2015:1:9 現代人の哲学

31
年年 年年 年年 年年 201519()3 年年年年年年 年年年年年年年 () 年年年年年年年年年年 年年年年年年年 年年年年年年 年年年年年年年 年年 年年

Upload: tomoyasuudo

Post on 05-Aug-2015

445 views

Category:

Lifestyle


1 download

TRANSCRIPT

2015年1月9日(金)3限

課題探究科目(現代人の哲学)神は本当に死んだのか

国際総合科学部 国際教養学系人間科学コース 3年

有働 智康

キリスト教の「神」ではない"神"

かみ【神】

① 人間を超越した威力を持つ、かくれた存在。人知を以てはかることのできない能力を持ち、人類に禍福を降すと考えられる威霊。人間が畏怖し、また信仰の対象とするもの。

② 日本の神話に登場する人格神。

③ 最高の支配者。天皇。

④ 神社などに奉祀される霊。

⑤ 人間に危害を及ぼし、怖れられているもの。ⅰ. 雷、なるかみ。ⅱ . 虎・狼・蛇など。

⑥ キリスト教で、宇宙を創造して支配する、全知全能の絶対者。上帝。天帝。

《広辞苑 第五版》

『実存主義とは何か』(配布資料より引用)

  ドストエフスキーは、「もし神が存在しないとしたら、すべてが許されるだろう」と書いた、それこそ実存主義の出発点である。いかにも、もし神が存在しないならすべてが許される。したがって人間は孤独である。なぜなら、人間はすがりつくべき可能性を自分のなかにも自分のそとにも見い出ししえないからである。人間はまず逃げ口上をみつけることができない。もしはたして実存が本質に先立つものとすれば、ある与えられ固定された人間性をたよりに説明することはけっしてできないだろう。いいかえれば、決定論は存在しない。人間は自由である。人間は自由そのものである。もし一方において 神が存在しないとすれば、われわれは自分の行いを正当化する価値や命令を眼前に見出すことはできない。こうしてわれわれは、われわれの背後にもまた前方にも、明白な価値の領域に、正当化のための理由も逃げ口上ももってはいないのである。

サルトルの無神論

『神は死んだ』

『神は死んだ』フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ

Friedrich Wilhelm Nietzsche( 1844-1900 )

代表的な著書• 『悲劇の誕生』• 『反時代的考察』• 『人間的な、あまりにも人間的な』• 『曙光』• 『悦ばしき知識』

(配布資料内『華やぐ知恵』)• 『ツァラトゥストラはかく語りき』

• 幸福

• 正義(善悪)

• 平和

• 美しさ

• 愛

• 死「神」

「神」

絶対的価値

世界で一番正しい全ての事柄の根拠唯一つの正解

「常識」

宗教的意義=信仰の対象一神教

キリスト教イスラム教ユダヤ教

多神教仏教神道

ヒンドゥー教

人生

「神」

知識 道徳

意味意味意味

神科学

↑(啓蒙思想)↑知識

道徳「誠実さ」「信仰を守りた

い」

「真実を知りたい」

否定

「神」の喪失

• 絶対的価値の喪失→唯一つの正解の喪失

→人生の意味の喪失

• 「全ては無意味だ」→ニヒリズム

• 『神は死んだ』

• 『神は死んだ』≠「神は存在しない」

=キリスト教的道徳社会の崩壊(「神」の喪失)

神は本当に死んだのか

• 『神は死んだ』

• 無神論

1. 「神」の死="神"の死?

2. "神"なき世界?

3. そもそも"神"とは?

• 無神論「"神"も絶対的価値を失ったから死んだのだ。だから現代に"神"は存在しない。」

多様な価値観• お金• 容姿• 性格• 学歴、職歴• 権力

• 法律• 科学• 理性

絶対的価値と多様な価値観

価値価値

価値

価値価値

価値

価値

価値

価値

絶対的価値?

絶対的価値という虚構

価値価値

価値価値

価値価値

価値

価値

価値"神"?

価値

価値

価値

価値

価値

価値

"神"という「言葉」

• 「神がかり」

• 「神のみぞ知る」

• 「神のイタズラ」

• 「神も仏も無い」

価値に翻弄されている私達• 自分自身の固有な経験

• 「職場では上司の言うことに逆らうな」「学校では先生の言うことが正しい」「両親」「法律」

• 他者との関わり

• 「お金を出せば食べ物が買える」「見た目や性格が良ければ人気者になれる」「大学を卒業して就職すれば安定した将来が過ごせる」

• →「常識」=当たり前にそうあるもの

"神"という体験

• 多様な価値に従っているつもり→実は絶対的価値に従う体験をしている

• 私達が「常識」を受け入れる=絶対的価値に従う

キリスト教的「神」を信じる≒

• 無神論「あなたは"神"をリアルに感じているというが、それは全く無意味なことだ。なぜなら、あなたが従っていると感じているその絶対的価値は虚構であって、論理的には実在しえないからである。よって人生に意味を与えているかのような"神"も、論理的に考えて存在しているはずがない。そして現にあなたは"神"が存在しなくとも、こうしてちゃんと生きている。だからあなたが"神"の存在を感じて生活することには意味が無い。」

"神"は虚構

• "神"という虚構を体験する=居ないはずのものを、居ると思い込む

• "神"を体験して生きることは無意味?

"神"は生きた「常識」

• なぜ私達は、人生に意味を与えて

くれる存在"神"を求めるのか?

完全徹底的無神論• 「絶対的価値"神"は存在しない」

=意味を全く与えられない人生

• 「常識」は全て虚構

• あらゆる意味づけを否定→「全く無意味な人生」

• 全ての可能性は、永遠に実現しない

• どんなものからも価値が見出せない

無神論が行き着く先

•ひたすらに「全ては無意味だ」

→ニヒリズム

• 「全ての価値に従わない故に、全く意味のない人生を送る人間」

人間の境界

• 虚構を求める

• 完全な無意味を受け入れる

• 『神は死んだ』

• 「神」=宗教的意義

"神"=絶対的価値

• 無神論

1. 「神」の死="神"の死?

2. "神"なき世界?

3. そもそも"神"とは?

小レポート・感想

「あなたにとって"神"とは何ですか?」

ご清聴、ありがとうございました。