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モデリング手法に基づく櫛歯アクチュエータの解析とそのセンサ応用
研究者:静岡大学 電子工学研究所
教授 橋口 原
説明者:橋口 原
新技術説明会 2008年6月6日
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研究の背景
当研究室では、
MEMSモデリングに基づくデバイス開発を行っている。特にMEMSデバイスを電気等価回路として表現し、回路シミュレーターを用いてMEMS解析が可能になるようなMEMS解析システムの構築を目指している。
この研究過程で、櫛歯アクチュエータを3次元力学モデルと
して解析し、櫛歯電極が非対称の場合、横振動が励起されることが示せた。
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研究のこれまでの成果
櫛歯アクチュエータはMEMSデバイスの中で極めてよく利
用される静電型アクチュエータであり、従来は、交互にかみ合わさっている両櫛歯間ギャップが等しくなるよう設計し製作。
ギャップ間に働く静電引力により、櫛歯同士がpull-inしてし
まうことを避けるため。
櫛歯アクチュエータの櫛歯ギャップ方向の変位は、不安定性としての議論の対象となっており、本来避けるべき特性として認識され、従来はマイナスとして考えられていた。
ところが、振動子として動作させる理論解析し、実験すると優れた多次元モーションセンサーとなることが実証できた。
研究の成果
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非対称櫛歯アクチュエータ
1Y
2Y21 YY ≠
0X
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試験デバイスのSEM写真
3.5μm
3μm
10μm
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振動の様子
縦振動 横振動
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周波数特性
kHz][周波数
横共振
縦共振
縦振動時における印加交流電圧と電流の比の測定結果
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横振動の共振周波数とバイアス電圧の関係
1150
1170
1190
1210
1230
1250
2.0 4.0 6.0 8.0DC voltage /V
X-R
eson
ance
freq
uenc
y /H
z
700
750
800
850
900
950
1000
Y-Re
sona
nce
freq
uenc
y /H
z
x共振(実験) x共振y共振(実験) y共振
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力の方向による位相変化
左方向へ加速度を印加
右方向へ加速度を印加
縦振動時における印加交流電圧と電流の位相を測定
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従来技術との比較と新技術の特徴
左右の区別ができる左右の区別はできない横方向の
力の検出
どちらとも同じ製造コスト
横振動は印加バイアス電圧
により可変
原理的に不変振動周波数
2あるいは3方向
(周波数により切り替え)
1方向振動方向
本発明の
非対称櫛歯アクチュエータ
従来の
櫛歯アクチュエータ
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想定される用途
• 2方向、3方向の振動型マイクロ接触センサー
• 2次元マイクロステージなど
• 加速度センサやジャイロなどの物理センサー
• 共振周波数可変機能に着目すると、メカニカルな周波数変調器が実現できる可能性があります。
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実用製品の期待
• 従来のMEMSセンサの多次元化が実現でき、従
来製品の高機能版として代替できる。
• 2次元、3次元振動型接触センサによる新たな製
品が期待できる。
• 多次元振動を用いた複合MEMSによる新たな機
能デバイスの開発が期待できる。
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実用化されるための条件
• 必要な製品仕様に基づいたMEMS設計によるデ
バイス開発を実施する必要がある。
• 2次元、3次元の振動型接触センサとしての
この新技術の応用製品の提案をお待ちします。
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企業との連携
• 本原理を利用したMEMSデバイスの開発に興味のある企業があれば、デバイスの共同開発を実施したい。
• MEMS製造メーカー、MEMSセンサを用いたシステム製造メーカー等との共同開発製品化を期待します。
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本技術に関する知的財産権
・発明の名称:横振動モードを利用した櫛歯型物理センサの検出方法
(未公開)・整理番号:7079K-HG02・発明者:橋口 原・出願人:国立大学法人 静岡大学
◎関連する特許については静岡大学知的財産本部にお問い合せください。
コーディネータ:出崎一石、神谷直慈電話:053-478-1710FAX:053-478-1711E-mail:[email protected]