eラーニング教材制作のツボ 企業内研修編

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株式会社エレファンキューブでは、年間200 件以上のeラーニ ング教材制作案件をこなしています。いろいろな教材をつくっ ている中で、よい教材(=効果があがる教材)をつくるための 一定のセオリーやポイントがあることに気づいてきました。 そのポイントには、長く研究されてきた教育学的なアプローチもありますが、同時に、デジタルという特性・eラーニングという形態ならではの視点や工夫などが多く含まれています。 この冊子では、数あるeラーニングの活用シーンの中で、もっとも需要の高い企業内研修に特化し、 こんなことを考えてeラーニング教材をつくったら、 ・ より効果的な教材がつくれるんじゃないか? ・ 教材づくりがスムーズに進⾏するんじゃないか? といったeラーニング教材づくりのヒントになるようなノウハウをまとめてみました。 まだまだ新しく、制作手法の確立していない「eラーニング教材」をつくるときの参考にしていただければと思います。

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Page 1: eラーニング教材制作のツボ 企業内研修編
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eラーニング教材制作のツボ 企業内研修編 1

はじめに

株式会社エレファンキューブでは、年間 200 件以上のeラーニ

ング教材制作案件をこなしています。いろいろな教材をつくっ

ている中で、よい教材(=効果があがる教材)をつくるための

⼀定のセオリーやポイントがあることに気づいてきました。

そのポイントには、⻑く研究されてきた教育学的なアプローチもありますが、同時に、

デジタルという特性・eラーニングという形態ならではの視点や⼯夫などが多く含まれ

ています。

この冊⼦では、数あるeラーニングの活⽤シーンの中で、もっとも需要の⾼い

企業内研修に特化し、

こんなことを考えてeラーニング教材をつくったら、

より効果的な教材がつくれるんじゃないか?

教材づくりがスムーズに進⾏するんじゃないか? といったeラーニング教材づくりのヒントになるようなノウハウをまとめてみました。

まだまだ新しく、制作⼿法の確⽴していない「eラーニング教材」をつくるときの参考

にしていただければと思います。

2012 年 5 ⽉

株式会社エレファンキューブ

代表取締役 ⽀倉常明

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⽬次

はじめに

I. eラーニングの特性

eラーニングで何が変わる?

eラーニングのメリット・デメリット

II. 教材制作のツボ 準備編1:対象者と真の⽬的を洗い出す

準備編2:利⽤シーンを整理する

準備編3:⾒せ⽅と予算を決める

制作編1:シナリオを組み⽴てる

制作編2:『覚えるしかけ』を盛り込む

制作編3:『飽きないしかけ』を散りばめる

制作編4:サポート対応を考慮する

運⽤編 :効果測定と教材の改善をおこなう

おわりに

eラーニングを運⽤するには、教材(コンテンツ)の他に、

LMS(Learning Management System)が必要となりますが、本書では、

教材の制作に特化した内容となっています。

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Ⅰ.eラーニングの特性

e ラーニングで何が変わる?

(企業内研修において)従来の学習がeラーニングになると何が変わるのでしょうか?

巷では、いつでもどこでも学習できる・効率的な学習・研修コストの削減 etc...いろい

ろなメリットを強調されていますが、その多くは「eラーニングシステムを導⼊しても

らうための売り⽂句」でしかありません。(嘘ということではないですよ、念のため。)

では、本質は何が違うか?

答えは、⼤きく2つ。

1つは、学習する場がデジタルデバイスになること、

もう1つは、基本的に1⼈での学習となること。

⾔い換えると、e ラーニングとは、デジタルデバイスでの独習であると⾔え

ます。

いわれれば当たり前のことですが、これらを再認識することが、よい教材へつながる最

⼤のポイントなのです。

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eラーニングのメリット・デメリット

デジタルデバイスでの独習=eラーニングのメリット・デメリットを「教材の表現」と

いう視点で整理してみます。

メリット 動画・アニメーションなど動かせる

⾒せる内容を制御できる

受講者のアクションを待つことができる

受講者のアクションによって内容を変化させることができる

キーワードによる検索性に優れる

デメリット デジタルデバイスが必要

電源またはバッテリがなくなると学習できない

デバイスによって場所を限定される

紙をパラパラめくるような、全体を⾒ての検索性に劣る

eラーニングならではのメリットを最⼤限に⽣かしつつ、デメリ

ットをできる限りカバーできていることが、よいeラーニング教材の条件

といえます。

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Ⅱ.教材制作のツボ

ここから本題の「eラーニング教材制作のツボ」を紹介します。

準備編:eラーニング教材の企画段階のポイント

制作編:実際にシナリオや画⾯を書き起こす段階のポイント

運⽤編:運⽤をはじめてからのポイント

と、3つの段階にわけています。

index

準備編1:対象者と真の⽬的を洗い出す

準備編2:利⽤シーンを整理する

準備編3:⾒せ⽅と予算を決める

制作編1:シナリオを組み⽴てる

制作編2:『覚えるしかけ』を盛り込む

制作編3:『飽きないしかけ』を散りばめる

制作編 4:サポート対応を考慮する

運⽤編 :効果測定と教材の改善をおこなう

このまま実践すれば OK!という実践マニュアルではありません。

eラーニング教材制作にあたって留意すべきポイントとして、

御社の例にあてはめながら読んでください。

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準備編 対象者と真の⽬的を洗い出す

企業内研修において「対象者」を特定するのは⽐較的簡単。「新⼊社員」だったり「全

社員」だったり…eラーニング教材の企画が⽴ち上がった段階で決まっています。

ただ、その対象者の属性をさらに深掘りしておくことが重要です。

たとえば、「全社員」と⾔っても、年齢は何歳〜何歳まで?男⼥⽐は?勤務形態は?ど

のような前提知識をもっている?etc…これらを書き出しておくだけで、教材づくりで

気をつけるポイントが明確になってきます。もし対象者の年齢層が⾼ければ、画⾯の⽂

字を⼤きめにしたほうがよいかもしれません。

そしてもう1つは、真の⽬的を洗い出すことです。

真の⽬的とは、対象者の⾏動が具体的にどう変わるかということ。

例えば「社員のコンプライアンス意識向上のため」というのは真の⽬的とは⾔えません。

この場合の真の⽬的は「社員の意識を向上し、ひとりひとりがコンプライアンスを遵守

した⾏動をとること」もっと具体的な数値にするなら「コンプライアンス違反となるよ

うな⾏動の報告事例をゼロにすること」といったところ。

似ているけれど、全然ちがう。

真の⽬的(期待する⾏動変化)を洗い出しておくことで、教材の中で訴求するポイント

が変わってくるはずです。

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準備編 利⽤シーンを整理する

eラーニングのデメリットとして「デジタルデバイスが必要」という点をあげました。

紙のテキストだったら、いつでもどこでも、電源の⼼配をすることもなく使えた教材が、

eラーニングになると、「デバイスが使える」という⼤前提が必要となります。

また、それでなくとも企業内研修は、受講できるシーンが限定されてきます。

そこで、あらかじめ利⽤シーンを洗い出し、整理しておきます。

その教材を使うのは、いつでしょうか?

勤務時間中?休憩時間?通勤中?終業後?

その教材は、どこで使いますか?

オフィス内?外出先?⾃宅?

その教材は、何をつかって(どのデバイスで)受講しますか?

PC?タブレット端末?スマートフォン?

などなど・・・利⽤シーンがわかると、教材の設計ができます。 たとえば、休憩時間に学習するのであれば、短い時間で学習をすすめられるように⽬次

を区切ったり、中断しても同じ位置から再開できる機能を実装したりできます。

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準備編 ⾒せ⽅と予算を決定する

eラーニング教材にも、さまざまな⾒せ⽅(表現)があり、それぞれに特徴があります。

まずは、研修内容と予算から、⾃社のeラーニング教材は、どのような⾒せ

⽅が最適なのかを選定します。

また、教材を社内で制作(内製化)するのか、外注発注をするのかも、⼤きな決定要素

です。外注する場合は、複数パターンでの⾒積を出してもらうことをおすすめします。

以下に、⾒せ⽅の分類をしてみました。 ※ コスト表⽰○¥はあくまでも⽬安です。

1.読み物 コスト:○¥

PDF や HTML などで、静⽌画+テキストを読み進める教材。

もっとも簡易なものは紙テキストを電⼦化しただけの教材など。

向いている: あえて動かす必要のない内容。スキルの⾼い対象者向けの教材。

良い点: 短い時間で多くの情報をインプットできる。

悪い点: 単調で、モチベーションが上がりづらい。

2.動画教材 コスト:○¥○¥

動画のみをみて学ぶ教材。あるいは、講師が話す動画と、それに同

期したスライド資料を⾒ながら学習する教材。

向いている: 製品の使い⽅や⼈物の動作など「リアルな現物を⾒る」のが最適な

内容。講義が魅⼒的で、その場の雰囲気を再現したい場合。集合研

修を最⼩の⼯数でeラーニング化する場合。

良い点: 動画のリアルさにかなう表現はない。

悪い点: 内容の検索がしづらい。学習に時間がかかる。

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3.説明アニメーション コスト:○¥○¥○¥

アニメーションで説明を展開する教材。PowerPoint と同程度のも

のから、TV アニメ並の表現やストーリーをもつものまで。

向いている: 図を動かすことで理解が深まる内容。PowerPoint の元資料がある

場合。

良い点: どのような内容でも説明がしやすい。

悪い点: ナレーションが⼊る場合、単調になりがち。

4.会話アニメーション コスト:○¥○¥○¥○¥

3.と同じだが、複数のキャラクターのセリフの掛け合いでストーリ

ーが展開する教材。複数のキャラクターがいることで、より理解を

深める展開をつくりやすい。

向いている: 学習内容について初⼼者向けの教材。

難解な内容の教材。

良い点: 会話形式で受講者の考えを代弁してくれるため、内容が頭に⼊りや

すい。理解や注意を促すストーリーがつくりやすい。

悪い点: 「3.説明アニメーション」より学習に時間がかかる。

5.ロールプレイ コスト:○¥○¥○¥○¥○¥

対⼈コミュニケーションについて、特定の場⾯を教材内で疑似体験

し、受講者の選択によって画⾯内のキャラクターのリアクションや

ストーリーが変化する教材。

向いている: 対⼈コミュニケーションをともなう内容。

良い点: ⾃ら考えながら、疑似的な「経験」を得ることができる。

悪い点: デジタルでの表現には限界があるため、設計が⽢いと「つまらない」

「意味のない」ものにある。

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6.各種シミュレーション コスト:○¥○¥○¥○¥○¥

疑似操作をしながら学ぶ教材。あるいは学んだ内容を確認しながら

実践するための教材。

向いている: ソフトウェアやシステムの操作演習。

実践で失敗できない・簡単に実践できない内容(株式売買、店舗運

営、⼤型・⾼額機器操作、危険操作など)。

⾃動計算されることによりイメージしやすい内容(ライフプランニ

ング、データ分析など)。

その他ゲーム的な表現のできる内容。

良い点: ⾃ら考えながら、疑似体験を通して内容について理解を深めること

ができる。

悪い点: 操作が難しかったり煩雑だったりすると、それ⾃体が障害になる。

7.問題集 コスト:○¥○¥○¥

ひたすらに、問題をとく。

ランダム出題・苦⼿分野の分析・ユーザーランキングなどデジタル

ならではの機能をもりこめる。

向いている: 受験・資格・検定試験などの対策。

良い点: 紙の問題集より効率的・効果的な学習ができる。

悪い点: (特になし)

※リファレンス コスト:○¥

体系的な学習ではなく、必要なときに必要な情報をさがす辞書的な

補助教材。

向いている: ⽤語集。覚えることより必要なときに探しだすことが必要なマニュ

アル類。

良い点: 検索性に優れる。

悪い点: (特になし)

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制作編 シナリオを組み⽴てる

ここからは、制作編。準備編で、どのような eラーニング教材をつくるかの⾻⼦(企

画)が定まったら、次はいよいよ制作段階に⼊ります。

社内制作でも外注発注でも、新規の教材をつくるのであれば、シナリオ(≒原稿)をか

く必要があります。ここでは、基本的な3つのポイントを紹介します。

1. 全体の構成から考える

これは、基本中の基本。教材の構成とともに、想定する全体の学習時間から、1単元あ

たりの学習時間を割り出しておきます。ここで多すぎるようなら、内容を削ります。

2. わかる⾔葉で

研修講師をやっていて常に学習者と向き合っているならともかく、単に「教材の内容に

詳しい」という⼈がシナリオをかくと、どうしても専⾨⽤語を多⽤したり、難しい⾔い

回しを使ったりしがちです。社内に専⾨の講師がいない場合は、内容に詳しい⽅が監修

しつつ、学習対象者に近いスキルの⼈が学びながらシナリオを書くのがおすすめです。

学ぶプロセスがそのまま教材になるので、⽐較的わかりやすくなります。

同様に、予算に余裕があれば外注にシナリオを発注するのも有効です。ただし、きちん

と内容的に監修をつけることを忘れずに。ただ丸投げは失敗するリスクが⾼まります。

また、学習者の理解を補⾜する意味で「⽤語集」は作っておいて損はありません。

3. 冒頭でコケたら終わり

⼩説でもプレゼン資料でも同じですが、教材の冒頭や各学習項⽬の冒頭部分がもっとも

重要。学習⽬標を明確にし、わかりやすい動機づけをし、受講者を惹きつけて学習意欲

を⾼めるのが冒頭部分の役割です。eラーニングは独習なので、冒頭でつまらないと感

じたら、すぐに脱落してしまいます。

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制作編 『覚えるしかけ』を盛り込む

企業内研修は基本的に「やらされる学習」。ただでさえ忙しいのに、みんなやりたくな

いというのが本⾳です。ただ、必要性があるから研修があるのも事実ですので『覚える

しかけ』を盛り込んで、きちんと頭に残る教材を⽬指します。

1. ⽬標設定を明確に

常に、そこで何を学習するのか?その学習を達成すると、どう変わるのか(どう変わる

ことを期待されているのか)?を認識した上で学習することによって、知識の定着率が

上がります。

2. メリハリのきいた画⾯構成

どんなにおもしろく興味深い内容でも、単調な説明や画⾯では、なかなか頭に⼊りませ

ん。同じ画⾯内でもキーワードを⼤きく強調する、わかりやすく図⽰する、動きを⼊れ

るなど、メリハリのきいた画⾯構成を⼼がけます。

3. 迷わない情報デザイン

学習するとき、画⾯の中でどこが⼀番重要なのか、どれとどれが関連しているのか、全

体の中でどの位置を学習しているのか、などを⼀⽬で迷わず理解できることが重要です。

デザインで迷わせることなく、学習内容に集中させることができることが、よい教材の

必須条件です。

4. 確認テストで⾃⼰確認

よくある⼿法ですが、細かい学習単位ごとに、すぐに知識を⾃⼰確認できる「確認テス

ト」をつくることは、『覚えるしかけ』として有効です。

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制作編 『飽きないしかけ』を散りばめる

eラーニングには集合研修のような参加強制⼒がありません。ゆえに、飽きたらすぐに

脱落してしまいます。学習を継続する『飽きないしかけ』を随所に散りばめて、学習の

継続を促します。

1. 受講者に操作させる

興味のない教材をみていると、気づいたら寝てしまうことがあります(笑)「気づいた

ら最後まで終わっていた」という事態を防ぎ、教材に集中してもらうために、学習中に、

何か受講者に操作をさせるという⼿法が有効です。単純にアニメーションを⼀時停⽌し

「次へ」ボタンをクリックさせる、というだけでも、意外と効果があります。

2. 達成感を実感させる

学習継続の⼤きな原動⼒になるのが「これができるようになった!」「ここまで進んだ!」

という⾃⼰達成感。これを教材で表現することが、飽きないしかけになります。定番だ

けれど効果が⼤きいのは「進捗バー」。進み具合がわかるだけで「最後までやろう」と

いう気になります。凝ったしかけを組み込むのであれば、アイテムをコレクションする、

キャラクターが成⻑する、といったゲーム的要素も有効です。学習の完了⽇が明確な場

合は、学習のスケジューリング機能も、やる気にさせます。

3. 競争⼼をくすぐる

⽬の前にライバルがいると、学習をすすめるモチベーションにつながります。よくある

のは、ランキング機能。⾃分の位置づけがわかることで「もっと上にいきたい」という

競争⼼や焦りから、やる気にさせます。「⼀番最初に学習を修了した⼈にプレゼント!」

といったご褒美型の社内キャンペーンをやっている会社もあります。

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制作編 サポート対応を考慮する

eラーニングの運⽤を開始すると、運⽤部⾨は、予想以上のサポート対応に追われるこ

とになります。サポートの内容は「パスワードを忘れた」など運⽤担当が対応すべきも

のや「教材が⾒えない」「履歴がつかない」といった技術的な解決を要するものなど多

種多様です。

問い合わせの回答スピードが遅いと、すぐに満⾜度の低下に直結していきますので、充

実したサポート体制をとることは重要なポイントになりますが・・・

実は、運⽤より前の教材制作の段階で、サポート対応が減る・対応が

発⽣してもスムーズに⾏えるよう考慮しておくことが、もっと重要だっ

たりします。

どのような教材でもすぐに適⽤できる主な例を2つ紹介します。

動作保証環境について明記しておく 単に動作保証環境を明記するだけでなく、ブラウザやプラグインバージョンなど

⾃⾝の環境情報を確認する⽅法や、対象環境外だった場合のダウンロード・イン

ストール⽅法まで明記します。

教材中の位置が分かる表⽰をいれる スライド形式ならページ数(〇/〇ページ)を表⽰する、動画ならタイムコード(〇

分○秒)を表⽰するなど。これによって、特に内容に関する問い合わせがきたと

きに、概要箇所をさがす⼿間が軽減されます。

ちょっとした表⽰の話ですが、これだけでサポートの負担はグンと減ります。

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運⽤編 効果測定と教材の改善をおこなう

eラーニング教材は、1回使ったら終わりということはありません。

(というより、1回きりの使⽤では、費⽤対効果的には、割に合わないケースがほとん

どかと思います)

何度も使えて、容易に改変ができることがeラーニングの⼤きな強みであり、集合研修

にも紙のテキストにもできない利点です。eラーニングの運⽤時には、現在の運⽤だけ

でなく将来の教材改善を⾒据えた対応をしておくことが重要です。

具体的には、まず、学習効果の測定⽅法を決めておきます。

会社や学習内容によってその重要度は変わりますが、運⽤部⾨として、eラーニングを

実施した結果として、どのような効果があがったか?を把握する義務があります。

eラーニングの効果が上がること=真の⽬的である「対象者の⾏動変化」が起こること

です。安易にアンケートの満⾜度を集計して「効果」と⾒せてしまうのではなく、具体

的に「真の効果」をどのような数値で測るかをあらかじめ検討しておきます。

また、教材改善のための情報を収集するために、受講後のアンケートは必ず

実施することをおすすめします。

教材の分かりやすさ、ボリューム、使い勝⼿、⾒栄えなど「次回の教材をどう改善しよ

うか」という視点で、アンケート項⽬を組み⽴てておきます。

アンケートを教材の修了条件としておけば全員が回答してくれますので、次の教材改善

や別の教材制作につながるヒントが多く集まります。

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おわりに

業務に必要な内容を企業内教育によって伝達していく、という本質は、おそらくeラー

ニングが登場する以前から変わっておらず、基本的には今後も変わりません。ただ⼀⽅

で、業務の内容や企業をとりまく環境・経済状況は、めまぐるしく変化しています。

「eラーニング」は、数ある研修⽅法の中の1つの選択肢であり、決して万能ではあり

ませんが「学ばなければならないこと」が増え続けている現代の企業事情にマッチした

研修⽅法の1つであると⾔えます。

この冊⼦が

eラーニングに適した研修をeラーニングで実施する ための⼀助となれば幸いです。

03-6457-5801 10:00〜19:00(平⽇)

[email protected]

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制作・著作

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