2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者...

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2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者とつながる 消費財業界 Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited © 2015. For information, contact Deloitte Touche Tohmatsu LLC. デロイトトーマツ グループは日本におけるデロイトトウシュトーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファーム およびそのグループ法人(有限責任監査法人 トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャル アドバイザリー合同会社、税理士法人トーマツおよびDT弁護士法人を含む)の総称です。デロイトトーマツ グループは日本で最大級のビジネ スプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、法務、コンサルティング、ファイナンシャルアド バイザリー等を提供しています。また、国内約40都市に約8,500名の専門家(公認会計士、税理士、弁護士、コンサルタントなど)を擁し、多国籍 企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。 Deloitte (デロイト)は、監査、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリーサービス、リスクマネジメント、税務およびこれらに関連する サービスを、さまざまな業種にわたる上場・非上場のクライアントに提供しています。全世界150を超える国・地域のメンバーファームのネット ワークを通じ、デロイトは、高度に複合化されたビジネスに取り組むクライアントに向けて、深い洞察に基づき、世界最高水準の陣容をもって 高品質なサービスを提供しています。デロイトの約220,000名を超える人材は、 “making an impact that matters”を自らの使命としています。 Deloitte (デロイト)とは、英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)ならびにそのネット ワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します。 DTTLおよび各メンバーファームはそれぞれ法的に 独立した別個の組織体です。 DTTL (または“Deloitte Global”)はクライアントへのサービス提供を行いません。 DTTLおよびそのメンバーファーム についての詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。 本資料は皆様への情報提供として一般的な情報を掲載するのみであり、その性質上、特定の個人や事業体に具体的に適用される個別の事情に 対応するものではありません。また、本資料の作成または発行後に、関連する制度その他の適用の前提となる状況について、変動を生じる可能 性もあります。個別の事案に適用するためには、当該時点で有効とされる内容により結論等を異にする可能性があることをご留意いただき、 本資料の記載のみに依拠して意思決定・行動をされることなく、適用に関する具体的事案をもとに適切な専門家にご相談ください。

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2015年のコンシューマーグローバル企業動向ネット消費者とつながる消費財業界

Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited© 2015. For information, contact Deloitte Touche Tohmatsu LLC.

デロイト トーマツ グループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファームおよびそのグループ法人(有限責任監査法人 トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、税理士法人トーマツおよびDT弁護士法人を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、法務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています。また、国内約40都市に約8,500名の専門家(公認会計士、税理士、弁護士、コンサルタントなど)を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。

Deloitte(デロイト)は、監査、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリーサービス、リスクマネジメント、税務およびこれらに関連するサービスを、さまざまな業種にわたる上場・非上場のクライアントに提供しています。全世界150を超える国・地域のメンバーファームのネットワークを通じ、デロイトは、高度に複合化されたビジネスに取り組むクライアントに向けて、深い洞察に基づき、世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを提供しています。デロイトの約220,000名を超える人材は、“making an impact that matters”を自らの使命としています。

Deloitte(デロイト)とは、英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)ならびにそのネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します。DTTLおよび各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個の組織体です。DTTL(または“Deloitte Global”)はクライアントへのサービス提供を行いません。DTTLおよびそのメンバーファームについての詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。

本資料は皆様への情報提供として一般的な情報を掲載するのみであり、その性質上、特定の個人や事業体に具体的に適用される個別の事情に対応するものではありません。また、本資料の作成または発行後に、関連する制度その他の適用の前提となる状況について、変動を生じる可能性もあります。個別の事案に適用するためには、当該時点で有効とされる内容により結論等を異にする可能性があることをご留意いただき、本資料の記載のみに依拠して意思決定・行動をされることなく、適用に関する具体的事案をもとに適切な専門家にご相談ください。

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はじめに

世界経済の見通し

ネット消費者とつながる消費財業界

世界の消費財関連企業上位250社

上位250社の注目点

上位10社

地域分析

製品セクターによる分析

上位250社への新参企業

急成長企業50社

M&A活動

Qレシオ分析

調査手法および情報源

連絡先

目次

デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(DTTL)は、ここに年次レポート「コンシューマーグローバル企業動向」の8冊目を発行する。本レポートでは、2013年度(2014年6月までに期末を迎える各企業の事業年度が対象)について一般に入手可能な情報に基づき、消費財に関連する全世界の企業のうち大手250社を分析する。

また本レポートでは、世界経済の見通し、消費財業界の時価総額、同業界におけるM&A活動について検討、分析するとともに、ネット消費者とつながることの重要性について説明する。

12015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 3: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしている。従来の銀行を経由しない貸付けによって、不動産、インフラ、重工業に過剰な投資が行われている。その結果、不稼働資産が膨れ上がり、金融システムの安定を脅かしている。実際、政府による最近の評価では、過去5年間に6.8兆ドルの投資が無駄になったとされている。それでも、この問題を抑制する対策は、成長鈍化の一因となっている。政府は、金融リスクを抑制する方針と急激な景気減速を回避する方針との間で板挟みになっており、シャドーバンキングの膨張を抑制する措置を講じつつ、それと同時に、金融緩和政策によって従来型の与信を促進しようとしている。実際、金利の引き下げが行われ、銀行の預金準備率も引き下げられている。問題は、不動産や工業に相当な過剰生産能力が存在する下では、金融緩和政策を推進しても、必ずしもクレジット市場が活性化するとは限らないということにある。そのうえ、そうした活性化が有益であるかどうかも明らかではない。金融緩和策は、過剰生産能力の問題を一層深刻化させ、卸売物価の下落を加速させ、最終的には財務損失を招く可能性がある。

米国米国経済はますます拡大しており、2015年の成長率は2005年以降で最高になると見られる。景気に力強さは見られるものの、2015年第1四半期には軟化の兆しも現れている。これは、米国の多くの地域における悪天候を部分的に反映している可能性がある。一方、諸外国における景気低迷の影響やドル高の悪影響を反映している可能性もある。しかし、最も重要な明るい兆しは、非常に好調な労働市場である。また、企業投資の回復が間もなく始まるという兆候もある。米国経済の中で低迷している主要な部門は住宅である。過去1年間の指標は、住宅ローン金利の上昇、住宅価格の上昇、さらには、初めて不動産を購入する人が学資ローンによる負債を抱えていることが多いという事実のために、不規則に変動してきた。しかし、住宅価格が安定しつつあると見られること、住宅ローン金利が低下していること、雇用の伸びが好調であること、そして相当な潜在需要が存在することを考慮すると、住宅の中期的な見通しは明るい。現在のところ、取引は一戸建て住宅よりも集合住宅に偏っている。

さらに、原油価格の急落を一因として、インフレ率はFRBの目標である2.0%を大幅に下回ったままである。そのため、FRBは少なくとも2015年末までは、8年ぶりとなる短期金利の引き上げに踏み切らない可能性が高い。また、低インフレとエネルギー価格の下落が、消費者の購買力を押し上げるのに寄与している。さらに、少し前とは異なり、財政引き締め策はとられていない。経済が好調なため、財政赤字は大幅に減少しており、その結果、赤字対策を求める政治的圧力はほぼ消え失せている。歳出削減と増税が実施されていないため、2012~2013年に成長率を抑制していた要因がなくなっている。

長期的に見ると、米国は人口動態に起因する困難に直面している。労働力の増加が引退世代の増加に追い付かないため、経済成長の鈍化、2020年代半ば以降における財政赤字の増大、民間部門と州・地方政府における年金積み立てが困難になるなどの悪影響が現れると見られる。人口動態に起因する問題の解決策としては、移民の受け入れ拡大、平均退職年齢の引き上げ、増税による政府の高齢者支援プログラムの財源確保、退職に備えた貯蓄を人々に促すインセンティブの設定などが考えられる。 欧州本レポート執筆時点において、ユーロ圏の経済は深刻な不振に陥っており、物価が下落している。成長は伸び悩んでいるものの、雇用の好調な伸び、小売売上高の増加、製造業の業績向上、クレジット市場における一定の状況改善など、改善の兆しがいくつか見られる。それでも、これだけでは十分ではない。主要な問題は、クレジット市場の低迷による企業投資の不足である。この結果、雇用が伸び悩み、失業率が高水準になっている。クレジット市場の低迷は、不振に陥った銀行が高リスク資産を売却し、新規購入を手控えることで資本構成を変更しようとしていること、ソブリンリスクに対する懸念から欧州の周縁部でリスクスプレッドが高まっていること、デフレ懸念が存在することなど、いくつかの要因から生じている。適度に積極的な金融政策によって広義のマネーサプライが伸びているにもかかわらず、民間部門に対する銀行貸し出しは減少し続けている。

クレジット市場の問題に対処するため、欧州中央銀行(ECB)は、過去と比べてはるかに積極的な金融政策を最近になって導入した。具体的には、超低金利、民間部門への貸付けに充当することを条件とした銀行に対する低利の直接融資、さらに最も重要なものとして、国債の購入(いわゆる量的緩和)などである。初期の兆候は悪くはないが、量的緩和だけでは、力強い成長を取り戻すのに十分ではないと考えられる。欧州は、財政政策の一層の緩和、主要国内におけるさらなる経済再編、ユーロ圏内における一段の金融統合をなお必要としている。

世界的な重大問題原油価格の下落本レポート執筆時点で、世界の原油価格は、2014年上半期の水準から50%超下落している。原油価格の下落を引き起こしたのは、世界的な需要低迷と、米国、カナダ、イラク、リビアにおける大幅な原油増産である。とはいえ、主な要因は米国にある。ノースダコタ州とテキサス州でのフラッキングによる原油生産が世界の石油業界を一変させたのである(「フラッキング」と呼ばれる水圧破砕法では、高圧の流体を岩石層に注入して原油・天然ガスを抽出する)。もう1つの大きな要因は、サウジアラビアが原油価格の押し上げを目的とした減産はしないという決定を下したことである。より正確に言うと、サウジアラビアは、原油価格を下落させてでも、フラッキングによる生産に打撃を与えて市場シェアを獲得しようとしている。

原油価格の下落は、世界経済に多大な影響を及ぼしている。原油価格の下落に伴い、特に米国、欧州、日本など先進国市場でインフレ抑制圧力が生じている。また、日本、インド、米国および欧州の多くの国で消費者の購買力が高まり、通常よりも高い経済成長を促している。一方、ロシア、イラン、ベネズエラ、ナイジェリアなどの産油国は手痛い打撃を被っている。最も重要なのは、原油価格の下落を一因として、米ドルの価値が驚くほど上昇していることである。石油輸出国はドルで支払いを受け、そのドルを利用して世界の他の国から財や資産を購入する。原油価格が下落した結果、そうした購入に利用できるドルの供給が減少している。このドルの不足によって、ドルの価値が上昇しているのである。 今後、どのような事態を予想できるだろうか。短期的には、原油価格がさらに下落すると考えられる。すでに相当な量の新規原油生産を計画中の米国では、2015年にその操業を開始すると予想されており、原油の在庫が積み上がり続けている。一方、中長期的には、原油価格の低迷によってフラッキングへの投資にブレーキがかかる可能性が高い。実際、すでに採掘許可件数が減少し、石油会社の設備投資は落ち込んでいる。したがって、世界の需要が急激に上向き始めるまさにそのときに、米国で生産が減少に転じる可能性がある。そうなれば、原油価格は今後1~2年程度で確実に反騰することになる。原油価格の上昇は、石油消費国にとってインフレ圧力となり、対外債務の返済を圧迫する。また、少なくとも米国では、金融政策をさらに緊縮することを余儀なくされる可能性が高い。これは特にロシア、イラン、ベネズエラ、メキシコのような石油輸出国にとっては有益となる。

米ドルの上昇2014年と2015年初頭における重大問題の1つに、米ドルの価値が他の大部分の主要通貨に対して急上昇していることが挙げられる。これには原油価格の下落、米国における高い経済成長率、米国の利上げに対する期待、欧州、中国、日本における景気低迷と積極的な金融政策などいくつかの理由があった。ドル高はさまざまな影響を及ぼす。1つ目に、米国では、ドル高によって輸入価格が下落するため、インフレ抑制効果が働く。その結果、米連邦準備制度理事会(FRB)は短期金利の引き上げを先延ばしすることが可能になる。2つ目に、ドル高がその他すべての国にとってインフレ圧力となり、インフレ率が低過ぎる欧州や日本にとっては好材料となる一方で、多くの新興市場では問題となる。実際、一部の新興国は通貨の安定とインフレ抑制のために短期金利を引き上げ、景気減速を招いている。3つ目に、ドル高は、ドル建て債務を抱える新興国の企業にとって問題となる可能性がある。そのような債務の額は、過去7年間で4倍に増えている。今後については、為替レートを正確に予測するのはほぼ不可能だが、少なくとも2015年初頭において、ドルが引き続き上昇圧力にさらされる可能性は高いと考えられる。

主要市場中国中国の経済は減速しており、政府の景気対策にもかかわらず、引き続き軟化の兆しをみせている。中国経済は2014年に7.4%成長したが、この成長率は1990年以降で最低である。中国政府は、今年の成長率が7.0%にとどまると予想している。低成長の下では、農村部から都市部に移住する労働者を吸収できなくなる可能性がある。そうなると、失業率が上昇し、社会不安が発生する。そして、労働者が移住しなければ、中国は成長しない。労働者が農業部門から工業部門に流入することで生じていた生産性の向上が止まるからである。したがって、中国は成長率を大幅に落とすわけにはいかない。

中国経済が減速している要因は、以下の通りである。1つ目に、欧州などの輸出市場が低迷している。米国市場でさえ、中国にとってかつてのような存在ではなくなっている。さらに、近年、中国の賃金と通貨が上昇しているため、中国の輸出は競争力をそがれている。その結果、一部の生産設備が中国国外へ移転している。企業は、輸出向け商品の生産地として別の地域に目を向けており、単純な組立工程を中国からベトナムやインドネシアなどに移転している。

世界経済の見通し

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2014年11月、安倍首相は、2015年10月に予定されていた2回目の増税を18か月延期すると発表した。アベノミクスの第3の矢に関して安倍首相が何を実施するかについては、今のところ定かではない。当初約束した政治的に難しい改革を、ついに実施するのだろうか。この改革には、労働市場の自由化、生産物市場の規制緩和、自由貿易、コーポレートガバナンスの改善、女性の労働参加を拡大するインセンティブなどが含まれる。最後の2つの課題について、首相はすでに一定の措置を講じている。アベノミクスの支持者たちは、現在、首相がこれらの課題すべてに取り組むことを望んでいる。首相がこれらの改革を行えば、企業の生産性にプラスの効果をもたらす可能性があるほか、企業の景況感を押し上げ、ひいては投資を増加させると考えられる。

日本銀行の金融政策については、米国で実施された政策と比較して、現在、極めて積極的である。さらに、現在の路線に基づくと、日本銀行の資産の対GDP比は大幅に増加すると予想される。この政策は最終的に、物価上昇率を要求される水準まで押し上げるだろうか。この問いに答えるのは難しい。日本ではデフレ心理が非常に強く、克服するのは容易ではない。これまでのところ、この政策はインフレ率よりも日本の資産価格に大きな影響を与えており、こうした状況が続く可能性がある。

ブラジル2015年初頭の時点で、ブラジルの経済は不況に陥っている。その原因は、

(中国の景気減速による)商品価格の急落、中央銀行によるインフレ対策と通貨安定のための高金利政策、政府の規制重視と保護主義政策による企業心理の冷え込みである。さらに、ブラジルは米ドル高に悩まされており、これは中央銀行が金融引き締め策をとっている理由の1つになっている。2014年秋の選挙で、ジルマ・ルセフ大統領が2期目を務めることになった。大統領はその後、市場志向が強い財務相を任命したが、約束している緊縮財政と経済改革を大統領が実施できるかどうかについては、依然として定かでない。投資家が望んでいる政策は、(財政赤字を削減し、資源をインフラ投資に振り向けるための)政府による社会支出や補助金の削減、労働および生産物市場の規制緩和、一層の貿易自由化などである。貿易について、ブラジルは比較的保護主義的な経済のままである。GDPに占める貿易の割合は、中国やインドよりはるかに小さい。改革の意見は、生産性の向上とブラジルの競争力強化を視野に入れている。国内需要が近い将来に成長の主要な源泉になるとは考えにくいため、こうした改革は重要である。消費者の負債がすでに莫大であるため、個人消費は制約されざるを得ない。これまでの主要政策として、ルセフ大統領は、財政措置によって貧困層の購買力を押し上げる取り組みを行っている。

インドインドでは2014年に極めて重要な選挙が行われ、ナレンドラ・モディ氏が首相に選出された。過去30年を超える歴史の中で、首相の政党が議会で初めて過半数を獲得したため、改革法案成立への期待が高まっている。しかし、首相就任後、最初の半年間に提出された改革法案は多くはなく、モディ氏の勝利に熱狂した支持者の失望を買っている。支持者たちは、首相が産業と労働市場の規制緩和を行い、財政負担の大きい補助金を削減し、インフラ投資を増大させるとともに、自由貿易交渉を進め、海外投資に対する制限を緩和することを期待している。モディ首相がこれらの政策を実行すれば、インドの成長見通しは大幅に改善すると考えられる。一方で、経済成長は低迷から回復しつつあるが、依然として潜在成長率を下回っている。中央銀行は何とかインフレ期待を抑制しており、これが成長率にプラスの効果をもたらすはずである。さらに、原油価格の下落がインフレと成長率の両方に対してプラスに働いている。

ロシアロシアの経済は苦境にある。ウクライナ危機と制裁の実施に伴い、ロシアからの大規模な資本逃避が発生したため、通貨が急落している。このため、中央銀行は数回にわたって大幅な利上げを行った。その結果、海外投資をはじめとする投資が干上がっている。さらに、世界的な原油価格の下落も、通貨に対する下落圧力の一因となり、ロシアの債務者の対外債務返済能力に対する懸念を強めた。制裁が実施された結果、ロシアの一部の大企業は海外の金融市場へのアクセスが制限されるため、対外債務のロールオーバーに支障をきたすことになる。すでにリスクスプレッドは大幅に拡大している。一部のエネルギー企業は、北極海の油田開発に必要な技術を利用できなくなり、これにより、制裁が解除されない場合には、石油生産が落ち込む可能性が高い。2015年初頭までに、中央銀行は為替市場への介入を中止し、利下げを開始していた。原油価格が暴落する中、ルーブルは下落を続け、インフレ率の上昇を招くとともに、ロシアの債務者問題を一層深刻化させている。実際、ロシア政府はすでに、制裁によって打撃を受けた一部のロシア企業に金融支援を行っている。

南アフリカここ数年、経済成長が着実に鈍化しており、現在は年率でわずか1%強である。インフレ率は高いが、エネルギー価格の下落のために低下している。南アフリカは、労働争議、商品価格の下落、電力不足、投資の不足によって打撃を受けている。一方で、原油価格の下落は、2015年に消費者の購買力を押し上げるはずである。それでも、通貨(ランド)が圧力を受けているため、インフレ率が上昇し、中央銀行の柔軟性が制約されている。成長率は2015年以降に上昇に転じると予想されるが、大部分のアナリストは南アフリカの潜在成長力が限定的であると見ている。成長率は3~4%の水準に回復すると見込まれており、これは他の多くのアフリカ諸国の水準を大幅に下回っている。しかし、南アフリカはビジネス環境が整備されているため、引き続きアフリカ大陸におけるビジネスと金融の重要な中心地になると予想される。

以下では、欧州の特定の国についていくつかの分析を示す。

フランスフランス経済は景気後退の危機に瀕している。経済が停滞し、失業率は高止まりしている。企業の景況感は低迷し、デフレに陥る危険がある。主な問題は、企業投資の落ち込みである。フランスにおける大問題は、現在の政府が経済の構造的問題に取り組んでいないことにある。フランスは、生産性の低迷、高い労働コスト、労働市場の規制、高い税率のために競争力を失っている。これらの要因は、企業が積極的な投資を手控える一因となっている。最近、オランド大統領は、ドイツと国際通貨基金(IMF)からの圧力の下、改革に積極的なマニュエル・ヴァルス氏を首相に任命した。ヴァルス氏は金融サービス業の経歴を持っているため、より市場を重視した政策を実施することが期待されている。とはいえ、新首相は、オランド大統領自身の社会党からの相当な抵抗に直面している。信頼できる改革政策が実施されれば、投資に対して大きなプラスの効果をもたらす可能性がある。

ドイツドイツ経済は持ち直している。企業の景況感は回復しており、その一因として堅調な消費需要が持続していることが挙げられ、これが経済成長をけん引していると見られる。実際、ドイツは異例の低失業率を示している。ドイツのエンジン輸出が諸外国の景気低迷から障害に直面する中、この低失業率は好材料である。ユーロ圏に関して、ドイツは引き続きフランスとイタリアに構造改革の実施を働きかけている。また、ドイツ政府はインフラ投資の増額が必要であることを認めながらも、金融・財政面における景気刺激策強化の要求には抵抗している。 イタリアイタリアの経済実績は、過去15年間、欧州諸国の中で最低となっており、経済がほとんど成長していない。これに放漫な財政が加わった結果、債務の対GDP比は極めて大きくなっている。とはいえ、イタリアは貯蓄率が高いため、債務の返済に支障をきたしたことは一度もない。こうした事情は、ギリシャの債務問題の波及効果によってイタリア国債の利回りが大幅に上昇したときに変化した。しかし、ECBがユーロを救うために「必要なあらゆる手段をとる」と約束すると、国債利回りは低下した。また、緊縮財政により、債券投資家たちはイタリアが回復軌道にあると考えるようになった。それでも、緊縮政策により成長が低迷している。イタリア政府が本格的な改革を実施しないため、企業の景況感も損なわれている。その結果、主に投資の急減を理由に、イタリアは景気低迷に陥っている。イタリアは景況感の悪化、デフレ、そして相対的に高い資本コストをもたらす高リスクスプレッドに見舞われている。マッテオ・レンツィ首相は、改革を約束することで有権者の期待を集めた。しかし、首相は労働者による大規模な抗議などの障害に直面している。

スペインスペインは予想に反して、ユーロ圏の大国の中で最も好調な経済実績を示している。ユーロ圏ではほかにも、より小規模な数か国、特にアイルランドとポルトガルが非常に好調である。スペインの場合、際立った特徴は、ここ数年、欧州の他の主要国と比較して事業者の労働コストが低下していることである。言い換えれば、スペインは賃金抑制、労働市場の自由化、生産性の向上を組み合わせることで競争力を獲得している。その結果、スペインの輸出は極めて好調な実績を上げている。さらに、他のユーロ圏諸国とは異なり、スペインでは企業の景況感が上向いていることから、企業投資が拡大している。しかも、失業率が23%と未だに極めて高いとはいえ、大幅に低下している。こうした事情とエネルギー価格の下落を一因として、個人消費が穏やかに増加している。一方で、スペインはデフレに陥っている。デフレが解消されない場合、スペインが達成してきた成果は損なわれる可能性がある。 英国英国は、現在、主要工業国の中で最も早い経済成長を達成している。以前は、長期にわたって景気が低迷し、政府による本格的な緊縮財政が低迷に拍車をかけていた。しかし今では、極めて積極的な量的緩和プログラム、住宅に対する政府の支援、(賃金抑制と生産性の向上に伴う)英国産業の国際競争力の強化、失業率の低下、相当な潜在需要など、一連のプラス要因が英国の景気を押し上げていると見られる。一方で、近隣のユーロ圏経済の低迷が英国にとって足かせとなっている。それでも、(イングランド銀行にとって緊縮的な金融政策を避ける理由となっている)極めて低いインフレ率、(インフレ抑制要因であり、消費者の購買力を押し上げている)ポンド高、エネルギー価格の下落など、いくつかの理由から、中期的な見通しは依然として明るい。

日本日本は大規模増税の後、2014年に景気後退に陥り、個人消費と企業投資が落ち込んでいる。こうした結果は意図されていなかった。2年ほど前に首相に就任した際、安倍晋三氏は「アベノミクス」の「3本の矢」で特徴付けられる急激な政策転換を打ち出した。3本の矢とは、財政刺激策、積極的な金融政策、構造改革(基本的には規制緩和と自由貿易)である。3本の矢のうち、実施されたのは金融政策の1つだけで、日本銀行(BOJ)が最終的に2.0%の物価上昇達成を目標に、無制限の量的緩和を行った。この政策の効果は、円安、株価上昇、インフレ率の上昇、実質金利の低下という形で現れた。当初、この政策は景気にプラスの効果を与えたが、その後、状況は変化した。賃金が想定通りに上昇せず、消費者の実質購買力が落ち込んだことで、個人消費にマイナスの影響を与えている。世界の他の地域は下支えになっておらず、外需の低迷によって輸出が打撃を受けている。しかし、最大の問題は、2014年4月の大規模増税の実施であった。この政策は、安倍首相の就任時にはすでに準備が進んでいた。この増税は悪影響をもたらし、景気後退を招いた。

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ケーススタディ:Shapeways3Dプリント企業であるShapewaysでは、消費者が自分の求める製品を設計できるサービスを提供している。顧客は自分の設計をShapewayのウェブサイトにアップロードし、使用する素材に応じた見積価格を確認する。また、Shapewayフォーラム上で「専門家」の助けを借りて設計を改良したり、既存の設計を選んで小さな変更を加えてから発注したりできる。

出典:「A billion to one: The crowd gets personal」(Deloitte University Press、2015年1月26日)

大衆の力の活用影響力を強めた消費者は、その行動が競争を激化させ、イノベーションを促すため、成長の重要な原動力となる同様の考えを持つ人々が体験を比較し、集団で声を上げることができることから、消費市場に1つの勢力が生まれ、レビューや推奨コメントにとどまらず、共同制作を行うに至っている。

企業は、個々の消費者やコミュニティの意見を自社のバリューチェーンに組み込もうと努力している。多くの企業がセンサー、デジタルデータ、スマートフォンのやり取りを利用して、自社の製品やサービスに改良を加えている。

LegoやQuirkyなど一部の企業は、大衆の力を利用して自社製品の開発を推進しており、Coca-Colaなど別の企業も、顧客の意見を活かしてマーケティングキャンペーンを展開している。

企業は、数千人から数百万人もの個人データを利用することで、特定の消費者の特徴や行動から、その消費者の全体像を把握することができる。これにより、デザイン担当者は消費者のニーズにぴったり合った、またはできる限り近づけた製品やサービスをカスタマイズして提供することができる。

デロイトでは、このように大衆の発想から独自の顧客製品やサービスを生み出すことを「ビリオン・ツー・ワン」(billion-to-one)現象、またはB2ONE体験と呼んでいる。下図に示すように、消費者の体験がプロセスの各段階、すなわち製品やサービスの発案、設計、製造、最終的な量産にまで取り入れられている。

消費者の会話への参加消費財関連企業は、これまで以上に消費者と直接関わる必要がある消費者は絶えず、至るところで会話をしている。そして、製品やサービスに関する会話の主導権を握りつつあるのは、企業ではなく消費者である。供給が主導権を握っていた世界は、今や需要が主導権を握る世界となっており、そこでは消費者が主役となっている。今日の消費者は、批判者や管理者にとどまらず、次第に制作者となりつつある。かつては、消費者は提供されている限られた製品やサービスを購入するしかなく、コミュニケーションは一方通行で、マーケティング会社や広告代理店の完全な管理下にあった。それが今日では、個々の消費者がアイデアやニーズ、ひらめきを出発点に、自分の欲しいものをオンラインで検索し、見つからなければ、必要な能力を提供する企業と協力して、それを自ら生み出すことができる。今日では、消費者が主導権を握っているのである。

消費財関連企業は、こうした事態を主導権の喪失と捉えて身構える可能性もある。しかし、この問題をただ否定的に、いわばリスクと捉えていたのでは、大局的には機会を逃すことになる。これまで以上に、消費財関連企業が会話に積極的に参加することが重要である。消費者と直に対話することは、成長とイノベーションの原動力となり得る。実際、そうした対話は、通常なら見過ごしたり、無視したりしかねない消費者ニーズの分野へと、企業を導く可能性がある。この相当に大きな機会をつかむために、消費財関連企業にとって決定的に重要な課題は、消費者のために、適切な体験や消費者との適切な関係性を生み出すこと、そしてそれらを大規模に行うことである。

Shapewaysなどの企業は、まさにそのようにして消費者と直接連携している。各企業は、どのような手段で消費者を引き付けているだろうか。

消費者との関係性:マーケティングのはるか先へ1人の担当者や1つの部門だけで消費者を引き付けることはできず、そうした取り組みを1回限りのキャンペーンと捉えることもできない。消費者との関係性を深めるには、全社を挙げた長期的な注力と連携を通じて、消費者との複数の接点を管理するとともに、消費者の期待の変化に合わせて関係を維持することが必要である。そうしなければ、その企業はいつも「後追い」をすることになる。

消費者のために可能な限り気軽な関係性を築こうと努力する企業は、注目を集め、成功に向けて他社よりも有利な立場に立つことができる。そうした立場を獲得するには、次のことが必要と考えられる。 •関係性を深めるための適切なアプローチを決定する:会話に積極的に参

加するにせよ、会話をモニタリングするにせよ、また会話を単に無視するにせよ、ブランドの位置付けを明確にして戦略をよく練り上げれば実を結ぶことになる。通常、消費者は比較的高価な商品に大きく注目する傾向があり、ありふれた商品を提供する企業との対話は限られる。

•コンテンツの作成能力と管理能力を培う:消費者に対する情報提供と啓発に重点を置き、単なる売り込みにとどまらないこと。消費者への適切な情報提供は、消費者が買い物行動の中で自ら動くことにつながり、信頼を生み出し、消費者の忠誠度を高めることになる。

•技術に投資し、分析能力を培う:すべてのチャネルと接点にわたって、個々のあらゆる行動を統合して追跡し、的を絞った対応をリアルタイムに行う。

•組織の各層のスタッフに、自分の担当している職務を自覚させる:スタッフに適切な判断を下す権限を与えて、消費者に代わりの製品を紹介したり、不満を抱いた消費者にお詫びを行ったりできるようにする。

•ソーシャルプラットフォームに付随する評判リスクを管理する:ソーシャルネットワーク上の活動を統括する部門を立ち上げて、会話に耳を傾け、消費者との関係性を深め、好意的な話題を積極的に共有する。

ネット消費者とつながる消費財業界

出典:「The growing power of consumers」(The Deloitte Consumer Review、2014年7月)、「A billion to one: The crowd gets personal」(Deloitte University Press、2015年1月26日)

出典:「A billion to one: The crowd gets personal」(Deloitte University Press、2015年1月26日)

B2ONE体験

顧客が個人情報を提供し、それがデザインや提供プロセス、そして顧客の実際の体験に影響を与える。

顧客が共同制作、またはクラウドソーシングプラットフォームから得られた大衆の意見を活かして、個別のニーズを満たす製品やサービスを積極的に具現化する。

新たな生産手法(マイクロタスキング、コプロダクション、分散製造など)に顧客のニーズを取り入れ、顧客のスキルを直接活かしてプロセスを構築する。

顧客が最善の体験が得られるようにパーソナライズされた製品やサービスの最終消費者となる。

顧客の体験 顧客の体験 顧客の体験インプット デザイン 生産 アウトプット

ケーススタディ:LEGOクラウドソーシングプラットフォームであるLego Cuusooでは、自分で作ったレゴ作品を投稿できる。作品が1万人を超える人々から支持されると、Legoがそれを製品化し、作者は著作権使用料を受け取ることができる。

ケーススタディ:Quirky消費財メーカーのQuirkyでは、顧客が新製品のデザイン案を売り込み、直接投票を通じて、製品の製造と販売に関わることができる。その結果、スマートエアコンからシトラススプリッツァーまで、数百もの有用で独創的な製品が生み出されている。

ケーススタディ:Coca ColaCoca-Colaは、顧客の生み出したコンテンツを使用して制作した、同社初のTVコマーシャルを打ち出した。『American Idol』の最終エピソード中に放映されたこのコマーシャルは、Wieden + Kennedyによって制作されたもので、コンテストを通じて選ばれたコンテンツが使用されている。このコンテストでは、十代の若者たちが「コーラを一口飲んだときの感じを伝える」短いビデオクリップを募集し、さまざまな国の消費者が制作した400本を超えるクリップの中から40本が選ばれた。このキャンペーンは、消費財関連企業が製品やサービスのみならず、マーケティングコミュニケーションや独創的なコンテンツに至るまで、いかに消費者との共同制作を拡大しているかを示す一例である。

72015 年のコンシューマーグローバル企業動向6

Page 6: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

つまり、消費者はパーソナライズやカスタマイズの利点を評価しているかもしれないが、大多数は、個人情報を消費財関連企業と共有することに引き続き大きな不安を抱いている。多くの消費者はデータセキュリティやプライバシーの侵害を意識しているか、またはその影響を受けたことがあり、自分自身の情報にそうした事態が発生した場合、寛容であるとは考えにくい。よく言われるように、信頼を得るのは難しいが、失うときは一瞬である。

消費者が個人情報を共有してパーソナライズを行うという選択をしやすいようにすること、個人情報と引き換えに何か価値あるものを提供することは、確かに重要な提案である。しかし、下のグラフに示すように、こうした交換の重要性に関して、業界と消費者の認識には大きな隔たりがある。消費者にとって、パーソナライズされた提案や推奨情報は、個人情報の共有の際に感じるリスクほど重要ではない。企業が消費者との連携を通じたイノベーションの恩恵を受けようとするなら、こうした「信頼の格差」に対処する必要がある。

企業は信頼を育むために何ができるだろうか。まず何よりも、消費財関連企業は、消費者の考え方に基づいてデータの秘密保持とセキュリティに関する取り組みを強化する必要がある。これには、次のことが含まれる。

•マーケティングツールとして考えてプライバシーポリシーを策定する。

•データの秘密保持とセキュリティを担当する役員を格上げする。

•サポートプロセスおよびサポートシステムを会社全体に常時展開する。

•リスク管理を拡大して、社外および社内の侵害行為から保護する。

以上にとどまらず、企業は消費者に対して、それぞれの個人情報が保護されていることを定期的に保証する必要がある。

•ポリシーと活動に透明性を確保する。

•データの収集と共有について慎重に対応する。

•セキュリティ措置について顧客に伝え、安心感を与える。

•セキュリティ上の過失について補償する準備を整える。 結論消費者の会話に参加することは、結局、深い関係性と信頼を築くということである。消費財関連企業は、消費者を共同制作者や支持者として引き込む機会をつかむことができるが、同時に、データの秘密保持やセキュリティに対する懸念を丁寧に払拭することにより、その消費者との間で信頼関係を築く必要がある。企業は公に消費者との対話を促し、消費者の気持ちや提案を、随時受け入れる必要がある。最も大切な消費者に合わせて、対応やポリシーをパーソナライズすることが重要になる。これは1回限りの取り組みではなく、複数の担当者が関わる継続的な取り組みとして、消費者の期待に応え、ひいてはブランドの収益を向上させるために、連携と一貫性が極めて重要である。

詳細については、「The Deloitte Consumer Review: The growing power of consumers」、「A billion to one: The crowd gets personal」、「Building consumer trust: Protecting personal data in the consumer products industry」を参照されたい。

将来的に求められるもの大衆の発想を活用するために、企業はさまざまな面で自社のアプローチやプロセスを変化させることが求められる。

•組織の重点を、単なる製品やサービスの提供から、顧客のための問題解決と体験の創出へと転換する:消費者の日々の問題を他社よりもうまく解決する企業となることができれば、そのことが消費者にとってその企業との関係性を深める十分な理由になる。

•消費者を潜在的なデザイン担当者として扱う:消費者が自分の受け取る財やサービスについて批評や評価をした消費者満足度データを利用する。

•広範囲にわたる製品テストを避ける:最終消費者に寄り添う起業家や小企業のやり方にならい、可能ならマーケティングチームを新製品開発プロセスに組み込むことなどを検討する。

•より効率的で迅速なフィードバックループを生み出す:消費者からの恒常的なフィードバックを継続的に収集し、きめ細かく分析する。得られた知見を取り入れて、提供する製品やサービスの改良、再設計を行い、さまざまな消費者に合わせて製品をパーソナライズする。消費者に具体的な成果を示すため、プロトタイピングを迅速化することも考慮する。

最後に、これらすべてのプロセスには、消費者からの信頼という堅固な土台が必要である。消費者の信頼なくして、こうした対話や連携は生まれようがない。

信頼を育み、維持する競争上の強みとしての信頼消費者は昔とは異なり、製品情報やネット上にある専門的な情報にアクセスして購入時の判断材料にすることができるが、デロイトが最近行った調査によると、意外にも、消費者は製品やサービスの専門家よりも、家族、友人、他の消費者の話をはるかに信頼している。

消費財関連企業に対する信頼が、長年極めて低い水準にある中、消費者は自分が信頼できると感じる人々を頼りにしている。したがって、消費者の情報を共有するのと引き換えに、消費者に何か価値のある見返りを提供することが不可欠である。次の調査結果が示すように、信頼は消費者の購買行動を促す重要な原動力である。

製品やサービスに関して最も信頼されている情報源

パーソナライズは情報共有のリスクほど重要ではない

出典:デロイトによる調査(2014年5月)調査対象:英国の消費者(17歳以上)(n=2000)

出典:「Building Consumer Trust: Protecting personal data in the consumer products industry」(Deloitte University Press、2014年11月13日)

出典:「Deloitte Consumer Product Data Privacy and Security Executive Survey」(2014年8月)

家族、友人 購入者のレビュー

第三者の製品・サービス

専門家

店員、小売ウェブサイト

製品メーカー、サービス提供会社

いずれでもない

60% 60%

43%

16%12%

9%

80% 72%自分の個人情報を保護してくれそうな消費財関連企業から購入したいと考えている人の割合。

自分の個人情報を保護してくれそうにない消費財関連企業からは購入しないようにしている人の割合。

経営陣

47%

18%

25%

47%

格差=29%格差=22%

消費者

消費者は、個人情報の共有に伴うリスクが、推奨製品の情報を受け取るのに匹敵するほど重要だと考えている。

消費者は、個人情報の共有に伴うリスクが、パーソナライズされた販促情報、広告、クーポンを受け取るのに匹敵するほど重要だと考えている。

8 92015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 7: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

41 6.8%1.8%14.3%17,703ConAgra Foods, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

42 2.1%25.7%0.9%17,663Altria Group, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

43 2.6%13.8%2.0%17,420Colgate-Palmolive Company 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

44 0.8%0.6%-0.8%16,763AB Electrolux スウェーデン 欧州 家庭用家具・設備

世界の消費財関連企業上位250社

消費財関連企業上位250社

1 13.5%13.3%13.7%210,397Samsung Electronics Co., Ltd. 韓国 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

2 35.4%21.7%9.2%170,910Apple Inc. 米国 北米 エレクトロニクス製品

3 n/a11.3%2.7%99,485Nestlé S.A.² スイス 欧州 食品・飲料・タバコ

4 1.0%14.2%-1.3%83,062The Procter & Gamble Company 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

5 -1.2%-0.9%17.4%66,756ソニー株式会社 日本 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

6 9.0%10.2%1.4%66,415PepsiCo, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

7 4.2%10.6%-3.0%66,143Unilever Group オランダ及び英国 欧州 パーソナルケア・家庭用品

8 -1.7%0.4%14.1%53,489LG Electronics Inc. 韓国 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

9 8.0%18.4%-2.4%46,854The Coca-Cola Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

10 25.1%1.2%22.7%43,306JBS S.A. ブラジル ラテンアメリカ・カリブ海 食品・飲料・タバコ

11 12.9%38.2%8.6%43,195Anheuser-Busch InBev SA/NV ベルギー 欧州 食品・飲料・タバコ

12 21.0%2.1%14.3%38,707Lenovo Group Limited 香港 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

13 2.0%6.0%17.4%36,609株式会社ブリヂストン 日本 アジア・太平洋 タイヤ

14 -3.5%11.1%0.8%35,299Mondelez International, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

15 5.1%2.3%3.3%34,374Tyson Foods, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

16 1.9%n/a0.0%33,000eMars, Incorporated 米国 北米 食品・飲料・タバコ

17 4.0%28.3%-0.5%31,217Philip Morris International Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

18 5.5%12.9%2.3%30,519L'Oréal S.A. フランス 欧州 パーソナルケア・家庭用品

19 8.7%6.0%10.5%29,127Haier Group Company 中国 アジア・太平洋 家庭用家具・設備

20 7.0%7.3%2.1%28,289Danone フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

21 7.7%9.7%9.8%27,799NIKE, Inc. 米国 北米 ファッションアイテム

22 4.3%5.6%-5.7%26,893Compagnie Générale des Établissements Michelin S.C.A.

フランス 欧州 タイヤ

23 6.0%8.2%4.5%25,507Heineken N.V. オランダ 欧州 食品・飲料・タバコ

24 18.1%13.2%23,974日本たばこ産業株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

25 4.7%27.5%0.5%23,879British American Tobacco plc 英国 欧州 食品・飲料・タバコ

26 7.6%6.6%-0.6%22,780Imperial Tobacco Group PLC 英国 欧州 食品・飲料・タバコ

27 3.0%9.9%-0.9%21,724Henkel AG & Co. KGaA ドイツ 欧州 パーソナルケア・家庭用品

28 11.5%n/a1.9%21,252Groupe Lactalis フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

29 1.7%10.5%0.4%21,152Kimberly-Clark Corporation 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

30 6.2%10.4%10.2%20,932サントリーホールディングス株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

31 9.0%8.6%8.4%20,149Fomento Económico Mexicano, S.A.B. de C.V.(FEMSA)

メキシコ ラテンアメリカ・カリブ海 食品・飲料・タバコ

32 8.5%n/a11.1%20,000eCargill Meat Solutions Corporation 米国 北米 食品・飲料・タバコ

33 0.2%5.3%3.9%19,943キリンホールディングス株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

34 5.6%6.9%17.9%19,544Midea Group Co., Ltd. 中国 アジア・太平洋 家庭用家具・設備

35 0.1%3.5%-6.9%19,540The Goodyear Tire & Rubber Company 米国 北米 タイヤ

36 6.1%5.5%-2.6%19,249adidas AG ドイツ 欧州 ファッションアイテム

37 23.1%9.1%19.4%19,164Gree Electric Appliances, Inc. of Zhuhai 中国 アジア・太平洋 家庭用家具・設備

38 -0.1%4.5%3.5%18,769Whirlpool Corporation 米国 北米 家庭用家具・設備

39 0.6%14.9%-0.7%18,218Kraft Foods Group, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

40 4.0%10.4%0.8%17,910General Mills, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

46 2.0%21.3%-10.3%16,684Diageo plc 英国 欧州 食品・飲料・タバコ

47 9.2%2.7%13.4%16,270株式会社LIXILグループ 日本 アジア・太平洋 住宅改装用品

48 8.9%17.3%5.0%15,716Reckitt Benckiser Group plc 英国 欧州 パーソナルケア・家庭用品

49 -7.0%4.6%3.3%15,636ASUSTeK Computer Inc. 台湾 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

50 3.8%1.4%10.8%15,166Royal FrieslandCampina N.V. オランダ 欧州 食品・飲料・タバコ

51 2.9%12.2%4.2%14,792Kellogg Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

52 3.2%n/a-0.9%14,404*Dr. August Oetker KG ドイツ 欧州 食品・飲料・タバコ

53 7.7%4.9%3.6%14,278Uni-President Enterprises Corp. 台湾 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

54 21.8%3.5%7.0%14,227BRF S.A.(旧BRF - Brasil Foods S.A.) ブラジル ラテンアメリカ・カリブ海 食品・飲料・タバコ

55 3.7%2.9%7.2%13,957BSH Bosch und Siemens Hausgeräte GmbH ドイツ 欧州 家庭用家具・設備

56 16.4%2.7%1.7%13,812Grupo Bimbo, S.A.B. de C.V. メキシコ ラテンアメリカ・カリブ海 食品・飲料・タバコ

57 17.3%3.4%22.9%13,784TCL Corporation 中国 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

58 -4.2%6.3%4.2%13,672Svenska Cellulosa AB SCA スウェーデン 欧州 パーソナルケア・家庭用品

59 0.6%5.0%7.8%13,494花王株式会社 日本 アジア・太平洋 パーソナルケア・家庭用品

60 5.5%4.8%12.0%13,288アサヒグループホールディングス株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

61 8.3%3.0%16.6%13,108Arla Foods amba デンマーク 欧州 食品・飲料・タバコ

62 1.8%0.5%5.8%12,800Dairy Farmers of America 米国 北米 食品・飲料・タバコ

63 7.8%-0.1%12,755Maxingvest AG ドイツ 欧州 パーソナルケア・家庭用品

64 19.0%n/a23.1%12,649Hangzhou Wahaha Group Co., Ltd. 中国 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

65 -8.0%-5.7%-16.2%12,154Acer Incorporated 台湾 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

66 2.1%8.9%-1.0%11,853Carlsberg A/S デンマーク 欧州 食品・飲料・タバコ

67 7.6%n/a4.4%11,800Alticor Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

68 ne1.7%1.9%11,469明治ホールディングス株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

69 2.4%0.3%-0.7%11,443eH. J. Heinz Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

70 8.4%10.6%5.0%11,420V.F. Corporation 米国 北米 ファッションアイテム

71 17.4%-0.6%80.2%11,253WH Group Limited 香港 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

72 1.8%2.2%9.7%11,210日本ハム株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

73 20.0%4.5%8.0%11,001Stanley Black & Decker, Inc. 米国 北米 住宅改装用品

74 8.4%11.0%7.7%10,969The Estée Lauder Companies Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

75 20.7%4.5%18.8%10,941Tingyi (Cayman Islands) Holding Corp. 中国 アジア・太平洋 パーソナルケア・家庭用品

76 2.0%12.9%-7.3%10,781Pernod Ricard S.A. フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

77 5.4%n/a5.6%10,595The Ferrero Group イタリア 欧州 食品・飲料・タバコ

78 4.4%2.7%3.0%10,233Danish Crown AmbA デンマーク 欧州 食品・飲料・タバコ

79 3.6%1.3%1.8%9,935山崎製パン株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

80 -3.6%5.1%-15.4%9,903味の素株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

81 2.2%4.8%-3.0%9,796株式会社ニコン 日本 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

82 -1.6%-0.5%-7.4%9,764Avon Products, Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

83 7.1%7.5%3.2%9,713Luxottica Group S.p.A. イタリア 欧州 ファッションアイテム

84 2.5%n/a0.0%9,600eS.C. Johnson & Son, Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

85 16.1%1.3%12.5%9,511Sichuan Changhong Electric Co., Ltd 中国 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

-3.8%6.7%-26.9%9,341Vion Holding N.V. オランダ 欧州 食品・飲料・タバコ

-0.3%3.2%-2.4%9,130Coca-Cola HBC AG(旧Coca-Cola Hellenic Bottling Company S.A.)

スイス 欧州 食品・飲料・タバコ

8.3%22.8%8.5%9,128The Swatch Group Ltd. スイス 欧州 ファッションアイテム

-6.3%9.1%-21.3%9,016Dean Foods Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

9.8%5.8%26.5%8,776Saputo Inc. カナダ 北米 食品・飲料・タバコ

5.3%6.1%6.3%8,752Hormel Foods Corporation 米国 北米 食品・飲料・タバコ

24.8%-4.8%-21.0%8,741Marfrig Global Foods S.A.(旧Marfrig Alimentos S.A.)

ブラジル ラテンアメリカ・カリブ海 食品・飲料・タバコ

-1.0%0.5%5.2%8,509株式会社マルハニチロホールディングス 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

4.4%8.1%1.9%8,212Coca-Cola Enterprises, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

26.9%1.8%35.5%8,186PVH Corp. 米国 北米 ファッションアイテム

-3.2%3.8%5.5%8,173Masco Corporation 米国 北米 住宅改装用品

5.7%5.0%1.2%8,164Pirelli & C. S.p.A. イタリア 欧州 タイヤ

86

87

88

89

90

91

92

93

94

95

96

97

45 2.3%21.9%-4.3%16,704SABMiller plc 英国 欧州 食品・飲料・タバコ

98 0.1%5.6%4.5%8,052Campbell Soup Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

99 5.2%6.1%9.9%8,009住友ゴム工業株式会社 日本 アジア・太平洋 タイヤ

2013年度の売上高順位

2013年度の純利益

2013年度の売上高

成長率

2013年度の売上高(100万米ドル)

2008~2013年度における売上高のCAGR1企業の名称 本拠国 地域 主要な製品セクター

2013年度の売上高順位

2013年度の純利益

2013年度の売上高

成長率

2013年度の売上高(100万米ドル)

2008~2013年度における売上高のCAGR1企業の名称 本拠国 地域 主要な製品セクター

112015 年のコンシューマーグローバル企業動向10

Page 8: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

151 4.2%1.6%-1.2%4,877Coca-Cola Amatil Limited オーストラリア アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

152 5.9%39.9%74.1%4,868Constellation Brands, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

153 20.2%31.0%43.3%4,845*Anadolu Efes Biracilik ve Malt Sanayii A.Ş. トルコ アフリカ・中東 食品・飲料・タバコ

154 15.4%10.9%18.5%4,825Herbalife Ltd. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

155 24.4%10.3%7.3%4,736Arca Continental, S.A.B. de C.V. メキシコ ラテンアメリカ・カリブ海 食品・飲料・タバコ

156 17.7%0.0%-4.9%4,684Ruchi Soya Industries Limited インド アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

157 1.2%4.9%1.6%4,682Levi Strauss & Co. 米国 北米 ファッションアイテム

158 -1.3%3.0%-1.7%4,655Husqvarna Group スウェーデン 欧州 住宅改装用品

159 -1.0%1.1%5.6%4,629伊藤ハム株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

160 1.7%7.1%2.3%4,628Hanesbrands Inc. 米国 北米 ファッションアイテム

161 8.7%22.0%-5.6%4,583Activision Blizzard, Inc. 米国 北米 レジャー用品

162 6.1%-1.4%-2.1%4,552Coty Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

163 21.7%24.1%8.4%4,521Lego A/S デンマーク 欧州 レジャー用品

164 41.5%1.2%23.3%4,516Boparan Holdings Limited(別称:2 Sisters Food Group)

英国 欧州 食品・飲料・タバコ

165 27.9%3.4%27.2%4,514Lao Feng Xiang Co., Ltd. 中国 アジア・太平洋 ファッションアイテム

166 11.8%14.0%2.2%4,492Cheng Shin Rubber Ind. Co., Ltd. 台湾 アジア・太平洋 タイヤ

167 -10.1%n/a5.5%4,480eDole Food Company, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

168 0.4%n/a0.2%4,477Bacardi Limited バミューダ ラテンアメリカ・カリブ海 食品・飲料・タバコ

169 0.6%9.1%-2.2%4,466Energizer Holdings, Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

170 1.8%3.2%11.7%4,429コカ・コーラウエスト株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

171 3.1%n/a2.2%4,369Miele & Cie. KG ドイツ 欧州 家庭用家具・設備

172 54.2%11.1%12.9%4,358Green Mountain Coffee Roasters, Inc.(現Keurig Green Mountain, Inc.)

米国 北米 食品・飲料・タバコ

173 5.6%2.8%8.4%4,356株式会社伊藤園 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

174 4.7%5.8%11.6%4,300Techtronic Industries Co. Ltd. 香港 アジア・太平洋 住宅改装用品

175 -3.4%11.6%-9.4%4,281Maple Leaf Foods Inc. カナダ 北米 食品・飲料・タバコ

176 16.5%5.7%14.0%4,276Hisense Electric Co., Ltd. 中国 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

177 -5.8%3.4%-18.8%4,248Barilla Holding S.p.A. イタリア 欧州 食品・飲料・タバコ

178 3.9%6.1%-15.9%4,245Gruma, S.A.B. de C.V. メキシコ ラテンアメリカ・カリブ海 食品・飲料・タバコ

179 -2.5%13.6%7.4%4,206Molson Coors Brewing Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

180 12.2%7.4%10.3%4,202Tsingtao Brewery Co., Ltd. 中国 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

181 7.8%15.6%7.7%4,201Mead Johnson Nutrition Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

182 2.9%4.6%9.1%4,172日清食品ホールディングス株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

183 ne5.6%15.8%4,157Fortune Brands Home & Security, Inc. 米国 北米 住宅改装用品

184 5.4%9.4%2.7%4,123McCormick & Company, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

185 -2.2%5.6%11.8%4,099ヤマハ株式会社 日本 アジア・太平洋 レジャー用品

186 8.7%-1.4%25.6%4,086Spectrum Brands Holdings, Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

187 -20.5%5.2%4.2%4,085The Hillshire Brands Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

188 0.3%7.0%-0.2%4,082Hasbro, Inc. 米国 北米 レジャー用品

189 -1.7%3.9%-27.8%4,074株式会社ロッテホールディングス 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

190 6.8%2.4%4.1%4,057サッポロホールディングス株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

9.2%2.6%3.5%4,034Société L.D.C. SA フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

3.7%n/a-1.9%4,011Swarovski AG オーストリア 欧州 ファッションアイテム

25.5%33.7%-9.1%3,993Wuliangye Yibin Co., Ltd. 中国 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

11.6%8.5%11.0%3,980LG Household & Health Care, Ltd. 韓国 アジア・太平洋 パーソナルケア・家庭用品

5.4%n/a4.1%3,850eAshley Furniture Industries, Inc. 米国 北米 家庭用家具・設備

12.6%3.1%92.4%3,825コカ・コーライーストジャパン株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

19.7%18.0%13.7%3,818Want Want China Holdings Limited 中国 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

4.2%n/a5.6%3,800eE. & J. Gallo Winery 米国 北米 食品・飲料・タバコ

2.4%3.3%0.1%3,798東洋ゴム工業株式会社 日本 アジア・太平洋 タイヤ

6.4%1.4%5.2%3,772Agropur Cooperative カナダ 北米 食品・飲料・タバコ

0.8%-0.5%-0.9%3,765The Jones Group, Inc.(現Nine West Holdings, Inc.)米国 北米 ファッションアイテム

9.2%6.2%23.1%3,751Flowers Foods, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

2.9%6.3%8.0%3,719東洋水産株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

191

192

193

194

195

196

197

198

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200

201

202

203

100 -2.2%21.7%-4.9%7,899Reynolds American Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

101 0.9%16.5%0.5%7,801MillerCoors LLC 米国 北米 食品・飲料・タバコ

102 17.1%6.7%13.8%7,719Inner Mongolia Yili Industrial Group Co., Ltd. 中国 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

103 2.0%3.8%12.4%7,613株式会社資生堂 日本 アジア・太平洋 パーソナルケア・家庭用品

104 5.1%n/a0.1%7,486National Beef Packing Company, LLC 米国 北米 食品・飲料・タバコ

105 8.2%10.4%7.3%7,450Ralph Lauren Corporation 米国 北米 ファッションアイテム

106 8.0%n/a12.0%7,438eTönnies Lebensmittel GmbH & Co. KG ドイツ 欧州 食品・飲料・タバコ

107 6.4%2.8%9.9%7,356Jarden Corporation 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

108 1.5%4.8%27.0%7,349Mohawk Industries, Inc. 米国 北米 住宅改装用品

109 6.8%11.5%7.6%7,146The Hershey Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

110 3.2%n/a8.6%7,109eMccain Foods Limited カナダ 北米 食品・飲料・タバコ

111 13.8%8.1%-3.7%7,034Savola Group Company サウジアラビア アフリカ・中東 食品・飲料・タバコ

112 12.7%4.3%20.2%7,004China Mengniu Dairy Company Limited 香港 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

113 10.5%12.8%1.5%6,728Essilor International S.A. フランス 欧州 ファッションアイテム

114 8.7%n/a2.2%6,694Red Bull GmbH オーストリア 欧州 食品・飲料・タバコ

115 9.6%10.4%0.4%6,504Hankook Tire Co., Ltd. 韓国 アジア・太平洋 タイヤ

116 1.8%13.9%1.0%6,485Mattel, Inc. 米国 北米 レジャー用品

117 3.7%0.4%4.2%6,200Groupe Terrena フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

118 3.1%5.8%7.5%6,173横浜ゴム株式会社 日本 アジア・太平洋 タイヤ

119 11.0%0.6%5.9%6,132Sodiaal Union フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

120 3.6%0.8%6.6%6,036日本水産株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

121 5.5%n/a0.0%6,000ePerdue Farms, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

122 1.0%10.4%0.0%5,997Dr Pepper Snapple Group, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

123 11.5%7.3%20.9%5,989ユニ・チャーム株式会社 日本 アジア・太平洋 パーソナルケア・家庭用品

124 0.5%0.8%1.4%5,987森永乳業株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

125 4.4%1.3%7.9%5,854Bongrain SA フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

126 10.4%5.6%5.1%5,846Arçelik A.Ş. トルコ アフリカ・中東 家庭用家具・設備

127 12.0%n/a0.0%5,844Groupe Bigard S.A. フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

128 16.5%24.8%11.7%5,821ITC Limited インド アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

129 8.3%5.9%15.3%5,773PT Indofood Sukses Makmur Tbk インドネシア アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

130 -20.8%-4.1%-10.0%5,712任天堂株式会社 日本 アジア・太平洋 レジャー用品

131 -2.5%8.3%-3.6%5,693Newell Rubbermaid Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

132 8.3%10.1%-4.9%5,611The J.M. Smucker Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

133 0.5%10.0%-0.6%5,591The Clorox Company 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

134 2.3%2.8%5.1%5,550キユーピー株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

135 3.6%8.2%16.2%5,529TOTO株式会社 日本 アジア・太平洋 住宅改装用品

136 5.2%5.3%2.5%5,527Groupe SEB フランス 欧州 家庭用家具・設備

137 -12.8%2.3%12.8%5,489Orkla ASA ノルウェー 欧州 食品・飲料・タバコ

ne0.5%4.2%5,444雪印メグミルク株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

10.8%n/a2.0%5,398eRolex SA スイス 欧州 ファッションアイテム

ne1.0%12.0%5,222DMK Deutsches Milchkontor GmbH ドイツ 欧州 食品・飲料・タバコ

15.4%0.9%8.1%5,182Société Coopérative Agricole et Agro-alimentaire AGRIAL

フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

1.5%1.9%8.7%5,107株式会社ニチレイ 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

20.8%3.6%4.4%5,090Skyworth Digital Holdings Limited 香港 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

7.5%0.4%6.6%5,089La Coop fédérée カナダ 北米 食品・飲料・タバコ

3.6%4.9%4.2%5,072株式会社バンダイナムコホールディングス 日本 アジア・太平洋 レジャー用品

-1.9%n/a0.0%5,000eKohler Co. 米国 北米 住宅改装用品

30.3%51.4%16.9%4,995*Kweichow Moutai Co., Ltd. 中国 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

-2.3%0.1%10.2%4,976パイオニア株式会社 日本 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

7.3%23.7%7.2%4,972Lorillard, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

1.2%3.2%8.9%4,954株式会社日清製粉グループ本社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

138

139

140

141

142

143

144

145

146

147

148

149

150204 0.9%-0.9%7.7%3,684Fresh Del Monte Produce Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

205 4.2%4.8%2.7%3,613Fromageries Bel S.A. フランス 欧州 食品・飲料・タバコ

206 0.8%1.9%5.0%3,612ライオン株式会社 日本 アジア・太平洋 パーソナルケア・家庭用品

207 7.1%n/a2.9%3,600eRosen's Diversified Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

2013年度の売上高順位

2013年度の純利益

2013年度の売上高

成長率

2013年度の売上高(100万米ドル)

2008~2013年度における売上高のCAGR1企業の名称 本拠国 地域 主要な製品セクター

2013年度の売上高順位

2013年度の純利益

2013年度の売上高

成長率

2013年度の売上高(100万米ドル)

2008~2013年度における売上高のCAGR1企業の名称 本拠国 地域 主要な製品セクター

12 132015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 9: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

順位に対する為替レートの影響について世界の消費財関連企業上位250社は、2013年度の米ドルでの売上高に基づいて順位付けされている。前年比での総合的な順位の変化は、概して企業の売上高の増減によるものだが、為替レートの変動も順位を変化させる場合がある。たとえば、2013年に対ドルで強い通貨の場合、その通貨で報告を行う企業は、他の要素がすべて同じであっても2012年より2013年の方が高い順位になる可能性がある。逆に、ドルに対して弱い通貨で報告をする企業は、順位が下がる可能性がある。2013年には、主要通貨の中でユーロが対ドルで上昇し、より小幅だが中国の人民元も上昇した。日本円、南アフリカランド、ブラジルレアル、インドルピーがすべて急落した一方、英国ポンドはわずかに下落した。

208 nen/a0.7%3,586eD.E Master Blenders 1753 B.V. オランダ 欧州 食品・飲料・タバコ

209 22.5%5.2%27.9%3,584Hisense Kelon Electrical Holdings Company Ltd. 中国 アジア・太平洋 家庭用家具・設備

210 15.4%9.1%13.5%3,584Amorepacific Group Co., Ltd. 韓国 アジア・太平洋 パーソナルケア・家庭用品

211 -3.2%0.2%-5.8%3,575Electronic Arts Inc. 米国 北米 レジャー用品

212 4.1%3.7%10.6%3,560Emmi AG スイス 欧州 食品・飲料・タバコ

213 -3.3%0.1%-7.4%3,548Indesit Company S.p.A. イタリア 欧州 家庭用家具・設備

214 2.9%14.6%-4.1%3,516KT&G Corporation 韓国 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

215 3.2%1.4%8.5%3,504Total Produce plc アイルランド 欧州 食品・飲料・タバコ

216 3.8%n/a9.4%3,500JELD-WEN, Inc. 米国 北米 住宅改装用品

217 6.1%n/a16.7%3,500Mary Kay, Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

218 11.7%n/a16.7%3,500eRoll Global, LLC 米国 北米 食品・飲料・タバコ

219 3.6%7.7%9.8%3,500株式会社ヤクルト本社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

220 3.6%3.9%-18.1%3,439Cooper Tire & Rubber Company 米国 北米 タイヤ

221 -3.6%3.7%14.3%3,428キッコーマン株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

222 5.1%2.7%-9.1%3,403Kumho Tire Co., Ltd. 韓国 アジア・太平洋 タイヤ

223 2.9%3.4%3.0%3,402The TINE Group ノルウェー 欧州 食品・飲料・タバコ

224 12.4%n/a6.3%3,380Bestseller A/S デンマーク 欧州 ファッションアイテム

225 0.0%0.9%8.8%3,368日清オイリオグループ株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

226 4.6%0.3%1.3%3,332Westfleisch eG ドイツ 欧州 食品・飲料・タバコ

227 4.7%n/a0.0%3,303Perfetti Van Melle S.p.A. イタリア 欧州 食品・飲料・タバコ

228 -5.1%n/a-5.0%3,300eControladora Mabe S.A. de C.V. メキシコ ラテンアメリカ・カリブ海 家庭用家具・設備

229 3.3%n/a6.5%3,300eRich Products Corporation 米国 北米 食品・飲料・タバコ

230 1.6%0.4%-2.7%3,292HKScan Corporation フィンランド 欧州 食品・飲料・タバコ

231 6.4%5.2%26.6%3,291株式会社アシックス 日本 アジア・太平洋 ファッションアイテム

232 5.8%-1.5%-17.3%3,276Vestel Elektronik Sanayi ve Ticaret A.S. トルコ アフリカ・中東 エレクトロニクス製品

233 14.1%12.1%10.5%3,268Natura Cosméticos S.A. ブラジル ラテンアメリカ・カリブ海 パーソナルケア・家庭用品

234 15.5%11.9%14.1%3,260Fossil Group, Inc. 米国 北米 ファッションアイテム

235 10.4%0.3%9.1%3,232Konka Group Co., Ltd. 中国 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

236 -9.1%5.0%8.1%3,214カシオ計算機株式会社 日本 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

237 -1.9%n/a1.6%3,200eThe Schwan Food Company 米国 北米 食品・飲料・タバコ

238 5.7%12.3%9.3%3,194Church & Dwight Co., Inc. 米国 北米 パーソナルケア・家庭用品

239 -1.5%-0.5%-5.7%3,170株式会社ワールド 日本 アジア・太平洋 ファッションアイテム

240 7.7%4.1%5.4%3,163NBTY, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

241 0.4%-1.9%3.2%3,160株式会社JVCケンウッド 日本 アジア・太平洋 エレクトロニクス製品

242 1.8%3.8%7.6%3,151江崎グリコ株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

243 14.6%5.1%0.9%3,116Industrias Bachoco, S.A.B. de C.V. メキシコ ラテンアメリカ・カリブ海 食品・飲料・タバコ

-0.4%10.5%8.0%3,112Chocoladefabriken Lindt & Sprüngli AG スイス 欧州 食品・飲料・タバコ

9.1%n/a0.0%3,100eVizio, Inc. 米国 北米 エレクトロニクス製品

0.9%5.7%13.9%3,097シチズンホールディングス株式会社 日本 アジア・太平洋 ファッションアイテム

12.1%2.5%8.6%3,080セイコーホールディングス株式会社 日本 アジア・太平洋 ファッションアイテム

-3.3%-0.5%-0.7%3,057Chiquita Brands International, Inc. 米国 北米 食品・飲料・タバコ

1.9%1.7%10.1%3,033プリマハム株式会社 日本 アジア・太平洋 食品・飲料・タバコ

3.5%0.6%7.5%3,001Nortura SA ノルウェー 欧州 食品・飲料・タバコ

244

245

246

247

248

249

250

¹ 年複利成長率² Nestléの2010~2013年度の売上高は、会計方針の変更を

反映している。2010年よりも前の年度については、比較可能な売上高のデータを入手できない。

n/a=入手不可ne=存在せず(合併または事業分割により設立)e=見通し* 当該企業が報告した売上高から物品税が除外されている

か判断できない

出典:各企業が公表したデータ

消費財関連企業上位250社の一覧(アルファベット順)

AB ElectroluxAcer IncorporatedActivision Blizzard, Inc.Adidas AGAgropur Cooperative味の素株式会社Alticor Inc.Altria Group, Inc.Amorepacific Group Co., Ltd.Anadolu Efes Biracilik ve Malt Sanayii A.Ş.Anheuser-Busch InBev SA/NVApple Inc.Arca Continental, S.A.B. de C.V.Arçelik A.Ş.Arla Foods ambaアサヒグループホールディングス株式会社Ashley Furniture Industries, Inc.株式会社アシックスASUSTeK Computer Inc.Avon Products, Inc.Bacardi Limited株式会社バンダイナムコホールディングスBarilla Holding S.p.A.Bestseller A/SBongrain SABoparan Holdings Limited(別称:2 Sisters Food Group)BRF S.A.(旧BRF - Brasil Foods S.A.)株式会社ブリヂストンBritish American Tobacco plcBSH Bosch und Siemens Hausgeräte GmbHCampbell Soup CompanyCargill Meat Solutions CorporationCarlsberg A/Sカシオ計算機株式会社Cheng Shin Rubber Ind. Co., Ltd.China Mengniu Dairy Company LimitedChiquita Brands International, Inc.Chocoladefabriken Lindt & Sprüngli AGChurch & Dwight Co., Inc.シチズンホールディングス株式会社Clorox Company, TheCoca-Cola Amatil LimitedCoca-Cola Company, Theコカ・コーライーストジャパン株式会社Coca-Cola Enterprises, Inc.Coca-Cola HBC AG(旧Coca-Cola Hellenic Bottling Company S.A.)コカ・コーラウエスト株式会社Colgate-Palmolive CompanyCompagnie Générale des Établissements Michelin S.C.A.ConAgra Foods, Inc.Constellation Brands, Inc.Controladora Mabe S.A. de C.V.Cooper Tire & Rubber CompanyCoty Inc.D.E Master Blenders 1753 B.V.Dairy Farmers of AmericaDanish Crown AmbADanoneDean Foods CompanyDiageo plcDMK Deutsches Milchkontor GmbHDole Food Company, Inc.Dr Pepper Snapple Group, Inc.

4465

16136

200806742

210153112

1551266160

1952314982

16814517722412516454132555983266

236166112248244238246133151

91969487

170432241

1522282201622086278208946

140167122

Dr. August Oetker KGE. & J. Gallo WineryElectronic Arts Inc.Emmi AGEnergizer Holdings, Inc.Essilor International S.A.Estée Lauder Companies Inc., The江崎グリコ株式会社Ferrero Group, TheFlowers Foods, Inc.Fomento Económico Mexicano, S.A.B. de C.V.(FEMSA)Fortune Brands Home & Security, Inc.Fossil Group, Inc.Fresh Del Monte Produce Inc.Fromageries Bel S.A.General Mills, Inc.Goodyear Tire & Rubber Company, TheGree Electric Appliances, Inc. of ZhuhaiGreen Mountain Coffee Roasters, Inc.(現Keurig Green Mountain, Inc.)Groupe Bigard S.A.Groupe LactalisGroupe SEBGroupe TerrenaGruma, S.A.B. de C.V.Grupo Bimbo, S.A.B. de C.V.H. J. Heinz CompanyHaier Group CompanyHanesbrands Inc.Hangzhou Wahaha Group Co., Ltd.Hankook Tire Co., Ltd.Hasbro, Inc.Heineken N.V.Henkel AG & Co. KGaAHerbalife Ltd.Hershey Company, TheHillshire Brands Company, TheHisense Electric Co., Ltd.Hisense Kelon Electrical Holdings Company Ltd.HKScan CorporationHormel Foods CorporationHusqvarna GroupImperial Tobacco Group PLCIndesit Company S.p.A.Industrias Bachoco, S.A.B. de C.V.Inner Mongolia Yili Industrial Group Co., Ltd.ITC Limited株式会社伊藤園伊藤ハム株式会社J.M. Smucker Company, The日本たばこ産業株式会社Jarden CorporationJBS S.A.JELD-WEN, Inc.Jones Group, Inc.(現Nine West Holdings, Inc.), The株式会社JVCケンウッド花王株式会社Kellogg Companyキユーピー株式会社キッコーマン株式会社Kimberly-Clark Corporationキリンホールディングス株式会社Kohler Co.Konka Group Co., Ltd.

5219821121216911374

24277

20231

183234204205403537

17212728

136117178566919

16064

1151882327

15410918717620923091

15826

21324310212817315913224

10710

2162012415951

1342212933

146235

2013年度の売上高順位

2013年度の純利益

2013年度の売上高

成長率

2013年度の売上高(100万米ドル)

2008~2013年度における売上高のCAGR1企業の名称 本拠国 地域 主要な製品セクター

14 152015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 10: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

8.2% 0.8x

$123億ドル

9.6%

売上高の年複利成長率

(2008~2013 年度)

平均総資産利益率

平均資産回転率

消費財関連企業上位250 社の平均規模

売上高の前年比平均成長率

上位250 社に入るために必要な最低限の売上高

上位250 社の売上高の合計(米ドル)

上位10社が上位250 社の

売上高に占める割合

平均純利益率

6.0%

$3.07兆ドル

29.5%

5.6%

上位250社に関する主要データ

$30億ドル

Kraft Foods Group, Inc.KT&G CorporationKumho Tire Co., Ltd.Kweichow Moutai Co., Ltd.La Coop fédéréeLao Feng Xiang Co., Ltd.Lego A/SLenovo Group LimitedLevi Strauss & Co.LG Electronics Inc.LG Household & Health Care, Ltd.ライオン株式会社株式会社LIXILグループL’Oréal S.A.Lorillard, Inc.株式会社ロッテホールディングスLuxottica Group S.p.A.Maple Leaf Foods Inc.Marfrig Global Foods S.A.(旧Marfrig Alimentos S.A.)Mars, Incorporated株式会社マルハニチロホールディングスMary Kay, Inc.Masco CorporationMattel, Inc.Maxingvest AGMccain Foods LimitedMcCormick & Company, Inc.Mead Johnson Nutrition Company雪印メグミルク株式会社明治ホールディングス株式会社Midea Group Co., Ltd.Miele & Cie. KGMillerCoors LLCMohawk Industries, Inc.Molson Coors Brewing CompanyMondelēz International, Inc.森永乳業株式会社National Beef Packing Company, LLCNatura Cosméticos S.A.NBTY, Inc.Nestlé S.ANewell Rubbermaid Inc.日本ハム株式会社株式会社ニチレイNIKE, Inc.株式会社ニコン任天堂株式会社日本水産株式会社日清オイリオグループ株式会社株式会社日清製粉グループ本社日清食品ホールディングス株式会社Nortura SAOrkla ASAPepsiCo, Inc.Perdue Farms, Inc.Perfetti Van Melle S.p.A.Pernod Ricard S.A.Philip Morris International Inc.パイオニア株式会社Pirelli & C. S.p.A.プリマハム株式会社Procter & Gamble Company, The

3921422214714416516312

1578

1942064718

14918983

175921693

21796

11663

1101841811386834

17110110817914

124104233240

313172

1422181

130120225150182250137

61212277617

14897

2494

PT Indofood Sukses Makmur TbkPVH Corp.Ralph Lauren CorporationReckitt Benckiser Group plcRed Bull GmbHReynolds American Inc.Rich Products CorporationRolex SARoll Global, LLCRosen's Diversified Inc.Royal FrieslandCampina N.V.Ruchi Soya Industries LimitedS.C. Johnson & Son, Inc.SABMiller plcSamsung Electronics Co., Ltd.サッポロホールディングス株式会社Saputo Inc.Savola Group CompanySchwan Food Company, Theセイコーホールディングス株式会社株式会社資生堂Sichuan Changhong Electric Co., LtdSkyworth Digital Holdings LimitedSociété Coopérative Agricole et Agro-alimentaire AGRIALSociété L.D.C. SASodiaal Unionソニー株式会社Spectrum Brands Holdings, Inc.Stanley Black & Decker, Inc.住友ゴム工業株式会社サントリーホールディングス株式会社Svenska Cellulosa AB SCASwarovski AGSwatch Group Ltd., TheTCL CorporationTechtronic Industries Co. Ltd.TINE Group, TheTingyi (Cayman Islands) Holding Corp.Tönnies Lebensmittel GmbH & Co. KGTotal Produce plcTOTO株式会社東洋水産株式会社東洋ゴム工業株式会社Tsingtao Brewery Co., Ltd.Tyson Foods, Inc.ユニ・チャーム株式会社Unilever GroupUni-President Enterprises Corp.V.F. CorporationVestel Elektronik Sanayi ve Ticaret A.Ş.Vion Holding N.V.Vizio, Inc.Want Want China Holdings LimitedWestfleisch eGWH Group LimitedWhirlpool Corporation株式会社ワールドWuliangye Yibin Co., Ltd.株式会社ヤクルト本社ヤマハ株式会社山崎製パン株式会社横浜ゴム株式会社

12995

10548

11410022913921820750

15684451

19090

11123724710385

143141191119

518673993058

1928857

17422375

10621513520319918015

1237

5370

23286

2451972267138

23919321918579

118

2013年に再び世界的な景気調整の1年を経験した消費財業界全体として、2013年は景気の足元を固める動きがある中、世界経済にとって再び困難な1年となった。欧州は2013年の大半において不況のままであったが、年末から2014年初頭にかけて穏やかに回復し始めた。ただし、成長は小幅にとどまった。2013年の米国経済は、財政政策の引き締めを主な要因として緩やかに成長した。日本では輸出の持ち直しと政府による大規模な景気刺激策が下支えとなり景気が浮揚したが、中国経済は2013年に減速し、2014年にかけても同様な低成長が続いた。ラテンアメリカ諸国の一部でも、中国における商品ブームの終焉、国内需要の低迷、社会不安、その他の後退圧力に直面したことで景気が減速した。全体として、世界の多くの国で、景気回復は依然として不安定で力強さに欠けるものであった。

世界経済の成長率は再び事前の予想を下回ったものの、コンシューマーグローバル企業、すなわち世界の消費財関連企業上位250社については、為替調整後の平均売上高が2013年に5.6%増加した。この上位250社の報告のうち、4分の1は2013年に売上高が増加しており、半数(125社)は2012年比で2013年に成長率が増加した。ただし、成長率の増加は、すべての地域や製品セクターにわたってみられたトレンドではない。

最終損益については、2013年に利益率が2年連続で増加した。平均純利益率は9.6%に上昇し(純利益を報告した217社ベース)、業界が不況後に回復に転じた2010年に達成した8.5%の実績を初めて超えた。報告した企業の大部分(202社)は2013年に黒字を計上しており、純損失を計上したのは、報告した217社中15社のみであった。さらに、報告した企業の過半数で純利益率が向上した。資産回転率は2013年にやや低下したが、利益率が向上したことで総資産利益率は8.2%に上昇した。

消費財関連企業上位250社は、平均規模が123億米ドルで、2013年に3.1兆米ドル近くの売上高をあげた。この数字は、2012年における上位250社の総売上高から若干減少しているが、これは上位250社の構成が変化したためである。パナソニック、Nokia、Blackberry(旧Research In Motion)は、売上高に占める消費財の割合が半分に満たなくなったため、2013年に上位250社から除外された。

2013年の上位250社にランクインするには、30億米ドル以上の売上高が必要であった。これらの企業の70%近くは、売上高が100億米ドルを下回った。104社の売上高が30億~50億米ドルの範囲であった一方、68社は50億~100億米ドルの売上高を達成した。上位250社のうち、250億米ドルを超える売上高を報告した企業は、10%未満(23社)であった。

上位250社の注目点

16 172015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 11: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

地域分析を行う目的で、各企業を本社所在地である1つの地域に分類している。この地域は、各企業が売上の大部分を得ている場所と一致しない場合もある。多くの企業は所属地域以外の場所でも売上をあげているが、ここでは各企業の売上高がすべて各企業の所属地域で得られたものとして考える。分析に使用したのは、次の5つの地域である。

•アフリカ・中東•アジア・太平洋•欧州•ラテンアメリカ・カリブ海•北米

欧州と他の地域との間で成長率の格差が引き続き拡大欧州の消費財関連企業は、2013年に引き続き苦戦した。一部の新興市場、特にラテンアメリカとアフリカ・中東で国内市場が低迷し、景気が減速する中で、売上高の伸びが鈍化したためである。欧州企業の平均売上高は1.2%しか増加せず、2012年の4.0%から低下した。欧州の3大国を本拠地とする企業は、一層苦戦した。フランス企業がかろうじて0.6%伸びた一方、ドイツ企業

地域分析上位10社

世界最大の食肉加工会社JBSが上位10社入り2013年には、世界最大の食肉加工会社であるJBSが、世界の消費財関連企業上位10社に初めて入った。同社は、買収主導の成長で急速に順位を上げてきた。2007年に103位で初めて上位250社に入る前には、Swi f t & Companyを買収している。その後、2008年にSmithfield Beef GroupをSmithfield Foodsから買収、2009年にはPilgrim’s Prideの過半数株式を取得し、Grupo Bertinと合併、そのほか多数の小規模な買収を行っている。2013年9月、JBSは、Marfrig Alimentosから総額58.5億レアル(27.6億米ドル)でGrupo ZendaとSeara Alimentosを買収した。

相次ぐ買収にもかかわらず、JBSの上位10社入りは、2013年にパナソニック株式会社(2012年に4位)が考慮の対象外となり、JBSがリストの最上位に加わる余地ができたことで初めて可能になった。2014年3月31日を期末とする事業年度におけるパナソニックの総売上高は、その70%超が消費者向けエレクトロニクス以外の分野から得られたもので、消費財の売上高の寄与は半分に満たなかった。これは、パナソニックの事業領域が幅広いB2Bセクターへと拡大したためである。

上位10社に入ったその他の消費財関連企業については、前年と同じであった。ただし、PepsiCoがUnileverより上位の6位に入り、LGがCoca-Colaを超えて8位につけた。

売上高成長率が悪化したにもかかわらず、利益率はこれまでの健全な水準からさらに向上している。平均ベースで、欧州は前年より2ポイント高い11.0%の純利益率を記録した。好調な利益率の一因は、利益率の高い飲料、タバコ、パーソナルケア製品を扱う企業の多くが欧州に本社を置いていることにあると考えられる。これは特に英国で顕著となっており、英国企業の平均利益率は最高の15.0%に達した。

北米企業については、2010年と2011年に2桁の売上増が続いた後、2013年には売上高の平均成長率が小幅にとどまり、前年の4.0%から若干低下して3.6%となった。一方、北米地域の利益率は3年連続で増加した。平均純利益率は12.6%と好調で、5つの地域の中で最高となった。 アジア・太平洋地域を本拠地とする企業については、2013年に売上高成長率がほぼ倍増して10.9%となった。この地域の業績は、全体として、日本企業の好調な伸びによって押し上げられた。上位250社に入った日本の消費財関連企業は、2013年に9.1%の平均成長率を記録し、2008年に達成した売上高の水準をようやく超えた。その結果、日本における2008~2013年の年複利成長率は、0.9%のプラスとなった。アジア・太平洋地域の売上高成長率は、中国企業が2012年に非常に低い成長率を記録した後、2013年に回復したことによっても押し上げられた。中国の17.5%という平均成長率は、他の全地域の実績を上回っている。

アジア・太平洋地域では、利益率についても、日本の最終損益の向上に支えられて増加した。それにもかかわらず、平均純利益率は6.4%で、上位250社全体と比較して、なお平均を大幅に下回っている。

ラテンアメリカを本拠地とする消費財関連企業の売上高の伸びは、2013年に大幅に鈍化した。平均成長率は7.3%に低下している。これは2012年の成長率の半分にも満たない。上位250社の平均5.6%を超えたとはいえ、この地域の成長率が近年のペースを大幅に下回ったことは、5年間の年複利成長率が16.3%に達することからも明らかである。

この地域を構成する11社のラテンアメリカ企業については、利益率も低下した。2013年の平均純利益率は3.5%で、前年比で1ポイント低下した。これは、この地域の実績からGrupo Modeloが除外されたことを反映している。2013年6月、Anheuser-Busch InBevは、高い利益率をあげていたこのメキシコのビール会社を買収した。 アフリカ・中東地域を本拠地とする企業については、2013年に平均成長率が急激に低下した。4.1%という成長率は、前年の実績である16.9%や、この地域における5年間の年複利成長率である12.3%と比較して大幅に低い。ただし、この地域の実績を構成する企業がわずか4社であるため、解釈は慎重に行う必要がある。これらの企業のうち2社については売上高が減少し、他の1社については伸びが大幅に鈍化した。トルコで最大の飲料会社であるAnadolu Efesのみが、2013年に売上高を好調に伸ばすとともに、増益を達成し、この地域の平均純利益率を11.2%に押し上げた。

上位10社の平均成長率が引き続き上位250社全体を上回る中、上位10社が上位250社の売上高に占める割合は、2013年に30%近くとなり、デロイトが2006年に同業界の世界的企業の調査を開始して以来、最高の水準に達した。平均ベースで世界の消費財関連企業上位250社全体の成長率が5.6%であったのに対して、上位10社の成長率は7.7%であった。 それでも、上位10社のうち3社は、2013年に売上高が減少している。上位10社に入ったパーソナルケア・家庭用品企業の2社、P&GとUnileverについては、継続事業による売上高が小幅に増加したものの、主力以外のブランドや事業の売却を進めたため、両社の総売上高は減少した。2013年7月、P&Gは、29億米ドルでMars, Inc.にペットケア事業を売却した。2013年中に、Unileverは処分の一環として、同社の世界的なSkippyピーナッツバター事業をHormel Foodsに売却し、サラダドレッシングブランドのWish-BoneとWesternをPinnacle Foodsに売却した。Coca-Colaの売上高が減少した原因は、北米と欧州の清涼飲料業界がすでに成熟していることと、ブラジルとフィリピンにおける同社のボトリング事業が2013年に連結から除外されたことにあると考えられる。

最終損益についても、上位10社の実績は上位250社を上回り、上位10社の平均純利益率が12.0%に達したのに対して、上位250社全体では9.6%にとどまった。上位10社のうち7社が2桁の純利益率を記録した一方、ソニーのみが赤字を計上した。

消費財関連企業上位10社

出典:各企業が公表したデータ* 上位10社と上位250社の売上高成長率の数値は、為替調整後の売上高加重平均である** 上位10社と上位250社の数値は、売上高加重平均である*** 年複利成長率¹Nestléの2010~2013年度の売上高は、会計方針の変更を反映している。2010年よりも前の年度については、比較可能な売上高のデータを入手できない

2013年度の売上高順位 本拠国

2013年度の 売上高

(100万米ドル)

2013年度の純利益

率**

2013年度の総資産利益率**

2008~2013年度における売上高のCAGR* ***企業の名称

1 韓国 210,397 13.3% 14.2% 13.5%Samsung Electronics Co., Ltd.

2 米国 170,910 21.7% 17.9% 35.4%Apple Inc.

3 スイス 99,485 11.3% 8.7% n/aNestlé S.A.1

4 米国 83,062 14.2% 8.2% 1.0%The Procter & Gamble Company

5 日本 66,756 -0.9% -0.4% -1.2%ソニー株式会社

6 米国 66,415 10.2% 8.8% 9.0%PepsiCo, Inc.

7 オランダ及び英国 66,143 10.6% 11.6% 4.2%Unilever Group

8 韓国 53,489 0.4% 0.6% -1.7%LG Electronics Inc.

9 米国 46,854 18.4% 9.6% 8.0%The Coca-Cola Company

10 ブラジル

地域アジア・太平洋

北米

欧州

北米

アジア・太平洋

北米

欧州

アジア・太平洋

北米

ラテンアメリカ・カリブ海

主要な製品セクターエレクトロニクス製品

エレクトロニクス製品

食品・飲料・タバコ

パーソナルケア・家庭用品

エレクトロニクス製品

食品・飲料・タバコ

パーソナルケア・家庭用品

エレクトロニクス製品

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ 43,306 1.2% 1.6% 25.1%JBS S.A.

上位10社

上位250社

$906,818

$3,073,118

12.0%

9.6%

2013年度の売上高成長率*13.7%

9.2%

2.7%

-1.3%

17.4%

1.4%

-3.0%

14.1%

-2.4%

22.7%

7.7%

5.6%

9.8%

8.2%

10.1%

6.0%

上位10社が上位250社の売上高に占める割合 29.5%

地域・国別のプロフィール

企業の数平均規模

(100万米ドル)上位250社に

占める割合上位250社の売上高

に占める割合

4 $5,250 1.6% 0.7%アフリカ・中東

86 $11,727 34.4% 32.8%アジア・太平洋

50 $8,690 20.0% 14.1%日本

36 $15,944 14.4% 18.7%その他のアジア・太平洋¹

21 $10,543 8.4% 7.2%中国・香港

62 $13,056 24.8% 26.3%欧州

14 $11,918 5.6% 5.4%フランス

9 $11,383 3.6% 3.3%ドイツ

7 $23,775 2.8% 5.4%英国2

11 $11,216 4.4% 4.0%ラテンアメリカ・カリブ海

87 $12,767 34.8% 36.1%北米

82 $13,192 32.8% 35.2%米国

250 $12,292 100.0% 100.0%上位250社

出典:各企業が公表したデータをデロイトが分析したもの

¹ 日本を除く。中国・香港を含む² Unileverを含む。Unileverは二元上場企業であり、ロンドンに本拠地を置くUnilever PLCと、オランダ・ロッテルダムに本拠地を置くUnilever N.V.で構成される。これら2つの企業は単一の事業体として活動している。

18 192015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 12: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

20%

5.6%

9.6%

8.2%

6.0%

4.1%

11.2

%8.

6%12

.3%

10.9

%6.

4%6.

3%5.

7%

9.1%

12.7

%

17.5

%

8.3% 9.

7% 10.0

%

6.4% 7.

6%15

.8%

11.0

%1.

2%

8.0%

4.9%

0.6%

7.5%

5.9% 6.

7%

1.6%

6.1% 6.4%

4.3%

15.0

%

16.3

%

12.6

%10

.6%

5.8%

3.4%

12.8

%10

.6%

5.9%

9.5%

5.3%

7.3%

3.5% 3.7%

3.6%

-1.8

%

4.0%

3.3%

0.9%

15%

10%

5%

-5%

0%

2

1

アジア・太平洋の消費財関連企業上位10社

北米の消費財関連企業上位10社

欧州で最大級の消費財関連企業は、大部分が食品・飲料・タバコのメーカーとパーソナルケア・家庭用品のメーカーであり、2013年には上位10社中9社を占めていた。Nestléが依然として疑う余地のないトップ企業であり、1,000億ドル近くの売上高をあげている。

前年の上位10社のリストと比較して最大の変化は、Nokiaが除外されたことである。同社は、2014年4月にスマートデバイスと携帯電話の事業をMicrosoftに売却した後、消費財を主に扱う企業ではなくなった。この変化によって、ドイツのパーソナルケア・家庭用品メーカーであるHenkelが、この地域の上位10社に初めて加わっている。

アジア・太平洋の上位10社の中では、エレクトロニクス企業が上位4位を占めている。ただし、2013年にパナソニック株式会社が除外された結果、リスト内でエレクトロニクス企業が1社減少している。欧州のNokiaの場合と同様、企業の売上高に占める消費財の割合が半分に満たなくなったためである。パナソニックが除外された結果、上位10社のリストの最下位に、中国の電機メーカーであるMidea Groupが新たに加わる余地が生まれた。

一方、2013年には、Lenovo Groupが引き続き順位を上げてブリヂストンを抜いている。2014年にMotorola MobilityをGoogleから買収し、IBMからx86サーバー事業を買収した結果、Lenovoは近い将来、世界の消費財関連企業上位10社の1社となる可能性がある。

2013年における北米の上位10社は、名前も順位も前年と同じであった。ただし、首位のAppleがこの地域の他の消費財メーカーに対して引き続きリードを拡大し、2位のP&Gの規模と比較して2倍を超えるまでになった。

北米の上位10社は、いずれも米国を本拠地とする企業である。カナダ最大の消費財関連企業は加工乳製品会社のSaputoで、2013年に88億米ドル近くの売上高をあげた。

地域・国別の実績

欧州の消費財関連企業上位10社

■2013年度の純利益率**■2013年度の売上高成長率 ■2008~2013年度における売上高のCAGR* ***■2013年度の総資産利益率**

出典:各企業が公表したデータをデロイトが分析したもの* 為替調整後の売上高加重平均の成長率** 売上高加重平均*** 年複利成長率¹ 日本を除く。中国・香港を含む² Unileverを含む。Unileverは二元上場企業であり、ロンドンに本拠地を置くUnilever PLCと、オランダ・ロッテルダムに本拠地を置くUnilever N.V.で構成される。これら2つの企業は単一の事

業体として活動している。

上位250社 アフリカ・中東

アジア・太平洋

日本 その他のアジア・太平洋

欧州中国・香港 フランス ドイツ 英国 ラテンアメリカ・カリブ海

北米 米国

企業の名称

上位250社における順位

1

5

8

12

13

19

24

30

33

34

アジア・太平洋における順位 本拠国

韓国

日本

韓国

香港

日本

中国

日本

日本

日本

中国

製品セクター

2013年度の売上高

(100万米ドル)

210,397

66,756

53,489

38,707

36,609

29,127

23,974

20,932

19,943

19,544

2013年度の売上高の成長率

Samsung Electronics Co., Ltd. 1 エレクトロニクス製品 13.7%

ソニー株式会社 2 エレクトロニクス製品 17.4%

LG Electronics Inc. 3 エレクトロニクス製品 14.1%

Lenovo Group Limited 4 エレクトロニクス製品 14.3%

株式会社ブリヂストン 5 タイヤ 17.4%

Haier Group Company 6 家庭用家具・設備 10.5%

日本たばこ産業株式会社 7 食品・飲料・タバコ 13.2%

サントリーホールディングス株式会社 8 食品・飲料・タバコ 10.2%

キリンホールディングス株式会社 9 食品・飲料・タバコ 3.9%

Midea Group Co., Ltd. 10 家庭用家具・設備 17.9%

企業の名称

上位250社における順位

2

4

6

9

14

15

16

17

21

29

北米における順位 本拠国

米国

米国

米国

米国

米国

米国

米国

米国

米国

米国

製品セクター

2013年度の売上高

(100万米ドル)

170,910

83,062

66,415

46,854

35,299

34,374

33,000e

31,217

27,799

21,152

2013年度の売上高の成長率

Apple Inc. 1 エレクトロニクス製品 9.2%

The Procter & Gamble Company 2 パーソナルケア・家庭用品 -1.3%

PepsiCo, Inc. 3 食品・飲料・タバコ 1.4%

The Coca-Cola Company 4 食品・飲料・タバコ -2.4%

Mondelez International, Inc. 5 食品・飲料・タバコ 0.8%

Tyson Foods, Inc. 6 食品・飲料・タバコ 3.3%

Mars, Incorporated 7 食品・飲料・タバコ 0.0%

Philip Morris International Inc. 8 食品・飲料・タバコ -0.5%

NIKE, Inc. 9 ファッションアイテム 9.8%

Kimberly-Clark Corporation 10 パーソナルケア・家庭用品 0.4%

企業の名称

上位250社における順位

3

7

11

18

20

22

23

25

26

27

欧州における順位 本拠国

スイス

オランダ及び英国

ベルギー

フランス

フランス

フランス

オランダ

英国

英国

ドイツ

製品セクター

2013年度の売上高

(100万米ドル)

99,485

66,143

43,195

30,519

28,289

26,893

25,507

23,879

22,780

21,724

2013年度の売上高の成長率

Nestlé S.A. 1 食品・飲料・タバコ 2.7%

Unilever Group 2 パーソナルケア・家庭用品 -3.0%

Anheuser-Busch InBev SA/NV 3 食品・飲料・タバコ 8.6%

L'Oréal S.A. 4 パーソナルケア・家庭用品 2.3%

Danone 5 食品・飲料・タバコ 2.1%

Compagnie Générale des Établissements Michelin S.C.A. 6 タイヤ -5.7%

Heineken N.V. 7 食品・飲料・タバコ 4.5%

British American Tobacco plc 8 食品・飲料・タバコ 0.5%

Imperial Tobacco Group PLC 9 食品・飲料・タバコ -0.6%

Henkel AG & Co. KGaA 10 パーソナルケア・家庭用品 -0.9%

各地域の消費財関連企業上位

20 212015 年のコンシューマーグローバル企業動向

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アフリカ・中東の消費財関連企業上位

製品セクターの概要

ラテンアメリカ・カリブ海の消費財関連企業上位10社 分析を行う目的から、上位250社を次の8つの主要な製品セクターに分類した。

•ファッションアイテム•エレクトロニクス製品•食品・飲料・タバコ•家庭用家具・設備•住宅改装用品•レジャー用品•パーソナルケア・家庭用品•タイヤ

2013年に家庭用品の需要が増大ファッションアイテムセクターは、不況後の2010年と2011年に力強く持ち直したものの、2013年には勢いが引き続き衰えた。2013年の平均売上高は6.8%の伸びにとどまり、2012年の7.3%から鈍化している。業績は他の大部分の業界セクターと比較してなお堅調だが、成長率は2010年の半分に満たない。このセクターの利益率は、前年と比較して若干向上しており、平均純利益率では8.3%を記録した。これは上位250社全体と比較して平均を下回ったものの、2012年の実績からは1ポイント改善している。

パーソナルケア・家庭用品は、近年、最も成長率の低い製品セクターの1つとなっており、2013年についても例外ではなかった。欧米市場における需要低迷に加えて競争が激化したため、上位250社のうち、このセクターを構成する28社の売上高の平均成長率は1.6%にとどまっている。

業界最大手の2社、P&GとUnileverの既存事業の売上高は小幅に増加したが、主力以外のブランドや事業の整理を進めたため、2013年に両社の総売上高は減少した。ただし、一層きめ細かい市場細分化による押し上げ効果を考慮すると、このセクターの収益性は依然として高く、平均純利益率が10.5%に達している。

食品・飲料・タバコ製品のメーカーについては、2013年の売上高が4.2%の小幅な伸びを見せ、成長率も2012年の3.8%から上昇した。小幅な成長にもかかわらず、このセクターは高い収益性を維持し、10.2%の平均純利益率を記録した。ただし、実績は部門によって大きく異なり、特に最終損益において顕著な差が見られた。

飲料部門の売上高は引き続き食品およびタバコ部門を上回り、従来の傾向通りであったが、売上高の平均成長率は、2012年の6.6%から、2013年には5.2%に低下した。清涼飲料メーカーは、先進国市場における需要の低迷に直面しており、これが成長の足かせとなった。それにもかかわらず、アルコールおよびノンアルコール飲料メーカーの利益率は好調を維持している。平均純利益率は16.1%で、この部門の最終損益はタバコ会社に次ぐ2番目の水準となった。

食品とタバコの両部門の売上高成長率は、2013年に若干回復した。食品加工会社は、売上高の平均成長率で前年比1ポイント増の4.1%を達成した。この部門は最終損益も引き続き好調で、平均純利益率は5.8%を記録している。しかし、食品加工は、飲料会社やタバコ会社と比較して、はるかに利益率の低い事業である。

タバコ会社は、先進国市場で巻きタバコの売上高が減少し続け、業界が成長著しい電子タバコ事業への参入を急ぐ中、2013年に再び市場の低迷に直面した。この部門を構成する9社の売上高は、2.7%増加している。それでも、業界は高い利益率を維持し、2013年の純利益率は21.6%に達した。

製品セクターによる分析

上位250社に入ったラテンアメリカ企業は、2社を除き全社が食品加工会社または飲料メーカーである。首位のJBSは、前述の世界の上位10社に関する項で説明したように、2013年に世界で10番目の規模の消費財関連企業となった(「世界最大の食肉加工会社JBSが上位10社入り」参照)。Grupo Modeloは、2012年にラテンアメリカ地域で6位にランクインしたが、2013年6月にAnheuser-Busch InBevによって買収され、その業績は新たな親会社に連結された。

その結果、ブラジルの化粧品・スキンケアメーカーNatura Cosméticosがこの 地 域 の上 位10 社 に再 び ランクインしてい る 。ラテンアメリカで

(Coca-Cola FEMSAに次ぐ)2番目の規模のCoca-Cola製品メーカーであるArca Continentalは、2013年にBacardiとGrumaの両社を超えて6位に入った。

消費財関連企業上位250社のうち4社がアフリカ・中東地域に含まれ、サウジアラビアを本拠地とする多国籍食品グループSavolaが引き続き首位となった。この地域におけるその他3社の企業は、トルコに本社を置いている。トルコで最大のビール会社であるAnadolu Efesは、2013年にCoca-Cola İçecek(CCİ)を統合した後、売上高が43.3%急増した。

CCİは、トルコと外国におけるグループのCoca-Cola事業の運営を担っている。これにより、Anadolu Efesは、Vestel Elektronikよりも上位に入った。Vestel Elektronikの売上高は、主に輸出が落ち込んだ結果、17.3%減少した。

企業の名称

上位250社における順位

111

126

153

232

アフリカ・中東における順位 本拠国

サウジアラビア

トルコ

トルコ

トルコ

製品セクター

2013年度の売上高

(100万米ドル)

7,034

5,846

4,845*

3,276

2013年度の売上高の成長率

Savola Group Company 1 食品・飲料・タバコ -3.7%

Arçelik A.Ş. 2 家庭用家具・設備 5.1%

Anadolu Efes Biracilik ve Malt Sanayii A.Ş. 3 食品・飲料・タバコ 43.3%

Vestel Elektronik Sanayi ve Ticaret A.Ş. 4 エレクトロニクス製品 -17.3%

企業の数上位250社に占める

売上高の割合

4.7%

20.5%

49.1%

4.8%

2.3%

1.2%

13.2%

4.1%

100.0%

平均規模(100万米ドル)

$7,297

$35,081

$10,627

$11,335

$6,993

$4,766

$14,438

$11,548

$12,292

上位250社に占める割合

ファッションアイテム 20 8.0%

エレクトロニクス製品 18 7.2%

食品・飲料・タバコ 142 56.8%

家庭用家具・機器 13 5.2%

住宅設備 10 4.0%

娯楽用品 8 3.2%

パーソナルケア・家庭用品 28 11.2%

タイヤ 11 4.4%

上位250社 250 100.0%

企業の名称

上位250社における順位

10

31

54

56

92

155

168

178

228

233

ラテンアメリカ・カリブ海における順位 本拠国

ブラジル

メキシコ

ブラジル

メキシコ

ブラジル

メキシコ

バミューダ

メキシコ

メキシコ

ブラジル

製品セクター

2013年度の売上高

(100万米ドル)

43,306

20,149

14,227

13,812

8,741

4,736

4,477

4,245

3,300e

3,268

2013年度の売上高の成長率

JBS S.A. 1 食品・飲料・タバコ 22.7%

Fomento Económico Mexicano, S.A.B. de C.V.(FEMSA) 2 食品・飲料・タバコ 8.4%

BRF S.A.(旧BRF - Brasil Foods S.A.) 3 食品・飲料・タバコ 7.0%

Grupo Bimbo, S.A.B. de C.V. 4 食品・飲料・タバコ 1.7%

Marfrig Global Foods S.A.(旧Marfrig Alimentos S.A.) 5 食品・飲料・タバコ -21.0%

Arca Continental, S.A.B. de C.V. 6 食品・飲料・タバコ 7.3%

Bacardi Limited 7 食品・飲料・タバコ 0.2%

Gruma, S.A.B. de C.V. 8 食品・飲料・タバコ -15.9%

Controladora Mabe S.A. de C.V. 9 家庭用家具・設備 -5.0%

Natura Cosméticos S.A. 10 パーソナルケア・家庭用品 10.5%

出典:各企業が公表したデータをデロイトが分析したもの

出典:各企業が公表したデータe=見通し* 当該企業が報告した売上高から物品税が除外されているか判断できない

22 232015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 14: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

12%

5.6%

9.6%

8.2%

6.0% 6.

8%8.

3% 9.1%

7.8%

11.2

%10

.5%

9.9% 10

.8%

4.2%

10.2

%8.

0%5.

5%

8.3%

5.2% 5.

8%5.

4%

10.9

%4.

3%4.

0% 4.5%

9.3%

6.4%

10.5

%8.

5%

1.6%

3.1%

3.1%

5.7%

5.5%

3.4%

-0.2

%

-3.6

%

10%

6%

8%

4%

2%

-2%

0%

消費者向けエレクトロニクス製品セクターは、全体として2013年に再び活況を呈し、売上高が平均ベースで11.2%増加したほか、利益率も好調であった。ただし、2013年に上位250社から除外されたパナソニックとNokiaを前年の実績から除いた場合、成長率は2012年と比較して大幅に鈍化する。業界首位のSamsungの売上高は、2013年に13.7%伸び、2012年の21.9%から鈍化した。このセクターで2番目の規模のAppleは、2013年に売上高の伸びが9.2%にとどまり、過去5年間に毎年達成していた40%超の急激な成長を維持できなかった。このセクターを構成する18社は、10.5%の平均純利益率を記録している。

家庭用家具・機器のメーカーについては、平均売上高が8.3%増加したため、2013年の成長率はほぼ3倍増となった。この伸びは、主に4社の中国企業、Haier、Midea、Gree、Hisenseの2桁成長によってもたらされたものである。このセクターの平均純利益率は、引き続き5.2%とかなり小幅であったが、これは主に家庭用電化製品メーカーで構成されるこのセクターでは一般的である。 住宅設備企業も2013年に回復を見せた。売上高が10.9%伸び、成長率は2012年の2倍を超えた。このセクターの10社のうち8社で伸びが加速した。このセクターでは、最終損益も引き続き改善している。ただし、利益率は依然として全製品セクターの中で最低となっており、平均純利益率は4.3%にとどまった。

苦戦する娯楽用品セクターについては、売上高成長率が2012年にいったん持ち直した後、2013年にはマイナスに戻った。このセクターを構成する8社の売上高は、0.2%減少している。これは、主に5年連続で売上高減少に見舞われた任天堂が足かせとなったためである。任天堂を含むこのセクターの企業の半数が、2013年における売上高の減少を報告した。一方、利益については、任天堂とElectronic Artsを除き、極めて好調に持ちこたえている。このセクターの平均純利益率は9.3%を記録した。

タイヤセクターは、2013年に引き続き低迷した。タイヤメーカー11社のうち、4社について売上高が減少した一方、別の4社については成長が大幅に鈍化した。全体では、売上高は2013年に3.1%増加し、前年の1.8%増の不振からは改善している。また、全11社が再び利益を上げた。

食品・飲料・タバコ:部門別の実績

製品セクター別の実績

ファッションアイテム上位10社の構成は、2013年に変化せず、Nikeが首位であった。ただし、PVHは、2013年2月にThe Warnaco Groupを買収したことに伴い、順位を2つ上げて6位となった。

その他の企業については、前年と同じ順位となった。リスト内の全社が米国または欧州の企業で、大半が代表的な消費者ブランドである。

ファッションアイテム企業上位10社

世界最大の2社の消費者向けエレクトロニクス企業、SamsungとAppleが、このセクターの上位10社に入った他の企業から抜きんでており、その規模は1つ下位の企業と比較して数倍に達する。2013年の売上高が2,100億米ドルのSamsungと、同1,710億米ドルのAppleは、世界の消費財関連企業の中で最大の2社であるという点でも際立っている。さらに、Appleは、消費者向けエレクトロニクス企業上位10社の中で唯一アジアを本拠地としていないという点で注目に値する。ただし、Appleが2013年に達成した9.2%の売上高成長率は、過去10年超の中で最低であることも特筆すべき点である。これは、同社製品の大部分が好調に伸びたものの、MacとiPodの売上が落ち込み、iPadの伸びも大幅に鈍化したことで、成長が一部打ち消されたためである。

すでに説明した通り、パナソニックとNokiaは、両社とも以前はエレクトロニクス製品セクターの上位10社内にランクインしていたが、売上高の大半を消費財以外からあげるようになったため、2013年に上位250社から除外された。代わりに、中国の大手携帯電話メーカーの1社であるTCLと、中国最大のテレビメーカーの1社であるChanghongが、それぞれリストの7位と10位を埋めることになった。

エレクトロニクス製品企業上位10社

企業の数

平均規模(100万

米ドル)$11,531

$9,884

$15,747

$10,627

2013年度の売上高成長率*

飲料 32 5.2%

食品加工 101 4.1%

タバコ 9 2.7%

食品・飲料・タバコ 142 4.2%

2013年度の純

利益率**16.1%

5.8%

21.6%

10.2%

2013年度の総資産利益率**

8.2%

6.3%

12.9%

8.0%

2008~2013年度における

売上高のCAGR* ***

6.7%

5.2%

4.8%

5.5%

出典:各企業が公表したデータをデロイトが分析したもの* 為替調整後の売上高加重平均の成長率** 売上高加重平均*** 年複利成長率

上位250社 ファッションアイテム

エレクトロニクス製品

食品・飲料・タバコ 家庭用家具・機器 住宅設備 娯楽用品 パーソナルケア・家庭用品

タイヤ

■2013年度の純利益率**■2013年度の売上高成長率 ■2008~2013年度における売上高のCAGR* ***■2013年度の総資産利益率**

出典:各企業が公表したデータをデロイトが分析したもの* 為替調整後の売上高加重平均の成長率** 売上高加重平均*** 年複利成長率

企業の名称上位250社における順位

21

36

70

83

88

95

105

113

139

157

製品セクターにおける順位 本拠国

米国

ドイツ

米国

イタリア

スイス

米国

米国

フランス

スイス

米国

地域2013年度の売上高

(100万米ドル)

27,799

19,249

11,420

9,713

9,128

8,186

7,450

6,728

5,398e

4,682

2013年度の売上高の成長率

NIKE, Inc. 1 北米 9.8%

adidas AG 2 欧州 -2.6%

V.F. Corporation 3 北米 5.0%

Luxottica Group S.p.A. 4 欧州 3.2%

The Swatch Group Ltd. 5 欧州 8.5%

PVH Corp. 6 北米 35.5%

Ralph Lauren Corporation 7 北米 7.3%

Essilor International S.A. 8 欧州 1.5%

Rolex SA 9 欧州 2.0%

Levi Strauss & Co. 10 北米 1.6%

企業の名称上位250社における順位

1

2

5

8

12

49

57

65

81

85

製品セクターにおける順位 本拠国

韓国

米国

日本

韓国

香港

台湾

中国

台湾

日本

中国

地域2013年度の売上高

(100万米ドル)

210,397

170,910

66,756

53,489

38,707

15,636

13,784

12,154

9,796

9,511

2013年度の売上高の成長率

Samsung Electronics Co., Ltd. 1 アジア・太平洋 13.7%

Apple Inc. 2 北米 9.2%

ソニー株式会社 3 アジア・太平洋 17.4%

LG Electronics Inc. 4 アジア・太平洋 14.1%

Lenovo Group Limited 5 アジア・太平洋 14.3%

ASUSTeK Computer Inc. 6 アジア・太平洋 3.3%

TCL Corporation 7 アジア・太平洋 22.9%

Acer Incorporated 8 アジア・太平洋 -16.2%

株式会社ニコン 9 アジア・太平洋 -3.0%

Sichuan Changhong Electric Co., Ltd 10 アジア・太平洋 12.5%

製品セクター別の消費財関連企業上位

24 252015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 15: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

食品・飲料・タバコ企業の上位10社も、欧州と米国の企業が大半を占め、Nestléが再び首位となった。リスト内の企業名は2012年と同じであった。このセクターの上位10社の中で2013年にただ1つ変化した点は、唯一のラテンアメリカ企業JBSに関する部分である。

ブラジルを本拠地とする食肉加工会社である同社は、主に買収を通じて引き続き成長を加速させ、その結果、AB InBevの順位を追い抜き、世界で10番目の規模の消費財関連企業となった。これらの2社を除き、上位10社の売上高成長率は概して低迷している。

食品・飲料・タバコ企業上位10社

3社の中国企業がいずれも2桁の成長率に押し上げられ、2013年に初めて家庭用家具・機器メーカーのリストの最上位を占めた。3社はすべて家庭用電化製品メーカーで、上位10社のうちAshley Furniture Industriesを除く全社も同様である。Ashley Furnitureは、2013年にイタリアのIndesit Companyに取って代わり、10位でこのセクターの上位10社に加わった。

Indesitは欧州で需要が減少し、同社のノルウェー事業が清算されたため、2013年の売上高が落ち込んだ。2014年には、米国のWhirlpoolがIndesitの経営権を獲得し、欧州における存在感が増している。

家庭用家具・機器企業上位10社

住宅設備企業の上位10社は、2013年もグループの構成を維持し、企業名やその順位に変化はなかった。リストは大半が米国メーカーで占められているが、首位は日本のLIXILグループである。

同社はドア、窓、シャッター、キッチン・浴室設備、タイルなどの住宅資材や建材を供給している。

住宅設備企業上位10社

2013年の娯楽用品セクターは、引き続き上位250社のうちの8社で構成されている。2013年には、Mattelがついに任天堂を追い抜き、このセクターで最大の企業となった。任天堂は、昨年に売上高を伸ばしたものの、2008年以降は上位250社の中での順位を落とし、43位から2013年には130位となっ

た。2012年にビデオゲームメーカーのElectronic Artsを追い抜いたLego Groupは、引き続き順位を上げている。現在5位のLegoは、2013年にヤマハとHasbroより上位にランクインした。

娯楽用品企業上位

企業の名称上位250社における順位

3

6

9

10

11

14

15

16

17

20

製品セクターにおける順位 本拠国

スイス

米国

米国

ブラジル

ベルギー

米国

米国

米国

米国

フランス

地域2013年度の売上高

(100万米ドル)

99,485

66,415

46,854

43,306

43,195

35,299

34,374

33,000e

31,217

28,289

2013年度の売上高の成長率

Nestlé S.A. 1 欧州 2.7%

PepsiCo, Inc. 2 北米 1.4%

The Coca-Cola Company 3 北米 -2.4%

JBS S.A. 4 ラテンアメリカ 22.7%

Anheuser-Busch InBev SA/NV 5 欧州 8.6%

Mondelez International, Inc. 6 北米 0.8%

Tyson Foods, Inc. 7 北米 3.3%

Mars, Incorporated 8 北米 0.0%

Philip Morris International Inc. 9 北米 -0.5%

Danone 10 欧州 2.1%

企業の名称上位250社における順位

19

34

37

38

44

55

126

136

171

195

製品セクターにおける順位 本拠国

中国

中国

中国

米国

スウェーデン

ドイツ

トルコ

フランス

ドイツ

米国

地域2013年度の売上高

(100万米ドル)

29,127

19,544

19,164

18,769

16,763

13,957

5,846

5,527

4,369

3,850e

2013年度の売上高の成長率

Haier Group Company 1 アジア・太平洋 10.5%

Midea Group Co., Ltd. 2 アジア・太平洋 17.9%

Gree Electric Appliances, Inc. of Zhuhai 3 アジア・太平洋 19.4%

Whirlpool Corporation 4 北米 3.5%

AB Electrolux 5 欧州 -0.8%

BSH Bosch und Siemens Hausgeräte GmbH 6 欧州 7.2%

Arçelik A.Ş. 7 アフリカ・中東 5.1%

Groupe SEB 8 欧州 2.5%

Miele & Cie. KG 9 欧州 2.2%

Ashley Furniture Industries, Inc. 10 北米 4.1%

企業の名称上位250社における順位

47

73

96

108

135

146

158

174

183

216

製品セクターにおける順位 本拠国

日本

米国

米国

米国

日本

米国

スウェーデン

香港

米国

米国

地域2013年度の売上高

(100万米ドル)

16,270

11,001

8,173

7,349

5,529

5,000e

4,655

4,300

4,157

3,500

2013年度の売上高の成長率

株式会社LIXILグループ 1 アジア・太平洋 13.4%

Stanley Black & Decker, Inc. 2 北米 8.0%

Masco Corporation 3 北米 5.5%

Mohawk Industries, Inc. 4 北米 27.0%

TOTO株式会社 5 アジア・太平洋 16.2%

Kohler Co. 6 北米 0.0%

Husqvarna Group 7 欧州 -1.7%

Techtronic Industries Co. Ltd. 8 アジア・太平洋 11.6%

Fortune Brands Home & Security, Inc. 9 北米 15.8%

JELD-WEN, Inc. 10 北米 9.4%

企業の名称上位250社における順位

116

130

145

161

163

185

188

211

製品セクターにおける順位 本拠国

米国

日本

日本

米国

デンマーク

日本

米国

米国

地域2013年度の売上高

(100万米ドル)

6,485

5,712

5,072

4,583

4,521

4,099

4,082

3,575

2013年度の売上高の成長率

Mattel, Inc. 1 北米 1.0%

任天堂株式会社 2 アジア・太平洋 -10.0%

株式会社バンダイナムコホールディングス 3 アジア・太平洋 4.2%

Activision Blizzard, Inc. 4 北米 -5.6%

Lego A/S 5 欧州 8.4%

ヤマハ株式会社 6 アジア・太平洋 11.8%

Hasbro, Inc. 7 北米 -0.2%

Electronic Arts Inc. 8 北米 -5.8%

26 272015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 16: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

2013年は9社が上位250社に初めて加わり、そのうちの5社が中国企業新たに加わった企業の中で順位が最も高いのは中国のMidea Groupで、34位である。2013年9月、Midea Groupは、GD Midea Holding Co.の株式のうち未保有であった残り58.8%を取得した。その結果、GD Mideaは、

(2012年に上位250社中80位にランクインしたが)2013年には独立した事業体ではなくなった。同社に代わり、新たな連結グループとしてMidea Groupが2013年9月18日に深圳証券取引所に新規上場し、完全公開会社となった。

香港を本拠地とするWH Groupは、世界最大の豚肉会社であり、中国、米国および欧州の主要国の中で首位にある。同社は、中国で最大の食肉加工会社であるHenan Shuanghui Investment & Development Co.の過半数株主であり、2013年9月に買収した世界的な食品会社のSmithfield Foodsを所有している。また、欧 州各地に拠 点を持つ最 大の加工肉製品会社Campofrio Food Groupの株式37%を保有している。WH Groupは、以前はShuanghui Internationalとして知られ、2014年1月に社名を変更した。

Lao Feng Xiangは、金銀の宝飾品や関連製品の加工・売買、卸売・小売および輸出入を手がける中国の宝飾品会社である。同社は、フランチャイズ店の展開を加速させている。

コカ・コーライーストジャパンは、日本で最大のコカ・コーラボトラーであり、世界のコカ・コーラシステムの中でも5番目の規模のメーカーである。同社は、コカ・コーラの商標を冠した清涼飲料のほか、さまざまな炭酸飲料、リキッドコーヒーやリキッドティー、スポーツドリンク、水、果汁・ジュース飲料、栄養ドリンクを製造、販売し、流通させている。2013年7月に、コカ・コーラセントラルジャパン、三国コカ・コーラボトリング、東京コカ・コーラボトリング、利根コカ・コーラボトリングが合併して、コカ・コーライーストジャパンが設立された。 Hisense Kelon Electrical Holdings Companyは、冷蔵庫、冷凍庫、エアコンなどの家庭用電化製品を製造する中国のメーカーである。Qingdao Hisense Air-conditioning Company Limited(Hisense Group)が、Kelonの筆頭株主である。同社は、2013年12月31日にKelonの株式45.22%を保有していた。

米国企業のRoll Globalは、健康なライフスタイルのための健康ブランドに重点を置いている。製品には、新鮮な果物やツリーナッツ、花の宅配、各種の高級飲料(被圧地下水、カリフォルニアワイン、100%ザクロジュースやザクロティーなど)が含まれる。ブランドには、POM Wonderful、FIJI Water、Wonderful Pistachiosなどがある。また、ワイン製造施設として、JUSTIN Vineyards & WineryやLandmark Vineyardsなどを保有している。

Fossil Groupは、男性および女性用のファッションウォッチや宝飾品、ハンドバッグ、革製小物、ベルト、サングラス、衣類など服飾品を専門とした、世界的なデザイン、マーケティング、流通企業である。同社は、自社ブランドとライセンスされたブランドから成るマルチブランドのポートフォリオを取り揃え、その下に製品を販売している。

Konka Groupは、消費者向けエレクトロニクスや電化製品を製造する中国メーカーである。同社の製品ポートフォリオには、テレビ、携帯電話、衛星セットトップボックス、冷蔵庫、洗濯機、ポータブルスピーカー、サウンドバー、そしてKonkaブランドのその他デジタル製品が含まれる。

Industrias Bachocoは、メキシコの大手鶏肉加工会社である。同社は、卵、豚肉、家畜飼料の製造と販売も行っているほか、七面鳥や牛肉加工製品も提供している。

上位250社への新参企業

パーソナルケア・家庭用品セクターの上位10社のリストは、ここ数年間、あまり大きな変化がない。2013年の上位10社の構成は、2012年および2011年と同様にP&Gが首位となった。

唯一の変化は順位に関するもので、対米ドルで円の下落が続いたため、花王株式会社が7位から9位に下がり、それに伴ってReckitt BenckiserとSCAが順位を上げた。米国と欧州の企業がこのセクターの上位10社のうち9社を占め、日本の花王が唯一の例外となっている。

パーソナルケア・家庭用品企業上位10社

11社の企業が、上位250社の中でタイヤセクターを構成している。ここに示した上位10社以外の1社は韓国のKumho Tireである。アジアの企業は上位10社の中で6社(全11社中では7社)を占めたが、最大のタイヤメーカー3社はよりグローバルな構成を示している。日本のブリヂストンが首位を維持し、フランスのMichelinと米国系のGoodyearがそれに続いた。

その他のタイヤ企業は、最上位の3社よりも規模が大幅に小さい。2013年には、順位にいくつか変化が起きたが、これはすべて円安によるものである。円安の影響でPirelliが住友ゴムより上位になり、Hankookが横浜ゴムを抜き、Cheng Shinが東洋ゴムを上回った。

タイヤ企業上位10社

企業の名称

上位250社における順位

2013年度の売上高

成長率17.9%

80.2%

27.2%

92.4%

27.9%

16.7%

14.1%

9.1%

0.9%

本拠国中国

香港

中国

日本

中国

米国

米国

中国

メキシコ

主要な業態34 Midea Group Co., Ltd. 家庭用家具・設備

71 WH Group Limited 食品・飲料・タバコ

165 Lao Feng Xiang Co., Ltd. ファッションアイテム

196 コカ・コーライーストジャパン株式会社 食品・飲料・タバコ

209 Hisense Kelon Electrical Holdings Company Ltd.

家庭用家具・設備

218 Roll Global, LLC 食品・飲料・タバコ

234 Fossil Group, Inc. ファッションアイテム

235 Konka Group Co., Ltd. エレクトロニクス製品

243 Industrias Bachoco, S.A.B. de C.V. 食品・飲料・タバコ

出典:各企業が公表したデータ

出典:各企業が公表したデータ e=見通し

企業の名称上位250社における順位

4

7

18

27

29

43

48

58

59

63

製品セクターにおける順位 本拠国

米国

オランダ及び英国

フランス

ドイツ

米国

米国

英国

スウェーデン

日本

ドイツ

地域2013年度の売上高

(100万米ドル)

83,062

66,143

30,519

21,724

21,152

17,420

15,716

13,672

13,494

12,755

2013年度の売上高の成長率

The Procter & Gamble Company 1 北米 -1.3%

Unilever Group 2 欧州 -3.0%

L'Oréal S.A. 3 欧州 2.3%

Henkel AG & Co. KGaA 4 欧州 -0.9%

Kimberly-Clark Corporation 5 北米 0.4%

Colgate-Palmolive Company 6 北米 2.0%

Reckitt Benckiser Group plc 7 欧州 5.0%

Svenska Cellulosa AB SCA 8 欧州 4.2%

花王株式会社 9 アジア・太平洋 7.8%

Maxingvest AG 10 欧州 -0.1%

企業の名称上位250社における順位

13

22

35

97

99

115

118

166

199

220

製品セクターにおける順位 本拠国

日本

フランス

米国

イタリア

日本

韓国

日本

台湾

日本

米国

地域2013年度の売上高

(100万米ドル)

36,609

26,893

19,540

8,164

8,009

6,504

6,173

4,492

3,798

3,439

2013年度の売上高の成長率

株式会社ブリヂストン 1 アジア・太平洋 17.4%

Compagnie Générale des Établissements Michelin S.C.A. 2 欧州 -5.7%

The Goodyear Tire & Rubber Company 3 北米 -6.9%

Pirelli & C. S.p.A. 4 欧州 1.2%

住友ゴム工業株式会社 5 アジア・太平洋 9.9%

Hankook Tire Co., Ltd. 6 アジア・太平洋 0.4%

横浜ゴム株式会社 7 アジア・太平洋 7.5%

Cheng Shin Rubber Ind. Co., Ltd. 8 アジア・太平洋 2.2%

東洋ゴム工業株式会社 9 アジア・太平洋 0.1%

Cooper Tire & Rubber Company 10 北米 -18.1%

28 292015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 17: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

急成長企業50社は、5年間の平均年間売上高成長率に基づいて選定される。2008~2013年の期間に、世界の急成長消費財メーカー50社の売上高は、平均19.3%のペースで伸びた。これは、上位250社全体と比較して3倍を超える成長率である。そのうちの半数強(26社)は、2013年に最も急速に成長した企業50社にも含まれており、これには、前年比12.0%以上の成長率が必要であった。

2013年にはGreen Mountain Coffee Roastersがリストの首位を維持し、5年間の年複利成長率として54.2%を記録した。Green Mountainは、2006年にKeurigを買収した。Keurigは、シングルカップドリップシステムの専門企業である。このシステムは、家庭や職場における飲料調製のあり方を一変させ、Keurigの急速な成長に大きく貢献した。何年にもわたる複数のコーヒー焙煎会社の買収も、Green Mountainが2年連続で急成長企業50社の首位を維持する要因となった。2014年3月、同社は社名をKeurig Green Mountainに変更し、同社の2つの主力ブランドに対して単一の企業イメージを確立した。

急成長企業50社の中で2位にランクインしたBoparan Holdings Limited(別称:2 Sisters Food Group)についても、買収が成長の主要な原動力となった。とりわけ注目すべきは、この英国の食品加工会社が、2011年に英国のインスタント食品メーカー、Northern Foodsを買収したことである。最近では、2013年4月にVionの英国における鶏肉・赤身肉事業を買収した。

驚くほどのことではないが、急成長企業50社のうち過半数(31社)が新興市場を本拠地としており、これには上位250社に入った中国本土および香港系21社のうち17社が含まれている。また、上位250社に新たに加わった企業のうち、7社が急成長企業50社の中にランクインしている。

急成長企業50社

消費財関連の急成長企業50社(2008~2013年度、CAGR1)

1 11.1%12.9%54.2%4,358Green Mountain Coffee Roasters, Inc.(現Keurig Green Mountain, Inc.) 米国 食品・飲料・タバコ

2 1.2%23.3%41.5%4,516Boparan Holdings Limited(別称:2 Sisters Food Group) 英国 食品・飲料・タバコ

3 21.7%9.2%35.4%170,910Apple Inc. 米国 エレクトロニクス製品

4 51.4%16.9%30.3%4,995*Kweichow Moutai Co., Ltd. 中国 食品・飲料・タバコ

5 3.4%27.2%27.9%4,514Lao Feng Xiang Co., Ltd. 中国 ファッションアイテム

6 1.8%35.5%26.9%8,186PVH Corp. 米国 ファッションアイテム

7 33.7%-9.1%25.5%3,993Wuliangye Yibin Co., Ltd. 中国 食品・飲料・タバコ

8 1.2%22.7%25.1%43,306JBS S.A. ブラジル 食品・飲料・タバコ

9 -4.8%-21.0%24.8%8,741Marfrig Global Foods S.A.(旧Marfrig Alimentos S.A.) ブラジル 食品・飲料・タバコ

10 10.3%7.3%24.4%4,736Arca Continental, S.A.B. de C.V. メキシコ 食品・飲料・タバコ

11 9.1%19.4%23.1%19,164Gree Electric Appliances, Inc. of Zhuhai 中国 家庭用家具・設備

12 5.2%27.9%22.5%3,584Hisense Kelon Electrical Holdings Company Ltd. 中国 家庭用家具・設備

13 3.5%7.0%21.8%14,227BRF S.A.(旧BRF - Brasil Foods S.A.) ブラジル 食品・飲料・タバコ

14 24.1%8.4%21.7%4,521Lego A/S デンマーク レジャー用品

15 2.1%14.3%21.0%38,707Lenovo Group Limited 香港 エレクトロニクス製品

16 3.6%4.4%20.8%5,090Skyworth Digital Holdings Limited 香港 エレクトロニクス製品

17 4.5%18.8%20.7%10,941*Tingyi (Cayman Islands) Holding Corp. 中国 食品・飲料・タバコ

18 31.0%43.3%20.2%4,845Anadolu Efes Biracilik ve Malt Sanayii A.Ş. トルコ 食品・飲料・タバコ

19 4.5%8.0%20.0%11,001Stanley Black & Decker, Inc. 米国 住宅改装用品

20 18.0%13.7%19.7%3,818Want Want China Holdings Limited 中国 食品・飲料・タバコ

21 n/a23.1%19.0%12,649Hangzhou Wahaha Group Co., Ltd. 中国 食品・飲料・タバコ

22 0.0%-4.9%17.7%4,684Ruchi Soya Industries Limited インド 食品・飲料・タバコ

23 -0.6%80.2%17.4%11,253WH Group Limited 香港 食品・飲料・タバコ

24 3.4%22.9%17.3%13,784TCL Corporation 中国 エレクトロニクス製品

25 6.7%13.8%17.1%7,719Inner Mongolia Yili Industrial Group Co., Ltd. 中国 食品・飲料・タバコ

26 5.7%14.0%16.5%4,276Hisense Electric Co., Ltd. 中国 エレクトロニクス製品

27 24.8%11.7%16.5%5,821ITC Limited インド 食品・飲料・タバコ

28 2.7%1.7%16.4%13,812Grupo Bimbo, S.A.B. de C.V. メキシコ 食品・飲料・タバコ

29 1.3%12.5%16.1%9,511Sichuan Changhong Electric Co., Ltd 中国 エレクトロニクス製品

30 11.9%14.1%15.5%3,260Fossil Group, Inc. 米国 ファッションアイテム

31 10.9%18.5%15.4%4,825Herbalife Ltd. 米国 食品・飲料・タバコ

32 9.1%13.5%15.4%3,584Amorepacific Group Co., Ltd. 韓国 パーソナルケア・家庭用品

33 0.9%8.1%15.4%5,182Société Coopérative Agricole et Agro-alimentaire AGRIAL フランス 食品・飲料・タバコ

34 5.1%0.9%14.6%3,116Industrias Bachoco, S.A.B. de C.V. メキシコ 食品・飲料・タバコ

35 12.1%10.5%14.1%3,268Natura Cosméticos S.A. ブラジル パーソナルケア・家庭用品

36 8.1%-3.7%13.8%7,034Savola Group Company サウジアラビア 食品・飲料・タバコ

37 13.3%13.7%13.5%210,397Samsung Electronics Co., Ltd. 韓国 エレクトロニクス製品

38 38.2%8.6%12.9%43,195Anheuser-Busch InBev SA/NV ベルギー 食品・飲料・タバコ

39 4.3%20.2%12.7%7,004China Mengniu Dairy Company Limited 香港 食品・飲料・タバコ

40 3.1%92.4%12.6%3,825コカ・コーライーストジャパン株式会社 日本 食品・飲料・タバコ

n/a6.3%12.4%3,380Bestseller A/S デンマーク ファッションアイテム

7.4%10.3%12.2%4,202Tsingtao Brewery Co., Ltd. 中国 食品・飲料・タバコ

2.5%8.6%12.1%3,080セイコーホールディングス株式会社 日本 ファッションアイテム

n/a0.0%12.0%5,844Groupe Bigard S.A. フランス 食品・飲料・タバコ

14.0%2.2%11.8%4,492Cheng Shin Rubber Ind. Co., Ltd. 台湾 タイヤ

n/a16.7%11.7%3,500eRoll Global, LLC 米国 食品・飲料・タバコ

8.5%11.0%11.6%3,980LG Household & Health Care, Ltd. 韓国 パーソナルケア・家庭用品

7.3%20.9%11.5%5,989ユニ・チャーム株式会社 日本 パーソナルケア・家庭用品

n/a1.9%11.5%21,252Groupe Lactalis フランス 食品・飲料・タバコ

0.6%5.9%11.0%6,132Sodiaal Union フランス 食品・飲料・タバコ

13.3%12.5%19.3%急成長企業50社** ***

9.6%5.6%6.0%上位250社** ***

41

42

43

44

45

46

47

48

49

50

172

164

2

147

165

95

193

10

92

155

37

209

54

163

12

143

75

153

73

197

64

156

71

57

102

176

128

56

85

234

154

210

141

243

233

111

1

11

112

196

224

180

247

127

166

218

194

123

28

119

CAGR1

の順位

上位250社における順位

2013年度の売上高

成長率

2008~2013年度

における売上高の

CAGR1

2013年度の売上高(100万米ドル)

2013年度の純利益率企業の名称 本拠国 製品セクター

CAGR1

の順位

上位250社における順位

2013年度の売上高

成長率

2008~2013年度

における売上高の

CAGR1

2013年度の売上高(100万米ドル)

2013年度の純利益率企業の名称 本拠国 製品セクター

*当該企業が報告した売上高から物品税が除外されているか判断できない**急成長企業50社と上位250社の成長率は、為替調整後の売上高加重平均である***急成長企業50社と上位250社の純利益率は、売上高加重平均である1 年複利成長率e=見通し

出典:各企業が公表したデータ

30 312015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 18: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

350

70

400

8090

110価額(10億米ドル)契約件数

100

Q1 200

8

Q1 201

0

Q1 201

2

Q1 200

9

Q1 201

1

Q1 201

3

Q1 201

4

Q2 200

8

Q2 201

0

Q2 201

2

Q2 200

9

Q2 201

1

Q2 201

3

Q2 201

4

Q3 200

8

Q3 201

0

Q3 201

2

Q3 200

9

Q3 201

1

Q3 201

3

Q3 201

4

Q4 200

8

Q4 201

0

Q4 201

2

Q4 200

9

Q4 201

1

Q4 201

3

Q4 201

4

250

50

300

60200

4015030

50 100 0

10020

価額1億ドル以上のM&Aのみを見ると、トレンドに大きな変化はない。2009年の大型M&Aは125件しかなく、過去10年間で最も少なかった。それ以降、件数は増加し、2013年には228件の大型M&Aが実施された。ここでも2014年は、現在のペースで行くと、この水準を超えないまでもそれに匹敵する件数になる。ただし、2014年の実績が、世界経済危機直前の2007年に達成された件数(1億ドル以上の契約が261件)に達するとは考えにくい。 価額が公表されたM&Aすべてと同様に、1億ドル以上のM&Aの平均価額も、2009年にピークに達した後、2012年まで下落した。これらの大型M&Aの価額は2013年に大幅に回復し、2014年もその傾向が続いていると見られるが、依然として2009年の平均価額13億7,700万ドルよりはるかに低い水準にある。

M&A活動

消費財業界におけるM&A件数は、2014年に記録的水準に達する見込み消費財業界では、2014年も引き続きM&A活動が活況を呈しており、全案件が計上されれば、2013年のM&A件数に匹敵するか、それを上回る可能性が高い。2009年に底を打って以来、M&A件数は毎年増加し、2013年に消費財関連企業によって締結されたM&Aは合計1,421件に達した。

2014年については、2015年2月末現在で1,295件のM&Aが報告されている。ただし、締結されたM&Aが正式に報告されるまでに最長で6か月を要するため、M&A締結のトレンドは実際のM&A活動の水準よりも遅れる傾向がある。追加のM&Aが計上され、過去の実績が継続的に更新される場合、特に、最近の四半期や2014年度通期についてはトレンドの水準が上方修正されることになる。現在までの数字に基づくと、2014年は、2013年のM&A件数に達するか、それを上回る見込みである。

一方、M&A件数とは異なり、M&A価額は2009年以降、下降線をたどり、その後、2013年になって平均価額は急回復した。2012年まで続いたM&A価額の下落は、世界的な景気減速から生じた安値買いの機会によって、少なくとも部分的には説明できる。この時企業は、投げ売り価格で資産を獲得できる場合があった。2013年には、694件、つまり報告された締結済みのM&Aの半数近くについてM&A価額が公表された。これらすべてのM&A価額の合計は約2,230億ドルで、平均価額は3億2,100万ドルであった。2009年の3億8,000万ドルには依然として達しないが、平均M&A価額は2012年と比較して40%近く増加した。2014年の暫定的な実績に基づくと、報告されたM&Aの平均価額は2億9,600万ドルであった。この数値は、データの更新に伴って修正される可能性がある。

2014年には、消費財関連企業が10億ドル以上のM&Aを20件締結している。この巨大M&Aの件数は2013年に締結された27件より少ないが、ここでは、10億ドル以上のM&Aのうち、2014年に発表されたものの2015年になってようやく締結されたものや、2月末時点で依然として未締結のもの(合計12件)を考慮から外している。

消費財業界におけるM&A活動(2005~2014年度*)

消費財業界におけるM&A活動(2008年第1四半期~2014年第4四半期)

実績は、暦年の1年間に消費財関連企業によって締結された契約を反映している。相手企業が所属する業界は問わない* 2014年の実績は暫定値であり、上方修正されることになる

出典:mergermarket.com(アクセス日:2015年2月28日)

年2014*

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

2006

2005

M&A件数1295

1421

1320

1281

1123

964

1255

1360

1319

1116

価額が公表されたM&Aの件数

612

694

636

687

585

479

703

855

831

696

価額が公表されたM&Aの価額総計(100万米ドル)

$181,219

$222,590

$147,096

$163,856

$177,845

$182,203

$253,989

$221,662

$137,068

$204,459

価額が公表されたM&Aの平均価額(100万米ドル)

$296

$321

$231

$239

$304

$380

$361

$259

$165

$294

価額が公表されなかったM&Aの件数

683

727

684

594

538

485

552

505

488

420

価額が1億ドル以上の

M&Aの件数194

228

205

217

184

125

211

261

204

195

価額が1億ドル以上の

M&Aの価額総計(100万米ドル)

$169,831

$208,358

$133,999

$149,348

$164,478

$172,100

$238,644

$204,229

$118,929

$190,425

価額が1億ドル以上の

M&Aの平均価額(100万米ドル)

$875

$914

$654

$688

$894

$1,377

$1,131

$782

$583

$977

■価額が公表されなかったM&Aの件数■価額が公表されたM&Aの件数 ー価額が公表されたM&Aの価額総計(10億米ドル)

実績は、各四半期中に消費財関連企業によって締結された契約を反映している。相手企業が所属する業界は問わない2014年の実績は暫定値であり、上方修正されることになる

出典:mergermarket.com(アクセス日:2015年2月28日)

32 332015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 19: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

消費財業界における大規模買収(2013年)* 消費財業界における大規模買収(2014年)*

* 買収先企業の支配権が買収元企業に移転された買収事例に限る。** 契約価額とは、買収先における株式持分を取得するために買収元が支払った対価に、買収先の純負債の価額を加えた金額である。ただし、純負債額を加算するのは、該当する場合(買収の結果、

負債が統合される場合)に限る。純負債とは、短期および長期の負債から現金と現金等価物を差し引いた金額として定義される。名称が太字で表記されている企業は、世界の消費財関連企業上位250社(2013年度)に入った企業である。

出典:mergermarket.com、および各企業による報告

* 買収先企業の支配権が買収元企業に移転された買収事例に限る。**M&A価額とは、買収先における株式持分を取得するために買収元が支払った対価に、買収先の純負債の価額を加えた金額である。ただし、純負債額を加算するのは、該当する場合(買収の結果、

負債が統合される場合)に限る。純負債とは、短期および長期の負債から現金と現金等価物を差し引いた金額として定義される。名称が太字で表記されている企業は、世界の消費財関連企業上位250社(2013年度)に入った企業である。

出典:mergermarket.com、および各企業による報告

M&Aの順位

買収元企業の所在地 締結日買収元企業/親会社

1 米国 6/7/13Berkshire Hathawayと3G Capitalが主導するコンソーシアム

2 ベルギー 6/4/13Anheuser-Busch InBev SA/NV

3 タイ 1/30/13Thai Charoen Corporation Group(TCC AssetsおよびThai Beverage PCL)

4 スイス 4/15/13Nestlé S.A.

5 オランダ 9/18/13JAB Holdings B.V.

6 スイス 6/18/12Coca-Cola HBC AG(Coca-Cola Hellenic Bottling Companyの買収のためにKar- Tess Holding S.A.が設立した持ち株会社)

7 中国 9/26/13WH Group Limited(旧Shuanghui International Holdings Limited)

8 米国 1/29/13ConAgra Foods, Inc.

9 オランダ 1/31/13Heineken N.V.

10 中国

買収先事業の所在地

米国

メキシコ

シンガポール

米国

オランダ

ギリシャ

米国

米国

シンガポール

中国

買収先事業の製品セクター

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

家庭用家具・設備

買収元企業の製品セクター

投資会社・未公開株式投資会社

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

家庭用家具・設備 9/18/13Midea Group Co., Ltd.

11 米国 6/7/13Constellation Brands, Inc

12 フランス 12/5/13LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton SA

13 米国 2/13/13PVH Corp.

14 ブラジル 10/1/13JBS S.A.

15 日本 12/31/13サントリーホールディングス株式会社

16 メキシコ 10/29/13Fomento Económico Mexicano, S.A.B. de C.V.(Coca-Cola FEMSA)

17 米国

18 米国 10/3/13

Constellation Brands, Inc.

19 日本 1/24/13

Jarden Corporation

20 スペイン

メキシコ

イタリア

米国

ブラジル及びウルグアイ

英国

ブラジル

米国

米国

米国

食品・飲料・タバコ

ファッションアイテム

ファッションアイテム

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

パーソナルケア・家庭用品

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

ファッションアイテム

ファッションアイテム

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

パーソナルケア・家庭用品

コングロマリット

食品・飲料・タバコ 2/18/13

伊藤忠商事株式会社

21 カナダ 1/3/13

Cobega, S.A.

22 香港 7/24/13

Saputo, Inc.

23 スペイン 2/18/13

China Mengniu Dairy Company Limited

24 ノルウェー 4/30/13

Cobega, S.A.

25 米国 3/11/13

Orkla ASA

26 フランス 7/16/13

TPG Capital, L.P.

27 スイス 3/26/13

PAI Partners and Omnes Capital

The Swatch Group Ltd.

スペイン

米国

中国

スペイン

ノルウェー

オーストラリア

英国

米国

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

ファッションアイテム

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

食品・飲料・タバコ

未公開株式投資会社

未公開株式投資会社

ファッションアイテム

M&A価額**(100万米ドル)

$27,362

$20,100

$12,932

$11,850

$8,623

$8,073

$6,949

$6,740

$6,593

$4,923

$2,900

$2,831

$2,787

$2,762

$2,120

$1,855

$1,850

$1,750

$1,685

$1,553

$1,450

$1,260

$1,125

$1,033

$1,027

$1,107

$1,000

買収先事業/親会社M&Aの順位

買収元企業の所在地 締結日買収元企業/親会社

買収先事業の所在地

買収先事業の製品セクター

買収元企業の製品セクター

M&A価額**(100万米ドル)買収先事業/親会社

H.J. Heinz Company

Grupo Modelo, S.A.B. de C.V.(残り50%の株式)

Fraser & Neave Limited(株式を追加取得、持ち株比率は合計90.32%)

Pfizer Nutrition/Pfizer Inc.

D.E Master Blenders 1753 N.V.(84.95%の株式)

Coca-Cola Hellenic Bottling Company S.A.(残り76.7%の株式)

Smithfield Foods, Inc.

Ralcorp Holdings Inc.

Asia Pacific Breweries Ltd./Fraser & Neave

GD Midea Holding Co., Ltd.(残り58.83%の未保有株式)

Compania Cervecera de Coahuila/ Anheuser-Busch InBev SA/NVLoro Piana S.p.a.(80%の株式)

The Warnaco Group, Inc.

Seara Alimentos S.A. and GrupoZenda/Marfrig Alimentos S.A.ノンアルコールブランドのLucozade

(ルコゼード)とRibena(ライビーナ)/GlaxoSmithKline Plc

Spaipa SA Industria Brasileira de Bebidas

Crown Imports LLC(Grupo Modelo SAB de CVとともに設立したJVにおける残り50%の株式)/Anheuser-Busch InBev SA/NVThe Yankee Candle Company, Inc./Madison Dearborn Partners LLC

加工食品事業とアジアにおける青果物事業/Dole Food Company, Inc.Rendelsur SA

Morningstar Foods, LLC/Dean Foods Company

Yashili International Holdings Ltd.(89.82%の株式)/The Carlyle Group, LLCCompania Castellana De Bebidas Gaseosas, S.L.

Rieber & Son ASA

Inghams Enterprises Pty Limited

R&R Ice Cream Plc/Oaktree Capital Group, LLC

Harry Winston Inc./Dominion Diamond Corporation

1 日本 4/30/14サントリーホールディングス株式会社 米国 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $15,428Beam, Inc.

2 米国 8/28/14Tyson Foods, Inc. 米国 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $8,392Hillshire Brands Co.

3 米国 4/25/14Microsoft Corporation フィンランド コンピュータハードウェア

コンピュータソフトウェア

$7,177Nokia Oyj(機器およびサービス事業)

4 ベルギー 3/31/14Anheuser-Busch InBev SA/NV 韓国 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $6,221Oriental Brewery/Kohlberg Kravis RobertsおよびAffinity Equity Partners

5 スイス 7/8/14Nestlé S.A. スイス パーソナルケア・家庭用品

食品・飲料・タバコ $4,200Galderma Pharma SAの株式50%/L'Oreal S.A.

6 トルコ 11/12/14Yildiz Holding A.S. 英国 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $3,196United Biscuits Limited/PAI PartnersおよびBlackstone Group L.P.

7 英国 7/2/14Diageo plc インド 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $3,140United Spirits Limited(株式26%を追加取得、持ち株比率は合計54.78%)

8 米国 8/1/14Apple Inc. 米国 エレクトロニクス製品エレクトロニクス製品 $3,000Beats Electronics LLC/The Carlyle Group、Dr. Dre、Jimmy Iovine

9 中国 10/30/14Lenovo Group Limited 米国 エレクトロニクス製品エレクトロニクス製品 $2,910Motorola Mobility Holdings, Inc./Google Inc.

10 米国 8/1/14Mars, Incorporated 米国 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $2,900ペットフードブランドのIams、EukanubaおよびNatura/Procter & Gamble Company

11 米国 6/2/14Post Holdings, Inc. 米国 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $2,450Michael Foods, Inc./Thomas H. Lee Partners, L.P.およびGS Capital Partners

12 米国 11/21/14Whirlpool Italia Holdings S.r.l./Whirlpool Corporation

イタリア 家庭用家具・設備家庭用家具・設備 $2,221Indesit Company S.p.A.(97.4%の株式)

13 米国 4/8/14Sycamore Partners 米国 ファッションアイテム未公開株式投資会社 $2,199The Jones Group, Inc.

14 日本 7/1/14株式会社 Mizkan Holdings 米国 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $2,150Conopco Inc.(Unilever Plcの子会社)の北米におけるパスタソース事業

15 中国 9/29/14Lenovo Group Limited 米国 エレクトロニクス製品エレクトロニクス製品 $2,100IBMのx86サーバー事業をIBMから買収

16 フランス 4/1/14Essilor International SA 米国 眼科用製品眼科用製品 $1,855Transitions Optical, Inc.(合弁事業の提携先であるPPG Industries Inc.から残り51%の株式を取得)

17 シンガポール

2/19/14Del Monte Pacific Limited/NutriAsia Pacific Ltd.

米国 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $1,675消費者向け食品事業/Del Monte Corporation

18 スイス 7/14/14Chocoladefabriken Lindt & Spruengli (International) AG

米国 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $1,400Russell Stover Candies, Inc

19 スイス 7/10/14Nestlé S.A. カナダ パーソナルケア・家庭用品

食品・飲料・タバコ $1,400複数の注入可能なスキンケア用品に対する権利/Valeant Pharmaceut ica ls International, Inc.

20 メキシコ 5/23/14Grupo Bimbo SA de CV カナダ 食品・飲料・タバコ食品・飲料・タバコ $1,359Canada Bread Company, Limited/Maple Leaf Foods Inc.

34 352015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 20: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

2014年における最大のM&Aは、スピリッツメーカーのBeamを日本のサントリーホールディングスが総額154億ドルで買収した案件で、同年で2番目に大きなM&Aは、Tyson FoodsがHillshire Brandsを84億ドルで買収した案件であった。ほかにも、価額が50億ドルを超えるM&Aが2件あった。Microsoftは、機器・サービス事業(携帯電話)をNokiaから72億ドルで買収している。また、Anheuser-Busch InBevは、KKRとAffinity Equity PartnersからOriental Breweryを62億ドルで買収した。

消費財業界大手の再編がM&A活動を促進過去2年間に巨大な買収が相次いだとはいえ、消費財業界は、成長戦略を明確に定義することが必要不可欠で、規模を拡大するほど有利になるとは限らないことを学んできた。世界的な不況の影響を受けた結果、多数の企業が持続可能な収益を生み出し、継続的な成長を遂げていくために、自社の戦略的位置付けを見直している。また、多くの企業は、コアな能力を活かしていないか、主力事業の成長を支えていない不採算の資産やブランドを見極めようと、事業ポートフォリオの見直しに着手している。これは、資産価格が高騰している回復期にあるM&A市場に、不採算部門を売り出すことを視野に入れたものである。その結果、企業の事業再編により、特定の企業の戦略的構想に合わなくなった多数の資産(主力ブランドやその他の有力ブランドを含む)が買収対象となっている。売却代金を利益率と成長性のもっと高い分野に投資した方が有利であり、結局、中長期的には1株当たり利益の増加につながると見ているのである。

最近のM&A活動に関する調査によると、消費財関連企業は、多角化よりも、むしろ市場における指導的地位の確保を目指すようになっており、必ずしも規模の拡大ではなく、規模の適正化を追求している。とりわけタバコ、飲料、電化製品、ペットフードのような成熟した業種では、企業が再編によって事業の集中と合理化を実現しようとしている。 2014年8月、世界最大のパーソナルケア・家庭用品メーカーであるProcter & Gambleは、2年後までに同社のブランドの半分程度を売却すると発表した。大胆な事業再編により、70~80のブランドに集中しようというのである。CEOのA.G. Lafley氏は、売上高の規模はブランド売却の唯一の基準にはしないと強調し、有力なブランドでも戦略的に会社の主力事業に適合しなければ売却すると宣言した。「削減は大幅な増強にほかならない」と、Lafley氏はアナリストに話している。「目的は成長と、はるかに安定的にキャッシュと利益を生み出すことだ。当社は、機敏さと適応能力を大幅に向上させることになる」。主力事業に集中するという戦略に沿って、P&Gはペットケア事業と電池事業について、すでに撤退したか、または撤退する計画を発表している。

•2014年7月、P&Gは、北米、ラテンアメリカ、その他特定の国におけるペットフード事業を米国の株式非公開の菓子類・ペットフードメーカーMarsに売却した(価額29億ドル)。Marsはその後、オプションを行使して、アジア・太平洋、中東、東欧、アフリカのいくつかの市場におけるP&Gのペット事業を買収した。12月には、P&Gが欧州におけるペットフード事業をSpectrum Brandsに売却している(価額は未公表)。

•P&Gは、アルカリ電池事業からの撤退も進めている。その最初のステップは、中国を本拠地とする電池合弁会社Fujian Nanping Nanfu Battery Co.の過半数持分を中国の未公開株式投資会社に売却することで、これを2014年12月に完了している。次のステップは、Duracell事業からの撤退であるが、P&Gは2014年11月にBerkshire Hathawayとの契約を発表し、資本構成を改めたDuracell Companyと、Berkshire Hathawayの保有するP&G株式を交換することを明らかにした。2014年11月のプレスリリースで、P&Gは、Berkshireの保有株式の価額が約47億ドルであることと、P&Gが取引前の資本再構成で現金約18億ドルをDuracell Companyに拠出するつもりであることを明らかにした。この取引は、2015年後半に完了すると予想される。

P&Gと競合する欧州企業のUnileverも、製品ポートフォリオの簡素化計画を推し進め、売却と買収によって主要な戦略的分野に集中することで引き続き利益を上げている。この英国・オランダ系企業は、数年間にわたって食品のポートフォリオを削減しつつ、他の主力分野(パーソナルケア、ホームケア、軽食類)で成長の機会を狙っている。P&Gと同様に、Unileverは、自社が市場で指導的地位にあるような成長志向の分野に的を絞れば、企業がより急速に成長し、より大きな価値を生み出すとともに、事業の複雑さを低減することができるはずだと考えている。

•過去2年間に、Unileverは、Skippyピーナッツバター事業をHormel Foodsに(2013年)、サラダドレッシングブランドのWish-BoneとWesternをPinnacle Foodsに(2013年)、北米におけるRaguおよびBertolliブランドのパスタソース事業をミツカングループに(2014年)、ダイエット食品のSlim-FastラインをKainos Capitalに(2014年)それぞれ売却した。このほか、小規模な売却を多数行っている。

•2014年12月、Unileverは、成長率の低い北米と欧州のスプレッド事業を切り離し、Unilever Baking, Cooking & Spreadingという社名の企業として独立させる計画を発表した。この企業は2015年7月までに本格操業に入る見込みで、引き続きUnileverが所有者となるが、独自に専任の経営陣を有することになる。

•Unileverは、急成長する各分野で事業規模を拡大し、指導的地位を獲得または維持するために、パーソナルケア部門での買収を狙っている。2015年1月、Unileverは、全世界で石けんブランドのCamayを、北米・カリブ海以外でZestブランドを、メキシコで固形石けん製造設備を、P&Gから買収すると発表した(価額は未公表)。この取引は、必要となる規制当局の承認を条件として2015年の前半に完了する見込みで、皮膚洗浄分野におけるUnileverのグローバルな指導的地位を固めることにつながると見られる。Unileverにとって重要な市場であるメキシコでは、同社が石けん市場で直ちに首位に立つことになる。

•このほか、UnileverはTalenti Gelato & Sorbettoを買収し、米国における高級アイスクリーム分野で事業規模を拡大している。

P&GとUnileverに加えて、過去2年間と2015年にかけてのM&A活動の分析によると、他の多くの事例で消費財関連企業が事業の簡素化と主力分野やコア能力への集中を追求し、主要製品市場における自社の地位を強化している。

成長を追い求める飲料セクター先進国市場では、アルコールおよび清涼飲料セクターにおいて、いくつかの分野を除き、高い成長が見込めないため、企業は成長を求めてさらに遠方の地域へ進出している。新興国が飲料会社にとって成長の重要な原動力となる中、世界の飲料市場でビール会社やスピリッツメーカーが買収への強い意欲に駆り立てられている。

•サントリーは、成熟した国内市場の外で事業を拡大しようと、海外での買収を積極的に追求している。20 09年にフランスのO rang ina Schweppesを30億ドル超で買収した後、同社は、LucozadeおよびRibenaブランドを擁するGlaxoSmithKlineの清涼飲料部門に21億ドルを投入した。2014年4月、サントリーは全世界に強固な流通網を持つ米国のバーボンメーカーBeamを買収したが、これは消費財業界で2014年に実施された中で最大の買収案件となった。この買収により、一流の世界的ブランドからなる製品ポートフォリオを築き上げたことで、サントリーは今や世界最大のプレミアムスピリッツメーカーの1社となっている。

•世界最大の蒸留酒メーカーであるDiageoは、2014年7月にインド最大の蒸留酒メーカーUnited Spirits Limitedの経営権を獲得した。United Spiritsの支配持分を握ることにより、この英国企業は世界最大のウイスキー市場で首位を獲得し、市場でトップクラスの流通基盤を自社の国際ブランドに活かせるようになった。

成熟市場におけるビール消費の落ち込みに伴い、ビールメーカーが他の市場で成長を目指すことを余儀なくされる中、酒造業界ではなお再編が続くと見られる。 •2014年3月、Anheuser-Busch InBevは、韓国のビール会社Oriental

Breweryを60億ドル超の価額の取引で買い戻した。この買収により、AB InBevの国際的な足場が拡大し、同社が急成長するアジア・太平洋地域に復帰することが予想される。AB InBevは、2009年7月にOriental Breweryを未公開株式投資会社のKohlberg Kravis Robertsに売却した後、この市場をほとんど放棄していた。

•前年の2013年6月、AB InBevは、メキシコのビール会社Grupo Modeloの株式のうち未保有であった残り50%を200億ドル超の価額の取引で取得した。合併を推し進めるために、両社はModeloの米国事業全体を売却する必要があった。

•その結果、ワイン、ビール、スピリッツを扱う有力な国際企業である米国系のConstellation Brandsが、Modeloの米国におけるビール事業の全所有権を約47億5,000万ドルで取得した。2013年6月に実施されたこの取引には、ConstellationとModeloが2006年に設立した合弁会社Crown ImportsにおけるModeloの持分50%が含まれていた。また、メキシコにおけるModeloの最新鋭の醸造所Compania Cervecera de Coahuilaや、Crownが米国で販売するCoronaなどModeloのブランドに対する永久的な権利も含まれている。この買収により、Constellationの売上高がほぼ倍増し、Crown Importsは米国市場で3番目の規模のビールメーカーとして地位を確立した。

電機メーカーが競合企業を吸収1980年代の相次ぐ合併を経て、電機メーカーは、買収による市場シェアと世界的な足場の拡大を再度目指している。規模を拡大すれば、競争の激しいこの製品セクターで極めて重要な研究開発投資の水準引き上げも可能となる。

•米国系のWhirlpoolが2014年11月にイタリアの電機メーカーIndesitを買収した。この買収により、Whirlpoolは、2014年に同社の売上高の53%を占めていた主力の北米市場以外での存在感を一層増すことになると見られる。一方で、Indesitは、売上高の半分以上を西欧で生み出している。この買収に先立ち、Whirlpoolは、2013年に中国の家庭用電化製品メーカーHefei Rongshida Sanyo Electric Companyの株式の過半数をパナソニック株式会社の子会社である三洋電機から購入した。この買収により、アジア市場におけるWhirlpoolの存在感が大幅に増すこととなった。アジア市場は、2014年に同社の売上高の4%しか占めていなかった。

•スウェーデンのAB Electroluxは、同社史上最大の買収案件として、2014年9月にGeneral Electricの家庭用電化製品事業を33億ドルで買収する契約を結んだ。この買収により、米国市場におけるAB Electroluxの売上高は倍増し、同社はより規模の大きい競合企業であるWhirlpoolとの競争で立場を強めることになると見られる。この取引には、ラテンアメリカ最大の電機メーカーの1社であるメキシコのMabeの株式48.4%が含まれている。

•2015年1月、Bosch Groupは、Siemensが保有していたBSH Bosch und Siemens Hausgeräteの株式の50%を買収した(総額30億ユーロ=38億5,000万ドル)。この旧合弁会社は、Boschの完全所有子会社として運営される。これにより、Boschは、自社で提供している家庭用電化製品でSiemensブランドを長期間、継続的に使用できるようになる。

•より小規模な事例では、スペインのCNA Groupが2014年9月に、破綻した電機メーカーFagor Electrodomésticosのスペインにおける工業資産とブランド資産をすべて買い取った。CNA Groupは、1947年にCata Electrodomésticosとして設立され、電化製品ブランドのApelsonとNodorをそれぞれ2000年と2004年に買収している。

36 372015 年のコンシューマーグローバル企業動向

Page 21: 2015年のコンシューマー グローバル企業動向 ネット消費者 …...2つ目に、政府がシャドーバンキングシステムの膨張を抑制しようとしてい

大手食品会社がペットフードブランドを飲み込む不況に比較的強いペットフード市場は、食品業界における急成長部門の1つである。ペットの健康や栄養に対する関心が高級製品の需要を増大させ、市場の成長を後押ししており、大手食品会社の注目を集めている。

•Big Heart Pet Brandsは、以前はDel Monte Foods Pet Productsとして知られ、一時的とはいえ、米国最大の独立したペットフード・ペットトリーツ会社となった。この新ブランドは、Del Monte Corporationが2014年2月に消費者向け食品部門を16億7,000万ドルでDel Monte Pacific Limitedに売却した後に設立された。しかし、独立した企業としてのBig Heart Pet Brandsの地位は、長くは続かなかった。2015年2月、J.M. Smuckerが約58億ドルを支払い、Meow MixやMilk-Bone、その他多数の有名ブランドのメーカーであるBig Heart Pet Brandsを買収すると発表したのである。J.M. Smuckerは、同名のジャムのほか、FolgersコーヒーやJifピーナッツバター、その他の代表的な食品ブランドで知られている。

•上記買収に先立つ2014年8月には、Marsが北米、ラテンアメリカ、その他一部の国におけるペットフードブランドのIams、Eukanuba、NaturaをP&Gから29億ドルで買収した。この買収により、すでに大規模で成長中であったMarsのペットケア事業が一層強化されることとなった。この事業には、10億ドル規模のペットフードブランドであるPedigreeやWhiskas、Royal Canin、そして動物病院のBanfield Pet Hospitalが含まれる。11月に、Marsはオプションを行使して、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、シンガポール、マレーシア、ブルネイにおけるP&Gのペットフード事業を買収している。

•2014年12月、Spectrum BrandsがP&Gの欧州におけるIamsおよびEukanubaペットフード事業を買収した(価額は未公表)。この買収は、Spectrum BrandsのUnited Pet Groupが水生動植物やペット動物を供給している既存の事業を隣接分野、つまりドッグフード・キャットフード市場へと拡大することにつながると見られる。

タバコ業界でM&A活動が再燃タバコ業界で過去3年間にわたり相次ぐM&A活動を引き起こした電子タバコ市場の成長にもかかわらず、従来型タバコの市場が縮小しているため、大手タバコ会社は別の場所に目を向けることで、成長鈍化に対処せざるを得なくなっている。先進国市場における売上高の減少を埋め合わせるため、企業は世界各地で、規模の比較的小さい地域のタバコメーカーや販売会社を買収している。タバコ業界における最近の大型買収として、日本たばこ産業が2007年に英国のGallaher Groupを150億ドルで買収した案件がある。しかし、2015年にタバコ業界が大変動を迎えることになることから、こうした状況は変わろうとしている。

•2014年7月、Reynolds Americanが複雑な取引でLorillardを買収する契約を結んだ。その結果、R.J. Reynoldsが10年以上前にBrit ish American Tobaccoの子会社Brown & Will iamsonと合併してReynolds Americanを設立して以来、最も大きな業界再編が起きることになる。以前の合併では、BATがReynolds Americanの株式42%を取得していた。今回の新たな巨大買収は、価額が270億ドルを超え、2015年の前半に完了すると予想されている。

•同時に、米国市場で(Altriaに次ぐ)第2位と第3位のメーカーが手を結ぶことに対する競争力への影響の懸念から、英国のImperial Tobacco Groupがブランドや資産を買い取る機会を得ることになった。同社は、Loril lardの所有する米国の販売部門、オフィス、生産設備に加えて、Reynolds AmericanのタバコブランドWinston、Maverick、Kool、Salem、bluを71億ドルで買収する契約を結んだ。この買収は、米国におけるImperialの足場を大幅に強化することになるが、ReynoldsによるLorillardの買収が完了することを条件としている。

•さらにBATは、ReynoldsによるLorillard買収案件の一部として、47億ドルを出資する契約を結んだ。これにより、BATは、Reynoldsが規模を拡大しても42%の出資比率を維持できるようになる。

M&Aの見通し2015年が過ぎていく中、依然として多くの消費財関連企業の課題となっているのが本業の成長である。そのため、企業は今後も以下の取り組みを推進する手段として、戦略的買収を視野に入れると見られる。

•主力製品分野、特に高級ブランドにおける指導的地位の確立または強化。•隣接する製品分野への進出。•急成長している国・地域の市場への参入。•先進国市場で定評あるブランドの確保。•成長著しい新興市場のトレンドの迅速な対応。•整理統合を通じた経済規模の拡大によるコストの削減。

有利な資金調達環境に支えられ、過去2年間、M&A活動のペースは加速している。この背景には、企業が売上高と利益の両面で持続可能な成長を後押しするとともに、長期的な価値を生み出すために事業再編を進めていることがある。消費財関連企業は、今後も数年間にわたり、買収や売却によって自社の製品ポートフォリオを簡素化し、絞り込むことで組織の機敏さと適応能力を向上させ、実質的な成長の促進を目指すものと予想される。成功を収めるには、目的を持った、収益性の高い成長が必要であることを消費財業界は学んできた。経済規模の拡大と経営効率の向上は、買収を成功させる際の立派な目標だが、企業の明確かつ戦略的な成長目的と組み合わされた場合に初めて価値を持つのである。

消費財業界におけるM&A活動やトレンドの詳細については、「Deloitte Consumer Products M&A Insights: Summer 2014」を参照されたい。

本レポートでは、世界の大手消費財関連企業を売上高に基づいて順位付けしている。企業の規模は興味深い情報であるが、そこから将来の業績見通しについて何らかの情報を引き出せるとは限らない。規模の大きさは、企業がかつて業績好調だった結果、大きな数字を達成したという事実を示すに過ぎない。また、上場している消費財関連企業であれば、その時価総額を調べるだけで過去(少なくともごく最近)の業績についてある程度の情報を得られるが、将来について判断できるとは限らない。

とはいえ、達成可能な将来の業績について何らかの情報を得るために、財務情報を調査することができる。本レポートでは、この目的に留意しつつ、過去7年間にわたる消費財関連企業のQレシオを分析した。分析の目的は、株式を上場している世界の大手消費財関連企業の将来の見通しについて、金融市場がどのように評価しているかを知ることである。Qレシオを分析すれば、ブランド、差別化、イノベーションといった分野で企業が優れているかどうかを推察できる。

Qレシオとは何か?Qレシオは、上場企業の時価総額を有形資産の価額で割った値である。この値が1を上回る場合は、金融市場の参加者たちが「この企業の無形資産は価値を持っている」と考えていることを意味する。無形資産にはブランドエクイティ、差別化、イノベーション、顧客満足体験、市場支配力、顧客ロイヤルティ、巧みな業務遂行などが含まれる。Qレシオが高ければ高いほど、無形資産に由来する企業価値の比率も高まる。一方、Qレシオが1未満であれば、有形資産を用いた価値創造さえ上手くいっていないことを示唆している。すなわち、金融市場が「この消費財関連企業の戦略は、物理的な資産によるリターンを十分に生み出していない」と考えていることを示している。実際、Qレシオが1未満であるということは、裁定機会が存在していることを意味する。すなわち、もしある企業のQレシオが1未満であれば、株式市場で株式を取得することによってその企業を買収し、それからその企業が保有する有形資産を売却すれば、利益を上げることが理論上は可能なのだ。

なぜQレシオに注目するのか?消費財関連企業がこの数年に直面している難題の一つが、コモディティ化による利幅の縮小である。つまり、企業が製造するブランド商品は、価格以外では他の製品と大した違いがないと消費者から見られがちなのである。インターネットやとりわけ携帯端末を用いて消費者が価格や製品を比較できるようになって以来、コモディティ化は進む一方となっている。さらに、大手小売店でプライベートブランドの人気が高まったことで、消費財関連企業は深刻な競争に直面し、コモディティ化に向かうトレンドに拍車がかかっている。これによって価格が押し下げられ、その結果、利幅も縮小している。コストを最も抑えることができる企業だけが、価格を武器にしてそのセグメントで優勢に戦うことができる。その他の企業は何か他の策を講じなければならない。もちろんコモディティ化への対抗策は、より良い顧客満足体験とイノベーションによって他との差別化を図ること、そして優れたブランド管理によって他社との違いを消費者に伝えることである。

つまり、Qレシオが高いということは、「コモディティ化が顕著な事業環境において、この企業は成功のために正しい行動を取っている」と金融市場参加者が考えていることを表している。Qレシオが1未満の場合は、金融市場参加者が「この会社は物理的な資産を有効に活用できていない」と考えていることになる。 これらの数字は何を意味するのか?今年は、消費財関連の上場企業186社についてQレシオを計算した。Qレシオの平均(すべての企業の時価総額の合計を、すべての企業の資産価値の合計額で割ることにより算出)は、1.467である。それに対して、昨年の平均Qレシオは1.302であった。世界経済が回復し多くの市場で株価が上昇していることを考えると、Qレシオの平均が高くなっても驚くほどのことではない。単純平均のQレシオは1.656となっている。

分析の要点を以下に記す。

•Qレシオが高い企業のリストには、さまざまな業界の企業が名を連ねているが、本拠地については大部分が米国となっている。リスト内の上位20社のうち、15社が米国企業で、昨年の10社から増加している。残り5社のうち4社は、アジアの企業である。リストの首位に立ったのは、今回もインドのITC Limitedである。同社は、インドの大規模な複合企業で、さまざまな日用消費財を生産している。Qレシオに基づく上位20社に入ったのは、Apple、Nike、Hershey、Estee Lauderといった代表的なブランドであった。Qレシオが比較的高いということは、「これらの企業が、強いブランド力を活かして将来的に利益を生み出すだろう」と金融市場関係者が考えていることを表している。しかし、どの企業も現在の栄光にあぐらをかくべきではない。Qレシオの低い企業のリスト(本レポートには記載していない)には、かつて各業界を支配していたものの、革新的な新興企業の台頭により輝きを失ってしまった会社の名前が多く見られる。したがって、Qレシオが高くても、将来の成功が保証されているわけではない。しかし、高いQレシオは、金融市場において「このブランドは長く存立できる」と見なされていることを示唆している。このほか、特筆すべき点として、Qレシオリストの下位20社のうち、10社を日本企業が占めている。

Qレシオ分析

38 392015 年のコンシューマーグローバル企業動向

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Qレシオの高い消費財関連企業20社

各国のQレシオ

各地域のQレシオ

ITC Limited

Lorillard, Inc.

Mead Johnson Nutrition Company

Green Mountain Coffee Roasters, Inc.

Colgate-Palmolive Company

The Hershey Company

NIKE, Inc.

The Estée Lauder Companies Inc.

Kweichow Moutai Co., Ltd.

Apple Inc.

Want Want China Holdings Limited

Philip Morris International Inc.

The Clorox Company

Chocoladefabriken Lindt & Sprüngli AG

V.F. Corporation

LG Household & Health Care, Ltd.

Altria Group, Inc.

Electronic Arts Inc.

Hormel Foods Corporation

Hanesbrands Inc.

7.158

6.853

5.925

5.095

4.603

4.371

4.276

3.963

3.728

3.576

3.502

3.373

3.358

3.289

3.151

3.146

3.105

3.059

2.989

2.918

米国2.120

フランス1.137

台湾0.785

英国1.826

香港0.909

ブラジル 0.632

スイス1.808

韓国0.894

日本 0.610

中国1.471

スウェーデン0.805

トルコ 0.479

メキシコ1.170

北米 2.109

ラテンアメリカ 0.881

アジア・太平洋 0.801

アフリカ・中東 0.768

欧州 1.512

アジア・太平洋(日本以外) 1.008

•国および地域ごとにQレシオの平均を計算した。国の平均Qレシオの計算は、上位250社に上場企業が3社以上入っている国のみを対象とした。Qレシオの平均が最も高かった国は米国で、これに英国、スイス、中国が続いている。ここ数年、日本はQレシオが最低であったが、今年はトルコの平均Qレシオが最低となっている。日本、ブラジル、台湾、スウェーデンもQレシオが低い。

•地域別でも平均Qレシオの検討を行った。驚くほどのことではないが、Qレシオが最高の地域は北米で、その次が欧州となっている。Qレシオが低いのは、アフリカ・中東地域とアジア・太平洋地域だった。ただし、アジア・太平洋地域については、日本を除外すると平均Qレシオが大幅に上昇する。

•各企業の主要な製品セクターごとの平均Qレシオも算出した。驚くほどのことではないが、平均Qレシオが最高の業界はファッションアイテムであった。ファッション業界で成功するためには強力なブランドアイデンティティが必要であるため、これは当然の結果と言える。他の業界で平均Qレシオが比較的高いのは、パーソナルケア・家庭用品、エレクトロニクス製品、食品・飲料・タバコであった。ただし、注意すべきは、エレクトロニクス製品分野ではAppleが圧倒的だという点である。この巨大企業を除外すると、エレクトロニクス製品分野の平均Qレシオはすべての業界の中で最低となる。他の業界で平均Qレシオが低いのは、タイヤ、家庭用家具、住宅改装であった。

•企業の規模(売上高または時価総額ベース)がQレシオに影響を与えるかどうかについて、今年も再度検討をしている。売上高順の上位20社は、下位20社と比較して平均Qレシオがかなり高いことがわかった。しかし、時価総額の方がさらに大きな影響を与えると見られる。時価総額順の上位20社は、下位20社と比較して平均Qレシオがはるかに高かった。明らかなこととして、金融市場が企業に見出す価値は、企業が自社の価値を有効利用しているかどうかという点と密接に相関している。

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主要な製品セクター別のQレシオ

規模別のQレシオ

ファッションアイテム2.222

パーソナルケア・家庭用品1.901

エレクトロニクス製品1.449

食品・飲料・タバコ1.438

レジャー用品1.189

住宅改装用品0.948

家庭用家具・設備0.871

タイヤ0.654

エレクトロニクス製品(Apple 以外)0.562

1.638 2.0481.055 0.229売上高

上位20社時価総額上位20社売上高

下位20社時価総額下位20社

加重平均のQ1.467単純平均のQ1.656

企業が本リストの検討対象となるためには、まず製造業者として指定されなければならない(SICコードの大分類が20~39であること)。次に、その企業の売上高の大半が、業務用製品や工業製品でなく消費者向けの製品によりもたらされているかどうかが検討される。大まかに言えば、最終消費者をターゲットとして生産され、最終消費者によって購入されている製品が対象となる。消費者向けの製品は通常、消費者によく知られたブランド名で販売される。委託製造業者(契約に基づいて他社のために製品を生産する企業)は除外し、ブランド名が最終製品に表記される企業のみを対象とした。自動車メーカーと製薬会社も対象外としたが、これはこれらの業界が本分析の対象読者の大多数とは関わりがないからである。

主要な事業が消費財の販売である企業を対象に、2013年度の総売上高に基づいて上位250社リストを作成した。これらの企業の売上高には、消費者向けの製品だけでなく業務用製品や工業製品の売上も含まれている可能性がある。売上高には、該当する場合、ライセンス収入や権利使用料収入も含まれる。可能な場合、タバコおよび飲料会社の売上高からは物品税が除外された。本レポートにおける2013年度とは、2014年6月末に期末を迎える事業年度である。

上位250社のリストを作成するにあたり、多くの情報源を参考にした。財務情報に関する主な情報源は、年次報告書、SECへの提出書類、そして各企業のプレスリリース、ファクトシートまたはウェブサイトに記載されている情報である。企業の公開情報を利用することができない場合は、その他の公的な情報源(業界分析報告書、企業情報のさまざまなデータベース、業界誌による予測など)を使用した。

企業のランク付けに共通の基盤を与えるため、米国以外の企業の売上高は米ドルに換算された。したがって、為替レートが結果に対して影響を与えている。為替レートを決める際の情報源として、OANDA.comが使用された。各企業の業績を米ドルに換算するにあたり、その企業の事業年度における日次為替レートの平均が用いられた。しかしながら、各企業の成長率および利益率を計算する際は、当該企業の現地通貨が使用された。

グループの財務実績本レポートでは企業で構成されるグループの財務実績を示すために、為替調整後の、売上高に基づく加重を施した総合平均を使用している。これは、小規模な企業よりも大規模な企業の業績の方が、総合平均に与える影響が大きい。また、異なる通貨で報告を行う可能性のあるグループの実績を計算し、グループ間の比較を容易にするために、データはまず米ドルに換算しなければならないということでもある。また経時的な為替レートの変動の影響を排除するため、平均成長率にも為替変動の影響をなくすための調整が施される。

各グループにおける総合平均と単純平均の計算は、データが入手可能な企業のみを対象として行われた。全企業についてすべてのデータ要素が入手可能だったわけではない。 また、ある年における各企業の財務情報は最初に報告された状態のままであるという点にも注意されたい。企業は、事業における変化(例:事業部の売却)を反映させるために過年度の公表内容を訂正する場合があるが、このような修正は本レポートには反映されていない。本レポートの目的は、ある時点における消費財産業のスナップショットを提供することである。また一定期間における市場の変化を考察し、これらの変化が消費財産業の構造に与える影響について明らかにすることも意図している。こうした理由により、報告された各企業の成長率は、他で公表された内容とは一致しない可能性がある。

調査手法および情報源

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連絡先

Global (DTTL)

Global Industry Leader, Consumer BusinessAntoine de [email protected]

Global Sector Leader, Consumer ProductsJack [email protected]

Chief Global EconomistIra [email protected]

Consumer Business MarketingKathryn [email protected]

North America

CanadaRyan Brain [email protected]

United StatesPat ConroyDeloitte [email protected]

Europe, Middle East and Africa (EMEA)

BelgiumEric [email protected]

Central EuropeAaron [email protected]

Czech RepublicMartin Tesař[email protected]

DenmarkJesper [email protected]

East AfricaJohn [email protected]

FinlandJussi [email protected]

FranceStéphane [email protected]

GermanyKarsten [email protected]

GreeceDimitris [email protected]

IrelandKevin [email protected]

IsraelIsrael [email protected]

ItalyDario [email protected]

Middle EastHerve [email protected]

NetherlandsErik [email protected]

NorwayJonathan [email protected]

PolandDariusz [email protected]

PortugalLuís [email protected]

Russia/CISEgor [email protected]

South AfricaAndre [email protected]

SpainFernando [email protected]

SwedenJoakim [email protected]

SwitzerlandHoward da [email protected]

TurkeyOzgur [email protected]

United KingdomNigel [email protected]

消費財に関するデロイト トウシュ トーマツ(DTTL)とそのメンバーファームの連絡先

West AfricaAlain [email protected]

Latin America

Latin America Consumer Business LeaderReynaldo [email protected]

ArgentinaDaniel [email protected]

BrazilReynaldo [email protected]

ChileCristian [email protected]

ColombiaJuan [email protected]

MexicoLuis Castañ[email protected]

Omar [email protected]

PeruFrancisco [email protected]

VenezuelaIgnacio [email protected]

Asia Pacific

Asia Pacific Consumer Business LeaderYoshio [email protected]

AustraliaKatie [email protected]

ChinaDavid [email protected]

IndiaShyamak [email protected]

IndonesiaJose [email protected]

JapanYoshio [email protected]

KoreaJae Hoon [email protected]

MalaysiaJeffrey [email protected]

PhilippinesBonifacio [email protected]

SEA & SingaporeEugene [email protected]

TaiwanJason [email protected]

ThailandManoon [email protected]

VietnamNguyen VuDuc [email protected]

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Food & Beverage セクターリーダー久世 浩一有限責任監査法人トーマツ パートナー[email protected]

後藤 将史デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パートナー[email protected]

Audit高橋 勝有限責任監査法人トーマツ パートナー[email protected]

関口 浩一有限責任監査法人トーマツ パートナー[email protected]

稲垣 浩二有限責任監査法人トーマツ パートナー[email protected]

西松 真人有限責任監査法人トーマツ パートナー[email protected]

中桐 光康有限責任監査法人トーマツ パートナー[email protected]

鈴木 登樹男有限責任監査法人トーマツ パートナー[email protected]

Advisory達脇 恵子有限責任監査法人トーマツ パートナー[email protected]

宮崎 大有限責任監査法人トーマツ パートナー[email protected]

Consulting篠田 昌典デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パートナー[email protected]

田中 昭二デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パートナー[email protected]

FAS門田 直之デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー[email protected]

TAX鵜川 尚志税理士法人トーマツ パートナー[email protected]

永野 雄介税理士法人トーマツ パートナー[email protected]

Note

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Note

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