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2018 年度 個人研究費研究経過・成果報告書 日提出 法学部 教授 浅野亮 研 究 題 目 経済的相互依存下の中国の安全保障 (研究の途中で「中国の国際秩序観」に発展、変更) 「『一帯一路』の論理と性格:経済と安全保障の両面から」『運輸と経済』第 78 巻第 12 号、 pp.20-28.

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  • 同 志 社 大 学

    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    年 月 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 浅野亮

    研 究 題 目

    経済的相互依存下の中国の安全保障 (研究の途中で「中国の国際秩序観」に発展、変更)

    研 究 成 果

    の 概 要

    「『一帯一路』の論理と性格:経済と安全保障の両面から」『運輸と経済』第 78 巻第 12 号、

    pp.20-28.

  • 同 志 社 大 学

    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019 年 4 月 1 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 市川 喜崇

    研 究 題 目 分権改革の政治過程(その2)

    研 究 成 果

    の 概 要

    数年前より、この課題を継続して研究している。その成果は、「2000 年分

    権改革の政治過程」のタイトルで現在執筆中であり、すでにその第1回分は

    脱稿している。現在、ある学術誌と掲載に向けて交渉中である。掲載は数回

    にわたる予定であり、2019 年度中には完成の予定である。

    この間、多くのことが明らかになった。主要なものを挙げれば、以下のと

    おりである。

    1.分権改革の政治過程のアジェンダ形成に及ぼした第3次行革審路線(「ゆ

    とりと豊かさ」路線)の端緒は当初考えていたよりも早く、1986 年4月の

    「前川レポート」であることがわかった。また、この路線の形成過程と、そ

    れが諸アクターに与えた影響について、理解が深まった。

    2.分権改革への財界の対応について、経団連などの資料を読み込み、また新

    聞・雑誌記事などに当たることによって、理解を深めることができた。経団

    連が、分権改革の提言の発表にとどまらず、政治過程の要所で積極的に動い

    ていたことを裏付ける資料を確認できた。他方で、経団連は、分権改革が自

    らの事業活動に及ぼす影響について、完全に確信をもてない中で、この改革

    の必要性を認めて、改革を後押しした可能性が強いことがわかった。「アイ

    デアの正統化機能」による説明が可能であると考えている。

    3.従来から注目していた分権改革への自治省の対応に加えて、総務庁の対応

    について理解を深めることができた。地方分権に関して特段の選好を有して

    いない総務庁は、消極的調整者として行動していたという理解を得るに至っ

    ている。

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019 年 4 月 18 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 飯田 健

    研 究 題 目

    投票外参加の日米比較:確率標本によるインターネット調査を用いた因果推論の精緻化

    研 究 成 果

    の 概 要

    今年度は以下のとおりの研究成果となった。

    論文

    飯田健. 2018 年 .「格差、治安、再分配支持:国家間のマルチレベル分析」『日本比較政治学会

    年報』20 号, 29-55 頁.

    Takeshi Iida. 2018."Media Coverage and the Association between Japanese Perceptions of

    South Korea and North Korea." Japanese Political Science Review 4: 1-25. 飯田健. 2018 年 .「政党の争点立場認知と投票後悔:2016 年参院選における護憲派により改

    憲勢力への投票」『年報政治学』2018-II, 60-81 頁.

    研究報告

    Takeshi Iida. 2018." The Alliance Dilemma in the Public Mind: A Survey Experiment in

    Japan." Paper presented at World Congress of the International Political Science

    Association, Brisbane, Australia, July 24, 2018.

    飯田健. 2018 年.「京都市における共産党の支持基盤」第 3 回東アジア日本研究者協議会国際

    学術大会, 京都リサーチパーク, 2018 年 10 月 28 日.

    Takeshi Iida. 2019."Reference to Great Presidents and Support for Populist Claims in the

    U.S.." Paper presented at the Annual Meeting of the Southern Political Science

    Association, Austin, Texas, January 18, 2019.

    また代表を務める 2 つの科研費でそれぞれ調査を行った。

    ・京都市の選挙人名簿からの無作為抽出標本に対する郵送調査およびポスティングからのイ

    ンターネット調査の実施(2019 年 2~3 月)

    ・アメリカと日本の有権者をそれぞれ対象としたインターネット調査の実施(2019 年 2 月)

    以上

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019 年 2 月 22 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法 准教授 望月詩史

    研 究 題 目

    「勢」概念に関する基礎的研究

    研 究 成 果

    の 概 要

    今年度は、研究題目を「「勢」概念に関する基礎的研究」に設定した。

    まず、日本における「勢」概念について調査(語源や用法)を着手し、また、中国語の「勢」

    概念に関する資料も収集した。今年度は、「基礎的研究」ということもあり、資料収集やそれ

    らの読み込みの作業が中心であって、現時点では、それらに直接関わる研究成果をまとめられ

    ていない。

    しかし、本研究題目と関連性のある研究成果として、以下を発表している。

    ①「海老名弾正」沖田行司編『新編 同志社の思想家たち 上』(晃洋書房、2018 年)所収

    *「大西祝」も執筆

    ②「徳富蘇峰」沖田行司編『新編 同志社の思想家たち 下』(晃洋書房、2019 年)所収

    上記の論稿では、海老名弾正と徳富蘇峰の思想について、部分的ながら「勢」概念と関連付

    けて論じている。「勢」概念について正面から取り上げたものではないが、今年度の基礎的研

    究により得られた知見を反映させることができた。また、これらの人物の思想を再検討する上

    で、「勢」概念が重要な意味を持つことを問題提起することができた。

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019 年 3 月 30 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 森 裕城

    研 究 題 目

    2017年総選挙の得票データ分析

    研 究 成 果

    の 概 要

    本研究の成果は以下の通りである。

    ◆2017年10月に実施された衆議院総選挙の得票データ・ベース(JE

    D-M2017)をレヴァイアサン・データバンクに登録し、一般の研究

    者に公開した。

    ◆2018年5月に実施された日本選挙学会において「日本の小選挙区比例

    代表並立制と政党競合」というタイトルの報告を行い、その報告に上記デ

    ータベースを活用した分析の結果の一部を入れ込んでいる(この報告内容

    は、『選挙研究』34-2号、木鐸社、2018 年、に掲載されている)。

    ◆現時点における分析は、各政党・候補者の基礎的選挙指標の算出とその分

    布の考察に留まっているので、今後、さらに2017年総選挙に関する総

    合的な分析を行い、その結果を『同志社法学』などで発表していくことに

    したい。

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019 年 3 月 31 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法 准教授 森 靖夫

    研 究 題 目

    近代日本政治史における陸軍の位置づけの再検討

    研 究 成 果

    の 概 要

    本年度は、以下の論文を発表した。

    ・森靖夫「総力戦・衆民政・アメリカ―松井春生の国家総動員体制構想―」(伊藤之雄・中西

    寛編『日本政治史の中のリーダーたち』京都大学学術出版会、2018 年 4 月)

    ・森靖夫「戦間期アメリカの『国家総動員』準備(1920―1939)」(『同志社法学』第 70 巻第

    3 号、2018 年 9 月)

    ・森靖夫「アメリカから見た日本の『国家総動員』準備(1918~1938)」(『同志社法学』第 70

    巻第 4 号、2018 年 11 月)

    また、11 月 3 日には、2018 年度日本国際政治学会研究大会(於大宮ソニックシティ・2018 年

    11 月 2~4 日)の部会6において、「英米から見た日本の国家総動員準備」と題する報告を行

    った。

    これらの成果は、国家総動員という観点から日本陸軍の政治史的位置づけを考察した研究の一

    環である。

    2019 年 3 月 19 日には、マルタ共和国において開催されたワークショップ「Prisoners of War

    and Civilian Internees from the Viewpoint of East Asia」において、「満洲事変と「捕虜」問

    題」と題する研究報告を行った。この報告は、満洲事変期における中国兵捕虜や抑留者の扱い

    という観点から日本陸軍の政治史的位置づけを考察したものである。

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019 年 5月 7日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 村田晃嗣

    研 究 題 目

    大統領とハリウッド

    研 究 成 果

    の 概 要

    アメリカ政治と映画の相互関係を実証的、歴史的に検討してきた。

    アメリカ連邦議会図書館の映像部でも、貴重なフィルムの調査を実施した。

    特に 1980 年代を中心に研究を勧め、中公新書より『大統領とハリウッド』(2019 年 2 月)を

    刊行した。

    その他、地方自治体などの文化講演会でも、このテーマで公園を行い、社会的啓蒙に寄与した。

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019年3月20日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部政治学科 助教(有期) 村田 陽

    研 究 題 目 J. S.ミルのデモクラシー論:19 世紀英仏をめぐる国際政治思想史の観点から

    研 究 成 果

    の 概 要

    2018 年度は、J. S. ミル(1806-1873)のデモクラシー論に関して、1831 年から 1861 年を研究対象時

    期に設定し、当該時期に執筆あるいは刊行されたミルの著作・論考および関連する一次資料の分析を主に

    実施した。主たる個人研究費研究の成果としては、下記で示す4つの学会およびセミナー等での研究報告

    が挙げれられる。

    まず、2018 年 7 月に国際功利主義学会(The International Society for Utilitarian Studies)第 15 回

    大会にて、学会報告を実施した(Minami Murata, “John Stuart Mill’s Concept of Representation for

    Democratic Progress,” July 2018, Karlsruhe Institute of Technology, Karlsruhe, Germany, 査読あり)。

    本報告では、1831 年から 1861 年にかけてミルが展開した代議制論について、デモクラシーと進歩の関係

    に焦点を当てた分析を提示した。また、その際、19 世紀ブリテンだけでなく、ミルが受容した 18 世紀か

    ら 19 世紀にかけてのフランス思想を取り上げた。また、当該学会関連のワークショップに参加し、ミル

    の実践哲学や政治思想に関連した研究報告会に出席した。

    その後、2018 年 12 月に開催された日本イギリス哲学会第 59 回関西部会にて、研究報告を実施した(村

    田陽「ジョン・スチュアート・ミルの政体論:ジョージ・グロート『ギリシア史』を手掛かりに」2019 年

    12 月、キャンパスプラザ京都)。本報告では、ミルの政体論、とりわけ民主制論について、1846 年から

    1856 年にかけて刊行された 19 世紀ブリテンの歴史家ジョージ・グロートによる『ギリシア史』および、

    本著に対するミルの書評論文を取り上げることで、ミルがグロート経由で自身の民主制を形成していく過

    程やその様相を分析した。

    次の成果としては、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの Bentham Project 主催による Bentham

    Seminar において、研究報告を実施したことが挙げられる(Minami Murata, “J. S. Mill and Political

    Reform: The Reception of Jeremy Bentham and George Grote,” March 2019, University College

    London, London, United Kingdom)。一般的に、ミルはジェレミー・ベンサムの功利主義や政治改革論を

    受け継ぎ、それらに修正を加えた思想家として周知されている。本報告では、ミルのベンサム受容を改め

    て捉え直し、そのうえで、ミルの同時代人で同じくベンサムから多くを学んだ歴史家ジョージ・グロート

    を取り上げることで、ミルと政治改革の関係性を模索した。

    上記のロンドンでの発表に続き、Centre Bentham 主催のワークショップにて研究報告を行った

    (Minami Murata, “J. S. Mill and Political Reform: The Reception of Jeremy Bentham and George

    Grote,” March 2019, Ecole de Droit de Sciences-Po Paris, Paris, France, 招待報告)。大まかな趣旨は先

    の報告と同一であるが、本報告では、ミルの政治改革論を基礎付ける議論として、フランスの政治思想受

    容が重要であること示した。

    以上複数の研究報告の成果をもとに、論文(日本語一本、英語一本)の執筆および修正、ならびに単著

    の執筆に取り組んでいる。また、個人研究費を使用した研究活動として、英国にてミルに関連した一次資

    料の資料収集を実施した(2019 年 3 月)。

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    2018 年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019年 2月 25日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 西澤由隆

    研 究 題 目

    日本におけるヘイトスピーチの心的基盤と法規範形成の研究

    研 究 成 果

    の 概 要

    本研究では、一般の日本人はいかなる条件のもとでマイノリティに対する

    差別や言葉の暴力を許容するのか、またその理由は何か、といったヘイトス

    ピーチ(HS)に関わる心的メカニズムをサーベイ実験という方法により解明する経験的分析(A)と、2016年に成立した現行ヘイトスピーチ対策法をさらに超える新しい法規範形成の可能性を検討するという規範的考察(B)とを 2本の柱として研究を進め、最終的にはこの(1)・(2)の統合を試みる(C)。 そして、今年度は、2018年 3月に実施したウェブ調査(サンプル数 6,000)の分析を行った。そのうち、HSという概念についての認知定着度・HS規制態度を規定する属性要因・HS の対象と HS 規制態度の関係などについて検討を進め、その結果は「中央公論」に投稿した(2019年 3月刊行予定)。また、その他の分析結果も含めて、2019年 10月に開催予定の日本政治学会研究会で報告するべく準備が進んでいる。 さらに、上記の分析を踏まえ、第 2回ウェブ調査を 2019年 3月に実施する。ここでは、「社会的望ましさ迎合」・「多数への同調」の二つの「HSへの許容度」に対する影響について検討する予定。

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019 年 4 月 16 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 大矢根 聡

    研 究 題 目

    日本の経済外交事例の理論的分析

    研 究 成 果

    の 概 要

    昨年度まで、科研事業の研究プロジェクトとして、国際関係における歴史研究と理論研究の

    対話可能性を検討し、その成果の刊行に向けた作業を継続しており、以下の 2 冊が 2019 年度

    中に刊行予定になっている。また、それに引き続き、日本の経済外交に関して、新たな科研プ

    ロジェクトを開始し、研究を進めている。

    ・大矢根聡編『国際関係理論と日本外交史―「分断」を乗り越えられるか―』(勁草書房、2019

    年度刊行予定)

    ・大矢根聡編『戦後日本外交からみる国際関係』(ミネルヴァ書房、2019 年度刊行予定)

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019年 3月 5日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 力久 昌幸

    研 究 題 目

    イギリスの EU 国民投票とイングランド・ナショナリズムの政治化に関する

    研究

    研 究 成 果

    の 概 要

    本研究は,イギリスにおいて 2016 年 6 月に実施され,EU からの離脱への

    賛成票が多数となった国民投票を主な事例として取り上げて,イングランド・

    ナショナリズムの台頭と EU 離脱投票との関係に注目する。イングランド・

    ナショナリズムの政治化によって主要政党の戦略的行動にどのような変化が

    もたらされているのか,そして,EU 離脱派のキャンペーンにどのような特

    色がもたらされたのか,という点に注目して検討を進めることにしている。

    2018 年度の研究においては,前年度に引き続き,ナショナリズム,ナショ

    ナル・アイデンティティ,欧州統合,権限移譲改革に関する既存の理論およ

    び事例研究の整理と考察,および,EU 国民投票の事例をもとにしたイング

    ランド・ナショナリズムの政治化と主要政党の戦略的行動の変化に関する調

    査と分析を継続して行った。本研究を行う中で得られた成果の一部について

    は,「混迷の BREXIT 残された選択肢」『外交』(Vol. 53,Jan./Feb. 2019)

    や倉持孝司編『「スコットランド問題」の考察:憲法と政治から』(法律文化

    社)所収の論文などに反映されている。また,イギリスの EU 離脱に関連す

    るテーマで行った講演などでも,本研究を実施する中で得られた知見の一部

    を取り上げて紹介することになった。

    なお,イギリスの EU 離脱が予定されている 2019 年 3 月 29 日直前にイン

    グランドとスコットランドにおいて,本研究に関する現地での研究調査を行

    う予定である。保守党,労働党,スコットランド国民党などの政党関係者に

    対するインタビューを行う一方,イギリスの大学など研究教育機関所属のイ

    ギリス政治研究者やナショナリズム研究者との率直な意見交換を通じて,本

    研究を遂行するうえで重要な知見を得ることができるのではないかと期待し

    ている。

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019 年 4 月 22 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 准教授 鈴木絢女

    研 究 題 目

    中所得国マレーシアにおける財政と民主主義: 開発志向国家の再考に向

    けて

    研 究 成 果

    の 概 要

    本年度は、2 本の学術論文を刊行した。

    (1)鈴木絢女、「権威主義体制における裁判所:マレーシアにおける違憲判決と政治的自由」

    『年報政治学』 (I) 123-146 2018 年 6 月

    (2)鈴木絢女「マレーシアの長期政権 : 起源、発展、溶解、終焉 (特集 アジア権威主義体

    制の共通項)」『東亜』 (616) 18-26 2018 年 10 月

    以上。

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    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2019 年 3 月 1 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 寺田 貴

    研 究 題 目 日本経済外交研究:アメリカ通商政策と中国開発政策にどう影響を受

    けたのか。

    研 究 成 果

    の 概 要

    2018 年度の出版業績は以下のとおりである。

    TERADA, Takashi (2018) “RCEP Negotiations and the Implications for

    the United States”, NBR Commentary, 20 December. TERADA, Takashi (2018)“US-China Power Struggle for Regional Economic

    Order in East Asia”, Asia Policy 26,pp.19-25,2018. TERADA, Takashi and Okano-Heijmans, M.,(2018)“EU-Japan Relations in

    the Age of Competitive Economic Governance in Asia”, in Berkofsky,

    Hughes, Midford and Söderberg (eds.) EU-Japan Relations: Cooperation in the Shadow of Two Great Powers (NY: Routledge), pp.79-99.

    TERADA, Takashi(2018)“Japan’s Struggle for China-led Asian Economic

    Order: Reactive Initiatives in Asian Infrastructure”, in Panda,

    Jagannath (ed.) China-India-Japan Triangularity in Asia: Ideas, Interests and Infrastructure, (New Delhi: Pentagon Press), pp.188-202.

    TERADA, Takashi (2018)“Trump’s Trade War and the Thawing of China-

    Japan Relations”, USJI Voice, No.38. TERADA, Takashi (2018)“Japan and Northeast Asian Regionalism:

    Overcoming Political Animosity for Economic Integration”, Yul

    Sohn and T.J. Pempel (eds.) Japan and Asia’s Contested Order: The Interplay of Security, Economics, and Identity (NY: Palgrave Macmillan), pp.279-301, 2018.

    寺田貴 (2019)「経済相互依存の罠と環太平洋経済連携協定」『JFIR World

    Review』No.2.pp.54-65.

  • 寺田貴(2018)「アメリカの TPP 離脱と日本の地域統合イニシアティブ―新古

    典派現実主義アプローチによる TPP-11 形成過程分析」『同志社法学』

    400号、p.1-33

    寺田貴 (2018)「アジア経済秩序―米中覇権競争と地域制度」福田保編『アジ

    アの国際関係―変容する地域秩序』東洋英和女学院大学社会科学研究叢

    書 5、春風社、pp.49-67.

    寺田貴(2018)「トランプ「貿易」戦争と日中関係の雪解け:地域統合の持つ

    国際政治効果」『USJI Voice』 No.38.

    寺田貴「東・東南アジア:米中が競う地域経済秩序のリスク」『タリスマン』

    (東京海上日動リスクコンサルティング)、pp.19-22、2018.

  • 同 志 社 大 学

    2018年度 個人研究費研究経過・成果報告書

    2018 年 3 月 4 日提出

    所 属 職 名 氏 名

    法学部 教授 鷲江義勝

    研 究 題 目

    欧州同盟(EU)の研究

    研 究 成 果

    の 概 要

    1952年の欧州石炭鉄鋼共同体の設立を嚆矢として、現在のEUに至るまで、半世紀以上

    の歴史を重ねてきた欧州統合の過程は、1つの転機を迎えているように思われる。欧州統合の

    過程では、国家主権を徐々にEUに移譲し、欧州連邦の設立を目指す深化と欧州の諸国が新た

    に加盟するという拡大が常に観察され、それがEU自体の制度的発展や充実、あるいは国際的

    影響力の増大に繋がっていった。ところが、最近10年ほどのEUには、顕著な変化が見られ

    る。EUの統治機構としての発展は、国家主権の移譲によって成し遂げられるため、EUの制

    度的発展は、加盟国の主権と常にトレードオフの関係にある。そのため、現状以上のEUへの

    主権の移譲は、主権国家としての加盟国の消滅に直結しかねない状況まで来ている。そのため、

    喫緊の課題となっているEUのガバナンスの充実がこれまで以上に困難な状況となっている。

    イギリスの離脱への動き自体このことを反映したものである。また、拡大についても、冷戦終

    結後、中東欧の国々が大挙して加盟したため、加盟国数は、10年で倍増以上という状況であ

    る。そのため、EUは現在、停滞状況に陥っているという指摘もある。本研究は、これまでの

    統合過程をあらためて振り返った上で、EUの現状を機構やガバナンスの側面から考察し直す

    ことを目的とし、今一度大きな視野から EU の見直しを図るものである。