7)バフンウニの資源回復技術の研究jsnfri.fra.affrc.go.jp/pref/fukui/2004/103-106g.pdf7)バフンウニの資源回復技術の研究...
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7)バフンウニの資源回復技術の研究
倉 有里恵 ・成田 秀彦 ・高垣 守
1 日的
本県において、バフンウニは 「越前ウニ」の原料 として重要な磯根資源であるが近年漁獲量が低迷 してお り、その原因究
明を強 く求められている。 しか し、定期的な調査が行われていないこと、また、ウニの漁期が夏場の1ケ月間だけに限定 さ
れてお り、漁業者からの情報が得 られないことから、詳細なウニの動向が明らかになっていない。そこで、早急に各種調査
を実施 し、ウニ資源の回復を図るため、漁獲不振原因の究明を行い、対策を検討するための基礎資料を得る。
2 方法
1)資源量調査
日 )季節変動調査
バフンウニ資源量の季節変動を知るために、三国町 (梶、崎)、
越廼村、美浜町 (日向、弁天崎)の各地点 (図 1.)で、2004年
5月から2005年11月にかけて、水深 2m以浅で素潜 りによりバ
フンウニの採集を行った。
採集 したサンプルは、その場で殻径を測定するとともに、肉
眼による外部症状 (艶責の有無等)の観察を行った。
(2)県内分布調査
バフンウニの県内での分布を知るため、2004年11-12月に、
三国町、福井市、越廼村、河野村、敦賀市、美浜町、小浜市の
各市町村 1-3地点の水深 2m以浅で、素潜 りによりバフンウ
ニの採集を行った。採集 したサンプルは、 (1)と同様その場
で殻径を測定するとともに、肉眼による外部症状の観察を行っ
た。
3 結果
1)資源量調査
(1)季節変動調査
各採集地点における2002年度以降の採集個体数および艶 責を
図 1 調 査 地 点 図有する個体 (以下、 「斑点個体」 と称する)の出現頻度の推移を図2に、殻径組成の推移を図3-1-5に
示 した。なお、採集個体数については、採集者の潜水能力や慣れ、天候 (波の高さ)等により差が出るため、単純に比較はで
きないが、 1人当た り、30分当たりの採集個体
数に換算 した。梶地区については、5-7月上旬の採集個体数は80-96個体/人/30分であったが、7月28日の調査時には43個
体/人/30分に減少 し、8月の調査以降は生存個体がほとんど採集できなかった。 斑点個体の割合は、前年の9月および1
1月の調査時には80%以上であったが、5-6月の調査時には40%以下にまで低 くなっていた。 しかし、 7月以降再度増加
し、その割合は昨年より高 く、8月以降は斑点個体 と殻だけであった。斑点個体の割合は殻径20mm以上のものに多かった (図2、図
3-i)C崎地区の採集個体数は0.5-39個体/人/30分 と他地区より少なく、7月以降殻径10mm以下の小型個体
が多 く採集される ようになった (図2、図3-2)。
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図2 バフンウニの斑点個体の推移
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越廼村大味随道下については、
5-7月の採集個体数は64
-116個体/人/30分であった。斑点個体の割合は70%と昨年よ
り高く、7月下旬には採集個体のほとんどに斑点が認められ
るようになり、8月以降は 生存個体が採集できなくなった(図
2、図3-3)。
美浜町については、昨年と同様、8月以降に斑点個体の割
合が若干増加する傾向はみられるものの、周年を通して大き
な変化はみられなかった。また、採集される個体は、三国町・
越廼村と比較して、大型 のものが多かった(図2、図3-4
-5)。
2004年度までの調査結果から、各地点とも高水温期の夏か
ら秋にかけて斑点個体の割合が増加し、その後、個体数が減
少する傾向がみられる。秋以降に乱射固体の割合が減少する
傾向がみられるが、越年後も斑点個体の割合が減らずに翌春
から再び増加すると、そ の後
、採集個体数が激減する傾向が
みられている。これらのことから、斑点の出現がバフンウニ資源の減少に
深く関与している可能性がうかがえる。今後、斑点出現の原
因 について詳細な調査が必要である。
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図3-2 バフンウニの殻径組成の推移
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図3-4 バフンウニの殻径組成の推移
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(2)県内分布調査
県内各市町村の地先における採集個体数と斑点出現頻度の推移を図4に、それらのうち2004年度における殻径組成を図5
に示した。前年度に艶酎固体の割合が80%以上と高かった三国町、福井市、越廼村、美浜町域ケ崎では生存個体を確認する
ことができず、河野村もわずか1個体のみ採集できただけであった。前年度に乱射固体の多い地区で採集個体数が減少する
傾向がみられた。一方、敦賀市水島および小浜市田烏の乱射固体の割合は20%以下と他の地区と比べて低 く、昨年と比べ採
集個体数に大きな変化はみられなかった。
このように、艶酎固体の出現には、地先による違いが認められる。 今後、このような地域差に着眼した調査を進めること
が、資源回復村策への端緒となると考える。
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左から2000年(2001年10月19日~11月6日)2001年(2001年 9月13
日~10月25日)2002年(2002年10月31日~12月3日)2003年(20
03年10月31日~11月28日)2004年(2004年11月9日~12月3日)・2002年の城ケ崎については6月