2009 12a · 2009. 12. 17. · =国際会議= 第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(the...

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=学術集会= ●地球化学研究協会による第 46 回の霞ヶ関環境講座・第 37 回三宅賞受賞者受賞記 念講演 が,12 月 5 日(土)(午後2時 30 分~)に,霞ヶ関ビル 35 階東海大学校友会館(東 京都千代田区霞が関 3-2-5)で開かれます.内容は次のとおりです. 第46回の霞ヶ関環境講座:「環境問題の解決に向けて」(元東京大・和田秀徳) 第 37 回三宅賞受賞者受賞記念講演:「アクチノイド元素を用いた大気・海洋の物質動態 に関する研究」(上智大理工物質生命科学・廣瀬勝己) 参加費は,賛助会員および学生は無料,一般 1,000 円(資料代を含む),懇親会へも参加 できます. 当日も受付けますが,参加人数把握のため [email protected] までお知らせ下さる と幸甚です. 〔問合先〕 地球化学研究協会ホームページ http://wwwsoc.nii.ac.jp/gra/ ●東京大学総合研究博物館による特別展示「命の認識」展 が,12 月 19 日(土)~2010 年3月 28 日(日)に,東京大学総合研究博物館(東京都文京区本郷 7-3-1)で開かれます. 内容は次のとおりです. 期間中下記の関連行事があります.事前申込は不要です.どなたでも参加できます. 1月 24 日(日)(午後2時から)動物遺体解剖見学会(東京大総合研究博物館・遠藤秀紀) 2月7日(日)(午後1時~5時)シンポジウム「動物園と野生下での動物遺体・生体研究」: 「遺体科学研究会の発展に向けて:円熟期へ向かう動物園動物遺体の研究体制」(東京大総 合研究博物館・遠藤秀紀),「野生動物の生きていた証拠を残すin群馬県」(群馬県立自然史 博物館・姉崎智子),「動物形態の多様性」(帯広畜産大・佐々木基樹),「動物園遺体の研究 実績:生命の星・地球博物館における実績」(神奈川県立生命の星・地球博物館・樽 創), 「野生動物の生きていた証拠を残す in 愛知県」(国立科学博物館・川田伸一郎)ほか多数 2月 28 日(日)(午後2時から)動物遺体解剖見学会(東京大総合研究博物館・遠藤秀紀) 入館料は無料です.詳細はホームページ(http://www.um.u-tokyo.ac.jp)をご覧くだ さい. 〔問合先〕 113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1 東京大学総合研究博物館 TEL 03-5841-2802 FAX 03-5841-8451

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Page 1: 2009 12A · 2009. 12. 17. · =国際会議= 第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(The 21st International Conference on Arabidopsis Research, ICAR2010)が,2010年6月6日(日)~10日(木)に,

=学術集会=

●地球化学研究協会による第 46 回の霞ヶ関環境講座・第 37 回三宅賞受賞者受賞記

念講演が,12 月 5 日(土)(午後2時 30 分~)に,霞ヶ関ビル 35 階東海大学校友会館(東

京都千代田区霞が関 3-2-5)で開かれます.内容は次のとおりです.

第 46 回の霞ヶ関環境講座:「環境問題の解決に向けて」(元東京大・和田秀徳)

第 37 回三宅賞受賞者受賞記念講演:「アクチノイド元素を用いた大気・海洋の物質動態

に関する研究」(上智大理工物質生命科学・廣瀬勝己)

参加費は,賛助会員および学生は無料,一般 1,000 円(資料代を含む),懇親会へも参加

できます.

当日も受付けますが,参加人数把握のため [email protected] までお知らせ下さる

と幸甚です.

〔問合先〕地球化学研究協会ホームページ http://wwwsoc.nii.ac.jp/gra/

●東京大学総合研究博物館による特別展示「命の認識」展が,12 月 19 日(土)~2010

年3月 28 日(日)に,東京大学総合研究博物館(東京都文京区本郷 7-3-1)で開かれます.

内容は次のとおりです.

期間中下記の関連行事があります.事前申込は不要です.どなたでも参加できます.

1月 24 日(日)(午後2時から)動物遺体解剖見学会(東京大総合研究博物館・遠藤秀紀)

2月7日(日)(午後1時~5時)シンポジウム「動物園と野生下での動物遺体・生体研究」:

「遺体科学研究会の発展に向けて:円熟期へ向かう動物園動物遺体の研究体制」(東京大総

合研究博物館・遠藤秀紀),「野生動物の生きていた証拠を残す in 群馬県」(群馬県立自然史

博物館・姉崎智子),「動物形態の多様性」(帯広畜産大・佐々木基樹),「動物園遺体の研究

実績:生命の星・地球博物館における実績」(神奈川県立生命の星・地球博物館・樽 創),

「野生動物の生きていた証拠を残す in 愛知県」(国立科学博物館・川田伸一郎)ほか多数

2月 28 日(日)(午後2時から)動物遺体解剖見学会(東京大総合研究博物館・遠藤秀紀)

入館料は無料です.詳細はホームページ(http://www.um.u-tokyo.ac.jp)をご覧くだ

さい.

〔問合先〕113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1 東京大学総合研究博物館 TEL

03-5841-2802 FAX 03-5841-8451

Page 2: 2009 12A · 2009. 12. 17. · =国際会議= 第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(The 21st International Conference on Arabidopsis Research, ICAR2010)が,2010年6月6日(日)~10日(木)に,

=国際会議=

●第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(The 21st International Conference

on Arabidopsis Research, ICAR2010)が,2010 年6月6日(日)~10 日(木)に,

パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい 1-1-1)で開かれます.プログラムの

概要と主な演者は以下のとおりです.

6月6日(日)Keynote Lecture, Reception/7日(月)Plenary Session, Concurrent

Session, Workshop, Poster Session/8日(火)Plenary Session, Free afternoon,

Workshop, Poster Session/9日(水)Plenary Session, Concurrent Session, Banquet

/10 日(木)Plenary Session

招待講演: Maarten Koornneef, Elliot Meyerowitz (以上 Keynote 演者)

Motoyuki Ashikari, Kathryn Barton, David Baulcombe, Philip Benfey, Michael

Bevan, Joseph Ecker, Ikuko Hara-Nishimura, Inhwan Hwang, Koh Iba, Dirk Inze,

Tetsuji Kakutani, Steve Kay, Cris Kuhlemeier, Chentao Lin, Olivier Loudet, Makoto

Matsuoka, Peter McCourt, Seung Yon Rhee, Kazuki Saito, Satoshi Tabata, Keiko

Torii, Detlef Weigel, Shinjiro Yamaguchi, Qifa Zhang (以上 Plenary Lecture 演者)

詳細についてはホームページ(http://arabidopsis2010.psc.riken.jp/)よりご確認下さ

い.登録開始は 12 月 1 日の予定です.国内から多くの方が ICAR 2010 に参加,発表され,

これを機会に日本の植物科学研究がより盛り上がり,一層発展していく事を期待しており

ます.

〔問合先〕 ICAR2010 conference secretariat,c/o ICS Convention Design, Inc.

TEL 03-3219-3541 FAX 03-3219-3626

=公募=

●平成22年度東京大学海洋研究所で共同利用研究の公募がされています。

応募資格は,国・公・私立大学および公的研究機関で,海洋科学に関する研究を行う研

究者ならびにこれに準ずる者とします.

共同利用研究の種別:(1)海洋研究所(柏地区:千葉県柏市柏の葉 5-1-5)【外来研究

員】所外の研究者が本所に滞在して研究を行う便宜を提供します.【研究集会】1~2日間

のシンポジウム(海洋研究所での開催を原則とします),(2)国際沿岸海洋研究センター

【外来研究員】センターに滞在して研究を行う便宜を提供します.【研究集会】少人数の研

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究者による討論集会等です.

申込締切は,11 月 30 日(月)(必着)です.申込の公募要領,申請書類は東京大学海洋

研究所ホームページ(http://www.ori.u-tokyo.ac.jp)に掲載されています.

*平成 22 年度より気候システム研究センターと統合し,大気海洋研究所に改組され柏キャ

ンパスへ移転します.

〔申込・問合先〕

◎東京大学海洋研究所:164-8639 東京都中野区南台 1-15-1 総務課研究協力係

TEL 03-5351-6354 ,6373 FAX 03-5351-6836 E-mail [email protected]

◎国際沿岸海洋研究センター:028-1102 岩手県上閉伊郡大槌町赤浜 2-106-1 TEL

0193-42-5611(代) FAX 0193-42-3715

●第 51 回藤原賞の推薦が公募されています.

自然科学分野で,科学技術の発展に卓越した貢献をした人に,賞状,賞牌および副賞

(1,000 万円)が贈られます.賞は2件です.

応募を希望する方は,詳細を学会に問い合わせてください.締切は動物学会,植物学会

とも,平成 22 年1月 12 日(火)です.学会への書類の提出の際に,オリジナル以外に,

動物学会は7部,植物学会は 2部のコピーが必要です.

●平成 22 年度多摩川およびその流域の環境浄化に関する基礎研究,応用研究,環境

改善計画のための研究・活動助成が公募されています.

研究対象テ-マは,1)産業活動または住生活と多摩川およびその流域との関係に関す

る調査および試験研究,2)排水・廃棄物等による多摩川の汚染の防除に関する調査および

試験研究,3)多摩川およびその流域における水の利用に関する調査,試験研究,4)シンポ

ジウム,音楽会或いは出版などによる環境啓発活動や,歴史的な遺産あるいは社会システ

ムの維持保全・回復運動など,多摩川およびその流域における環境保全や文化の創造に広

く寄与するもの,です.助成金額は.1年間最高限度額 200 万円または 100 万円で,助成

期間は,平成 22 年4月から1年間または2年間(最長)です.公募締切は平成 22 年 1 月

15 日(金)です.応募方法は,財団所定の申請書に必要事項を記入,捺印の上,財団宛提

出してください.「応募要項」「申請書」はホームページからダウンロードするか,200 円切

手同封の上ご請求ください.

〔問合先〕150-0002 東京都渋谷区渋谷 1-16-14(渋谷地下鉄ビル内)事務局 (財)

とうきゅう環境浄化財団 TEL 03-3400-9142 FAX 03-3400-9141 ホームページ

http://home.q07.itscom.net/tokyuenv/

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●2010 年度第5回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」が募集されていま

す.

世界規模で展開するロレアル-ユネスコの女性科学者を支援する共同プロジェクトの理

念を継承し,将来を担う日本の若手女性研究者が国内の教育・研究機関において研究を継

続できるよう,奨励しています.生命科学,物質科学の分野からそれぞれ 1 年 2 件(2 名),

計 4 件(4 名)を選考し,賞状と奨学金 100 万円を贈呈します.

対象は,生命科学,物質科学の分野において,博士課程(後期課程)に在籍あるいは,

博士後期課程に進学予定の 40 歳未満の女性で,交付後 1年間,国内で教育・研究に従事で

きる方です.

応募方法は,指導教員による推薦で,応募要項は日本ロレアルウェブサイト

(http://www.nihon-loreal.co.jp)からダウンロードできます.封筒に「ロレアル-ユネ

スコ女性科学者 日本奨励賞」応募書類と必ず明記の上,必要書類を下記送付先にご郵送く

ださい.*E-mail での応募は受け付けておりません.応募の締切は,2010 年2月 28 日(日)

(締切日の消印有効)です.2010 年に東京で開催予定の授賞式にて発表します.

〔書類送付先〕163-1071 東京都新宿区西新宿 3-7-1 新宿パークタワー 日本ロレア

ル株式会社 コーポレート・コミュニケーション本部 「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日

本奨励賞」事務局

〔問合先〕「ロレアル‐ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」事務局 E-mail

[email protected]

=求人=

●(独)日本学生支援機構 留学試験課で非常勤専門員(生物)1名が公募されてい

ます.

職種は,生物試験問題作成に関する補助作業(試験問題の整理・分析等)です.応募資

格は,生物関係分野専攻で大学院修士課程修了以上の方です.雇用期間は,採用日からと

なります.

応募方法は,下記連絡先に履歴書をお送りください(FAX,E-mail 送信可).応募締切日

は,12 月7日(月)(必着)ですが,決まり次第締め切ります.

〔連絡先〕153-8503 東京都目黒区駒場 4-5-29 (独)日本学生支援機構 (JASSO)

留学試験課(担当:小林・岡田) TEL 03-6407-7457 FAX 03-6407-7462 E-mail

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[email protected]

●京都大学霊長類研究所国際共同先端研究センターで特定助教1名が公募されてい

ます.

霊長類研究所は,人間を含めた霊長類の基礎的研究をおこなう総合的な研究所です.平

成 21 年度に,従来の全国共同利用研究所から,新たな制度としての共同利用・共同研究拠

点になりました.平成 21 年度当初に国際共同先端研究センターという附属研究施設を新設

し,国際的かつ先端的な共同研究を発展させるとともに,外国人留学生を対象とした英語

による入試と教育と学位取得を推進しています.このたび,その目的に沿った広い視野に

たって研究と教育を進める方を公募します.霊長類を扱った研究経験は必ずしも問いませ

ん.なお,京都大学霊長類研究所の教員で構成され研究所の運営に関わる協議員会に加わ

ることなく,研究と教育に専念することとなります.日本語と英語の双方に堪能な方を望

みます.任期は平成 26 年 3 月末日までの4年間です.再任はありません.採用予定は,2010

(平成 22)年 4 月頃です.

応募に必要な書類(各3部,コピーでも可)1)履歴書,2)特記すべき学会活動歴,

外部資金(科研費等)の受領歴,3)研究論文の目録(印刷中,投稿中の論文を加える場合は,

現在の状況を示す編集者からの手紙または電子メールのコピーを添えてください.)と別刷,

4)研究論文以外の印刷公表物の目録と主な著作物の別刷,5)これまでにおこなってき

た研究内容の要旨(2,000 字程度),6)本研究所に採用された場合におこなおうとする

研究の主題とその目的・方法などの要旨(2000 字程度)です.応募の締切は,2010(平成

22)年 1 月 12 日(火)(必着)宛にお送りください.なお,封筒に「国際共同先端研究セ

ンター特定助教人事」と朱書して下さい.

選考は,本研究所教員からなる人事委員会の審議を経たうえで,協議員会で決定します.

書類審査に加えて,面接審査をおこなう場合もあります.国籍を問わず将来性のある研究

者の応募を期待しています.なお,選考結果は,当該個人に関する結果だけを応募者にお

知らせいたします.

京都大学は男女共同参画を推進しています.多数の女性研究者の積極的な応募を期待し

ます.

本研究所は進化系統研究部門,社会生態研究部門,行動神経研究部門,分子生理研究部

門の 4部門(10 分野),人類進化モデル研究センター,国際共同先端研究センター,ならび

に寄附研究部門「比較認知発達(ベネッセコーポレーション)研究部門」で構成されてい

る共同利用・共同研究拠点です.大学院教育は,理学研究科生物科学専攻霊長類学・野生

動物系としておこなっています.霊長類研究所についてのその他の情報は研究所のホーム

Page 6: 2009 12A · 2009. 12. 17. · =国際会議= 第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(The 21st International Conference on Arabidopsis Research, ICAR2010)が,2010年6月6日(日)~10日(木)に,

ページ(http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/)でも見ることができます.

〔書類送付先・問合先〕484-8506愛知県犬山市官林41-2 京都大学霊長類研究所長 松

沢 哲 郎 TEL: 0568 - 63 - 0547 , FAX: 0568 - 62 - 2428 E-mail

[email protected]

●京都大学霊長類研究所国際共同先端研究センターで外国人特定教授または特定准

教授1名が公募されています.

霊長類研究所は,人間を含めた霊長類の基礎的研究をおこなう総合的な研究所です.平

成 21 年度に,従来の全国共同利用研究所から,新たな制度としての共同利用・共同研究拠

点になりました.平成 21 年度当初に国際共同先端研究センターという附属研究施設を新設

し,国際的かつ先端的な共同研究を発展させるとともに,外国人留学生を対象とした英語

による入試と教育と学位取得を推進しています.このたび,その目的に沿った広い視野に

たって研究と教育を進める方を公募します.外国籍の方で,英語の堪能な方に限ります.

日本語の能力は必ずしも必要としません.教育・研究歴をもとにどちらの職階とするかを

決定します.なお,京都大学霊長類研究所の教員で構成され研究所の運営に関わる協議員

会に加わることなく,研究と教育に専念することとなります.任期は,平成 22 年度の希望

する時期から平成 26 年 3 月末日まで(約 4 年間,ただし最低 1 年以上の在任期間があれば

可)です.再任はありません.採用予定は,2010(平成 22)年 4 月から 7月です.

応募に必要な書類(各 3 部,コピーでも可,原則として英語)は,1)カバーレター:

着任と離任の希望時期を明記,2)履歴書:教育歴,特記すべき学会活動歴,外部資金(科

研費等)の受領歴を含む,3)研究論文の目録(トップ 5 にマークするとともにその別刷),

4)研究論文以外の印刷公表物の目録,5)最終学歴を証明する文書,6)これまでにお

こなってきた研究内容の要旨(1,500 語程度),7)本研究所に採用された場合におこなお

うとする研究の主題とその目的・方法などの要旨(1,500 語程度),8)推薦書 3 通です.

応募の締切は,2010(平成 22)年 1 月 12 日(火)まで(必着)です.なお,封筒に「国

際共同先端研究センター特定教授・准教授人事」と朱書してお送りください.

選考は,本研究所教員からなる人事委員会の審議を経たうえで,協議員会で決定します.

書類審査に加えて,面接審査をおこなう場合もあります.なお,選考結果は,当該個人に

関する結果だけを応募者にお知らせいたします.

京都大学は男女共同参画を推進しています.多数の女性研究者の積極的な応募を期待し

ます.

本研究所は進化系統研究部門,社会生態研究部門,行動神経研究部門,分子生理研究部

門の 4部門(10 分野),人類進化モデル研究センター,国際共同先端研究センター,ならび

Page 7: 2009 12A · 2009. 12. 17. · =国際会議= 第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(The 21st International Conference on Arabidopsis Research, ICAR2010)が,2010年6月6日(日)~10日(木)に,

に寄附研究部門「比較認知発達(ベネッセコーポレーション)研究部門」で構成されてい

る共同利用・共同研究拠点です.大学院教育は,理学研究科生物科学専攻霊長類学・野生

動物系としておこなっています.霊長類研究所についてのその他の情報は研究所のホーム

ページ(http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/)でも見ることができます.

〔書類送付先・問合先〕484-8506愛知県犬山市官林41-2 京都大学霊長類研究所長 松

沢 哲 郎 TEL: 0568 - 63 - 0547 , FAX: 0568 - 62 - 2428 E-mail

[email protected]

=その他=

●(財)とうきゅう環境浄化財団による公募がありましたことは既にお知らせしました

が〔444〕,次の方が受賞しました.

平成 21 年度多摩川およびその流域の環境浄化に関する基礎研究,応用研究,環境改善計

画のための研究・活動助成:(学術研究)東京大院新領域創成科学・福田健二

=特別寄稿=

●植物学会の黎明期と生物科学ニュース発刊の経緯

先日,福田裕穂会長から「生物科学ニュースがこの12月でその使命を終えることに決

まったので,生物科学ニュース立ち上げ当時のいきさつやその苦労をお書きいただけない

か」というご依頼を受けたので,少し植物学会の歴史を振り返って見たい。巨視的に眺め

ると,この学会の歴史は 1882年創立から 1969年までの第1期と,1970年から現在までの

第2期に大きく分けられる。第1期では集会・雑誌の編集・学会所有図書の管理・学会費

の徴収事務など運営の殆どすべてを東京大学理学部植物学教室の教官と職員があたかも本

務の一部のごとく行っていた。第2期は社会意識の変化(加えて大学紛争)によって,学

会は学外に移されて運営されるようになった。この第 2期の門出に伴って,生物科学ニュ

ースは 1971年に誕生したのである。

明治10(1877)年 4月に明治維新政府は東京大学を創設して法・理・文・医の 4学部

を設置し,理学部には開成学校にあった化学科と工学科に加えて数学・物理学・星学・生

物学・地学の諸科を置いた1)。植物学会の百年史2)を読むと,この生物学科の EdwardMorse

教授は翌 1878年に 12名の会員と共に東京大学生物学会を発足させたが,この会はあまり

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振るわず,1882年に大久保三郎助教授が植物学者だけで「東京植物学会」という十数名の

集まりを創ったのが日本植物学会の発端になったとある。当初はセミナーが主な行事であ

ったらしいが,1887年に「植物学雑誌」を創刊し,分類学の論文,植物採集記,雑録など

を,外枠で囲まれた縦書き上下二段組みで印刷した。やがて欧文の論文が現れ始めたので,

第 4巻 43号(1890)より“TheBotanicalMagazine”という表題を「洋綴じ側の表紙」

に入れ,「和綴じ側の表紙」には第 1巻 1号からの表題「植物学雑誌」を残した。第 5巻(1891)

は和文論説の中にも欧語が増えてきたために全巻を横書きで印刷し,「植物学雑誌」の表

題も「洋綴じ側の表紙」に移した。しかし,横書きに不慣れな多くの会員から苦情が続出

したので,第 6巻から再び縦書きにして「植物学雑誌」の表題も元の「和綴じ側の表紙」

に戻されているのは,当時の事情を推察することが出来て興味深い。しかし時の流れと共

に欧文の論文が増加し続けて,第 10巻(1896)では総534頁のうち欧文論文が110頁

を占めるに到ったので,第 11巻(1897)から本文は全て横書きとなり,さらに第 40巻(1926)

からは,欧文側の表紙に「植物学雑誌」と「TheBotanicalMagazine」を併記して,和文

側の表紙は無地となった。終戦後,英国で William Curtis社が同名の雑誌を出版しているこ

とを知り,第 61巻(1948)より英文タイトルを「TheBotanicalMagazine,Tokyo」と変

えて,この形式は 1970年まで続いた。しかし,このような和文と欧文が混在する雑誌は必

ずしも欧米の図書館では受け入れて貰えないようで,1960年代に私はアメリカの国立研究

所図書館で植物学雑誌が届くと Librarianは直ぐにゴミ籠へ捨てるのを目撃して,強いシ

ョックを受けた。

1897 年に東京大学は東京帝国大学と改称され,理科大学植物学教室は東京植物学会とと

もに本郷から小石川の附属植物園に移った。この年から三十数年間は教室・植物園・植物

学会の三者が相補的に助け合って植物学の発展に大きく貢献している。昭和 6(1931)年の

総会では「東京植物学会の創立 50 周年に当たる 1932 年から日本植物学会と改称する」こ

とを決めたが,これは大正年代に相継いで行われた帝国大学,高等学校(旧制)の新設に伴

い,気鋭の植物学者が各地へ転出したことに伴う自然の成り行きであった。1934 年の夏に

植物学教室が本郷に新築された理学部 2 号館へ移転した時に植物学雑誌の編集事務は共に

移ったが,学会の庶務・図書・会計は植物園に残った2)。それから 10年余は戦乱に紛れて

学会の活動は次第に衰えて行き,1944 年には印刷所が空襲で焼けて植物学雑誌は休刊とな

った。しかし終戦の翌 1946年に復刊が諮られて戦時中に溜まった論文が徐々に出版される

ようになった。1948 年に植物学会は会員が 550 名となり,評議会を改組して 3 つの専門部

会(分類・形態,細胞・遺伝,生理・生態)によって運営されることになった2)が,この

流れはそれぞれの分野に研究優先の専門学会が誕生する引き金となり,植物学会は相対的

に活力を失って行った。

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私は 1946年 4月に東京帝国大学理学部植物学科へ入学し,1949年に大学院へ入り,指導

教官だった前川文夫先生の属する植物学第一講座の大部屋の隅に席を与えられた。それと

同時に助手の古沢潔夫さんが来て,「植物学会の図書幹事をやって下さい。主な仕事は植物

学雑誌の交換業務と学会所有図書の管理です。」と言われた。爾来,出版される度に印刷所

からどさっと届く植物学雑誌に交換先の宛名(国内は数件,国外は数十件)を貼って本郷

郵便局へ運ぶのが仕事の1つになった。また教室の図書閲覧室には,学会の交換図書を置

くコーナーがあり,国内・外から届いた新着雑誌を此処へ展示し,前号を私のいた大部屋

の書棚へ移して保管し,纏まると製本して植物園の本館にあった学会の図書室へ運び整理

するのが役目であった。この仕事をしているうちに気がついたのは,明治時代以来,植物

学会の交換図書は植物学科図書室が購入している定期刊行物と完全に相補的になっている

ことであった。

30歳代のほとんどを米国で過ごした私は 1968年 4月に 10年ぶりで植物学教室へ戻り第

三講座を担当することになったが,当時,東大紛争は日毎に激しさを増して,全国から色

とりどりのヘルメットを被った学生たちが棒を持って本郷の構内へ集まり怒声をあげるよ

うになった。そのような秋に原寛先生が「1969 年から植物学会の会長になることになった

ので,幹事長を引き受けてくれ」と談判に来られた。私は「これから自分の研究室を創ら

なければならない時なので」と断り続けたが,原先生は「今後,学会は大学にいられなく

なるので,助けて欲しい」と繰り返されて,結局お引き受けすることになった。1969 年1

月には機動隊が構内に入って本郷キャンパス内のバリケードを撤去し,学生による安田講

堂の占拠を解除したが,その春の入学試験は中止になり,構内への出入りは厳しく検問さ

れた。大学のみならず,各学部や各学科でも,それぞれ改革委員会をつくって積年の問題

について教官と学生が日夜討論を重ねたが,その中に各教室が明治以来抱えて来た学会の

問題が燻っており,植物学会の事務室も速やかに学外へ移さなければならなかったが,貧

しい植物学会が借りられる事務室を見つけるのは容易ではなかった。偶々,駒込の東洋文

庫で部屋を貸してくれるかも知れないという話を耳にしたので,動物学会会長の団勝磨先

生を誘って訪れ,植物学会と動物学会の両学会が共同で一部屋を 1969年 4月から借りるこ

とになった。このようにして植物学会は生まれてから 87年目に漸く巣立ったのである。

1969年秋,植物学会の評議会は改革委員会の発足を決め,竹内郁夫京都大学教授が委員

長となった。同委員会は翌年の評議会に「植物学雑誌を学会誌と会報とに分割する案」を

提出し,厳しい討論を経て漸く承認された。当時,植物学雑誌の編集は惨状を極め,慢性

的に数ヶ月遅れで出版され,編集長の手元には原稿が殆ど無かった。そこで,学会は 1970

年度も西澤一俊編集委員長に従来通りの編集業務を続けて頂きながら,並行して幹事長と

して私は勝見允行さん(生理学),原襄さん(形態学),その他数名の方に数回東洋文庫に

Page 10: 2009 12A · 2009. 12. 17. · =国際会議= 第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(The 21st International Conference on Arabidopsis Research, ICAR2010)が,2010年6月6日(日)~10日(木)に,

集まって頂き,1971年度から始める英文誌の編集ポリシー,編集委員の業務分担,雑誌の

スタイル・活字・表紙,出版頻度,その他予め考慮すべきことについて議論を重ねて準備

し,1971年度から私が新しい英文季刊誌の編集長を務めた。

それと平行して,1971年度には「和文の会報」をどのような形にするのがよいか,広く

識者のご意見を伺いながら,望ましい形を探し求めた。国内外の関連分野の集会情報・人

事の公募・学術会議の報告・書評などは植物学会に限らず,なるべく広い共通の場を生物

科学関連学会で持つ方が望ましいと私は考えていたので,先ず事務所を共にする動物学会,

さらに近い分野の学会の親しい方々に個人的に相談してみると,当時はどの学会も和文の

学会誌を持っており,差し当たり和文広報誌を必要としていないことが判った。しかし,

生物科学に関するニュースを学会連合で編集・出版・頒布しようという趣旨に共鳴される

方も少なくなく,佐藤了大阪大学教授は日本生化学会を,江上信雄東大教授は日本動物学

会を説得して下さり,遂に世界でも稀な 3学会の共同事業が誕生することになった。全く

前例の無い事業を実施するのに先立って諸懸案を解くため,佐藤了教授,江上信雄教授,

私の 3人が生物科学ニュース編集委員会をつくって委員となり,それぞれ長い歴史を持ち,

慣習も規約も違う3学会が合意できる契約書(案)を数ヶ月がかりで互譲の精神のもとに

作成した。出来上がった案に 3学会の会長が署名捺印されたあとは,赤子が育つのを眺め

る気持ちで過ごした。一方,どのような内容の出版物を作ればよいか,生物科学ニュース

の具体案については,日本生化学会の植田伸夫・永井裕委員,日本動物学会の秋野美樹・

黒川治男委員,日本植物学会の大島康行(早稲田大学)・黒川逍(国立科学博物館)委員,

学会誌刊行センターの担当者から成る編集実行委員会を創って討論を重ね,殆ど現行の形

と違わない原案が生まれた。そして,遂に 1971年 12月に生物科学ニュースの1号が発行

され,植物学会と動物学会にそれぞれ二千数百部,生化学会にほぼ倍の部数,それに刊行

センターが 3学会会員以外に売る分を合わせて,一万二千余部が頒布された。生物科学ニ

ュース 100号3)にも書いたことだが,薄氷を踏む感じで生まれた「生物科学ニュース」も

十年,二十年と時が経つに連れて空気のような存在になってきた。

振り返ってみて今,私が最も驚くのは発足当時の形がほぼ四十年も続いた事である。時

と共に多くの部分に制度疲労がおきて次第に時代に合わなくなり,大きな決断に迫られた

のは当然のことと思われる。1993年に 15thInternationalBotanicalCongress(IBC)

が日本学術会議と植物学会など12主要学会の主催により,生化学会など関連 42学会の協

賛を得て,開催された4)。日本開催が決定した 1987年夏に IBC組織準備委員会がつくられ

て私が委員長に指名され,それから数年間は数多くの委員が手分けをして各方面からの財

政的援助活動,開催地の行政機関や警察との折衝などを行ったが,植物科学は世間から極

めて遠い存在で如何に理解されていないかを痛感した。そこで IBC組織準備委員会は質の

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高いスマートな広報誌”PlantScienceTomorrow”を数回にわたって編集して社会に広く

頒布した。しかし現在でも,植物科学が世間に広く正確に理解されているとは,とても思

えない状況が続いている。今は電子媒体が行き渡っているので,将来,すべての人たちに

行きわたるような新しい worldwideな PlantScienceの広報誌が次の世代の英知によって生

みだされるのを心待ちしている。

1)東京大学百年史編集委員会(1987)東京大学百年史,部局史二,東京大学

2)日本植物学会百年史編集委員会(1982)日本の植物学百年の歩み,日本植物学会

3)古谷雅樹(1980)「生物科学ニュース 100号を迎えて」,生物科学ニュース 100:29.

4)第 15回国際植物科学会議報告書(1993)第 15回国際植物科学会議組織委員会

古谷雅樹(50年会員,名誉会員)

=書評=

植物の百科事典 石井龍一他編,朝倉書店,2009 年,548 頁, 20,000 円(本体価格)

本書は,植物のはたらき,植物の生活,植物のかたち,植物の進化,植物の利用,植物

と文化,という 6部構成になっており,それぞれに総論から始まっている.この枠組みは,

編者が言うところの,人とのかかわりにおける植物に焦点を当てた事典で,「植物の生活を

通して植物の世界に通呈する原理を理解しよう」とする意図を反映したものであろう.老

若合わせて 118 名の執筆者を動員して完成した本書は,この意図を良く体現しており,事

典としてそれぞれの用語の正確な意味を与えているのは当然のこととしても,書物として

通読することによって植物という世界が浮かび上がってくるように工夫されてもいる.こ

れは,それぞれの著者の力量もさることながら,広い視野を持った編者 7 名の学識を反映

したもののようで,図らずもわが国の植物研究の実力を示すものになっている.のみなら

ず,本草学以来の伝統の香りをそこはかとなく感じさせるものともなっており,評者のよ

うな門外漢にとっても魅力的な一冊である.

しかし,いかに大部とはいえ,個人が気楽に購うには高額にすぎる価格設定となってお

り,専門家や図書館は兎も角として,植物学を目指す学生や,植物愛好家達という大きな

マーケットの対象となるのは難しそうである.この点において,折角の良書ながら,広く

一般に推薦できないのが残念である.

(放送大学 星 元紀)

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理系の扉を開いた日本の女性たち 西條敏美著,新泉社,2009 年,235 頁, 2,000 円

(本体価格)

この本には江戸時代から明治時代に生を受けた 25 人の女性達が,いかに男性優位(女性

蔑視)の風潮に抗して,自らを解放し,医師,看護婦,保育士,科学者としての自己を確

立したのかが簡潔に描写されている.25 人の女性とは,野中婉女,渡会園女,緒方八重,

楠本イネ,津久井磯,豊田芙雄子,萩野吟子,高橋瑞子,村松志保子,大関 和,津田梅

子,生沢クノ,右田アサ,吉岡彌生,萩原タケ,宇良田 唯,丹下ウメ,保井コノ,黒田

チカ,辻村みちよ,加藤セチ,香川 綾,小川正子,湯浅年子,桂田芳枝である.恥ずか

しながら,この中でシーボルトの娘,楠本イネ,津田塾大の創設者,津田梅子位しかはっ

きりとは知らなかった.かくも多数の女性が,時代に抗い男子と同等あるいはそれ以上に

自らを成長させたことに驚くとともに敬服せざるをえない.彼女らの生き様は大半の男子

と違って,俗物的な立身出世を目指したのではなく,止むにやまれぬ使命感から出発した

ことに清々しさを感じる.医師や大学への道が女性には閉ざされていた時代,先駆者であ

るが故の幾多の困難との闘いは壮絶とさえ言える.著者は自らの足で各女性ゆかりの地や

墓石を,多い時は一人につき 3回も訪れていて,本書を単に文献からの知識だけではなく,

ちょっとした紀行文に仕上げることで読者を楽しませてくれる.“はじめに”で,各女性に

関する短い紹介が付いていて読みやすくなっている.女性の時代といわれて久しいが,日

本ではまだまだ女性の地位は男子と同等とは言い難い現状である.しかし,現在,医学部

だけでも女性の入学者数はほぼ男子と同じになっている.女性の研究者も増加しているが,

その地位はまだ男子並ではない.こうした現状に鑑み,かつてこんなに強かな 25 人の女性

が存在したことを知ることは多くの女性(いや男性にも)に勇気を与えることであろう.

なお.この著書の一部は,「日本初の女子大生物語」と題して,テレビ朝日スーパーモー

ニング(2009.10.21)に放映された.

(徳島大学・樋浦明夫)

生命科学 改訂第 3 版 東京大学生命科学教科書編集委員会編,羊土社,2009 年,182

頁,2,800 円(本体価格)

本書は「生命科学」の教科書として書かれた本である.生物の多様性と一様性に関する

序説から始まり,生命の単位としての「細胞」に焦点をあて,細胞と遺伝情報との関係,

個々の細胞を機能させる原理,細胞集団の組織化といった内容によって,生命の基本を理

解できるようになっている.構成は 1 学期の講義を基本して考えられており,12 章の構成

になっている.1章あたりの内容は,多すぎず,少なすぎず,非常によくまとめられている.

最初には導入,最後には章で取り上げられた内容の要約と問題があって,理解を深めるの

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にとても効果的なレイアウトになっている.

また,コラムとしてより深い内容や,最近の興味深い話題などが書かれている.その中

でも私が興味深いと思ったものをひとつ紹介すると,ミツバチにおいて出生後にロイヤル

ゼリーをもらったものだけが,卵巣を発達させ女王蜂になることができるが,これはシト

シンのメチル化を介したエピジェネチックな遺伝子発現抑制がロイヤルゼリーによって外

れるからであるらしい.筆者もコラム内で述べているが,いろいろな動物において胎生期

や子の発達時期の環境がその後の様々な形質に影響を及ぼすことが明らかとなってきてお

り,エピゲノムを通じた影響がこのような機構に作用していると考えられる.実際にラッ

トの母性行動が DNA メチル化状態の変化によって仲介されていることが明らかとなって

いる.このように生命科学の分野は,日進月歩で発展し,新たな知識が増加し続けている

ため,本書はこういったエピジェネティクスや iPS 細胞といった進展の著しく重要な分野

の内容を新たに取り入れ,改訂されている.

本書は,生命科学の基礎について学ぶのに非常によくまとめられており,東大をはじめ,

多くの大学の講義にも多数採用されているとのことである.近年の生命科学の発展は,多

くの学問分野にも多大な影響をあたえており,今となっては,専門分野に関わらず,生命

科学の知識は必須のものとなってきている.これから生命科学を学ぼうとする学生にはも

ちろんのこと,理工系全般の学生や,文系の学生が生命科学を学ぶための教科書としても

お勧めである.

(理化学研究所・BSI 鈴木研太)

狼の民族学人獣交渉史の研究 菱川昌子著,東京大学出版会,2009 年,413 頁,4,400

円(本体価格)

本書は,日本国内の絶滅種の動物を扱った類まれな研究成果を収めた著書です.評者は

はじめに,よくここまで日本全国の民話を紐解き,実際に足を運んでの聞き取りを行われ

たものだと,著者の精力的な取材活動に敬意を表したいとおもいます.

本書を読み進むうちに,我故郷の民話が民話集より抜粋で登場したのには驚きもし,ま

た望郷の念にも駆られました.

本書は資料収集が多方面に渡り狼の民話に特化した稀有,かつ優れた労作であり,多く

の方々が本書を読まれることを推薦いたします.

((財)環境科学総合研究所 勝倉光徳)

マメから生まれた生物時計エルヴィン・ビュニングの物語 田澤 仁著,学会出版セ

ンター,2009 年,355 頁,3,800 円(本体価格)

Page 14: 2009 12A · 2009. 12. 17. · =国際会議= 第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(The 21st International Conference on Arabidopsis Research, ICAR2010)が,2010年6月6日(日)~10日(木)に,

「生物時計」は今日すでに一般的に知られた概念になっている.研究分野としても,国

際生物学賞が 2006 年に「時間生物学」を授賞分野に取り上げるなど,多くの研究者がしの

ぎを削る成熟した研究分野に成長している.本書は,その「生物時計」という概念を打ち

立てたエルヴィン・ビュニングという優れて個性的な植物学者の人物像を核に,「生物時計」

という概念にいたる研究の前史や背景,概日時計の分子機構についての現在の知見をまと

めたものである.読んでいて,ビュニングその人のもとで学ばれた著者の深い敬愛の念が

本書を書かせたことが強く感じられる.そして,つまるところ自然科学は人間が創り出す

もの,人間の営みであることを考えさせられる.しかし,本書の特色はそれだけではない.

後半の章で,概日時計についての最新の知見が,動物,菌類,被子植物,原核生物,緑藻,

と順を追って解説されるのだが,その部分が凄いのである.著者は何人もの若手・中堅研

究者に取材し,多くの論文を渉猟し,概日時計の分子機構の「レビュー」を書き上げてい

る.書評者がよく知る光周性花成の部分を見ても脱帽というほかない.書評者は,植物学

会や植物生理学会の生物時計関連のシンポジウムや一般講演で,著者が最前列で背筋をぴ

んと伸ばして講演を聴き,質問されていたことを思い出した.本書は,ビュニングに対す

る深い敬愛とともに著者の強い知識愛にも裏付けられたものであり,科学史や科学者に関

心があるという人たち,そして何より,生物時計とその関連の分野で研究をおこなってい

る若い人たちに強く薦めたい.

(京都大学・生命科学 荒木 崇)

種子の科学とバイオテクノロジー 原田久也監修,種子生理生化学研究会編,学会出版

センター,2009 年,379 頁,9,000 円(本体価格)

本書は多くの一線級の執筆者によるにも拘わらず,文章表現,用語が統一され,非常に

読みやすくなっている.その内容は高度で,最新のデータが盛り込まれ,引用文献も充分

であり,正に,種子科学における現在の到達点を示している.したがって,この方面にお

ける研究者や大学院生には参考書としては最適である.読者層を広げるという意味で,各

章,各項での導入部での説明をもう少し丁寧であれば,学部上級生にも利用可能となる.

敢えて,辛口の表現をさせてもらうならば,「同化産物の代謝,転流,集積」「遺伝子組換

え作物,食品の安全性評価」を扱った項があっても良かったのではないか.また,取り上

げた材料がややダイズ研究に偏っているので,「種子の科学」とするにはバランスを欠いて

いるかもしれない.項の下欄に執筆者として挙がっているのに,所属を示している執筆者

一覧には出ていない執筆者が複数人いる.同じ人物であるが,編集委員一覧と執筆者一覧

で所属が異なっている,などのミスが見られたのは,残念である.いずれにしても,本書

は現在の種子科学の到達点を示す良書である.

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(近畿大学・農 吉田元信)

日本の動物法 青木人志著,東京大学出版会,2009 年,272 頁,3,400 円(本体価格)

時々マスコミを賑わす特別外来生物法は,ブルーギルやオオクチバスのような外来魚な

どの動物だけではなく植物も特定外来種に指定していますが,一般に,周知徹底されてい

ないことが多いと見受けられます.また狂犬病予防法では,予防注射を毎年一回受けるこ

とが定められていますが,街で鑑札を見ることはありません.法律の形骸化というか,フ

ァションに会わないのか,中にはこの法律を知らない人もいるのではないでしょうか.

本書は,江戸時代の「生類憐れみの令」から鳥インフルエンザや,BSE 関連まで幅広く,

そして法体系を模倣したイギリスなど諸外国の事例を取り上げた一般向けの「動物法」解

説書です.狂犬病予防法」などのように,人間への脅威から法によって守ることから,現

在は国際的に,動物の福祉まで法律によって定められていることなどが動物に関するさま

ざまな法律が紹介されています.

本書を読み進むうちに日本における法のレベルが世界的レベルに程遠いことが解るのに

大変役立ちました.今グローバルな物の捉え方が求められている時代に,多くの方が読ま

れることを薦めます.

((財)環境科学総合研究所 勝倉光徳)

環境年表 理科年表シリーズ 国立天文台編,丸善株式会社,2009 年,398 頁,2,000

円(本体価格)

本書は,国内をはじめ世界各国の環境に関してのデータなどを一冊にまとめ,詳細にわ

たっての解説が付いていて,これまで疑問だった点の解消に役立ったすばらしい本です.

例えば,「環境にやさしいエネルギー」の項にある「炭素中立」の説明では,これまでバイ

オマスエネルギーは環境に負荷を与えないと簡単に片付けられてきていたために生じた疑

問を,本書により,氷解することができました.

また,「宇宙線の地球環境への影響」では,「宇宙天気予報」などの語句が登場し,私が

高校生時代の部活動でウイルソンの桐箱を使って宇宙線の観測実験を行っていたことを懐

かしく思い出しました.

「生態系」の項でも,世界のデータと図表,日本のデータと図表を織り交ぜての解説が

図表の持つ意味をよく見比べることができる構成になっているのも,幅広い理解ができる

要素になっていて大変勉強になりました.

「環境年報」のデータが多方面に亘るので読んでいると,持ち前の好奇心に火がついた

ように読み進めました.環境問題を考える上で,データによる根拠を示すことができ,こ

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れからの環境問題の啓発活動に,大変役に立ちますので多くの方が読まれることを薦めま

す.

((財)環境科学総合研究所 勝倉光徳)

フジツボ̶魅惑の足まねき 岩波科学ライブラリー159 倉谷うらら著,岩波書店,2009

年,118 頁,1,500 円(本体価格)

世の中には本当にいろんな生き物がいる.大きなもの,小さなもの,美しいもの,珍妙

なもの,奇怪なもの,可愛らしいもの,醜悪なもの・・・.そのほとんどは一般の人たち

には馴染みのない,名前くらい知っていても実際に関心やかかわりをもつことはほとんど

ない存在.実はひとたび知己になると,それぞれがとても興味深い世界をかいま見せてく

れる.でもその世界は一部の専門家やマニアの専有物であることがほとんど.勿体ないけ

ど仕方がない.ほとんどの専門家やマニアは,自分の世界の魅力や豊かさを他者に伝える

技術に長けていない.きっとある特殊な狭い対象に没頭し,掘り下げていくことに喜びを

見いだす性癖と,外交的かつ社会的なコミュニケーション能力には相容れないところがあ

るのだろう.

この点において本書は希有なる存在である.どういうわけかフジツボという貝のような

姿に変わり果てた珍妙な甲殻類に魅せられ,あろうことか愛しているとすら公言する筆者

が,フジツボの魅力についてあらゆる角度から書き下ろした一冊.全書に透徹した細やか

な感性と心配りが行き届いた記述や挿絵や仕掛けや企画からは,フジツボという対象への

まさに圧倒的かつ無償の愛情があふれつつ,その背景となる網羅的かつ正確なフジツボの

多様性や生態に関する記載は内容に圧倒的なリアリティーと資料価値をあたえている.読

んで楽しいのみならず博物誌としての価値も一級である.もっとも優れた博物誌に高いエ

ンターテイメント性がともなう例は,ウォレスやベイツの著作をはじめ,実は枚挙にいと

まがないのだけれど.

ぜひ本書をひも解き,博物学と女性らしい感性の幸運な出会いが紡ぎ出す豊かな世界を

味わっていただきたい.私は類書を知らない.少なからぬ確率であなたを"フジツボサポー

タ—"の世界にまねき寄せかねない力をもつ一冊である.

(産業技術総合研究所 生物共生進化機構研究グループ/東京大学大学院 深津武馬)

アジアの在来家畜 ̶家畜の起源と系統史̶ 在来家畜研究会編,名古屋大学出版会,

2009 年,461 頁,9,500 円(本体価格)

Page 17: 2009 12A · 2009. 12. 17. · =国際会議= 第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(The 21st International Conference on Arabidopsis Research, ICAR2010)が,2010年6月6日(日)~10日(木)に,

家畜たちは,いつ,どのように野生動物から現在の姿へと変容したのか?また,地域ご

とに異なる系統は,どのように派生したのか?この問いへの答えを,すべての身近な家畜

について試み,編纂したのが本書である.本書は2部構成になっており,総論である第1

部は,「家畜とはなにか」といった基礎的な問いや類縁関係を解析する技術についての解説

を扱う.比較家畜学的な視点から家畜論が展開され,家畜学序論の教科書ともいうべき内

容である.一方,第2部では,ウシ,スイギュウ,ウマ,ヒツジ,ヤギ,ブタ,イヌ,ネ

コ,ニワトリ,アヒル,ウズラ,スンクスについての各論が,章ごとに展開され,それぞ

れの家畜化の歴史および現在飼育されている系統の類縁関係に関する考察が紹介されてい

る.とくに類縁関係に関しては,行動や形態,血液タンパク,ミトコンドリア DNA,マイ

クロサテライト DNA,特定遺伝子,SRY など,さまざまな解析法から推した詳細な結果が

列挙されており,系統の歴史だけでなく,系統解析研究の歴史をも詳らかに知ることがで

きる.ただし,各々の系統の特徴などに関する詳述は,他書に譲る.本書の各論は,また,

各動物に関する総論でもある.ともあれ,第2部で独立した章として扱われなかったアジ

アゾウやダチョウなどの家畜化の過程にある動物についても第1部において紹介があり,

ネズミやウサギなど一部の動物を除いて,主要な家畜は本書で網羅されているといってよ

い.「最も家畜化された動物」としてヒトも紹介される.書名には「アジアの」と記されて

いるが,内容はアジアに限らず「世界の」としても違和感は無い.ただ,ことにアジア一

帯の家畜の系統解析研究に関して,日本の研究者の貢献が非常に大きいことが容易に読み

取れる.本書を出版した必然性が,そこに感じられる.1部と2部で相互に引用し合えば

より効果的な記述と構成ができたであろうと,少し悔やまれるが,2冊の本が1冊に閉じ

られていると思えば得した気分にもなる.最先端の畜産学の専門書ではあるが,内容は,

科学的な解析結果を基礎に展開した,家畜と人の暮らしの歴史についての文化人類学的な

探究の紹介,といった側面が強く感じられる.細かい系統解析の記述を除けば,初学者や

専門外の一般の読者でも「読み物」として楽しめる内容である.

(筑波大学・人間総合科学研究科 松田 学)

=生物科学ニュ-ス 書評用図書=

生物科学ニュ-ス編集委員会宛に以下の本が寄贈されました.(2009 年 5 月-11 月分)

植物の百科事典 石井龍一,岩槻邦男,竹中明夫,土橋 豊,長谷部光泰,矢原徹一,

和田正三 編 552 頁 2009 年 朝倉書店 20,000 円(本体価格,以下同)/日本の動物

法 青木人志著 272 頁 2009 年 東京大学出版会 3,400 円/フィールド古生物学 -

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進化の足跡を化石から読み解く - 大路樹生著 154 頁 2009 年 東京大学出版会

2,800 円/アジアの在来家畜 -家畜の起源と系統史- 在来家畜研究会編 494 頁 2009

年 名古屋大学出版会 9,500 円/古生物学 速水 格 著 214 頁 2009 年 東京大学

出版会 3,400 円/香り選書 13 香り分子で生物学を旅する -嗅覚と科学のファンタジー

- 大瀧丈二著 160 頁 2009 年 フレグランスジャーナル社 1,400 円/理系の扉を開

いた日本の女性たち -ゆかりの地を訪ねて- 西條敏美著 238 頁 2009 年 新泉社

2,000 円/マメから生まれた生物時計 エルヴィン・ビュニングの物語 田澤 仁 著 355

頁 2009 年 学会出版センター 3,800 円/岩波科学ライブラリー159 シリーズ〈生きも

の〉フジツボ - 魅惑の足まねき - 倉谷うらら著 118 頁 2009 年 岩波書店 1,500

生物科学ニュース編集委員会

=お知らせ=

長年多くの方にご利用いただきました生物科学ニュースですが,2009 年 12 月号をもちま

して無期休刊することになりました.今後は活動の主体を㈳日本植物学会のホームページ

に移し,生物科学ニュース電子版として,植物学会会員だけでなく生物科学関連の多くの

方々に生物科学関連の情報を,新しい形で提供することにいたしました.つきましては,

今後も情報発信の場として生物科学ニュース電子版と日本植物学会ホームページをご利用

いただきたくお願い申し上げます.

これからの情報発信体制

現在,生物科学ニュースのホームページから多くの情報発信を行っております.この情報

発信のページは今後も継続いたします(体裁は若干変更する可能性があります).また,日

本植物学会ホームページからも情報発信を行っておりますが,生物科学ニュースの情報と

統合する予定です.生物科学ニュースのトップページおよび植物学会のトップページの両

方から情報発信のページにリンクすることになります.

生物科学ニュースホームページ

http://wwwsoc.nii.ac.jp/bsj2/bsn/

日本植物学会ホームページ

http://www.bsj.or.jp/index-j.php

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記事の受付は,以下のページにて行います.

http://bsj.or.jp/bsn_toukou/

記事を希望者ご本人に書き込んでいただき,学会編集委員が記事をチェックしたのち情報

発信ページにアップロードされるというシステムにする予定です.ただし現在はシステム

構築中のためご利用いただけません.システムは 2010 年1月中旬からの公開を予定してお

ります.システムが立ち上がるまでの間は,植物学会事務局<[email protected]>まで電子メー

ルにて記事をお送りください.

書評希望について

書評についてもホームページにおける情報提供を予定しております.書評希望の受付も以

下のページにて行います.

http://bsj.or.jp/bsn_toukou/

書評を希望される出版社の方々は,本に関する情報を該当ページに書き込んでいただき,

植物学会員などホームページ利用者に広く書評を公募する形にしたいと存じます.

書評希望の受付は学会編集委員が行い,希望者から書評者を選定したのち,本の送付先

を出版社にご連絡いたします.本の送付は出版社にお願いいたします.従来は書評を希望

される本を生物科学ニュース編集委員会に送付いただきましたが,今後は直接評者にお送

りいただきますようお願い申し上げます.

書評原稿は,学会編集委員が記事をチェックしたのちにアップロードされるというシス

テムにする予定です. こちらもシステムは現在構築中です.システムが立ち上がるまで

の間,書評希望は受け付けませんのでご了承ください.

今後も生物科学ニュース・植物学会ホームページのご利用をお願いいたします.

日本植物学会会長 福田裕穂

生物科学ニュース運営委員会 長谷部光泰

Page 20: 2009 12A · 2009. 12. 17. · =国際会議= 第21回 国際シロイヌナズナ研究会議(The 21st International Conference on Arabidopsis Research, ICAR2010)が,2010年6月6日(日)~10日(木)に,

=編集後記=

本日、本郷のレストランで生物科学ニュースと今泉さんとの別れを惜しみまし

た(写真参照)。感謝とノスタルジーと高揚感と寂しさの入り交じった渦の中で、 生物科学ニュースの春を念う̶ 食堂に 雛の鳴く也 新巣かな ニュースの今泉さんに捧ぐ̶ 閉じて冬 瞼裏には今 泉あり (MM)

今月号の編集を担当した。編集作業の主な内容は校正である。元原稿と原稿を

並べて、こっちを読み、あっちを読みして、間違いや不都合を探す。実のとこ

ろ原稿には間違いはほとんどない。それで油断をしてついうっかり内容に入り

込んで、ふむふむと読み始めるといけない。時間内には終わらないのである。

最終号の今回も S 氏と二人がかりでやったのに、やはり終わらなかった。こんな読ませる内容のあるニュースが休刊になるのは残念な限りである。(HT)

編集委員になり 1 年たちました。さあこれから、という時期に廃刊となり、後悔の念が残ります。生物学が細分化されていく中、総合的な情報発信はなかな

か難しい時代ですが、だからこそそのような視点はますます重要になっていく

と思います。これからも何らかの形でそれができれば、と思います。(TN)

1月から編集委員になったものの、出版社とのやりとり作業を覚えたと思った

ら冊子体が廃止され、WEBを主体とした編集作業に慣れたと思ったら今度は生物科学ニュースそのものがなくなってしまうとは・・ 38 年間続いてきた生物科学ニュースの最後の年にやってきた私は幕引き要員?十分に貢献できなかっ

たのが残念です。(YH)

編集委員として生物科学ニュースに携わったことで,生物科学ニューへの愛着

が強くなりましたが,生物科学ニュースも今号で最後となりました。 いざなくなるととても寂しい思いになります。今後,また別の形で復刊するこ

とを願っています。(TU)

まだ沖縄がアメリカ統治下にあり、NHKテレビがカラー化し、そして、私が

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生まれた 1971年に、生物科学ニュースは誕生しました。現編集委員には、発刊時に、まだ単細胞だった人も含まれています。その単細胞生物は編集委員に

developし、生物科学ニュースも多くの読者に支えられて developしてきました。

民主党政権になり、仕分け事業が進んで、研究者は皆、戦々恐々としています

が(私は4人の子持ちなので、子供手当のせいだろうと、私へのとばっちり批

判もありますが、しったこっちゃありません)、このニュースの編集体制も”仕

分け”され、時代に即した、新たな形で再出発することになっています。これまで長い間どうもありがとうございました。 (SS)

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