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装幀・宇那木孝俊(宇那木デザイン室)

合格を目指す受験者の皆さんへ

 建築施工管理技術検定試験は、建設工事に従事する施工管理技術者の技術向上を

図ることを目的として、建設業法第27条の2に基づく指定試験機関である一般社

団法人建設業振興基金が実施している試験です。

 実地試験は、建築施工管理に関する実務経験に即した記述式の設問と施工技術・

法規などの知識を問う設問が出題されますが、ほとんどが記述式の設問です。与え

られた設問に対し、要旨を的確に捉えて指定枠内に解答できれば合格でしょうが、

作文が苦手な受験者は多く、日々の業務に忙殺されて学習する時間を取ることが難

しい状況です。

 本書は、少しでも試験に慣れることで自分の実力を発揮できるよう最新5年分の

試験問題で構成しており、関連項目の解説を収録しました。なかでも施工経験記述

については、実際の受験者の記述例を複数用意し添削することで、より高いレベル

で合格に近づけるよう問題点の捉え方を明確にして、何をどのように書けばよいか

を学べるように工夫しました。さらに、自分の施工経験を事前にピックアップし、

試験当日にあわてず取り組むための記述のポイント整理術も紹介しています。

 以上の点を習得して、施工管理業務で行っている知識や管理能力などを解答用紙

にあますことなく記述し、合格を目指してください。1人でも多くの方が、晴れて

合格の日を迎えられることを願っています。

 平成28年2月

中村敏昭 

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目 次

試験について

1 試験案内学科試験受検資格について   7  学科試験受検資格の「実務経験」とは   9実地試験受検資格について   11  実地試験の申込について   12実地試験の時間割・試験地・試験の内容   13  実地試験受験の心得と注意   14合格発表   15  技術検定合格証明書の交付申請手続き   16過去の試験結果   16

2 出題傾向と出題内容問題 1(施工経験記述)   20  問題 2(仮設計画・安全管理)   22  問題 3(躯体工事)   24問題 4(仕上げ工事)   26  問題 5(工程管理)   30  問題 6(法規)   32

3 施工経験記述の設問内容施工経験記述とは   34

1.「あなたが経験した建築工事」の規模はどれくらいか   342.工事概要の書き方   35  3.近年よく出題される設問のテーマはこの 3つ   37

4 記述のポイント整理術1.設問を想定した整理表をつくる   38  2.対策を項目別に整理する   393.客観的に整理する   40  4.記述するときには、こんな点に気をつければOK!   415.記述の練習   41

最新5年分の試験問題

平成27年度   44

平成26年度   102

平成25年度   154

平成24年度   208

平成23年度   258

試験について 1 試験案内 2 出題傾向と出題内容 3 施工経験記述の設問内容 4 記述のポイント整理術

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記述例 1

[工事概要]イ.工  事  名 千葉○○○コート大規模修繕工事ロ.工 事 場 所 千葉県千葉市○○区○○町1-9-2ハ.工事の内容 店舗付き集合住宅、RC造、地上13階・地下1階

外壁タイル補修工事(5,900㎡)、シーリング打替え工事(6,900㎡)、各所防水改修工事(1,680㎡) 1

ニ.工    期 2014年9月~ 2015年2月ホ.あなたの立場 現場代理人 1

1.

(1)

①実施した建設副産物対策 発生抑制 ① 工種名 防水工事

② 計画・実施 した内容

既存アスファルト露出防水層を全面撤去し、ウレタン絶縁工法への改修

であったが 2、既存アスファルト層を残してウレタン機械的固定工法に

変更した。

③ 結果と波及効果

既存アスファルト層を残すことによって、産業廃棄物の発生抑制が図れ

た。このことによって産業廃棄物の処分コストおよび工期短縮によるコス

トダウンができた。

(2)

①実施した建設副産物対策 発生抑制 ① 工種名 植栽工事

② 計画・実施 した内容

植栽撤去に伴って発生する残土を産業廃棄物として処分する計画であっ

たが、残土は敷地内に敷き均すこととした。 3

③ 結果と波及効果

残土を敷地内に敷き均すことによって、産業廃棄物の発生をゼロとし発

生抑制ができた。産業廃棄物処理をコストダウンして、良質土を敷き均

すことができた。

(3)

①実施した建設副産物対策 再生利用 ① 工種名 金属工事

② 計画・実施 した内容

撤去したアルミ笠木を分別収集し、アルミリサイクル業者に持ち込んだ。

③ 結果と波及効果

アルミリサイクル業者に持ち込むことによって、アルミ材を 100%再生利

用することができた。発生費として積算 4していたが、再生利用により

運搬賃のみで済み、全体的にはコストダウンを図ることができた。

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●記述例の添削と要点1 : 大規模修繕の工事内容を数字的に記述しており、現場代理人としての業務内容を掌握していることが分かる。ただし、設問 1の (2)で解答している植栽撤去については未記入なので、対象植栽本数や残土量について記載する。

2 : 計画・実施した根拠が不明。ウレタン絶縁工法からウレタン機械的固定工法に変更した理由や既存防水層を残すメリットなどを記述する。「既存アスファルト露出防水

層の上にウレタン絶縁工法とした。既存アスファルト防水層を残し、ウレタン機械

的固定方法を採用することで、健全な箇所は二重の防水効果を確保でき、脆弱部に

ついては補強防水することになって完全な防水性能を確保した」と記述する。

3 : この記述では、どの程度植栽撤去に伴って残土が発生するか、その残土が産業廃棄物として処分する理由が理解できない。「50本程度の高木の植栽撤去工事があったが、根についた土と撤去した木材の搬出が問題となった。土は敷地内に敷き均し、

木材はチップ状に加工して歩道部分に敷き詰めた」と記述する。同様に「③結果と

波及効果」でも「場外に土や木材を搬出することなく、コスト的にも効果があった。

また、チップ状の歩道は住民の憩いの場となって評判が良い」と記述する。

4 : アルミニウムはスクラップ価格が高く、新地金の製造エネルギーの 3~ 5%と再生エネルギーが少なくて済むことから、リサイクル性に優れた金属である。発生費と

して積算していることはそもそも間違いである。

2.

(1)

産業廃棄物 産業廃棄物全般

適正処分に あたっての 留意事項

分別した産業廃棄物を収集運搬業者と確認しながら、正確にマニフェス

トを発行する。最終処分の後に届くE票によって最終処分されたことを確

認して、マニフェストを保管・管理する。

(2)

産業廃棄物 アスベスト含有建物

適正処分にあたっての留意事項

アスベスト含有の可能性のある建物は、アスベスト含有の有無を調査し、

含有が確認された場合には、そのレベルに応じた撤去を行って、許認可

を受けた業者に依頼して処分する。

【総合評価】現場代理人としてバランスの良い現場運営がうかがえる解答だが、空白行は避け、計

画・実施までに至った理由や工事概要を具体的に記述する。設問2の産業廃棄物の適正処分については、マニフェストやアスベスト含有建物(特別管理産業廃棄物)に言

及しており、全体を俯瞰できた解答となっている。

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問題2

 建築工事において、次の1.から3.の仮設物の設置計画の作成にあたり、留意・検討すべき事項を2つ、具体的に記述しなさい。 ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、設置後の保守点検等の運用

管理に関する記述は除くものとする。また、使用資機材に不良品はないものと

する。

1.外部枠組足場

2.仮設電力設備

3.荷受け構台

記述例

1.①壁つなぎは、倒壊防止のため専用金具を用いて所要の間隔で強固に緊結する。

②高さ 45m以上では建地を補強して、座屈防止を図る。

2.①工事期間全般にわたる電力工程表を作成して、受電設備容量を決める。

②工事に支障がない設備・幹線設置および撤去などを綿密に計画する。

3.①積載荷重や作用荷重に対して強度計算を行い、崩壊しない構造とする。

②搬入物に応じた形状と、水平運搬に適した平面配置や盛替え計画を行う。

●記述例の要点1.外部枠組足場 建設工事においては、基礎工事から躯体工事、外装仕上げ工事など工事の進捗に

応じて施工対象物への近接作業を安全に行い、かつ、生産性を高めるために足場を

設置する。足場は、材料、構造、機能など多種多様であり、工事の種類や規模、場

所や工期を考慮して最適な足場を選定することが肝要である。

 外部枠組足場は、中高層建築物の外壁工事用に使用され、組立・解体が迅速、か

つ、容易であり、安全性や作業性に優れていることから、現在、最も広範囲に使用

されている足場である(図表1)。

 外部足場の設置計画の留意点を問う設問は平成23年度にも出題されており、平

成20年度には外部足場の使用中の安全点検事項について出題されている。ここで

建枠

建枠手すり

根がらみ

敷板

敷板

手すり 手すり

手すり

手すり柱 中桟手すり柱

交差筋かい

交差筋かい

床付き布枠

床付き布枠

壁つなぎ用金具

ジャッキ型ベース金具 ジャッキ型ベース金具

壁つなぎ用金具

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は、外部枠組足場に限定しているので過去の問題と異なり、外部枠組足場について

解答する。また、建設現場で使用される足場からの墜落・転落による労働災害が多

く発生していることから、足場に関する墜落防止措置を定める労働安全衛生規則が

平成27年7月1日に改正・施行された。足場からの墜落防止措置が強化されている

ので、業務を通じて理解を深めておきたい。

日本建築学会:建築工事標準仕様書・同解説 JASS 2 仮設工事、2006、p94

図表1 枠組足場の構成

① 外部枠組足場の脚部は、滑動および沈下を防止するために、地盤を十分に突

き固める。軟弱地盤では、砂利敷き、または捨コンクリートなどによって安

全性を高める。なお、地盤上には、敷板などを敷く。

② 建枠脚柱の最下端には、ジャッキベース金具を用い、根がらみを設ける。

③ 建枠の設置間隔は、1.85m以下とする。

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●解答の要点1.ゴムアスファルト系塗膜防水材 塗膜防水材は、塗膜防水材を塗り付けて連続的な膜を構成する、いわゆるメンブ

レン防水の一種である。JIS A 6021(建築用塗膜防水材)で規定されている屋根用

塗膜防水材のうち、標準仕様書ではウレタンゴム系(高伸長型・高強度型)とゴム

アスファルト系塗膜防水材のものについて規定されている。

 ウレタンゴム系塗膜防水は屋根、ひさし、開放廊下、バルコニーに、ゴムアス

ファルト系塗膜防水は地下外壁、屋内に適用する場合が多い。

 ゴムアスファルト系塗膜防水は、アスファルトと合成ゴムを水中に乳化分散した

エマルションで、環境に配慮した防水材として広く使用されている。

① 手塗りタイプと吹付けタイプがあり、手塗りタイプはゴムアスファルトエマ

ルションだけで乾燥造膜するもの(乾燥造膜型)と硬化剤を用いて反応硬化

させるもの(反応硬化型)がある。

② 吹付けタイプは、上記のほかにゴムアスファルトエマルションのほかに、主

剤と分解剤または凝固剤を専用吹付機を用いて短時間で促進造膜させるもの

(凝固造膜型)や反応硬化型がある。ゴムアスファルト系塗膜防水材の造膜方

式と施工方法の仕様別適用例を図表18に示す。

③ 手塗りタイプは、主に室内の浴場・厨房、駐車場および便所・機械室に適用

され、防水層の信頼性向上を図るため、4.5kg/㎡(固形分60%の場合)とし

ている。これは成膜後の防水層の塗膜厚さを平均2.7mmに仕上げることを意

図している。

④ 吹付けタイプは、主に地下外壁に適用され、総使用量は、7.0kg/㎡としてお

り、成膜後の防水層の塗膜厚さを平均4mmに仕上げることを意図している。

⑤ 凝固材は、ゴムアスファルト系塗膜防水材と同時に吹き付け、ゴムアスファルトエマルションのゴムアスファルト分を凝固・硬化させて水分を分離し、

促進的に防水層を形成させるもので、通常は無機質塩類水溶液(約3~ 5%

濃度の塩化カルシウム水溶液など)が用いられる。

⑥ 硬化材は、ゴムアスファルトエマルションに混合かくはんして硬化を促進さ

せるものであり、通常は硫酸アンモニウム系、水硬性紛体およびイソシア

ネート系が用いられる。

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2.セメントモルタルによる外壁タイル後張り工法の引張試験 外壁および屋内の吹抜け部分などにタイル張りを行った場合は、引張接着強度検

査として引張接着試験を実施し、引張接着強度を求めて施工品質の確認を行う。

① 引張接着強度の測定は、油圧式接着力試験機を用いるのが一般的である。試

験は施工後2週間以上経過した時点で行うが、測定結果としては引張接着強

度すべての測定結果が0.4N/㎟以上、かつ、コンクリート下地の接着界面に

おける破壊率が50%以下の場合を合格とする。この判定基準である0.4N/㎟

については、長期にわたって採用されているが、さらに高い値を自社基準と

している建設会社もある。

② 試験に際しては、剥離した面を詳細に観察し、破壊位置などの破壊状況を確

認し、下地面破壊か、下地 -張付けモルタル界面破壊か、張付けモルタル内

部破壊か、張付けモルタル -タイル界面破壊かの破壊状況を記録する。さら

に、タイル裏面の張付けモルタルの充填状況を観察する。なぜなら昨今のタ

イル張りの剥離故障は、コンクリート下地と張付けモルタル(または下地モ

ルタル)の接着界面が支配的になっているからである。このことから『JASS

19 陶磁器質タイル張り工事2012』では、コンクリート下地面の接着界面に

おける破壊率の上限を50%に設定している(図表19)。

③ 上記の破壊面を確実に把握するために、試験に先立ち引張接着試験部の目地

部分をコンクリート下地面まで切断しておく。④ 試験体の数は、100㎡以下ごとにつき1個以上として、かつ、全面積で3個以

上とする。測定結果の信頼性向上のためには試験体の数は多いほうが望まし

い。その場合、壁面を100㎡ごとに分割するのではなく、タイルの種類(大

きさ、裏足形状、素地)、使用材料、タイル張り工法、モルタル下地の有無、

施工時期(中間期と夏期または冬期などの異なった季節にまたがって施工す

日本建築学会:建築工事標準仕様書・同解説 JASS 8 防水工事、2014、p263

図表18 造膜方式と施工方法の仕様別適用例

造膜方式

仕様乾燥造膜型 反応硬化型 凝固造膜型

L‐GI 塗り工法 塗り工法 ―

L‐GU 吹付けまたは塗り工法 吹付けまたは塗り工法 吹付け工法

注 乾燥造膜型: ゴムアスファルトエマルションだけで乾燥造膜するタイプ  反応硬化型: ゴムアスファルトエマルションに専用硬化剤を添加し促進造膜させるタイプ  凝固造膜型: ゴムアスファルトエマルションと凝固剤を、専用吹付け機を用いて施工して短時間で促進造膜させるタイ

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1.Aに該当する作業名 山留め親杭等打ち

  Bに該当する作業名 耐火被覆

2.最も不適当な作業名 内部建具枠取付け

  終了日 9月下旬

3.開始日 6月上旬

  終了日 7月中旬

●解答の要点

1.A・Bの作業名① A作業

 ・ 準備工事が終わって1次根切り前に実施する作業である。

 ・ 地下階階高やピット深さなどは不明であるが、地下1階の建物で水平直交切梁

を1段架けることから、掘削深さ5mを超える市街地の工事である。

 ・ 市街地工事で2次掘削や地下躯体工事のために乗入構台を架設することが想定

されるが、構台杭が必要となる。

 ・ 水平直交切梁を架けるには、その座屈長さを抑制する棚杭も必要となる。

   よって、掘削工事を進めるにあたって周辺地盤への影響を抑制するために設置

するのは山留め親杭等打ちである。② B作業

 ・ 鉄骨工事に分類されているが、本締めが終わって、デッキプレートを敷き込ん

だ後に実施する作業である。

 ・ 7月から作業が開始されているが、その前から鉄骨造の各階床コンクリートを

打設しており、7月中旬にRF床コンクリートを打設した後も約10日間程度作

業を継続している。

 よって、建築基準法で要求される柱・梁鉄骨を耐火構造とするために適用する耐火被覆である。

2.最も不適当な作業名と開始日① 不適当な作業

 ・ 内部建具枠取付けは、壁・天井軽量鉄骨下地組みが終わった後から実施する

解答

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が、扉を吊り込む前に終了しておかなければならない。

 ・ 壁ボード張りまでに内部建具枠取付けを終えていなければ、枠まわりは駄目と

なってしまい、生産性や品質に不具合が生じる。

 よって、内部建具枠取付け作業が不適切である。② 内部建具枠取付け終了日

 ・ 内部建具枠取付け作業は、内装仕上げである壁・天井ボード張りや塗装仕上げ

までに完了させる。

 ・ 床仕上げ工事段階では、内部足場や可搬式作業台などがない状態で施工を行う

ことから、少なくとも壁ボード張り作業を9月末までに完了させるとなると、

この前に内部建具枠取付けを完了させておく。

 よって、内部建具枠取付け作業は9月下旬までに作業を終わらせておく。

3.梁上の頭付きスタッドの溶接作業開始日・終了日 ・ 梁上の頭付きスタッドは、鉄骨建方および本締め後、デッキプレートを敷き込

み、それを作業床として溶接作業を行う。

 ・ 詳細な日程はこの工程表からは読み切れないが、床鉄筋配筋前に頭付きスタッ

ド溶接作業を終えておきたい。

 ・ 2F床コンクリートは6月中旬に打設し、RF床・PH床コンクリートは7月下旬

に打設しているので、それぞれの階のスタッド溶接はそれ以前に検査を含めて

完了しておかなければならない。

 よって、鉄骨梁上の頭付きスタッド溶接は、6月上旬のデッキプレート敷込み後から開始し、7月中旬に完了しておく。約1カ月半程度の作業時間はあるが、その

期間には上階のデッキプレート敷きや床コンクリート打設など上下作業にもなるこ

とから、安全性を確保したり、上階コンクリートや雨水の落下などにも注意して頭

付きスタッド溶接の日程を決定することが望ましい。また、梅雨や台風時期である

ので余裕を持った工程づくりが重要となる。

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問題6

 次の1.から3.の問いに答えなさい。

1.�「建設業法」に基づく建設工事の請負契約に関する次の文章において、

   にあてはまる語句を記述しなさい。

   建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際して、工事内容に応じ、

工事の種別ごとに材料費、労務費その他の ① の内訳を明らかにして、

建設工事の見積りを行うよう努めなければならない。

   建設業者は、建設工事の ② から請求があったときは、請負契約が成

立するまでの間に、建設工事の見積書を提示しなければならない。

2.�「建築基準法施行令」に基づく工事現場の危害の防止に関する次の文章に

おいて、   にあてはまる語句又は数値を記述しなさい。

   木造の建築物で高さが13m若しくは ③ が9mを超えるもの又は木造

以外の建築物で2以上の階数を有するものについて、建築、修繕、模様替又

は除却のための工事を行う場合においては、工事期間中工事現場の周囲にそ

の地盤面(その地盤面が工事現場の周辺の地盤面より低い場合においては、

工事現場の周辺の地盤面)からの高さが ④ m以上の板塀その他これに

類する仮囲いを設けなければならない。

   ただし、これらと同等以上の効力を有する他の囲いがある場合又は工事現

場の周辺若しくは工事の状況により危害防止上支障がない場合においては、

この限りでない。

3.�「労働安全衛生法」に基づく元方事業者の講ずべき措置等に関する次の文

章において、   にあてはまる語句を記述しなさい。

   建設業に属する事業の元方事業者は、土砂等が崩壊するおそれのある場

所、機械等が転倒するおそれのある場所その他の厚生労働省令で定める場所

において ⑤  の労働者が当該事業の仕事の作業を行うときは、当該

 ⑤ が講ずべき当該場所に係る危険を防止するための措置が適正に講ぜ

られるように、技術上の ⑥ その他の必要な措置を講じなければならな

い。

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●解答の要点

1.建設業法(第20条 建設工事の見積り等) 建設工事の合理的かつ適正な施工を図るためには、あらかじめ、契約の内容とな

るべき重要な事項を建設業者に提示して、適正な見積期間を設ける。そのことに

よって、見積り落としなどの問題が生じないよう検討する機会を与えて、請負契約

の締結に関する判断を行わなければならない。そこで、建設工事の注文者は、建設

業法第20条第3項の規定に従い、契約の方法が随意契約である場合には契約締結

前に、入札による場合は入札前に、請負計画書に記載すべき事項とされている工事

内容、工期などの事項について、できる限り具体的な内容を提示し、その後に建設

業者が当該建設工事の見積りをするために必要な一定の期間(建設業法施行令第6

条第1項)を設けなければならない。

 建設工事の請負契約を締結するに際して、請負金額の算定に当たり、適正な見積

りを実施することが重要となる。つまり、工事費の内訳が明らかにされた見積りを

行うことにより適正な請負価格の設定や注文者の保護が図られるだけではなく、ダ

ンピングの防止や下請業者の保護にもつながることになる。そのため、建設業法第

20条第1項に「建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際して、工事内容に

応じ、工事の種類ごとに材料費、労務費その他の ① 経費 の内訳を明らかにして、建設工事の見積りを行うように努めなければならない」と定めている。

 また、建設業者は、建設業法第20条第2項の規定に従って、「建設業者は、建設

工事の② 注文者 から請求があったときは、請負契約が成立するまでの間に、建設工事の見積書を提示しなければならない」と定めている。例えば、見積りは、切

土、盛土、型枠工事、鉄筋工事のような工種別、本館・別館のように目的物別など

の「工事の種別」ごとに労務費、材料費、共通仮設費、現場管理費、機械経費など

の「経費」の内訳を明らかにして行わなければならない。また、注文者に提示する

見積書は、経費の内訳を明らかにして行った見積りを書面化したものでなければな

らない。

解答

当てはまる語句 当てはまる語句 当てはまる語句

1.① 経費

2.③ 軒の高さ

3.⑤ 関係請負人

② 注文者 ④ 1.8 ⑥ 指導