電波の第4の利用法 -無線送電から新材料創製の可...

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電波の第4の利用法 -無線送電から新材料創製の可能性- 京都大学生存圏研究所 教授・篠原真毅 2014/1/31 光・マイクロ波・ミリ波技術研究会第1回セミナー 1

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電波の第4の利用法 -無線送電から新材料創製の可能性-

京都大学生存圏研究所

教授・篠原真毅

2014/1/31

光・マイクロ波・ミリ波技術研究会第1回セミナー

1

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電波(電磁波)とは? • 見えないけどそこにある

• 宇宙の果てからだって届く

• 空気がなくても伝わるし、線の中も伝わる

• 人間がいないところではほとんど弱すぎてよくわからない

• 人間は電波を自分で作り出すことが出来るようになって生活が大変便利になった

– それはいろいろな情報・データを離れていても運べるから

• 電波は完全に遮断されない限りどんなに弱くても相手に届く – 「電波が届かない」というのは「弱すぎて使えない」だけ

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電波の利用方法(1/2)

テレビ, 衛星放送 ラジオ 無線通信

(アマチュア無線)

携帯電話 レーダー カーナビ(GPS) ETC

無線LAN

•第1利用:通信・情報 : キャリアに情報を印可(変調)して利用 •第2利用:レーダー : 対象物からの反射情報(振幅・位相)を利用

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電波の利用方法(2/2)

電子レンジ 一部の木材乾燥機 ハイパーサーミア(温熱療法)

ICカード, ICタグ 宇宙発電所

•第3利用:加熱 : 電磁波のエネルギーを熱として利用 •第4利用:電力伝送 : キャリア自体をエネルギーとして電気に再変換

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無線電力伝送と無線通信の違い

無線通信

受信器

→情報

送信機

情報キャリア

送電器

送電電力

(2点間)無線電力伝送

受電器→電力

受信器

→情報

このような 電波の変化に 情報を乗せる

エネルギー伝送に用いる電波 (無変調連続波)

時空間

周波数

変換

狭い

時空間

周波数

変換

広い

電気が必要

電力を供給

電気が必要

送信電力をほんの一部受信

(情報を取り出し、増幅するため)

送電電力のほとんどすべてを受電

(受電できない分は損失となるため)

変調波 (キャリアは捨てる)

=広い周波数スペクトル

無変調波 (キャリアを利用)

= 狭い(単一)周波数スペクトル

非常に弱い電力密度 (μW/cm2以下) 強めの電力密度が必要 (mW/cm2オーダー)

エネルギー効率問題 ≠ 本質

(アンテナ利得で水増し可能)

エネルギー効率問題 = 本質

情報キャリア

情報キャリア

情報キャリア

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電波の第4の利用法 - 無線電力伝送 -

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電気を無線(コードレス)で送る!

7

非接触タイプ (磁場・電場利用) 距離タイプ (電波利用)

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共鳴(共振)送電

共振結合(磁場結合) 波長の1/2-1/10 (低周波ほど長距離) MHz (kHz-GHz)

電磁誘導

磁場結合 波長の1/100以下 KHz-MHz

マイクロ波エネルギー伝送

電磁波 / 高周波ほど高伝送効率 GHz (kHz-GHz)

エネルギーハーべステインング(環境発電)

「発電する部品」

各種ワイヤレス給電方式

充電ランプ点灯

Wireless Power Consortium(Qi規格)が デファクトスタンダード化 Power Matters Allianceの設立

WiTricity(from MIT)が特許戦略 Alliance for Wireless Power (A4WP)が規格化

EnOceanが特許戦略 歴史が古く、すべてに共通技術 8

Supply I

H User

L

L

C

C I

H

Supply

User

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送電器

送電電力

(ビーム型)

受電器→

電力変換

エネルギー伝送に用いる電波 (無変調連続波)

時空間

周波数

変換

狭い

送信機

情報キャリア

このような 電波の変化に 情報を乗せる

時空間

周波数

変換

広い

電力収穫 電力収穫 情報キャリア

情報キャリア

情報キャリア

送電器

送電電力

(通信的)

受電器→

電力変換

エネルギー伝送に用いる電波 (無変調連続波)

時空間

周波数

変換

狭い

受電器→

電力変換

受電器→

電力変換

電磁波を用いた無線電力伝送 (a) ビーム型 (高効率) (b) ユビキタス型 (ゆるい位置決め)

(c) ハーベスティング型 (送電器なし)

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京大RISHのマイクロ波送電応用実験

充電ランプ点灯

ユビキタス電源 (2004-現在) (ワイヤレス・バッテリーレス電源)

建物内マイクロ波配電システム(2005-現在)

電気自動車無線充電システム(2000-現在)

定点間無線送電(1994-95)

飛翔体への無線送電(1992)

室内システム

屋外緊急時 システム

バッテリーレス センサ (2010-現在)

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地上

・短期目標: 宇宙環境を利用したグリーンエコノミーの発展 資源少国・技術立国日本における開発優位性の確保

・長期目標: 宇宙環境を利用した宇宙開放系への生存圏の拡大

• 宇宙太陽発電所SPSとは「宇宙空間で発電」し、 「地上でその電力を利用する」発電所システム

• 宇宙で太陽光発電することで昼夜天候に無関係の安定大規模自然エネルギーとして利用可能な

将来の発電システム

200万kW級 太陽光発電

km級, 万トン級

マイクロ波無線送電 =マイクロ波が資源

マイクロ波資源受電設備 @地上 km級, 100万kW DC

宇宙太陽発電所SPS (Solar Power Satellite/Station)

地球:半径約6千km

SPS(夏): 半径約3万6千km (歳差運動で 場所が変わる)

SPS(冬)

±23.4° 太 陽

2009年6月の我国の「宇宙基本計画」で推進課題の一つとして取り上げられる(世界初)

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充電ランプ点灯

マイクロ波を用いて低消費電力(mW-μW)の携帯

機器等のバッテリーレス駆動、コードレス充電等、コンセントレスのユビキタス電源として利用。

携帯電話の充電や、バッテリー内蔵の困難な IC

カード/タグの電磁誘導にかわる数 m の距離からの駆動が可能になる。

受電

システム

送電システム

マイクロ波無線電力伝送応用例:ユビキタス電源

「ユビキタス電源」の実現

・機器の自由度に制限がなくなる

・IT機器の小型化が行える

ある空間内の至るところで給電できるユビキタス電源

「無線電力空間」

ユビキタス電源とは、電源のユビキタス化を実現したもので、微弱な電磁波を用いてエネルギー

伝送を行い、ある空間内の至るところでIT機器をバッテリーレスで駆動させるシステム

篠原他 “無線電力空間の基礎研究”, 信学技報SPS2003-18, pp.47-53, 2004

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災害発生時の飛行船搭載型情報通信送電システム実証実験

(京大2009.3) ・中山間地等アクセスが困難な地域での 搭載カメラによる被災地情報取得、 被災地への災害情報表示、 被災者用携帯電話無線充電・基地局機能 ・ヘリと比較して 安価(2-3億円(未定)、ヘリ10数億円) 安全(無人遠隔操作) 長時間飛行が可能(大型飛行船の場合) 夜間飛行が可能 ・既存災害システムと相互補完的役割 ・普段は、交通渋滞監視、スキー場監視、 イベント会場の臨時携帯電話基地局等に使用

実験風景

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電動トラックへの無線給電システム • 移動体 • 駐停車中

送電距離1~4m 送電距離4~10m

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Transmitting Antenna

Receiving Antenna

Height

コンピュータシミュレーション結果 (受電エリアに平坦ビーム, エリア外はほぼ安全基準以下)

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大電力高効率 レクテナ

日経エレクトロニクス ’12.7.9 with ボルボ・テクノロジー・ジャパン 日本電業工作

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高度マイクロ波エネルギー伝送実験棟 (Advanced Microwave Energy Transmission Laboratory ; A-METLAB)

全国共同利用設備 METLAB&SPSLAB

新しい全国共同利用設備

A-METLAB 建物 34.0m(L)x21.0m(W)x9.97m(H)

建築面積 714.00㎡ 述べ床面積 824.72㎡ 前室

計測室

電波暗室 18m(L) x 17m(W) x 7.3m(H)

1)10mf, 10t, 10kWフェーズドアレー 測定用plane-polar近傍界測定装置 2)高耐電力電波吸収体(>1W/cm2) 3) クリーンルーム (Class 100,000)

+

衛星用フェーズド アレー実験も 可能な研究設備

共同利用募集中!!

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Inkjet-Printed Nanotechnology-Enabled IoT Inter/Intra-chip and

“Zero-Power” Wireless Communication and Sensing Nodes

by Georgia Tech. in IMS2013

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Energy Harvesting from WiFi (2013.11) by Duke University’s Pratt School of Engineering

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•7 volts of power with an efficiency of 36.8 % from 900MHz WiFi signal • with Meta-material Technologies •Input Power +20dBm

http://nextbigfuture.com/2013/11/cheap-metamaterials-could-charge.html

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米ベンチャーOssia社が発表した 空中送電技術「Cota」

@ TechCrunch disrupt 2013 (2013/9)

• 30フィート(約9メートル)離れた位置へ1Wの電力を送信可能 • 100フィート(約30メートル)離れた位置でも、送電元の電力のおよそ10%を受電可能 • Cotaが利用している帯域は現在商用化されていないもので、安全かつ効率的に電力を送信するための「スイートスポット」

• 現状では送電部が大きめのタワーPCほどのサイズになってしまっているため、コンシューマー向けの製品化にあたってはこの部分のサイズダウンが必要

• 商業向け製品は数ヶ月以内に出荷予定。さらに、2015年までにはコンシューマー製品も投入するとのこと

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http://ggsoku.com/tech/cota-by-ossia/ http://techcrunch.com/2013/09/09/cota-by-ossia-wireless-power/

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電池いりまセンサ (日本電業工作)

http://www.den-gyo.com/solution/solution10_b.html

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ワイヤレス電力伝送技術の実用化に向けたロードマップ (総務省「電波の有効利用の促進に向けた検討会」へインプット予定)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~2020年 2021年~

家電 機器

電気 自動車

その他

商 用 化 シ ナ リ オ

5W程度 (携帯、スマートフォンなど)

50W以下 (モバイル機器、ポータブル機器、

ウェアラブル機器など)

50W~数100W (大型TV、高機能PC、

白物家電など)

数kWクラス (空調機器、調理機器、

掃除機など)

WPT機器世界市場300億円/年 1200億円/年@2020年

研究開発・試験フェーズ 導入フェーズ (業務用、共同利用から一般家庭用へ普及)

商用化開始

普及フェーズ (一般家庭用へ広く普及)

発展・横展開 フェーズ

(走行中給電など) WPT搭載車 300~400万台/年 @2020年(世界)

1000~1500万台に @2030年

無線基地局・中継装置、産業機器などへの適用

国の技術基準策定

標準規格化 ・

利用条件明確化

技術試験事務

技術基準の決定

情報通信審議会

設備の技術的条件

電波有効利用

の促進に関する検討会

省令改正公示 ・施行規則 ・周波数割当 ・送信規程 ・その他規則

電波環境協議会

・使用周波数帯 ・他システム共存 ・人体防護 ・測定法 等

CY

制度

整備

報告書 報告書

ARIB規格外の運用規程等に関するガイドライン等の策定 (JEITA, JARI, JSAE, JADIA, IEC TC106国内委員会など関係機関と連携)

ARIB標準規格の素案策定 (情通審等と連携)

ガイドライン

Ver1.0 ガイドライン

Ver2.0 ARIB

規格会議

ARIB

規格会議

ARIB規格-2

(EV、50W超家電)

ARIB

規格会議

・認証、セキュリティ

・設置基準

・安全基準

・相互接続

・課金 等

BWF

利用条件等の検討

国内規格

周波数帯確保

海外規格

・強制規格 ・任意規格 ・被干渉規程 ・伝送方式 等 ・測定法(詳細)

国際的協調 (周波数帯確保など) CJK連携など

ITU-Rへの提案など WRC-2015 WRC-2018

IEC TC100(情報機器)

CEA R6.3(家電機器)

SAE J2956(PHEV/EV)

ISO/IEC 61980-1(PHEV/EV)

TR IS?

IS?

TIR ガイドライン 標準規格化

WD CDV CD FDIS IS

ARIB規格-3(次世代WPTシステム) ARIB規格-1

(一般共通要件、50W以下家電)

電動カート、福祉用機器などへの適用(導入期は現行制度で、普及期は簡易な許可等で)

東芝・BWF庄木氏資料

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ワイヤレス電力伝送実用化 コンソーシアム

Wireless Power Transfer Consortium for Practical Application (WiPoT)

http://www.wipot.jp/ 代表 / 京都大学

篠原 真毅

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[設立趣旨]

マイクロ波送電を中心としたワイヤレス給電のシーズとニーズをマッチングし、マイクロ波送電やワイヤレス電力伝送の実用化を加速する。そのために技術だけでなく、標準化や安全性、ユーザーニーズに関する情報共有を行う。また、マイクロ波送電を中心としたワイヤレス給電のPR活動を行う。

•2014/1/23現在の参加 28社、学識会員 31名、研究機関会員 3組織 •会費: 25万円/年 (法人会員) 無料 (学識会員)

会員募集中!!

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2013年度WiPoT活動 [全体]

2013/3/30 第1回総会 (規約案、体制案、予算案、活動案等の承認)

2013/5/10 コンソーシアム立ち上げ公開シンポジウム @ 機械振興会館, 東京

2013/6/20 第1回シンポジウム(会員限定) @ 楽友会館, 京都

1)WPTc2013及びIMS2013国際会議報告 2)各法人会員より会社内容紹介

2013/7/17-19 Techno Frontier展示

2013/8/29 第2回シンポジウム(会員限定)@京大東京オフィス, 東京

1) Prof. Zoya Popovic (Univ. of Colorado) 講演(同時通訳), 2) WiPoT学識会員の技術講演

2013/11/12 第3回シンポジウム (会員限定) @京大東京オフィス, 東京

1) ETEV2013及びKWPF国際会議報告 2) ワイヤレス電力伝送安全性に関する講習会

2014/4(予定) 第2回総会 (決算案、予算案、活動案等の承認)

[ワーキンググループ]

WG1 : エナジーハーベスティング・小電力遠隔給電WG 2013年度3回開催 6/21, 9/27, 11/29

WG2 :電気自動車無線給電WG 2013年度3回開催 6/20, 10/1, 11/12

WG3 :生活・産業空間無線給電WG 2013年度2回開催 8/26, 10/7

WG4 :宇宙応用WG 2013年度3回開催 6/21, 9/12, 2014/2予定 25

会員は興味あるWGに参加しWPT

実用化の議論に参加できます。

会員募集中!!

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Wireless Power Management Consortium 26社(代表 : 京都大 篠原真毅)

[Direct Current Resonance] =直流共鳴

26

http://wpm-c.com/

会員募集中!!

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無線送電の実用化はまだまだこれから

• 何か無線送電の実用化を加速できる他の研究はないか?

• 無線送電のキーワードと言えば「マイクロ波エネルギー」

→ 電子レンジというマイクロ波エネルギー装置(kW級) がある!

→ ただの電子レンジでは研究的でない

→ 「マイクロ波化学」という新しい分野を切り開こう!

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電波の第3の利用法の革新 - マイクロ波化学 -

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電子レンジ

マグネトロンという 大電力高効率 マイクロ波発振器を利用 2.45GHzマイクロ波

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レンジで「チン」して急速充電 United States Patent 5,994,871

Charging of secondary cells using transmitted microwave energy

Assignee: U.S. Philips Corporation (New York, NY)

30 http://news.livedoor.com/article/detail/7374529/

10:cellular telephone 12:Faraday cage 14:opening 16:antenna 18:unmodified microwave oven 20:antenna 22:transceiver 24:secondary cell 26:half--wave rectifier 28:high quality diplexer 30:band stop filter 32:band pass filter

700Wの電子レンジの場

合には、充電効率を100%と仮定すると6V1Ahのバッテリが30秒で充電できる計算

電子レンジに携帯直接ではなく、シールドにしまって入れ、アンテナだけ外に出す

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マイクロ波加熱には 特殊効果があると言われている

熱的効果

非熱的効果

迅速・均一加熱 (加熱モードの効果)

局所非平衡加熱

遷移状態の安定化

エントロピー効果

[特殊効果の例] • 反応速度の促進と選択性向上 • 溶媒が不要になる • 触媒が不要になる

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局所非平衡加熱(微視領域高温状態)

マイクロ波加熱

Microwave

微視領域高温状態 「ホットスポット」

熱伝導による加熱 (従来の加熱法)

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C

CH3

CH3

HO OH ビスフェノールA (BPA)

0 10 20 30 40 50 60

0.02

0.03

0.04

0.05

照射時間 (分)

ビスフェノール

A (

mM

)

TiO2/UV/MW/Cool

TiO2/UV/MW

TiO2/UV

Horikoshi, et. al., J. Photochem. Photobiol., A:chem 188 (2007) 1.

京都大学ランチセミナー

January 16, 2013

マイクロ波の非熱効果

冷やしながらマイクロ波照射を行うと分解速度が4倍になる

液 体試料

BPAと

TiO2

紫外線を照

ファイバー式

温度計

冷媒

h

( ( ( MW

33

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化学反応におけるメリット

○均一反応 ○短時間合成 ○選択的合成 ○省エネ効果 ○反応器のコンパクト化

という特徴があるが、 化学反応系における効果は未解明

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35

マイクロ波加熱の応用分野

マイクロ波加熱

食品分野 電子レンジ、解凍

木材分野 乾燥、加工、バイオエタノール生成のための前処理

医療分野

プラズマ分野 プラズマ励起

有機材料分野 ゴムの加硫、マイクロ波触媒反応

無機・金属材料分野 マイクロ波焼結、ナノ材料プロセス、高機能材料生成

材料分野

局部加熱によるがん治療(ハイパーサーミア)

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マイクロ波加熱照射前処理による木質からのエタノール生産

木質バイオマスの構成模式図

発酵

前処理

酵素糖化

木質バイオマス エタノール

セルロース

ヘミセルロース

リグニン

邪魔

リグニン(邪魔者)の被覆を壊してセルロース、

ヘミセルロースを露出させるのが「前処理」

「前処理」は最重要課題 ・他のバイオエタノール工程にはない

・高効率化、省エネルギー化、低コスト化 連続大量処理化 etc.

前処理にマイクロ波を使う

三谷、渡辺、“木質バイオマスからのエタノール生産に向けたマイクロ波技術の貢献”、MWE 2009、SS-01-02、2009

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マイクロ波加熱装置の大型化の例

木質混合物 投入口

マイクロ波照射部 (3連式)

マイクロ波発生装置 (1.2kW出力×3台)

送り込みポンプ +攪拌機構

バイオエタノール生成に向けた木質バイオマス前処理のための 連続処理型マイクロ波照射加熱装置

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マイクロ波による瓦礫中の有害物質迅速処理 —アスベスト飛散とダイオキシン発生防止—

プロジェクトリーダー:

・篠原真毅 (京都大学 生存圏研究所 教授) 研究グループ

・ 樫村京一郎 (京都大学 生存圏研究所 特任助教)

・吉川昇(東北大学 環境科学研究科 准教授)

・堀越智(上智大学 物質生命理工学 准教授)

・佐藤元泰(中部大学 教授)

再委託

・日本スピンドル製造(株)

・(株) 日工

環境省環境研究総合推進費(委託費) (H24-H25)

1) マイクロ波加熱によるアスベスト無害化装置の 大規模化 (工学的解)

1日に数tonのアスベスト含有スレート瓦の処理 2) 分別度の低い瓦礫処理の問題点解決 (学術的解) マイクロ波 – アスベスト – 塩含有木質 の3重作用

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2012.12の写真

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3) 高温防塵フィルター

1) 燃焼炉 2) ロータリーキルン

主要プロジェクトメンバー

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非飛散性アスベストの処理結果(2012.12)

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マイクロ波処理

(a) マイクロ波処理前の瓦礫の顕微鏡写真 (b) 処理後の顕微鏡写真

1.アスベスト繊維の同定

アスベストの種類ごとに異なった染色液を使い、蛍光着色出来た繊維状の像をアスベストと認める。図(a)はクリソタイル(白石綿)に蛍光着色する顔料によって、紫色に蛍光を発している状態を示しています。

2.この蛍光着色した繊維の内、アスペクト比(長さ/直径の比)が、3以上の繊維を有害と見なす。法的にアスペクト比が3を下回ったものは無害となる。

3.約70視野を覗き、アスベストをカウントする。

分析の結果、実験前のスレート瓦のアスベスト含有量は 約12%、実験後の含有量は0.07%と大幅に減少し、無害化に成功した。

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マイクロ波製鉄の概念(1/2)

~還元反応による熱吸収量による弊害~

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マイクロ波製鉄の概念 (2/2)

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京都大学生存圏研究所 先進素材開発解析システム (Analysis and Development System for Advanced Materials, ADAM)

A 高度マイクロ波加熱応用及び解析サブシステム 1. マイクロ波信号発生器 1台 2. 14GHz帯650W進行波管増幅器 1台 3. 2.45GHz帯1kWマグネトロン発振器 1台 4. 5.8GHz帯600Wマグネトロン発振器 1台 5. 800MHz~2.7GHz帯250W GaN半導体増幅器 1台 6. アプリケータ 1台 7. スペクトラムアナライザ 1台

200kV FE-TEM 120kV TEM

高度マイクロ波加熱応用及び解析サブシステム

FT-ICR-MS

多周波マイクロ波加熱装置と材料分析装置の 複合研究装置(世界唯一)[全国共同利用]

B 超高分解能有機分析サブシステム 1. 質量分析機(FT-ICR-MS) 1台 C 高分解能多元構造解析システム 1.無機用電界放出形電子顕微鏡

(200kV FE-TEM) 1台 2. 有機用透過電子顕微鏡(120kV TEM) 1台

共同利用 募集中!!

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生存圏実現のために

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マイクロ波化学: 第3の利用法

マイクロ波送電 (無線送電) : 第4の利用法

マイクロ波送電 を利用した宇宙発電

宇宙圏利用・ 太陽エネルギー利用による 「宇宙開放系」生存圏

生存圏 科学

化学 マイクロ波工学 電波工学

第1,2の利用法

エネルギー工学 木質科学 電気工学 等

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宇宙太陽発電 篠原真毅(監修) オーム社, 2012.7

ISBN978-4-274-21233-8 ¥3,990

ワイヤレス給電技術 -電磁誘導・共鳴送電から マイクロ波送電まで-

篠原真毅, 小紫公也(著), 科学技術出版社, 2013.2

ISBN978-4904774021 ¥2,940

マイクロ波化学 - 反応、プロセスと工学応用 -

堀越智(監著), 篠原真毅, 滝澤博胤, 福島潤(共著),

三共出版,2013.12 ISBN978-4782706961

¥3,360

もっと知りたい人のために

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