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高度情報化と社会生活TRANSCRIPT
高度情報化と社会生活 教養科目 水曜日 第3限目 講師 藤野幸嗣 講師のメールアドレス [email protected] 講義資料のウェブのアドレス http://www.fujino.com 講義連絡用掲示板 @fujinocom
2010/6/23 高度情報化と社会生活 1
高度情報化と社会生活 22010/6/23
本日の講義 today lecture
第 10 回 20 10 年 6 月 23日
今週のネット社会 ソーシャルメディアについて
高度情報化と社会生活 32010/6/23
今週のネット社会 岡崎市立図書館事件利用者が図書館のオンライン検索システムがあまりに使いにくいので、自分専用の書誌データを取り込もうとして、プログラムによるアクセスを繰り返す。システムが負荷に耐えられず(といっても 1 秒間に 1 度)にサーバーがアクセス不能になる。逮捕され 20 日間勾留、不起訴、ブログで謝罪。
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岡崎市立図書館事件1.全国の図書館システムはヘボイ。 →担当者の無知に業者がつけ込む。2.そのヘボ加減は想像を超えたモノだった。 →システム負荷への脆弱さがひどすぎ。3.なんで逮捕されたのかわからない。 業務妨害罪?正常なアクセスとの線引きがないのに?4.教訓 ヘボイシステムには近寄らない。
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ネットの入り口(ポータル) 最初のページ(ホームページ)はど
こ? Yahoo! や mixi Google → iGoogle や
受動的なネット利用と能動的なネット利用の違いなのかも?
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受講生の傾向 YouTube アカウントを登録 25% YouTube アカウントを登録していない 64% わからない 6% YouTube を使っていない 6%
mixi で実名を登録している。 20% 愛称のみ登録している。 36% mixi は使っているが登録名はわからない。 2% mixi は使っていない。 42%
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ソーシャル・メディアの時代
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ソーシャルメディアとは何か?
利用者が情報発信可能であり、発信された情報に対して人々の相互作用が促進される仕組みがある Web サイトのこと。
具体的には、ブログ、SNS( Social Networking Service 、 mixi など)、動画共有サイト( YouTube など)、 Second Life などがこれに当たります。
JMR 生活総合研究所~「マーケティング用語集」による解釈。2010/6/23
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ソーシャル・メディアとは? 広義のソーシャル・メディア 従来のマスメディアに対して、利用者同士が情報を提供し合うことで成立するメディア。 →回覧板や掲示板、ネットに限らない。 狭義のソーシャル・メディア Web上で利用登録をして情報を共有することを可能にしたサービス全般。 ×→匿名掲示板は含まれない。
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メディアの特性電話 1対1
パーソナル=コミュニケーション・
テレビ 1対10万 マス=コミュニケーション
コンピュータ 数人対数千人ソーシャル=コミュニケーション
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Webの登場と変質Web総量
通信コスト
1998 2006
ニッチメディア疑似
マスメディアソーシャル・メディア
Webポータル2ちゃんねる
ホームページ
ブログ SNS
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ところが利用実態は YouTube を登録せずに閲覧。 →登録しない、コメントもしない。 mixi にも実名登録なし。 →知り合い同士だけ →それ以外はテーマ別の匿名掲示板 → mixi の2ちゃんねる化 Google→ ポータルを自作する。(能
動) Yahoo!→与えられたポータル。(受
動)2010/6/23
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ソーシャル・メディアの台頭 世界のサービス別アクセス・ランキング1. Google 2. The Facebook 3.Youtube4 . Yahoo 5. WindowsLive 6.Wikipedia7.百度 8.Blogger 9.MSN 10.QQ 11.Twitter12. Yahoo.jp 13 Google.co.in 14.淘宝网15.Google谷歌 16.Google.de 17.Wordpress.com 18.Amazon.com 19. 新浪新闻中心 20.Google.co.uk Alexaの資料
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ソーシャル・メディアとは Web上に出現した、共有、共感、共創
のための空間。 発信の共有→ブログ、 Wiki 、 tumblr 映像や動画の共有→ Flickr 、 Picasa 、 YouTube 情報の粒(ツイート)の共有→ Twitter ブックマークの共有→ del.cio.us 、はてなブック
マーク ライフストリームの共有→ friendfeed ネット空間共有→ SocialNetwork ~ MySpace
Facebook 場所データの共有
→ foursquare 、 Gowalla 、 BrightKite ゲームやモバイルの共有→?
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ソーシャルネットワークランク
2009 年 1 月
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Facebook が 6850万人でMySpace を抜いた。
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バズワードとしてのソーシャルメディア
Web2.0 →技術や構造、考え方に着目
CGM UGM → メディア論的アプローチ
経済的な側面に着目した「マーケティング」用語として登場
これまでのソーシャルネット・ワーキングでは括りきれない、新しい技術ジャンルとして登場2010/6/23
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英国首相官邸写真は flikr動画は YouTubeTwitter やFacebook へのリンクも。
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ソーシャルメディアの台頭 ポータルからソーシャル・メディアへ 政府公報も単なるリンク集から先進国
では積極的に国民が集まっている、ソーシャルメディアにアカウントを設置して情報発信をする時代。
企業も当然、マーケティングで注目。 日本のネット利用はまだまだ発展途上。
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通信基盤とソーシャルメディア
1985
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パソコン通信 低速インターネット ブロードバンド→クラウド
低速モバイルパケット モバイルブロードバンド
電子掲示板 Web掲示板Web2.0 的サービスブログなど ソーシャルメディア
1994
2000 2010
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Webからソーシャルメディアへ
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Web1.0ホームページ Web掲示板
プロフ
ブログ
ソーシャルネットワーキング
写真・動画共有
マイクロブロギング
ソーシャルメディア
1994 1998 2002 2010
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ソーシャルメディアの二つの方向
プラットホーム化 →巨大SNS( MySpace
Facebook ) →ネットのコミュニケーションの基盤に。
専門化(ジャンルを限定) 動画、写真、音楽などに細分化する? Twitter は個人情報のハブに特化?
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最近は社内での活用も 社内ブログ →組織内の情報共有のため 社内SNS 組織内コミュニケーションの新機軸 大きな組織では情報のやりとりが困難 暗黙知も含めたコミュニケーションを
いかに実現するか? 社会学の仮説に基づいたSNSが台頭
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ソーシャルメディアの課題 そもそも我が国でソーシャルメディア
が受け入れられるのか? ソーシャルメディアがサービスとして認知されるための条件はなにか?
日本の地域の利用者からみるソーシャルメディア
ビジネス(地域サービス)としてのソーシャルメディア 提供者、活用支援、立上げ支援2010/6/23
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ソーシャルに慣れていない日本 YouTube では利用登録をしない。 →一過性の動画を見るだけ。 →マスメディアの延長? mixi では実名を登録しない。 →仲間うちのみ →メールの延長 →匿名掲示板の延長。→マスの延長?
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ソーシャルメディアの効用1.ネットを活用する入り口として。 とりあえず知り合いとやりとりを始めて、 知り合いを広げていく。2.個人を表現するステージとして。 趣味、交友関係、スキル、行動の共有3.集団の力を発揮 知恵の共有、組織の情報提供先として
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インターネットの入口として
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ブラウザ
OS
Web
インターネットサービス
メールソフト
その他のソフト
ソーシャルメディア 個人ポータル
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主なソーシャルメディア MySpace The Facebook Twitter YouTube Blogger Wordpress LinkedIn 他無数のサービスがある。
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巨大SNS~ MySpace USAやブラジルのネットユーザーは皆登録している。
オープンなソーシャルサービス(検索可能)
音楽情報の共有などとくにメディア情報についての情報活用目的が多い?
大きくなりすぎて特長が不明確になっている。やがて mixi もそうなるか?
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The Facebook 大学生と卒業生だけが参加できる交流
サービスから発展、USAの大学生は登録が必須アイテム
プロフィールと掲示板、写真の共有がメインだったが、専用アプリのオープン化に成功。
ファンサイトやコミュニティサイトの定番として大発展している。
いまや Google と張る存在に。2010/6/23
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Facebook の概要 プロフィール 個人のアクティビティ ツイッター並のリアルタイムメッセージが主。 フレンドになった、プロフィールを更新した。 写真や動画の登録、ファンサイトへの参加。 ゲームを含めて様々なアプリとそのアクティビティをタイムラインに表示する。外部ソーシャルサービスとの連携。
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Facebook と Twitter
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Facebook の可能性 無数のファンサイトやグループサイト
の存在 企業やブランド、芸能人などがファンサイトを主宰していたり、ファンの代表が運営するものもの多数合って、関連情報が効率的に集約されている。 同じ興味を持つもの同士が効率的にコミュニケーションを取る仕組みを提供している。2010/6/23
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Facebook の目指すモノ 究極のリコメンデーション「いいね」ボタンをネット上のあらゆるところに設置し、 Facebook に誘導する。すべてのネットのアクティビティを集約しようとしているのが「 Facebook 」 今は弱い、地域情報への本格進出も時
間の問題。 なぜか日本ではいまひとつ。
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ソーシャルメディアの今 世界的には The Facebook の一人勝ち状態。
Twitter だけが追随。→ Facebook と Twitter のハブ化他のソーシャルメディアツールは分野別に特化して、ツールを介して Facebookと Twitter と連携をすることに腐心している状況。
2010/6/23
その他無数の共有サイト Facebook (ファンの共有) Tumblr(リブログ=記事の共有) LinkedIn(名刺の共有) SlideShare (プレゼンテーションファイ
ル) Last.fm( BGM の共有) Wordpress、 Blogger(ブログの共有) Foursquare(行った場所の共有) Posterous(クリップデータの共有) Disquis(コメントの共有)2010/6/23 高度情報化と社会生活 39
Facebook と Twitter が中心に
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サービスのアグリゲーション Friendfeed
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ネットのアクティビティの統合 メールの送受信 ブログの書き込み ソーシャルサービスへの書き込み Twitter の書き込み ソーシャルブックマークの記録 写真をWebアルバムに登録 動画を動画サービスに登録 →こうした行動を友人達と共有する。
2010/6/23
ソーシャルのつくるエコ・システム
Facebook の「いいね」ボタンはブログなど他のソーシャルメディアに設置ができる。
Flickr や YouTube に登録をしたら、 Twitter でツイートする。
ブログやネットのニュース記事などにもTwitter の投稿ボタンが。
細かい情報の粒(ツイート)同士がリンクをし合って、ネット上のデータストリームというエコ・システム(生態系)を構成している。2010/6/23 高度情報化と社会生活 43
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ソーシャルメディアをマネタイズ
無料モデルのソーシャルメディアをビジネスにするにはどうする?
マーケティングツールとして大きな可能性
顧客データベースとして活用する? 匿名利用者を顧客データベースにする
にはどうすればよいのか? 利用者が情報をコントロールできるよ
うにならないか?2010/6/23
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サービスのオープン化 ソーシャルグラフ(人間関係)を他の
サービスやコミュニケーションサイトと共有する動き。
プロフをあちこちに書くのは面倒。 他のアクティビティを持ってきたい。 Google→ Open Social の提案 Facebook→ オープンソース化 他ソーシャルサービスを連携するのため
のツールが次々と出現している。2010/6/23
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ソーシャルメディアの活用分野 コンサマトリー(自己目的化した)な ネット利用=おしゃべり用 →きちんといえば「社交用途」 マーケティング 教育(いろいろ) 社内コミュニケーション 地域内コミュニケーション
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ソーシャルのビジネス活用 販売促進の手段として 利用者ヒアリング 社内SNS →企業内のコミュニケーションの活性
化 →プロジェクトベースのデータのやり
とりに※内部統制との兼ね合いで運用が難しく
なるかもしれない。2010/6/23
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USAでは就職にも使う USAでは安全な相手とのやりとりの場
ソーシャルサービスは「安心」をもたらす。
見知らぬ相手のプロフィールがわかる。
個人の背景に「安心」を求めるネット社会。
日本のSNS→非公開の安心感?mixi 、 Gree 、モバゲーなどケータイサイトが中心→生活シーンが先行している。
2010/6/23
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利用者評価によるコミュニティ レコメンデーション・サービス Amazon の評価システム kakaku.comのクチコミ掲示板 フォートラベルなどの旅行紹介サイト 楽天トラベルの利用者評価
→ 今は匿名コメントが多数だが、将来はソーシャルメディアへ進化するかも?2010/6/23
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利用者による評価サイト ぐるなび 食べログ →匿名の利用者によってお店を評価す
るサイト。 リコメンデーション・サービス 日本では匿名だがUSAではSNSとリコメンデーションサイトが融合
2010/6/23
高度情報化と社会生活 51
地域リコメンド~ yelp サンフランシスコエリアの地域のお店評サイト
基本的に実名ないし固定ハンドルで評価
厳しい評価も載せる お店側の評価はそれぞれ 全米に広がりつつあるが地域によって
広がりは様々である。
2010/6/23
高度情報化と社会生活 52
USAでは地域掲示板が盛ん 週末にスマートフォンからアクセス 交換サイトやイベント情報 雑談まで→ craigslist クレイグさんが運営している巨大掲示
板 発言は登録制である。 概して真面目
2010/6/23
高度情報化と社会生活 53
ソーシャルメディア普及の課題 実名か匿名か問題。 長年議論されているが、結論は出な
い。→匿名ネットと実名ネットの共存はでき
ない。→コメントスクラム、ネット炎上問題な
ど
2010/6/23
高度情報化と社会生活 54
ソーシャルメディアへのアプローチ
ネット・コミュニケーション論
メディア論消費文化論アーキテクチャ論(ツール)
いろいろあるが・・・2010/6/23
高度情報化と社会生活 55
ソーシャルメディアと社会学
2010/6/23
ソーシャル・グラフ
高度情報化と社会生活 562010/6/23
スモールワールド仮説 知り合いの知り合いはまた知り合い
だ。 「六次の隔たり」という実験をやっ
た。 スタンレー・ミルグラムという心理学
者 全てのアメリカ人は6人を通せば知り
合いであるという「仮説」 実証例が乏しく、未だに検証がなされ
ていないそうだが、人のネットワークについての枕としてよく使われる。
高度情報化と社会生活 57
「弱い紐帯」のネットワーク 就職活動についての調査を行った。 USAの社会学者 グラノベッター 米国では意外にも就職のチャンスは普段づきあいのない知り合いからもたらされるものがかなりある、という研究。
→日本では否定されている研究もある。
→日本は「強い紐帯」いわゆるコネで決まる。
→最近はどうかな?
2010/6/23
高度情報化と社会生活 58
スケールフリー・ネットワーク
人のネットワークは人気者が中心 知り合いが多い人はますます多くの知
り合いが増える。 パレートの法則 ベキ法則 など応用事例多し。 パーティではとりあえず、取り巻きの多い人に挨拶をしておくとか・・・・
2010/6/23
高度情報化と社会生活 592010/6/23
メディアの進化
パーソナル=コミュニケーション
マス=コミュニケーション
20世紀型のメディア 21世紀型のメディアケータイによるマイクロコミニュティ
匿名掲示板
ソーシャル=コミュニケーション
高度情報化と社会生活 60
デンマークは ICT先進国 「幸福度」で世界 178ヵ国の中で世界一
国民の所得格差が世界で最も小さい国 World Economic Forum によると 世界でもっとも ICT が進んでいる国。 →日本は 17位 小学生からパソコン免許を取得 ※免許がないから使えないわけではない。国際大学 GLOCOM のデンマーク報告のUST
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高度情報化と社会生活 612010/6/23
次回の講義予定
6月30日(水)ネット上のコミュニティとソーシャルメディアの展開