20041226 アジア太平洋研究センター報 第15号...

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バリ人の舞踊と人生哲学(Prilyasinta Ni Wayan・Purnawan I Kadek)

アジア・太平洋研究センター主催,外国語学部アジア学科共

催ワークショップ日 時:2019 年 7 月 4 日(木)場 所:R 棟 6 階 R63 教室テーマ:バリ人の舞踊と人生哲学報告者:Prilyasinta Ni Wayan 氏(南山大学非常勤講師)    Purnawan I Kadek 氏(南山大学非常勤講師)

Prilyasinta Ni Wayan 氏(左) Purnawan I Kadek 氏(右)

 バリ人の Prilyasinta Ni Wayan 氏と Purnawan I Kadek 氏を講師に迎えてインドネシア語で実施した,アジア・太平洋研究センター主催,アジア学科共催のワークショップである。まず,バリ舞踊の本質に関して,講師から以下のような講義があった。 バリ人は,芸術の形態による思考や感情の表現をよく好む。その形態のひとつに,舞踊がある。舞踊は,バリ人の「トゥリ・ヒタ・カラナ(Tri Hita Karana)」という概念への信仰に依拠する。「トゥリ・ヒタ・カラナ」とは,幸福をもたらす 3 つの関係,すなわち,①人間と神の調和的な関係,②人間同士の調和的な関係,③自然・環境と人間との調和的な関係である。人間は,この概念にみられる関係の中心として存在している。それは,人間が管理をする力(bayu),ことば(sabda),思考する知性

(idep)を有し,ほかの動植物よりも高い地位にあるからである。 そのような概念に基づいて,神を崇めるため,人間同士がコミュニケーションをとったり交流したりする手段として,また自然(森羅万象)の美を描写するために,

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南山大学アジア・太平洋研究センター報 第 15 号

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バリ舞踊がもちいられる。神を崇めるための舞踊にはルジャン・デワ舞踊(Tari Rejang Dewa)やサンヒャン・ドゥダリ舞踊(Tari Sang Hyang Dedari)など,人間同士の交流のための舞踊にはジャンゲル舞踊(Tari Janger)やケチャッ舞踊(Tari Kecak) な ど が 挙 げ ら れ る。 ま た, 自 然 美 の 描 写 は, 極 楽 鳥 舞 踊(Tari Cendrawasih)やブリビス舞踊(Tari Belibis / ブリビスはリュウキュウガモのたぐい)にみられる。 講義後,講師によるバリ舞踊の実演があった。その身体的な躍動感や表情の豊かさは,参加者たちを大いに魅了した。さらに,腰巻き布や扇子を身につけた参加者たちは,講師から「ジャンゲル舞踊」と「ケチャッ舞踊」の丁寧な手ほどきを受けた。

(文責:間瀬 朋子)

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