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Page 1: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列
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産業構造

 産業構造は、一国またはある地域の経済がどのような産業によって成り立っているかを表しており、

自然的条件や社会的条件、経済活動の変化などによって刻 と々変化する。

 産業構造の変化は、技術革新や新市場の開拓が見られる産業のシェアが拡大し、衰退産業の

シェアが低下するかたちで生じることが多い。マクロの視点で見れば、産業構造の変化は「産業の

置き換わり」の歴史でもあり、一部産業の衰退や移転などが不可避としても、新陳代謝を進める点

ではこのような変化を前向きにとらえ、それに代わる成長産業を興すことが重要である。

 

■就業者数から見た産業構造

 徳島県の産業構造の変化を就業者数からの推移から見てみると(産業構造-1)、1975年から

2015年までの40年間で、就業者数は394千人から343千人へと約51千人減少、率にしてこの間

12.9%のマイナスとなっている。詳細にみると、1995年までは就業者数は振れを伴いつつも概ね横ばい

で推移した一方、1995年~ 2010年の間に急激に減少した。直近2010 ~ 2015年の減少ペースは、

やや鈍化した。時期により差はあるものの、近年の少子高齢化や人口減少に伴う生産年齢人口の減

少のほか、工場、事業所の統廃合や廃業などの要因から、就業者の減少が続いている。

 次に就業者の産業別構成を見ると(産業構造-2)、直近2015年で第3次産業が65.3%と最も高

く、次いで第2次産業が23.4%、第1次産業が8.2%となっている。1975年からの推移では、第1次

産業の就業者比率が23.9%から8.2%にまで大幅に低下した。第2次産業も1995年から2010年まで

低下したが、2010年から2015年は横ばいで推移している。2010年まで急速に上昇した第3次産業

も、2015年にかけて上昇ペースが鈍化した。

(産業構造-2)就業者の産業別構成比の推移

(%)

資料:総務省「国勢調査」

注:2005年の数値は、2010年の分類に組み替えた「新産業分類特別  集計結果」の値を使用している。  以下、産業構造-2、同-3の図表も同様。

(産業構造-1)徳島県の就業者数の推移(人)

1975 1580 85 90 95 2000 05 10(年)

対前回増減率(右目盛)→

342,906

406,031390,509

373,395

347,093

393,539404,614 398,428 400,046

△2.9△2.9

2.82.8

△1.5△1.5

0.40.41.51.5

△3.8△3.8△4.4△4.4

△7.0△7.0

△1.2△1.2

分類不能の産業

第1次産業 第2次産業 第3次産業

資料:総務省「国勢調査」

8.2 23.4 65.3

(%)

3.2

19.4

17.5

14.2

12.2

10.3

9.9 25.6 62.6

8.5 23.4 64.4

28.9 59.4

30.6 56.8

31.4 53.9

30.4 51.8

31.1 49.4

23.9 30.3 45.5

1.9

3.8

1.3

0.5

0.5

0.3

0.1

0.2

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

450,000

△10

△8

△6

△4

△2

0

2

4

6

8

10 1975年

1980年

1985年

1990年

1995年

2000年

2005年

2010年

2015年

Page 4: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

50

 さらに業種別に見てみると(産業構造-3)、農林漁業や鉱業などで趨勢的に就業者が減少して

いるが、中でも農林漁業の大幅な減少(1975年→2015年:▲66千人)が目立ち、第1次産業離れ

が続いている。反面、サービス業(同:+51千人)や不動産・物品賃貸業(同:+3千人)は総じて

増加が続いている。このほか製造業や建設業、また金融業・保険業や卸売業・小売業、宿泊業・

飲食サービス業は1990 ~ 1995年にそれぞれ就業者数のピークを迎え、以後は減少に転じている。

特に製造業と建設業はピークからの落ち込みが大きく、農林漁業と併せ全体の就業者数減少を加速

させてきた。

 (産業構造-4)にて、2015年の就業者数から見た徳島県の産業構造を全国と比較すると、徳

島県の第1次産業の就業者比率は8.2%と、全国の3.8%を4.4ポイント上回る一方、第3次産業は

65.3%と、全国の67.2%を1.9ポイント下回っている。第2次産業についてはほぼ同じ構成比となって

いるが、これを業種別に見ると、徳島県の建設業が全国の同比率を0.5ポイント上回る反面、製造

業の比率は逆に全国を0.8ポイント下回っている。第3次産業を業種別に見ると、情報通信業、運

輸業・郵便業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業などは徳島県が全国の構成比を下回

る反面、医療・福祉や教育・学習支援業などでは徳島県が全国を上回っており、特徴的といえる。

 2015年の徳島県の業種別就業者数は医療・福祉が約54千人(構成比15.7%)と最も多く、以下

製造業が約53千人(15.4%)、卸売業・小売業約50千人(14.6%)、建設業約27千人(7.9%)、農

業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医

療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。

注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列比較はできない。ここでの業種名は2010年の分類による。注:グラフ中の○印は各分類ごとの表示期間中の最大値を示している。資料:総務省「国勢調査」

20151975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 (年)

(産業構造-3)就業者数の主な業種別推移(人)

農林漁業

鉱業、採石業、砂利採取業

建設業

製造業

電気・ガス・熱供給・水道業

情報通信業、運輸業、郵便業

卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業

金融業、保険業

不動産業、物品賃貸業

サービス業

公務(他に分類されるものを除く)

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

0

5,000

20,000

10,000

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(産業構造-4)就業者数の推移

産  業

第1次産業

第2次産業

第3次産業

大  分  類

農業

林業

漁業

      小計

鉱業、採石業、砂利採取業

建設業

製造業

      小計

電気・ガス・熱供給・水道業

情報通信業、運輸業、郵便業

             情報通信業

           運輸業、郵便業

卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業

        卸売業、小売業

       宿泊業、飲食サービス業

金融業、保険業

不動産業、物品賃貸業

サービス業

   学術研究、専門・技術サービス業

     生活関連サービス業、娯楽業

          教育、学習支援業

             医療、福祉

          複合サービス事業

  サービス業(他に分類されないもの)

公務(他に分類されるものを除く)

       小計

分  類  不  能  の  産  業

合     計

32,736576

3,531

36,843 228

36,741

58,757

95,726

1,914

(17,624)

3,427

14,197

(79,303)

60,612

18,691

8,202

4,172

(107,678)

8,033

12,685

18,557

42,632

5,561

20,210

14,924

233,817

7,009

373,395

8.8

0.2

0.9

9.9 0.1

9.8

15.7

25.6

0.5

(4.7) 0.9

3.8

(21.2)

16.2 5.0

2.2

1.1

(28.8)

2.2

3.4

5.0

11.4 1.5

5.4

4.0

62.6

1.9

100.0

4.4

0.1

0.3

4.8 0.1

8.8

17.0

25.9

0.5

(7.8) 2.6

5.2

(23.4)

17.5 6.0

2.5

1.8

(28.0)

3.1

3.8

4.3

8.7

1.1

7.0

3.4

67.3

1.9

100.0

2,718,070

48,619

214,142

2,980,831

31,074

5,440,516

10,485,635

15,957,225

295,145

(4,783,605)

1,612,836

3,170,769

(14,424,239)

10,760,196

3,664,043

1,514,281

1,117,932

(17,204,093)

1,910,478

2,329,659

2,674,606

5,331,814

668,297

4,289,239

2,085,318

41,424,613

1,167,533

61,530,202

徳島県

構成比

全 国

構成比

徳島県

構成比

全 国

構成比

注:2005年の数値(徳島県・全国)は、2010年の分類に組み替えた「新産業分類特別集計結果」の値を使用している。

注:2005年における労働者派遣事業所の派遣社員は、産業大分類「サービス業(他に分類されないもの)」下の産業小分類「労働者派遣業」に分類されていたが、

2010年以降は派遣先の産業に分類されており、時系列比較に注意を要する。

資料:総務省「国勢調査」

(単位:人、%)

24,954822

2,310

28,086 154

27,100

52,825

80,079

1,794

(16,601)

3,487

13,114

(66,742)

50,127

16,615

7,789

4,402

(111,487)

7,710

11,121

17,344

53,960

3,822

17,530

15,080

223,895

10,846

342,906

2,004,289

63,663

153,747

2,221,699

22,281

4,341,338

9,557,215

13,920,834

283,193

(4,724,946)

1,680,205

3,044,741

(12,250,604)

9,001,414

3,249,190

1,428,710

1,197,560

(17,703,566)

1,919,125

2,072,228

2,661,560

7,023,950

483,014

3,543,689

2,025,988

39,614,567

3,161,936

58,919,036

7.3

0.2

0.7

8.2 0.0

7.9

15.4

23.4

0.5

(4.8) 1.0

3.8

(19.5)

14.6 4.8

2.3

1.3

(32.5)

2.2

3.2

5.1

15.7 1.1

5.1

4.4

65.3

3.2

100.0

3.4

0.1

0.3

3.8 0.0

7.4

16.2

23.6

0.5

(8.0) 2.9

5.2

(20.8)

15.3 5.5

2.4

2.0

(30.0)

3.3

3.5

4.5

11.9 0.8

6.0

3.4

67.2

5.4

100.0

徳島県

全 国

徳島県

全 国

増減数(2005→2015)増減率(2005→2015)

2005年(H17年)

2015年(H27年)

-7,782

246

-1,221

‒8,757

-74

-9,641

-5,932

‒15,647

-120

(-1,023) 60

-1,083

(-12,561)

-10,485

-2,076

-413 230

(3,809)

-323

-1,564

-1,213

11,328

-1,739

-2,680

156

‒9,922

3,837

‒30,489

-713,781

15,044

-60,395

-759,132

-8,793

-1,099,178

-928,420

-2,036,391

-11,952

(-58,659)

67,369

-126,028

(-2,173,635)

-1,758,782

-414,853

-85,571

79,628

(499,473)

8,647

-257,431

-13,046

1,692,136

-185,283

-745,550

-59,330

-1,810,046

1,994,403

-2,611,166

▲ 26.3 30.9

▲ 28.2

▲ 25.5

▲ 28.3

▲ 20.2

▲ 8.9

▲ 12.8

▲ 4.0

(▲ 1.2) 4.2

▲ 4.0

(▲ 15.1)

▲ 16.3

▲ 11.3

▲ 5.7 7.1

(2.9) 0.5

▲ 11.1

▲ 0.531.7

▲ 27.7

▲ 17.4

▲ 2.8

▲ 4.4

170.8

▲ 4.2

▲ 23.8 42.7

▲ 34.6

▲ 23.8

▲ 32.5

▲ 26.2

▲ 10.1

▲ 16.3

▲ 6.3

(▲ 5.8) 1.8

▲ 7.6

(▲ 15.8)

▲ 17.3

▲ 11.1

▲ 5.0 5.5

(3.5)

▲ 4.0

▲ 12.3

▲ 6.526.6

▲ 31.3

▲ 13.3 1.0

▲ 4.2 54.7

▲ 8.2

Page 6: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

52

 次に、2005年から直近2015年までの10年間において、徳島県の就業者数の変化を全国と比較

すると、全国が▲4.2%だったのに対し、徳島県では▲8.2%と就業者の落ち込みが顕著に表れてい

る。産業別の増減では、全国、徳島県とも、第1次産業がこの間に約4分の1減少した。第2次

産業は、全国が▲12.8%なのに対し、徳島県が▲16.3%と減少率が全国を上回っていることが目立

つ。一方、第3次産業は、全国、徳島県ともに約4%の減少にとどまっている。中でも、もともと就

業者が多い医療・福祉は全国が31.7%増、徳島県も26.6%増となっており、雇用吸収力を大きく高

めてきた業種であることが示されている。そのほか、全国、徳島県ともプラスとなった業種は、不動

産業・物品賃貸業と情報通信業である。 

■県内総生産から見た産業構造

 2006 ~ 2015年度の産業構造の変化を県内総生産の業種別推移からみると(産業構造-5)、全

産業に占めるウェイトの大きい製造業は、各年度における経済情勢や景気動向の影響を受けなが

ら上下している様子が見てとれるが、その動きは県内総生産全体の推移によく反映されている。ま

ず2006年度から2009年度にかけて、県内総生産は下落傾向が続いたが、2010年度では化学の

大幅増によって上向いた。2011 ~ 2012年度は東日本大震災などの影響で落ち込んだが、直近の

2006 2007 2008 2009 2010 2013 2014 201520122011 (年度)

(産業構造-5)県内総生産(名目)の業種別推移

サービス業

不動産業

公務

鉱業農林水産業 情報通信業

運輸・郵便業

製造業

卸売・小売業

建設業

金融・保険業

電気・ガス・水道・廃棄物処理業

30,83730,458

29,781

28,683

29,32228,916

28,390

29,212

29,22329,566

県内総生産

注:「サービス業」は、「宿泊・飲食サービス業」「専門・科学技術、業務支援サービス業」、「教育」、「保健衛生・社会事業」、 「その他のサービス」の数値を合算したもの。資料:徳島県「2015年度県民経済計算」

(億円)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

28,000

29,000

30,000

31,000

Page 7: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

53

2013 ~ 2015年度は、「アベノミクス」の経済対策により、製造業やサービス業が増加に転じた。ま

た、太陽光発電に乗り出す事業者が増えたことや原発稼働停止に伴い県内火力発電の稼働が上

向いたことから、電機・ガス・水道・廃棄物処理業も増加している。

 (産業構造-6)で業種別構成比の推移を見ると、2006年度から2015年度にかけて比率が低下し

ているのは建設業(5.6%→4.8%)、運輸・郵便業(4.3%→3.3%)、金融・保険業(4.3%→3.3%)な

どで、一方構成比が伸びた業種としては、製造業(25.0%→27.8%)、不動産業(10.5%→11.2%)、

電気・ガス・水道・廃棄物処理業(4.9%→5.3%)が目立つ。

 (産業構造-7)にて直近2015年度の県内総生産から見た産業構造を全国と比較すると、第3次

産業については全国の構成比71.8%に対し徳島県が64.4%と全国平均を7.4ポイント下回る一方で、

第1次、第2次産業はともに徳島県が全国の構成比を上回っている。特に第2次産業では、徳島

県が32.7%と全国の26.3%を6.4ポイント上回っているが、これは徳島県の製造業が27.8%と全国を

7.1ポイント上回ることによるものである。

 次に、2015年(度)の国内(県内)総生産を2006年(度)と比較すると、第3次産業は全国、徳島

県とも増加している一方で、全国では第2次産業、徳島では第1次産業が減少している。この間、

全国では、第2次産業の総生産額は▲2.5%で、全産業に占める割合が0.9ポイントの低下(27.2%

→26.3%)となっている一方、第1次産業の総生産額は2.4%の増加となっている。また、第3次産業

は1.0%の増加で、全産業に占める割合も7割を超える規模を維持している、

(産業構造-6)県内総生産における業種別構成比の推移

注:県内総生産は、関税や帰属利子等を加算・控除するため、各業種別構成比の合計は100にならない。注:「サービス業」は、「宿泊・飲食サービス業」「専門・科学技術、業務支援サービス業」、「教育」、 「保健衛生・社会事業」、「その他のサービス」の数値を合算したもの。資料:徳島県「2015年度県民経済計算」

(年度)

  農林水産業   鉱業   製造業   電気・ガス・水道・廃棄物処理業   建設業

  卸売・小売業   運輸・郵便業   情報通信業   金融・保険業   不動産業

  サービス業   公務   関税や総資本形成に係る消費税等の加算・控除分

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

(%)0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2.2 0.1 25.0 4.9 5.6 8.7 4.3 2.5 4.3 10.5 25.4 6.1 0.4

2.1 0.1 24.9 5.0 4.5 8.4 4.4 2.6 4.3 10.6 26.5 6.2 0.5

2.1 0.1 26.7 5.1 4.2 8.3 4.0 2.6 3.4 10.9 26 6.0 0.5

2.1 0.1 25.7 4.7 4.6 8.6 3.8 2.7 3.7 11.3 26.3 6.0 0.5

2.1 0.1 27.8 4.7 4.7 8.2 3.5 2.7 3.5 11.2 25.2 5.7 0.5

2.1 0.1 27.5 4.8 4.9 8.8 3.1 2.7 3.5 11.3 24.9 5.9 0.5

2.3 0.1 27.1 4.5 4.7 8.8 3.4 2.7 3.4 11.5 25.2 5.7 0.7

2.0 0.1 27.5 5.1 5.5 8.4 3.5 2.6 3.3 11.3 24.6 5.4 0.9

1.8 0.1 28.4 5.4 5.2 8.1 3.3 2.6 3.0 11.2 24.4 5.5 0.9

2.0 0.1 27.8 5.3 4.8 8.2 3.3 2.5 3.3 11.2 25.3 5.5 0.9

Page 8: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

54

(産業構造-7)国内総生産、県内総生産の長期的変化

産  業

第1次産業

第2次産業

第3次産業

大  分  類

農業

林業

漁業

      小計

鉱業

建設業

製造業

      小計

電気・ガス・水道・廃棄物処理業

卸売・小売業

運輸・郵便業

宿泊・飲食サービス業

情報通信業

金融・保険業

不動産業

専門・科学技術、業務支援サービス業

公務

教育

保健衛生・社会事業

その他のサービス

       小計

合     計

52,276

4,043

8,385

64,704

2,736

164,526

738,608

905,870

145,593

256,167

126,838

75,147

75,117

125,991

309,876

124,022

179,878

156,280

239,671

157,631

1,972,211

13,802

2,956,587

1.8

0.1

0.3

2.2 0.1

5.6

25.0

30.6

4.9

8.7

4.3

2.5

2.5

4.3

10.5 4.2

6.1

5.3

8.1

5.3

66.7

0.5

100.0

0.9

0.0

0.2

1.1 0.1

5.5

21.6 27.2 2.8

13.8 5.2

2.7

4.9

5.8

10.7 6.7

5.1

3.6

5.5

4.9

71.7

▲ 0.0

100.0

4,808,600

160,800

796,200

5,765,600

402,400

29,158,700

113,879,200

143,440,300

14,531,900

72,828,500

27,559,700

14,419,200

26,018,000

30,336,300

56,202,500

35,176,700

27,117,000

18,761,300

29,136,100

25,739,400

377,826,600

-152,700

526,879,800

徳島県

構成比

全 国

構成比

注:全国は暦年ベースでの名目国内総生産

  徳島県は年度ベースでの名目県内総生産

  なお、2015年より国際基準である「2008SNA」(基準年は2011年に変更)を使用しており、今回改定が行われた2006年以降のデータを使用。

資料:内閣府「国民経済計算年報」、「県民経済計算年報」

(単位:百万円、%)

徳島県

構成比

全 国

構成比

2015年(H27年)

2006年(H18年)

46,704

7,371

6,441

60,516

2,409

146,964

858,207

1,007,580

162,113

253,268

100,745

70,722

78,286

100,564

344,695

131,313

168,738

163,445

279,422

132,944

1,986,255

29,363

3,083,714

1.5

0.2

0.2

2.0 0.1

4.8

27.8

32.7

5.3

8.2

3.3

2.3

2.5

3.3

11.2 4.3

5.5

5.3

9.1

4.3

64.4

1.0

100.0

0.9

0.0

0.2

1.1 0.1

5.5

20.7

26.3

2.6

13.9 5.1

2.3

5.0

4.4

11.4 7.2

5.0

3.6

6.8

4.4

71.8

0.8

100.0

4,898,800

205,100

802,700

5,906,600

314,500

29,301,400

110,223,400

139,839,300

13,893,000

74,201,400

27,122,000

12,371,600

26,681,100

23,186,700

60,589,900

38,354,100

26,571,700

19,204,800

36,228,700

23,350,500

381,755,500

4,484,300

531,985,700

徳島県

-5,572

3,328

-1,944

-4,188

-327

-17,562

119,599

101,710

16,520

-2,899

-26,093

-4,425

3,169

-25,427

34,819

7,291

-11,140

7,165

39,751

-24,687

14,044

15,561

127,127

▲ 10.7 82.3

▲ 23.2

▲ 6.5

▲ 12.0

▲ 10.7 16.2

11.2 11.3

▲ 1.1

▲ 20.6

▲ 5.9 4.2

▲ 20.2 11.2 5.9

▲ 6.2 4.6 16.6

▲ 15.7 0.7

112.7 4.3

1.9 27.5 0.8 2.4

▲ 21.8 0.5

▲ 3.2

▲ 2.5

▲ 4.4 1.9

▲ 1.6

▲ 14.2 2.5

▲ 23.6 7.8 9.0

▲ 2.0 2.4 24.3

▲ 9.31.0 - 1.0

90,200

44,300

6,500

141,000

-87,900

142,700

-3,655,800

-3,601,000

-638,900

1,372,900

-437,700

-2,047,600

663,100

-7,149,600

4,387,400

3,177,400

-545,300

443,500

7,092,600

-2,388,900

3,928,900

4,637,000

5,105,900

全 国

徳島県

全 国

増減(2006→2015)増減率(2006→2015)

輸入品に課される税・関税、統計上の不突合

(控除)総資本形成に係る消費税、帰属利子

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55

 一方、徳島県の県内総生産で、2006年度と2015年度との産業構成比を比較すると、第1次産業

が2.2%→2.0%、第3次産業が66.7%→64.4%へとそれぞれ低下する一方で、第2次産業は30.6%

→32.7%へと上昇した。いずれの産業も全国とは逆の動きを示している。また業種別の増減率を全

国と比較すると、製造業(+16.2%)と不動産業(+11.2%)などで全国の増減率を上回ったのに対し、

保健衛生・社会事業(+16.6%)、卸売・小売業(▲1.1%)などで全国の増減率を下回った。

■事業所数から見た産業構造

 徳島県の産業構造を事業所数(民営)から見ると(産業構造-9)、直近の2016年は第1次産業

の事業所構成比が1.0%、第2次産業が16.8%、第3次産業が82.2%であり、第3次産業の事業

所比率は上昇の一途をたどっている。なお全国の構成比は、第1次産業が0.6%、第2次産業が

17.7%、第3次産業が81.6%となっており、徳島県と比較して第2次産業構成比が0.9ポイント高い。

 次に長期にわたる事業所数の推移を見てみると、1986年までは増加傾向で推移したものの、同年

の47,809事業所をピークに反転し、以後趨勢的に減少傾向が続いている(2009年の経済センサス-

基礎調査では、従来の事業所・企業統計調査と比べ、商業・法人登記等の行政記録を活用して

事業所・企業の補足範囲を拡大しており、両者の数値は単純に比較できない)。ピークの1986年と

比較が可能な2006年とを比べると、この20年間で8,554事業所、率にして17.9%減少している。ま

た2009年と直近2016年の7年間の比較では、県内事業所は10.7%減少しており、医療・福祉(+

18.1%)、教育・学習支援業(+1.0%)を除き、ほとんどの業種がマイナスとなった。特に、情報通信

業(▲19.6%)、建設業(▲18.7%)、卸売業・小売業(▲18.3%)、運輸業・郵便業(▲16.1%)で

大幅な減少が目立つ。なお、(産業構造-8)では公務を含む全産業の事業所数の推移を示してい

るが、同様に1986年の50,299事業所をピークに、以後減少傾向が続いている。

(%)(産業構造-8)徳島県の事業所数(全産業)の推移

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000(所)

19721969 75 81 86 91 96 2001 14(年)

 前回調査比増減率(右目盛り)

49,33245,498

39,05643,86642,165

44,178

50,299 49,793 48,7873.27.9

0.70.7

78

46,196

4.64.66.86.8

2.02.0

△1.0△1.0△2.0△2.0

△6.7△6.7

06

41,295

△9.2△9.2△7.3△7.3

09

42,113

2.02.04.04.0

注:全産業の調査年は民営事業所の調査年と一部異なっている。注:公務を含む全産業(事業内容等不詳を除く)注:2009年以降の「経済センサス」では、従来の事業所・企業統計調査と比べ事業所・企業の捕捉範囲を拡大しており、両者の数値は単純に比較できない。

資料:総務省「事業所・企業統計調査」、「経済センサス-基礎調査」

△10.0

△8.0

△6.0

△4.0

△2.0

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

Page 10: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

56

(産業構造-9)産業大分類別事業所数の推移(民営)産業

第一次産業

第二次産業

 三

 次

 産

 業

合     計

(前回調査比)増減率(%)

大  分  類

注:公務、事業内容等不詳を除く。注:2001年以前と2004年~ 2006年、また2009年以降では、それぞれ基準となる産業分類が異なるため単純な比較はできない。  ( )の数値は比較のための参考値。下段は構成比(%)を示している。注:2009年以降の「経済センサス」では、従来の事業所・企業統計調査と比べ事業所・企業の捕捉範囲を拡大しており、両者の数値は単純に  比較できない。資料:総務省「事業所・企業統計調査報告」、「経済センサス-基礎調査」、「経済センサス-活動調査」

(単位:所、%)

農業

林業

漁業

   小 計

建設業

製造業

   小 計

電気・ガス・熱供給・水道業情報通信業、運輸業、郵便業

卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業

サービス業 (他に分類されないもの)

学術研究、専門・技術サービス業生活関連サービス業、

娯楽業

鉱業、採石業、砂利採取業

    情報通信業

  運輸業、郵便業

  卸売業、小売業

 宿泊業、飲食サービス業

金融業、保険業

不動産業、物品賃貸業

サービス業

 教育、学習支援業

    医療、福祉

 複合サービス事業

     

   小 計

△ 3.5△0.46.8 2.0 △7.6 △1.4 2.6 △7.1△0.9 △2.1 △3.7 △3.5

352

18

3,324

2,715

6,057

32

999

225

774

13,977

9,433

4,544

645

2,130

11,782

1,233

3,515

1,089

2,936

341

2,668

29,565

35,974

1.0

0.1

9.2

7.5

16.8

0.1

(2.8)

0.6

2.2

(39.3)

26.2

12.6

1.8

5.9

(32.0)

3.4

9.8

3.0

8.2

0.9

7.4

82.2

100

2016年1981年 1986年 1991年 1996年 1999年 2001年 2009年2004年 2006年1390.3370.1580.12340.5780.2

4,71210.15,51911.8

10,30922.0410.18851.9

23,50350.2

6041.3

1,0932.3

10,18021.7

36,30677.5

46,849100

990.2330.1570.11890.4730.2

4,7169.9

5,42911.4

10,21821.4420.19291.9

23,63149.4

6451.3

1,2292.6

10,92622.9

37,40278.2

47,809100

1050.2270.1460.11780.4490.1

4,7019.9

5,06710.79,81720.7360.19572.0

22,58247.6

6781.4

1,4883.1

11,66524.6

37,40678.9

47,401100

1390.3460.1640.12490.5570.14.94610.74,64210.09,64520.8370.19982.2

21,10245.5

7081.51,5563.4

12,09526.1

36,49678.7

46,390100

1150.3340.1580.12070.5550.14,76910.74,0559.1

8,87919.9340.19882.2

20,34845.5

6811.51,5633.5

11,99626.8

35,61079.7

44,696100

1190.3260.1470.11920.4420.14,68810.93,6618.5

8,39119.5300.11,0512.4

19,30944.8

6971.61,6143.7

11,83627.4

34,53780.1

43,120100

2590.6370.1680.23640.9220.14,08810.12,9417.3

7,05117.5350.1

(1,203)(3.0)2800.79232.3

(16,549)(41.1)11,54928.75,00012.46901.72,3915.9

(12,006)(29.8)1,3353.33,8849.61,0782.72,4876.23881.02,8347.0

32,87481.640,289100

246

29

56

337

15

3,581

2,915

6,511

31

(1,138)

264

874

(14,785)

10,187

4,598

704

2,280

(11,650)

1,240

3,697

1,050

2,573

323

2,767

30,588

37,436

0.7

0.1

0.1

0.9

0.0

9.6

7.8

17.4

0.1

(3.0)

0.7

2.3

(39.5)

27.2

12.3

1.9

6.1

(31.1)

3.3

9.9

2.8

6.9

0.9

7.4

81.7

100

2012年1180.3240.1430.11850.5330.14,34510.93,1958.0

7,57319.0300.1

(961)(2.4)2280.67331.8

(17,522)(44.0)12,53131.54,99112.56461.61,7654.4

(11,143)(28.0)

1,0282.61,9875.03310.87,79719.6

32,06780.5

39,825100

1200.3180.0380.11760.4280.14,12810.53,0477.8

7,20318.3240.1

(968)(2.5)2340.67341.9

(16,972)(43.2)12,06130.74,91112.56291.61,7204.4

(11,563)(29.5)

1,0902.82,1795.65001.37,79419.9

31,87681.2

39,255100

273

38

49

360

16

3,500

2,847

6,363

32

(1,035)

246

789

(14,645)

9,985

4,660

666

2,264

(11,933)

1,272

3,653

1,063

2,879

369

2,697

30,575

37,298

0.7

0.1

0.1

1.0

0.0

9.4

7.6

17.1

0.1

(2.8)

0.7

2.1

(39.3)

26.8

12.5

1.8

6.1

(32.0)

3.4

9.8

2.9

7.7

1.0

7.2

82.0

100

2014年

-

-

-

Page 11: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

57

■移輸入・移輸出から見た産業構造

 移輸出・移輸入とは県域を越えた生産物取引を表しており、県内で生産された財・サービスを県

外へあるいは国外へ輸出することを移輸出、反対に、生産物を県外から移入あるいは国外から輸

入することを移輸入という。

 徳島県の2011年における移輸出額は2兆311億円であり、そのトップの産業は化学製品で26.6%

(5,397億円)を占め、以下、電子部品10.7%(2,179億円)、飲食料品が8.6%(1,748億円)、電

力・ガス・熱供給が8.3%(1,681億円)、電気機械が7.7%(1,555億円)と続く。移輸出の中で、製

造業全体の移輸出額は1兆5,192億円と、移輸出全体の74.8%を占めている。また、製造業は移輸

出率が88.6%となっており、生産した製品のほとんどが県外に移輸出されている。移輸入額は2兆

3,417億円であり、うち商業が11.1%(2,609億円)、対事業所サービス10.1%(2,366億円)、化学

製品8.6%(2,012億円)、飲食料品7.9%(1,845億円)、対個人サービス6.9%(1,615億円)と続い

ている(産業構造-10)。

 移輸出から移輸入を差し引いた県際収支(産業構造-11)を見ると、徳島県は県内の生産物を県

外に販売する移輸出に比べ、県外の生産物を購入する移輸入のほうが多く、3,106億円の移輸入

超過となっている。県際収支を産業別に見ると、化学製品の3,385億円を筆頭に、電子製品、電

力・ガス・熱供給などの11部門が移輸出超過であるのに対し、移輸入超過は対事業所サービスの

2,311億円以下、商業、対個人サービスなど24部門となっている。

 

■開業率と廃業率

 新しい技術や豊かな創造力をもつ新規開業企業の登場は、新しい産業や事業を生み出すと同時

に、既存企業との競争を促し、経済社会全体の新陳代謝を進めるため、産業構造の変化に大きく

影響する。一方の廃業も、寿命を終えた企業の市場からの退出は、産業の再活性化につながるた

め、必ずしも悪いことではなく、むしろ廃業に伴う経済的損失を上回る効果が新しく開業する企業に

よってもたらされるかどうかが重要である。

 開業率の推移を見ると(産業構造-12)、全国の開業率は2006 ~ 09年では年平均2.6%と、直前

2004 ~ 06年の同6.4%と比べ急落している。同様に、徳島県の開業率も2006 ~ 09年では同2.4%

と低下しているが、これは2009年以降の経済センサスにおける新設事業所の定義が、従来の事業

所・企業統計調査と異なることから開業率が過小に算出され得ることが要因とみられる(従来は、調

査区内で新たに捕捉した事業所を新設事業所と定義したのに対し、経済センサスでは事業所の開

設時期によって新設と定義している。このため事業所が他の調査区から移転してきた場合、前者で

は新設事業所となるが、後者では開設時期によって新設又は存続事業所に分けられ、新設事業所

が従来よりも少なくなる可能性がある)。直近の2012 ~ 14年の開業率では、全国および徳島県とも

急上昇しているが、これまでの推移も含め、徳島県は全国の開業率を常に下回っており、今後の産

業活性化のために新規開業の促進が必要である。

Page 12: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

58

計3,106億円の移輸入超過

注:県際収支=移輸出額-移輸入額で算出。資料:徳島県「2011年徳島県産業連関表」

3,385

1,6371,539

763 723397 305 183 140 55 28 0 0

▲1 ▲5 ▲37▲51▲65▲95▲97 ▲97▲152▲220▲221▲256▲261▲299▲366▲510▲544▲548▲880▲917

▲1,192▲1,394

▲1,741

▲2,311

(億円)

対事業所サービス

商業

対個人サービス

石油・石炭製品

情報通信

鉱業

非鉄金属

情報・通信機器

輸送機械

不動産

業務用機械

鉄鋼

その他の製造工業製品

プラスチック・ゴム

教育・研究

窯業・土石製品

飲食料品

金属製品

水道

建設

繊維製品

廃棄物処理

生産用機械

金融・保険

事務用品

公務

分類不明

その他の非営利団体サービス

医療・福祉

運輸・郵便

農林水産業

はん用機械

電気機械

パルプ・紙・木製品

電力・ガス・熱供給

電子部品

化学製品

▲3,000

▲2,000

▲1,000

0

1,000

2,000

3,000

4,000

(産業構造-11)産業別の県際収支額(2011年-37部門分類)

(産業構造-10)移輸出と移輸入の上位10部門(2011年-37部門分類)

資料:徳島県「2011年徳島県産業連関表」

(1)移輸出

移輸出額2兆311億円

電子部品10.7%

化学製品26.6%

飲食料品8.6%

商業4.3%

はん用機械3.1%

その他16.1%

パルプ・紙・木製品7.0%

電力・ガス・熱供給8.3%

電気機械7.7%

農林水産業 4.0%  

運輸・ 郵便 3.7%

移輸入額2兆3,417億円

飲食料品7.9%

対個人サービス6.9%

対事業所サービス10.1%

情報通信4.6%

化学製品8.6%

プラスチック・ゴム3.0%

その他35.3%

電気機械3.6%

商業11.1%

鉱業3.9%

石油・石炭製品5.1%

(2)移輸入

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59

 次に廃業率を見ると、全国は2012 ~ 14年の間は年平均6.6%と高止まっており、廃業率が開業

率を上回る逆転現象が1989 ~ 91年以降継続している。一方、徳島県の廃業率は近年上昇傾向

にあり、2012 ~ 14年は同6.0%となっている。

 このように徳島県の開廃業率は、全国との比較では開廃業率とも全国平均を下回っており、いわ

ゆる少産少死の特徴といえる。

(井上郷平)

(産業構造-10)移輸出と移輸入の上位10部門(2011年-37部門分類)

資料:徳島県「2011年徳島県産業連関表」

(1)移輸出

移輸出額2兆311億円

電子部品10.7%

化学製品26.6%

飲食料品8.6%

商業4.3%

はん用機械3.1%

その他16.1%

パルプ・紙・木製品7.0%

電力・ガス・熱供給8.3%

電気機械7.7%

農林水産業 4.0%  

運輸・ 郵便 3.7%

移輸入額2兆3,417億円

飲食料品7.9%

対個人サービス6.9%

対事業所サービス10.1%

情報通信4.6%

化学製品8.6%

プラスチック・ゴム3.0%

その他35.3%

電気機械3.6%

商業11.1%

鉱業3.9%

石油・石炭製品5.1%

(2)移輸入

0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

(%)

(産業構造-12)全国および徳島県の開廃業率の推移(民営事業所、非1次産業、年平均)

全 国

12~14 (年)

廃業率

開業率6.5

6.6

注:新設事業所の定義が異なるため、2009年経済センサス-基礎調査に基づく2006年~2009年以降の開業率は、過去の数値と単純に  比較できない。また開業事業所と廃業事業所との定義の違いにより、開業率と廃業率とを単純に比較できない。注:開業率は、新設事業所数から年平均新設事業所数を算出し、期首事業所数で除したもの。 2012~2014年の場合、開業率=(新設事業所数÷29 ヶ月×12 ヶ月)÷期首事業素数×100% 廃業率は、廃業事業所数から年平均廃業事業所数を算出し、期首事業所数で除したもの。 2012~2014年の場合、廃業率=(廃業事業所数÷29 ヶ月×12 ヶ月)÷期首事業素数×100%資料:中小企業庁「中小企業白書」、総務省「事業所・企業統計調査」、「経済センサス-基礎調査・活動調査」、徳島県「徳島県の商業2008」

0

1

2

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

(%)

(年)

廃業率

開業率5.0

6.0

86~89 91~9489~91 94~96 96~99 99~2001 01~04 04~06 06~09 09~12

12~1486~89 91~9489~91 94~96 96~99 99~2001 01~04 04~06 06~09 09~12

2.6

3.6

4.7 4.7

5.9

7.26.4 6.5 6.4

1.9

6.3

4.2

4.14.6 3.8

3.74.1

6.7

4.2

6.4

3.5

2.4

4.53.9 3.6

4.4 4.5

5.5 5.55.9

1.7

5.6

3.1 3.43.8

2.73.1 2.9

3.3

5.0

徳島県

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■農業の特徴

 徳島県は一級水系の吉野川や那賀川流域を中心に、温暖な気候など恵まれた自然環境や

京阪神に近いという地理的条件を活かし、野菜、果実、米、畜産など多種多様な農業生産

が行われている。徳島県の経済は、県内総生産の割合から「0.5%経済」と言われている

が、農業に関しては販売農家数や農業就業人口(販売農家)、農業産出額の全国に占める

割合は1%を超えている(農-1)。また、県内総生産(GDP)に占める農業の割合は

1.5%(2014年度)となっており、農業の重要度は高い。

 農林水産省の「農林業センサス」によると、2015年の徳島県の1経営体当たり経営耕地

面積は99aで、全国平均の254aに比べ小規模ではあるが、露地野菜や施設園芸などを中

心に農地を有効活用した生産性の高い農業経営が営まれている。全国平均と比べて野菜と

果樹のウエイトが高く、単一経営経営体の部門別割合でみると、野菜(露地+施設)は、

15.1%で全国より5.5ポイント高く、果樹も11.9%で全国より2.0ポイント高い。

 また、徳島県は京阪神地域など大都市消費圏に対する生鮮食料の重要な供給地となって

おり、なかでも野菜類は49%が京阪神市場に出荷され、京阪神主要6市場における販売額

のシェアは8.4%を占めている(農-6、7)。

■農業構造

  「農林業センサス」によると、徳島県の2015年の総農家数は30,767戸であった。そのう

ち販売農家は17,958戸(58%)であり、残り12,809戸(42%)を自給的農家が占めている。

販売農家の減少は顕著で、5年前に比べて17%減少している。また、農業就業人口(販売

農家)は30,217人で、5年前に比べて21%減少するとともに、65歳以上の高齢者が63.9%を

占めており、高齢化が一段と進んでいる(農-2)。 また、2017年の徳島県の耕地面積は

29,300haであり、前年に比べ200ha減少している。一方、耕作放棄地は担い手の減少や高齢

化などにより、中山間地域を中心に年々増加しており、2015年の「農林業センサス」によ

ると、面積は4,577haに達している。

 徳島県では、「新未来『創造』とくしま行動計画」において、新規就農者の確保や中核

的な担い手の育成を図るなど、様々な取り組みをしている。国の「農業次世代人材投資事

業」の後押しもあり、2016年には153人が新規就農者(うち新規学卒者17人、Uターン者54

人、新規参入者82人)となっている。さらに、認定農業者※1や農業法人※2など経営感覚に

優れた経営体の育成も積極的に進められているほか、農地法の改正などを背景に企業の農

業参入も見られる。

農業

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61

 教育面では、徳島大学に1次産業から製品開発販売に貢献できる人材の育成などをめざ

す「生物資源産業学部」が2016年度から開設している。

※1 認定農業者

「農業経営基盤強化促進法」に基づき、効率的で安定した魅力ある農業経営をめざす農業経営改善

計画(5年間の経営目標)を作成し、市町村長の認定を受けた農業者又は農業法人。

※2 農業法人

 農業を営む法人の総称。大別すると、農地を必要とする「農業生産法人」、養豚や養鶏のように農地

を必要としない施設型の「一般農業法人」があり、それぞれに「会社法人」と「農事組合法人」があ

る。農業経営の法人化のメリットとして、税や金融面での優遇措置や取引信用力の向上、雇用保険等の

適用による農業従事者の福利の増進などが挙げられる。 農業法人という言葉が使われ出したのは、1957

年に徳島県勝浦町のみかん農家が有限会社を設立したのが発端であり、1962年に「農業生産法人制度」

が発足した。

■農業生産

 2016年の徳島県の耕地面積29,500haの耕地利用率は88.5%であり、その内訳は稲44.8%、

野菜25.9%等となっている(農業-3)。農業産出額は2年連続で1,000億円を上回り、

1,101億円となっている。部門別では、野菜、いも類、果実、花きでの合計が61.4%で全国

平均43.3%を18.1ポイント上回っており、近郊農業の特色である園芸作物のウエイトが高

いことかわかる(農-4)。徳島県では優れた農業技術が培われていることに加え、光源

のLEDや省エネルギーに欠かせないリチウムイオン電池、養液栽培の液肥を生産する企

業が集積している。そのため、地域特性を活かした徳島独自の「植物工場」の開発と普及

が期待されており、県内の植物工場では「リーフレタス」や「いちご」などが生産されて

いる。

 徳島県では、市場における単価の向上、市場占有率、消費者の認知度向上など、一定の

基準を満たした県産農林水産物30品目を特にブランド品目として育成している。2016年の

農産物出荷量をみると、全国第1位にすだちや春夏にんじん、生しいたけなどがランクイ

ンしているほか、れんこん(2位)やかんしょ(5位)など10位以内の品目も多数みら

れ、全国に誇る農産物が数多く生産されていることがわかる(農業-5)。さらに、阿波

尾鶏(地鶏)は地鶏肉JASを取得した第一号地鶏であり、また出荷羽数は日本一を誇る。

 野菜類・市場向け販売額(2015年)は約447億円で、京阪神市場が49%を占め、続いて

県内市場が16%、京浜市場が14%となっている。果実(2014年)は約73億円で、京阪神市

場が36%、県内市場が33%、京浜市場が17%を占めている(農業-6)。また全国各地で

賑わいを見せる農産物直売所については、徳島県内でも91施設(2017年12月末現在)が開

設されている。県が開設したアンテナショップは、東京や名古屋、大阪などで展開されて

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62

いるほか、2018年2月には、徳島の「食とライフスタイル」をテーマとした情報発信拠点

「ターンテーブル」が東京都渋谷区にオープンした。

■「とくしまブランド」戦略

 徳島県では、農林水産業の振興を図るため、2004年度から全国に先駆けて農林水産物の

ブランド化に取り組んでいる(第1期:とくしまブランド戦略、第2期:とくしまブラン

ド飛躍戦略、第3期:ひろがる「とくしまブランド」戦略)。

 第4期(2015年から4年間)は、「挑戦する・とくしまブランド戦略」に基づき、とく

しまブランドを将来にわたり発展させ、世界に通じる日本のトップブランドとするため、

ターゲットを明確にした新しいマーケティング活動を展開しており、潜在的な市場の開拓

や発信力の強化に取り組んでいる。その中、2020年の東京オリンピック・パラリンピックや

TPPなどにより、国内外の社会情勢が大きく変化していることを踏まえ、新たな戦略とな

る「進化する・とくしまブランド戦略」(2018年4月~2021年3月)を策定し、取り組みを進

めている。

 また、生産者や流通業者、県などが連携し、積極的に「とくしまブランド」の輸出拡大

にも取り組んでいる。2013年1月に策定された「とくしま農林水産物等海外輸出戦略」

は、さらなる輸出拡大を図るため、2016年2月に改定されており、2018年度までの目標を

設定している。改訂版には、輸出国・地域や輸出品目の重点化を行うことや、輸出品目及

び輸出量の拡大を図ることなどが盛り込まれている。

■支援体制

 支援体制としては、技術の習得や農地の取得方法などの相談に総合的に対応する「徳島

県新規就農相談センター」、農業の基礎知識や応用技術を学ぶことができる「アグリビジ

ネススクール(農業大学校)」、農業法人で働きながら農業技術の研修ができる「農の雇

品 目 品目数 品 目 名

野 菜 13品目なると金時、にんじん、生しいたけ、カリフラワー、れんこんなす、いちご、ほうれんそう、なのはな、レタス、ねぎブロッコリー、鳴門らっきょ

果 実 4品目 すだち、ゆず、みかん、なし

花 き 2品目 シンビジウム、ゆり

畜産物 3品目 阿波尾鶏、阿波牛(牛肉)、阿波ポーク(豚肉)

水産物 8品目鳴門わかめ、アワビ類、はも、養殖あゆ、ちりめん養殖スジアオノリ、鳴門鯛、アオリイカ

【ブランド品目】

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63

用事業」などが整備されている。就農後は、県の「農林水産総合技術支援センター」や

「地域農業支援センター」、各市町村の「農業委員会」「農業協同組合」などが技術指導

や融資相談、農地の斡旋などを行っている。

 また、徳島県農商工連携ファンド事業や農山漁村未来創造事業など、各種助成事業も整

備されているほか、加工や流通分野を取り込むことで所得の増大を図る6次産業化につい

ては、2010年12月に6次産業化法が施され、地域ファンドの設立も続いている。2013年11

月には「あわぎんアグリファンド」(出資総額10億円)が設立され、2つの出資案件が誕

生している。さらに、県が窓口となり、実践的なサポートをワンストップで行う「六次産

業化サポートセンター」も設置されており、地域全体での生産拡大や雇用の創出が期待さ

れている。

■「とくしまマルシェ」

 徳島県産のこだわりの農産物や加工食品を販売する「とくしまマルシェ」が2010年12月

にスタートし、毎月最終日曜日に開催されている。2017年12月に7周年を迎え、今では

徳島の風物詩として定着している。徳島県産農林水産物などの魅力を発信する場として、

また、新しい農業ビジネス創出の場としての役割を担っている。

(佐々木志保)

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64

(農業-1)農業の概況

全国に占める割合

1.4%

1.4%

0.7%

1.2%

徳島県

17,958戸

30,217人

29,300ha

1,101億円

年 次

2015年

2015年

2017年

2016年

販 売 農 家 数

農 業 就 業 人 口(販 売 農 家)

耕 地 面 積

農 業 産 出 額資料:農林水産省「農林業センサス」「作物統計」「生産農業所得統計」

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000

(戸)

(人)

(農業-2)販売農家

1995年

2000年

2005年

2010年

2015年 7,304 1,667 8,987 17,958

6,756 6,098 19,683 32,537

6,517 4,378 17,906 28,801

6,667 3,436 14,259 24,362

7,023 2,726 11,780 21,529

(1)内訳

(2)就業人口

専 業第1種第2種 兼業}

65歳未満65歳以上

資料:農林水産省「農林業センサス」

1995年

2000年

2005年

2010年

2015年 10,895 19,322 30,217

30,430 24,707 55,137

23,343 27,326 50,669

17,890 25,882 43,772

14,990 23,321 38,311

0

1

2

3

4

5(万 ha)

資料:農林水産省「作物統計」

作付延べ面積・耕地面積

その他野菜

(年)

(農業-3)耕地面積と耕地利用率

41.5%

27.1%

31.4%

3.7

41.5%

27.1%

31.4%

110.1

1995

耕地面積

2012

47.5

25.3

27.2

90.3

3.08

耕地利用率

~ ~~ ~

~ ~

(%)

耕地利用率80

90100110120

2014

48.4

25.2

26.4

89.8

3.04

2015

44.4

25.8

29.8

89.0 88.5

3.01

2016

44.8

25.9

29.3

2.95

2013

48.7

25.2

26.1

89.9

3.06

43.9

27.2

28.9

98.2

3.3

2004 2005

45.0

26.8

28.2

96.6

3.2

2007

46.4

26.0

27.6

95.3

3.2

2008

47.0

25.4

27.6

94.3

3.14

2009

46.8

25.3

27.9

93.6

3.13

2010

47.0

25.6

27.4

92.3

3.11

2006

45.6

26.3

28.1

96.3

3.2

2011

46.6

25.7

27.7

91.6

3.09

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65

(億円)

(農業-4)農業産出額及び部門別構成比の推移

農業産出額

農業産出額の部門別構成比の推移

(%)

(年)

(年)

1,094

2005

1,082

2004

1,002

2010

1,052

2008

1,001

2009

1,025

2007

1,052

2006 2011

1,004

2012

1,054

2013

984

20162015

1,0371,101

2014

953

(農業-5)出荷量全国順位 10位以内の主要品目と全国シェア(2016年)全国シェア(%)

全国シェア(%)

100 97.9 69.4 30.7 11.9 13.4 11.6 11.1 12.6 9.4 1.1 4.6 3.5 3.3 0.3

6.0 4.3 2.8 2.5 3.1 3.1 0.9 0.4 0.1 3.3 3.0 2.6 2.2 2.0 1.2

品  目 品  目ユ コ ウ ( ※ )す だ ち ( ※ )ヤ マ モ モ(※)春 夏 に ん じ ん生 し い た け(※)洋 ラ ン(切 り 花)れ ん こ んカ リ フ ラ ワ ーユ ズ ( ※ )   に ん じ んハ ッ サ ク(※)ふ きし し と うか ん し ょ(※)う め

ブ ロ ッ コ リ ー夏 秋 な すブ ロ イ ラ ーグ リ ン ピ ー スな す冬 レ タ ス乾 ぜ ん ま い(※)ハ レ ヒ メ(※)キ ン カ ン(※)秋 冬 だ い こ ん切 り 枝洋 ラ ン(鉢 物)だ い こ んみかん(普通温州)切 り 葉

順位

第1位

第2位

第3位

第4位

第5位

順位

第6位

第7位

第9位

第10位

資料:農林水産省「生産農業所得統計」

資料:農林水産省「作況調査」「特産果樹生産動態等調査」「畜産統計調査」   「特用林産物生産統計調査」

(2016,億円,%)農業産出額

順位

1

2

3

32

45

46

47

都道府県

北海道

茨 城

鹿児島

徳 島

奈 良

大 阪

東 京

都道府県合計

金額(割合)

12,115(13.0)

4,903( 5.3)

4,736( 5.1)

1,101( 1.2)

436( 0.5)

353( 0.4)

286( 0.3)

93,051( -)

900

1,000

1,100

1,200

0 20 40 60 80 100

4.318.0 2.6 27.8 9.1 3.8 34.42016(全国)

1.512.0 7.6 40.7 9.9 3.2 25.12016

1.510.2 8.2 37.0 10.6 3.6 28.92015

畜産 27.0果実 9.4野菜 35.8 米 13.22007

26.5 2.53.79.635.88.2 13.72008

2.413.4 7.8 36.1 9.4 3.8 27.12009

2.212.1 7.2 36.5 11.1 3.8 27.12010

2.013.5 7.6 35.1 11.5 3.9 26.42011

1.714.4 6.9 35.9 11.7 4.1 25.32012

1.813.0 7.2 37.4 10.5 4.1 26.02013

1.810.3 8.1 36.5 11.1 4.1 28.12014

花き 3.9%いも類 8.5% その他 2.2%

(※)ユコウ、すだち、ヤマモモ、ユズ、ハッサク、ハレヒメ、キンカンは2015年。生しいたけ、乾ぜんまいは生産量。かんしょは収穫量。

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66

(農業-6)青果物販売市場構成(1)野菜類(2015年)

資料:徳島県「とくしまの農林水産業」

(2)果実類(2014年)

その他県外市場(4%)

四国県外市場(4%)

北陸市場(1%)

中国市場(3%)

中京市場(8%)

京浜市場(14%)

(49%)(84%) 四国県外市場

(5%)

中国市場(6%)

京浜市場(17%)中京市場

(3%)

(36%)

(67.5%)

販売金額73億327万円(100.0%)

県内市場(33%)

北陸市場(1%)

県内市場(16%)

販売金額446億8,798万円(100.0%)

(農業-7)主な卸売市場における青果物の出荷数量・金額と県産シェア(1)野菜類(2015年)

区     分

徳 島 市 中 央 市 場

京 阪 神 主 要 6 市 場

 大 阪 市 中 央 市 場 本 場

 大 阪 市 中 央 東 部 市 場

 大 阪 府 中 央 市 場

 神 戸 市 中 央 市 場 本 場

 神 戸 市 中 央 東 部 市 場

 京 都 市 中 央 市 場

東 京 都 中 央 市 場

名 古 屋 市 中 央 市 場

総   量

数 量(t) 金額(百万円) 数 量(t) 金額(百万円)

うち徳島県産 本県産比率

数 量(%) 金 額(%)57,105

997,663

360,980

129,098

156,404

106,807

22,109

222,265

1,549,946

400,373

13,542

236,138

88,428

26,134

36,795

23,638

5,922

55,222

395,046

94,253

29,930

51,676

17,183

6,022

8,699

6,734

2,753

10,285

18,649

10,817

7,837

19,765

7,007

2,085

3,391

2,786

1,101

3,397

4,412

3,253

52.4

5.2

4.8

4.7

5.6

6.3

12.5

4.6

1.2

2.7

57.9

8.4

7.9

8.0

9.2

11.8

18.6

6.2

1.1

3.5

資料:徳島県「とくしまの農林水産業」

(2)果実類(2014年)

区     分

徳 島 市 中 央 市 場

大 阪 市 中 央 市 場 本 場

大阪市中央市場(東部市場)

大 阪 府 中 央 市 場

神 戸 市 中 央 市 場 本 場

神戸市中央市場(東部市場)

東 京 都 中 央 市 場

総   量

数 量(t) 金額(百万円) 数 量(t) 金額(百万円)

うち徳島県産 本県産比率

数 量(%) 金 額(%)

18,159

152,209

54,481

70,451

32,102

9,789

466,968

5,265

54,439

15,312

20,100

9,696

3,518

163,003

8,531

3,042

477

976

688

106

722

2,364

1,662

261

360

139

32

207

47.0

2.0

0.9

1.4

2.1

1.1

0.2

44.9

3.1

1.7

1.8

1.4

0.9

0.1

資料:徳島県「とくしまの農林水産業」

Page 21: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

67

 徳島県は温暖で降水量も多いことから、樹木の生育環境に恵まれ、県土面積の76%が森林

に覆われている。森林面積のほとんどが民有林(94%)で、その62%を人工林が占めており、

うち74%はスギである(徳島県林業戦略課調べ)。また、民有林の86%が私有林であり、全

国平均(77%)を上回っている。1ha以上の山林を保有している林家は13.4千戸余りである

が、うち53%が3ha未満の保有と零細経営が多い(2015年世界農林業センサス)。また、就

業者について、2015年国勢調査によると、前回調査と比べやや減少しており、約3分の1

が60歳以上と高齢者の比率が高い状況が続いている。

 素材生産量をみると、2016年は前年より減少し、297千㎡となった。内訳は94%が針葉樹

で、またそのうちの90%をスギが占めている。県内で生産された素材丸太は、主として板

や梁・桁・柱などの建築用材として製材されている。

 徳島県では、2005年度から14年度まで順に「林業再生プロジェクト」、「林業飛躍プロジェ

クト」、「次世代林業プロジェクト」に取り組んできた。これらの施策を進めた結果、生産

面では高性能林業機械の導入などにより生産量・生産性がともに大幅に向上したとともに、

大規模施設の稼働等をはじめとして良質材から低質材に至るまで幅広い加工を行う態勢が

整備されている。

 2024年度までの長期にわたる戦略目標の素材生産量600千㎡、新規就業者数546人(14年

度累計228人)の達成に向け、2015 ~ 18年度においては「新次元林業プロジェクト」が進め

られている。川上の林業生産分野では、主伐の推進などを目的とした「ウッドソリューショ

ンセンター」の設置、森林境界明確化と経営計画作成の推進、造林・保育も含めた森林サイ

クルの復活、高性能林業機械のさらなる導入や改良、生産性向上のための路網整備、担い手

の育成などが行動計画として挙げられている。また、川中の木材加工分野では、枝葉なども

含めた「まるごと利用」の加工体制整備、ブランドの強化、流通体制の強化、オリンピッ

クや輸出に対応する商品開発、大径材の商品化などが計画されている。さらに、川下の木

材利用分野では、公共木造建築の推進、非住宅での利用推進、「木育広場」や「木造建築学

校」の設置、県外・海外需要の開拓、「徳島すぎ」の情報発信などが進められている。

 上記計画の中で最も重要なのは、林業の担い手育成である。その一環として、林業現場

で即戦力となる人材育成を目指した「とくしま林業アカデミー」が設置され、2016年以降

3年続けて研修生を受け入れている。また、林業教育の充実を図るため、那賀高校に専門科

「森林クリエイト科」が16年に開設された。さらに、徳島大学に「生物資源産業学部」が同

年に開設されたこともあわせると、近い将来には県内林業に関わる人材が多く輩出される見

通しである。                              (蔭西義輝)

林業

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68

資料:総務省「国勢調査」

(林業-1)林業就業者(人)

(年)

60歳以上50~59歳40~49歳30~39歳20~29歳15~19歳

資料:農林水産省「木材統計」

(林業-3)素材生産量

(千㎥)

(年)16

297

15

301

14

279

131211

210233

273295

201186 195

207

2006 07 08 09 10

広葉樹その他針葉樹ヒノキスギ

注:すぎ 径 18~30cm 長 4m、ひのき 径 18~22cm 長 4m資料:徳島県林業戦略課「平成29年度 みどりの要覧(林業統計)」

(林業-5)素材価格の推移

(円/㎥)

(年度)1980 85 90 95 2000 05 1610

資料:国土交通省「住宅着工統計」

(林業-6)新設住宅建設着工件数の推移

(戸) (%)

資料:農林水産省「木材統計」

(千㎥)

(年)

(年)

73.4

17

74.5

16

72.7

15

71.7

14

77.1

13

83.2

11

82.4

12

67.9

2007

66.8

08

72.3

09

75.3

10

外材国産他県材国産自県材

(林業-4)素材需要量

すぎひのき

木造住宅  木造以外   木造住宅比率

1985

2,527

1980

3,229

1990

1,675

1995

1,255

2000

846

2005

604

2010

837

2015

822

506

40

50

60

70

80

90

資料:徳島県林業戦略課「平成29年度 みどりの要覧(林業統計)」

森林総数314,857ha

国有林18,600(5.9%)

民有林 296,222(94.1%)

林野庁所管18,389(5.8%)

他省庁210(0.1%)

公有林25,924(8.2%)

私有林 255,553(81.2%)

森林総合研究所14,745(4.7%)

その他 35(0.0%)

(林業-2)森林管理形態の割合

16

499

15

518

14121110

431480458

409

2006 07 08 09

648588

527 499

13

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

0

50

100

150

200

250

300

0

100

200

300

400

500

600

700

800

1512 1413

Page 23: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

69

 水産業は、大別すれば海面漁業と内水面(河川・湖沼)漁業に区分され、またそれぞれ漁業

と養殖業に区分される。さらに海面漁業は、海域や使用する船などによって沿岸漁業、沖合

漁業、遠洋漁業に区分されている。

 徳島県の漁場は、内海の播磨灘海域、外海と内海の影響を受けている紀伊水道海域、外海

の太平洋海域という3つの異なる海域を持っている。また、吉野川をはじめ多くの河川を有

している。このため魚介類の種類は豊富であり、漁業生産は高級魚介類を中心とした多品種

少量が特徴である。2015年の漁獲量・収穫量統計では、鳴門わかめのブランドで有名な「わ

かめ類(養殖)」の収穫量が全国3位、「いせえび」、「うなぎ(養殖)」が5位、「あゆ(養殖)」

が6位、「あわび類」、「たちうお」が7位など、全国で高いシェアを誇っている。また、「は

も」については、京都市中央卸売市場における取扱量が06年~ 09年、11年、12年、14年で

1位となっている。

 2016年の海面漁業・養殖業の生産量は21,957t、内水面漁業・養殖業の生産量は741tで

あり、前年と比べ、海面漁業・養殖業が11.3%減、内水面漁業が12.9%減となっている。

 漁業経営体数も年々減少傾向にあり、2008年に1,863あったものが13年には1,599と5年

間で14.2%減少している。経営組織は、個人が96.4%を占め、会社や共同経営はごく僅かで

あり、零細な経営規模のものが多い。また、後継者不足による就業者数の減少と高齢化が著

しく進んでおり、60歳以上が占める比率は2015年は56.0%となっている。

 水産業は消費者の魚ばなれによる消費量の減少、魚価の低迷、水産資源の低下による漁獲

量の減少、漁師の高齢化や後継者不足など多くの課題を抱えている。担い手の確保には2016

年度に「とくしま漁業就業マッチングセンター」が開設され、また2017年度には「とくし

ま漁業アカデミー」が開講するなど人材の育成に取り組んでいる。また消費拡大や付加価値

向上のために産地ブランド化や6次産業化を進めており、徳島産はも指定応援料理店・販売

店・加工店の拡大、鳴門わかめ認証制度による認定加工業者の拡大に取り組んでいる。2015

年にJF北灘「さかな市」が「海の駅」に登録され、2016年には和田島漁業協同組合が「和

田島ちりめん」を提供する食堂をオープンさせるなど、地元産品の消費拡大に取り組んでい

る。さらに、徳島県、徳島大学、阿南工業専門高等学校が連携し、漁業分野における「知」

と「技」の集積によるイノベーション創出拠点となる「マリンサイエンスゾーン」を2016

年度に形成し、新品種の開発、技術開発、人材育成、6次産業化などに取り組んでいる。

(大谷 博)

水産業

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70

資料:徳島県「2017グラフで見る とくしまの農林水産業」

(水産-1)収穫量が全国上位の魚類等(2015年)

徳島県

6,317

82

393

284

63

389

3,742

2,328

全 国

48,951

1,199

20,119

5,084

1,302

6,953

102,400

64,772

順位

3

5

5

6

7

7

9

10

わかめ類(養殖)

いせえび

うなぎ(養殖)

あゆ(養殖)

あわび類

たちうお

ぶり(養殖)

しらす

12.9

6.8

2.0

5.6

4.8

5.6

3.7

3.6

収穫量種類 シェア

(t)

資料:京都市中央卸売市場第一市場年報

(水産-2)京都市中央卸売市場における「はも」の取扱量

2152181651412171391301671628377

全 国689683637584611561621614658665636

年 20072008200920102011201220132014201520162017

順位 11121121233

31.231.925.924.235.524.720.927.224.612.512.1

取扱量 シェア%

(t)徳島県産

(水産-3)海面漁業・養殖業

(千トン)

(年)

海面養殖業収穫量海面漁業漁獲量

(1)生産量

16

10

12

22

(億円)

(年)

海面養殖業海面漁業

(2)産出額

資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」 資料:農林水産省「漁業産出額」

16

57

55

112

15

11

14

25

14

12

15

26

11

14

16

30

12

15

16

30

13

13

14

27

10

12

16

29

09

14

17

31

15

17

32

06

15

17

32

07

15

16

31

08 15

55

57

113

14

62

62

123

13

76

65

141

08

87

58

145

11

85

75

160

10

73

64

137

09

78

63

140

12

78

72

150

06

88

60

148

07

91

57

148

0

10

20

30

40

0

50

100

150

200

(水産-4)内水面漁業・養殖業(1)漁業漁獲量(トン)

 その他 貝類 その他の魚類 あゆ

(2)養殖収穫量(トン)  ます類

 うなぎ あゆ

(年) (年)

資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」 資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」

105

14

127

16

129

15

186

2008

201

09

178

10

116

13

122

12

166

11 16

614

15

722

14

572

2008

1,232

09

1,056

10

961

11

825

13

548

12

672

0

50

100

150

200

250

0

500

1,000

1,500

131328

73

39

301

274

Page 25: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

71

資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」

(水産-5)

小型底びき網(9.6)

2016年21,957 t(100.0%)

小型定置網(4.1)

その他(30.1)

   ぶり・かんぱち養殖  

(18.3)    

くろのりばらのり養殖(6.4)

わかめ類   養殖

     (26.9)

その他(1.4)

刺網(0.9)

海海面面

業殖

業(47.0)(53.0)

採貝・採藻(2.3)

海面漁業・養殖業の漁業種類別漁獲量及び収穫量割合

資料:総務省「国勢調査」

(水産-6)漁業就業者数の推移(人)

1980

6,319

1985

5,714

1990

4,988

2000

4,019

1995

4,737

2005

3,271

2010

2,664

(年)2015

2,310

60歳以上50~59歳40~49歳30~39歳20~29歳15~19歳

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

資料:総務省「国勢調査」

(水産-7)漁業就業者数の年齢

(%)

60歳以上  50~59歳  40~49歳30~39歳  20~29歳  15~19歳

0 20 40 60 80 100

1985年

56.018.512.27.9

4.80.6

15.630.1 22.719.410.8

1.3

2015年

(水産-8)海面漁業・養殖業経営体の推移(2)部門別経営体数の推移(1)海区別経営体数の推移

(経営体)

注)経営体:1年間における漁業従事日数30日以上の世帯または事業所  太平洋南区:美波町、牟岐町、海陽町  瀬戸内海区:鳴門市、松茂町、徳島市、小松島市、阿南市資料:農林水産省「2013年 漁業センサス」、徳島農林水産統計協会「徳島農林水産統計年報」

(経営体)(年) (年)

1,278 321 1,59913

2,4641,881 58300

2,3551,794 56101

2,2821,755 52702

2,1831,761 42203

2,1101,687 42304

2,0481,643 40505

1,9691,566 40306

13 617 982 1,599

1,491 372 1,8630808 734 1,129 1,863

875 1,58900 2,464

827 1,52801 2,355

802 1,48002 2,282

834 1,34903 2,183

782 1,32804 2,110

764 1,28405 2,048

722 1,24706 1,969

太平洋南区     瀬戸内海区 海面漁業     海面養殖業

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72

■地位

 県内総生産(名目)に占める建設業の割合は、1990年代は11%前後で推移していたが、1999

年度に10%を切り、2008年度には4.2%まで低下した。その後やや持ち直したものの、2015

年度は4.8%(1,470億円)となっている。この割合は、国内総生産における割合(5.5%)より

低い。

■事業所、従業者

 建設業は、軽微な工事のみを請け負って営業する場合以外、一つの都道府県のみで営業

する場合は知事の許可が、複数の県で営業する場合には国土交通大臣の許可が必要である。

徳島県内の建設業許可業者数は、2000年(3月末4,469)をピークに緩やかな減少傾向を続け

ており、2017年3月末は3,141であった。なお、許可業者の99%が知事許可(3,101、他に大

臣許可 40)で、きわめて地域限定的といえる。

 経済センサス(2016年速報、不詳と公務を除く)によれば、建設業は、事業所数3,324、従業

者数20,996人で、全産業に占める割合は、事業所9.2%(全国9.2%)、従業者6.9%(同6.5%)

となっている。同じく経済センサス(確報)によると、企業数や従業者数、完成工事高は図

表(建設-4)のとおりであり、企業数の内訳は、総合工事業が1,458で全体の58.7%を占め、

主に下請けとして一部の工事を行う職別工事業が23.1%、電気工事や管工事を行う設備工事

業が18.2%となっている。

 国勢調査(2015年)で就業者の年齢構成を見ると、総数27,100人のうち、50 ~ 59歳が23%、

60歳以上が29%で、50歳以上が半数を超えている一方、30歳未満は8%しかいない。性別

は、男性が23,033人で85%を占めている。

■建設投資額

 建設総合統計によると、2016年度の出来高は総額2,808億円で、内訳は、民間1,424億円

(51%)、公共1,384億円(49%)で、公共の割合が全国(41%)より高い。総額は前年度から156

億円(6%)増加したが、ピーク時と比較すると、民間(1996年度3,152億円)、公共(1998年

度3,098億円)とも半分以下となっている。

 なお、民間出来高のうち半分(708億円)は居住用建築であるが、ピーク(1996年度1,800億

円)と比較すると約4割である。一方公共工事は、土木が1,207億円で9割近くを占め、建築

のウエイトは低い。

建設業

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73

■元請・下請、新設・維持補修

 建設業の特徴として、元請業者と専門的・部分的工事を担当する下請業者の分業で成り

立っていることが挙げられるが、2016年度、徳島県に本社を置く業者の元請完成工事高は

1,764億円、下請完成工事高は1,391億円であった。完成工事高は、2010年度を底(元請1,136

億円、下請757億円)に増加傾向にあるものの、ピークと比較すると、元請完成工事は1996

年度 3,260億円の5割余り、下請完成工事高も、1998年度2,608億円の5割余りの水準である。

なお、下請工事完成高/完成工事高を見ると、これまで徳島県は全国より高めに推移して

きていたが、2016年度も同様である(徳島県:44%、全国:36%)。

 元請完成工事高(1,764億円)を新設工事と維持・補修工事に分けると、2016年度の維持・

補修工事は618億円(約35%)で、前年度(522億円)から大きく伸びた。

 なお、2000年代当初、政府は構造改革の名のもとに公共投資を大幅に削減したことから、

建設業は苦境に陥り倒産も多発していたが、近年は落ち着いている。

■新設住宅着工

 2017年度の新設住宅着工は、4,764戸(前年比+2%)、 床面積419,604㎡(同△1%)で、

2011年度を底に増加傾向にあるが、20年前(1997年度:7,233戸、 床面積749千㎡)と比較

すると戸数は66%、床面積は56%の水準である。着工戸数の内訳は、持家2,144戸(45%)、

貸家2,166戸(45%)、分譲297戸(6%)、給与住宅157戸(3%)で、全国(順に30%、43%、

26%、1%)と比べると分譲より持家として建築される割合が高い。 分譲のうちマンション

は、1980年代後半に急増し1990年度1,299戸に達したが、その後激減した。なお、2017年

度は42戸であった。

(竹中淳二)

3,000

3,500

4,000

4,500

資料:徳島県「徳島どぼく一覧」

(建設-1)建設業許可業者

(年度当初)17161514131211100908070605042003

(1)業者数の推移 (2)資本金規模の割合

~~

個人17.6%

500万円未満21.6%

500万円~1千万円20.4%

1千万円~2千万円20.3%

2千万円~5千万円17.0%

5千万円~1億円2.7%

1億円以上0.4%

2017年度当初3,141

0

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74

(  )

2017年度当初3,141

資料:総務省「国勢調査」単位:人n=27.100

(建設-2)建設業就業者の年齢構成(2015年)

20~29歳1,876

40~49歳6,221

30~39歳4,661

50~59歳6,157

60~69歳6,600

70歳~1,359

15~19歳226

(単位:人、百万円)

企業等数

2,483

2,405

78

1,458

101

730

30

268

221

108

573

92

40

34

22

55

63

106

82

79

452

256

38

132

14

12

116,309

80,516

35,793

53,558

5,875

29,659

2,312

12,331

2,642

740

28,346

3,978

3,467

2,152

3,156

909

2,241

2,867

3,361

6,215

34,404

15,507

7,081

7,772

3,597

447

331,821

209,938

121,883

232,907

52,365

94,627

5,892

55,846

17,727

6,450

36,068

4,893

4,348

2,864

3,287

1,004

2,597

5,424

4,227

7,424

62,846

35,671

9,614

12,438

4,602

520

215,513

129,424

86,090

179,349

46,491

64,968

3,580

43,515

15,085

5,711

7,722

915

881

712

131

95

356

2,557

866

1,209

28,442

20,164

2,534

4,666

1,005

73

16,833

13,075

3,758

11,079

1,408

6,154

393

1,770

915

439

2,601

359

279

221

122

195

187

487

333

418

3,153

1,533

557

776

222

65

従業者数 元請完成工事高

完成工事高 下請完成

工事高

一般土木建築工事業

土木工事業(舗装工事業を除く)

舗装工事業

建築工事業(木造建築工事業を除く)

木造建築工事業

建築リフォーム工事業

電気工事業

電気通信・信号装置工事業

管工事業(さく井工事業を除く)

機械器具設置工事業

その他の設備工事業

大工工事業

とび・土工・コンクリート工事業

鉄骨・鉄筋工事業

石工・れんが・タイル・ブロック工事業

左官工事業

板金・金物工事業

塗装工事業

床・内装工事業

その他の職別工事業

建設業

総合工事業

職別工事業(設備工事業を除く)

設備工事業

資料:総務省「経済センサス~活動調査」(2016年)

(建設-4)建設業の業種内訳

  〃  30人~

従業者数 1~29人

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000(億円)

県内構成比 国内構成比(暦年)

(%)

(年度)06 07 08 09 10 13 14 151211

(建設-3)建設業の県内総生産と構成比

資料:徳島県統計戦略課「県民経済計算年報」   内閣府「国民経済計算」

0

1

2

3

4

5

6

0

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75

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

(1)徳島県内施工工事の元請完成工事高(建設-6)完成工事高

(2)徳島県業者の元請完成工事高

(億円)

民間民間

(%) (%)

(年度)

14 15 16

14 15 1613 15 1614122002 03 04 05 06 07 08 09 10 11

13122002 03 04 05 06 07 08 09 10 11

13122002 03 04 05 06 07 08 09 10 11

(年度)

(億円)

(年度)

民間民間

(3)徳島県業者の下請完成工事高と比率(億円) (%)

(建設-7)新設住宅着工戸数の推移 徳島県(戸)

資料:国土交通省「建設工事施工統計調査報告」 資料:国土交通省「住宅着工統計」

比率=下請工事完成高完成工事高

総数

持家

貸家

分譲給与

(年度)

公共公共 公共公共

2003 16 171504 05 06 07 08 09 10 11 12 14130

1000

2000

3000

4000

5000

6000

0

0

10

20

30

40

50

60

0

10

20

30

40

50

60

徳島

全国

0

10

20

30

40

50

徳島

全国

維持・補修の割合

公共依存度

公共依存度

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

(建設-5)建設投資額(出来高ベース)と公共工事比率(億円)

民間(住居用) 民間(住居用以外)

(%)

(年度)14 15 161312200203 04 05 06 07 08 09 10 11

公共(土木)公共(建築)

資料:国土交通省「建設総合統計」

0

10

20

30

40

50

60

70

徳島

全国

公共工事比

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76

 製造業の県内総生産(2015年度名目)は8,582億円で、徳島県全体(3兆837億円)の27.8%を

占める重要な産業であり、構成比は比較可能な9年前(2006年度25.0%)と比較すると2.8ポ

イント高くなっている。経済センサス(2016年・民営)によれば、事業所数は2,715で県内全

体の7.5%、従業者数は52,964人(17.3%)である。

 徳島県の製造品出荷額等(2016年・従業者4人以上の事業所・工業統計調査確報)は1兆

7,002億円(全国シェア0.56%・41位)、付加価値額は7,595億円(0.78%、33位)であるが、従

業者1人当たりで見ると(従業者数は17年6月時点で47,175人)、出荷額等は36.0百万円で21

位、付加価値額は16.1百万円で4位となっている(製造-1)。

 業種別にみると、本県の中心をなす化学は、事業所が42で全体1,146の3.7%、従業者は

6,995人で14.8%、出荷額は5,358億円で31.5%、付加価値額は3,512億円で46.2%を占めてい

る。次の中心である電子部品・デバイス・電子回路は、事業所が11で全体の1.0%、従業者

は8,154人で17.3%、出荷額は3,134億円で18.4%、付加価値額は1,259億円で16.6%である。

他に出荷額1千億円以上は、食料品が1,422億円(従業者15.0%、出荷額8.4%、付加価値額

6.3%)、パルプ・紙・紙加工品が1,201億円(同様に5.0%、7.1%、4.2%)、電気機械が1,056億

円(同様に5.5%、6.2%、3.0%)であった。なお、全国で最も出荷額の多い輸送機器(65兆円)

は、徳島県では158億円にとどまる(製造-3)。

 1事業所当たりの従業者数は、徳島県は41.2人で、全国平均39.6人をやや上回る。中でも、

電子部品・デバイス・電子回路が741.3人(全国98.8人)、化学が166.5人(同77.8人)、パルプ・

紙・紙加工品が69.9人(同33.2人)、電気機械が65.2人(同56.1人)となっており、徳島県にお

ける出荷額が上位の業種においては、食料品(徳島26.8人、全国44.4人)を除いて1事業所当

たりの従業者規模は全国平均よりも大きい。

 なお、かつて地場産業といわれた家具や木材は、出荷額の特化係数は高い。しかし、出荷

額や付加価値額の県内シェアはわずかである(製造-2)。

■製品ランキング

 徳島県の工業製品のうち、出荷額が大きいもの、全国に占める比率が高いもの、出荷額の

都道府県別順位が高いものを(製造-4)にまとめた。

 出荷額で上位を占める製品を産出している企業としては、「医薬品製剤」の大塚製薬グ

ループや富田製薬、「発光ダイオード」の日亜化学工業、「ラジアル玉軸受」のジェイテク

ト、「ブロイラー加工品」の丸本、「大人用紙おむつ」のリブドゥコーポレーションなどが挙

げられる。(「他に分類されない無機化学工業製品」の具体的な品目は不明)(県内に本社が

製造業

Page 31: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

77

(製造-2)出荷額とその特化係数(2016年)

特化係数

特化係数

生産

木材

家具

化学

電気

電子

食料

汎用

繊維

繊維

プラ金属

ゴム 飲料土石

印刷鉄鋼

輸送業務

石油

従業者数(右目盛)

出荷額等

出荷額

出荷額 (億円)

(億円)

(年)

(万人)(億円)

注1:製造品が複数の品目にわたる事業所の場合、最大の製造品出荷額に分類される。注2:なめし皮・毛皮、非鉄金属、情報通信は、計数秘匿。資料:経済産業省「平成29年工業統計調査確報」

注1:「出荷額等」は、当該年の1年間の金額。注2:「従業者数」は、2014年までは当該年の12月31日時点、16年以降は6月1日時点での数値(15年は調査なし)。出所:経済産業省「工業統計調査」、総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」

特化係数=当該項目の県内構成比当該項目の全国構成比

資料:経済産業省「平成29年工業統計調査確報」

0 100 200 300 400 500 6000.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

0 200 400 600 8000.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

(製造-3)業種別構成比(%)

徳島事業所数(2017.6)

従業者数(2017.6)

製造品出荷額等(2016)

付加価値額(2016)

全国 徳島 全国 徳島 全国 徳島 全国0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100その他輸送用機械電気機械電子・デバイス生産用機械金属化学パルプ・紙家具木材・木製品繊維食料品

9.99.9

22.922.9

7.27.26.96.9

8.78.76.56.5

24.324.3

6.46.4

13.313.3

13.413.4

9.79.7

4.44.45.25.2

34.834.8

14.814.8

5.05.0

4.34.3

15.015.0

6.66.65.05.0

5.55.5

17.317.3

18.518.5

4.74.7

14.914.9

7.87.87.87.8

5.25.2

14.014.0

6.36.3

30.930.9

8.48.4

7.17.1

31.531.5

4.24.2

15.015.0

6.26.2

18.418.4

9.09.0

9.49.4

4.84.86.06.0

21.521.5

5.45.44.84.8

33.833.8

6.36.3

46.246.2

12.212.2

16.616.6

5.95.9

11.411.4

10.110.1

7.07.05.45.4

18.218.2

5.65.6

31.031.0

(製造-1)従業者、出荷額等の推移

02,0004,0006,0008,00010,00012,00014,00016,00018,00020,00022,000

0

1

2

3

4

5

2006 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17

汎用

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78

(製造-4)徳島県の出荷品目(2015年)(1)出荷額が上位の品目──100億円以上

382,012251,82262,20146,60927,00926,57626,43424,42717,79417,52117,44714,69214,63214,19411,87311,85911,23910,42510,10610,008

6,910,731393,911677,394478,351601,396126,9871,031,1011,661,809224,824765,5521,557,3203,073,516180,682223,104190,30924,331227,030264,729349,3241,573,355

5.563.99.29.74.520.92.61.57.92.31.10.58.16.46.248.75.03.92.90.6

71136212285726352551771237

1331051235741734441054325356

品     目出荷額(百万円)

徳島県 全 国全国比(%) 全国順位 産出事業所数

(2)出荷額の対全国比が高い品目──8%以上

281211 発光ダイオード114111 綿・スフ・麻織物精練・漂白・染色118112 足袋類(類似品、半製品を含む)149931 大人用紙おむつ264213 合板機械(繊維板機械を含む)132111 宗教用具259411 ラジアル玉軸受(軸受ユニット用を除く)093112 果実缶詰(瓶詰・つぼ詰を含む)162949 他に分類されない無機化学工業製品244322 金属製サッシ・ドア

251,82211,859442

26,5763,6914,12246,6093,26462,20114,632

393,91124,3311,673126,98719,28434,970478,35135,490677,394180,682

63.948.726.420.919.111.89.79.29.28.1

1122223212

品     目出荷額(百万円)

徳島県 全 国全国比(%) 全国順位

3343324581010

産出事業所数

31033102438454

産出事業所数

(3)出荷額の全国順位が高い品目──3位以内

281211 発光ダイオード162949 他に分類されない無機化学工業製品114111 綿・スフ・麻織物精練・漂白・染色149931 大人用紙おむつ244322 金属製サッシ・ドア132111 宗教用具264213 合板機械(繊維板機械を含む)093112 果実缶詰(瓶詰・つぼ詰を含む)118112 足袋類(類似品、半製品を含む)259411 ラジアル玉軸受(軸受ユニット用を除く)165411 生薬・漢方

251,82262,20111,85926,57614,6324,1223,6913,264442

46,6093,816

393,911677,39424,331126,987180,68234,97019,28435,4901,673478,351200,009

63.99.248.720.98.111.819.19.226.49.71.9

11122222233

品     目出荷額(百万円)

徳島県 全 国全国比(%) 全国順位

165211 医薬品製剤(医薬部外品製剤を含む)281211 発光ダイオード162949 他に分類されない無機化学工業製品259411 ラジアル玉軸受(軸受ユニット用を除く)091911 ブロイラー加工品(解体品を含む)149931 大人用紙おむつ091212 肉製品289929 他に分類されない電子部品・デバイス・電子回路101111 炭酸飲料097919 他に分類されない菓子099939 その他の製造食料品151111 オフセット印刷物(紙に対するもの)244322 金属製サッシ・ドア142123 雑種紙166219 その他の頭髪用化粧品114111 綿・スフ・麻織物精練・漂白・染色133111 建具(金属製を除く)259413 ころ軸受(軸受ユニット用を除く)259415 玉軸受・ころ軸受の部分品091111 部分肉、冷凍肉(ブロイラーを除く)

注:従業者4人以上の事業所  (1)~(3)の全国順位は、秘匿の県を除いた順位資料:総務省・経済産業省「平成 28 年経済センサス-活動調査」、経済産業省「我が国の工業」(2011年)

(4)2015年計数秘匿品のうち、出荷額全国シェア1~3位の品目(2008年)

ゴム草履・スリッパ(スポンジ製のものを含む)高級アルコール(還元、蒸留)その他の繊維板綿織物製下着シリコマンガン

22222

11222

品     目 品     目 全国順位全国順位

厚形スレート塩合成繊維紡績糸織物精練・漂白・染色、麻風合成繊維織物機械整理仕上フェロマンガン歯ブラシ

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79

あるものについては、「特色ある県内企業」の項目参照)。

 徳島県発行の『徳島県の商工業2009』によると、地場産業とは、①地元資本をベースと

する同一業種の中小企業が一定の地域(概ね県内)に集積しつつ、②地域内に産出する物産

等を主原料として、また、蓄積された経営資源(技術、労働力、資本等)を活用して、他地

域からの原材料の移入を加え、③これらを加工し、④その製品の販路として、地域内需要

のみならず地域外需要を指向するもの、とされ、5カテゴリーで23業種(業種というよりは

個別の製品に近い)が選定されている。(製造-4)に見える「果実缶詰」、「宗教用具」、「足

袋類」、「建具」のほか、「木製机・テーブル・いす」(14事業所、出荷額41億円、全国シェ

ア2.7%)などが該当するが、産地としての集積力は失われてきている。

■市町村別製造品出荷額等

 県内市町村で2015年の出荷額が1,000億円を超えるのは、徳島市(4,857億円)、阿南市

(3,029億円)、鳴門市(2,928億円)で、これら3つの市で県全体(1兆6,985億円)の63.7%を占

める(2015年・従業者4人以上の事業所・経済センサス)(製造-5・6)。 

 この2015年の3市の出荷額について、徳島市は、05年からの10年間で+12.9%と伸びて

いるが、前年と比べると△8.7%であった。阿南市(旧那賀川町、羽ノ浦町を含む)は、この

10年間で△18.9%、前年比では△0.2%であった。鳴門市は、この10年間で約2.7倍、前年比

+2.9%となった。この増加は、日本たばこ産業徳島工場の撤退後(05年3月)、同跡地に立

地した日亜化学工業の生産が大きく寄与しているものと思われる。

 徳島市は、出荷額は4,857億円であり、県内全体の約3割を占める中心の工業地であるこ

とが示されている。中でも、化学の出荷額は3,366億円で徳島市の約7割、徳島県製造業全

体の約2割を占める。他の業種では、飲料・たばこ・飼料(243億円)、食料品(234億円) 、生

産用機械(152億円)、印刷・同関連(145億円)、パルプ・紙・紙加工品(142億円)、木材・木

製品(130億円)が100億円を上回っている(製造-9)。阿南市の出荷額は3,029億円であり、

業種別に見ると、電子部品・デバイス・電子回路(1,428億円)、パルプ・紙・紙加工品(554

木工関係 木製家具、仏壇、木製建具、銘木

食品関係 野菜果実缶詰、野菜漬物、清酒、味噌、加工海草(わかめ)

繊維関係 縫製品、敷物 

機械・金属関係 一般機械器具、金属製品

その他特産品 水産練製品、足袋、醤油・ソース、阿波しじら織、大谷焼、手漉和紙、粘土瓦、半田素麺、竹製品、藍染め

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80

億円)、繊維(149億円)が100億円を上

回っている。鳴門市の出荷額は2,928億

円であり、化学(596億円)、パルプ・紙

・紙加工品(187億円)、プラスチック製

品(155億円)、輸送用機械(101億円)が

100億円を上回っている(電子部品・デ

バイス・電子回路、電気機械は秘匿)。

   (蔭西義輝)

0

20

40

60

80

100

(製造-6)市町村構成比(出荷額順)(%)

事業所数(2016.6)

1,335従業者数(2016.6)

45,087製造品出荷額等(2015)

16,985現金給与総額(2015)

1,962原材料使用額等(2015)

7,603粗付加価値額(2015)

8,948推計人口(2016.6)

751,357

その他北島町美馬市小松島市阿波市板野町松茂町藍住町鳴門市阿南市徳島市

(人) (億円) (億円) (億円) (億円) (人)

27.627.619.319.3

12.312.3 13.713.7 16.016.09.19.1

22.722.7

7.87.8

4.64.62.02.01.81.84.94.95.15.14.04.03.03.0

9.79.7

34.334.3

4.74.73.23.2

5.95.92.62.6 1.81.83.03.0

2.12.1

19.619.6

11.311.3

36.936.9

3.23.21.41.4 3.63.64.54.52.82.8

2.92.9

6.16.1

15.115.1

26.926.9

17.617.6

4.74.71.71.7

4.04.03.13.1

2.82.82.92.9

7.47.4

11.311.3

24.924.9

23.423.4

4.14.14.04.03.13.1

3.03.02.92.9

2.52.5

4.54.5

17.217.2

17.817.8

28.628.6

3.93.9

2.62.63.13.1

4.14.15.55.51.81.8

5.95.9

10.310.3

22.022.0

21.521.5

6.36.32.02.02.52.53.23.2

3.43.42.12.1

6.46.4

9.89.8

9.69.6

27.027.0

(製造-5~6)資料:総務省・経済産業省「平成28年経済センサス-活動調査」、           徳島県統計データ課「推計人口(2016.6.1)」

0

5

10

15

20

25

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17

2005 151406 07 08 09 10 11 12 13

(年)

(年)

(製造-7)工場立地の推移(件数、面積)(太陽光発電所を除く)

(製造-5)製造品出荷額等の推移件数

件数(左目盛)

面積(右目盛)

徳島市

資料:経済産業省・四国経済産業局「工場立地動向調査」

面積(ha)(億円)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

阿南市

松茂町

鳴門市

藍住町

小松島市

0

5

10

15

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81

■卸売業の特徴

 徳島県内の卸売業(2014年)の商店数は2,167店、従業者数は16,299人、年間商品販売額は

約7,229億円となっている(卸小売-1)。

 卸売業の規模を全国平均と比較してみると、一店あたり従業者数は全国平均を下回ってお

り、全国平均を100とすると73の規模となっている。また、一店あたりの販売額は36、従

業者一人あたりの販売額は49とそれぞれ全国平均の半分以下の小規模といえる。

 業種別に見ると、商店数、従業者数、年間商品販売額とも飲食料品卸売業の占める割合が

最も高く、特に年間商品販売額では全体の約4割を飲食料品卸売業が占めており、全国と比

較しても特徴的である。これは徳島県には各種商品卸売業や機械器具卸売業が相対的に少な

いことと農水産物の移出県であることを反映している。次に高い割合を占めるのが、建築材

料・鉱物・金属材料等卸売業、その他の卸売業、機械器具卸売業となっている。その他の卸

売業には、医薬品などが含まれており、これらは徳島県の消費構造を反映している。このよ

うに、卸売業は地域の産業構造や消費構造と連動して発展するという一面を持っている(卸

小売-2)。

卸売・小売業

(卸小売-2)卸売業の業種別概要(2014年)

業  種

項  目 事 業 所 数 従 業 者 数 年間商品販売額

実数(店) 構成比(%) 実数(人) 構成比(%) 実数(百万円) 構成比(%)

9

59

455

316

344

333

0.6

3.9

30.0

20.8

22.7

22.0

0.6

2.6

30.1

19.5

23.9

23.4

0.4

1.0

37.0

22.1

18.8

20.6

67

309

3,514

2,274

2,787

2,734

2,893

7,034

267,649

160,059

135,984

149,242

資料:経済産業省「商業統計」

各 種 商 品 卸 売 業

繊 維 ・ 衣 服 等 卸 売 業

飲 食 料 品 卸 売 業

建築材料・鉱物・金属材料等卸売業

機 械 器 具 卸 売 業

そ の 他 の 卸 売 業

資料:経済産業省「商業統計」

(卸小売-1)卸売業の概要

従業者数(人)

16,291

16,299

事業所数(店)

1,981

2,167

2007 年

2014 年

年間商品販売額(百万円)

929,526

722,860

Page 36: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

82

 卸売業は縮小しておりその背景には、業界全体に生じている合併等による再編や近年の流

通経路の短縮化などがある。流通経路の短縮化には、一次卸、中間卸、最終卸と多段階にわ

たる流通経路から中間卸などが排除されるケースや、小売業がメーカーから直接仕入れたり

海外から直輸入したりする、いわゆる中抜きといったケースがある。また徳島県の卸売業者

は、県内の小売業者を主な販売先としていることから、小売業者の衰退が中小の卸売業者を

転廃業に追い込んでいるケースも見受けられる。

■小売業の特徴

 徳島県内の小売業(2014年)の商店数は7,818店、従業者数は44,700人、年間商品販売額は

6,205億円となっている(卸小売-3)。

 小売業の規模を全国平均と比較してみると、一店あたり従業者数は全国平均を下回ってお

り、全国平均を100とすると76となっている。また、一店あたりの販売額は67、従業者一人

あたりの販売額は87、売場面積あたりの販売額は73とそれぞれ全国平均を下回っている。

 業種別に見ると、商店数、従業者数、年間商品販売額、売場面積のいずれも飲食料品小売業と

その他の小売業の占める割合が高く、全体の約7割をこれら2業種が占めている(卸小売-4)。

資料:経済産業省「商業統計」

(卸小売-3)小売業の概要

年間商品販売額(百万円)

732,009

620,477

従業者数(人)

46,534

44,700

事業所数(店)

9,001

7,818

売場面積(㎡)

1,088,413

942,996

2007 年

2014 年

(卸小売-4)小売業の業種別概要(2014年)

業  種

項  目 事 業 所 数 従 業 者 数 年間商品販売額 売場面積

実数(店)構成比(%)実数(人)構成比(%)実数(百万円) 実数(㎡)構成比(%)構成比(%)

8

739

1,779

821

2,353

153

0.1

12.6

30.4

14.0

40.2

2.6

2.2

8.4

38.7

13.8

34.0

3.0

7.0

14.2

32.6

10.9

35.3

5.6

6.2

32.6

18.5

33.3

3.8

727

2,813

12,941

4,606

11,363

993

34,665

38,527

202,576

114,664

206,578

23,467

65,600

134,067

307,743

102,737

332,849

資料:経済産業省「商業統計」

各 種 商 品 小 売 業

織物・衣服・身の回り品小売業

飲 食 料 品 小 売 業

機 械 器 具 小 売 業

そ の 他 の 小 売 業

無 店 舗 小 売 業

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83

■大型店舗の立地

 2000年6月から始まった大規模小売店舗立地法に基づく店舗面積1,000㎡超の大型店の県

内初出店は、愛媛県の大手スーパーのフジ(本社:松山市)が2001年11月に北島町にオープ

ンした「フジグラン北島」で、複合映画館(シネマコンプレックス)などの娯楽施設を併設し

たショッピングセンター(店舗面積18,828㎡)である。その後、2003年12月には香川県の大

手スーパーのマルナカ(本社:高松市)が徳島市西新浜町に大型店を出店したほか、2005年

7月には家電量販店の最大手であるヤマダ電機(本社:前橋市)が藍住町に出店するなど、県

外資本の進出が相次いでいる。2018年4月末現在、102店舗が出店及び出店予定である。

 2011年11月には、藍住町奥野にイズミ(本社:広島市)が163の専門店と直営店からなる県内

最大のショッピングセンター「ゆめタウン徳島」(敷地面積約8万㎡、延床面積14万4千㎡、店

舗面積4万㎡、4階建て(1,2階が店舗、3,4階が駐車場)、駐車場約3,700台)を開店した。

 徳島市南末広町のリバーシティ徳島(ジャスコ徳島店を核とするショッピングセンター、2009

年に閉店)跡地に2017年4月27日にイオンモール徳島がグランドオープンした。敷地面積5万

1,400㎡、5階建ての商業施設と6階建ての立体駐車場からなり、延床面積は12万3,020㎡、店

舗面積は3万6,405㎡、駐車場は2,688台である。店舗はスーパー「イオン スタイル ストア」を

はじめ専門店が151店舗、5階にはシネマコンプレックスが入っている。

■商業集積地区

 経済産業省「商業統計調査」によると、2014年7月現在、徳島県内には71の商業集積地

区がある。

 商業集積地区のうち、小売業の総売場面積が最も大きいのは徳島市の元町商店街(そごう、

アミコ等)で27,580㎡である。次いで藍住町のゆめタウンとくしまが24,620㎡、北島町のフ

ジグラン北島の19,200㎡、石井町のフジグラン石井の18,029㎡となっており、徳島市外で規

模の大きな商業集積地区が多く存在する。なお、徳島市のイオンモール徳島はオープンが

2017年であるので2014年の商業統計調査には当然含まれていない。

(注)商業集積地区とは都市計画法に定める「用途地域」のうち、商業地域及び近隣商業地域であって、商店街を形成している地区をいう。概ね一つの商店街を一つの商業集積地区とする。一つの商店街とは、小売店、飲食店及びサービス業を営む事業所が近接して30店舗以上あるものをいう。また、「一つの商店街」の定義に該当するショッピングセンターや多事業所ビル(駅ビル、寄合百貨店等)は、原則として一つの商業集積地区

とする。

(大谷 博)

Page 38: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

84

(卸小売-5)市町村別小売業の概要(2014年)

市町村項 目 事 業 所 数(店) 従 業 者 数(人) 年間商品販売額

(百万円) 売場面積(㎡) 吸引力指数

1,773465293564309213315333461917173661157085120851432597374120123

11,5792,6161,6312,8101,5531,1281,5971,2441673943

1,1751582892302664926941,1862,361490507464724

232,26841,24828,94349,13732,88418,08832,44219,3101,529197–

22,201–

3,3831,9733,1297,23714,39823,18349,44010,39210,7095,06711,420

293,35569,30744,18785,01652,98434,64443,70732,5774,420646970

41,9174,3575,3633,7005,76413,95621,61345,94088,1979,47915,7338,85916,305

109.285.091.082.096.859.4129.888.135.415.6–

105.6–49.356.754.095.1115.4125.3173.094.6108.769.595.0

注:吸引力指数=(当該市町村の商品販売額÷当該市町村の人口)÷(徳島県全体の商品販売額÷徳島県の総人口)資料:経済産業省「商業統計」

徳 島 市鳴 門 市小 松 島 市阿 南 市吉 野 川 市阿 波 市美 馬 市三 好 市勝 浦 町上 勝 町佐那河内村石 井 町神 山 町那 賀 町牟 岐 町美 波 町海 陽 町松 茂 町北 島 町藍 住 町板 野 町上 板 町つ る ぎ 町東みよし町

(卸小売−6−1)商業集積地区の事業所数、就業者数、年間商品販売額、売場面積(2014年)

小売業計 このうち大規模小売店舗

事業所数 就業者数(人)

年間商品販売額

(百万円)売場面積(㎡)

店舗数大規模小売店内の事業所数

従業者数(人)

年間商品販売額

(百万円)売場面積(㎡)

徳島市

中洲総合水産市場 10 35 258 205 - - - - -

両国本町商店街 19 45 519 1,306 - - - - -

徳島駅前一番町商店街 7 19 171 226 - - - - -

寺島本町東三丁目商店街 3 8 83 193 - - - - -

徳島ターミナルビル 26 137 1,999 2,843 1 26 128 1,999 2,843

元町商店街 49 1,764 22,150 27,580 1 41 461 21,679 27,000

ポッポ街商店街 7 28 306 800 - - - - -

両国橋南商店街 9 35 531 583 - - - - -

仲之町商店街 13 33 361 665 - - - - -

二軒屋商店街 16 50 368 1,764 - - - - -

西新町一丁目商店街 5 22 168 412 - - - - -

東新町1丁目商店街 17 94 2,422 2,618 - - - - -

東船場商店街 4 8 468 366 - - - - -

東新町2丁目商店街 4 13 97 362 - - - - -

籠屋町商店街 9 30 184 876 - - - - -

銀座商店街 9 29 364 422 - - - - -

佐古一~三番町商店街 10 77 549 389 - - - - -

Page 39: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

85

小売業計 このうち大規模小売店舗

事業所数 就業者数(人)

年間商品販売額

(百万円)売場面積(㎡)

店舗数大規模小売店内の事業所数

従業者数(人)

年間商品販売額

(百万円)売場面積(㎡)

徳島市

蔵本商店街 24 68 1,401 1,669 1 1 4 × ×

沖浜商店街 27 389 8,642 15,587 3 4 87 × ×

通町3丁目商店街 16 39 1,032 887 - - - - -

新町ろくえもん商店街 9 24 388 679 - - - - -

富田町商店街 6 14 50 211 - - - - -

南二軒屋商店街 8 49 695 1,406 1 1 27 × ×

マルナカ徳島店 13 330 6,110 16,433 1 13 317 6,110 16,433

徳島市計 320 3,340 49,315 78,482 8 86 1,024 33,013 52,732

鳴門市

板東商店街 13 45 322 710 - - - - -

ハッピーロード商店街 15 118 1,852 6,319 1 3 73 1,208 5,173

サンロード商店街 12 53 585 1,128 - - - - -

大道商店街 14 64 626 2,325 - - - - -

新黒崎商店街 29 236 4,964 6,590 3 5 49 1,263 3,064

鳴門市計 83 516 8,349 17,072 4 8 122 2,471 8,237

小松島市

北町商店街 6 29 155 839 - - - - -

領田商店街(ルピア) 17 137 2,729 4,513 1 15 107 × ×

小松島市計 23 166 2,884 5,352 1 15 107 × ×

阿南市

富岡商店街 78 515 7,724 12,088 2 2 99 × ×

橘商店街 3 7 40 56 - - - - -

西路見テナント街 21 185 3,377 5,520 1 17 161 3,196 5,006

フジグラン周辺商店街 12 167 3,565 12,301 2 8 150 3,422 11,697

羽ノ浦商店街 25 68 532 1,843 - - - - -

国道55号線沿宮倉パル付近 13 169 2,791 6,969 3 5 137 × ×

見能林商店街 14 109 2,853 399 - - - - -

阿南市計 166 1,220 20,882 39,176 8 32 547 11,332 25,216

吉野川市

銀座通り商店街 9 17 163 625 - - - - -

八幡通り商店街 5 41 574 1,996 - - - - -

本郷商店街 5 16 279 1,192 - - - - -

アクアシティ 16 65 439 2,264 1 16 62 439 2,264

湯立 14 38 767 1,386 - - - - -

前川 12 188 2,706 8,100 2 2 110 × ×

吉野川市計 61 365 4,928 15,563 3 18 172 × ×

美馬市

脇町東商店街 19 98 1,919 3,692 1 11 84 1,840 2,902

脇町西商店街 23 89 960 903 - - - - -

拝原商店街 49 477 8,740 13,731 2 9 215 4,273 8,649

美馬市計 91 664 11,619 18,326 3 20 299 6,113 11,551

(卸小売−6−2)商業集積地区の事業所数、就業者数、年間商品販売額、売場面積(2014年)

Page 40: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

86

資料:経済産業省「商業統計」

小売業計 このうち大規模小売店舗

事業所数 就業者数(人)

年間商品販売額

(百万円)売場面積(㎡)

店舗数大規模小売店内の事業所数

従業者数(人)

年間商品販売額

(百万円)売場面積(㎡)

三好市

駅前商店街 23 52 392 2,089 1 2 8 × ×

銀座商店街 12 25 90 617 - - - - -

栄町商店街 3 9 81 213 - - - - -

大通商店街 6 22 108 166 - - - - -

新町商店街 12 96 1,767 2,285 2 5 83 × ×

川口商店連盟 11 51 407 1,260 - - - - -

井川町商店街 14 46 583 274 - - - - -

三好市計 81 301 3,429 6,904 3 7 91 1,807 1,942

勝浦町 勝浦中央商店街 16 51 461 1,115 - - - - -

石井町

石井商店街 35 310 4,422 8,246 2 2 67 × ×

フジグラン石井 22 265 6,104 18,029 2 22 242 6,104 18,029

石井町計 57 575 10,526 26,275 4 24 309 × ×

神山町 神領寄井商店街 10 32 293 783 - - - - -

那賀町

和食商店街 24 78 588 812 - - - - -

延野商店街 14 49 590 742 - - - - -

仁宇・阿井商店街 8 13 40 349 - - - - -

平谷商店街 9 16 60 222 - - - - -

那賀町計 55 156 1,278 2,125 - - - - -

美波町 桜町地区 19 56 710 1,418 - - - - -

海陽町

奥浦商店街 16 60 357 1,641 1 4 17 185 569

宍喰商店街 17 56 829 1,162 - - - - -

海陽町計 33 116 1,187 2,803 1 4 17 185 569

松茂町 広島商店街 12 87 1,831 5,352 1 1 40 × ×

北島町

フジグラン北島 23 298 6,571 19,200 1 21 249 × ×

北高ロード商店街 16 80 2,544 4,145 1 5 38 × ×

北島町計 39 378 9,115 23,345 2 26 287 8,943 22,228

藍住町 ゆめタウン徳島 73 773 15,700 24,620 1 72 756 × ×

板野町 大寺本町商店街 25 206 3,391 4,567 2 2 119 × ×

徳島県計 1,164 9,002 145,898 273,278 41 315 3,890 94,758 190,241

(卸小売−6−3)商業集積地区の事業所数、就業者数、年間商品販売額、売場面積(2014年)

Page 41: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

87

 産業構造の変化においては、生産額、就業者数とも製造業の比率が低下し、サービス業

を中心とする第三次産業の比率が上昇する、いわゆる「経済のサービス化」がよく知られ

ている。この基本的な要因は、経済発展による所得水準の向上に伴い、消費需要の質が変

化することにあるとされるが、近年では、すでに生活必需品のみならず、家電製品や自動

車等の工業製品が一通り普及したことから、物質的な欲求は一応充足され、より個別的に

多様なニーズを満たすサービスへの欲求が高まっている。

 こうした様々なサービス需要に応える供給側の産業として、サービス業は第1次、第2次

産業からの労働力を吸収しながら成長を続け、今日の日本経済における重要な産業となっ

た。徳島県においても、経済全体に占めるサービス業のウェイトは高く、地域経済を支え

る産業として、その発展が期待されている。

 ところで、一口にサービス業といってもその提供する「サービス」は、まさに多種多様

である。クリーニングや理容・美容業、家事支援サービスといった生活関連サービスがあ

れば、映画館、遊園地などの娯楽業や旅行、ホテル・旅館といった観光関連もある。また、

労働者派遣業や警備業、情報サービス業といった対事業所サービス、さらには医療、福祉

の分野なども広義においてはサービス業に含まれ、その具体的内容は多岐にわたっている。

 サービス業は、人々の意識や欲求を強く反映する産業であり、その時代のライフスタイ

ルや生活習慣の変化にも敏感である。少子化や高齢化の進展、核家族化、高学歴化、女性

の社会進出、ITの普及といった社会的変化は、消費者の新たなニーズを生み、これに呼

応するかたちで、現在もまた新たなビジネスが誕生している。新規参入が比較的容易であ

る反面、流行の変化も激しいことなどがこの産業の特性と言える。

 一方でサービス業の多くは労働集約型であり、医療・福祉分野に限らず、もはや多くの

業種で人手不足が顕在化しており、機械化やシステム化などの省力化が必要である。また

人材育成の教育やカリキュラム整備なども遅れており、人材育成も課題となっている。

 

■サービス業の範囲と産業分類改定

 日本標準産業分類は1949年の設定以来、日本の産業構造の変化を踏まえ、その都度改定

が重ねられてきたが、2002年3月の第11回改定において、当時のサービス業のウェイト上

昇を背景として、産業大分類の項目数が従前の14から19に増加された。すなわちそれまで

の大分類「サービス業」が、新設された5つの大分類項目「情報通信業」、「飲食店,宿泊

業」、「医療,福祉」、「教育,学習支援業」、「複合サービス事業」と、残余の「サービス業」

(他に分類されないもの)の計6項目に分割された。その際「医療,福祉」、「教育,学習支援

サービス業

Page 42: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

88

業」は、従前の「サービス業」からの移行、分離であったが、「情報通信業」や「飲食店,宿

泊業」、「複合サービス事業」、残余の「サービス業」(他に分類されないもの)は、旧「運輸・

通信業」や「卸売・小売業、飲食店」など、従前の「サービス業」以外からの移行も一部含

まれている。一方で、旧「サービス業」の駐車場業は「不動産業」へ移され、残余の「サー

ビス業」(他に分類されないもの)から逆に外れるなど、業種が一部シャッフルされた。

 その後2007年11月の第12回改定においても、経済のサービス化の進展に伴う産業構造の

変化に適合させるため、また同時に国際的な産業分類との比較を可能とするため、「学術研

究,専門・技術サービス業」と「生活関連サービス業,娯楽業」の2つの大分類を新設、分

離するなど、大幅な見直しがなされており、産業分類における「サービス業」の取り扱い

には注意を要する(サービス業-1)。なお日本標準産業分類は2013年10月にも第13回改定

(現行)がなされたが、サービス業の分類については変更されていない。※本稿での「サービス業」は、便宜的に、第12回改定後の「情報通信業」「学術研究,専門・技術サービス業」「宿

泊業,飲食サービス業」「生活関連サービス業,娯楽業」「教育,学習支援業」「医療,福祉」「複合サービス事

業」「サービス業(他に分類されないもの)」の大分類8項目と、「不動産業,物品賃貸業」における「物品賃貸

業」の中分類1項目とを合算して取り扱っている。

 

■徳島県のサービス業の特徴

 2014年における徳島県のサービス業(民営)は、事業所数が17,017事業所で県内全産業の

45.6%、従業者数は138,774人で同44.4%を占めており、どちらも全産業の中で最もウェイ

トの高い産業となっている。一方県内総生産では(産業構造-6参照)、2015年度のサービ

ス業は全産業の27.8%(同年度の県民経済計算における情報通信業同2.5%とサービス業同

25.3%の合計)と、製造業(同27.8%)と同じ割合を占めている。

 次にサービス業の事業所数全体を100とした業種別の内訳を見ると(サービス業-2)、飲

食店が22.6%と最も多く、以下、洗濯・理容・美容・浴場業(17.5%)、医療業(10.0%)と続

き、これらの3業種で約半数を占めている。また従業者数の内訳では医療業(22.2%)、社会

保険・社会福祉・介護事業(17.2%)、飲食店(14.5%)の順となっている。

 従業者規模別による2014年の事業所割合を見ると(サービス業-3)、徳島県は1 ~ 4人規

模が66.0%と最も高く、次いで5 ~ 9人が16.7%、 10 ~ 19人が9.1%と続き、従業者規模10

人未満の事業所が全体の82.7%を占めている。また全国との比較においては、1 ~ 4人規模

の事業所割合が全国の割合よりも高く、相対的に小規模であることが分かる。同様に規模別

の従業者割合では、1 ~ 4人規模での割合が15.9%と最も高く、次いで10 ~ 19人が15.0%、

50 ~ 99人が13.5%、5 ~ 9人が13.4%と続き、従業者全体の29.3%が10人未満の事業所に従

事している。全国との比較では、10人未満の規模先は全国(24.1%)より徳島県の割合が高い

反面、100人以上の大規模先については全国(29.5%)の方が6.6ポイント高くなっている。

Page 43: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

89

}

}

{

〈第11回改定/2002.3告示、2002.10適用〉 〈第12回改定/2007.11告示、2008.4適用〉G 情報通信業 37 通信業 38 放送業 39 情報サービス業 40 インターネット附随サービス業 41 映像・音声・文字情報制作業

(H 運輸業,郵便業) 49 郵便業(信書便事業を含む)

(I 卸売業,小売業) 58 飲食料品小売業 61 無店舗小売業

(J 金融業,保険業)

K 不動産業,物品賃貸業 70 物品賃貸業

L 学術研究,専門・技術サービス業 71 学術・開発研究機関 72 専門サービス業(他に分類されないもの) 73 広告業 74 技術サービス業(他に分類されないもの)

M 宿泊業,飲食サービス業

 75 宿泊業 76 飲食店 77 持ち帰り・配達飲食サービス業

N 生活関連サービス業,娯楽業 78 洗濯・理容・美容・浴場業 79 その他の生活関連サービス業 80 娯楽業

O 教育,学習支援業 81 学校教育 82 その他の教育,学習支援業

P 医療,福祉 83 医療業 84 保健衛生 85 社会保険・社会福祉・介護事業

Q 複合サービス事業 86 郵便局 87 協同組合(他に分類されないもの)

R サービス業(他に分類されないもの) 88 廃棄物処理業 89 自動車整備業 90 機械等修理業(別掲を除く) 91 職業紹介・労働者派遣業 92 その他の事業サービス業 93 政治・経済・文化団体 94 宗教 95 その他のサービス業 96 外国公務

H 情報通信業 37 通信業

(I 運輸業)

(J 卸売・小売業) 57 飲食料品小売業

(K 金融・保険業)

(L 不動産業)

M 飲食店,宿泊業 70 一般飲食店 71 遊興飲食店 72 宿泊業

N 医療,福祉 73 医療業 74 保健衛生 75 社会保険・社会福祉・介護事業

O 教育,学習支援業 76 学校教育 77 その他の教育,学習支援業

P 複合サービス事業 78 郵便局(別掲を除く) 79 協同組合(他に分類されないもの)

Q サービス業(他に分類されないもの) 80 専門サービス業(他に分類されないもの) 81 学術・開発研究機関 82 洗濯・理容・美容・浴場業 83 その他の生活関連サービス業 84 娯楽業 85 廃棄物処理業 86 自動車整備業 87 機械等修理業(別掲を除く) 88 物品賃貸業 89 広告業 90 その他の事業サービス業 91 政治・経済・文化団体 92 宗教 93 その他のサービス業 94 外国公務

(サービス業-1)日本標準産業分類の新旧対照表(サービス業関連の変更点を中心に抜粋)

注:表中のアルファベットは大分類を、2ケタの数字は中分類を表す。注:本稿での「サービス業」は、便宜的に、第 12 回改定後の「G情報

通信業」「L学術研究,専門・技術サービス業」「M宿泊業,飲食サービス業」「N生活関連サービス業,娯楽業」「O教育,学習支援業」「P医療,福祉」「Q複合サービス事業」「Rサービス業(他に分類されないもの)」の大分類8項目と、「K不動産業,物品賃貸業」における「70 物品賃貸業」の中分類1項目とを合算して取り扱っている。

資料:総務省「日本標準産業分類」(2007年 11月改定)を参考に当研究   所作成

Page 44: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

90

■「経済センサス-基礎調査、活動調査」から見た事業所、従業者の推移

 徳島県内サービス業の事業所数、従業者数の推移を2009年~ 2014年の5年間で見てみる

と(サービス業-4、 5、 6)、事業所数は▲2.8%(全国▲1.5%)、従業者数は+3.3%(全国+

5.4%)と、いずれも全国の増減率を下回っている。事業所数を見ると、この間徳島県は「医

療,福祉」(+15.8%)のみが増加し、そのほかの業種はすべて減少している。一方の従業者

数は「医療,福祉」(+25.9%)に加え、「教育,学習支援業」(+33.1%)と「複合サービス

事業」(+5.5%)が増加しているが、後者の2業種は実体とは関係のない特殊要因から数字

上現れたに過ぎず、実質的には「医療,福祉」以外はマイナスとみられる(「教育,学習支

援業」については、これまで「国、地方公共団体等」として調査されていた国立大学法人

(サービス業-2)業種別に見る徳島県のサービス業(2014年、民営、中分類)〈事業所数〉 〈従業者数〉

資料:総務省「2014 年経済センサス-基礎調査」

その他24,98818.0%

その他2,75416.2%

医療業30,75022.2%

13万8,774人17,017事業所

飲食店20,09114.5%

飲食店3,83922.6%

洗濯・理容・美容・浴場業2,98317.5%

医療業1,70310.0%

社会保険・社会福祉・介護事業23,83017.2%

社会保険・社会福祉・介護事業1,1636.8%

宗教8835.2%

自動車整備業5983.5%

技術サービス業(他に分類されないもの)

6103.6%

政治・経済・文化団体4082.4%

持ち帰り・配達飲食サービス業4672.7%

専門サービス業(他に分類されないもの)

6123.6%

その他の事業サービス業7,8725.7%

その他の教育・学習支援業9975.9%

洗濯・理容・美容・浴場業6,7074.8%

学校教育5,5234.0%

娯楽業4,2153.0%

その他の教育・学習支援業3,9502.8%

持ち帰り・配達飲食サービス業3,6632.6%

技術サービス業(他に分類されないもの)

3,3582.4%

宿泊業3,8272.8%

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

全 国

徳島県

〈事業所割合〉

注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業-1)の範囲と同じ。資料:総務省「2014年経済センサス-基礎調査」

(サービス業-3)従業者規模別による事業所割合、従業者割合(2014年、民営)

(%)

(人)

1~4人59.5%

1~4人66.0%

5~9人16.7%

10~19人9.1%

5~9人19.1%

10~19人11.1%

20~29人  4.1%30~49人  2.9%50~99人  1.8%100~199人  0.7%200~299人  0.2%300人以上  0.2%出向・派遣従業者のみ   0.4%20~29人  3.2%30~49人  2.2%50~99人  1.6%100~199人  0.4%200~299人  0.1%300人以上   0.2%出向・派遣従業者のみ 0.4%

全 国

徳島県

〈従業者割合〉

(%)

1~4人15.9%

5~9人13.4%

10~19人15.0%

20~29人9.5%

30~49人9.9%

50~99人13.5%

100~199人7.3%

300人以上11.4%

1~4人11.9%

5~9人12.2%

10~19人14.6%

20~29人9.4%

30~49人10.5%

50~99人11.9%

100~199人9.1%

300人以上15.8%

200~299人 4.6%

200~299人 4.2%

(所)

Page 45: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

91

等が、経営組織の区分変更により民営事業所として「学校教育」に分類。また、「複合サー

ビス事業」は、2007年の郵政民営化に伴い国営の日本郵政公社が解散となり、事業内容に

よって民営の「複合サービス事業」(郵便局)と「運輸業,郵便業」(郵便業-信書便事業を

含む)に分割・再分類)。

 「医療,福祉」は、事業所数、従業者数ともに2009年→2012年→2014年と一貫して増加

しており、高齢化の進展による需要増を映して、医療業(病院、一般診療所など)や老人福

祉・介護事業(各介護施設、通所・短期入所介護事業、訪問介護事業など)が大幅に増加した

ほか、保育所などの児童福祉事業や障害者福祉事業なども大きく伸びている。これに対し、

「情報通信業」と「物品賃貸業」(中分類)は事業所数、従業者数とも2ケタ減の大幅マイナ

スとなった。情報通信業では通信業(電気通信に附帯するサービス業など)や情報サービス

業(ソフトウェア業など)などが、物品賃貸業では産業用機械器具賃貸業や各種物品賃貸業

などが、それぞれ大きく減少している。

 この内、県内サービス業の中で事業所数が多く、比較的雇用吸収力の高い「宿泊業,飲食

サービス業」や「生活関連サービス業,娯楽業」、「サービス業(他に分類されないもの)」な

どでは、2009年から2014年にかけて事業所数、従業者数ともそれぞれ減少傾向にある。宿

泊業,飲食サービス業では、旅館・ホテルなどの宿泊業が大きく減少したほか、食堂・レ

ストラン、喫茶店、酒場・ビヤホール、バー・ナイトクラブといった飲食店も減少した(一

方で専門料理店やそば・うどん店、すし店、配達飲食サービス業などは増加)。さらに生活

関連サービス業,娯楽業も、洗濯・理容・美容・浴場業や娯楽業などが急減しており、特に

スポーツ施設提供業(ゴルフ場、フィットネスクラブなど)や遊戯場(パチンコホール、ゲー

ムセンターなど)の落ち込みが目立っている。

 一般に多くのサービス業は、その商圏は比較的狭い範囲に限定されるため、地域の人口動

態や家計消費動向に左右されやすい面を持っている。今後人口減少の著しい地域ほど、サー

ビス業も急速に衰えていく可能性がある。

 

■県内総生産から見た徳島県のサービス業

 県内のサービス業を県内総生産の推移から見ると(サービス業-7)、医療、福祉分野の

「保健衛生・社会事業」や「教育」は近年右肩上がりで推移しているものの、「宿泊・飲食

サービス業」や「その他のサービス」(対個人サービスなど)は減少傾向となっている。

 今後有望視される分野としては、○高齢化の進展や健康への関心の高まりを背景とした

医療・介護・健康関連、○女性活躍社会を見据えた子育て・家事・生活関連、○外国人観

光客の増加が見込まれるインバウンド関連などが挙げられる。また近年ではIoT(モノのイ

ンターネット化)、ビッグデータ、AI(人工知能)といったIT技術の高度化やクラウドの普

及を背景に、情報通信業なども今後さらに伸びていくものと期待される。

Page 46: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

92

(サービス業-4)徳島県内サービス業の民営事業所数の推移

注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業-1)の範囲と同じ。資料:総務省「経済センサス-基礎調査、活動調査」

産 業 大 分 類事     業     所     数

2009 2012 20142009~2012 2012~2014

主な産業中分類(一部小分類を含む) 増減数(所)

増減率(%)

増減数(所)

増加率(%)

280 73221001966

2,391 216

1,335 3961045641

5,000 4174,229354

3,884 3,141374595915369101137

1,078 621,016 2,487 1,66616805 388 232156

2,834 138606188953994389637

17,502

26454211111259

2,280196

1,2402158939580

4,5983503,835376

3,6972,99733248 5816 357101129

1,05067983

2,5731,6131294632322994

2,7671296461598735543387415

16,708

24628211081673

2,264178

1,2721361237610

4,6603543,839467

3,6532,98333455641533696106

1,06366997

2,8791,70313

1,163369230139

2,6971475981519439740888319

17,017

▲ 5.7▲ 26.0▲ 4.511.0

▲ 36.8▲ 10.6▲ 4.6▲ 9.3▲ 7.1▲ 46.2▲ 3.4▲ 13.3▲ 9.5▲ 8.0▲ 16.1▲ 9.36.2

▲ 4.8▲ 4.6▲ 11.2▲ 18.6▲ 1.76.7

▲ 3.30.0

▲ 5.8▲ 2.68.1

▲ 3.23.5▲ 3.2▲ 25.017.5

▲ 16.8▲ 1.3▲ 39.7▲ 2.4▲ 6.56.6

▲ 15.4▲ 8.4▲ 11.0▲ 1.1▲ 9.2114.3

▲ 4.5

▲ 16▲ 19▲ 111▲ 7▲ 7

▲ 111▲ 20▲ 95▲ 18▲ 21▲ 6▲ 61▲ 402▲ 67▲ 39422

▲ 187▲ 144▲ 42▲ 11▲ 11

▲ 120

▲ 8▲ 28

5▲ 3386

▲ 53▲ 4141

▲ 65▲ 3▲ 62▲ 67▲ 940

▲ 29▲ 8▲ 44▲ 5▲ 898

▲ 794

▲ 6.8▲ 48.10.0

▲ 2.733.323.7

▲ 0.7▲ 9.22.6

▲ 38.13.9

▲ 5.15.21.31.10.124.2

▲ 1.2▲ 0.50.614.610.3▲ 6.3▲ 5.9▲ 5.0▲ 17.81.2▲ 1.51.411.95.68.322.914.20.447.9

▲ 2.514.0▲ 7.4▲ 5.08.011.8▲ 5.81.026.7

1.8

▲ 18▲ 260

▲ 3414

▲ 16▲ 1832▲ 823▲ 230624491

▲ 44▲ 14276

▲ 1▲ 21▲ 5▲ 2313▲ 11430690121746145

▲ 7018

▲ 48▲ 8742

▲ 2594

309

情 報 通 信 業通 信 業放 送 業情 報 サ ー ビ ス 業インターネット附随サービス業映 像・音 声・文 字 情 報 制 作 業不 動 産 業,物 品 賃 貸 業物 品 賃 貸 業学術研究,専門・技術サービス業学 術・開 発 研 究 機 関専 門 サ ー ビ ス 業広 告 業技 術 サ ー ビ ス 業宿 泊 業,飲 食 サ ー ビ ス 業宿 泊 業飲 食 店持ち帰り・配達飲食サービス業生活関連サービス業,娯楽業洗 濯・理 容・美 容・浴 場 業その他の生活関連サービス業( 旅         行         業 )( 葬         儀         業 )(結  婚  式  場  業)娯 楽 業( ス ポ ー ツ 施 設 提 供 業 )( 遊         戯         場 )教 育 , 学 習 支 援 業学 校 教 育そ の 他 の 教 育,学 習 支 援 業医 療 , 福 祉医 療 業保 健 衛 生社会保険・社会福祉・介護事業複 合 サ ー ビ ス 事 業郵 便 局協同組合(他に分類されないもの)サービス業(他に分類されないもの)廃 棄 物 処 理 業自 動 車 整 備 業機 械 等 修 理 業(別 掲 を 除 く)職 業 紹 介・労 働 者 派 遣 業そ の 他 の 事 業 サ ー ビ ス 業政 治・経 済・文 化 団 体宗 教そ の 他 の サ ー ビ ス 業

K

サ ー ビ ス 業 計(大8+中1)

Page 47: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

93

(サービス業-5)徳島県内サービス業の従業者数(民営事業所)の推移

注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業-1)の範囲と同じ。資料:総務省「経済センサス-基礎調査、活動調査」

産 業 大 分 類従     業     者     数

2009~2012 2012~2014

主な産業中分類(一部小分類を含む) 増減数(人)

増減率(%)

増減数(人)

増減率(%)

4,063 8015991,66886909

6,7851,4926,8125672,4022293,614

29,5884,58821,6463,354

16,2617,1532,0103385543407,0981,5024,5447,1193,2563,863

43,59127,104204

16,2834,0471,4032,644

21,3781,5032,2191,0062,9849,1852,0372,39747

134,351

3,8749515361,66552614

6,3551,4146,3103462,4771743,244

28,0194,22120,3283,356

13,7416,8671,9302495873654,8821,2682,6049,1315,3703,761

46,95627,698192

19,0293,3761,3412,035

19,7451,3662,3208352,9677,8491,9692,05277

132,566

3,5194744991,54946951

6,3651,3256,1442282,4161423,358

27,5813,82720,0913,663

12,8126,7071,8903894963014,2151,3501,8839,4735,5233,950

54,89330,750313

23,8304,2692,0072,262

18,7581,5751,9646372,7937,8721,6962,14675

138,774

▲ 4.718.7

▲ 10.5▲ 0.2▲ 39.5▲ 32.5▲ 6.3▲ 5.2▲ 7.4▲ 39.03.1

▲ 24.0▲ 10.2▲ 5.3▲ 8.0▲ 6.10.1

▲ 15.5▲ 4.0▲ 4.0▲ 26.36.07.4

▲ 31.2▲ 15.6▲ 42.728.364.9▲ 2.67.72.2

▲ 5.916.9

▲ 16.6▲ 4.4▲ 23.0▲ 7.6▲ 9.14.6

▲ 17.0▲ 0.6▲ 14.5▲ 3.3▲ 14.463.8

▲ 1.3

▲ 189150▲ 63▲ 3▲ 34▲ 295▲ 430▲ 78▲ 502▲ 22175

▲ 55▲ 370

▲ 1,569▲ 367▲ 1,318

2▲ 2,520▲ 286▲ 80▲ 893325

▲ 2,216▲ 234▲ 1,9402,0122,114▲ 1023,365594▲ 122,746

▲ 671▲ 62▲ 609

▲ 1,633▲ 137101

▲ 171▲ 17

▲ 1,336▲ 68▲ 34530

▲ 1,785

▲ 9.2▲ 50.2▲ 6.9▲ 7.0▲ 11.554.90.2▲ 6.3▲ 2.6▲ 34.1▲ 2.5▲ 18.43.5

▲ 1.6▲ 9.3▲ 1.29.1

▲ 6.8▲ 2.3▲ 2.156.2

▲ 15.5▲ 17.5▲ 13.76.5

▲ 27.73.72.85.016.911.063.025.226.549.711.2

▲ 5.015.3

▲ 15.3▲ 23.7▲ 5.90.3

▲ 13.94.6

▲ 2.6

4.7

▲ 355▲ 477▲ 37▲ 116▲ 633710

▲ 89▲ 166▲ 118▲ 61▲ 32114

▲ 438▲ 394▲ 237307

▲ 929▲ 160▲ 40140▲ 91▲ 64▲ 66782

▲ 721342153189

7,9373,0521214,801893666227

▲ 987209

▲ 356▲ 198▲ 17423

▲ 27394▲ 2

6,208

情 報 通 信 業通 信 業放 送 業情 報 サ ー ビ ス 業インターネット附随サービス業映 像・音 声・文 字 情 報 制 作 業不 動 産 業,物 品 賃 貸 業物 品 賃 貸 業学術研究,専門・技術サービス業学 術・開 発 研 究 機 関専 門 サ ー ビ ス 業広 告 業技 術 サ ー ビ ス 業宿 泊 業,飲 食 サ ー ビ ス 業宿 泊 業飲 食 店持ち帰り・配達飲食サービス業生活関連サービス業,娯楽業洗 濯・理 容・美 容・浴 場 業その他の生活関連サービス業( 旅       行       業 )( 葬       儀       業 )( 結   婚   式   場   業 )娯 楽 業( ス ポ ー ツ 施 設 提 供 業 )( 遊       戯       場 )教 育 , 学 習 支 援 業学 校 教 育そ の 他 の 教 育,学 習 支 援 業医 療 , 福 祉医 療 業保 健 衛 生社会保険・社会福祉・介護事業複 合 サ ー ビ ス 事 業郵 便 局協同組合(他に分類されないもの)サービス業(他に分類されないもの)廃 棄 物 処 理 業自 動 車 整 備 業機 械 等 修 理 業(別 掲 を 除 く)職 業 紹 介・労 働 者 派 遣 業そ の 他 の 事 業 サ ー ビ ス 業政 治・経 済・文 化 団 体宗 教そ の 他 の サ ー ビ ス 業

K

サ ー ビ ス 業 計(大8+中1)

2009 2012 2014

Page 48: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

94

(サービス業-6)第3次産業(大分類別)の民営事業所数、従業者数の推移

4,1990.1

77,9001.3

147,6112.5

1,555,33326.4

91,8881.6

407,7936.9

33,206239,9694.1

778,04813.2

509,9668.7

168,1722.9

344,0715.8

38,5860.7

367,1616.2

2,557,07943.4

4,730,69780.4

210,5330.4

1,724,4143.0

3,571,9636.1

12,695,83221.7

1,587,9092.7

1,546,6882.6

310,7781,781,721

3.05,700,699

9.82,713,386

4.61,725,610

3.05,629,966

9.6406,9200.7

4,590,9267.9

24,584,42042.1

43,886,56775.1

4,5060.1

66,2361.2

134,1182.4

1,407,23525.487,0151.6

384,2406.9

31,507228,4114.1

725,09013.1

486,0068.8

169,9563.1

418,6407.6

34,8480.6

358,3916.5

2,519,08545.5

4,504,69281.3

196,8480.3

1,630,6792.8

3,248,2845.7

12,031,34521.0

1,512,9042.6

1,491,7252.6

311,7301,786,708

3.15,489,571

9.62,508,495

4.41,802,787

3.17,191,248

12.5518,7220.9

4,664,3318.1

25,904,27145.1

44,073,64776.7

350.12800.79232.3

11,54928.76901.7

2,3915.92161,3353.3

5,00012.43,8849.6

1,0782.7

2,4876.23881.0

2,8347.0

17,50243.4

32,87481.6

1,0320.3

4,0631.3

15,9515.0

68,70421.69,2462.9

6,7852.1

1,4926,8122.1

29,5889.3

16,2615.1

7,1192.2

43,59113.74,0471.3

21,3786.7

134,35142.3

234,57773.8

320.12460.77892.19,98526.86661.82,2646.11781,2723.44,66012.53,6539.81,0632.92,8797.73691.02,6977.2

17,01745.630,57582.0

1,0610.33,5191.1

14,2704.6

62,91820.17,9622.56,3652.01,3256,1442.0

27,5818.8

12,8124.19,4733.0

54,89317.64,2691.4

18,7586.0

138,77444.4

230,02573.7

▲ 8.6

▲ 12.1

▲ 14.5

▲ 13.5

▲ 3.5

▲ 5.3

▲ 17.6

▲ 4.7

▲ 6.8

▲ 5.9

▲ 1.4

15.8

▲ 4.9

▲ 4.8

▲ 2.8

▲ 7.0

7.3

▲ 15.0

▲ 9.1

▲ 9.5

▲ 5.3

▲ 5.8

▲ 5.1

▲ 4.8

▲ 6.8

▲ 4.7

1.1

21.7

▲ 9.7

▲ 2.4

▲ 1.5

▲ 4.8

2.8

▲ 13.4

▲ 10.5

▲ 8.4

▲ 13.9

▲ 6.2

▲ 11.2

▲ 9.8

▲ 6.8

▲ 21.2

33.1

25.9

5.5

▲ 12.3

3.3

▲ 1.9

▲ 6.5

▲ 5.4

▲ 9.1

▲ 5.2

▲ 4.7

▲ 3.6

0.3

0.3

▲ 3.7

▲ 7.6

4.5

27.7

27.5

1.6

5.4

0.4

産業大分類(物品賃貸業のみ中分類)

F電気・ガス・熱供給・水道業

K不動産業,物品賃貸業

【再掲】 (K)70 物品賃貸業L学術研究,

専門・技術サービス業M宿泊業,

飲食サービス業N生活関連サービス業,娯楽業O教育,

学習支援業

サービス業 計(大8+中1)

第3次産業 合計

Rサービス業(他に分類されないもの)

注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業-1)の範囲と同じ。注:構成比は各分類の全産業に占める割合を表している。資料:総務省「経済センサス-基礎調査」

2009年 2014年 2009年→2014年(%)事業所数 従業者数 事業所数 従業者数 事業所数増減率 従業者数増減率

徳島県 全 国 徳島県 全 国 徳島県 全 国 徳島県 全 国 徳島県 全国 徳島県 全国(構成比)(構成比) (構成比)(構成比)(構成比)(構成比)(構成比)(構成比)

G情報通信業

H運輸業,郵便業

I卸売業,小売業

J金融業,保険業

P医療,福祉

Q複合サービス事業

注:2015年度県民経済計算におけるサービス業の産業分類は、「宿泊・飲食サービス業」、「情報通信業」、「専門・科学技術、業務支援サービス業」、「教育」、「保健衛生・社会事業」、「その他のサービス」の6項目であり、前掲のサービス業とは業種が必ずしも一致しない。

資料:徳島県「2015年度県民経済計算」

(サービス業-7)サービス業の県内総生産(名目)産業分類別推移

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

201520142006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

宿泊・飲食サービス業

教育その他のサービス

専門・科学技術、業務支援サービス業情報通信業

保健衛生・社会事業

(年度)

(億円)

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95

■都道府県別にみた徳島県のサービス業

 2014年の徳島県のサービス業を他県と比較すると(サービス業-8)、人口1000人あたり

の事業所数は22.3で全国13位、総従業者に占めるサービス業従業者の割合は44.4%で同19

位と、数的には全国並みのウェイトを占めている様子が見てとれるが、1事業者あたりの規

模は小さく、また2014年度の県内総生産におけるサービス業の割合は19.6%と、全国平均

の24.8%に及ばず全国39位となっており、労働生産性は相対的に低い。

■家計の消費支出の推移

 サービス業の動向を家計の消費支出の変化から見てみると(サービス業-9)、1980年か

ら2017年までの間で、全国、徳島市ともサービスへの支出割合が3割強から4割強へと

増加している。また2005年以降は、全国、徳島市ともサービスへの支出割合が非耐久財

(食品、飲料等)とおおむね同程度か、あるいはやや上回って推移しており、家計の中で

サービスへの消費が大きなウェイトを占めるようになった様子が見てとれる。     

 (元木秀章)

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

(サービス業-9)消費支出の財・サービス区分別構成比の推移(二人以上の世帯、全世帯)

1980年

1985年

1990年

1995年

2000年

2005年

2010年

2015年

2017年

6.1

6.4

6.7

6.6

6.9

6.6

7.3

6.3

6.2

32.7

34.8

37.0

39.8

40.8

42.4

42.2

42.3

42.5

14.3

13.3

13.6

11.9

10.6

9.5

8.8

8.8

8.5

47.0

45.4

42.7

41.7

41.7

41.4

41.7

42.7

42.7

耐久財   半耐久財   非耐久財   サービス

(%)〈全国〉0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

1980年

1985年

1990年

1995年

2000年

2005年

2010年

2015年

2017年

5.7

8.2

5.3

7.1

9.8

7.0

9.4

4.6

3.8

15.1

15.4

16.9

14.1

11.6

10.0

8.5

8.5

10.2

46.5

44.4

43.0

40.8

40.3

39.1

38.3

43.3

43.1

32.6

32.0

34.9

37.9

38.2

43.9

43.8

43.6

42.9

(%)〈徳島市〉

注:財・サービス区分は、消費支出から「こづかい」、「贈与金」、「他の交際費」及び「仕送り金」を除き、 品目分類を再分類し、財(商品)とサービスに分けたもの。財(商品)については、耐久度により耐久財(車、家電、家具等)、半耐久財(被服、履物、消耗品等)、非耐久財(食品、飲料等)の3区分に分類している。

資料:総務省統計局「家計調査年報」

~~ ~~

全 国 全 国 全 国 全 国

(サービス業-8)都道府県別にみた徳島県サービス業

順位

1

2

3

13

45

46

47

県 名

沖 縄

東 京

山 梨

徳 島

神奈川

埼 玉

千 葉

事業所数

(2014、事業所)人口1000人あたり事業所数

順位

1

2

3

19

45

46

47

県 名

沖 縄

東 京

神奈川

徳 島

静 岡

滋 賀

富 山

割 合

(2014、%)サービス業従業者数/総従業者数

(2014、%)

注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業-1)の範囲と同じ。資料:総務省「人口推計(2014 年 10 月 1日現在)」、「2014 年経済センサス-基礎調査」

1事業所あたりサービス業従業者数(2014、%)

県内総生産に占めるサービス業比率(名目)順位

1

2

3

39

45

46

47

県 名

東 京

沖 縄

福 岡

徳 島

三 重

富 山

滋 賀

割 合順位

1

2

3

35

45

46

47

県 名

東 京

神奈川

大 阪

徳 島

秋 田

和歌山

山 形

割 合

23.8

23.7

23.6

22.3

15.4

14.8

14.8

19.8

55.0

52.3

49.4

44.4

38.8

38.5

37.5

45.1

15.2

12.3

11.2

8.2

7.7

7.6

7.3

10.3

33.2

32.2

29.0

19.6

18.0

17.4

17.1

24.8

注:ここでの「サービス業」は、「県民経済計算における『情報通信業』と『サービス業』を合算」しており、前掲のサービス業とは業種が必ずしも一致しない。

資料:内閣府「県民経済計算」

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96

 本県には、独自の技術力などを生かし、特定市場において高い世界シェアや国内シェアを有す

る企業が多数ある。

 特色のある県内企業の概要を紹介する(掲載順は次のとおり)。

○株式会社大b製薬工場

 大b製薬工場は、1921年に鳴門市に創立された大bグループの発祥企業であり、“The Best

Partner in Clinical Nutrition”(臨床栄養領域における患者さんや医療従事者のベストパートナー

を目指す)を経営ビジョンとし、輸液をはじめとする臨床栄養製品を中心とした医薬品や医療機

器、機能性食品等の開発、製造、販売および輸出入を行っている。

 “輸液”とはいわゆる点滴のことで、医療を支える基礎的かつ必要不可欠な医薬品である。70年

以上にわたり輸液事業に取り組んできた同社は、日本初のプラスチックボトル輸液やソフトバッ

グ輸液、多室構造バッグ輸液の開発など、医療や介護の場に貢献する革新的な製品を数多く生み

出し、輸液のリーディングカンパニーとして日本の輸液開発をけん引している。

 研究開発においては、輸液を含む臨床栄養領域だけでなく、手術周辺領域、再生医療領域のア

ンメットメディカルニーズに対応する医薬品や医療機器の開発も進めており、糖尿病患者のより

有効な治療方法となりうる「バイオ人工膵島」の開発など、常に患者の視点に立った既成概念に

とらわれない革新的な製品開発に取り組んでいる。また、経口補水液オーエスワンや濃厚流動食

ハイネシリーズをはじめとするメディカルフーズ※1、オロナインH軟膏に代表されるOTC医薬品

など、さまざまなニーズに対応した製品展開を行っている。

 そして、輸液事業で培った容器技術を生かした受託製造にも注力する一方、日本国内にとどま

らず、アジアを中心に海外市場へ、高い品質の医薬品や医療機器、メディカルフーズなどを展開す

ることにも注力しており、輸液事業ではインドネシアやエジプトなどにおいて高いシェアを誇っ

ている。

特色ある県内企業

株式会社大b製薬工場日亜化学工業株式会社株式会社キョーエイニホンフラッシュ株式会社四国化工機株式会社阿波製紙株式会社株式会社丸本富田製薬株式会社日本フネン株式会社株式会社ジャストシステム株式会社河野メリクロン

西精工株式会社株式会社ヨコタコーポレーション船場化成株式会社坂東機工株式会社有限会社竹内園芸藤崎電機株式会社丸久株式会社株式会社山本鉄工所鳴門塩業株式会社赤松化成工業株式会社阿波スピンドル株式会社

東光株式会社港産業株式会社株式会社和合富士スレート株式会社市岡製菓株式会社株式会社マルハ物産馬居化成工業株式会社日新酒類株式会社徳島カム株式会社株式会社宮崎椅子製作所株式会社アイピー

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97

 (本社 鳴門市、資本金8,000万円、年間売上高1,055億円、従業員数2,297名)※2

 (大bグループは、“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”の企業理念のも

と、世界の人々の健康に貢献することを目的に、事業を展開するトータルヘルスケア企業グループである。

疾病の診断から治療までを担う「医療関連事業」と日々の健康の維持・増進をサポートする「ニュートラ

シューティカルズ※3関連事業」の2本柱でヘルスケアをトータルでとらえ、世界28カ国・地域、183社で

46,000人※2の社員が、“健康”という人類の普遍的な願いをかなえるため、様々なテーマに挑戦している。

創業以来、歴代の経営者が育んできた「流汗悟道」「実証」「創造性」という大bの伝統・文化は現在に受

け継がれ、“なくてはならない企業”として世の中に貢献することを日々追求し、大bらしいユニークな製

品・サービスを提供し続けることで、持続的な成長を目指している。大bグループには、株式会社大b製

薬工場の親会社である大bホールディングス株式会社〈東証1部上場〉と、その子会社・関連会社として、

大b製薬株式会社、大鵬薬品工業株式会社、アース製薬株式会社〈東証1部上場〉、大b倉庫株式会社、大

b化学株式会社などがある。県内では、徳島市、鳴門市、板野郡、那賀郡などに大bグループの研究所や

工場、事業所があり、その従業員数は5,000人を超え、徳島県の経済をけん引してきた。鳴門市にある大

b国際美術館は、大bグループの創立75周年を記念し企業メセナ活動として設立された、日本最大の常設

展示スペースを有する陶板名画美術館であり、地域の芸術・文化振興に貢献している。)

※1.同社は、「医学的・栄養学的根拠を基に開発した医療の場で役立つ食品」を「メディカルフーズ」と

呼んでいる。

※2.2017年12月末現在

※3.ニュートラシューティカルズ:Nutraceuticals=nutrition(栄養)+pharmaceuticals(医薬品)

 

○日亜化学工業株式会社

 当社グループは、当社及び子会社14社で構成され、徳島を主な生産拠点として、化学品事業と

光半導体事業をグローバルに展開している。

 化学品事業では、主に二次電池材料の製造、販売を行っている。二次電池材料は、モバイル電

子機器や電動工具などの民生用のリチウムイオン電池の正極材料として使用されている。現在、

ハイブリッド自動車や電気自動車の普及等に伴い、本格的な展開が進んでおり、二次電池材料の

世界トップメーカーとして次世代正極材の開発・量産化を図っていく。

 光半導体事業では、LEDやLD(半導体レーザー)などの製造、販売を行っている。LEDは、長

寿命、高効率、小型軽量、温度安定性、高速応答性や水銀レスなど、従来光源に比べ優れた特性

を兼ね備えており、特に応用範囲の広い白色LEDは、液晶バックライト、室内照明や車のヘッド

ライトなど、日常生活の中に広く普及している。また、LDは、プロジェクタ光源や車のヘッド

ライト用途への採用が本格化している。引き続き、市場の要求を先取りした商品開発を推進する

とともに、世界一の技術商品を継続的に創出し、外部環境に左右されにくい安定収益構造を確立

していく。

 (本社 阿南市、1956年設立、資本金520億円、2017年グループ売上高3,472億円、グループ従業員数2017年

12月現在約8,700人) 

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98

○株式会社キョーエイ

 食品スーパーマーケットを核として、衣料、ドラッグなど現在徳島県を中心に47の店舗を展開

している、徳島県内最大の流通グループ会社。1958年の創業以来「市民生活を守る砦となれ」の

社是のもと、地域密着を軸に、食品の地産地消、安心・安全に取り組み、地元企業ならではのき

め細かな対応を実践している。

 農産物を生産者自らが価格を決めて好きな量だけ出荷できる「すきとく市」が好評で、関西の

スーパーにも出店している。また、買い物弱者を支援するため、「㈱とくし丸」と提携して移動

スーパー事業に商品を供給している。

 さらに、地域貢献活動も地道に続けており、NPO団体と連携した社会福祉サービス活動として

資源ゴミを回収する活動「はっぴいエコプラザ」に取り組んでいるほか、「アドプトプログラム

吉野川」の清掃活動にキョーエイOB会が参加している。

 (本社 徳島市、1958年創業、資本金9,600万円、年間売上高410億円(グループ)、従業者数1,900人)

○ニホンフラッシュ株式会社

 住宅用室内ドア、システム収納、化粧造作材など、内装システム部材の製造・販売を行ってい

る。大手ハウスメーカーやデベロッパー、ゼネコンを主力顧客とし、分譲マンション向けの室内

ドアのシェアは、国内トップクラス。

 早くからIT活用に積極的で、デザイン、カラー、機能など、ニーズの多様化、個性化の進んだ

マーケットに対応した製品をジャスト・イン・タイムに供給するコンピュータシステムを構築。

それまで1か月近くかかっていた受注から納品までの期間を最短5日に短縮し、数十万種類に及

ぶ室内ドアの多品種少量生産に取り組んでいる。

 2003年秋、中国江蘇省昆山市に高級ドア製造工場を新設、続いて2006年に山東省青島胶州市に

も工場を新設した。また、2008年10月、上海に貿易会社を設立、2013年9月には江西省宣春市に

中国で3か所目となる工場を新設し操業を開始した。2016年、中国での新たな展開として内装工

事一式を手掛ける事業に着手、中国企業との合弁により、住宅内装工事会社と住器製造会社(流

し台、洗面等の生産販売会社)を設立、住器製造会社は2017年10月から試験操業を開始した。営

業所は省都を中心に主要都市25か所、販売代理店も中国全土に拡充を行っており、中国でのビジ

ネス展開を強化し、国内外で市場開拓を図っている。

 2006年にISO 14001の認証を取得。

 (本社 小松島市、1964年設立、資本金11億1,750万円、年間売上高(連結) 178億円、グループ従業者数1,290

人。2008年2月東京証券取引所市場第二部に上場、県内企業5番目、製造業では初めて。2015年6月東京

証券取引所市場第一部に指定。)

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○四国化工機株式会社

 徳島県北島町に本社を置く食品機械メーカー。飲料や液体食品を容器に充填する食品産業向け

の充填包装機を製造販売する機械事業に加えて、食品用パッケージを扱う包装資材事業、豆腐や

惣菜の製造を行っている食品事業など、食に密接に関わる3事業を展開している。

 主力の機械事業では、紙容器成形充填機、カップ充填機、ボトル充填機など、多種多様な機械

を製造している。なかでも牛乳パックなど三角屋根型の紙容器に対応した充填機の国内シェアは

約7割に達する。グローバルにも展開しており、中国の海外生産拠点をはじめ、ドイツ、タイに

も現地法人を配して、欧州を中心に世界50か国以上への輸出など、国内はもとより世界中の乳業

界、食品業界で多くの実績を誇っている。

 包装資材事業では、オリジナル包装資材の企画開発に加え、グループ会社において紙パックと

プラスチックカップを製造している。環境に配慮した包装資材、口栓など、機能面や素材面で独

自性のある包材や容器の開発に積極的に取り組んでおり、企画開発から生産まで行うことで幅広

い事業展開が可能となっている。また、機械メーカー自らが包装資材を手掛けることで、充填包

装機に最適な容器の提案を行っている。

 食品事業では、自社で開発した自動製造機で「さとの雪」ブランドの豆腐や惣菜など大豆加工

食品の生産を行っている。手作りが一般的であった豆腐業界において、時代に先駆けて量産化・

賞味期限延長を実現するなど、業界をリードする商品開発を絶えず行っており、現在は日産約40

万丁の業界トップクラスにまで成長した。近々にはグループ会社において油揚げの自社生産も始

まる。

 また、3事業の技術やノウハウを融合した自社のモデル工場で、大手飲料メーカーの受託生産

も行っている。機械や包装資材の適合性を自ら検証し、生産経験から得た情報を各事業にフィー

ドバックすることで、3事業を有機的に結合させ、三位一体の相乗効果を発揮する「システム経

営」を確立し、『食文化』の向上に貢献している。

 (本社 板野郡北島町、1961年設立、資本金1億4,500万円、年間売上高427億円、従業者数711人) 

○阿波製紙株式会社

 エンジン用濾材、AT車用クラッチ板用摩擦材、合成繊維紙や無機繊維紙などの特殊紙及び機

能材料の製造及び販売を行っている。エンジン用濾材は、国内の全自動車メーカーに純正部品と

して採用されており、国内トップシェアを有している。また、合成繊維紙として開発した分離膜

支持体は、世界的に高まる水処理需要を受けて、現在では世界市場のトップシェアを占めている

(分離膜:海水の淡水化、超純水の製造などの際、濾過のために使用する)。

 1996年にはタイに、東南アジア、オセアニア、中東の自動車メーカーにエンジン用濾材ならび

に鉛蓄電池用バッテリーセパレーターを供給するタイ・ユナイテッド・アワペーパーを設立。ま

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100

た、2003年には中国市場に進出し、2017年には中国・安徽省に合弁会社「滁州市国豊阿波濾材有

限公司」を設立した。

 近年では注目の炭素系素材を使用した炭素複合製品「CARMIX(カルミックス)」を開発。LED

照明用及び電子機器用の熱拡散シートやCFRTP(炭素繊維強化プラスチック)、電磁波吸収体な

どのラインナップがある。また、排水処理分野においては、MBR(膜分離活性汚泥法)用浸漬膜ユ

ニット「M-fine(エムファイン)」の販売を開始している。当社オリジナルのシンプル構造で、省

スペース化・ランニングコストの削減等を実現した。現在、実証試験を含め国内外で広く展開を

図っている。

 2017年に、新市場の開拓と新市場の創出を加速させるため、イノベーション創出投資事業有限

責任組合を設立した。

 (本社 徳島市、1916年設立、資本金13億8,513万円、年間売上高163億円(2017年3月末、連結)、従業者

数668人(2017年3月末、連結)。2012年に東京証券取引所市場第二部に上場、2016年に同取引所市場第一

部に指定替え)

○株式会社丸本

 グループの生産拠点は県南の清流海部川の流れる海部郡海陽町に位置し、徳島の地鶏 「阿波尾

鶏」 をはじめとする鶏の肥育管理から処理加工・加熱に至る一貫システムに加え、牛肉・豚肉を

含めた加工食品やペットフードを中心に、製造・卸売・小売りの事業展開を行っている。

 「阿波尾鶏」は2001年(平成13年)に地鶏肉特定JASの第一号の認定を受け、その後順調に推移

し、2009年度は約206万羽と地鶏生産日本一の座を1998年度から維持している、徳島県が誇るブ

ランド品である。

 昨今、食品の「安全・安心・安価な食品」への消費者ニーズがますます高まるなか、これに応

えるため、 HACCPに対応する加工場整備の他、品質管理や商品開発の充実等を図っており、現

在、加工食品は売上の50%を占め、主にコンビニエンスストアや外食店舗向けとして全国へと拡

がっている。販売拠点は本社の他、大阪に加工センター、東京に営業所があり、全国へ向け販売

展開している。

 (本社 海部郡海陽町、1964年創業、資本金2,000万円、年間売上高126億円、グループ従業者数 606 人)

 (グループ企業:オンダン農協、株式会社マルニカンパニー、農事組合法人だんだんファーム等)

 

○富田製薬株式会社

 1877年に国内で初めて苦汁(にがり)から、胃腸薬などの原料となる塩基性炭酸マグネシウムの

製造を開始し、1890年には国内で初めて塩化カリウムの分離製造にも成功した無機化学工業薬品

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101

メーカーのパイオニア。

 現在は、ファインケミカルから生活関連まで、粉末透析剤、制酸剤、食塩を柱に幅広い製品を

生産、スポーツ飲料の成分となるカルシウムやマグネシウムなども供給している。また、人工腎

臓透析液のメーカーとして良質な製品を製造供給するとともに、独自に開発した粉末型透析剤の

製品化を行っている。

 2012年にはR&Dセンターを完成させ、無機物材料の持つ吸着特性を活かした、新しい医薬品

の研究開発に取り組んでいる。

 (本社 鳴門市、1955年設立、資本金9,600万円、年間売上高152億円、従業者数508人)

 

○日本フネン株式会社

 日本フネンは、スチールドアを年間17万本製造、販売する会社である。防火、防犯、耐震性と

安全性はもちろん、機能性・快適性に加え高い意匠を追求した製品を送り出しており、新築分譲

マンションの市場においては全国1位のシェアを占め、マンション・アパート等集合住宅向けス

チール玄関ドアの総市場で国内3位のシェアを持っている。

 統合生産システムの構築により、オーダーメイドの商品を既製品と同等の価格で提供できる価

格競争力、豊富な品揃え、短納期の実現が他社との差別化につながっている。

 また、業界初となるドアを次々と開発しており、2017年には海外旅行客に目を向けたホテル客

室向けの「ようこそドア」を開発するなど常に新しい物へとチャレンジしている「開発型企業」

である。

 ドア以外では、軽量で丈夫であり意匠性も高いGRCをはじめとした窯業製品、産官学連携によ

るLED製品等新しいビジネスフィールドにも積極的に挑戦している。

 2008年6月に中国江蘇省昆山市に100%子会社である昆山富耐安全門有限公司を設立し、海外

でのビジネス展開を図り、国内外で市場開拓を進めている。

 1997年にISO 9001、2002年にISO 14001の認証を取得。

 (本社 吉野川市、1974年設立、資本金3億14百万円、年間売上高126億円、従業員数357人)

○株式会社ジャストシステム

 国内におけるソフトウェア開発の代表企業。これまでに蓄積した「ことば」や「ドキュメント」

をコンピュータで扱うための技術やノウハウをもとに、ソフトウェア製品やWebサービス、シス

テム製品の開発と提供を行う。

 「一太郎」は、 作成する文書の種類や利用するIT機器、身体特性に合わせて、ユーザー一人ひ

とりに最適な文書作成環境を提案してくれる日本語ワープロソフト。電子書籍作成ツールとして

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102

も進化している。また、日本語入力システム「ATOK」は、「Windows」「Mac」向けに加え、ス

マートフォン、携帯電話、ゲーム機、カーナビなどの幅広い製品で採用されている。タブレット

ですべての学習が完結する小学生・中学生向け通信教育「スマイルゼミ」に加え、小学校向けド

リル学習ソフト「ジャストスマイル ドリル」、医療向けデータウェアハウス「JUST DWH」、成

長型営業支援クラウドサービス「JUST.SFA」など、幅広い市場に対してさまざまな商品・サー

ビスを展開している。

 (本社 徳島市、1981年設立、資本金101億4,651万円(2017年3月末)、年間売上高203.3億円(連結2017年3

月期)、従業者数346人(連結、2017年3月末)。東京証券取引所第一部)

 

○株式会社河野メリクロン

 シンビジウム(洋ランの一種)の品種改良と種苗分野、多用途化で世界最大規模を誇る。品種登

録制度に出願した品種数は累計で612品種に及び、鉢物や切花用として国内はもとより、中国、韓

国、南北アメリカ、ヨーロッパなどで、当社作出品種が約300万鉢栽培されている。

 1993年に株式会社河野メリクロン販売を設立。1997年には財団法人徳島河野洋ラン振興財団を

設立し、新品種育成・新技術開発や文化芸術、学術等の振興支援をしている。

 1993年よりシンビジウムの多用途化の研究を開始し、発毛・育毛剤及び抗酸化剤・抗菌剤・抗

癌剤・抗炎症剤等で特許を取得している。2007年には経済産業省特許庁の「知財で元気な企業

2007」に選定された。現在までに約40品目のランを原材料にした製品開発につながっている。

 花のオリンピックといわれ、オランダで10年に一度開催される世界最大級の園芸博覧会「フロ

リアード2012」において、当社のシンビジウム「親王」が金賞一席を受賞。10点満点中9.90とい

う得点は、春・夏・秋の全会期を通じ世界42か国1,779品種の花々の中での最高得点となり、世

界一の花と評価された。

 中国にグループ会社として、雲南河野教大農業科技有限公司・華楽種苗有限公司があり、中国

国内はもとより種苗分野の世界戦略の生産拠点となっている。

 現在、ランで出来るものは何にでもチャレンジし事業化を目指す洋ランの総合産業化(6次産

業化)に取り組んでいる。

 (本社 美馬市、1965年創業、1977年設立、資本金2,100万円、グループ年間売上高約92億円、グループ従

業員数約283人)

 

○西精工株式会社

 冷間圧造技術を中心に、ファスナーやパーツ類を製造する総合メーカー。1923年(大正12年)創

業以来、顧客重視の観点に立っての“もの造り”に徹し、常に顧客価値の創造に努めている。

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 顧客は自動車業界、航空機産業、電機・半導体、精密機械、ホビー関連と幅広い分野に広がり、

近年、自動車産業の軽量化素材への移行が進む中にあって、環境に優しく、取り付け作業の工数

削減にも大きな効果を生み出す「NCナット」を開発し、業界から好評を得ている。研究開発では、

新素材や新分野(CFRTP=炭素繊維強化プラスチック等)での新製品開発、また、価値創造プロセ

スでは、高精度・高品質に向けて、加工技術や管理技術、そして新鋭設備開発に傾注している。

 企業理念のもと積極的にCS向上活動を進め、お客様のお役立ち度を上げている。また、社内教

育の充実により独自能力を研鑽し、人間力を向上させることで地域社会の発展に貢献している。

 2011年に徳島県経営品質賞を受賞、2013年には第3回日本でいちばん大切にしたい会社大賞中

小企業長官賞と、第47回グッドカンパニー大賞優秀企業賞受賞。2014年には日本経営品質賞中小

規模部門受賞、「おもてなし企業選」選出。2017年に「ホワイト企業大賞」受賞と「プラチナくる

みん」認定。

 (本社 徳島市、1923年設立、1960年株式会社へ改組、資本金3,000万円、年間売上高48億円、従業者数240人)

○株式会社ヨコタコーポレーション 遡ること明治38(1905)年、北海道への「藍反物の販売」や徳島に向けての「鯡粕の製造・販売」

をルーツとし、戦後の「澱粉製造」を経て、1960年にベアリング旋削加工会社として横田精工㈱

(現 ㈱ヨコタコーポレーション)を設立。ベアリング旋削加工から出発し、その加工技術を高める

なかで、専用旋盤YS-820型単能機を開発し、業界初の専用機として外販に至る。これを機に、各

種省力化機械の製作も手がけ、機械部門を設立。1969年には中小企業合理化モデル工場の第1回

指定を受け、その後22年連続指定の後、通産大臣表彰を受ける。現在では、ベアリング量産加工

においては業界トップクラスに位置づけられるとともに、各種自動車部品の精密加工にも取り組

んでいる。

 機械部門では、蓄積した設計や技術力を背景に、自動車部品製造ラインにおける組立機や検査機

などを受注し、多種多様な工場の自動化ニーズに対応できる体制を構築している。そして、様々

な検査の技術開発にも力を注ぎ、最近では、産学共同研究による専用検査機の開発と特許出願な

ど、開発型企業への基盤確立へ向けた取組みを強化している。

 一方、流通事業では、現在「ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ」等のリユースFC事業を主

たる事業として、徳島県と兵庫県に計9店舗展開中。今後は、徳島市内と関西エリアへの多店舗

展開を進める予定。その他、2015(平成27)年からは、ショッピングセンターの運営にも着手(阿

波市ショッピングプラザアワーズ)。一方、1978(昭和53)年創業の「ハウジングセンターヨコタ」

を2016(平成28)年12月末を以って閉店し、38年の歴史に幕を閉じた。

 関連会社のヨコタホームではリフォーム・エクステリアを主力事業としつつ、近年では「日本

空き家サポート」へのFC加盟による空き家管理事業、2016(平成28)年にはトヨタホーム近畿と

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の業務提携により、トヨタホームの施工やアフターメンテナンス事業を開始したところ。これら

新規事業の基盤確立に向けて取組みを強化している。

 これらの事業を包括した経営理念(ビジョン)として、「にんげんいきいき」のひとづくり、「社

会的課題を解決すること」をミッション(使命・顧客価値)として掲げ、地域貢献活動、経営参画

制度など、人財企業を目指した活動を推進している。

 (本社 吉野川市、1960年設立、資本金7,260万円、従業者数220名、関係会社:株式会社ヨコタホーム)

 

○船場化成株式会社

 包装資材の総合メーカー。主にポリエチレンフィルムを製造。主力商品の「スーパーパワーバッ

グ」、「L-1ポリエチレン」は、通常のポリエチレンフィルムより 2 割程度強度がある特殊高強度

フィルム。従来品に比べて薄くしても強度が保てるというメリットがあり買い物袋、ゴミ袋をは

じめ工業用フィルム、食品用フィルムと用途は多岐にわたる。

 「カルデコ」は再原料を使用したポリエチレンフィルム、「カルペーパー」は紙のような風合い

のポリエチレンフィルムで、こうした他社にない「安価・高品質・環境配慮」の高付加価値商品

が売りとなっている。

 また工場設備も“国内最大の製膜機”や“最新のフレキソ印刷機”を保有し、新たな顧客開拓を

行っている。

 (本社 徳島市、1960年設立、資本金5,000万円、従業者数195人)

○坂東機工株式会社

 自動車のフロントガラスやサイドガラス、また液晶パネルガラスやソーラーパネル用ガラスな

ど、ガラス加工装置を製造販売するガラス加工機の総合メーカーである。

 特に自動車用窓ガラスの加工装置は、国内シェア90%以上、世界シェア70%以上を有し、世界

の自動車産業界において加工品質の良さと高い生産量で定評があり、現在の国内における自動車

において使用される窓ガラスの多くが、この加工装置で加工されたガラスである。

 また、テレビの液晶パネルや、スマートフォンのタッチパネルなどのパネル業界においても、

このガラス加工技術は生かされており、電子産業界においても高い評価を得ている。

 この下支えになっているのが、創業当時からの豊富な経験と高い開発能力や国際的情報収集能

力である。

 2007年 中小企業庁「元気なモノづくり中小企業300社」

 2013年 四国経済産業局「2012四国産業技術大賞 産業技術振興貢献賞」

 2015年 経済産業大臣名「ものづくり日本大賞 優秀賞」

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 2016年 四国イノベーション協議会「四国でいちばん大切にしたい会社大賞 中小企業基盤整

      備機構四国本部長賞」、四国経済産業局長「局長特別表彰」 

 2017年 経済産業省選定「地域未来牽引企業」

  (本社 徳島市、1968年設立、資本金3,600万円、従業者数192人)

○有限会社竹内園芸

 トマト、ナス、キュウリなどの果菜(果実のなる野菜)を中心に約60品目、2,000品種以上の野

菜苗及び花苗の生産・販売を行う、国内有数の育苗業者である。特に野菜苗の年間生産本数は全

国トップクラスで、北海道から沖縄まで全国の農家・農協・種苗店・量販店等に良質な苗を安定

供給している。中でも主力商品となる「接木苗」は高い評価を得ており、昨今の野菜苗の需要増

大を背景に生産量を飛躍的に増やしている。

 2008年春には、野菜苗の需要増大と遠隔地への輸送リスクを軽減すべく、群馬県前橋市郊外に

東日本への生産・販売拠点として群馬農場(第1農場)を設立し本格稼動を開始、翌2009年には最

新設備を導入して生産の飛躍的な効率化を実現した。現在は第2・第3農場を合わせハウス面積

5ha、年間約1,000万本の野菜苗を生産し、主に関東地区へ供給している。

 また、2015年には熊本県菊池郡大津町に熊本農場(敷地面積3ha)で野菜苗の生産を開始。太

陽光を均等に分配(散乱)させることで影ができにくいフッ素フィルムを全面に施工、「パット&

ファン」(冷やされた空気を温室内に供給するシステム)等の設備を導入し、九州地区に安定供給

が可能になった。今後、熊本農場のハウスの増設、同県菊池市にてAI搭載の作業ロボット等の最

先端技術を駆使した「菊池農場」の建設を計画している。

 一方、2015年3月石井町に地元特産品の産直市や旬の食材を味わえる旬彩食堂を併設した「阿波

食ミュージアム」の運営を開始し、その実績から本年度美馬市に新しくオープンする道の駅「み

まの里」の指定管理者にも選任された。

 野菜苗の生産や産直市の運営を行うことを通じて、地域に密着して地元生産者と連携したり、

将来を担う子供たちに栽培体験を通して農業に関心を持ってもらおうと、近隣の保育園、幼稚園、

小学校などに、野菜苗、培土、プランターなどを無償提供するとともに、社員が訪問して子供た

ちに野菜の栽培指導を行うなど、地域貢献活動にも取り組んでいる。

 当社は、農業発展の観点から将来独立志望の若年者も積極的に受け入れており、社員の平均年

齢は32歳と若い。今後ますます発展する伸びしろを持った企業である。

 (本社 板野町、1972年創業、資本金300万円、年間グループ売上高35億円、グループ従業員数186人)

 (関連企業:㈱徳苗、㈱四季彩、㈲徳島シードリング、㈲テイエス・ナーサリ、㈱竹内企画、阿波の苗協

同組合、㈱阿波食、㈱熊本野菜育苗センター)

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○藤崎電機株式会社

 1973年、一般電気工事業として創業。その後、工場・プラント設備の電気計装工事、発・変電

所の建設・保守業務に進出。

 一方で、電気機械器具製造、プラントの自動化設備の設計製造を進める。更には、世界一微細

な粉体製造を可能にした噴霧乾燥装置、日本有数のシェアを誇る栗重量選別機などオリジナル機

械の開発製造を手がける。

 近年の主力事業は1998年より開始した太陽光発電事業。グループ会社の株式会社ガイアパワー

はメガソーラー、大型風力など自然エネルギー発電所の企画、開発、運営を進め、株式会社FKAIR

はAI・人工知能の技術を活用した事業を展開するなど、藤崎電機が持つ技術力、施工力とのシナ

ジーを活かして顧客ニーズに合わせたトータルエンジニアリングサービスを提供する。

 今まで不可能とされてきた、竹を主燃料とするバンブーバイオマス発電事業、廃棄シイタケを

有効活用するシイタケ健康成分の研究など、これまで培った技術力と経験を活かしつつも、分野

にとらわれないチャレンジを続ける。

 (本社 阿南市、1973年創業、1974年設立、資本金8,345万円、年間売上高 66億円(連結)、従業者数176人)

○丸久株式会社

 当社は子供服、婦人服、紳士服の企画、製造、卸を行っている自己完結型のアパレルメーカー

である。「日本で生産する事だけがmade in japanではない」と日本のマネージメントや管理力、

技術力、商品力を海外子会社のタイおよびバングラデシュに導入し生産力を上げ、海外市場へと

日本のもの作りを発信し続けている。

 特にバングラデシュの工場は編立て、染色工場も兼ねた生産の一貫工場として日本人スタッフ

13名が2,500名余の現地社員と共に積極的に開発を行いながら働いている。そして、更なる増産

体制を取るため、増築計画と欧米への販路開拓を進めている。

 また国際文化交流の橋渡しも行い、2015年、2017年の8月にはバングラデシュの国際舞踊団を

招待し、阿波踊りとのコラボレーションを行いバングラデシュ国と徳島の文化並びに経済交流に

も精力的に活動をしている。

 (本社 鳴門市、1959年創業、資本金9,900万円、年間売上高96億円(連結)、従業者数170人)

○株式会社山本鉄工所 各種産業用プレス機械のトップメーカー。ベニヤ合板用プレス機では、いち早くコンピュータ

を導入し、セッティングを簡単にした特徴ある製品を開発し、トップシェアの地位を確保。世界

30か国以上に輸出され、各国で高い支持を得ている。

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 現在は、環境リサイクルプラント製造に力を注いでおり、粗大ゴミ切断機、破砕機、圧縮機、

成形機、減容機、梱包機、破袋機、篩(ふる)い分け機、アルミ選別機など廃棄物、特に不燃ゴミ

の中間処理に必要な装置のほとんど全てを自社製造しており、プラント全体の設計、装置製造、

据付・試運転まで一貫して行えることが当社の強みとなっている。近年、環境機器の当社売上に

占める比率は6割に達し、今後さらに上昇する見通しである。

 また、プラスチック成形、ゴム加硫、自動車内装成形、トリム、脱水成形等の各種プレス機、自

動省力化装置の分野でも、ユーザーのニーズに合わせたカスタムメイドの装置を製造しており、

国内外で高い評価を得ている。

 (本社 小松島市、1917年創業、1962年設立、資本金7,000万円、年間売上高40億円、従業者数170人)

 

○鳴門塩業株式会社

 自然に恵まれた美しい海、小鳴門海峡。その綺麗な海の水を原料とし、入浜式塩田が開築され

てから400年、今も、この自然の海を守りながら、最も自然に近い方法で、美しい塩(鳴門の塩)

をつくり続けている。

 日本で海水から生産される塩の約99%は膜濃縮煎ごう塩で、当社を含めた4社5工場で生産さ

れている。

 当社は、ISO 9001のほか、2002年に医薬品製造許可、2015年にハラール認証を取得し、品質向上

や商品の差別化に努めている。食品の安全が厳しく問われる今、「安全・安心・国産塩」をテーマ

に信頼をさらに強め広げていき、日本の食生活をしっかりと守っていくのが社の基本方針である。

 (本社 鳴門市、1966年設立、資本金4億7,600万円、年間売上高56億円、従業者数170人)

○赤松化成工業株式会社

 人と環境に優しい食品パッケージの製造。食生活の多様化したニーズに対応し、食品の鮮度や

安全性を保ち、輸送や保管に合ったパッケージを作ることを最優先に、さらに使用する樹脂など

の素材のリサイクルに向けての研究開発にも力を注ぎ、環境問題に積極的に取り組んでいる。

 スーパーマーケットやコンビニの店頭では、消費者に強烈な印象を与えることが重要視されて

おり、これに対応するためそれぞれの食品の形態や特徴を考慮して、その個性を最大限に引き出

すためのパッケージの創出にこだわっている。特に成型製品については、CAD(コンピュータ援

用設計)により当社独自の新しい成型品を超短期間で開発できるシステムを有している。

 (本社 板野郡松茂町、1975年設立、資本金1,000万円、年間売上高70億円、従業者数160人)

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○阿波スピンドル株式会社

 当社は明治元年(1868年)の創業以来、天然繊維用撚糸スピンドルの生産を始め、現在では国内

で使用されている合繊繊維の撚糸および仮撚り用スピンドルのほとんどを供給している。さらに

AWAブランドの繊維機械部品は、国内はもとより海外の繊維機械メーカーにも広く利用されて

おり、中国、東南アジアやヨ一ロッパ諸国などの16か国へ輸出している。

 当社では1分間に3,000回転から100万回転と、低速から超高速で回転するスピンドルを生産し

ており、最近では精密スピンドルユニットやモーターを内蔵したモーター一体型スピンドルを開

発し、工作機械や電子部品製造装置、検査装置などの分野でも広く利用されている。また、国内

外の大手合成繊維メーカーで使用される当社の合成繊維加工用のエアジェットノズルは、継続し

た研究開発の結果、性能を向上させながら空気消費量を従来製品の1/2以下に削減した製品を完

成し、環境保護に貢献する製品として使用されている。

 2007年度には毎分100万回転するスピンドルの製造技術が認められ、経済産業省より初代の「元

気なモノ作り中小企業300社」に認定された。更に経営の「質向上」を進め、2012年には日本品

質奨励賞(日科技連)を受賞、社内のIT化も推進し2013年に中小企業IT経営力大賞(経済産業省)

のIT経営実践認定を受け翌年には優秀賞を受賞した。2017年には改めてIT経営中小企業百選(経

済産業省)に選ばれた。

 瀬詰工場では、1960年に株式会社JTEKT(旧光洋精工株式会社)の委託を受けてベアリング事

業部を立ち上げ、現在ではベアリング加工に加えて、幅広い自動車部品の供給を行っている。

 1999年からは木製梱包箱に代わる、高強度梱包資材のトライウォールを使用した梱包改善の提

案を開始。環境への貢献と梱包時間の短縮を実現し、地域から一層の信頼を得ながら、創業150

周年を迎えた今も、なお新しい取組みに挑戦し続けている。

 (本社 吉野川市、創業1868年、1943年設立、資本金4,800万円、従業者数131人)

 

○東光株式会社

 1968年に日本で初めてパンティストッキングを製造した女性靴下業界の先駆的企業。1987年に

発売、翌年に全国的なヒットを記録したハードサポートタイプの高級パンティストッキングは現

在も高い支持を得続けており、当該市場でも高いシェアを有している。

 近年の同社の主力製品は、「疲れを和らげる」といったメディカル系の機能性ストッキングで

あり、また、リンパ浮腫などの治療用ストッキングなど独創性のある高付加価値商品開発にも力

を注いでいる。2005年には徳島県より医療機器製造業の許可を取得し、ストッキング業界として

初の許可工場となり、全国の医療機関に向けて出荷をしており、更に、2007年には医療機器製造

販売業の許可を取得し、カスタムメイド商品を中心とした販売を展開している。

 また、OEM生産を主軸とした経営方針から幅を広げ、2014年に働く女性向けのストッキング、

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2017年には徳島名産阿波藍を使用した地域色豊かな着圧製品や地震国日本における災害対策補助

ツールの防災靴下の自社ブランドを開発し、消費者志向に傾倒した製品づくりを目指している。

 (本社 徳島市、1946年設立、資本金2億500万円、従業員130人)

○港産業株式会社 1950年創業の当社は工場設備機器の各分野でトップメーカーであるオムロン、横河電機、SMC、三浦工業、ダイキン工業の代理店業務を行う商社として営業展開している。メーカーと共に成長する中、その技術や強みを自社のノウハウとして蓄え、工場の自動制御技術、エンジニアリングやソフトウェア製作等の総合力で四国を中心として電機・化学・製紙・食品・製薬プラント等の設備設計、設備工事、計装工事、メンテナンス・キャリブレーションを提供している。また空調工事では、四国トップクラスの地位を確立している。 代理店業を通じ培った技術で開発したオリジナル製品を「港ブランド」として販売。ゆず・スダチの搾汁設備装置は日本一のシェアを誇り、菌床しいたけ製造設備は徳島県のしいたけ生産量日本一に貢献している。 得意先のグローバル化により、車のステアリング製造装置やEV用電池部品の厚さ計が世界各地に出荷され、海外向けの売上げが急増し、年商100億円を突破している。 スマートエネルギー部、ロボット課・IoTソリューション課を新設し、世界No.1協働ロボットメーカーのユニバーサルロボット社、デジタルレイバーを扱うRPAテクノロジーズと代理店契約を締結。今まで培ってきた省力・省エネ技術にセンサーやロボット技術を加え、企業の課題解決に役立て快適な社会づくりを推進している。 (本社 徳島市、1950年創業、資本金9,800万円、年間売上高102億円(2018年3月期)、従業員数130人)

○株式会社和合

 繊維二次製品の販売、レッグニット、インナーウェアの企画製造及びフランチャイズチェーン

の靴下専門店『Hanako』を全国展開しており、全国の加盟店との情報通信ネットワークを構築し

ている。システムの導入によって、受発注業務、品揃え提案等、各種情報を円滑に処理し管理す

ることができる。これに伴い物流面でも迅速に対応できる体制を整えている。

 近年、消費者の価値観が様変わりしたが、消費者のニーズに対応した商品開発、店舗運営のノ

ウハウや情報の提供、販売促進の支援など、従来の卸売業の枠にとらわれず柔軟な姿勢でエリア

とネットワークを広げている。

 こうした実践の積み重ねによって企業経営の発展だけでなく、社会にまで視野を広げ地域に貢

献したいと考えている。また、「もっと身近に。」をモットーに、大阪支店を拠点とした全国展開

の営業強化へ向けて、より一層の販路拡大及び躍進を目指している。

 2012年2月よりFCチェーン『Hanako』の本部を㈱花子に移管し、より専門店としてのレベル

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アップを目指す。また、㈱和合は、サプライヤーとしてオリジナル商品開発に特化しメーカーと

して販路を拡大していこうと考えている。

 (本社 徳島市、1971年設立、資本金3,750万円、グループ年間売上高31億円、従業員数120人)

 (グループ会社:株式会社花子、株式会社一星)

 

○富士スレート株式会社  プレスセメント瓦の製造・販売・施工を主体としてきたが、1999年度に従来と全く違った素

材の高分子繊維強化セメント瓦を開発、40%の屋根材軽量化を成功させた。地震に強いだけでな

く、物流コストの大幅な削減が可能となり、関東から沖縄へと商圏が拡大した。さらに、安心・

安全・快適なクリーンエネルギーと屋根ソリューションの融合する開発を進め、屋根断熱システ

ム、屋根換気システム等、太陽光発電屋根取付システムの開発と製造販売、メーカーでありなが

ら社員の屋根施工技能者を育成し施工も行っている。

 製造される屋根材は、大手ハウスメーカーに採用される他、太陽光発電市場の拡大に伴って、太

陽光発電取付システムの販売拡大と設置取付工事を含めた屋根メンテナンスのニーズが拡大傾向

にある。現在一般家庭用ソーラーシステム設置工事において四国では屈指の業者となっている。

 徳島大学とリサイクル原料を使い、さらに従来の50%以下重量の瓦により建物の耐震性向上と

サスティナブル社会に寄与できる製品開発を行っている産学連携が、TV番組「ガイアの夜明け」

で取り上げられる等、産学連携で積極的に製品開発も行っている。

 また、創業以来71年のノウハウを活かして、激増するアジアでの住宅市場ニーズに向け、輸出

販売、瓦製造機械の海外販売も2007年より手がける。2008年ベトナムへ進出し、2011年にフジ

ベトナム社を設立、2018年にはフジスタールーフ社をハナム省に設立しアジアマーケットを見据

えてプレスセメント瓦、屋根施工、窯業建材製造機械、屋根ソリューションの販売を積極的に展

開している。

 (本社:徳島市、1945年設立、資本金5,000万円、年間売上高25億円、従業者数113人、工場:松茂町・北

島町 事業所:大阪、和歌山、香川、高知、海陽町)

○市岡製菓株式会社

 当社は、徳島県産素材にこだわった菓子作りに取り組んでいる菓子メーカーである。こだわり

の素材は、地域団体商標(地域ブランド)に認定登録された甘藷の王様といわれる「なると金時」、

限られた短い時期しか収穫できない幻の果実「阿波やまもも」、徳島・木頭の自然が育んだ高品質

の「木頭ゆず」、「もち麦」、「米粉」、「阿波乃塩」等。徳島県産の素材を使用し、お菓子を通して

徳島の素材の良さを県内外にPRすることで、地元農家や徳島県の活性化に役立つことを目指し、

商品開発に取り組んでいる。

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 1988年、「お客様の顔を見て直接販売したい」という思いから有限会社五線譜(現 株式会社五

線譜)を設立、徳島駅地下やそごう徳島店の直営店舗での販売のみならず、通販事業にも取り組

んでいる。また、2008年には㈱ハレルヤを設立し、更にBtoC事業にも力を入れ、繰り返しお客

様に満足していただけるようなサービスの提供も追求している。

 地元の協力農家との取り組みを含めて、一次産業、二次産業、三次産業を一体化とした“六次産

業”で商品の付加価値・ブランド化を図ることを目指し、より安心安全な徳島の素材を使い、よ

りお客様に満足していただけるようグループ全体で取り組んでいる。また、クラスター事業にも

積極的に参画し、新しい徳島の特産物を全国にアピールできるよう商品開発を進めている。

 ふるさと徳島の素材にこだわり、安心安全、どこにもないOnly Oneのおいしい商品作りを続

け、地域産業の発展・貢献に尽くす企業であることを目指している。

 (本社 小松島市、1949年創業、1973年設立、資本金3,000万円、従業者数82人)

 

○株式会社マルハ物産

 農水産物加工品、主にレンコン・ゴボウ・ニンジン・山菜などを加工、輸入、販売しているが、

なかでもレンコン加工品は国内トップシェアで、全国約800社の取引先に「レンコンのマルハ物

産」として高い信頼を得ている。近年は、消費者の健康志向が強くキノコ製品の販売量が飛躍的

に増加しており、全商品は1,000種類を超える取扱いとなっている。

 1978年に中国から初めてレンコン加工品の輸入に挑戦し、1994年に合弁会社を設立、2003年

には独資公司に改組し、品質管理体制の強化と安定した供給体制を実現した。2003年からグルー

プ会社に農業法人を持ち、安全・安心に「よりおいしさ」を加えた事業展開を始めている。耕作

地は松茂町内を中心とし、鳴門、北島、川内の休耕田を利用し、蓮根、鳴門金時などを栽培して

いる。また、徳島産レンコン、椎茸、阿波晩茶を使ったパウダーや蓮根を焙煎したお茶の販売も

行っている。

 2017年には、徳島県経営者協会主催「渋沢栄一賞」や、日刊工業新聞社選定「第35回優秀経営

者顕彰 日刊工業新聞社賞」を受賞した。

 創業当時より人と人とのつながりを大切にし「和と信用を重んずる」を社訓に掲げ、消費者に

「安全・安心・おいしさ」を提供する企業として、「原点は、こころ」をキーワードに、新世紀に

新たなる挑戦を続けている。

 (本社 板野郡松茂町、1958年創業・1974年設立、資本金5,550万円、年間売上高31.1億円、従業者数65人)

○馬居化成工業株式会社 合成樹脂、肥料、飼料・食品添加物などに使用される硫酸マグネシウムの生産で、国内6割強

Page 66: 65116 02産業 55産業構造〜136 0517...業約25千人(7.3%)と続く。一方、全国の上位は製造業(16.2%)、卸売業・小売業(15.3%)、医 療・福祉(11.9%)、建設業(7.4%)の順となっている。注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列

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のシェアを誇る業界最大手企業。創業は約420年前(慶長4年)に製塩業を手掛けた時点に遡る。製

塩方式が流架式からイオン交換膜方式へ転換が進むなか、1968年に他社に先駆けて硫酸マグネシ

ウムの新しい合成方法を開発し、品質の安定化を図るとともに大量生産を可能にした。

 近年では化学薬品メーカーおよび商社として、主力の硫酸マグネシウム以外の分野への多角化

も進め、クリーンディーゼルに貢献するディーゼル車用NOx処理剤「AdBlue」や動物用医薬品

シルキーディップの工業化に成功した。「まじめでユニーク」な製品を生み出すクリエイティブ

なメーカーを目指し、2015年、エプソムソルト入浴剤ブランド「NEHAN TOKYO(ネハントウ

キョウ)」を立ち上げ、2017年よりコンクリート改質劣化防止剤「リアクトライズ」「カルサプリ」

を開発、本格始動した。

 2003年7月にISO 9001、2010年10月にISO 14001を認証取得。

 (本社 鳴門市、1944年設立、資本金3,500万円、年間売上高44億円、従業者数50人)

 

○日新酒類株式会社

 江戸時代末期より続く酒造蔵の伝承の技をそのままに 「日々、新たなり」 をモットーとした酒

造りで清酒・焼酎をはじめ、リキュール、果実酒、本みりんなど、多岐にわたる製品を届ける四

国唯一の酒類総合メーカー。特にリキュール「すだち酎」、本格焼酎 「鳴門金時 里娘」 など地

元特産物を生かした商品開発や育成にも積極的に取り組んでいる。

 また、清酒「瓢ひだたいこう

太閤」は吉野川流域に位置する阿波の酒蔵太閤酒造場で醸造され、全国新酒鑑

評会では通算15回金賞を受賞している地酒として県内外で親しまれている。

 本社工場は酒造りに最適な地下水が豊富にあり、交通アクセスも良い板野郡上板町に位置し、

自然環境に配慮した最新設備の導入はもちろん、生産ラインを集中させることで高い効率化を図

り、2008(平成20)年に食品安全マネジメントシステムISO 22000を取得した事で、徹底した品質・

衛生管理を実現。よりピュアな酒造りで、さらなる飛躍を目指している。

 (本社 板野郡上板町、1948年設立、資本金7,500万円、従業者数50人)

○徳島カム株式会社

 カムは機械の回転軸に取り付けられる部品の1つで、回転しながら別の部品に一定のタイミン

グで動力を伝える働きを持つ。

 当社の製品は工作機械や組立機械、印刷機械、食品機械、包装機械など幅広い産業分野に採用

されており、取引先は全国で500社を超え、カム専門メーカーとしてオーダーメイドカムの売上

高で国内2位である。カムの形状は円盤状のものから円筒形、棒状、歯車状など働きによって異

なり、カムと名前の付くものは何でも受注する。

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 当社の売りは「日本一早い納期」。カム設計から旋削、マシニング加工、研削、検査などの作

業工程を一貫して手掛けることで、他社に比べて短納期を実現した。最短2~3日、通常2~3

週間でほとんど納品できる。①カム設計技術・ソフトウェア、②価格と品質の70%が決まる生産

技術・設備、③技術者、技能者の育成、が大切であると考えている。

 産業機械は専門メーカーが日本各地にある。各メーカーは独自の技術を持ち、日本や世界を相

手に仕事をしている。カムのような部品も1台につき1個から数個必要なので、細かくスピー

ディーな対応で顧客に満足していただき、リピーターになってもらえるよう努力している。

 (本社:徳島市、1981年設立、資本金1,000万円、年間売上高 6.4億円、従業者数38人)

○株式会社宮崎椅子製作所

 「日本で作る意味と価値のある椅子づくり」を企業理念に、デザインとクオリティーを重視し

た自社オリジナル・チェアの製作・販売を事業の柱としている。

 1969年の創業以来、鏡台用のスツールや椅子を製造してきたが、ライフスタイルの変化や住環

境の充実などにより鏡台自体の需要が減退してきたことから、1999年から外部デザイナーを起用

して、工場で職人とデザイナーが対等な関係で意見を出し合うワークショップスタイルで開発を

始めた。

 その結果、2002年から10年連続でグッドデザイン賞を受賞し、2010年にはその特別賞「中小

企業庁長官賞」を受賞するなど、日本国内に於いて高い評価を受けてきた。さらに新作椅子「DC

09」が2011年度のドイツ「IF product design award」金賞、2012年度A Design Award(香港)

銀賞に選出される等、海外でも高い評価を受けてきた。

 日本の少子高齢化に危機感を持っていた事と、海外の家具愛好家からのオファーが増えてきた

事から、海外マーケットの開拓を目指し、2012年から世界最大の家具見本市『ミラノサローネ』

への出展を続けている。

 地元企業として徳島で作り続ける事に意味を見出している。その為、規模の拡大よりも質の追求

を目指し、人を育て技術を磨く事でオンリーワン企業となり、長く社会に貢献したいと思っている。

 支援・認定履歴として、日本貿易振興機構(JETRO)輸出有望案件発掘支援事業で支援決定(2009

年)、中小企業庁のグローカル経済PTに認定(2009年)、経済産業省『元気なモノ作り中小企業

300社』に選定(2009年)などがある。

 (本社 鳴門市、1968年設立、資本金1,000万円、従業者数31人)

 

○株式会社アイピー

 大型孵卵機、その他関連の省力化機器、特殊冷凍冷却機器の製造・販売を行う。鶏用大型孵卵

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機の生産シェア8割以上で日本一。

孵卵機はひながかえるまでの21日間、親鶏に代わって1時間に1回転卵をしながら37度に温度

を保つが、発生が始まると10万個の卵が一斉に熱を持ち始めるため孵卵機内を冷やすことも重要

となる。こうして培った温度管理技術は食品の鮮度と味を保つ冷凍冷却機械の製造に生かされて

いる。

 また、中国では外資系孵卵機メーカーとしては世界で初めて上海市に全額出資の上海石井畜牧

設備有限公司(現在、資本金1,890万人民元、従業員数70人)を1997年に設立して、主に中国市場

において大型孵卵機の製作販売を拡大し続けている。会社設立から2017年度末までの大型孵卵機

の累積販売台数は3,500セットを越し、2017年売上高は3,290万元(約5.6億円、1元=17.0円)を計

上、100,000卵規模の大型孵卵機のメーカーとしては中国一となっている。

 また、アイピーの累積販売台数の1,430セットを合わせると合計4,940セットとなりアジア一の

メーカーにもなっている。

 最近は日本と中国向けに孵卵工場内の省力化・省人化を進めるために、孵卵器周辺設備にロ

ボットを組み入れたシステムを販売している。

 (本社 徳島市、1975年設立、資本金4,800万円、年間売上高5億円、従業者数20人)

 (竹中淳二)

企 業 名 所在地 業    種 売上高1 日亜化学工業㈱ 阿南市 光半導体、化学品製造 2,9952 ㈱大b製薬工場 鳴門市 医薬品製造 1,0293 ノヴィル㈱ 徳島市 遊技場、飲食 6054 四国化工機㈱ 北島町 食品充填機械、包装資材、食品製造 4275 ㈱キョーエイ 徳島市 スーパーストア 3886 徳島魚市場㈱ 徳島市 生鮮魚介卸売 2367 ノヴィルフロンティア㈱ 徳島市 遊技場 1968 ㈱セブン 徳島市 スーパーストア 1659 長生堂製薬㈱ 徳島市 医薬品製造 152

10 富田製薬㈱ 鳴門市 医薬品製造 14811 大b包装工業㈱ 鳴門市 紙容器、プラスチック成形品製造 14712 光洋シーリングテクノ㈱ 藍住町 産業用オイルシール、自動車部品製造 14213 アクサス㈱ 徳島市 医薬品、化粧品、雑貨小売 14014 阿波製紙㈱ 徳島市 特殊紙、機能材料製造 13015 ㈱姫野組 徳島市 総合建設業 128

(億円)

(注)売上高 :「TSK情報新春特集号 2018.01」㈱東京商工リサーチ

徳島県内企業売上高ランキング

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■起業支援

●徳島県の主な施策(2018年度)

 「新事業創出」、「経営革新」、「技術開発支援」、「販路開拓」などの事業を支援する「とく

しま産業振興機構」などを通じ、「創業促進・あったかビジネス支援事業」を2007年度から

継続している。これは、特産品や文化などの本県特有の資源や個人のユニークな能力・経験

などを生かした創業計画を規模や業種にかかわらず広く計画認定し、地域に根ざした創業を

県や関係機関が広く支援を行うものである。「準備支援」「立ち上げ支援」「創業後支援」な

どに関するさまざまなメニューが用意されているとともに、特に若者の創業を重点的に支援

することも掲げられている。

 また、女性の創業にも力点が置かれており、「女性の創業ステップアップ支援事業」とし

て、「女性起業塾」の拡充や徳島ビジネスチャレンジメッセなどへの出展支援も盛り込まれ

ている。

 徳島県信用保証協会・金融機関を通じた金融支援としては、「創業者無担保資金」の融資

限度額拡大(改正前1,000万円を2,000万円に)、市町村制度での同資金の利用者に対する保証

料補助実施の拡大などが行われる。

●金融機関による支援

 徳島県信用保証協会では、次代の地域経済活性化の担い手を一人でも多く発掘することを

めざして、創業支援に力を入れている。資金計画、収支計画、事業計画などの策定支援を行

い、保証申込を受け、金融機関の融資実行につなげる、という支援に加え、創業前の相談、

休日相談会、創業セミナーや保証後のフォローアップを行うなど、サポート体制を充実させ

ている。日本政策金融公庫も、多様な融資制度を取りそろえるとともに、さまざまな相談業

務やセミナーの実施、業界の動向・創業に重要なポイント・計画書作成・事例紹介などをま

とめた情報の提供も行っている。

 民間金融機関でも、さまざまな取り組みを進めている。阿波銀行は、徳島市が国から認定

を受けた「創業支援事業計画」において、創業支援事業者として2014年から連携を行って

いる。この連携内容は、営業店における起業・創業相談、各種制度融資での資金支援、起

業・創業セミナーの開催、各種補助金の案内である。また、同行は、徳島ニュービジネス協

議会とともに、16年から3年連続で「起業家セミナー(あわぎん創業スクール)」を開催し

ている。10回以上の講座から構成され、経営に必要な情報を学ぶことができる。

●とくしま創生アワード

 徳島県・徳島新聞社・徳島県信用保証協会・徳島大学・徳島文理大学・四国大学・徳島経

起業支援・産学連携

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済研究所を実行委員会とする「とくしま創生アワード」は、徳島を元気にする起業プランを

募集し、徳島ゆかりの経営者等が審査・支援するビジネスコンテストとして、2016年から続

けられている。16年のグランプリは「電脳交通:クラウド型タクシーコールセンター」、17

年は「セツロテック:徳島からゲノム編集産業を世界へ」が選ばれた。

●一般社団法人徳島ニュービジネス協議会

 徳島ニュービジネス協議会は、さまざまなセミナーの開催、研究会活動などを通して起業

を支援する民間団体であり、1996年に設立された。主催する「徳島ビジネスチャレンジメッ

セ」、またこの開催時に表彰されるビジネスプランコンペ「徳島ニュービジネス支援賞」は

本県経済界における重要行事として定着している。

■産学連携

 大塚グループ発展の基礎には徳島大学医学部・薬学部との共同研究があったと言われてい

るように、産学連携は経済活性化に大きな役割を果たしている。

●徳島大学の実績(共同研究・受託研究・寄附金受入)

 徳島大学の2016年度実績は、共同研究が272件・368百万円、受託研究が235件・939百万

円、寄附金受入が1,375件・1,460百万円となり、3部門を合わせた件数は前年度を上回った

(産学連携-1)。また、大学発ベンチャーは15件を数える(産学連携-2)。

●四国TLO(㈱テクノネットワーク四国)

 大学等が保有する特許の民間企業による活用、大学等との共同研究などを橋渡しする機関

として、四国においては四国TLOが2001年に設立されており、現在に至るまで産学連携に

おける中心的な役割を担っている。                   (蔭西義輝)

0

200

400

600

800

1,000

1,200

0

100

200

300

400

500

020406080100120140160180200220240260280

資料:国立大学法人徳島大学

(産学連携-1)徳島大学の産学連携制度の利用状況

0

1000

2000

3000

4000

5000

共同研究受入状況

受入額

受入額

受入額

(百万円) (件)

受入件数

受入件数

受入件数

受託研究受入状況(百万円) (件)

939939

235235

寄附金受入状況(百万円) (件)

0

20

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3000

1,375

20162015

292292

222222

330330

223223

407407

223223432432

250250

368368

272272

2012 2013 2014 2016

1,0451,045

234234

2015

993993889889

174174

1,0561,056

182182172172

2012 2013 2014 2016

1,4601,460

2,3052,305

1,028

2015

1,6061,606

1,1191,119

1.149 972

1,281

2012 2013 2014

1,3161,316

0

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(産学連携-2)国立大学法人徳島大学発ベンチャー企業

番号 企  業  名 認定年月日 大学等の関係者 主な製品・サービス

10

11

12

13

14

15

ナイトライド・セミコンダクター株式会社

株式会社MMラボ

株式会社イフリ

小胞体ストレス研究所株式会社

株式会社医用化学研究所

応用酵素医学研究所株式会社

株式会社徳島分子病理研究所

株式会社言語理解研究所

徳島メディカルゴーイング株式会社

合同会社SPM研究所

株式会社大学シーズ研究所

株式会社セツロテック

メカノジェニック株式会社

SHED Tech株式会社

株式会社Smart Laser &Plasma Systems

2016年12月20日

2016年12月20日

2016年12月20日

2017年1月26日

2017年2月21日

2017年2月21日

2017年2月21日

2017年2月21日

2017年2月21日

2017年2月21日

2017年2月21日

2017年2月22日

2017年5月16日

2017年10月2日

2018年2月26日

2018年4月現在

資料:国立大学法人徳島大学

理工学部研究部酒 井 士 郎

理工学部研究部三 輪 昌 史

医歯薬学研究部(栄養)阪 上   浩堤   理 恵

先端酵素学研究所親 泊 政 一

理工学研究部仁 木   登河 田 佳 樹

先端酵素学研究所木 戸   博千 田 淳 司

元ヘルスバイオサイエンス研究部泉   啓 介

元ソシオテクノサイエンス研究部青 江 順 一

理工学研究部泓 田 正 雄

医歯薬学研究部(医)岡 久 稔 也

元ソシオテクノサイエンス研究部田 中   均

先端酵素学研究所沢津橋   俊

先端酵素学研究所竹 本 龍 也沢津橋   俊

病院  船 木 真 理

医歯薬学研究部(歯)山 本 朗 仁

社会産業理工学研究部(理工)出 口 祥 啓神 本 崇 博

窒素化合物半導体の製造販売

マルチコプター・ドローン等の研究・開発・販売

健康補助食品、特定保健用食品、栄養機能食品の研究開発・製造・販売

癌の予防診断マーカー、治療薬の研究開発・製造販売

医用画像処理システム及び医用情報システムの研究開発・製造・販売

生体成分及び微生物成分に関連する医薬品等の研究開発・製造・販売

病理組織検査及び細胞検査の受託、研究支援サービス

言語理解機能ソフトウェアの研究開発・製造・販売

医療機器・ヘルスケア製品の研究開発・製造・販売

新規化合物群の研究開発及び実用化

大学の保有する技術・特許等のシーズを利用した商品化・製造・販売

ゲノム編集動物の作成及び解析、ゲノム編集受託

生物学・医療・医薬に関する研究・技術開発及びコンサルティング

幹細胞培養業務、幹細胞培養上清製造販売、再生医療に関するコンサルティング

先端レーザ・プラズマ技術を用いた計測関連研究業務、設計、製造販売

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 サテライトは衛星という意味であり、サテライトオフィスは「企業または団体の本拠か

ら離れた所に設置されたオフィス」(総務省)のことである。神山町では2010年頃からIT企

業が情報通信技術を活用し、本社と同じ業務ができる環境を整えたサテライトオフィスを

開設するようになった。こうした動きは過疎地における先進事例としてマスコミにこぞっ

てとりあげられ、特に2011年にNHKテレビの全国放送で、サテライトオフィスで働く若

者が清流の中の岩の上に座ってパソコンで仕事をする映像が放映された際には、大きな反

響を呼んだ。

 企業はサテライトオフィスを開設することで、地方で働くことを希望する優秀な人材の確

保や、恵まれた自然環境のもとで働くことに伴う従業員の創造性発揮という効果を得ること

ができる。東日本大震災後は、BCP(事業継続計画)の観点からサテライトオフィス開設を

検討する企業もみられた。

 こうした中、早くから県下全域に光ファイバー網が設置されていた上、帯域に余裕があっ

て大都市圏に比べ通信速度が格段に早い徳島県は、サテライトオフィスによるテレワーク

に適していた。加えて神山町では、NPO法人グリーンバレーが事務所や住居に使う空き家

のあっせんや移住者支援などを行ってきており、受け入れ側の体制も整っていたことから、

最初にサテライトオフィスの集積が始まった。

 サテライトオフィス開設により、地域はさまざまな効果が得られる。雇用の創出のほか、

若者の移住による人口構成の改善や地域活性化、サテライトオフィス開設企業の経営者や従

業員による地域貢献、サテライトオフィス開設企業と地元自治体などとが連携した地域課題

解決の取り組みなどである。

 こうしたこともあって、県やいくつかの市町村では、担当者の設置や補助金制度の創設、

ホームページによるPRや大都市圏でのプロモーション活動などにより、サテライトオフィ

ス誘致に熱心に取り組んでいる。また、美波町のようにサテライトオフィス開設企業の経

営者が誘致に主導的な役割を果たしている地域もある。この結果、現在では南部(美波町な

ど)や西部(三好市、美馬市)でもサテライトオフィスの集積が進んでいる。更に、最近では

佐那河内村や上勝町でも新たにサテライトオフィスが開設されるなど、地域的な広がりが

一段と進んでおり、2018年4月末現在でサテライトオフィスが開設されている市町村は12、

社数は 59社(いずれも徳島県調べ)にのぼっている。(サテライトオフィス-1)

 業種別には、神山町ではIT企業や映像会社、美波町ではIT企業が目立つ一方、両町に少

し遅れてサテライトオフィスが開設されるようになった三好市や美馬市では純粋なIT企業

は少なく、県内全体でみると近年業種構成の多様化が進んでいる。

サテライトオフィス

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 また、年別の新規開設数推移をみると、2015年は5社であったが、2016年は12社、2017

年はテレワークやローカル・アベノミクス推進の観点から実施された総務省の「おためしサ

テライトオフィス」プロジェクトの効果もあって14社(過去最高)、2018年入り後も4月末

までに3社が新たにサテライトオフィスを開設するなど、近年高水準で推移している。(サ

テライトオフィス-2)

(井上郷平)

三好市7社

美馬市7社

神山町16社

阿南市1社

那賀町2社

上勝町1社

美波町18社

牟岐町1社

海陽町3社

鳴門市1社

徳島市1社 佐那河内村

1社

合計 : 59社

(サテライトオフィス-1) 地域別サテライトオフィス開設企業数(2018 年 4月末現在)

資料:徳島県

資料:徳島県

(サテライトオフィス-2) サテライトオフィスの新規開設数推移(2018 年 4月末現在)(社)

0

2

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8

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16

2012まで

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1

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神山町 美波町 にし阿波地区 その他

2014

1

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4

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2015

1

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2016

5

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3

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2017 2018

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