東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980...

18
資料-5 1. 社会経済的背景 ------------------------------ - 2. 政治経済社会状況経緯 ------------------------- 3. 農業農村の現状と特徴 ------------------------- 4. 各国の農業農村の現状と特徴 ------------------- (東南アジア8カ国での比較) 5. 東南アジアの農業農村の発展段階のまとめ ------- -東南アジア8カ国の検討結果より- 6. 東南アジアにおける今後の協力の方向 ----------- 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力の方向について(全体とりまとめ)

Upload: others

Post on 09-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

資料-5

1. 社会経済的背景 ------------------------------- 1

2. 政治経済社会状況経緯 ------------------------- 2

3. 農業農村の現状と特徴 ------------------------- 3

4. 各国の農業農村の現状と特徴 ------------------- 5

(東南アジア8カ国での比較)

5. 東南アジアの農業農村の発展段階のまとめ ------- 8

-東南アジア8カ国の検討結果より-

6. 東南アジアにおける今後の協力の方向 ----------- 9

東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力の方向について(全体とりまとめ)

Page 2: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

東南アジア8カ国全体地図

Page 3: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

東南アジア8カ国

1.社会経済的背景 〇 カンボディア、ラオス、ヴィエトナム、ミャンマーは過去に 30

~40年間にわたる内戦や戦争及び政治的混乱等から、発展が阻害さ

れていたものの、1980年代後半又は 1990年代初頭からの和平の実

現や政策の転換により徐々に発展してきている。 〇 インドネシア、フィリピンは、第2次世界大戦後、国民全体を巻

込む戦争や内戦はなく、着実に発展してきているものの、政治的経

済的な混乱から、地方部を中心に開発が遅れており、全体としての

発展はマレーシアやタイと較べて小さい。 〇 タイ、マレーシアは、過去 50 年間、国民全体を巻込む大きな混

乱もなく大きく発展してきている。特に、マレーシアは、過去 30年間、世界の経済成長物語の一つとなるほど大きく成長した。

〇 各国とも 1997 年のアジア経済危機で大きな打撃を受けたものの、

回復しつつある。 〇 今後の発展において、特にカンボディアではポルポト政権による

大量虐殺の影響による極端な人材不足、ミャンマーにおける現在の

軍事政権のための欧米諸国等からの援助の停止等からくる外貨不

足が問題となっている。

【国民 1人当りのGDP の推移】

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000

US

  Cambodia

  Indonesia

  Laos

  Malaysia

  Philippines

  Thailand

  Viet Nam

出典:FAOSTAT, World Development Indicators2002 注)ミャンマーについてはデータ無しにつき未記載

Page 4: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

2.政治経済社会状況経緯(東南アジア8カ国)

カンボディア王国 ラオス人民民主共和国 ヴィエトナム社会主

義共和国

ミャンマー連邦国 インドネシア共和国 フィリピン共和国 タイ王国 マレーシア国

19

50

・1863 フランスの保

護領

・1893 フランス保護領 ・1946-54 インドシナ

戦争

・1935 インドから分離

・1948 ビルマ独立

・1602 オランダ東インド会社設立、

以降 350 年間オランダの植民地支

・1950 インドネシア共和国となる

・1571 スペインの統治開始

・1898 米西パリ講話条約調印により、

米の統治開始

・1942 日本軍政開始

・1946 フィリピン共和国独立

・1932 立憲革命

・1946 プミポン現国王即位

19

50

・53 フランスより独

・53 フランスより独立

・54 ジュネーブ協定以

降も内戦が続く

・1953-56 農地改革実

・5 4 ジュネーブ協定

により南北に分断

・57 イギリスより独

立(マラヤ連邦)

19

60

・60 憲法改正 シア

ヌーク元首

・60 南ヴィエトナム開放民

族戦線結成

・65 アメリカ軍によ

る本格的軍事介入

・62 ネ・ウィン軍事政

権成立(1988 年まで

「ビルマ式社会主義」

により閉鎖的政策)

・60 土地基本法の公布

・67 スカルノ、大統領の権限をスハ

ルトに委譲。

・第1次経済社会開発計画(69~74

まで)

・65 マルコス大統領就任

(輸出振興政策のため、農産物輸出を

国営企業で独占)

(対外借入・金融緩和実施により、財

政赤字に陥り、国民の不満が高ま

る)

・第1次社会経済開発計画

(61-66)

・第2次社会経済開発計画

(67-71)

・63 マレーシア連邦

成立

19

70

・70 シアヌーク国王

クーデーターにより追放、

ロンノル政権成立

・75 クメール・ルー

ジュ(ポルポト)に

よりロンノル政権打

・79 ヘムサムリン政

権成立

・73 プーマ政権とパテ

ト・ラオ和平協定

・75 ラオス人民民主共

和国誕生 王制廃止

・77 ヴィエトナムと友好・

協力条約締結

(欧米、日本との関

係悪化)

・7 3 和平協定成立

・75 解放勢力サイゴ

ン入城

・76 ヴィエトナム社

会主義共和国(南北

統一)

・78 ヴィエトナム軍

のカンボディア侵攻

・79 中越紛争勃発

・7 0 年代から 80 年代初めまで、経

済は石油等の天然資源の輸出に依

存し、不安定な構造

・72 移住基本法制定

・74 第2次経済社会開発計画(~74)

・79 第3次経済社会開発計画

(~84)

・79 村落行政法制定

・7 2 戒厳令布告(憲法停止により、大

統領任期期限を凍結)

75 中国と国交樹立

76 ソ連と国交樹立

・第3次社会経済開発計画

(72-76)

・73 学生革命 タノム軍事

政権打倒

・75 農地法改正(農地改革)

・第4次社会経済開発計画

(77-81)

・76 クーデーターにより軍部主

導ターニン内閣成立

・経済近代化政策(民

間主導型開発)とプ

ミプトラ政策(貧困

対策と経済的不均衡

是正)等により急激

に発展

19

80

・82 ポルポト派3派

連合樹立、ゲリラ活

動による内戦が続く

・社会経済開発計画

(81-85)

・86 市場経済体制への

移行

・86 ドイモイ政策へ

の移行(経済自由化、

対外開放政策)

・88 民主化要求運動に

より政権打倒、クーデ

ターにより軍事独裁政

・89 ミャンマ-連邦に

改称

・84 第4次経済社会開発計画(~89)

・87 灌漑施設維持管理政策を策定

・89 第5次経済社会開発計画(~94)

・農業セクターへの協力効果を一層

高めるために、アンブレラ協力を

実施

・8 1 戒厳令を解除

・83 ベニグノ・アキノ元上院議員暗殺

・86 コラソン・アキノ暫定政権発足

(ピープル・パワー革命により、マル

コス大統領一家、国外脱出)

・89 国軍右派勢力によるクーデター

未遂事件発生。

国家非常事態宣言

(マルコス氏脱出先で死去)

・80 プレム内閣民主化推進

・第5次社会経済開発計画

(82-86)

・第6次社会経済開発計画

(87-91)

・88 チャチャイ文民内閣成

・86 以降外貨の積極

的な導入による輸出

指向型工業化政策を

推進(高度成長を達

成)

19

90

・91 パリ和平合意

・93UNTAC 支援下で新

憲法

・94 復興開発に関す

る国家計画

・94 社会経済復興計

画(94-96)

・第1次社会経済開発

計画(96-00)

・98 新連立政権フン

セン首相就任

・99ASEAN 加盟

・91 新憲法制定

・社会経済開発計画

(96-00)

・96 水及び水資源法

・97ASEAN 加盟

・第5次社会経済開発

計画(91-95)

・第6次社会経済開発

計画(96-00)

・95ASEAN 加盟

・95 アメリカと国交

正常化

・90 総選挙により国民

民主連盟圧勝するも軍

事政権の独裁状態が続

・97ASEAN 加盟

・地域間格差の問題が「東部インド

ネシア開発」として開発の主要課

題に位置づけられる

・97 年経済危機発生

・98 ハビビ、スハルトに代わり、大

統領に就任

・99 アブドゥルラフマン・ワヒッド

大統領、メガワティ副大統領を選

・99 法律の制定を受け、地方分権が

本格化

・99 東チモールの分離を承認

・90 ルソン島北部大地震

・91 ピナツボ火山噴火

・92 大統領選でフィデル・ラモス前国

防相が当選

・92 米軍が完全撤収

・96 マニラでアジア太平洋閣僚会議

(APEC)開催

・ 96 イ ス ラ ム 反 乱 勢 力 モ ロ

民族解放戦線と和平合意調印

・98 ジョセフ・エストラーダ氏

大統領就任

・91 クーデターによる軍政

復活

・第7次社会経済開発計画

(92-96)

・92.09 チュアン文民政権

・93 無償資金協力を原則終

・第8次社会経済開発計画

(97-01)

・97 年経済危機発生

・第 2 次農業政策(92

~2010)

・93 一般の無償資金

協力卒業

・94 通常の有償資金

協力卒業

・95 国家穀物庁の公

企業化

・97 国家穀物庁の民

営化

20

00

・第2次社会経済開発

計画(01-05)

・第 7 次社会経済開発

計画(01-05)

・00 政府とスー・チー女

史との間で直接対話開

・01 メガワティ大統領就任 ・00 汚職による大統領弾劾裁判開始

・01 ピープルズ・パワー2により副大

統領のグロリア・マカパガル・アロ

ヨ大統領就任

・01 現タクシン政権

・第 9 次社会経済開発計画

(02-06)

Page 5: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

3.農業農村の現状と特徴 〇 開発の遅れているカンボディア、ラオス、ヴィエトナム、ミャン

マーは農業人口割合が 70%前後と非常に高く、タイ、フィリピン、

インドネシアでは大きく減少してきているものの、まだ、40%以上

を占めている。 〇 マレーシアは、農業人口割合が急激に低下してきている。 〇 一方、農業人口 1人当りのGDP をみると、マレーシアでは大き

く伸びてきているものの、他の諸国は依然低迷しており、農村部の

開発が必要な状況にある。

【農業人口割合の推移】

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000

  Cambodia

  Indonesia

  Laos

  Malaysia

  Myanmar

  Philippines

  Thailand

  Viet Nam

出典:FAOSTAT

【農業人口1人当りのGDPの推移】

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000

US

$

  Cambodia

  Indonesia

  Laos

  Malaysia

  Philippines  Thailand

  Viet Nam

出典:FAOSTAT, World Development Indicators2002

注)ミャンマーについてはデータ無しにつき未記載

Page 6: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

4.各国の農業農村の現状と特徴(東南アジア 8 カ国での比較)

国 名 特 徴 発 展 経 過 (又 は 制 約 要 因) 課題及び取組方向 カンボディア ・ポルポト時代(1970 年代後

半)の大量殺戮によりあら

ゆる面で人材不足。 ・メコン河下流域に位置し、

河川の増水を利用した灌漑

方法が広がっている。

・1970 年代以降約 20 年間政治的混乱と紛争が継続 ・1991 年のパリ和平協定締結後、農業農村開発分野の協力

が開始され、総合的な取組が始まった段階。 ・地雷除去が行われていない耕作適地が約 50 万 ha あると

いわれている。 ・国土の 85%がメコン河流域

・貧困対策 ・人材育成 ・食糧生産の増大及び安定化 ・メコン河委員会を通じた開発 ・ポルポト水路の改修等灌漑施

設の整備

ラオス ・1975 年に社会主義体制が成立して現在に至っている

が、1986 年から市場経済

化、開放経済政策に移行。 ・60 を越す多民族がおり、国

土面積の約 8 割が山岳地帯で、耕地適地は 4%。

・総人口は約5百万人と少な

い。 ・農村部の約 2/3 が自給自足

的農業でほとんど未開発の状態

・1953 年の独立以降、内戦や戦争が続いた。 ・その後、1975 年以来の計画経済が行き詰まり、1986 年

に「新経済メカニズム」を導入し、計画経済から市場経

済への抜本改革に着手。

・貧困対策 ・食糧生産の増大及び安定化 ・人材育成 ・農村開発 ・焼畑展開対策 ・灌漑施設等のインフラの整備 ・メコン河流域開発の視点から

の開発

ヴィエトナム ・1人当りの耕地面積が小さ

く、農業人口 1 人当りの

GDP は低い。 ・社会主義体制であるが経済

自由化を採用。 ・米の世界第 2 位の輸出国

・長期間にわたる内戦等により開発が遅れている。 ・1986 年のドイモイ(刷新)政策(経済自由化、対外開放

政策)により農家意欲が向上し米の生産が増大。 ・農業農村開発分野への協力は 1991 年のパリ和平協定締結

後、本格化。

・貧困対策 ・地域間格差是正 ・農村開発 ・農業生産の多様化・安定化 ・人材育成 ・メコン河流域開発の視点から

の開発

Page 7: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

ミャンマー ・軍事的独裁政権状態が継続しており、欧米諸国は民主

化や人権に関する問題を巡

り厳しい姿勢。

・1962~1988 年の「ビルマ式社会主義」体制の崩壊後、軍事的独裁政権が継続。

・1970 年代後半以降、稲の高収量品種の導入により米の生

産は飛躍的に増大したが、その後、不可欠な化学肥料と

農薬の調達が外貨不足のため困難となり、高収量品種の

導入は伸びていない。 ・1988 年以降、政府独自に多くのダム建設を中心とした灌

漑施設の整備により、米の生産量が増大。

・畑地灌漑や水管理等の灌漑技術の普及

・自給自足的農業が営まれてい

る高原地域等での農村開発

インドネシア ・300 の部族からなる多民族国家

・言語、風俗、習慣が異なる

中で「多様性の統一」とい

う相矛盾することを標語に

国の形態を維持 ・土壌の多くは酸性の粘質土

で畑地の多くが土壌浸食の

問題を抱える。

・1900 年頃からジャワ等からの移住政策が始まる(1998年スハルト政権崩壊まで)。

・1969 年以降、国が灌漑施設を建設し管理運営する国家主

導型の灌漑開発を推進。 ・1970 年代後半以降、灌漑面積の拡大と稲の高収量品種の

導入により米の生産は飛躍的に増大。 ・1980 年代よりジャワ島における政府の工業開発優先政策

により都市化と工業化の進展し、優良農地が転用。 ・1984 年にはコメの自給率を達成。 ・近年、都市用水や工業用水の増大により、水需要が逼迫。

・ 効率的な水利用の促進 ・ 貧困対策 ・ 地域間格差是正 ・ 住民参加による農業農村開

フィリピン ・1946 年の独立当初より、農

産物輸出振興をしてきた

が、国際収支は赤字。 ・首都圏以外の地域は依然高い貧困率(2000 年で農村部

の貧困率 47%)。 ・国外での出稼ぎ労働者が多

い ・大小約 7,100 の島々から構成され、ルソン島、ミンダ

ナオ島で国土面積の 67%を占める。

・スペイン統治下の大土地所有制で多くの土地無し農民が

発生 ・古くから灌漑事業手続き及び管理について示した灌漑法

が存在するなど灌漑先進国であった。 ・1963 年国家灌漑庁(NIA)設立 ・1971 年農地改革省 (DAR) 設置 ・マルコス大統領戒厳令による国政の私物化 ・大地震、火山の大噴火、異常気象等の影響を 90 年代に受

ける ・農地改革が長年各政権に置いて重要課題とされてきた

・ 貧困対策(地方開発) ・ 地域間格差の是正 ・灌漑施設更新 ・農地改革推進 ・農業の近代化

Page 8: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

タイ ・1932 年以降立憲君主制にあり国民全体を巻込むような

内戦等はなく、ほぼ平和を

維持。 ・安定成長により、この 30年間で大きく発展。

・米の世界第 1 位の輸出国 ・東北タイに塩類集積土壌が

広く分布

・20 世紀初頭までは降雨による天水農業。 ・1904 年の王室灌漑局の設置以降、雨期作の補給灌漑施設

を整備。 ・1950 年代、中央平原では大チャオプラヤ事業により、豊

かな穀倉地帯に変貌。 ・1970 年代後半から 1980 年代前半にかけて、森林減少が及ぼす洪水や干ばつの増大等の影響に苦慮し、これまで

森林の開拓等による農地の拡大から、生産効率の向上に

政策転換 ・1960 年代以降、「圃場畦畔及び小水路法」や「圃場整備

法」を制定し、灌漑施設の末端整備を促進 ・1980 年代以降都市用水や工業用水の需要が増大し、水需

要が逼迫。

・地域間格差の是正 ・効率的な水利用の促進 ・インドシナ半島におけるタイ

の役割の強化 ・メコン河委員会におけるタイ

のイニシアティブの発揮

マレーシア ・GDP に占める農業割合(10.9%)及び農業人口割

合(18.4%)とも大きく低

下。 ・無償資金協力及び有償資金

協力とも原則として卒業。 ・輸出用換金作物―ゴム、油

やし等―が主体であり、主

食である米の収穫面積は

20%以下。 ・国民 1 人当りの GDP は

3,000 ㌦以上で高中所得国 ・低平地の多くが下層に泥炭

土を持っており、商品作物

の生産に当っては排水対策

が必要。

・1957 年の独立後、1960 年代に入ってから、灌漑施設の修復・新設による 2 期作の実施により、米の生産が増大。

・あわせて比較的豊富な未開発土地資源を利用し、農村貧

困者の所得再配分及び福祉改善のため、輸出用換金作物

―ゴム、油やし等―の栽培を拡大。 ・1970 年からの約 30 年間に国民 1 人当りの GDP が大きく上昇し、貧困率は激減した。

・第2次国家農業政策(1992~2010)において、8 ヶ所の

大規模穀倉地帯を恒久の米生産地帯に指定するととも

に、他の生産性の低い地区についてはアグロフォレスト

リー等の他の利用目的に転換することとしている。 ・近年の工業等の発達による農村部から都市への労働力の

移動により耕作放棄地の増大、管理の粗放化が問題。

・アジアのパートナーとしての相互理解の促進や技術交流。

Page 9: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

5.東南アジアの農業農村の発展段階のまとめ ―東南アジア 8 カ国の検討結果より―

農 業 農 村 の 状 況 開発程度 食糧安全保障 土地利用 水資源(かんがい)

取巻く社会状況

主要な課題

各国の状況等

・村単位での自給自足 ・自然順応的な農業 ・小規模で伝統的な灌漑

(天水田、沼沢、増水利用) (河川自流利用) ・主食の米の増産 ・耕地面積の拡大(森林減少)・平野部での大規模開発

(水源及び基幹施設) ・米の乾期作の導入 ・土地生産性の向上 ・水管理面への対応 ・作物の多様化 (乾期作の拡大) ・圃場内水利整備 ・労働生産性の向上 ・工業化の拡大 ・水資源の逼迫 ・農業の比重の低下 ・農業生産の地域の特定 ・灌漑効率の向上

・生活・工業用水との競合 (アジアのパートナーとしての技術交流、連携の実施)

農業が重要産業 人口の増大 全体的貧困 財政状況が脆弱 農業が重要産業 人口増大 農村部での貧困 財政逼迫 都市と農村の格差 都市への人口流入 工業化の促進 生活環境の整備 農村環境整備 環境保全 水田の多面的機能発

貧困対策 農業開発全体の促進 基礎インフラの整備 人材育成 貧困対策 農村開発の促進 基幹灌漑施設の整備 人材育成 地域間格差の是正 地方の開発促進 末端灌漑施設の整備 水管理、水利組合育成

等への支援 農村の高齢化・過疎化 担い手不足

ラオス カンボディア ヴィエトナム ミャンマー インドネシア フィリピン タイ マレーシア (韓国)

Page 10: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

〇 米の単位収量は、1970年代から 1980年代にかけて緑の革命によ

り大きく伸びており、インドネシア、ヴィエトナムが高く、カンボ

ディアは低くなっている。 〇 米の自給率は、世界第 1位、2位の米の輸出国であるタイ、ヴィ

エトナムが高く、インドネシア、フィリピンは、近年、自給を達成

しておらず、マレーシアの自給率は低下傾向にある。

【米の単位収量】

0.000

0.500

1.000

1.500

2.000

2.500

3.000

3.500

4.000

4.500

5.000

1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000

単位

収量

 t/

ha

  Cambodia

  Indonesia

  Laos

  Malaysia

  Myanmar

  Philippines

  Thailand

  Viet Nam

出典:FAOSTAT

【米の自給率の推移】

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

120.0%

140.0%

160.0%

180.0%

200.0%

1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000

米の

自給

  Cambodia

  Indonesia

  Laos

  Malaysia

  Myanmar

  Philippines

  Thailand

  Viet Nam

出典:FAOSTAT

Page 11: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

6.東南アジアにおける今後の協力の方向 (1) 農業構造による分類 〇 東南アジアの 8 カ国は、アジアモンスーン気候に属し、これら

のほとんどの地域が、一年中温暖で多量の降雨を伴う雨期と乾期

に区分され、しばしば洪水、干ばつ等の災害が発生。 〇 これらの国々は、米を主食とし、水田農業を発展させてきたが、

それぞれの歴史的背景、文化・風習も異なっており、異なった発

展過程を経てきている。 〇 農業人口 1人当りGDP と農業人口割合の関係をみると、農業

人口割合が低下するにしたがい、農業人口 1人当りのGDP が増

大してきていることを示している。つまり、農業人口 1人当りの

生産性の向上を図ることが発展において不可欠といえる。 〇 一方、これらの国々は、主食が米であることから、全農地面積

(永年作物を含む)に対する米の収穫面積割合と 1 人当りの耕

地面積の関係をみると、国民 1 人当りの耕地面積が小さければ

小さいほど、米の収穫面積割合は大きくなるものの、2つのグル

ープに分かれる。 ① 一つグループは、タイ、カンボディア、ミャンマー、ラオス、

ヴィエトナムのグループであり、農業の中心が稲作となってい

る国々である。 ② もう一つのグループは、マレーシア、フィリピン、インドネ

シアであり、油やしやゴム等の商品作物生産のエステート農業

と小作農を中心とした水田農業である。

【農業人口 1人当り GDP と農業人口割合 2000】

出典:FAOSTAT

【米の収穫面積割合と国民 1人当りの耕地面積 1990-2000】

出典:FAOSTAT

Page 12: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

(2)発展段階に応じた協力 〇 これまでの東南アジア各国の検討結果から、P8「5.東南アジ

アの農業農村の発展段階のまとめ」で示したように以下のことが

いえる。 1) ほとんど開発がなされていない段階では、天水田や河川の増

水を利用した自然順応型の農業や小規模な伝統的な灌漑によ

る農業が営まれ、村単位での自給自足が主体。しかし、国民の

多くが貧困状態で、政府の財政力も脆弱で基礎的インフラが未

整備の状況。 2) 次の段階として、多くの貧困解消を主目的に、比較的開発が

容易な平野部での大規模開発や森林の開発により農地面積が

拡大され、これにより米の増産が図られる。しかし、開発から

取り残された地方の農村部を中心に格差が拡大するとともに、

森林破壊による環境問題が発生。 3) このような状況に対して、農地の拡大から土地生産性の向上

に開発が向けられ、灌漑施設整備による米の乾期作の導入や作

物の多様化が図られるものの、これまでのハード面を中心とし

た技術から水管理等のソフト面の技術が必要になるとともに、

大都市部での開発による経済発展や工業化の進展により都市

と農村の格差の拡大が生じる。 4) 更に発展して、工業化が拡大し、農業面においても労働生産

性の向上が図られるとともに、経済的な発展から地方の開発も

積極的に行われてくるものの、農業の比重の低下や農村の高齢

化・過疎化による担い手不足が発生し、水資源の逼迫による生

活用水・工業用水との競合が生じ、農業用水のより効率的な利

用が求められてくる。

〇 以上のような段階を経て発展が遂げられてきている状況があ

ることから、当然のことながら各段階にあわせて、相手国の技術

力や財政力を踏まえた協力が極めて重要。 〇 特に農業農村開発分野では、これまでの各国での協力を通じた

各段階での協力の実績と経験を有することから、これらのノウハ

ウを十分に活かした対応を図っていくことが極めて重要。

【東南アジア各国の農漁農村の発展過程】 全体的貧困

---------------------------------------------------------------------------------------

地域間格差 の発生

---------------------------------------------------------------------------------------

都市と農村 格差拡大

---------------------------------------------------------------------------------------

農村の高齢化 過疎化

自給自足・自然順応的農業 (天水田が主体、一部小規模な伝統灌漑)

平野部での大規模開発、農地の開発

(大都市部やその周辺での発展)

乾期作の拡大、工業化の進展 (地方開発の遅れ)

労働生産性の向上、水資源の逼迫、 地方開発の促進、工業化の拡大

Page 13: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

(3)農業開発 〇 東南アジア地域の人口は、1961年から 2000年までの約 40年

間に 226百万人から 517百万人と約 2.3 倍に増加し、1人当りの

米の収穫面積は減少してきているものの、灌漑面積が人口の伸び

とほぼ同じ割合で増加し、1 人当りの灌漑面積は 1961 年と同水

準で推移してきている。 〇 アジアモンスーン地域における灌漑の導入は、これまでの雨期

作の米の収量の安定と増大をもたらすだけではなく、乾期作の導

入も可能にし、米の飛躍的な増産や作物の多様化が図られるよう

になる。 〇 特に、今後とも東南アジア地域での人口の増加が予測されてい

る状況に対して、食料生産の安定的確保を図るためには灌漑面積

の拡大と既存灌漑施設の適切な復旧・改修が不可欠である。 【開発途上国の灌漑農地と天水農地の平均収量】

出典:「水不足が世界を脅かす」サンドラ・ポステル 2000年

【東南アジア地域の 1人当り米の収穫面積、灌漑面積等】

アジア8カ国 米の一人当り収穫・灌漑面積と単位収量等の推移

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000

面積

 1

0a

0

50

100

150

200

250

300

350

400

kg

一人当り収穫面積

一人当り灌漑面積

単位収量

一人当り生産量

出典:FAOSTAT

【東南アジア地域の灌漑率と米の単位収量】

アジア8カ国 灌漑率と単位収量の推移

0

50

100

150

200

250

300

350

400

1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000

kg

/1

0a

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

単位収量

灌漑率

出典:FAOSTAT

Page 14: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

(4)環境保全

〇 東南アジア地域の森林(主として熱帯雨林)面積は、1961年の

267百万haから1995年には229百万haと38百万ha減少し、農

地面積は、1961年の84百万 haから1995年の107百万haと23

百万ha増加している。

〇 森林面積の減少の主な原因は、農地の開発、焼畑耕作による裸

地・草地化、薪炭材や建材などの生産等によるものであり、イン

ドネシアにおいては焼畑跡地に繁茂したアランアラン草原(チガ

ヤの一種)が全体で 860万 ha にも広がっている。また、タイで

は、森林減少が及ぼす洪水や干ばつの増大等の深刻な影響から

1989年に森林伐採禁止令を発布している。

〇 東南アジア地域の土壌浸食状況をみると、気候的に雨期の集中

豪雨の発生やタイの東北部・北部にみられる浸食されやすい土壌

であること等から、ほとんどの国において、侵食されている状況

にあり、地域によっては、かなり侵食されている状況となってい

る。

〇 このため、森林保全の観点から、焼畑耕作から谷地田や渓流取

水を利用した小規模な灌漑による水田農業への転換及び農地の

拡大から土地生産性の向上のための灌漑の導入を推進していく

必要がある。

〇 また、土壌浸食防止の観点から、森林保全や水田の持つ洪水防

止機能の効果的発現及び畑地での等高線栽培等の土壌浸食防止

対策を行っていく必要がある。

【森林面積の減少推移】

出典:FAOSTAT

【土壌浸食の進行状況】

出典:「食料・環境-生命と地球の未来を守るために」かん排審国際部会報告

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995年

[100

0ha]

その他

森林・林地

農地面積

Page 15: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

(5)貧困対策 〇 未開発の段階では、都市部と農村部での格差はほとんどなく、

都市部と農村部での貧困割合の差は小さい。しかし、大都市部や

周辺の比較的開発が容易な平野地域から発展していくことから、

農村部での貧困が改善されずに残り、都市部と農村部の貧困率が

拡大することとなる。 〇 カンボディア、ラオス、ヴィエトナム、インドネシア、フィリ

ピンの貧困の状況をみると、都市部に対して農村部の貧困割合が

高くなっている。

〇 また、カンボディア、ラオス、ヴィエトナムは、貧困全体に占

める農村部の割合が非常に高く9割程度となっており、インドネ

シア、フィリピンにおいても、貧困の約 2/3 を農村部が占めてい

る状況である。 〇 このため、貧困対策として、農村部の開発が重要であり、持続

性の観点から、住民参加型により、農業生産を安定させ、生活環

境を改善する持続可能な総合的農業農村開発が効果的。

【都市と農村部における貧困割合】 【総合的農業農村開発「村づくり」のイメージ】

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

50.0%

カンボディア ラオス ヴェトナムインドネシア フィリピン

貧困

割合

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

貧困

全体

に占

める

農村

部の

割合

都市部

農村部

貧困全体に占める農村部の割合

住民参加による総合的な取組

村づくり

小規模灌漑施設建設

水田開発

村落道路建設

生活用水(井戸)

農民の組織化

野菜栽培,養鶏場等農村女性によるの取

運営・維持管理のための基金設立

住民参加による総合的な取組

村づくり

小規模灌漑施設建設

水田開発

村落道路建設

生活用水(井戸)

農民の組織化

野菜栽培,養鶏場等農村女性による取組

運営・維持管理のための基金設立

Page 16: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

(6)協力に当っての連携 1) 南南協力の推進

〇 東南アジア地域には、マレーシアやタイのように開発が進み、

技術力を有する国から、ラオス、カンボディアなどのように、開

発が遅れており、経済的に脆弱で、基礎的な技術の支援がまだ必

要な国まで存在している。

〇 東南アジア地域は、水田農業を中心とし、気候的にも似ている

ことから、これまで、マレーシアやタイが我が国の協力で移転さ

れた技術を活用し、ラオスやカンボディア等の開発の遅れている

国に対して、灌漑施設整備に必要な調査・計画・設計・施工・管

理等の基礎的な技術移転を通じて技術者の育成を図るために、第

三国研修等の南南協力にも積極的に取組んでいくことが効果的

である。

〇 したがって、開発の遅れている東南アジアの国々に対して、マ

レーシアやタイと連携した協力を今後進めることが重要。

【南南協力のイメージ】

出典:「政府開発援助(ODA)白書」2001年版 より抜粋

【広域協力、南南協力の推進】

より開発の進んだ途上国が、自国の開発経験及び人材などを活用して他の途上

国への協力を行う「南南協力」や、近隣諸国の間における国境をまたいだ「広域

協力」は、社会・文化・経済事情などが比較的に似通った国々による協力であり、

移転できる技術・ノウハウを似通っており、また援助にかかるコストも比較的安

く済むことから、開発協力の効率、効果や費用対効果を高める有効な手段であり、

こうした動きを促進・支援していくことは極めて重要です。また、南南協力や広

域協力の促進は、国際的開発パートナーシップの強化と援助資源の拡大に繋がる

のみならず、途上国間での人的交流の強化や、地域の安定化、善隣友好関係の教

化に通じるものです。

Page 17: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

2) NGOとの連携の強化 〇 国際協力に関心を持ち具体的行動を展開している地方公共団

体も多くあり、国民参加の幅の広がりを見せている。開発に関す

る国際会議等においても NGO の参加が求められる例も多く、

NGOは開発の一翼を担うものとして認知されるに至っている。 〇 このため、政府ベースの開発アプローチと比べ、地域住民や地

域に対して直接アプローチすることによって、住民の開発ニーズ

を的確に把握し、柔軟かつ迅速に直接的に対応できるといった

NGOの優位性を踏まえた対応が今後、必要である。 ○ 例えば、開発の遅れている地域に対して、政府ベースでの基幹

的な灌漑施設や農道等の農業農村基盤の整備と、NGOによる住

民参加による末端整備や農村の生活改善のための共同井戸、トイ

レの設置との連携により総合的な農業農村開発を効率的、効果的

に促進することが重要。 注:NGOとは、最近では、開発、経済、人権、人道、環境などの地球規模

の問題に取組む非政府・非営利の組織の総称として使われている。 (外務省ホームページより抜粋)

【NGOとの連携強化のイメージ】

【NGOの取組事例 -水と大地と緑の会―】

・目 的 仕事としてのODAによる援助ではなく、会員の参加による草の根レベル

での、途上国の農村地域を中心とした村の発展や人づくりに対する支援・

活動を目的に1998年に発足。

・支援事業の概要 事業は、本会の主旨に賛同する個人からの会費等を基に、途上国在住の

会員等の申請により当会の委員会での審査で決定され、支援額は 1 プロジ

ェクト当り原則として30万円。 ・取組実績

① 共同井戸の整備(フィリピン):2000年 ② 住血吸虫対策として小学校にトイレを建設(タンザニア):1999年

③ 集落のため池の改修(パキスタン):2000年 等

波及 普及

現 状 連携の強化

NGO

NGO NGO

政府ベース

農業農村基盤の整備基幹的灌漑施設

農道等

共同井戸

共同トイレ

末端整備

NGO

NGO

NGO農業農村基盤の整

備基幹的灌漑施設

政府ベース

連携が不十分

Page 18: 東南アジア8カ国の農業農村開発分野における協力 …...1961 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1999 2000 €€Cambodia €€Indonesia €€Laos €€Malaysia

【参 考】

【東南アジア8カ国の諸指標の比較 2000年】

2000 2010 伸率

カンボディア 13,104 16,630 26.9% 70.1% 37.1 243 510 129 4.0 0.291 0.282 7.3% 1.948 103.2%

ラオス 5,279 6,611 25.2% 76.5% 52.9 324 649 224 2.9 0.181 0.166 20.0% 3.061 124.1%

ヴィエトナム 78,137 88,684 13.5% 67.3% 24.3 401 930 145 6.4 0.094 0.074 52.2% 4.243 135.5%

ミャンマー 47,749 52,990 11.0% 70.2% - * 300 0 - - 0.220 0.207 20.0% 3.383 120.6%

インドネシア 212,092 237,711 12.1% 44.1% 16.9 723 1,074 277 3.9 0.158 0.097 23.5% 4.401 95.4%

フィリピン 75,653 89,888 18.8% 39.3% 15.9 988 1,369 400 3.4 0.133 0.073 27.9% 3.068 95.2%

タイ 62,806 69,681 10.9% 49.0% 10.5 1,945 3,413 415 8.2 0.287 0.234 34.0% 2.624 183.0%

マレーシア 22,218 26,146 17.7% 17.7% 11.1 4,035 4,359 2,528 1.7 0.342 0.082 20.1% 3.276 69.5%

出典:FAOSTAT, World Development Indicators 2002   *については、1999年の推定値(外務省HPより)

国別総人口及び増加予測 1000人 農業人口割合

%GDPに占める

農業割合%

国民1人当りGDP ドル

非農業人口1人当りGDP ド

農業人口1人当りGDP ドル

農業・非農業1人当りGDP格差

(農業=1)

米の自給率%

国民1人当り農地面積ha

(永年作物含)

国民1人当り耕地面積ha

灌漑率%(対耕地面

積)

米の単位収量(ton/h a )