(実験心理学徒だけど)一般化線形混合モデルを使ってみた

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一般化線形混合モデルを使ってみた

広島大学 教育学研究科学習心理学研究室

山根 嵩史

2015.05.23 Hijiyama.R #2

実験心理学徒だけど

自己紹介氏名 : 山根 嵩史所属 : 広島大学大学院 教育学研究科    教育人間科学専攻 学習心理学研究室  

研究テーマ : メタ記憶,読解方略

R 歴: 5 年程度 

Mail : [email protected] 

Twitter :      @T_Yamane 

最近ハマっていること:ねこあつめ (iPhone アプリ ) 

お品書き【一般化線形混合モデル (GLMM) とは】 一般化線形混合モデル (GLMM) とは GLMM を使う理由

【 R で GLMM を実行する】 lme4 パッケージの使い方 GLMM で ANOVA

一般化線形混合モデル (GLMM)とは線形モデル (LM)

 いわゆる回帰分析や重回帰分析

一般化線形モデル (GLM)

 従属変数のデータの分布として,正規分布以外の 確率分布を仮定できる

一般化線形混合モデル (GLMM)

 独立変数以外に従属変数に影響を与えている 可能性のある“変量効果” (e.g., 個体差 ) をモデルに 組み込むことができる

GLMMを使う理由心理学界隈でも周知されつつある 日本社会心理学 春の方法論セミナー  「なぜ今 GLMM なのか」  竹澤正哲 先生 

 “これまで様々な道具を使い分けて分析していたデータ    は、 GLMM ひとつで分析できてしまう” 

 “項目を変量効果として扱わないと,同一項目に回答す    る参加者が増えるほど,タイプⅠエラーが増加する”

  (http://www.socialpsychology.jp/sympo/seminar_150325.html)

(僕が )GLMMを使う理由

実験計画最高!分散分析最高! ANOVA 君さん!!

... と思っていました

Murayama, Sakaki, Yan, & Smith (2014) “メタ記憶研究では参加者ごとに判断の正確さを  算出し,その後グループごとの t 検定などを実施  することが多いが,項目の効果を加味しないと  タイプ 1 エラーの確率がインフレするよ”

(僕が )GLMMを使う理由

(僕が )GLMMを使う理由

第 7 回 DARM 勉強会 「混合モデルを使って反復測定分散分析をする」

  (ANOVA 君さんの ) 井関龍太 先生 

 “分散分析を色々な状況に適応させようと  すると,既存の分散分析モデルだけでは  対応しきれない”

(https://sites.google.com/site/studygroup13csrm/activity)

(僕が )GLMMを使う理由

やろう! GLMM !!→ まずは分散分析を GLMM で実行してみる

( 間違いを見つけたらご指摘ください ...)

(僕が )GLMMを使う理由

Rで GLMMを実行するR で GLMM を実行できるパッケージはいくつか存在

  ・ lme4 パッケージ  ・ glmmML パッケージ  ・ glmm パッケージ 

   ⇒ lme4 の glmer 関数がお勧め     複数の変量効果を指定できる 

※glmmML と lme4 の比較については清水先生のサイトを参照

  (http://norimune.net/2365)

glmer関数の使い方

いわゆる R のモデル式の描き方  y ~ A + B + A:B

 「 * 」で主効果と交互作用を一度に指定できる変量効果は (1|X) で指定する 参加者 (subject) による違いを表す場合→ (1|subject)

 刺激項目 (stim) による違いを表す場合→ (1|stim)family引数では従属変数の分布を指定  0/1 データや上限のあるカウントデータでは binominal

  poisson なども指定可能

glmer( モデル式 , data= データ , family = “分布” , ...)

データの説明 ・学習→再認課題を行う記憶実験 ・ 1要因 3 水準 ( 方略使用ナシ / 方略 1/ 方略 2) の参加者間計画 ・従属変数は再認課題の正答 /誤答 (1/0) の二値のデータ  ※一般的な記憶研究では,各参加者の正答率を算出して水準ごとに比較

GLMMで一要因 ANOVA

GLMMで一要因 ANOVA(モデル式 )

glmer(correct ~ ST1 + ST2 + (1|subject) + (1|item),       data = dat1, family = “binomial”)

統制群 ( 方略使用ナシ群 ) に対する 2 つの記憶方略の 効果を見るため, ST1 と ST2 をダミー変数として使用

変量効果として参加者 (subject) と項目 (item) を投入

 ※一般的な記憶研究では,参加者はランダムサンプリングし,

  項目は基準表から選定することで対処

従属変数は二値なので,分布は“ binominal”

GLMMで一要因 ANOVA(出力 )summary 関数で結果を出力

Random effect

切片および傾きが,投入した変量効果においてどれだけばらついていたかの情報が出力される

Fixed effect

今回は切片と ST2 が有意

記憶方略 2 のみ記憶成績に対して効果があった

通常の一要因 ANOVAと比較

(直接比較はできないものの )結果が違う ... !そもそも正答率のような確率に対を分散分析の対象にするのは疑問の余地がある

データの説明 ・学習→再認課題を行う記憶実験 ・方略使用 ( 使用あり / ナシ )× 学習項目 (有意味語 /無意味語 )

  の 2要因参加者間計画 ・従属変数は再認課題の正答 /誤答 (1/0) の二値のデータ

GLMMで二要因 ANOVA

GLMMで二要因 ANOVA(モデル式 )

glmer(correct ~ strategy*mean + (1|subject) + (1|item),          data = dat2, family ="binomial")

2要因の交互作用を検討するため,主効果に加えて交互作用項を投入

その際,ダミー変数が 0 だと都合が悪いため中心化

変量効果として参加者 (subject) と項目 (item) を投入

従属変数は二値なので,分布は“ binominal”

GLMMで二要因 ANOVA(出力 )summary 関数で結果を出力

交互作用が有意

GLMMで二要因 ANOVA(下位検定 )各条件での比較を行うためのダミー変数を作成

有意味語条件の出力

無意味語条件の出力

有意味語条件でのみ方略の効果が有意

まとめ従来の ANOVA では, (特に記憶研究においては ) 従属変数が何らかの確率である場合が多かった

 

GLMM であればカテゴリカルデータを扱えるので情報も多いし,個人の特性や項目の特性のような変量効果もモデルに組み込むことができる

 

従来も項目の効果を加味した分析は行われてきたが( F1×F2 分析),変量効果として扱うことで検定の多重性などの問題を回避できる

今後は GLMMで?そうは言っても,研究計画脳から脱するのは容易でないかも ...

 

“ 線形モデル”の考え方が徐々に浸透していくのを期待

  ※ glmer 関数は推定結果が微妙という報告も

   この辺りは SAS が強い ( らしい )

参考文献

・第 2 回日本社会心理学会春の方法論セミナー: GLMM が切り開く新たな統計の世界   (http://www.socialpsychology.jp/sympo/seminar_150325.html)

・第 7 回 DARM 勉強会:混合モデルを使って反復測定分散分析をする   (https://sites.google.com/site/studygroup13csrm/activity)

・ Sunny side up! : GLMM を R で実行する方法

   (http://norimune.net/2365)

・ Bates Douglas, Maechler Martin, Bolker Ben, Walker Steven, Bojesen    Christensen Rune, Singmann Henrik, B. D. (2015). Package “lme4.”・久保拓弥 (著 ) (2012).  データ解析のための統計モデリング入門―一般化線形モデ  ル・階層ベイズモデル・ MCMC  岩波書店・ Murayama, K., Sakaki, M., Yan, V. ., & Smith, G. (n.d.). Type-1 error inflation   in the traditional by-participant analysis to metamemory accuracy :   A generalized mixed-effects model perspective, Journal of Experimental   Psychology: Learning, Memory, & Cognition, 24

参考サイト