3.近世の都市デザイン(urban form) 3ー2.バロックの都...

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主題科目(第2分野) 都市デザイン史 1.バロック (1)歴史的位置 ・          に続く時代、近代まで ・   世紀初頭〜   世紀中葉 ・     制を土台として、その     の誇示のため、     な 建築・都市がつくられた。 (2)辞書的意味/美術的意味 ・   (いびつ)な     (語源:ポルトガル語バローコ) ・全ヨーロッパを風靡した      (建築・彫刻・音楽など)上および 上の      。 (3)特徴 ・     的なリズム感、     絢爛 ・     的印象、劇的な     効果 ・     の曲面、     した輪郭線 →       な形式 2.     な都市造形へ (1)背 景 ・         以後、特に 19 世紀後半頃 ・        (     文化)から 主義(     文化)への移行に対する反動 ・都市の     集中 → 都市の      化による諸問題の一掃 ・新しい      者の台頭 → 都市の     による帝国威信の誇示 (2)源 流 ■ローマ改造 ・1585-1590 年 ・          5世 ・ローマの再建 →               、ブラマンテ ・多くの     街路の整備 (目的)     たちのローマ聖地への容易な巡礼 ・要所要所の            ■バロック庭園 … 例)          宮殿 ・1624 年     13 世の狩猟用別荘 ・1661 年     14 世の宮殿として整備 ・建築家 L.ルヴォー、造園家 A. ルノートル 1678 年以降は J.H.          ・多     と多     : 「                」 =「        (眺望)」の概念 並木道(            ) 焦点上の             → 絶対的       の論理的表現 (3)他国での展開 ・        再建計画案(英国)、1666年 クリストファー・     、1666 年ロンドン大火後 :セントポール大聖堂、証券取引所 道路: ・          計画(米国)、1792年 シャルル・           状の都市に、       に走る道路 3.近世の都市デザイン(Urban Form) 3ー2.バロックの都市改造 No.1 出典: 1)日本建築学会編、「西洋建築史圖集 三訂版」、彰国社、1996 2)都市史図集編纂委員会編、「都市史図集」、彰国社、1999 3)レオナルド・ベネーヴォロ、「都市の世界史」、相模書房 図1 シクストゥス5世によるバロック・ローマの計画 この図解的な地図は、シクストゥス5世の計画を、彼以前の既存のものと関連させて示そう としたものである。シクストゥス5世のために設けられた街路は太線で区別され、中世ロー マの境界は斜線で示されているし、マルクス・アウレリウス統治下のローマの輪郭は当時の 城壁の線で示されている。シクストゥス5世が、ローマの地形によって要求されるところに はどこへにも道路を連結し、有機的に計画した有様が明白に示されている。 図2 サン・ピエトロ大聖堂 現在のサン・ピエトロ大聖堂の基本は、おおむね、ミケランジェロの計画案(1546 年以降) によって形づくられている。ミケランジェロの模型に基づき、ジャコモ・デッラ・ボルタと ドメニコ・フォンタナが 1587 〜 89 年に建造した。 図3 サン・ピエトロ大聖堂のコロネー 楕円広場のコロネードは、遠くにあるもの が生む奥行きの効果を強調するために、列 柱を湾曲して配列している。 図4 サン・ピエトロ大聖堂の 平面図 図7 レンのロンドン再建計画案 1666 年 クリストファー・レンは、1666 年の ロンドン大火によってほぼ全域が焼失 した旧市街について、その再建計画を 国王に提出した。セントポール大聖堂 をランドマークとして放射状に道路が 延びるバロック的な都市計画である が、実現されなかった。 図8 ランファンのワシントン計画 ランファンは、グリッド状の都市に対角線に走る道路、モール、オリベスクや彫刻 をもつ広場などを有する首都を計画した。 図5 ヴェルサイユ宮殿および庭園の鳥瞰図 宮殿の軸線を無限遠にまで延長し、小径や刈り込みを幾何学的に配置している。 図6 ヴェルサイユ宮殿の平面図 多軸多焦点を有するバロック庭園の代表的事例

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Page 1: 3.近世の都市デザイン(Urban Form) 3ー2.バロックの都 …...1)日本建築学会編、「西洋建築史圖集 三訂版」、彰国社、1996 2)都市史図集編纂委員会編、「都市史図集」、彰国社、1999

主題科目(第2分野)  都市デザイン史1.バロック

(1)歴史的位置

・          に続く時代、近代まで

・   世紀初頭〜   世紀中葉

・     制を土台として、その     の誇示のため、     な

建築・都市がつくられた。

(2)辞書的意味/美術的意味

・   (いびつ)な     (語源:ポルトガル語バローコ)

・全ヨーロッパを風靡した      (建築・彫刻・音楽など)上および

      上の      。

(3)特徴

・     的なリズム感、     絢爛

・     的印象、劇的な     効果

・     の曲面、     した輪郭線 →       な形式

2.     な都市造形へ

(1)背 景

・         以後、特に 19 世紀後半頃

・        (     文化)から

        主義(     文化)への移行に対する反動

・都市の     集中

   → 都市の      化による諸問題の一掃

・新しい      者の台頭

   → 都市の     による帝国威信の誇示

(2)源 流

■ローマ改造

・1585-1590 年

・          5世

・ローマの再建 →               、ブラマンテ

・多くの     街路の整備

 (目的)     たちのローマ聖地への容易な巡礼

・要所要所の           

■バロック庭園 … 例)          宮殿

・1624 年     13 世の狩猟用別荘

・1661 年     14 世の宮殿として整備

・建築家 L.ルヴォー、造園家 A. ルノートル

 1678 年以降は J.H.         

・多     と多     :

「                」

  =「        (眺望)」の概念

 並木道(            )

 焦点上の            

    → 絶対的       の論理的表現

(3)他国での展開

・        再建計画案(英国)、1666 年

クリストファー・     、1666 年ロンドン大火後

           :セントポール大聖堂、証券取引所

     道路:

・          計画(米国)、1792 年

シャルル・          

        状の都市に、       に走る道路

3.近世の都市デザイン(Urban Form)

3ー2.バロックの都市改造 No.1

出典:1) 日本建築学会編、「西洋建築史圖集 三訂版」、彰国社、19962) 都市史図集編纂委員会編、「都市史図集」、彰国社、19993) レオナルド・ベネーヴォロ、「都市の世界史」、相模書房

図1 シクストゥス5世によるバロック・ローマの計画この図解的な地図は、シクストゥス5世の計画を、彼以前の既存のものと関連させて示そうとしたものである。シクストゥス5世のために設けられた街路は太線で区別され、中世ローマの境界は斜線で示されているし、マルクス・アウレリウス統治下のローマの輪郭は当時の城壁の線で示されている。シクストゥス5世が、ローマの地形によって要求されるところにはどこへにも道路を連結し、有機的に計画した有様が明白に示されている。

図2 サン・ピエトロ大聖堂現在のサン・ピエトロ大聖堂の基本は、おおむね、ミケランジェロの計画案(1546 年以降)によって形づくられている。ミケランジェロの模型に基づき、ジャコモ・デッラ・ボルタとドメニコ・フォンタナが 1587 〜 89 年に建造した。

図3 サン・ピエトロ大聖堂のコロネード楕円広場のコロネードは、遠くにあるものが生む奥行きの効果を強調するために、列柱を湾曲して配列している。

図4 サン・ピエトロ大聖堂の平面図

図7 レンのロンドン再建計画案 1666 年クリストファー・レンは、1666 年のロンドン大火によってほぼ全域が焼失した旧市街について、その再建計画を国王に提出した。セントポール大聖堂をランドマークとして放射状に道路が延びるバロック的な都市計画であるが、実現されなかった。

図8 ランファンのワシントン計画ランファンは、グリッド状の都市に対角線に走る道路、モール、オリベスクや彫刻をもつ広場などを有する首都を計画した。図5 ヴェルサイユ宮殿および庭園の鳥瞰図

宮殿の軸線を無限遠にまで延長し、小径や刈り込みを幾何学的に配置している。図6 ヴェルサイユ宮殿の平面図多軸多焦点を有するバロック庭園の代表的事例