ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める...

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ユーザーインサイトに[ダイブ]する ユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性 UXシンポジウム沖縄2015 produced by CREATIVE ISLAND 「ユーザー中心のサービス設計の時代」 薬師神裕樹 ウェブバイウーズ株式会社 2015.07.11

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Page 1: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ユーザーインサイトに[ダイブ]する

ユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

UXシンポジウム沖縄2015produced by CREATIVE ISLAND

「ユーザー中心のサービス設計の時代」

薬師神裕樹 ウェブバイウーズ株式会社

2015.07.11

Page 2: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

薬師神裕樹(やくしじんゆうき)Web ✕ UUUth株式会社代表

ホームページ受託メインデザイン前の情報設計 コンセプトメイク UX全般のサポート WACA上級ウェブ解析士

Co-Creation Designer

Page 3: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

現代における、ビジネスの複雑性

Page 4: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

商品の コモディティ化

手法の コモディティ化

現代における、ビジネスの複雑性

Page 5: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

商品の コモディティ化

手法の コモディティ化

現代における、ビジネスの複雑性

破壊的 イノベーション

Page 6: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

商品の コモディティ化

手法の コモディティ化

現代における、ビジネスの複雑性

破壊的 イノベーション

何をどうやるか?では 戦えない時代UX/HCD

サービスデザインの時代

Page 7: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

出典:ISO9241-210の概要紹介/hcd value

デザインによる 解決案の作成

利用状況の 理解と明確化

人間中心設計 プロセスの 計画

ユーザーの 要求事項の明確化

デザインによる 要求事項を 満たす

評価

適切な段階へ反復

ユーザー調査

ユーザー理解ユーザー評価

デザイン ビジュアル化

ISO9241-210における設計プロセス

Page 8: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ユーザー理解とは、なにか?

Page 9: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

他者に対するもっとも深い理解のかたちは 共感(empathy)です。 それは観察を通じて外から見えたこと、そして 想像することで感じ取ることのできる その人の内面までを含んでいます。

──Empathy is a Journey,Not a Destination.──Difficult Conversation.

INDI YOUNG:メンタルモデルより

Page 10: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

UX HIROSHIMA #03 ユーザー評価

Page 11: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性
Page 12: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性
Page 13: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

デザインとは、対象となるモノやコトの 「じょうごで絞った最後の一滴」を 一言で言い表すような、本質的な言葉のようなものをズバリ捉えて形にすること。

梅原真著「おまんのものさし持ちや土佐の反骨デザイナー・梅原真の流儀(日本経済新聞社)」より

地方デザイナー梅原真さんの言葉

Page 14: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ユーザー調査 ユーザー理解

アイディア ビジネスプラン

素晴らしいデザイン

Page 15: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ユーザー調査 ユーザー理解

アイディア ビジネスプラン

素晴らしいデザイン

Page 16: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ユーザー調査 ユーザー理解

アイディア ビジネスプラン

素晴らしいデザイン

Page 17: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ユーザー調査 ユーザー理解

大きな溝

アイディア ビジネスプラン

素晴らしいデザイン

Page 18: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

キャズム

Page 19: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

キャズムを超える手法経験則 センス ひらめき

直感的アプローチにとどまり 体系化されていない

Page 20: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

キャズムを超える手法

UX/HCD サービスデザインのブラックボックス

Page 21: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

言葉として語られる領域

言葉にならない 欲求

5%

95%

Page 22: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

言葉として語られる領域

言葉にならない 欲求

5%

95%

感情 信念

期待 不安

諦め 痛み

絶望願い

Page 23: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

言葉として語られる領域

言葉にならない 欲求

5%

95%

感情 信念

期待 不安

諦め 痛み

絶望願い

態度 トーン ムード 目の輝き テンポ

Page 24: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

言葉として語られる領域

言葉にならない 欲求

5%

95%

感情 信念

期待 不安

諦め 痛み

絶望願い

メンタルモデル が大きく 影響する

Page 25: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

5%の発信 5%の受信×

Page 26: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

言葉として語られる領域

言葉にならない 欲求

5%

95%

感情 信念

期待 不安

諦め 痛み

絶望願いユーザーインサイトに  [ダイブ] する

Page 27: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

キャズムを超える 新しいアプローチ

Page 28: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

手法レベル 態度 調査手法

選好性 意見、好み、欲求

定量調査 意見収集 分類

サーベイ フォーカスグループ ムードボード カードソート 顧客からのフィードバック

評価的 ツールによって理解または達成されたこと

データ分析 データ計測 データ解析 意見分析

ユーザビリティテスト ログ解析 サーチ解析 カードソート 顧客からのフィードバック

生成的 達成までの心理的環境

共感的調査 疑似体験 ユーザー観察

非誘導インタビュー ログ解析 文脈的調査(コンテクスチュアルインクワイアリー) メンタルモデル エスノグラフィ 日記調査

INDI YOUNG:メンタルモデルを元に作成

ユーザーリサーチの手法

Page 29: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

手法レベル 態度 調査手法

選好性 意見、好み、欲求

定量調査 意見収集 分類

サーベイ フォーカスグループ ムードボード カードソート 顧客からのフィードバック

評価的 ツールによって理解または達成されたこと

データ分析 データ計測 データ解析 意見分析

ユーザビリティテスト ログ解析 サーチ解析 カードソート 顧客からのフィードバック

生成的 達成までの心理的環境

共感的調査 疑似体験 ユーザー観察

非誘導インタビュー ログ解析 文脈的調査(コンテクスチュアルインクワイアリー) メンタルモデル エスノグラフィ 日記調査

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INDI YOUNG:メンタルモデルを元に作成

ユーザーリサーチの手法

Page 30: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ヒアリングとブレストを重ねていくと、誰でも感情移入が上達していく。言いかえれば多重人格になることでもある。

例えばそんな五人がブレストをする。背後霊が三人の奴、四人の奴…。あわせて何十人もの消費者が一堂に会している。全員が恐山のイタコになって、町から消費者を呼び寄せている。三十人くらいの消費者がわいわいがやがや騒いでいる。

ブレスト会場に「市場」が充満していく。

誰か(に降りてきた消費者)が叫ぶ。 「やっぱ、トラベルをくらべる、それを待ち望んでいるんだよね…」 「いいねぇ、そうだよ、トラベルをくらべるわけだよ」

こうして何も決めてはいけないブレストで、ほとんど決まってしまう瞬間が来る。

くらた まなぶ著「MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術(日本経済新聞社)」より

元リクルート「創刊男」のくらたまなぶさんの言葉

Page 31: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

手法レベル 態度 調査手法

選好性 意見、好み、欲求

定量調査 意見収集 分類

サーベイ フォーカスグループ ムードボード カードソート 顧客からのフィードバック

評価的 ツールによって理解または達成されたこと

データ分析 データ計測 データ解析 意見分析

ユーザビリティテスト ログ解析 サーチ解析 カードソート 顧客からのフィードバック

生成的 達成までの心理的環境

共感的調査 疑似体験 ユーザー観察

非誘導インタビュー ログ解析 文脈的調査(コンテクスチュアルインクワイアリー) メンタルモデル エスノグラフィ 日記調査

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INDI YOUNG:メンタルモデルを元に作成

ユーザーリサーチの手法

超一流のプランナー、デザイナーは さらに違う手法を 本能的に実践している のではないか?

Page 32: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

Copyright (C) 2015 Tsuyoshi Furue All Rights Reserved.�

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Page 33: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

レベル 態度 態度 調査手法

レベル1 ダウンローディング

自分の過去の経験によって作られた枠組み(メンタルモデルや投影)に当てはめながらユーザーのインサイトを調査している状態。 ユーザーと自分は同じであるという前提を持って推測する、自分の固定概念や偏見からユーザーを評価判断するなど、無自覚に行うケースがしばしば見られる。

サーベイ フォーカスグループ ムードボード カードソート 顧客からのフィードバック

レベル2 分析・観察的自分の枠組みや固定概念は保留し、事実に意識向けることを通じてユーザーのインサイトを理解している状態。

ユーザビリティテスト ログ解析 サーチ解析 カードソート 顧客からのフィードバック

レベル3 共感的

ユーザーの感情や思考、感覚的文脈などが、自分のことのように「リアルに生々しく」感じられている状態。「相手の目玉から世界を見ている」「顧客自身になる」「降りてくる」など表現されるように、相手のことでありながら、自分のことのように感じている状態

エスノグラフィ 疑似体験 共感的インタビュー

レベル4 生成的本当の願い、意思、ビジョンがユーザーと提供者という境界を超えて、場の中に沸き上がってきている状態。可能性の未来を共に創造するパ

ートナーという感覚になっている。

共創造Co-Creation

Theory Uを元に作成

U理論から見たユーザー理解の4つのレベル

Page 34: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

U理論から見たユーザー理解の4つのレベル

レベル 態度 態度 調査手法

レベル1 ダウンローディング

自分の過去の経験によって作られた枠組み(メンタルモデルや投影)に当てはめながらユーザーのインサイトを調査している状態。 ユーザーと自分は同じであるという前提を持って推測する、自分の固定概念や偏見からユーザーを評価判断するなど、無自覚に行うケースがしばしば見られる。

サーベイ フォーカスグループ ムードボード カードソート 顧客からのフィードバック

レベル2 分析・観察的自分の枠組みや固定概念は保留し、事実に意識向けることを通じてユーザーのインサイトを理解している状態。

ユーザビリティテスト ログ解析 サーチ解析 カードソート 顧客からのフィードバック

レベル3 共感的

ユーザーの感情や思考、感覚的文脈などが、自分のことのように「リアルに生々しく」感じられている状態。「相手の目玉から世界を見ている」「顧客自身になる」「降りてくる」など表現されるように、相手のことでありながら、自分のことのように感じている状態

エスノグラフィ 疑似体験 共感的インタビュー

レベル4 生成的本当の願い、意思、ビジョンがユーザーと提供者という境界を超えて、場の中に沸き上がってきている状態。可能性の未来を共に創造するパ

ートナーという感覚になっている。

共創造Co-Creation

Theory Uを元に作成

Page 35: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

主観的共感客観的共感

Page 36: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

観察する側 観察される側

Page 37: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

観察する側 観察される側

Page 38: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

観察する側 観察される側

境界線

Page 39: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

観察する側 観察される側

大きな溝

Page 40: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

キャズム=ユーザーとの境界線

Page 41: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ユーザー調査、ユーザー理解で得られた情報を 「客観的な情報」として扱う

映画のシナリオを見て

映画そのものを見た気になっている状態

客観的共感

Page 42: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

相手をまるで自分のことのように感じられ その人の目玉で世界を見ている感覚

感情や思考、言葉に出来ない感覚などもよみがえり その人になったように、自分事として共感している

主観的共感

Page 43: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

主観的共感を生む アプローチ

Page 44: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

イタコ力

Page 45: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

映画の主人公に 感情移入する状態を 意図的に作る

Page 46: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

U理論をベースにしたダイアログ手法を応用

Page 47: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性
Page 48: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ペルソナを作成

ペアになり、相手にペルソナシートを読み上げてもらう

イタコになる人は顧客の中に「入る」という導入をガイダンスする

95%の領域にアクセスするイメージを持って「シンプルな投げかけ」に 答えてもらう

1.

2.

3.

4.

5.

ペアになり 顧客役とガイド役に分かれる

Page 49: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ユーザーの内面を拠り所にすることができる

効果

ユーザーのアイデンティティにアクセスできる

視座の転換が生まれやすい

洞察の質が変わる

Page 50: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性
Page 51: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

思いのままラダーアップ

グループでも応用可能

マルチステークホルダー対応

他フェーズ展開の質が変わる

Page 52: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

観察する側 観察される側

境界線を超えた 主観的共感

ユーザー理解とは

味わう

Page 53: ユーザーインサイトに"ダイブ"するユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

ユーザーインサイトに[ダイブ]する

ユーザー理解を深める 「主観的共感」の重要性

UXシンポジウム沖縄2015produced by CREATIVE ISLAND

「ユーザー中心のサービス設計の時代」

薬師神裕樹 ウェブバイウーズ株式会社

2015.07.11

ご静聴ありがとうございました