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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2016 9 月号 ■ NOTICIAS ■ 国際協力機構アルゼンチン事務所 ■ NOTICIAS ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 01 プロジェクト便り 科学技術協力の成果として国際特許出願」 「南米における大気環境リスク管理システムの開発プロジェクト」 専門家 三須 裕二(業務調整) 02 ボランティア便り フフイ州サン・サルバドール・デ・フフイ市での活動シニア海外ボランティア 佐久間基一(輸出振興) 03 日系社会便り 「『JAPÓN EN FORMOSA』と『原爆展』に参加して」 日系社会シニア・ボランティア 讃岐加代子(文化) 04 日系研修員便り 第 2 回日系社会次世代育成研修(大学生対象)に参加して日系研修員 竹内朝夕 05 JICA 事務所の動き 「南米における大気環境リスク管理システムの開発プロジェクト」 専門家 三須 裕二(業務調整) 1.プロジェクト概要 現在、JICA では、科学技術振興機構(JST)と協働でアルゼンチンとチリにおいて地球規模課題国 際科学技術協力プロジェクト(SATREPS)「南米における大気環境リスク管理システムの開発」を広域 プロジェクトとして実施しています。日本側からは、名古屋大学宇宙地球環境研究所及び国立環境研 究所が参画し、技術的なサポートを行っており、アルゼンチン側では、国防省レーザー応用研究セン ター(以下 CEILAP)や気象局が、チリ側では、マゼラン大学、気象局が中心機関となってこのプロジ ェクトに参加しています。 このプロジェクトの主な目的は、オゾン層、紫外線、エアロゾル(火山灰、黒色炭素等)の観測ネ ットワークをアルゼンチン、チリにおいて構築し、そのデータをリアルタイムで集約してアルゼンチ ン、チリ両国の気象局並びに関係諸機関に対し共有することによって、両国での大気リスク・マネジ 「科学技術協力の成果として国際特許出願」

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2016年 9月号 ■ NOTICIAS ■ 国際協力機構アルゼンチン事務所 ■ NOTICIAS ■

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

01 プロジェクト便り

「科学技術協力の成果として国際特許出願」

「南米における大気環境リスク管理システムの開発プロジェクト」

専門家 三須 裕二(業務調整)

02 ボランティア便り

「フフイ州サン・サルバドール・デ・フフイ市での活動」

シニア海外ボランティア 佐久間基一(輸出振興)

03 日系社会便り

「『JAPÓN EN FORMOSA』と『原爆展』に参加して」

日系社会シニア・ボランティア 讃岐加代子(文化)

04 日系研修員便り

「第 2 回日系社会次世代育成研修(大学生対象)に参加して」

日系研修員 竹内朝夕

05 JICA 事務所の動き

「南米における大気環境リスク管理システムの開発プロジェクト」

専門家 三須 裕二(業務調整)

1.プロジェクト概要

現在、JICA では、科学技術振興機構(JST)と協働でアルゼンチンとチリにおいて地球規模課題国

際科学技術協力プロジェクト(SATREPS)「南米における大気環境リスク管理システムの開発」を広域

プロジェクトとして実施しています。日本側からは、名古屋大学宇宙地球環境研究所及び国立環境研

究所が参画し、技術的なサポートを行っており、アルゼンチン側では、国防省レーザー応用研究セン

ター(以下 CEILAP)や気象局が、チリ側では、マゼラン大学、気象局が中心機関となってこのプロジ

ェクトに参加しています。

このプロジェクトの主な目的は、オゾン層、紫外線、エアロゾル(火山灰、黒色炭素等)の観測ネ

ットワークをアルゼンチン、チリにおいて構築し、そのデータをリアルタイムで集約してアルゼンチ

ン、チリ両国の気象局並びに関係諸機関に対し共有することによって、両国での大気リスク・マネジ

「科学技術協力の成果として国際特許出願」

メントに役立てようとするものです。

2.ライダーとは

プロジェクトでは、アルゼンチン 8 地点、チリ 1 地点(計 9 地

点)においてライダーによるエアロゾル(火山灰等)観測を行う

ことにより、両国の航空運営やさまざまなエアロゾルの特異性を

解明することが期待されています。このライダー(Lidar: Light

Detection and Ranging)という技術は、大気にレーザー光を照射

し、大気中に分布するエアロゾルによる散乱光を検出し、エアロ

ゾルの分布状況と特性を明らかにすることができます。

2016 年 9月現在、アルゼンチンに 6ヶ所、チリ 1ヶ所にライダ

ーの設置が完了しており、今後は、アルゼンチン北部の Córdoba

及び Tucumán への設置が予定されています。アルゼンチンでは、

国防省レーザー応用研究センター及び気象局が中心となり、上記

のライダーの定常観測、データ解析などが行われ、観測データは

火山噴火時の民間航空機の運営及び空港のオペレーションに役立

てられています。特に CEILAP とコルドバに設置されるライダーに

ついては、昼夜を問わずエアロゾルの種類を判別して、その高度

分布を高感度で測定できる「高スペクトル分解ライダー」が用い

られます。

3.日亜共同開発の成果を双方で国際特許申請

今回、日本側の研究機関である国立環境研究所とアルゼンチンの CEILAP が共同開発した上記2.の

「高スペクトル分解ライダー」は、多尐過酷な環境下でも研究者の負担をより軽減した形で観測を行

うことが可能です。しかも装置も簡易なものなので製作費用も安価なマルチ縦モードレーザーを用い

た手法が特徴とされています。

これは、2013 年 4 月から実施している本プロジェクト

の共同研究の大きな成果の 1 つであり、双方で国際特許

を申請すべく合意に至ったものです。

日本側では、国立環境研究所が 2015 年 6月に国際特許

の出願を終えており、これを受け、アルゼンチン側も国

防省及び国家科学技術審議会(CONICET)が出願機関とな

り、本年 6月 30日、上記特許のアルゼンチン国内申請に

関する正式署名が行われました。署名式にはア国防省 Mr.

Julio Martinez 大臣、Mr. Ceccatto 科学技術審議会理事

長、在アルゼンチン日本大使館 福嶌大使も参加し、プ

ロジェクト及び今回の特許出願に至るまでの共同研究の成果が説明され、国立環境研究所及び CEILAP

の開発者(計 6名)に対して賛辞が述べられました。

この新しい技術を使用したライダーの開発により、将来は、より簡易な高感度のライダーによる観

測ネットワークの構築が可能になり、エアロゾル・リスクの監視精度が飛躍的に向上することが期待

されます。

高スペクトル分解ライダーの共同開発を

行う日本-アルゼンチン研究者

アルゼンチン・チリエアロゾル

ライダー観測網

4.プロジェクトへの期待

実施中プロジェクトは、2018年 3月で終了する予定ですが、それまでにライダーを含めたすべての

観測機器の設置、リアルタイムによる定常観測体制の整備が見込まれており、これらすべてのデータ

は、両国の気象局等の関係機関と共有され、行政的にも有効利用されることが期待されています。

今回の国際特許出願は、このプロジェクトを通じた共同研究において初めてのケースであり、日亜双

方の研究機関にとって非常に意義のあることです。

今後の更なる日亜両国間での研究交流と科学技術の発展を強く願っています。

シニア海外ボランティア 佐久間基一

配属先:フフイ州政府地域支援国際協力局

職種:輸出振興

JICA 短期シニア海外ボランティアとして、アルゼンチン北部のチリとボリビア国境の町サン・サル

バドール・デ・フフイで 3ヶ月間の活動を行っています。

フフイ州の人口は約 72 万人で、日本では島根県や高知県と同じくらいの人口規模になりますが、広

さは約 53000㎢で日本では北海道の 3分の 2程の面積です。

州内は大きく 4 つの地域に分かれていて、標高の低い地域は 500mくらいですが、高いところでは

4000mを越える多彩な気候地域が広がっています。

標高の低いところから、①YUNGAS は緑の多い自然豊かなところで各種栽培に適し、雨も多くありま

す。②VALLESはフフイ州の商工業の中心で州政府もここに本拠を構えています。私の活動もここが中

心です。③QUEBRADAは世界遺産のウマワカ渓谷などのある観光地域で多くのツーリストに人気でサル

タからもツアーがでています。そして④PUNA というチリ・ボリビア国境に接した 4000mを優に越える

標高の鉱物資源豊かな地域です。ここでは、日本の豊田通商がリチウムを採掘しています。但し、後

者 2つの地域は、降雨量がごくわずかで、同じフフイ州内でも大きく気候風土が異なります。

北海道並の広さと高低差があるため、州内での移動は車に限られ、容易ではありません。特に州の

拠点が、一番南の VALLES に位置しているため、PUNA などの地域に移動するのは高山病の危険もあり

非常に大変です。例えて言えば、北海道の函館に本拠地があり、そこから北海道全体を見ている構図

です。私も一度、車で一気に行ける標高 4170mの地点まで行きましたが、口数も減り、頭が痛くなり、

高山病一歩手前の状態でした。

短い活動期間なので、できることも限られており、2つの大きなテーマを掲げて活動しました。

1 つは、この地域で日本の「一村一品運動」を理解させること。もう 1つは、JETRO の国際ビジネス・

マッチング・サイト(TTPP、Trade Tie-up Promotion Program)を使ってネット上でこの地域の産品

を世界に紹介することです。

こちらでの活動でいつも同僚に言っているのが、「百聞は一見にしかず」「Mas vale ver que creer」

です。机の前に座っているだけでなく、自分たちの町の会社を訪問して、実態を自分達の目で見て、

そして世界に紹介して欲しいという願いからです。

「フフイ州サン・サルバドール・デ・フフイ市での活動」

特に JETRO の TTPP はネット上で簡単に地元産品を売り込めるビジネス・マッチング・サイトであるに

も拘わらず、アルゼンチン産品で紹介されているのは、現在 38 件しかありません。

近隣の国であるブラジルの 76 件、チリの 57 件よりも尐なく、もっと活用して世界に発信して欲し

いと思っています。JETRO の TTPPでは、全世界で 2万件以上の産品がネット上で紹介されていて、貿

易の機会を待っています。物が売れないと、フフイ州内でただ待つだけでなく、尐しでも自分たちか

ら世界に発信する気持ちを持って欲しいという願いがあります。

フフイの商工会議所が中心になり、第 13回フフイ・エキスポが 10月 7日(金)から 16日(日)にか

けて開催されます。私は、このエキスポ開催時には、もう任期が終わり帰国していますが、フフイ州

内に尐しでも興味がわきましたら、このエキスポに来られて、フフイ産品を見ていただき、フフイ州

内の豊かな自然も味わっていただければ幸いです。

日系社会シニア・ボランティア 讃岐加代子

配属先:ブエノス・アイレス日亜学院

職種:文化

「『JAPÓN EN FORMOSA』と『原爆展』に参加して」

アルゼンチンに日系社会シニア・ボランティアとして着任して 5ヶ月が経った今年 8 月、2つの日

本文化紹介イベントに関わる機会を得たので、ここで紹介します。

1.『JAPÓN EN FORMOSA』

2016 年 8月 26日(金)から 28 日(日)までの 3日間かけて、隣国パラグアイとの国境沿いにある

フォルモサ州において日本文化紹介イベント『JAPÓN EN FORMOSA』が開催され、これに参加しま

した。

8月 25日(木)21時過ぎ、主催団体である亜日文化財団のスタッフの方々と共に、貸し切りバス 2

台に分乗してブエノス・アイレスを出発。金曜日の夜のためか道は大渋滞で、おもちゃ箱のように並

ぶ色とりどりのバス、バス、バス。「サポーターのためのバスに違いない。」、進んでいくうちにその原

因が、サッカースタジアムでの試合のためとわかった時は、アルゼンチンにいることを改めて実感し

ました。渋滞を抜け、バスが快調に走り出したところで、用意された Jamón y Queso(ハムとチーズ)

のサンドウィッチを片手に、これから始まる長旅の腹ごしらえとなりました。

翌朝 8 時に立ち寄った長距離バス休憩所では、多くの人が長蛇の列を作り、アルゼンチンの朝食の

定番であるメディアルナ(三日月形の菓子パン)とコーヒーを注文しています。バスが出てしまわな

いか心配でしたが、ここは時間に融通が利くアルゼンチン。笑顔のドライバーから「OK」の確認を

とると早速朝食を注文。まさに絵はがきの様な南米の乾いた大地の中、ゆったりと横たわる犬たちに

心和ませながらメディアルナとコーヒーで一息つきました。

まだまだ寒さが身にしみるブエノス・アイレスとは一転、フォルモサに到着してみるとそこはまさ

に南国で約 19 時間かけて北上した広大な国土を肌で感じました。

イベント初日 19 時からのオープニング・セレモニ

ーでは、フォルモサ市長、フォルモサ観光局長など

フォルモサ市関係者の他、在亜日本国大使も出席さ

れ、亜日文化財団理事長をはじめとした多くのスタ

ッフや来場者、メディア関係者らも会場に集まりま

した。各人の挨拶が終わると、日本舞踊や太鼓が盛

大に披露され、ブエノス・アイレスから運ばれた、

生け花、盆栽、書道、折り紙、日本画、刺繍などの

作品が展示されたメイン会場が開かれました。

イベント 2 日目は、いよいよ私が担当する着物の

着付けショーが行われました。この暑い中、お客さんは、はたして来てくれるのか?と気になりなが

ら準備をしていましたが、ステージに出るとたくさんの来場者が会場を埋め尽くしていました。ショ

ーでは、来場者の中からもモデルを選んで着物を着せ、着物の紹介や着方、着用した際の身のこなし

方などを紹介しました。

着付けショーに続き、茶道の薄茶平点前を披露。この際にも、会場から客役を募り、多くの希望者

から 4 人を選び、お茶の頂き方を紹介しました。

文化紹介活動の後には、歓迎・親睦会に招待され、フォルクローレを堪能させていただきました。

3 日目は生憎の天気でしたが、多くの地域住民の皆さんが足を運んで下さり、着付けショーやお茶

席は前日以上の人気でした。最終日に行われた閉会式でも、日本とアルゼンチンそれぞれの出し物が

披露され、3 日間の『お祭り』が幕を閉じました。このイベント自体は 3 日間で終了しましたが、日

本とフォルモサ州の友好親善がこれから発展していくようで感無量でした。

2.原爆展

8月には、もう一つの大きなイベントで在亜日本人会(以下 AJA)が毎年開催する原爆展に協力する

機会を得ました。

広島原爆記念日である 8月 6日を開催日として、AJA 会館の入り

口ホールと講堂で写真や原爆資料を中心としたパネル展示を約 1

ヶ月間行いました。アルゼンチンの人々が原子爆弾の被害につい

てより深く理解し、平和について考え、持続的な平和構築を目指

せる世界に近づけるよう願いを込め、尐しでも多くの方々の目に

留まるよう長期間の開催となりました。

開催に向けて AJA 担当者と協議を重ね、広島市から展示品のポ

スター、上映用 DVD、被爆者証言や広島平和文化センター理事長や

広島平和記念資料館長からのメッセージを送付してもらう等、準

備に奔走しました。開催日前日には、JICA ボランティアらの協力

を得て、会場の設営や看板の設置なども行いました。

展示の初日、2016 年 8 月 6 日(土)は、来場者に広島に送るた

めの折り鶴の制作や平和メッセージの記入などに協力を呼びかけ、ここでも、JICA ボランティアの協

力を得て、折鶴指導やメッセージの収集を行いました。初日の開会式には約 50名の来場者がありまし

た。

安全上の理由から、開催期間中に継続して会場を開いておくことができず、希望団体から見学依頼

があったときのみに開場する形態となりましたが、ラ・プラタ大学の学生や市内の小中高生、AJA 会

館に併設するレストラン客など多くの人々が、原爆被害について関心を示し、熱心に展示品に見入る

姿が印象的でした。

原爆被害の実態を知り驚いている人、ショックを受けている人、未来について考える人など、反応

はそれぞれでしたが、平和への願いがより積極的になったことは、来場者に共通して言えることでし

た。

この活動を通じ、「平和な世界」の訪れに向けて、唯一の被爆国である私たち日本人が、この事実を

忘れず、平和の尊さを広めて行く活動を続けることが重要だと改めて感じています。

竹内朝夕

ラスイスセペック観光短期大学 3年

私は、今年の 7月に JICA の大学生対象の訪日研修プログラムに参加させていただきました。

今年度は、アルゼンチンからは、代表者が 2名選ばれ、その他にも中南米の様々な国の参加ととも

に合計 20名の日系人がこの研修に参加しました。約 1ヶ月間のこの研修では、1人1人の日系人とし

てのアイデンティティを深めるため、大学の先生や研究者の方々の講義を聞いたり、日本の伝統的な

文化を体験したり、とても貴重な勉強の機会になりました。

「第 2 回日系社会次世代育成研修(大学生対象)に参加して」

このプログラムの 1 ヶ月間の研修は、次のようなものから構成されていました。

1)移住学習と日系人アイデンティティ学習

研修がスタートした1週目は、JICA のセンターで日本人の移住の歴史や日本の歴史とした内容

をもとに講義やディスカッションを行いました。自分の中では理解していたつもりだった「ニッ

ケイ」の意味も自分の中で変わり、「日系人であること。」の誇りを改めて実感しました。その他

にも JICA 横浜の海外移住資料館見学、横浜の歴史と移住の歴史をたどるウォーキングツアーと

いった体験を通じ、「日本人の海外移住」について学びました。

2)大学における研修

横浜で目覚めることに慣れてきた 2週目は、横浜国立大学訪問からスタートしました。そこで

は、大学生による横浜のビデオ紹介、キャンパスツアー、大学の生徒との交流会等が行われまし

た。2日間の研修を共にした学生の方々とは、鎌倉のお寺巡りを共にし、藍染という名の植物繊

維で布を染める日本の伝統技術体験も一緒に味わうことができました。

今回の研修では、各参加者の専攻が各自で異なるため、自分の専門分野に尐しでも近い分野に

関する個別研修が 2日間行われました。私の場

合は、上智大学でスペイン語を勉強している生

徒や日系社会の研究を長い間、続けてきている

方の話を聞くことができました。また、

上智短期大学がある秦野では、1泊 2日滞在

し、在日の日系人の方々と意見交換会を行い、

今、日本で彼らがどのような生活をし、どのよ

うな問題を抱えているかについて聞いたり、ア

ドバイスしたりして、お互いに元気をもらいま

した。

同短期大学の学生の方々は、ボランティアと

して日系人の子供たちの様々な支援活動を行っ

ており、また、日本語を覚えたいという日系の子供たちの熱心さに感動しました。

3つめに見学したのは、京都の立命館大学です。同大学は、生徒がより良い環境で勉強ができ

るために、大学の建物に様々な工夫が凝らされており、大変驚きました。他にも唐紙体験や祇園

祭の歴史、学生との交流といった活動を通じ、日本の大学生との交流をさらに深めることができ

秦野の日系人との交流会

藍染体験

ました。

その他にも文化体験として着物の着付け体験や茶道、座禅や日本理化学工場見学などといった

活動に参加することができました。

3)研修旅行

研修も終了に近づいてきた 3 週目は、京都と神戸へ研修旅行に行きました。研修員の中でも新

幹線に乗ったことがなかった参加者が多かったため、皆、非常に喜んでいました。

先に訪れた京都では、立命館大学を訪問した他、清水寺、伏見稲荷、二条城といった京都の名

所を巡り、途中で舞妓さんにも出会うこともでき、まるで映画で見るような日本を味わうことが

できました。

また、神戸では、「神戸海外移住と文化のセンター」で移住の知識を深めるとともに、震災メモ

リアルパークや乗船記念碑も見に行きました。

1 ヶ月間、毎日が新しい冒険に満ちていて、とても充実していました。また、予定が入ってい

ない週末には、長い間会っていなかった家族や知り合いにも面会することもでき、短い滞在期間

を充分堪能しました。日本人の日常生活だけではなく、中南米の各国の参加者同士でも互いに学

びあうことも多く、非常に多くのことが吸収できた研修でした。この研修のおかげで自分の将来

の夢や希望、可能性が広がり、現在、日系コミュニティーが何を必要としているのかも見えてき

たような気がします。

これからは、この訪日研修で学んだことを基に多くの人たちに私が実感した思いを伝えていき

たいと思っています。そのためには、日系社会の諸々の活動により積極的に参加し、仲間たちと

協力しあいながら、尐しずつより良い未来を切り開いていかなければなりません。それを実現す

るために頑張っていこうと思います。

私たちに「世界を見る目を変える」素晴らしい機会を与えて下さった JICA、訪日に際して様々

な助言を戴いた同じプログラムの元研修員の和田さん、そして私たちを暖かく迎えて下さった海

外日系人協会、横浜国立大学、上智大学、立命館大学の皆様に心から感謝したいと思います。

8 月 2~5日:課題別研修「鉱工業による廃水汚染対策」・フォローアップセミナー開催

京都立命館大学、唐紙体験

8 月 2~6日:課題別研修「鉱工業による廃水汚染対策」・フォローアップ調査団来ア

8 月 22 日~9 月 16日:第三国研修「中小企業における経営・生産管理技術の応用コース」実施

8 月 29日~9 月 3日: 科学技術協力「南米における大気環境リスク管理システムの開発プロジェク

ト」・水野リーダー(名古屋大学教授)来ア

9 月 13~16日:第三国研修「中小企業における経営・生産管理技術の応用コース」・松井在外研修講

師(横浜国立大学大学院教授)来ア

9 月 19~30日:第三国研修「中地域社会開発を目指した食料自給生産、アグロエコロジーと食料政策」

実施

9 月 30 日:日系社会シニア・ボランティア 2名(短期)着任

2016年 9月-147号

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