同一産卵巣内で孵化した アカウミガメ幼体の 血中テストステロン濃度と孵化温度の関係

The relation of the serum concentration of testosterone and incubation temperature in the loggerhead turtle (Caretta caretta) hatching from the

same nest

○八田しおり¹、齋藤純康²、岡田勇治²、勝俣悦子²、唐木伊助³、渡辺元¹、田谷一善¹

¹東京農工大学獣医生理学研究室、 ²鴨川シーワールド、³セイコーエプソン株式会社CS品質保証環境推進部

Introduction

Introduction

アカウミガメ

―Caretta caretta (Loggerhead turtle)

―IUCN Red List : Endangered

―5-8月産卵 ―産卵巣：直径20cm×深さ60cm ―70-150個×1-5回/年（隔年）

千葉県鴨川市

―鴨川シーワールド 平成14年～ウミガメ保護活動 6-8月：保護 8-9月：孵化

Introduction

―臨界点：29.4℃ 29.4℃以上 雌が多い （T：低 E2：高） 29.4℃ 雄：雌＝1：1 （臨界点） 29.4℃以下 雄が多い （T：高 E2：低）

Introduction

温度依存性性決定機構 ―Temperature-dependent

Sex Determination

Teststerone（T）：男性ホルモン

Estradiol （E2）：女性ホルモン

性判定法

29.4℃以上 雌が多い （T：低 E2：高）

29.4℃以下 雄が多い （T：高 E2：低）

Objective

Objective

同一巣内の性比分布

1. 同一巣内の深度毎の経時的温度測定 上層：30cm／中層：40cm／下層：50cm

2. 同一巣内から孵化した幼体の 深度別血中テストステロン濃度測定

3. 光量の産卵巣への影響

Materials and Methods

Materials and Methods

Materials and Methods

30cm

40cm

50cm

※精度±0.125℃

Materials and Methods

採血

―場所 ：背側頚洞

―注射器：1.0mlシリンジ、26G注射針

―量 ： 0.3-0.5ml

ラジオイムノアッセイ（RIA）法 ―血漿中テストステロン濃度

Results

Results

自然光巣 遮光巣

産卵日（保護日） 2011年7月3日（7月18日） 2011年6月20日（6月25日）

産卵場所 東条海岸 鴨川グランドホテル前

東条海岸 鴨川グランドホテル前

掘り起し 9月1日（初回脱出8月30日） 9月1日、5日

n数 51個体 （上：24、中：23、下：4）

129個体 （上：44、中：43、下：42）

Results：自然光巣

51個体 （上：24、中：23、下：4）

Results：遮光巣

129個体 （上：44、中：43、下：42）

Results：平均温度

Results：テストステロン濃度

上：1個体(2.3%) 中：9個体(20.9%) 下：7個体(16.7%)

0個体(0%)

：T値超高濃度個体 （>1000pg/ml）

Summary

Summary

1. 同一産卵巣内の卵でも 深い場所ほど周囲温度が低く、

2. 同一産卵巣内でも 深い場所で孵化した幼体ほど 血漿中テストステロン濃度は高い

3. 太陽光を遮ると 砂中温度は2-3℃下がり、 テストステロン濃度も高くなる

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