防災ネットワーク構築構想

・ ASEAN地域を一体としてとらえた、観測衛星等を利用した防災ネットワーク。 ASEAN連結性強化にも資する。衛星及び地上の通信ネットワーク等

に我が国技術の活用が可能。

・二国間協力(ベトナムの衛星への円借款等)に加え、 ASEAN防災人道支援調整(AHA)センターへのICT機材供与や防災関連技術支援も実施中。

洪水対策国際コンペの概要 対象: タイ25河川流域の包括的な治水対策に関する概念設計の国際コンペ 事業規模: 約8,000億円(うち、チャオプラヤ川水系治水対策が大部分を占める) 民間の体制: 建設技研インターナショナルを代表とするオールジャパンの企業体が タイの建設会社とコンソーシアムを形成

②チリにおける防災警報システム

・日本コンソーシアムは、衛星の調達、打上げに加え、地上施設の設置、運用技術も含めた包括パッケージを提案中。

・津波災害に関する日・チリ間の研究協力等を通じ、津波警報の手法確立や人材育成等ソフト支援も実施中。

5. 中長期的に日本の防災分野の海外展開に資する取組

(1)防災の主流化に向けた国際社会の議論の主導

・2015年国連防災世界会議に向けたポスト兵庫行動枠組策定の主導

・さらに、ポスト・ミレニアム開発目標(ポストMDGs)への防災の取り込みを主導

(2)防災関連技術の国際標準化

我が国の防災関連技術を各国の技術基準に反映することで、国際標準化を目指す

・ベトナムへの港湾施設の技術基準策定支援

・フィリピンへの橋梁耐震化に関する技術基準策定支援

(3)開発途上国の人材育成、体制・制度構築支援

ハード面の支援に併せ、当該国の人材育成や体制・制度構築等ソフト面の支援を実施

・ベトナム国家防災法の構築支援(円借款:気候変動対策支援プログラムローン等) ・アジア防災センター(神戸市)等を通じた途上国政府関係者の研修等による人材育成

・太平洋自然災害リスク保険の創設(島嶼国での迅速な災害復旧資金調達の仕組)

主な防災関連国際会議

2005年 1月 第2回国連防災世界会議(神戸) → 兵庫行動枠組 2012年 7月 世界防災閣僚会議in東北 2012年10月 防災と開発に関する仙台会合(IMF・世銀年次総会関連) 2015年 第3回国連防災世界会議(日本がホスト意向を表明) → ポスト兵庫行動枠組

【タイの25河川流域】

*水色はチャオプラヤ

水系の河川流域

番号 流域名 番号 流域名01 Salawin 14 Mae Klong02 Mae Khong 15 Prachinburi03 Kok 16 Bang Pakong04 Chi 17 Tonglesap05 Mun 18 East Coast06 Ping 19 Phetchaburi07 Wang 20 Prachuap08 Yom 21 South East Coast

09 Nan 22 Ta Pi10 Chao Phraya 23 Songkhla Lake11 Sakaekrang 24 Pattani12 Pasak 25 South West Coast

13 Tha Chinバンコク

出典: JICA

出典: JICA

参考1:2011年洪水被害の概要 (2011年12月26日時点,出典:JETRO資料) 洪水発生県:77都県中44都県、死者752人、行方不明3人 冠水した7工業団地に入居する約800社中、約450社が日系企業 参考2:我が国からの主な協力実績 国際緊急援助隊専門家チームの派遣(上水道、地下鉄、空港施設等の専門家、排水ポンプ車チーム) テント、浄水器、仮設トイレ等緊急援助物資の供与(計5,500万円相当) 復旧のため資機材輸入資金の供与(計10億円相当) 道路、水門整備等、約80億円の無償資金協力 チャオプラヤ川治水対策マスタープラン作成支援(JICA) 2013年6月に最終報告書完成予定

主な事業内容