2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf ·...

129
1 2012年度後期 生産管理 (6) 担当:荒川 雅裕 Nov 15 2012

Upload: others

Post on 13-Oct-2019

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

1

2012年度後期

生産管理 (第6回)

担当:荒川 雅裕

Nov 15 2012

Page 2: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

2

生産システムの手続き

需要/受注情報

全般的生産計画

生産実施(現場活動)

生産統制

生産プロセス計画

生産計画情報

生産実績情報

生産日程情報

生産統制情報

生産工程情報

生産技術情報

生産スケジューリング

(長期)生産計画基準生産計画

計画PLAN

実施 Do

CheckAction

需要予測・確定受注

“計画”→”運用“→”統制“

による経営管理のサイクル

生産計画機能・処理の視点

全般的生産計画

生産スケジューリング

大日程計画(期間生産計画・生産能力計画)

中日程計画(月度生産計画・手配計画)

日程計画(生産スケジューリング)

計画対象の期間の視点

情報の詳細(時間・対象)

Page 3: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

3

工場内の作業(自動車の製造)

HondaのHPより www.honda.co.jp/kengaku/auto/index.html

Page 4: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

4

工場内の作業(自動車の製造/組み立て)

Page 5: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

5

生産スケジューリング(1)

全般的生産計画

規定の期間に生産の対象となる製品,部品と数量が決定

現場での製造について

・ どの生産設備 で(工程機械,加工機械,ワークステーション,工具など)

・ いつ,

・ どの作業者( だれ ) が・ なんの作業( なにを )

を行うかを詳細に決めること

生産スケジューリング,(小)日程計画個々の要素作業実施のための具体的で詳細な時間日程

Page 6: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

6

オペレーション・スケジューリング

個々の機械が独立の状態にあり,各機械で要素作業 が行なわれる場合のスケジューリング

(通常の工場でのスケジューリング)

プロジェクト・スケジューリング

時間的に長期にわたる 大規模な 生産スケジューリング

(ジョブは1つ)多数の作業が関連し,並列処理,合流,分岐 を持って

作業が進められる(工場建設,陸橋建設)

生産スケジューリング(2)- 分類 -

Page 7: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

7

オペレーション・スケジューリング(1)

(主に)工場におけるスケジューリング

【条件】

顧客によって異なる製品や ジョブ を設定

⇒ 工場内で 機械,作業者を配置,加工順序に従って

ジョブの各作業を機械や作業者(資源)に 割付けていく

ジョブ: 作業の進捗を管理するための単位

主に,一つの受注の一製品に対して情報をまとめたもの

(リリース時刻,納期,加工経路,加工時間,数量 などの

情報の塊)

Page 8: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

8

モデルの特徴 : 加工経路 による分類

ジョブショップ

複数ジョブの工程順序が

異なる(任意)・多品種生産向き

フローショップ

全てのジョブの工程順序が同一

(ある工程を飛ばす場合は加工時間を

零と考える)・少品種(単品)大量生産向き

(混合生産) ジョブ 1 ジョブ 2 ジョブ 3

A B C D

機械 機械 機械 機械

ジョブ 3

A B C D

機械 機械 機械

E F G

ジョブ 1 ジョブ 2

オペレーション・スケジューリング(2)

Page 9: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

9

M1

J1 (M3)

時間

J1 (M2) J3 (M2)

J3 (M3) J2 (M3)

J1 (M1) J2 (M1) J3 (M1)

M2 J2 (M2)

M3

J1

時間

J2

J3

J1 (M3) J1 (M2) J1 (M1)

J2 (M2) J2 (M1) J2 (M3)

J3 (M3) J3 (M1) J3 (M2)

ガントチャート

スケジュールを表す図(ジョブ割付け結果)

時間 横軸

資源

ジョブ縦軸

機械の空き時間

ジョブの待ち時間

機械

ジョブ

機械M1でのジョブJ2の作業時間

ジョブJ1の完了時刻

加工中 M2 J1

待ち J2

オペレーション・スケジューリング(3)

Page 10: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

10

スケジューリングの考え方

スケジューリング

・・・・ 各資源(工程,機械)におけるジョブの 作業順序 を

決定する問題

(基本的には) 組み合わせ最適化問題

(例)単純ジョブショップ問題:n 台の機械に m 個のジョブを割り付ける

組み合わせ数 = (m!)n

(1台の機械で m 個のジョブの並べ方)n個

5台,5ジョブ でも (5!)5 =2.49×1010

オペレーション・スケジューリング(4)

ジョブ 3

A B C D

機械 機械 機械

E F G

ジョブ 1 ジョブ 2

J1,J2

J3

J5,J2J2,J1

J2,J1

J1 J3,J1

Page 11: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

11

解法の分類

(1)数理的なアルゴリズムの利用

(i) 最適解法 : 計算時間大&最適解が保証

(ii) 実行可能解法 : 計算時間小&実行可能な解

(最適解は保証されない)

(2)シミュレーション法 : 実際の生産プロセスをモデル化し,

物の流れを模擬 する

(3)計画策定者が 対話的 に決定(インタフェースの利用): 人間の経験による判断

オペレーション・スケジューリング(5)

Page 12: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

12

スケジューリングの数理と評価基準

ジョブ i ( i=1~m )は作業 j ( j=1~ ni )で構成され,機械 Mij で

加工される.(処理時間 tij)

機械 Mij が空いていなければ,待ち時間 Wij が発生する.

ジョブ i の完了時刻 Ci は次式となる. (ri = リリース時刻 )

ジョブの処理時間 (完了までに費やした時間)

iii

niniiiiiii

tWr

tWtWtWrCii

2211

iiiii WtrCF

ii n

jjii

n

jjii ttWW

11

総処理時間総待ち時間

オペレーション・スケジューリング(6)

Page 13: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

13

評 価 基 準

総処理時間 (最大滞留時間)

メイクスパン

平均処理時間 (平均滞留時間) ジョブがショップ内にいる平均時間長さ

imiFF

1max max

imiimirCF

11max minmax

mFFm

ii

1

M1

J1 (M3)

メイクスパン

J1 (M2) J3 (M2)

J3 (M3) J2 (M3)

J1 (M1) J2 (M1) J3 (M1)

M2 J2 (M2)

M3

時間

オペレーション・スケジューリング(7)

Page 14: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

納期ずれ (Latenss)

納期遅れ (Tardiness)

最大納期遅れ : Lmax, Dmax

ジョブが納期より遅れて,または早く完成した時間の最大長さ

平均納期遅れ : 納期遅れジョブ数: md

14

iiiiii drFdCL

imiimiDDLL

1max1max max,max

DL , mDDmLLm

ii

m

ii

11

,

)0(11

i

m

id Lm

),0(max ii LD 納期よりも早く完了した場合は遅れはゼロとする

オペレーション・スケジューリング(8)

i

i

dC 完了時刻

納期

ジョブ i に関する完了時刻 Ci と納期遅れ Li は次式となる.

iiiiiiiiii drFdCLWtrC ,

全ジョブに関する平均完了時刻と平均納期遅れは次式となる.

WtrCdrFdCL , 小小小 WCL 良いスケジュール

・・・W (待ち時間)小

Page 15: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

15

単一機械スケジューリング問題

ワークセンタ(加工機械の置き場) ,装置工業,計算機など一つと見なせる資源に複数の作業を割り付ける問題

⇒ 作業の“順序付け”問題 ( m! 通り)

評価基準から見た割付けの特徴

(1)平均処理時間ジョブを 作業時間の短いジョブ から順に並べる( SPTルール )ことで平均処理時間が最小となる(逆にすると最大となる)

時間

J3

10

J1

J2 30

20

M1

J2 M1

SPT

J1

J3

pi J2 30

20 M1

SPT

J3

pi

F

3/1403/)605030(3/1003/)603010(

FF逆ならば,

最大

最小

10 3060

オペレーション・スケジューリング(9)

Page 16: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

16

単一機械スケジューリング問題

(2)最大納期遅れジョブを納期の短いジョブから順に並べる ( EDDルール )

ことで最大納期遅れが最小となる

時間

J3

10 (50)

J1

J1

30 (30)

20 (40)

M1

J2 M1

EDD

( ) の値は納期

J2

J3

pi 10 (50)J1

20 (40) M1

EDD

J3

pi 30}10,30,40max{

,10}10,0,10max{

max

max

LSPTL

ならば

maxL

30 5060

J1, J2, J3

オペレーション・スケジューリング(10)

Page 17: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

17

フローショップ・スケジューリング問題

m 個のジョブが n 台の機械で処理され, 全ジョブで機械の通過順序が同じ(流れ作業型)

S.M.Johnson 法 (ジョンソン法)

2工程(2機械)の追い越しなしのスケジューリング問題目的関数は メイクスパン最小化 である.

全ジョブが機械 M1, M2 の順で加工される.ジョブ i の加工時間をそれぞれti1, ti2 とする.

J1 M1 M2 J2

J3

オペレーション・スケジューリング(11)

S.M.Johnson 法(ジョンソン法) の手順(1)順序付けられていないジョブリストの中から,作業時間の最小の作業 を見つける.

(複数個あれば任意のものを選ぶ)(2)見つけた最小作業時間の作業が 第1(第2)工程 の作業ならば,そのジョブを順

序の 初め(終わり) に割り付ける.(3)このジョブをリストから取り除く.(4)リストが空ならば,終了.空でなければ(1)へ戻る.

Page 18: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

18

フローショップ・スケジューリング問題(例題)

ジョブ番号 作業時間(時間)

M1 M2

J1 3 2

J2 1 6J3 8 7J4 4 8J5 11 4

選択

1 2 3 4 5J2 J1 J4 J5 J3M1 M2 M1 M2

ジョンソン法

加工順序

M1 J2 J4J3

M2 J5 J1

メイクスパン

M1

M2

時間

J1(M1)

J3(M2)

J2

J2(M2)

J3(M1)

J5(M2) J4(M2) J1(M1)

J5(M1) J4(M1)

30 (時間)

クリティカルパス

オペレーション・スケジューリング(11)

Page 19: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

19

ジョブショップの特徴::複数ジョブの工程順序が異なる(任意)✓ フローショップスケジュール問題に比べて複雑

(簡単なモデルについては最適解法が存在)

図式解法

ジョブ数2,n 機械のFmax(総処理時間) 最小化問題

(1) ジョブ1, 2の進行経過時間を横軸,縦軸であらわす.

(2) ジョブが機械にかかる 作業時間 を加工技術的順序に従って,軸上に目盛り,各機械について直積をとり,それを 禁止区域 とする.

(3) 原点から出発し,禁止区域を横切ることなく,横軸方向 (ジョブ1のみ処理),縦軸方向 (ジョブ2のみ処理),および 対角線 (45°)方向(両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む.⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

(終点の座標は各ジョブの作業時間の和)

オペレーション・スケジューリング(12)

-ジョブショップ・スケジューリング問題(1)-

Page 20: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

20

図式解法の例題

計画条件 2ジョブ 5機械

ジョブ 加工技術的順序 (作業時間:時間)

1 A (2) B (5) C (3) D (2)

2 D (1) B (4) A (4) C (5)

ジョブ 1の

進行時間

ジョブ 2の

進行時間

D

B

A

C

A B C D

禁止

区域

ジョブ Aが加工されてい

ない時間つまり待ち時間

③ ④

B A

A

D C

B C D

Fmax=18

ジョブ

2

① ② ③ ④ ⑤ ⑥

1

ジョブ1と2が同時に処理

禁止区域:2つのジョブを同時に処理できない領域

オペレーション・スケジューリング(13)

-ジョブショップ・スケジューリング問題(2)-

Page 21: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

21

Jackson 法機械2台(A,B)のジョブショップにおける Fmax 最小化問題

ジョブによって加工順序が異なる※ フローショップ問題のジョンソン法の拡張

(方法) (1) ジョブを4つに分類{A} : A でのみ処理されるジョブ群{B} : B でのみ処理されるジョブ群{AB}: A → B で処理されるジョブ群{BA}: B → A で処理されるジョブ群

(2) {AB}および{BA}のジョブ群については,ジョンソン・アルゴリズムを適用して投入順序を決める

⇒ {AB}*,{BA}*

(3) 各機械に次の通りで順序付けをするA: {AB}* {A} {BA}*B: {BA}* {B} {AB}*

A B

オペレーション・スケジューリング(14)

-ジョブショップ・スケジューリング問題(3)-

Page 22: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

22

【Jackson 法の例題】機械A,Bで処理される8つのジョブと作業時間が表のように与えられている.この場合, {AB}* = 5→4→6 ,{BA}*= 8→7

ジョブ群 ジョブ

番号

作業時間(時間)

機械A 機械B

{A} 1 2 -

2 5 -

{B} 3 - 3

{AB} 4 3 → 4

5 1 → 2

6 5 → 1

{BA} 7 1 ← 2

8 13 ← 18

ジョンソン法を利用

5 → 4 → 6(A→Bの加工順)

8 →7(B→Aの加工順)

解答機械A

{5→4→6}→{1→2}→{8→7}

機械B{8→7} →{3}→{5→4→6}

オペレーション・スケジューリング(15)

-ジョブショップ・スケジューリング問題(4)-

Page 23: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

1

2012年度後期

生産管理 (第7回)

担当:荒川 雅裕

Nov 22 2012

Page 24: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

2

ジョブ数,工程数 が 多 ⇒ 最適解を得ることは困難 (計算時間大)

実際の現場 → 多数のジョブ種類,製品品種,機械台数

モデル化し,現場の作業を模擬 ( シミュレーション )

・ 模擬した結果が スケジュール

・ スケジュールの作成 → 条件の変更 → 模擬の実行

シミュレーション

⇒ ジョブの作業を各機械に割り付ける

⇒ ある機械で作業させるジョブが複数存在 (競合)⇒ 作業させるジョブを選択 差立て(ディスパッチング) ルールの利用

条件に最適なスケジュールが得られるわけではない

繰り返し

オペレーション・スケジューリング(16)-シミュレーション法によるスケジューリング(1)-

Page 25: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

3

差立て規則 (ディスパッチングルール)競合した複数のジョブの中から,どれを選ぶかのルール

先着順 (FCFS:First Come First Serve) 機械に先に到着した順

最小作業時間順 (SPT: Shortest Processing Time)該当する機械での作業時間が最小のジョブを選択

M1 M2

どれを

選択するか? 差立て規則

総処理時間,完了時刻を早める効果

オペレーション・スケジューリング(17)-シミュレーション法によるスケジューリング(2)-

Page 26: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

4

最早納期順 (EDD: Earliest Due Date)納期が最も迫っているジョブを選択

最大余裕時間順 (SLACK)余裕時間(SLACK)の最小のジョブを選択

SLACK = (納期-現時刻)-残り総作業時間

最大オペレーション数順

残余オペレーション数が最大のジョブを選択

最小オペレーション数順

残余オペレーション数が最小のジョブを選択

ランダム順

ランダムにジョブを選択

納期遅れを削減する効果

オペレーション・スケジューリング(18)-シミュレーション法によるスケジューリング(3)-

Page 27: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

5

機械A 機械B 納期

ジョブ1 4 (時間) 4 (時間) 9 (時)

ジョブ2 3 (時間) 3 (時間) 8 (時)

ジョブ3 2 (時間) 5 (時間) 10 (時)

A B

例題 2機械3ジョブ フローショップ

SPTルール

機械A 機械B

残りジョブ 選択したジョブ 残りジョブ 選択したジョブ

0時/ 1,2,3 3 終了2時 2時/ 3 3 終了7時

2時/ 1,2 2 終了5時 5時/ 2 3 終了7時

5時/ 1 1 終了9時 7時/ 2 2 終了10時

9時/ なし なし 9時/ 1 2 終了10時

10時/ 1 1 終了14時

順序 3 → 2 → 1 順序 3 → 2 → 1

完了時刻 14時,平均納期遅れ 2.3時間

EDDルール

機械A 機械B

残りジョブ 選択したジョブ 残りジョブ 選択したジョブ

0時/ 1,2,3 2 終了3時 3時/ 2 2 終了6時

3時/ 1,3 1 終了7時 7時/ 1 1 終了11時

7時/ 3 3 終了9時 9時/ 3 1 終了11時

9時/ なし なし 11時/ 3 3 終了16時

順序 2 → 1 → 3 順序 2 → 1 →3

完了時刻 16時,平均納期遅れ 2.7時間

オペレーション・スケジューリング(19)-シミュレーション法によるスケジューリング(4)-

Page 28: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

6

機械A 機械B 納期

ジョブ1 4 (時間) 4 (時間) 9 (時)

ジョブ2 3 (時間) 3 (時間) 8 (時)

ジョブ3 2 (時間) 5 (時間) 10 (時)

例題 2機械3ジョブ フローショップ

SLACKルール

機械A 機械B

残りジョブ 選択したジョブ 残りジョブ 選択したジョブ

0時/ 1,2,3 1 終了4時 4時/ 1 1 終了8時

4時/ 2,3 2 終了7時 7時/ 2 1 終了8時

7時/ 3 3 終了9時 8時/ 2 2 終了11時

9時/ なし なし 9時/ 3 2 終了11時

11時/ 3 3 終了16時

順序 1 → 2 → 3 順序 1 → 2 → 3

完了時刻 16時,平均納期遅れ 3.0時間

納期遅れに優れているはずの

EDD,SLACKの結果が良くない

A B

オペレーション・スケジューリング(20)-シミュレーション法によるスケジューリング(5)-

Page 29: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

7

A

時間

B

J1

時間

J2

J3

J1 (B)

J2 (A)

J3 (A) J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

J1 (B)

J2 (A) J3 (A)

J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

SPT ルール

9 8 10

J2 J1 J3 ガントチャート

A

時間

B

J1

時間

J2

J3

J1 (B)

J2 (A)

J3 (A) J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

J1 (B)

J2 (A) J3 (A)

J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

EDD ルール

9 8 10

J1 J2 J3

Page 30: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

8

A

時間

B

J1

時間

J2

J3

J1 (B)

J2 (A)

J3 (A) J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

J1 (B)

J2 (A) J3 (A)

J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

SLACK ルール

9 8 10

J2 J1 J3

ガントチャート

Page 31: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

シミュレーション法によるスケジューリング(補足)

機械A 機械B 納期

ジョブ1 4 (時間) 4 (時間) 9 (時)

ジョブ2 3 (時間) 3 (時間) 8 (時)

ジョブ3 2 (時間) 5 (時間) 10 (時)

A B

例題 2機械3ジョブ フローショップ

異なるディスパッチング・ルールによる結果の比較

ルール 完了時刻(メイクスパン)

平均納期遅れ ジョブ1完了時刻

ジョブ2完了時刻

ジョブ3完了時刻

SPT 14 時 2.3 時間 14 時 10 時 7 時EDD 16 時 2.7 時間 11 時 6 時 16 時SLACK 16 時 3.0 時間 8 時 11 時 16 時

納期遅れに優れているはずのEDD,SLACK

の結果が良くない

Page 32: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

SPTルール

機械A 機械B

残りジョブ 選択したジョブ 残りジョブ 選択したジョブ

0時/ 1,2,3 3 終了2時 2時/ 3 3 終了7時

2時/ 1,2 2 終了5時 5時/ 2 3 終了7時

5時/ 1 1 終了9時 7時/ 2 2 終了10時

9時/ なし なし 9時/ 1 2 終了10時

10時/ 1 1 終了14時

順序 3 → 2 → 1 順序 3 → 2 → 1

完了時刻 14時,平均納期遅れ 2.3時間

A B

完成品

1 2

3

0 時

5 時

7 時

9 時

10 時

A B

完成品

1 3

3 2

A B

完成品

1 3

2

A B

完成品

1 2

3

A B

完成品

2

3

2 時14 時

A B

完成品

1 2 3

A B

完成品

1 2 3

機械A 機械B 納期

ジョブ1 4 (時間) 4 (時間) 9 (時)

ジョブ2 3 (時間) 3 (時間) 8 (時)

ジョブ3 2 (時間) 5 (時間) 10 (時)

待たされ始める時刻

待ちの発生

待ちの発生

Page 33: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

A

時間

B

J1

時間

J2

J3

J1 (B)

J2 (A)

J3 (A) J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

J1 (B)

J2 (A) J3 (A)

J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

SPT ルール

9 8 10

J2 J1 J3

SPTルール

機械A 機械B

残りジョブ 選択したジョブ 残りジョブ 選択したジョブ

0時/ 1,2,3 3 終了2時 2時/ 3 3 終了7時

2時/ 1,2 2 終了5時 5時/ 2 3 終了7時

5時/ 1 1 終了9時 7時/ 2 2 終了10時

9時/ なし なし 9時/ 1 2 終了10時

10時/ 1 1 終了14時

順序 3 → 2 → 1 順序 3 → 2 → 1

完了時刻 14時,平均納期遅れ 2.3時間

機械A 機械B 納期

ジョブ1 4 (時間) 4 (時間) 9 (時)

ジョブ2 3 (時間) 3 (時間) 8 (時)

ジョブ3 2 (時間) 5 (時間) 10 (時)

Page 34: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

待ちの発生

A B

完成品

2

3

機械A 機械B 納期

ジョブ1 4 (時間) 4 (時間) 9 (時)

ジョブ2 3 (時間) 3 (時間) 8 (時)

ジョブ3 2 (時間) 5 (時間) 10 (時)

0 時

6 時

7 時

9 時

11 時

A B

完成品

3

2

2

3 時16 時

A B

完成品

1 2 3

EDDルール

機械A 機械B

残りジョブ 選択したジョブ 残りジョブ 選択したジョブ

0時/ 1,2,3 2 終了3時 3時/ 2 2 終了6時

3時/ 1,3 1 終了7時 7時/ 1 1 終了11時

7時/ 3 3 終了9時 9時/ 3 1 終了11時

9時/ なし なし 11時/ 3 3 終了16時

順序 2 → 1 → 3 順序 2 → 1 →3

完了時刻 16時,平均納期遅れ 2.7時間

A B

完成品

3 2

A B

完成品

1 2

3 1

A B

完成品

2 3

A B

完成品

2

3

待たされ始める時刻

Page 35: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

A

時間

B

J1

時間

J2

J3

J1 (B)

J2 (A)

J3 (A) J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

J1 (B)

J2 (A) J3 (A)

J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

EDD ルール

9 8 10

J1 J2 J3

機械A 機械B 納期

ジョブ1 4 (時間) 4 (時間) 9 (時)

ジョブ2 3 (時間) 3 (時間) 8 (時)

ジョブ3 2 (時間) 5 (時間) 10 (時)

EDDルール

機械A 機械B

残りジョブ 選択したジョブ 残りジョブ 選択したジョブ

0時/ 1,2,3 2 終了3時 3時/ 2 2 終了6時

3時/ 1,3 1 終了7時 7時/ 1 1 終了11時

7時/ 3 3 終了9時 9時/ 3 1 終了11時

9時/ なし なし 11時/ 3 3 終了16時

順序 2 → 1 → 3 順序 2 → 1 →3

完了時刻 16時,平均納期遅れ 2.7時間

Page 36: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

待ちの発生

待ちの発生

機械A 機械B 納期

ジョブ1 4 (時間) 4 (時間) 9 (時)

ジョブ2 3 (時間) 3 (時間) 8 (時)

ジョブ3 2 (時間) 5 (時間) 10 (時)

A B

完成品

2 3

0 時

7 時

8 時

9 時

11 時

A B

完成品

3

2

4 時16 時

A B

完成品

1 2 3

A B

完成品

2

3

SLACKルール

機械A 機械B

残りジョブ 選択したジョブ 残りジョブ 選択したジョブ

0時/ 1,2,3 1 終了4時 4時/ 1 1 終了8時

4時/ 2,3 2 終了7時 7時/ 2 1 終了8時

7時/ 3 3 終了9時 8時/ 2 2 終了11時

9時/ なし なし 9時/ 3 2 終了11時

11時/ 3 3 終了16時

順序 1 → 2 → 3 順序 1 → 2 → 3

完了時刻 16時,平均納期遅れ 3.0時間

A B

完成品

1 3

2

A B

完成品

3 2

A B

完成品

1 3

2

SLACK値 (0 時)9- (4+4)= 1

8- (3+3)= 2

10-(2+5)= 3

Page 37: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

A

時間

B

J1

時間

J2

J3

J1 (B)

J2 (A)

J3 (A) J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

J1 (B)

J2 (A) J3 (A)

J3 (B)

J1 (A)

J2 (B)

SLACK ルール

9 8 10

J1 J2 J3

機械A 機械B 納期

ジョブ1 4 (時間) 4 (時間) 9 (時)

ジョブ2 3 (時間) 3 (時間) 8 (時)

ジョブ3 2 (時間) 5 (時間) 10 (時)

SLACKルール

機械A 機械B

残りジョブ 選択したジョブ 残りジョブ 選択したジョブ

0時/ 1,2,3 1 終了4時 4時/ 1 1 終了8時

4時/ 2,3 2 終了7時 7時/ 2 1 終了8時

7時/ 3 3 終了9時 8時/ 2 2 終了11時

9時/ なし なし 9時/ 3 2 終了11時

11時/ 3 3 終了16時

順序 1 → 2 → 3 順序 1 → 2 → 3

完了時刻 16時,平均納期遅れ 3.0時間

Page 38: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

16

特徴・ (一般に)整数計画問題に利用される (整数の組み合わせ問題)・汎用性の高い最適解法

(任意の機械台数,ジョブ数,どのような加工経路でも可)・作業順序を分枝構造で表現し,組み合わせ条件を調べる

(スケジューリング問題の場合)

> 分枝操作 ⇒ 枝を生成し,ジョブ,作業の割付け操作を行なう分枝した作業は,その作業を割り付ける部分問題

> 限定操作 ⇒ 良い解(最適解)が存在しないことが分かった時点で,分枝操作を停止すること

上界値,あるいは下界値の算出(緩和した条件での値,計算法は問題に依存)

オペレーション・スケジューリング(21)

-分枝限定法(1)-

Page 39: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

最小化問題

下界値: 緩和された条件での値 (非現実の値)上界値: 得られたスケジュールの中の最小値 (現実の値)

最大化問題

下界値: 得られたスケジュールの中の最大値 (現実の値)上界値: 緩和された条件での値 (非現実の値)

目的関数の値

最適値条件 1-1

条件 1-3 条件 1-2

下界値

目的関数の値

実行可能解 ある分枝点での値(下界値)

条件 1 の子問題を含む

結果(条件 1 より値大)

条件 2-1

条件 2

この結果が得られていれば

条件 1 以降の分枝操作は不必要

(上界値)

大 調べる必要なし (限定操作)

条件 1

理論上,それよりも小さな値を取らない

17

オペレーション・スケジューリング(22)

-分枝限定法(2)-

Page 40: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

18

例題

3工程フローショップ問題 (追い越しなし,メイクスパン最小化問題)

フローショップ・スケジュール(追い越しなし,メイクスパン最小化問題)下界値=Max{ 工程 i について

(その時点までに割り付いた作業に対する加工完了時刻+その工程でこれから加工する残りジョブの総加工時間+全後工程に対する残りジョブ中の総加工時間の最小値)}

ジョブ 処理速度 (分)工程A 工程B 工程C

J1 20 180 80J2 140 120 40J3 40 40 160J4 100 20 60

オペレーション・スケジューリング(23)

-分枝限定法(3)-

Page 41: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

19

3工程フローショップ問題 (追い越しなし,メイクスパン最小化問題)

J1 J2 J3 J4

J2

J3

J4

J4

J3

J3 J4

レベル 0

レベル 1

レベル 2

J1→J2→J4→J3 J1→J2→ J3→J4

オペレーション・スケジューリング(24)

-分枝限定法(4)-

Page 42: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

20

J1がはじめに割り付いた場合

第1項 M1

M2

M3

J1 M1

M2

M3

J1

J1

M1

M2

M3

J1

J1

J1

② ③

M1 完了時刻=20 M2 完了時刻 = 20+180 = 200

M3 完了時刻 = 200+80 = 280

第2項 M1

M2

M3

J2~J4 M1

M2

M3

J2~J4

M1

M2

M3 J2~J4

② ③ M1 での残り加工時間 =140+40+100 =280

M2 での残り加工時間 = 120+40+20 = 180

M3 での残り加工時間

= 40+160+60 = 260

第3項 M1

M2

M3

M1

M2

M3

J2

③ M2+M3 の総加工時間

で最小のもの = 20+60 = 80

M3 の総加工時間で最小

のもの = 40

なし

M1 以降の 工程について

J4

J4

M2 以降の 工程について

M3以降の 工程について

M1:20+280+80 = 380M2: 200+180+40 = 420M3: 280+260+0 = 540

最大のものを選択M3: Time=540 (下界値)

オペレーション・スケジューリング(25)

-分枝限定法(5)-

Page 43: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

21

3工程フローショップ問題 (追い越しなし,メイクスパン最小化問題)

J1 J2 J3 J4

レベル 0

レベル 1

540 600 440 500 下界値

次のレベルの分枝操作に利用

オペレーション・スケジューリング(26)

-分枝限定法(6)-

Page 44: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

22

J3→J1が割り付いた場合

第1項

M1

M2

M3

J1 M1

M2

M3

M1

M2

M3

② ③ M1 完了時刻=60 M2 完了時刻

= max(60,80)+180=260M3 完了時刻 = max(240, 260)+80 = 340

M1

M2

M3

J3

40 80 240

J3 が割りついた時点

J3

J3

J3

60

J1J3

J3 J1

80 260

J1J3

J3 J1

J3

240 260 340

J1

第2項 M1

M2

M3

J2, J4 M1

M2

M3

J2, J4

M1

M2

M3 J2, J4

② ③ M1 での残り加工時間

=140+100 =240

M2 での残り加工時間 = 120+20 = 140

M3 での残り加工時間

= 40+60 = 100

オペレーション・スケジューリング(27)

-分枝限定法(7)-

Page 45: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

23

J3→J1が割り付いた場合 (Cont.)第3項

M1

M2

M3

M1

M2

M3

J2

M1

M2

M3

② ③ M2+M3 の総加工時間

で最小のもの = 20+60 = 80

M3 の総加工時間で最小

のもの = 40

なし

M1 以降の 工程について

J4

J4

M2 以降の 工程について

M3以降の 工程について

M1:60+240+80 = 380M2: 260+140+40 = 440M3: 340+100+0 = 440

最大のものを選択M2: Time=440 (下界値)

オペレーション・スケジューリング(28)

-分枝限定法(8)-

Page 46: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

24

3工程フローショップ問題 (追い越しなし,メイクスパン最小化問題)

J1 J2 J3 J4

レベル 0

レベル 1

540 600 440 500 下界値

J2J1 J4440 560 500 下界値

レベル 2

次のレベルの分枝操作に利用

J1 J2 J3 J4540 600 440 500

J2J1 J4440 560 500

J4J2480 460

J2460

J3→J1→J4→J2実行可能解

最適解

オペレーション・スケジューリング(29)

-分枝限定法(9)-

下界値>460 なので分枝操作不要

Page 47: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

1

2012年度後期

生産管理 (第8回)

担当:荒川 雅裕

Nov 29 2012

Page 48: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

1957~8年米海軍のSPO (Special Project Office)によって実践.ポラリス・ミサイル(戦艦弾道ミサイル)の工期を予定7年から2年短縮

2

プロジェクト・スケジュール(1)

アローダイアグラム

・作業(アクティビティ) を 矢印 で順序付けて作成した図 (時間的相互関係を図示したもの)

・作業と作業の連結を 「ノード」 あるいは 「イベント」 と呼ぶ。

・プロジェクトの開始と終了はそれぞれ1つのノードにまとめる

PERT (Project (or Program) Evaluation and Review Technique)・ 大規模なプロジェクトに関するスケジュールの作成方法

・ 多数の作業からなり,作業の順序が存在する

・ 作業の流れには 分岐,合流 が存在する

・ アローダイアグラム を作成して分析する

・ 1~複数のジョブの工程を分析する際に利用される

クリティカルパスに着目した改善

i j k

m ノードイベント

アクティビティ(作業)

Page 49: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

3

アローダイアグラム (情報システムの開発)

1 2

3

6 9 102 107

始点

イベント

終点

イベント

調査

プロジェクト

開始 調査終了

概要設計 3 操作手順書

7

機械設置 8

設置完了

操作手順書

完了

概要設計

完了 4

詳細設計

5

詳細設計

完了

7

操作指導

完了 操作指導

5

コーディング

テスト 5

テスト

完了

ハードウェア

テスト 5

手順書修正

4

総合テスト

準備 3

総合テスト

開始

総合

テスト

4

処理時間

プロジェクト・スケジュール(2)-プロジェクト・スケジュールの例-

Page 50: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

4

工場計画プロジェクトの作業表

作業記号

ノード番号 作業内容 先行作業 所要時間(週)ti ji j

A 1 2 市場調査 ― 6

B 1 3 製品開発 ― 12

C 1 7 資金調達 ― 13

D 2 4 需要分析 A 3

E 3 6 製品設計 B 6

F 4 5 利益計画 D 4

G 5 6 生産計画 F 2

H 6 8 プラント計画 E,G 5

I 7 11 資材調達 C,E,G 12

J 8 9 設備調達 C,H 10

K 8 10 要員調達 C,H 9

L 9 11 設備レイアウト J 8

M 10 11 要員配置 K 4

N 11 12 製造 I, L, M 11

プロジェクト・スケジュール(3)

-アローダイアグラムの例ー

Page 51: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

5

プロジェクト・スケジュール(4)

アローダイアグラム

6 9 3

太矢印:クリティカルパス

A~N : 作業 6, 12 : 所要時間

:最早開始時刻

:最遅開始時刻 :余裕時間

クリティカルパス

「最早開始時刻=最遅開始時刻」のノードをつなげたパス

※ プロジェクトの期間を決めているパス

(作業の遅れがないように管理をする作業の列)

ダミー活動:作業は発生しないが

関連がある場合

1 3 6

2 4 5

8

7

10

119 12

A B

C

E

D F

G H J

I

L

K M

N

9 4

6

12

13

4

10 8 115 6

3

12

始点

イベント

終点

イベント 0 0 0

12 12 0

18 18 0

18 29 5

6 9 3

9 12 3

13 16 3

2

23 23 0

33 33 0

32 37 5

41 41 0

52 52 0

最早開始時刻最も早く始められる(可能性のある)時刻

最遅開始時刻最も遅くとも始めなくてはならない時刻

Page 52: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

6

プロジェクト・スケジュール(5)

(1)最早開始時刻 (最早ノード時刻)

着目ノード j から出る作業を始めることができる最も早い時刻

Ln

jiEiPkj

Ej

E

t

tttt

)(max0

),(

11 : 開始点(ソース)n : 終了点(シンク)(i, j) : ノードi, jを結ぶ作業λ : プロジェクト完成時間P : 2つのノード間をつなぐ矢印の集合

(すなわち,作業の集合)

0

)(min)(

1

),(L

kjLkPkj

Lj

En

Ln

t

ttttt

( j=n-1, n-2, ・・・,1)

(2)最遅開始時刻 (最遅ノード時刻)

プロジェクトを予定期日に完成させるために各ノードで終えておかなければ

ならない完了時刻遅くとも始めなくてはならない時刻( この時刻以降に開始したら,

完了(予定)時刻に終わらなくなる)

最も早く始められる時刻

Page 53: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

7

最早開始時刻

i j tij

tiE tj

E

jiEi

Ej ttt

ti

tjE

t E

ktkE

itiE

jtj

tk

),,max( kEkj

Eji

Ei

E ttttttt

プロジェクト・スケジュール(6)- 最早,最遅開始時刻の計算ルール-

最遅開始時刻

i j tij

tiL tj

L

jiLj

Li ttt

tij tj

L

t L

k tkL i

tiL

j

tik

ti ),,min( i

Lki

Lkji

Lj

Li ttttttt

クリティカルパス : のイベントをつなげた経路0 Ej

Ljj ttFT

時間の流れに沿って計算する

時間を遡って計算する

Page 54: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

8

プロジェクト・スケジュール(7)

例題

解答

1

3

5

2 4

6

7

3

2

5

5

3 0 0 0

2 4 2

7 7 0

14 14 0

3 3 0

12 12 0 4

6 7 1

3

0 5

2 8

16 16 0

2

クリティカルパス:1→2→5→6→7→8

1

3

5

2 4

6

7

3

2

5

5

3

4

3

0 5

2

8

2

終点イベントの最早開始時刻と最遅開始時刻は一致させる

Page 55: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

9

プロジェクト・スケジュール(7_i)

解答

1

3

5

2 4

6

7

3

2

5

5

3 0 0 0

2 4 2

7 7 0

14 14 0

3 3 0

12 12 0 4

6 7 1

3

0 5

2 8

16 16 0

2

最早開始時刻:そのノードから最も早く始め(進め)られる時刻最早開始時刻の計算

0+3=3

0+2=2

3+3=6

④6+5=11⑤7+5=12

⑤ ④

⑥12+2=14⑦ 2+5= 7

14+2=16

START

①2+3=5②3+4=7③6+0=6

いつから出発できる?

a

b

最早開始時刻=max(a, b)

Page 56: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

10

解答

1

3

5

2 4

6

7

3

2

5

5

3 0 0 0

2 4 2

7 7 0

14 14 0

3 3 0

12 12 0 4

6 7 1

3

0 5

2 8

16 16 0

2

最遅開始時刻 : 予定に間に合うためにはそのノードから 遅くとも始め(進ま)なくてはならない時刻

①12-5=7②7-0=7

12-5=7

14-2=12

16-2=14

③7-3=4④7-4=3

⑤7-3=4⑥14-5=9

⑦3-3=0⑧4-2=2

START

c

d

最遅開始時刻= min(c, d)

遅くともc とdに出発しないと間に

あわないプロジェクト・スケジュール(7_ii)

Page 57: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

11

プロジェクトの完成時間に影響を与える各作業の費用に着目して最も経済的な計画を立てる手法 (1957年発表,ディポン社&レミントランド社)

>費用を抑えながらプロジェクトの 所要時間を短縮 する方法> 各作業と費用の関係は 直線的 と過程

CPM ⇒ クリティカルパスに注目し, 最小カット を探す( 自由余裕 を利用 )

最小カット = 費用勾配が最小 の作業の組み合わせ

カット = 時間を削減できる作業あるいは作業の組み合わせ

自由余裕 = 開始が最早開始時刻より遅れても 次の最早開始時刻には

影響を与えないで 許される作業の余裕時間

(クリティカルパス上では, FFij = 0 )

プロジェクト・スケジュール(8)

- CPM (クリティカルパス・メソッド) (1) -

Page 58: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

12

> 各作業と費用の関係 は 直線的 と仮定

tij di,j

mij

Zi,j

Mi,j

jit ,~

期間

費用= 特急所要時間

(最短で作業を終了させる時間)jid ,

= 標準所要時間時間jit ,

= 変数jit ,~

jijiji ttd ,,,~

jiji

jijiji dt

mMC

,,

,,,

jiC , = 費用勾配 = 一期間あたりの削減に

必要な費用

jiji dt ならば jiC 費用を考慮できない(日数を削減できない)

プロジェクト・スケジュール(9)

- CPM (クリティカルパス・メソッド) (2) -

Page 59: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

13

CPM ⇒ クリティカルパスに注目し,最小カットを探す(自由余裕を利用)

費用勾配とクリティカルパス

作業i → j

Di,j di,j Ci,j FFi,j クリティカルパス

備考

1→2 3 2 6 0 ○

1→3 2 1 3 02→4 3 2 2 02→5 4 3 4 0 ○

3→5 3 2 3 23→7 5 4 1 74→5 0 0 - 1 ダミー作業

4→6 5 4 3 15→6 5 4 3 0 ○

6→7 2 1 6 0 ○

7→8 2 1 5 0 ○

クリティカルパス上の費用勾配

1→2 6

2→5 4

5→6 3 最小カット

6→7 6

7→8 5

自由余裕 (FFij ) = 開始が最早開始時刻より遅れても次の最早開始時刻には

影響を与えないで許される作業の余裕時間

FFij = tjE-( ti

E+tij )

クリティカルパス上は FFij =0

プロジェクト・スケジュール(10)

- CPM (クリティカルパス・メソッド) (3) -

Page 60: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

14

① クリティカルパス上で最小カットが 5→6 のため,この作業の短縮を考える.

クリティカルパス上の費用勾配

1→2 6

2→5 4

5→6 3 最小カット

6→7 6

7→8 5

t6E =11 ( t5

E =7, t4E =6 ),

t 5, 6 = 4

FF 5, 6 = t6E-( t5

E + t 5, 6 ) = 11-(7+4) =0

FF 4, 6 = t6E-( t 4

E + t 4, 6 ) = 11-(6+5) =0

FF 5, 6 , FF 4, 6 いづれも時間が短縮できないため,期間を短縮す

るには 「4→6」 と 「5→6」 を両方短縮 させる必要がある. 5 (3)

5

4 費用

6 4 (∞)

クリティカルパスは 「1→2→4→6→7→8」 と 「1→2→5→6→7→8」

変更後は tij=dij と なっているので短縮できない

費用=∞

5→6 の作業時間を 4 に変更

プロジェクト・スケジュール(11)

- CPM (クリティカルパス・メソッド) (4) -

Page 61: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

15

① クリティカルパス上で最小カットが 5→6 のため,この作業の短縮を考える.

5 (3)

5

4 費用

6 4 (∞)

変更後は tij=dij となっているので短縮できない費用=∞

5→6 の作業時間を 4 に変更後のアローダイアグラム(赤文字が変更箇所)

1

3

5

2 4

6

7

3

2

5

4 3 0

0 0

2 4 2

7 7 0

13130

3 3 0

11110 4

6 6 0

3

0 5

2 8

15 15 0

2

クリティカルパスは 「1→2→4→6→7→8」 と 「1→2→5→6→7→8」

プロジェクト・スケジュール(12)

- CPM (クリティカルパス・メソッド) (5) -

Page 62: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

16

② 第2の期間短縮1→2,6→7→8は両方のクリティカルパスで共通2→6 を 2つのパス として考える.

2種類の2→6の経路が存在するが,2→4→6の期間を短縮してもクリティカルパスを短縮できない。 ※5→6が短縮できないため

よって, 7→8 を 1日短縮する.

カットと費用勾配

カット 費用勾配 説明 備考

1→2 6

2→4と4→6 2+3=5 最小カット 2→4→6を短縮するには2→5→6も短縮する必要がある

2→5と5→6 4+∞=∞ 5→6を1日短縮したため となる

6→7 6

7→8 5 最小カット 採用

0,, jiji dt

2→5→6は期間短縮不可

※ 2→4と2→5の同時短縮も考えられるが勾配費用が 2+4=6 となる

プロジェクト・スケジュール(13)

- CPM (クリティカルパス・メソッド) (6) -

Page 63: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

17

これより,2日短縮 (クリティカルパスの長さは 16から14)となる.クリティカルパス 1→2→4→6→7→8

1→2→5→6→7→8

短縮は 5→6, 7→8 を各1日, 費用は 3+5=8

1

3

5

2 4

6

7

3(6)

2(3)

5(1)

4(∞)

3(3)0 0 0

2 4 2

7 7 0

13130

3 3 0

11110 4(4)

6 6 0

3(2)

0 5(3)

2(6)

8

14140

1(∞)

プロジェクト・スケジュール(14)

- CPM (クリティカルパス・メソッド) (7) -

Page 64: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

18

時間見積り ✓ 従来 → 処理時間は1種類(固定)✓ 処理時間の変動を考慮

3種類 で見積もる → 不確定な要因に対応

楽観的 :全て円滑に運んだ場合に,アクティビティに必要な時間

最可能値:(同一条件で)そのアクティビティが繰り返し実行した場合に頻繁におこる時間

悲観値 :全てうまく行かなかった場合に,アクティ

ビティにかかる時間

プロジェクト・スケジュール(15)

- 三点見積もり法 (1) -

Page 65: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

19

アクティビティの遂行に必要な時間の分布 → β分布 を仮定

処理時間の分布から処理時間が te 以下となる確率が50%

期待値

分散

64 bmate

22

6

ab

アクティビティの処理時間のばらつき

アクティビティの平均処理時間

プロジェクト・スケジュール(16)

- 三点見積もり法 (2) -

Page 66: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

20

1 3 5

2

5

8

te=8.5

始点

イベント

5

5

終点

イベント

te1=14.5 te=14.3

te2=5.2

te3=17 te4=7.8

te5=5.0

te=5.8

te=15.5

アクティビティ

見積り値 期待値 分散

a m b te σ2

<1-3> 9 14 22 14.5 4.70<3-4> 3 5 8 5.2 0.69<4-6> 12 16 26 17.0 5.44<6-7> 3 7 16 7.8 4.70<7-8> 2 4 12 5.0 2.78

クリティカルパスについて

TE = te1+te2+te3+te4+te5 = 49.5

σ2 = σ12+σ2

2+σ32+σ4

2+σ52

= 18.31

プロジェクト・スケジュール(17)

- 三点見積もり法 (3) -

Page 67: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

プロジェクトの納期 Ts = 48週 (given)

分布を含めた処理時間 TE = 49.5週

27.431.18 σ

351.027.4

0.485.49

SE TT

3632.0)351.0(1)()( FFXP

Ts 以下となる確率 → 36.32%

)( xF = 正規分布の分布関数

= 塗りつぶし部分の占める割合

)( XP

0.3632

プロジェクト・スケジュール(18)

- 三点見積もり法 (4) -

Page 68: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

1

2012年度後期

生産管理 (第9回)

担当:荒川 雅裕

Dec 6 2012

Page 69: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

2

在庫管理(1)✓在庫とは生産活動における物の流れに対する停滞(仕掛り) .

✓調達と製造間,製造工程間,製造と販売の間に設定され,物の流れを

円滑にするための緩衝の役割を果たす機能を持つ.

✓市場の動態的な需要に応じて在庫量を管理することで,在庫投資や

在庫費用を節減して,生産操業を安定にさせ,生産遅延や商品の品

切れを防止して消費者を満足させる.

発注

部品,素材

工場 倉庫,販売店 顧客

発注(注文)

製品

部品や素材料を多数用意して

おけば,すぐに作業が開始できる

製品が置いてあれば,

顧客はすぐに手に入れられる

発注

製品

在庫 多 ⇒ サービスの向上在庫費用 大

在庫 多 ⇒ 生産リードタイム削減在庫費用 大 & 死蔵在庫の発生

Page 70: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

3

在庫管理(2)

在庫管理のためのパラメータ

① 発注時期 P ② 発注量 Q

Q = 一定 , P = 変化 Q = 変化 , P = 一定

定量発注方式・発注点方式 定期発注方式

経済発注量 (Economic Order Quality = EOQ)在庫維持費 と 発注経費 との和 を 小とする発注量

PCkMEOQ 2

PCkM 一定期間内の確定需要量

一回当たりの発注費用(段取費)

購入単価(1個あたり)在庫維持比率(=在庫維持費/購入単価) (1個あたり)

Page 71: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

4

一定期間での発注回数 少 (発注経費少)在庫 増 (在庫維持費大)

一回に大量に発注

一回の発注量を少なく 一定期での発注回数 多 (発注経費大)在庫 少 (在庫維持費小)

1品目について,一定期間内に

発注を何回に分けるか?

1回の発注量は?

n : 一定期間内の発注回数

x : 1 回当たりの発注量

k : 1回あたりの発注費用(段取費)

一定期間内の総発注費 =n・ k一定期間内の消費量(M )=n・ x

n = M / x

在庫管理(3)

Page 72: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

5

一定期間内の総発注費 =

[仮定] 一定の割合で販売(消費)する

x

kMkxMkn ・

製品の消費は時間について一定(線形)より,

下図のような在庫推移を得る

一定期間内の 平均在庫量 = x/2平均 在庫維持費 = (x/2) C・P

CP =1個あたりの在庫維持費

一定期間内の総費用

PCxx

kMA2

在庫量

平均 在庫量

x

納入 期間

一定期間(固定)

0納入

x/2

【仮定】 期間内では一定の割合で消費発注した量だけ期間内に完全に消費

在庫管理(4)

Page 73: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

6

A を 小にする x を求める

022

CPx

kMdxdA

*)(/2

/22

QPCMKx

PCkMx

よって

より

費用

発注量 x = Q 経済発注量

発注費用

在庫維持費

総費用

Q* : “経済発注量(EOQ) ”“経済ロットサイズ” と言われる

在庫管理(5)

適発注回数 (n0 ), 適発注間隔 (T0 )

PCMkL

nLT

kPCM

QM

xMn

2)(

2

00

0

ある期間(例) 1ヶ月(4週間)ならば

PCMk

nT 244

00

週間

Page 74: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

7

在 庫 量

Q0

注 期間

s Q*

Q* Q*

注入

庫調達の

リードタイム L

発注点

安全在庫

定量発注方式 (発注点方式) (1)

発注量を一定にしておき,需要の変動に応じて,

発注時点を変える方法

(目的)

需要の変動を

発注間隔の変動に吸収

させる

在庫が発注点 s に達したとき需要量 Q* の発注を行なう

※ Q* = 固定 , 発注時間間隔(調査期間:R) = 可変

Ld

R

Page 75: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

8

在 庫 量

Q0

注 期間

s Q*

Q* Q*

注入

庫調達の

リードタイム

発注点

安全在庫

L

在庫が発注点 s に達したとき

需要量 Q* の発注を行なう

L = 調達のリードタイム

= 単位時間当たりの販売量

(需要量)

時間に対する消費量の勾配

= L 間での平均需要量

d

0QLds

Ld

R

発注点 = 調達期間での平均需要量 + 安全在庫

(欠点) ①細かく在庫量を調べる必要がある ②在庫量が多くなる

定量発注方式 (発注点方式) (2)

Ld

Page 76: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

9

安全在庫とは

需要の変動による 品切れ に対処するための在庫

dr LQ 0安全在庫量

需要へのサービス率 r の表す信頼係数(安全在庫係数)

調達リードタイム

単位時間当たり(1日当たり)の需要量のバラツキ (需要の標準偏差)

d

rL

定量発注方式 (発注点方式) (3)

欠品率(%)[欠品発生確率]

r: サービス率(%)[製品を渡せる確率:累積標準正規分布の値]

安全在庫係数[累積標準正規分布

のx に相当]

0.1 99.9 3.10

1.0 99.0 2.33

2.0 98.0 2.06

5.0 95.0 1.65

10.0 90.0 1.29

累積標準正規分布

正規分布N(0, 1)

Page 77: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

10

安全在庫を必要とする理由

その他,安全在庫に影響を与えるもの

需要量や供給量の 不確実性 によって生じる 品切れ を

防ぐための 緩衝(バッファ)在庫

調達期間(調達リードタイム) ⇒ 安全在庫に大きく影響

② 納入の不確実性

・ 入庫の量的変動

・ 不良の発生

・ 入庫の時間的変動,納期遅延

・ 発注先,購買先のトラブル

・ 供給側の生産工程のストップ,故障

① 払い出しの不確実性

・ 需要の量的変動

・ 需要の時間的変動

・ 生産量変動

・ 生産計画変更

・ 内示の変更

払い出し

納入

在庫(倉庫)

Page 78: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

11

一定の期間を設定し,その時期ごとに発注を行なう

※ 発注量 Q = 可変 , 発注時間間隔(調査期間:R) = 固定

定期発注方式 (1)

発注時点を一定 にしておき,需要の変動に応じて,

発注量を変える 方法

Q0

期間

SQ Q Q

庫入

庫 調達リードタイム

L発

注発

L 発

発注量

在庫補充

水準

安全在庫

R R調査

期間

L

Page 79: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

12

調査時の在庫量

発注済み未入荷量

安全在庫

L+R 間の(予測)需要量

在庫補充水準

IrQ

発注間隔 = 発注から次の発注までの期間発注残 = 発注したもののまだ入荷していないもの

発注量 Q=( 調達期間+発注間隔 )中の 予測需要量 + 安全在庫

ー 発注残 ー 手持ち在庫残

IQSQ r

RQ0

※ 調達期間+発注期間先までの需要の予測

※ 発注ごとに払い出し量の予測誤差 → 安全在庫 の導入

RQRLdS 0)( )( RLd

定期発注方式 (2)

drR RLQ 0 S

Page 80: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

13

定期発注方式 (3)

0 rQRL ならば

発注済み未入荷量rQ

(適用対象)

・ 調達リードタイムが 長く 、品切れ損失が 大きい 場合

・ 在庫調査が 頻繁にできない 場合

・ 在庫を極力削除したい品目,単価の高い品物

L≦R ならば発注時点で未入荷の製品はなし

IQSQ r

(長所) 定期的な在庫のチェックだけでよい

在庫量

Q0

期間

SQ Q Q

調達リードタイム

L L 発注

入庫

発注量在庫補充水準

安全在庫

R R L入庫

発注

入庫

発注

ここで,

Page 81: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

14

在庫発注方式間の比較

定期発注法 定量発注法

管理 単価が高く,厳格かつ頻繁

に管理することが望ましい場合

単価が安く,一度の発注量が大量

である場合.厳密な管理を必要とし

ない場合

在庫量・発注量 (複数の品目の注文が同時に行なう

場合,) まとめて同時に発注すること

で節約できる場合が好ましい.

(需要があまりない製品で発注費用

が高いもの)

在庫量の調査が簡単な場合.

調査が継続している場合.

発注時点 発注先の事情により,定期発注が望

ましい場合

不定期,不規則な発注に対して

発注先の数入れが可能 な場合

Page 82: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

15

ダブルビン法 (1)

等量の2つの容器 に製品,部品を入れ,需要に対して

交互に対応 する方法.

一方の容器で製品,部品を供給し,空となったら,他方の容器を

対応する.空の容器には製品,部品を補充する.

Page 83: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

16

ダブルビン法 (2)

発注点と発注量の等しい発注点方式(定量発注法)

[長所] 在庫調査の必要がない

単価の 安い小物,部品 などへの適用に便利

1箱の量の算出

調達期間中の使用量 : r1回あたりの発注費用: C0

1個1単位期間の保管費用: h1箱の製品(部品)数量 : Q

Page 84: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

17

ダブルビン法 (3)

1箱の量の算出

1単位あたりの発注回数 r/Q平均在庫量

Q 製

期間

A 箱入荷

Q

Q-r

r

Q

A 箱終わり

B 箱開始

発注

A 箱開始

B 箱終わり

発注

Q

rQ

23 小在庫量 Q-r

大在庫量 2Q-r

調達期間

の平均

Page 85: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

18

ダブルビン法 (4)

1箱の量の算出

単位期間あたりの費用 TC ( Total Cost = 発注費+保管費 )

rQh

QrCTC

23

0

23

20 h

QrC

QTC

0

QTC

hrCQ

32 02* より, 小値 Q*

hrCQ

32* 0

よって

小値 Q* を求める

Q* が調達期間中の払い出し量(需要量)より

大きいとき 1箱の大きさ = Q*

小さいとき 1箱の大きさ = 調達期間中の払い出し量(需要量)

Page 86: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

19

ABC分析(1)

管理水準の 重要度 によって,3種類 に分類し,

管理労力を削減 する分析法パレート図(累積度数分布図 )使用金額

/総使用金額

品目別の使用金額

累積使用金額

100%

1 2 3 4 5 ・・・ 累積品目数割合

90%

70%

A BC

品目数 少 大

金額比 大 小

(金額)

Page 87: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

20

ABC分析(2)

Aランク:厳密な管理が必要なもの (重点管理)

品目数少で金額が高い品目(単価の高いもの)(例) 高級時計,自動車 【貴金属,電子機器装置,ユニット】

Bランク:普通の管理で十分なもの

予測した必要量より多めに発注する品目

単価が比較的低い(例) 電機機器,食料品 【内製中間製品/加工品】

Cランク:管理はあまり必要でないもの (管理の手間を省きたい)

単価が低く,大量に一定の割合で使用される品目

(例)日用品,文具品 【ネジ,ワッシャ】

定期発注方式

定量発注方式

定量発注方式(ダブルビン法)

Page 88: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

21

安全在庫を必要とする理由

その他,安全在庫に影響を与えるもの

需要量や供給量の 不確実性 によって生じる 品切れ を

防ぐための 緩衝(バッファ)在庫

調達期間(調達リードタイム) → 安全在庫に大きく影響

② 納入の不確実性

・ 入庫の量的変動

・ 不良の発生

・ 入庫の時間的変動,納期遅延

・ 発注先,購買先のトラブル

・ 供給側の生産工程のストップ,故障

① 払い出しの不確実性

・ 需要の量的変動

・ 需要の時間的変動

・ 生産量変動

・ 生産計画変更

・ 内示の変更

払い出し納入

在庫(倉庫)

Page 89: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

22

( s, S )方式 (1)

定期発注方式における 在庫調査の容易性を活かし,

予測の煩雑性を排除 するように工夫した方式

(長所) 定期,定量発注方式よりも優れ,需要の変動に対して,

他の方式よりも速く適応する.

> 在庫を調査する間隔 (在庫調査間隔) = 一定 (予め決めておく)

調査時点で ① 在庫量が発注点 s を下回っている

一定量 S までの在庫量 となる分だけ発注

② s に達していない (在庫が s 以上)

次の在庫調査まで 発注しない

Page 90: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

23

( s, S )方式 (2)

在庫補充水準( 大在庫水準) )(0 RLdQS

発注点 )2/(0 RLdQs

在庫調査時点で

 のとき

のとき

sQIQISQsQI

r

rr

※手持ち在庫と注文済み在庫の和必ずとなる

S

I =手持ち在庫

発注する

発注しない

L = 調達のリードタイム

= 単位時間当たりの販売量

= 時間に対する消費量の勾配

= L 間での平均需要量

R = 調査期間

d

Ld

Page 91: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

24

( s, S )方式 (3)

適用手順 (詳細に考える)(1) 在庫調査間隔を決める

(2) 在庫調査間隔中の払い出し量の分布を求める

r : 在庫調査間隔中の払い出し量

f(r) : r の確率密度関数

(3) 以下の数値を与える

c : 購入単価

h : 1単位当たり保管費用

(機種または期末に保有する在庫にかかる費用)C0 : 1回当たりの発注費用

d : 1単位当たり品切れ費用

Page 92: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

25

( s, S )方式 (4)

(4)

を 小にする x の値を S (在庫補充水準)とする.

(5) cx+L(x) =C0+cS+L(x)を満たす x の 小値 を s とする.ここで,

(6) 在庫調査日に在庫量 I を調査し,I≧s ならば発注しない.

I < s ならば S-I だけ発注する.

x

xdrrfrxhdrrfxrdcx

0)()()()(

x

xdrrfrxhdrrfxrdxL

0)()()()()(

Page 93: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

26

( s, S )方式 (5)

発注量 S と発注点 s の算出法

期首の在庫量 I のとき 発注量 x- I だけ発注する

品切れ費用と保管費用 の期待値 L(x) は

x

xdrrfrxhdrrfxrdxL

0)()()()()(

d = 1単位あたりの品切れ費用

h = 1単位あたりの保管費用

在庫量が x になるように発注したときの期待費用

= 発注費用+購入金額+(保管費用+品切れ費用)の期待値の和

発注するとき x-I > 0 : 期待費用 C0+ c ( x-I ) +L(x) ←在庫 はx発注しないとき x-I ≦0 : 期待費用 L( I ) ←在庫 I が残るため

発注したので

Page 94: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

27

( s, S )方式 (6)

I < s のとき

C0+cS+L(S) < cI + L(I) より

C0+c(S-I )+L(S) < L(I)

左辺の方が安い → 在庫をS まで増やす

s ≦ I ≦S , S ≦ I のとき

C0+cx+L(x) ≧ cI + L(I ) より

C0+c(x-I )+L(x) ≧ L(I )右辺の方が安い → 在庫をI のまま

(発注すると費用が高くなる)

C0+cx+L(x) と cx + L(x) のグラフを考え

C0+cx+L(x) = cx + L(x) となる x = s とする

I < s s ≦ I ≦S S ≦ I

Page 95: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

28

在庫低減の方法(1)

在庫動機の検討による在庫削減

(1) ロットサイズ在庫 (取引動機による在庫)入出庫の時期や量の不一致によって生じる在庫

低減する方法 → 生産や購入の小ロット化

(発注サイクルや在庫補充間隔の短縮)

小ロット化には、段取費用の低減(段取り時間の短縮),発注費用の

低減が必要

(2) 見越し在庫 (取引動機による在庫)払い出し(需要)の波のために必要な在庫

・ 販売戦略や方法によって 需要を平準化 することで低減

・ 高需要期と低需要期が異なる 複数の製品を組み合わせて生産

Page 96: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

29

在庫低減の方法(2)

(3) 安全在庫 (予防動機による在庫)需要と供給の不確実性が原因で保有する在庫

低減する方法 → ✓不確実性の低減

✓調達期間(リードタイム)を短くする

※ 平均の調達期間を短くするのではなく 大の調達期間を短縮する

(安全在庫の式より調達期間と出庫量のバラツキが

在庫に影響するため。)(4) エシェロンストックの導入 【個々の在庫点でのみ管理する場合,SCM】

多段階工程において,下流の在庫点で発生した変化(需要変動)は情報伝達の遅れ, ロットまとめや安全在庫の確保など

を含み,上流の在庫点に情報が伝達するため,

対象とする在庫点にある在庫と既にその段階を通過し,システム内

にある在庫の合計(エシェロンストック)を評価することが有効である.

Page 97: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

30

エシェロンストックの計算

E1 =I1+I2+I3 , E2 = I2+I3, E3 = I3

(E1, E2, E3)t+1

= (E1, E2, E3)t - (D1, D2, D3)t

= (45, 35, 20) - (6 , 6, 6 ) = (39, 29, 14)

エシェロンストックの把握

✓末端の在庫点の情報を リアルタイムに各在庫点に伝達 すること

→ エシェロンストックに発注残を加えた在庫水準 を用いた在庫管理

→ 在庫の低減が可能

在庫点1

在庫点2

在庫点3

顧客

I1 =10 I2 =15 I3 =20 E3 =20

E2 =35E1 =45

D3=6 払出し(需要)

I1 =10 I2 =15 I3 =14 E3 =14

E2 =29E1 =39

Page 98: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

31

(5) デカップリング在庫の導入 【主に大規模なSCMで利用される】

・ 多段階生産工程において,見込みで製造された中間製品が受注後に割り当てら

れる途中の工程の在庫をデカップリング在庫と呼び,この在庫は受注された仕様

によって加工される.

・ 中間製品が置かれた工程をカップリング・ポイントと呼び,上流からの供給リードタ

イム(製造と配送により目的地に到着する時間)と下流の顧客からの需要リードタイム

(顧客の要求する受注から納品までの時間)が同一となる場所に置かれる.

✓ 調達リードタイムの削減,需要変動による生産量の平準化と在庫削減が目的.

✓ 需要予測や内示が必要.仕様が後工程で決定する汎用な中間製品が望ましい.

在庫低減の方法(3)

見込み生産,内示による生産 受注生産

顧客

仕様決定の工程デカップリング在庫

Page 99: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

32

在庫の総合評価(1)

(a)在庫量の評価

在庫回転率

在庫がある一定期間内に何回回転するか(何回入れ替わ

るか)を表す. ⇒ 値が大きいほど良い

在庫量回転率 =

期中払い出し高(需要量)

期中平均在庫量 標準在庫量

使用実績量=

Page 100: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

33

在庫の総合評価(2)

資材によって異なる回転率

棚卸し資産回転率 =期中売上原価

期中棚卸し資産平均手持ち高

仕掛り品回転率 =期中製造原価

期中平均仕掛品手持ち高

原材料回転率 =期中製造原価

期中平均仕掛品手持ち高

在庫回転数 =平均在庫量

月間使用量

Page 101: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

34

在庫の総合評価(3)

(b) サービス率

サービス率 =納期内納入件数

受注件数

品切れしなかった回数

発注回数

品切れ率 = 1-サービス率

品切れ件数

受注件数

=納入数量

受注数量

=品切れしなかった日数

営業日数=

=品切れ数量

受注数量=

品切れ回数

受注回数=

品切れ日数

営業日数=

Page 102: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

1

2012年度後期

生産管理 (第10回)

担当:荒川 雅裕

Dec 13 2012

Page 103: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

2

ジャストインタイムが実現できなければ,

余分な製品の在庫発生

商品価値が無くなる → 陳腐化

品切れ

機会損失,顧客の信頼を失う

生産活動の問題点

製造,物流活動

→ 顧客が必要な時刻に製品を供給

ジャストインタイム(JIT)資源

多品種生産では適切在庫の設定が困難

Page 104: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

3

サプライチェーン

新製品開発サイクルと製販サイクル

企画 開発 設計 試作

生産準備

調達 製造 輸配送 販売 運用廃棄

リサイクル

需給計画受注生産計画

新製品開発サイクル

製販サイクル

エンジニアリングチェーン

供給連鎖

複数企業の連携<企業間ネットワーク>

Page 105: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

4

生産管理の機能

管理 = 「計画」 + 「統制」 を行う

管理のサイクル ( PDCA サイクル )(1) 計画 (Plan)(2) 実行 (Do)(3) チェック (Check)(4) アクション (Action) 統制

継続的な改善

生産管理 → 生産活動を継続的,効率的に行なうために

PDCAサイクルを回すための管理技術

効率化を図るための三管理要素

品質 (Quality) ⇒ 品質管理コスト (Cost) ⇒ 原価管理数量・時間 (Delivery)

Page 106: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

5

時間帯域による生産管理の階層例

(中長期)生産計画

基準生産計画

MRP(資材所要量計画)

負荷能力スケジューリング

能力計画

販売予測需要計画

受注

需要予測販売計画

流通在庫

実施

顧客

戦略

戦術

業務

指示

外注

1年,期

週,月

Page 107: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

6

現在の製造業における販売と製造の関係✓時間競争のメカニズム

・・・・ 低価格化+短納期化 の重要視

価格競争

品質・差別化競争

多品種化

製販サイクル短縮(短納期化)

製品ライフ短縮在庫陳腐化加速

在庫圧縮要請運転資本制約

新製品開発サイクル短縮

時間競争変化への対応スピード

価格競争回避

在庫をもつことにより経営が圧迫

製品に対する企業イメージに

影響

Page 108: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

7

製品計画・設計(1)製品 ← 長期経営計画によって決定される

市場調査・分析,ハイテク研究開発

第1:新しい商品が市場に投入される(新設備などの投資)

第2:需要の加速的な増加(競争者の参入)

第3:需要の増加,製品の差別化,シェア争い(価格の低下)

第4:需要の停滞(撤退企業の発生,価格の低下)

第5:需要の縮小(企業の撤退)

市場のライフサイクル

導入期

成長期

競争期成熟期

衰退期

時間

第 1

段階 第 2

段階

第 3段階

第 4

段階

第 5

段階

利益

近年の需要分布【販売前に情報】

目標とする製造終了時期

現在の製造終了時期

在庫による売れ残りを避ける

Page 109: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

商品普及モデル

(1)バスモデル

初回に購入すれば反復的な購入を考慮しなくもよい商品の普及から,

旧式の製品から新技術が採用された普及過程を予測するモデル.

(例) ブラウン管テレビ → 液晶テレビ,プラズマテレビ への買い替え

2タイプの消費者の存在

・ 周囲の人に影響されずに自発的に購入するタイプ: イノベータ

(外的影響によって購買するタイミングを決定)

・ 口コミや雑誌情報による流行を模倣して購入するタイプ: イミテータ

(内的影響によって購買するタイミングを決定)

8

(2)逓減モデル

技術革新を伴う商品普及 → バスモデル

映画の鑑賞人数の推定・・・ バスモデルは不適

(理由) 販売開始時に売り上げの大半が集中,その後は減少傾向

[仮定] 売り出しまでに消費者への情報提供が十分

商品購入は時間経過とともに減少する分布

Page 110: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

9

購買率の分布(モデル)

逓減モデルバスモデル

市場導入後の経過(期)

購買

率(購

買量

)

人気が広まって製品が売れるようになる場合

販売前に情報を与えることで販売初期にほとんどを売る

商品のライフサイクルの短縮

商品例・ 人気の高い製品(アップグレード品)

iPhone, iPad, ゲームソフト・ 映画

製品開発期間の短縮が必要

Page 111: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

10

ライフサイクルの短命化・陳腐化

製品計画

市場のニーズ(要求)に合う製品を企画,研究開発する

機能

(i) 新製品の開発

(ii) 既存製品の改良

マーチャンダイジング(merchandizing)マーケティング,販売側からの商品企画・流通・販売活動

→ 広告宣伝・価格設定に影響

市場調査,顧客の動向調査,営業販売部門の情報

→ 製品の研究開発部(R&D(Research&Development))で生産可能な製品や技術仕様に変換

製品計画・設計(2)

Page 112: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

11

製品計画・設計(3)製品設計

製品の技術仕様を基に,要求機能を果たす製品を図面化すること

(1) 機能設計(functional design)

製品が必要とする機能を保障する設計 (補助的機能の追加)

(2) 生産設計(production design)

生産の変換過程に関する設計.

できるだけ効率のよい経済的な生産の設計

(3)意匠設計(industrial design)

製品に貴重価値を持たせる設計

✓工芸的設計= 感性・装飾性の豊かな美的価値の高い設計

✓人間工学的設計=ヒューマンエラーがない,快適性,安全性などの人間工学に基づく設計

※経済的生産 → (部品の) 標準化,共通化 : 大量生産と在庫量削減

(構造や製造の) 単純化 : 構成部品の削減

Page 113: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

12

製品の(部品)構成に関する分類

組立て生産

プロセス生産

分解生産

生産形態の種類

M1

M2

M3

加工工程原材料

製品中間製品

M1

M1

M2

フローショップのシーケンスを基本とする

Page 114: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

13

生産工程の型

M1

生産工程の型 → 生産管理方式,生産方式の設計 に影響

工程 = 入力を出力に変換する活動のまとまり

ある目的をもった作業あるいは作業場

加工技術の性質によって分類

(1) 単一工程 (2) 多段工程

M1

M2いかなる仕様の加工も1つの

工程で完成できる工程

(一工程に2台の機械があっても可)1つの製品が複数の工程を

通過して完成する工程

Page 115: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

14

多段工程の型① 多段連続工程

直接の配置された工程を順次進行しながら加工され, 終工程で完成品となる (例)めっき,紡績,染色

M1

M2

② 多段合流工程

多品種の原材料または部品からなえい,並列に配置された単一または多段連続工程で加工されながら進行,合流し,組み立てられて 終製品となる

(例)自動車,電機機器

M1

M2

M3

Page 116: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

15

多段工程の型③ 多段分岐工程

単種または複数の原材料が工程を通過するにつれ,複数種の製品または中間製品となる

(例)石油の精製,ガス化学工業

M1

④ 多段複合工程分岐型と合流型をともに取る工程

多段連続型において,ある工程まで進行したものが再度それ以前のいずれかの工程に戻る工程(ループを含む)(例)半導体

M1

M2

M3

Page 117: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

16

製品品種の性質と分類(1)(1) 仕様

✓ 完成品の仕様 もしくは 部品の仕様✓ 仕様の決定方法(下表)

顧客 ・・・ 項目 3,4 生産者 ・・・ 項目 1生産者が用意した中から顧客が選択 ・・・ 項目 2

製品の仕様種類の組み合わせ

項目 製品 部品

1 標準仕様 標準仕様

2 オプション仕様 標準仕様・オプション仕様

3 準特殊仕様 標準仕様・特殊仕様

4 特殊仕様 特殊仕様

Page 118: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

17

(2)品種多品種少量生産の場合では評価が必要である.日程計画(スケジュール)や工程設計から以下のように品種を区分する.

① 製品の加工手順が異なれば,異なる品種とする.② 手順が同じでも,その都度段取替えが必要ならば異なる品種とする.

③ 同一工程で 段取替え を必要としなくても,(単位)加工時間が異なれば異なる

品種とする.

※ 段取替え: ある工程で連続して製品を加工する際,治具や刃物を交換

するなどの加工準備

工程A: 「製品1の加工」→「刃物の取替え」【段取り替え】→「製品2の加工」

製品品種の性質と分類 (2)

内段取り : ラインや機械を止めて行う段取り 【作業時間に含まれる】

(例) 機械を止めて行うプレス型の交換や刃物の交換,加工物の取り付け

外段取り : ラインや機械を止めずに行える段取り【作業時間から除くことができる 】

(例) 加工物や部品の移動(環境によるので注意)

※ 内段取り から 外段取り に段取りの作業を改良する → 作業時間の削減

Page 119: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

18

連続生産(大量生産)と個別生産の比較

Page 120: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

19

(1)ライン生産方式

直線型多段階工程における連続生産の方式

(一もしくは少品種の製品を生産)

(2)ロット生産方式

多段階工程に同一品種をある程度まとめて投入する

ことを異なる複数の製品について繰り返して行なう方式

(間欠生産にほぼ一致)

(3) 個別生産方式

顧客ごとに異なる仕様の製品を生産する(多段階)工程

での方式

生産方式の特徴(1)

Page 121: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

20

項目 ライン生産方式 ロット生産方式 個別生産方式

生産速度生産速度は平均要求速度に等しい

平均要求速度より大きい

生産速度の概念はないが所要時間の概念がある

生産工程製品ごとの単一ラインまたは数品種の混合ラインを設置する

製品ごとの手順計画,日程計画に従って工程ごとにロットにまとめて生産する

注文ごとに手順計画,日程計画に従って各工程で生産する

能力バランス能力バランスをもった工程編成を行う

個別生産方式に準ずる

工程編成上能力バランスの概念はない

段取り替え原則として段取り替えは考慮しない

個別生産方式に同じ各品種に段取替が必要

生産方式の特徴(2)-工程の条件に関する比較-

(複数性品種による)混合生産を含む

Page 122: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

21

工程計画 (1)

✓ 製品設計後,効率的な生産を行なうために具体的な生産工程や作業方法の計画が必要となる

工程設計:

✓ 素材から製品へ変換する生産工程に関する意思決

定(作業の流れ(ワークフロー),加工設備の決定)✓ 生産対象とする各製品製作に要する生産加工(作業)の

流れ( ワークフロー )の決定

作業設計:

✓ 各工程でなされる具体的な作業に関する意思決定

Page 123: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

22

工程設計(2)

工程設計 = 各作業を実施するためのワークステーション(生産設備)の選定

既存工場 : 現有生産設備で可能な加工を基にワークフロー

を決める

新規工場 : 効率的なワークフローの設計

→ 財務投資計画から生産設備を設計

ワークフロー:

素材が製品に変換する加工のプロセスを構成する

作業(オペレーション)の集合とその順序(シーケンス)

作業設計,レイアウト設計 に利用

Page 124: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

23

工程分析(現状の工程)製品の製造プロセスを単純化することで現状の分析と改善策の検討✓ 生産対象とする各製品製作に要する生産加工(作業)の流れ(ワークフ

ロー)の決定✓ ワークステーション(設備)の選定のデータ作成

工程設計(生産準備)ワークステーションの選定,加工手順・組み立て順序の決定

(検討事項:切削加工の場合)1.CADを利用して設計されたデータには形状の特徴や,大きさ,公差など

の情報が含まれる.→ 形状特徴の分析 → 必要な加工作業の検討 に利用

2.原材料の選定 → 形状,大きさ,重量の検討3.加工順序の決定 (穴の加工→面切削)4.工作機械の選定 (機械の機能,生産コスト,時間および生産量を考慮)

類似する形状,構造 → 同一(類似)加工方法 → 同一機械で加工可→ 異なる形状,構造でもまとめて作業できる

工程設計(2)

Page 125: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

24

合成工程パターン(組立て生産)M1

M2

M3

加工工程原材料

製品中間製品

M1

M1

分解工程パターン

単流工程パターン

加工設備を直列に配置した構成プロセス生産

複数の製品(主製品・副産物)が生成される分解生産

並列的工程を経て単一工程に組入れられ単一製品が生成される 組み立て生産

工程設計(3)- ワークフローの種類 -

Page 126: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

25

分解工程パターンの例

石炭化学工程の例生産システム工学人見著 共立出版から引用

工程設計(4)- ワークフローの種類 -

Page 127: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

工程分析記号

分類 記号 名称 意味

作業作業 材料,半製品,部品を加工(分

解含む)している状態

運搬運搬 材料,半製品,部品の移動

検査

数量検査

数量を調べる工程

品質検査

品質を試験する工程

停滞

滞留 材料,半製品,部品がプロセス内に滞っている状態

貯蔵 材料,半製品,部品が計画的に休止,停滞している状態

26

フロー・プロセス・チャート工程内の作業の流れを図で示したもの.1つの材料や部品が加工されるプロセスを示した図や,1つの製品が製造される工程を示した図が用いられる.

時間(min)

距離(m)

360 部品Aの貯蔵(倉庫X)

2 部品Aを搬送車に乗せる

10 50 部品Aを移動

2 部品Aを搬送車から降ろす(工程Yの物置場)

部品Aの作業待ち

20 部品Aを加工L (工程Y)

5 部品Aを検査(工程Y)

0.5 1 部品Aを移動(置き場Z)

60 部品Aを貯蔵(置き場Z)

Page 128: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

フロー・プロセス・チャートの利用例

フロー・プロセス・チャート

「新版IEの基礎」藤田彰久著 建帛社 より27

問題点の分析

Page 129: 2012年度後期 生産管理 第6 - pse.web.nitech.ac.jppse.web.nitech.ac.jp/doc/12_06-10.pdf · (両ジョブの同時処理) のいずれかを取って進む. ⇒ なるべく対角線方向に進み,終点に到達するように移動

28

ワークステーション(生産設備)の選定

ワークフローに合致するワークステーションの選定

利用可能な生産設備の組み合わせ案 経済的観点から評価

ロット量の大きさによる工作機械の損益分岐図

大小

同一製品で生産量大

ロット量大専用機による大量生産

多品目で生産量小

ロット量小汎用機による少量生産

多品種生産には不向き

大量生産には非効率