― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯...

47
設立編 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 災 防 犯 防 犯 環 境 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収 など 情報交換 情報交換 回覧板など 親 睦 親 睦 夏祭り・餅つき大会等 の行事 福 祉 福 祉 福祉団体との連携など 子育て 子育て 子ども会など

Upload: others

Post on 15-Feb-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

― 設立編 ―

平成26年6月

西宮市 地域活動支援課

防 災防 災防 犯防 犯

環 境環 境防災組織など

自治会等

防犯パトロールなど

美化運動・集団回収など

情報交換情報交換回覧板など

親 睦親 睦夏祭り・餅つき大会等

の行事

福 祉福 祉福祉団体との連携など

子育て子育て子ども会など

Page 2: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

目次

はじめに

ページ

1.住民による自治組織について 1(1)地域課題の解決とコミュニティ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 (2)コミュニティづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 (3)自治会等の具体的な活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2.住民組織の設立までの手順について 3 (1)設立準備会を設ける ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 (2)自治会等の範囲(区域)を決める ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 (3)地域住民の意見等を尋ね、まとめる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 (4)趣意書を作成する ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (5)規約(案)を作成する ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (6)地域住民の同意を得て、自治会等加入を募る ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (7)事業計画(案)、予算(案)、名簿を作成する ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (8)結成(設立)総会を開催する ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 (9)役所や関係機関等に通知する ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 3.規約について 7

4.個人情報の取り扱いについて 10(1)個人情報とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (2)個人情報保護法と自治会等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (3)自治会等における個人情報の取扱い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (4)防災と個人情報 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 5.会議の運営について 12(1)会議の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 (2)会議の基本ルール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 6.総会等の注意点 15(1)総会開催の前に(事前準備)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 (2)総会当日 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 (3)総会の手順 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 7.会計処理 20(1)会計処理の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 (2)会計処理の手順 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 8.自治会の法人化(認可地縁団体) 22(1)自治会の法人化(地縁による団体の認可) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 (2)管理組合の法人化(管理組合法人の設立登記) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 9.広報 26

10.各種地域団体との関係 27

● 参考資料(様式例) 28(1)趣意書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 (2)規約 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 (3)事業計画書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 (4)予算書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 (5)決算書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 (6)加入申込書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 (7)会員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 (8)役員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 (9)総会次第 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 (10)総会開催通知 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 (11)議事録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41 (12)個人情報取扱規定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 (13)転入者等への案内 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43

Page 3: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

は じ め に

市内には、平成25年7月現在450を超える自治会や町内会等(以下、自治

会等)があります。自治会等は、地域住民が自主的に結成・運営している組織で、

地域住民が快適に、安全・安心に暮らせるよう、地域の親睦を図ったり、ごみス

テーションをきれいに保ったり、生活安全パトロールや通学路の見守り、防犯灯

の維持管理を行うなど、さまざまな活動を行っています。

しかし、近年、少子高齢化や核家族化の進展、価値観の多様化などから、自治

会加入者が減り、地域のつながりが希薄になってきていることなどにより、多く

の自治会等で加入率の低下や役員のなり手不足が課題となっています。さらに、

自治会等の未加入者が、自治会等が行うごみステーションの管理などの恩恵だけ

を受けているということについて、加入者に不公平感を生じさせているといった

課題もあります。

一方、マンションなどの集合住宅が増える中、自治会等に加入したいと思って

も地域に自治会等がなかったり、オートロック式のマンションで連絡が取りにく

いなどの理由から、自治会加入を敬遠される場合もあります。

このようなことから、本市では、平成25年4月より「開発事業等におけるま

ちづくりに関する条例規則」を改正し、新たな住民を受け入れる集合住宅等の建

築事業主に対して、入居者へ自治会等の役割をお知らせし、加入について呼びか

けることを義務付けています。

また、阪神・淡路大震災発生時にどのように救助されたかを示すデータにより

ますと、「自力または家族の救助(自助)」が約 67%、「友人や近隣の救助が(共

助)」が約 31%で、「救助隊による救助(公助)」が約2%でした。(共助)に

よりたくさんの方が救助されたのかが数字に表されているように、一人でも多く

の市民が自治会等に加入して、支え合い、助け合いの心でまちづくりに取り組む

ことが大切です。

本書が、地域コミュニティ活動の活性化を目指し、自治会等設立に取り組む方

々やそれを支援する周辺自治会等の方に、少しでもお役に立てば幸いです。

市民の皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。

西宮市

Page 4: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 1 -

1.住民による自治組織について

自治会・町内会(以下、自治会等)は、「住民同士の心が通うまちにしたい」、「安全に

暮らせるまちにしたい」、「きれいなまちにしたい」など、様々な住民の思いの実現に向

けて、住民自らが結成し、自主的な運営を行う団体であり、地域コミュニティづくりの

中心的な担い手です。

私たちは通常、□□町、○○町××丁目、△△住宅など、一定の区域や共同住宅など

に生活の本拠を置いて日常生活を営んでいます。このような、私たちが生活の基盤を置

きながら日常生活を営む生活空間の中では、個人や家庭で取り組むには困難や限界があ

るため、そこに住む住民が共同で取り組むべき様々な地域課題が生じます。

例えば、ごみステーションの清掃やごみ出しマナーの徹底、道路や公園の美化、違法

駐車の追放、防火・防犯対策、高齢者や障害者

への福祉活動、親睦行事の催しなどは一部の人

だけで取り組んでもなかなか効果が上がらない

ため、地域を挙げて住民の皆さんが共同で取り

組んでいく必要があります。

このように、様々な地域課題を住民自ら解決

するために結成されるのが住民自治組織で、自

治会等がこれに該当します。マンションなどの

共同住宅では管理組合が自治会活動も併せて行

っている場合があります。

住民自治組織のように一定の地域に居住し、

共通の目標や価値観、帰属意識を持つ人々の集

団をコミュニティといいます。地域課題の解決

のために主体的に取り組む母体となるのがコミ

ュニティであるといえるでしょう。

地域の様々な課題解決のために住民が自主的に取り組むことで、住民同士の連帯感や

親近感が生まれてきます。また、地域の問題や課題にみんなが目を向けるようになり、

他人任せでない主体的な取り組みが生まれ、自治意識が育ってきます。このように、地

域の問題を自分たちの問題として捉え、自分たちで解決していこうという意識や能力が

まちを良くしていくために必要となります。

その主体になるのが自治会等を始めとする住民自治組織なのです。

(1) 地域課題の解決とコミュニティ

(2) コミュニティづくり

− 1−

Page 5: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 2 -

■ 住民同士のふれあい・支え合い ・親睦活動(ふれあい)

夏祭りや文化祭、敬老イベントへの協力、町内親睦旅行、餅つき大会などを企画・開

催し、地域住民同士の交流と親睦を深めています。

・支え合いの活動

震災等の災害が起こったときに備えて、独り暮らしのお年寄りを把握している自治会

もあります。

■ 生活に役立つ情報の提供

・町内の連絡・回覧

回覧板や掲示板で町内の行事や連絡事項をお知らせしたり、生活に役立つ情報をお届

けしています。

■ 安全・安心のまちづくり ・防災・防犯活動

消防や警察機関と密接に連絡をとり、地域ぐるみで防火・防災訓練や防犯教室を実施

するなど組織的な活動を行っています。また、地域の見回りなど自主的な防犯活動を

行う「安心・安全パトロール」を実施しています。

・見守り活動

交通事故の予防と、子どもの安全を守るため、通学路のパトロール等を行っています。

■ 清潔で快適なまちづくり

・環境美化活動

快適で美しいまちづくりのため、ごみステーションの

維持管理、公園や河川・側溝などの清掃活動などを行

っています。

・リサイクル活動

古紙やダンボール等の集団資源回収活動にも取り組ん

でいます。

■ まちづくりの計画や実践への参画

・まちづくりの活動

地域が主体となって、地域の特性を活かしたまちづくりを考え、実現に向けて様々な

活動に取り組んでいます。

・各種地域団体との連携

コミュニティ協会や老人クラブ、子ども会、婦人会、PTAなど、地域で活動する様々

な団体と連携して活動を行っています。

(3) 自治会等の具体的な活動

− 2−

Page 6: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 3 -

2.住民組織の設立までの手順について

自治会等を新たに設立するまでには、次のような手順をたどりますが、これは一般的な

例示で、必ずしもこのとおりにしなければいけないわけではありませんので、地域の実情

に応じて変更してください。

自治会等の新規結成の手順としては次のものが考えられます。

結成準備を進めるための発起人会(設立準備会)を設けます。

自治会等結成に向けて地域住民の意向を尋ね、まとめます。

自治会等の設立趣旨を文書にします。

規約案の作成や役員の選出などについて検討します。

趣意書・規約を提示して、自治会等加入を受け付けます。

総会開催に向けて、事業計画書・予算書や名簿などを

作成し、会費の額なども決めておきます。

会員に案内を配布し、結成(設立)総会を開催します。

そこで議案書を審議し、決定ののち発足します。

自治会等発足後、地域の連合自治会に加入したり、自治

会活動に関係の深い役所、警察署などの行政機関、その

他の関係団体に対して文書などにより結成のお知らせを

します。

(1) 設立準備会を設ける P.4

(2) 自治会等の範囲(区域)を決める P.4

(3) 地域住民の意見等を尋ね、まとめる P.4

(4) 趣意書を作成する P.5

(5) 規約(案)を作成する P.5

(6) 地域住民の同意を得て、自治会加入を募る P.5

(7) 事業計画(案)、予算(案)、名簿を作成する P.5

(8) 結成(設立)総会を開催する P.6

(9) 役所や関係機関等に通知する P.6

− 3−

Page 7: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 4 -

まずは、ご近所の方に声をかけて、一緒に設立の準備をしてくれる方を数名集めま

す。最近は共働き世帯も多く、自治会等の必要性を感じていても、協力的な人がすぐ

には見つからないかもしれません。しかし、自分たちが住んでいるまちを、安全で安

心な住みよい町にすることに反対する人はいません。じっくり働きかけ、協力者を募

りましょう。

準備会ができたら、まずは自治会等の範囲(区域)を確定させます。

自治会等は任意の組織ですが、趣味のサークルや同窓会などの他の任意組織とは異

なり、「地縁」というつながりによって結成される住民自治を行うための組織であり、

その地域内においては誰もが入れる団体でなければなりません。また、誰もが入れて

こそ十分な目的を達成できる団体でもあります。

地域の住民によってその地域を住みやすくするための団体であることから、同じ地

域(区域)に二つの組織があっては成り立ちません。一つのマンションには管理組合

が一つであることを考えたらわかりやすいと思います。ですから、既存の近隣自治会

等と重複しないように、範囲(区域)をきちんと定める必要があります。

範囲(区域)を決めるときは、必ず既存の近隣自治会等に、境界について相談しま

しょう。

自治会等の平均的な世帯数はおおよそ 100世帯程

度です。また、自治会等の内部組織である班などに

ついては、平均では10~20 世帯程度ですが、街区

ごとやフロア(階層)ごとなどのまとまりの単位で

編成されることが多いです。

ただし、これらはあくまで目安ですので、新しく

設立する自治会等の実情に合わせて決めましょう。

自治会等の範囲が決まったら、その範囲(区域)の方へ、自治会等の設立について

の意見を聞きましょう。先にも述べましたが、自治会等は、地縁によって結びつく団

体であり、男女や年齢等に関係なく、住民みなさんで地域を暮らしやすくするための

団体です。地域の皆さんの賛同を得られなかったら設立も難しくなりますので、まず

は皆さんの意見を聞きながら、自治会等の存在意義を理解していただきましょう。ま

た、こんな自治会等だったら是非入りたい、こんな自治会等ならむしろないほうがよ

いなど、様々な意見があるかもしれませんが、そのような意見も、設立するときに活

かしていきましょう。

(1)設立準備会を設ける

(2)自治会等の範囲(区域)を決める

(3)地域住民の意見等を尋ね、まとめる

− 4−

Page 8: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 5 -

趣意書とは、自治会等を設立する趣旨を説明する文書で、地域の皆さんの理解や協

力を得るための書類です。設立の目的・目指すものなどについて記載します。読み手

の負担を軽くするために、文書はA4用紙1枚程度に収まるようにし、「設立準備会」

や「発起人一同」などの名前で発行します。

地域の方の意見を取り入れながら、設立準備会で会議を重ね、自治会等でどのよう

な活動を行うのか話し合います。

自治会等の適正な運営に欠かすことのできないものに規約があります。会の運営・

活動の基本となるものですから、会員の意見を十分に聞いて、地域ならではの特性な

ども考慮し、実情にあった規約を定めることが重要です。

会はこの規約に基づいて運営や活動を行いますので、目的や活動内容などを定める

とともに、目に見える形にしておく必要があります。地域の実情にあった規約を作る

ために、参考として、既存の近隣自治会等や他団体の役員に相談するのもよいかもし

れません。

また、不動産等財産(集会所など)を自治会等が所有するなどの理由で、地方自治

法に基づく認可地縁団体(法人格を持つ自治会等)として会の設立をお考えの場合は、

法律に則った規約が必要となります。法律では、定めなければいけない詳細な事項が

ありますので、事前に地域活動支援課へご相談ください。

趣意書・規約等を添付して、地域のみなさんに自治会等への加入申込書を配布しま

す。様々な理由で活動に参加することが難しいとか、経済的理由から会費が払えない

といった理由で、自治会等へは加入したくないという世帯があるかもしれません。地

域をよくしていくために設立するという趣旨を根気強く説明し、加入することの意義

を理解してもらうようにしましょう。

また、地域の皆さんに集まってもらって、説明する機会を設けるだけでなく、個別

に訪問して説明を行うのもよいかもしれません。

すぐに賛同してもらえた場合には、その場で加入申込書を書いてもらい、趣意書・

規約等にゆっくり目を通したい方には、後日申込書を提出してもらいましょう。

既存の近隣自治会等から総会資料等を見せてもらうなどして、事業計画(案)や予

算(案)等を作成しましょう。その際に、地域の皆さんの意見も取り入れながら準備

会でよく話し合う必要があります。防災訓練や安全パトロールなど、既存の近隣自治

会等と連携して広域組織で行う活動などもあります。そういったことも相談しながら、

人的・金銭的な参加協力について考慮して作成する必要があります。また、加入申込

書をもとに名簿を作成する際には、個人情報の管理についてルールも設けておく必要

があるでしょう。

(4)趣意書を作成する

(5)規約(案)を作成する

(7)事業計画(案)、予算(案)、名簿を作成する

(6)地域住民の同意を得て、自治会等加入を募る

− 5−

Page 9: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 6 -

規約(案)・事業計画(案)・予算(案)・名簿等が作成できたら、結成(設立)総

会を開催しましょう。総会開催場所を事前に確保し、名簿をもとに開催案内を会員の

みなさんへ配布します。開催案内には、開催日・開催場所・議案内容はもちろんのこ

と、委任状をつけておく必要もあります。総会を都合により欠席する方には、総会の

開催が有効なものとなるよう、委任状の提出を依頼しましょう。

また、初めての総会でもスムーズな運営が出来るよう、全体の司会進行役を決めて

おき、議長の選出方法、議案の説明、議決の方法等、総会運営の細部を打合せ、次第

を作成しておきましょう。

設立準備会の打ち合わせ等は人数も少数で、狭いところでも可能だったかもしれま

せんが、総会の開催場所となると、規模も大きくなり一定の広さが必要となってきま

す。公的施設や近隣の集会施設を利用することにより、できるだけたくさんの方が集

まれるよう配慮しましょう。

また、総会の議決を経ることで、自治会等が正式に設立します。その他の審議され

た議案も含めて議事録を作成し、総会の終了後は、欠席者へ総会資料と一緒に配布す

るなどして、情報を公開し、開かれた自治会等の運営に努めましょう。

自治会等を設立したら、必要に応じ地域の連合自治会へ加入しましょう。連合自治

会では、地区や校区等の垣根にとらわれず、広域的な福祉活動や環境活動、防犯・防

災活動など様々な活動を行っています。これらの活動に参加するためにも、連合自治

会へ加入しましょう。

また、役所や関係する公的機関にも設立を通知しましょう。

(8)結成(設立)総会を開催する

(9)役所や関係機関等に通知する

− 6−

Page 10: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 7 -

3.規約について

① 会の名称及び事務所

会の性格から「□□町会」「○○町××丁目町内会」「△△住宅自治会」等、地域にな

じみやすい名称を付けます。「町会」「町内会」「自治会」等の名称は同じ町名等の名称に

合わせた方が、地縁の組織として違和感がなくなります。

② 範囲(区域)

住居表示等によって表示します。また、範囲(区域)の地図を作成すると分り易いで

しょう。

③ 目的・事業

会の目的・事業を具体的に記載します。

④ 会員

会員を世帯単位とするのか、個人単位とするかを決めます。

また、地域内にある事業所についても、会員に含めるかどうかを決めます。最近では、

企業も地域貢献に力を入れており、事業所と連携することで活動の幅も広がります。こ

の場合、事業所を「賛助会員」とし、議決権は持たない会員として区別することも可能

です。

⑤ 会費

会費は、どのような事業を行うかによって決まりますが、設立する自治会等だけでな

く、連合自治会で実施する活動への会費協力などについても考慮して決める必要があり

ます。また、会費の集金方法についても決めておくとよいでしょう。

⑥ 役員

役員の種類や職務、人数、任期、報酬、選出方法などを決めます。一般的な役員の種

-アドバイス-

会費の額は、西宮市内では月額100 円~200 円程度のところが多いようですが、地域のお祭り

などの行事や活動が活発な地域、集会所等の財産を持っている地域では維持管理や修繕費用もかか

るため、それ以上というところもあるようです。

また、集金の手間等を考慮して、半年分や 1 年分をまとめて徴収するところもあります。

お金にかかわることですので、しっかりと話し合う必要があります。

-アドバイス-

世帯の形態も多様化しています。学生の単身世帯を「学生会員」として会費を減免したり、様々な

事情で活動に参加できないけれども、受益分を会費として負担する世帯を「協力会員」とするな

ど、活動への参加面や会費面で一般世帯と区別する会員を考慮していくことなども、会員数を増や

す有効な方策かもしれません。

− 7−

Page 11: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 8 -

類と役割は次のとおりです。諮問機関として顧問や相談役をおくこともあります。

【会長】会長は会の代表者であり、責任者です。

【副会長】会長を補佐し、会長が不在の時は代理を務めます。

【会計】会の資産管理を行います。

会員から集めた大切な資金を取扱いますので、収入や支出を適正に処理すること

が求められます。常に出納簿や通帳を整えておき、会員からの開示請求があればす

ぐに公開できるよう管理しておく必要があります。

【監事】収入・支出が適正に行われているか、資金・資産の管理は適切か、また、会の

事業が目的に沿っているかなど、会の運営を監査する役割です。

-アドバイス-

役員の選出は、選挙・推薦・抽選・輪番制など、いろいろな方法がありますが、地域にとって一

番望ましい方法を工夫しましょう。

任期は 1 年又は 2 年で区切っているところが多いようですが、再選についての制限を設けるか

どうかも話し合いましょう。役員が一度に交代すると体制に影響が出るので、半分ずつ交代する

等の工夫をしているところもあります。

報酬については、地域によって世帯数や活動内容も異なり、また、役員によっても従事日数が異

なるなど、一概にどのくらいが妥当とは言えません。もちろん、予算にもかかわってくることに

なりますので、既存の近隣自治会等や所属する連合自治会の役員に相談しながら、不平・不満が

ないように決めていくのが望ましいでしょう。

-アドバイス-

会長職を輪番制にする場合、多くの会員が会長を経験することによって、自治会等の活動をたくさ

んの方が深く理解できるというメリットがあります。しかし、会長によって活動が変わってしまう

など、活動の継続性という点からは課題が生じることもあります。

そういった面から、会長が活動の全てを担うのではなく、複数年務める会長を会員全体で支えてい

くような体制についても考えてみましょう。

-アドバイス-

会長のみに負担がかからないように、会長のよき相談相手となり、会長の負担の軽減を図ることが

大切です。副会長を一名とするのか、二名とするのかも話し合いましょう。

-アドバイス-

お金を扱う役目であり、帳簿管理に慣れた人や、金融機関との取引もあるので平日昼間に活動でき

る人を選任するなどの配慮が必要です。

− 8−

Page 12: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 9 -

【班長(必要な場合)】ごみステーションの管理や会費の徴収、情報誌・回覧板の受け渡

しなど、会の活動が地域に行きわたるための役割を担います。輪番制をとってい

るところが多いようです。

⑦会議の種類

会議の種類は、総会(定例総会、臨時総会)、役員会、班長会議などがあります。開

催方法(召集方法・構成員・時期・回数)などを決めます。

総会等については、終了後、議事録を作成し、欠席者等のことも考慮して回覧等で周

知しましょう。

議事録については、

[1]開催時期、場所

[2]会員数、出席者数

[3]議事経過、発言・要旨

[4]内容に相違ないことの署名

などを入れることが多いようです。

-アドバイス-

役員執行部とは切り離し、独立した立場で監査することが求められます。

-アドバイス-

総会に出席できない場合は、他の出席者や議長に議決を委任する方法や、議案について事前に書面

で可否の意思表明を行う方法があります。

また、会議の種類には、比較的大きい自治会等の場合、専門部長を配置して専門部会などを設ける

ところもあります(防災会など)。

監事は、他の役員とは独立して会の適正な運営を監査する任務があるため、会の運営を決定する役

員会には参加しないことが一般的です。

− 9−

Page 13: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 10 -

4.個人情報の取り扱いついて

自治会等の運営には会員の情報が必要です。個人情報の適正な管理とその取扱いには十

分な注意が必要です。

個人情報保護法に定める「個人情報」とは、「生存する個人に関する情報であって、当

該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することがで

きるもの」をいいます。(個人情報の保護に関する法律第二条第一項)

個人情報保護法で規定されている個人情報取扱事業者は、5,000 人を超える個人情報

を事業活動に利用している事業者のこと(個人情報の保護に関する法律第二条第三項及

び個人情報の保護に関する法律施行令第二条)で、ほとんどの自治会等は法の適用は受

けないと考えられます。しかし、個人情報を保護するという点では、自治会等でも法律

に準じた取扱いをすることが会員の信頼を高めることになります。

個人情報保護法に準じた取扱いとは、具体的には次のようなことです。

自治会等が活動するうえでは、会員の氏名や住所・電話番号などの個人情報を持つこと

が不可欠であるため、その情報について適正な管理が求められるのは当然と考えられま

す。

≪取得の際には≫

自治会等の活動に必要な情報を決めて、利用目的を本人に知らせます。

≪利用にあたって≫

どのような情報を収集し、どのように利用するか、また、情報の提供先について定め

ます。

≪管理方法≫

情報管理者(世帯情報などの保管者)や廃棄時期、廃棄方法等を決めます。

≪提供するとき≫

情報を第三者(行政や地区・校区自治会、学校など)に提供する場合は、あらかじめ

本人の同意を得ます。ただし個人情報保護法では、次の場合に、本人の同意を得ずに提

供できることが定義されています。(個人情報の保護に関する法律第二十三条)

・法令に基づく場合

・公衆衛生・児童保護の健全育成に必要な場合

・人の生命や身体・財産の保護に必要な場合

・国・県・市町村等に協力する場合

(1)個人情報とは

(2)個人情報保護法と自治会等

(3)自治会等における個人情報の取扱い

− 10−

Page 14: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 11 -

しかしながら、会員が安心して個人情報を提供できるように、個人情報の利用目的を

周知することや、管理方法を規約に定めておくなど、取扱方法を明文化することが大切

です。

特に、個人情報の第三者への提供については慎重に定め、取扱いには十分注意しまし

ょう。

西宮市では、「自分たちのまちは、自分たちで守ろう」という地域住民の連帯意識に基

づき、自主的に組織づくりを行い、また運営する組織として、自治会等を中心に自主防

災組織の育成に努めております。

大規模災害時には、発生当初からの行政の迅速な救援活動には限界があり、避難や救

出活動について、自主防災組織に期待される役割には大きなものがあります。

世帯情報などの個人情報は、緊急災害時の支援活動に役立つことから、特に災害時に

救護が必要な「要援護者」に対し、あらかじめ個人情報を平常時から活用することにつ

いて了解をいただき、安心して暮らせるまちづくりを進めましょう。

(4)防災と個人情報

-アドバイス-

自治会等の活動を行う上で、個人情報を取得することは必要で、また個人情報を取得するこ

と自体は違法なことではありません。

しかしながら、法の定め以上に個人情報の提供を控えてしまう「過剰反応」が、教育や医療

の現場、地域コミュニティの形成などで問題になることがありました。

個人情報の取扱いに誤解や戸惑いが生じないためにも「個人情報をしっかり守る」という姿

勢を、自治会等が示すことで住民の安心感を生み、理解につながります。

個人情報の取扱いについては、自治会等での考えを明確にし、個人情報を扱う者にその考え

方を浸透させ、本人の意向に配慮してきめ細かな対応を行うことが大切です。

また、同時に、本人や社会にとって必要・有益な活動を実現するために、個人情報を有効に

活用することも重要です。

有益な活動の例として、防災訓練の事前周知を、情報伝達訓練と兼ねて緊急連絡網を用いて

周知しているところがあります。緊急連絡網が実際に機能するかどうかを訓練していれば、災

害が起きたときに迷わず行動でき、連絡網の修正や整備にも役立つことになります。

また、独り暮らしの高齢者が夜中に倒れて班長さんのところに連絡があった際に、あらかじ

め遠くに住む親族の緊急連絡先を聞いていたおかげで、すぐに親族へ連絡をとることができた

という例もあります。それとは逆に、遠くに住む親族から、独り暮らしの親と連絡がとれなく

なった際にも、隣近所の方や自治会等の役員と情報を交わしていれば、安否確認などで協力し

てもらえるということもあります。

このように、地域での見守り活動や助け合いの際には、少なからず個人情報が必要となって

きます。近所付き合いが煩(わずら)わしい・疎(うと)ましいと思っている方でも、こうい

った助け合いに繋がるということをきちんと説明することが出来れば、自治会等の活動と個人

情報にも理解していただけ、みなさんが安心して暮らせるまちづくりにつながっていきます。

− 11−

Page 15: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 12 -

5.会議の運営について

会議は、コミュニケーションをよくするために効果がある手段ですが、内容のあるもの

にしなければなりません。

事前に打ち合わせを十分行い、遅くとも2週間くらい前には、目的(用件)、開催日、場

所、出席者など必要事項を簡潔に知らせます。

司会者(議長)には、発言者の意見をよく聞き、たくさんの方の話を上手に引き出し、

出席者に会議の内容を理解してもらう必要があります。発言者も順番に発言するようにし、

出席者みなさんがわかるよう、簡潔に発言するように心がけましょう。

また、会議を行う際には、内容を議事録に記録しておくことも重要です。

会議の種類は、総会(定例総会、臨時総会)、役員会、専門部会、班長会などがありま

す。

≪総会≫

総会は、会員の総意で会の方針を決定する会議であり、会員にとっては最も重要な

会議となります。

年度当初に年 1 回定例的に行うものを定例総会、また必要が生じた際に臨時的に開

催するものを臨時総会と言います。年間の活動方針や予算・決算、役員改選などの重

要事項は必ず総会に提案し、会員の審議・議決を経て実施していくことが会の民主的

な運営のためにも必要です。

≪役員会≫

役員会は連絡、情報交換、方針決定などのために、ほとんどの自治会等で開催され

ています。

≪専門部会、班長会≫

自治会等を運営する上で、専門部や班長制度を取り入れている場合には、専門部会

や班長会が開催される場合があります。

活動を効果的に進めるために、会の組織を体系的、目的別に分けて活動する部門が

専門部会ですが、中核的な役割を果たす部門だと言えます。

自治会等の活動は、清掃など生活環境の整備、夏祭りのレクリエーションなど範囲

も広く、内容も様々です。これらの活動を一部の役員だけの負担や活動で終わらせな

いためにも、専門部会の役割は大切になります。事業ごとに専門部会を設けるなどし

て、活動を充実したものにしましょう。

専門部会の例としては、総務、環境、保健・衛生、防火・防犯、文化、福祉、広報

部などが考えられますが、その他にも会の目的とする事業や地域の実情により様々な

部が設置されています。

(1)会議の種類

− 12−

Page 16: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 13 -

会議を開催・運営するためのルール(約束ごと)を決めていれば、会議をスムーズに

進めることができますし、予測しない事態が生じた場合でも混乱することなく、冷静な

判断のもとに合理的な結論に導くことができます。以下の例を参考にして、必要だと思

うものは規約に含めるなどしてください。

① すべての構成員は平等であり、その権利も平等である

構成員の権利とは以下のとおりです。

ア 会議に出席すること

イ 動議を提出し、討議で発言すること(議案提出権と発言権)

ウ 役員を指名すること(役員の選挙権)

エ 表決すること(議決権)

オ 役員に就任すること(役員の被選挙権)

② 審議を進めるためには、定足数以上の出席が必要である

定足数は、審議を有効に進めるために必要な出席者数のことです。定足数は、普通、

規約で定められており、自治会等の総会や役員会では構成員の過半数とされているのが

一般的です。定足数を定める目的は、組織を代表すると言えるだけの出席者数がない状

態のときに、その組織の名において議決するのを防ぐことにあります。

③ 過半数で決める(多数決の原則)

少数派の意見は尊重されなければなりませんが、構成員の過半数によって一旦議決さ

れれば、少数派はその決議を尊重し、従わなければなりません。

④ 沈黙は同意を意味する

表決を棄権する(賛成、反対の意思表示をしない)構成員は、その沈黙によって、審

議の定数から除かれますので、過半数の決定に従うことになります。

⑤ 3分の2表決ルール

単なる議案の審議ではなく、構成員に不利になるような議案(会費の値上げなど)を

審議したり、または既に決定された議決を変更しようとするときには、3分の2以上の

表決(議案に対する賛否の意思表示)が必要となります。

⑥ 一度に一つの議題、一度に一人の発言者

審議中の議案に、直接関係のない動議(議案の提出)は認められません。また、一旦

一人の構成員に発言が認められると、その人に「発言権」が与えられるため、他の構成

員はその人の発言を遮ってはいけません。

⑦ 議論が尽くされるまで討議の継続は保証される

議長は、構成員が議案について討議したいという意思がある限り、議論が尽くされて

いない(議論の余地がある)議案を表決に持ち込むことはできません。討議を打ち切る

ことができるのは、出席している構成員の3分の2以上の表決があるときだけです。

(2)会議の基本ルール

− 13−

Page 17: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 14 -

⑧ 一度採択された議題は、同じ会議で再度採り挙げない

このような動議(議案の再提出)は、議事規則に反すると裁定されます。

⑨ 個人攻撃はしない

議長は、すべての個人攻撃を議事規則に反すると裁定しなければなりません。

討議は提出された動議内容に直接向けられるものであって、個人の性格やその背後の

動機に向けられるものではありません。また、議論とは無関係となる、特定の個人との

因果関係に基づいた発言は、厳に慎むよう指導しなければなりません。

− 14−

Page 18: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 15 -

6. 総会等の注意点

① 規約の再確認

総会を開催する前には、もう一度自治会等の規約を読み返してみましょう。総会の開

催が有効になる条件などを、きちんと確認しておく必要があります。

≪総会開催の案内≫

総会の開催前には役員会で十分な打ち合わせを行い、議案内容・日時・場所の決定、

案内状や会議資料の作成・配布などを行います。規約で「総会の日の○日前までに文

書で通知しなければならない」と定められているにもかかわらず、期日を守らないで

総会開催通知を案内した場合は、総会が無効なものとなってしまいます。きちんと確

認しておきましょう。

また、開催通知と一緒に、総会資料も事前配布するのが一般的なやり方です。総会

出席を決める材料となりえますので、十分に配慮しましょう。

≪定足数≫

総会が成立するためには、通常定足数が定められているはずです。

たとえば「総会は会員の過半数の出席で成立する」などの規約がある場合、会員の総

数と定足数が何名になるのかを確かめておく必要があります。

日頃から会員の動向(転入、転出、死亡など)に注意し、会員名簿を最新の状況に

手入れしておきましょう。

≪委任状≫

「署名・押印のある委任状を提出した会員は出席者とみなす」と規約に定めている

場合には、総会の通知文と一緒に委任状も配布する必要があります。

総会までに提出された委任状の通数、受任者(誰に委任しているか)を確認してお

きましょう。

② 議長、新役員の候補者

議長や新役員の選出は、総会の席上で立候補者を募って会員の承認を求めるのが原則

ですが、立候補者が期待できない場合は、あらかじめ候補者を決めて本人の内諾を得て

おくようにしましょう。

新役員を輪番制で選出している場合は、念のため次期役員(候補者)に事前に新役員

に選出されることを連絡しておきましょう。

③ その他

≪役割分担≫

会長のみで全てを処理してしまうのは、良いやり方とは言えません。役員同士で役

割を分担し、役員それぞれが参加意識と責任感を共有し合えるような協力体制を築く

ことも、会長の大事な職務でもあります。

(1)総会開催の前に(事前準備)

− 15−

Page 19: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 16 -

≪資料整備≫

議題ごとの報告や説明、答弁については事前に役員同士で協議し、分担を決めて対

応するようにしましょう。特に質問に対しては、適切な答弁ができるよう関係資料を

整えておきましょう。

① 会場の準備・設営

会員席、役員席、議長席、受付、資料、マイク、筆記用具、議事次第など念のため規約

や過去の議事録も用意しておきましょう。

② 出席者の受付

会員名簿をもとに出席者の確認をします。

委任状を預かってくる会員があるかもしれません。前日までに提出された委任状に追

加して集計しましょう。

議長以外の特定の人物を受任者とした場合、その方が欠席すれば、その委任状は効力

をもちません。誰が誰に委任しているかを把握したうえで、出欠の確認をしましょう。

③ 定刻の開会

定刻になって役員が揃い、出席者数が定足数に達していれば、司会者は直ちに開会を

宣言します。

定刻になっても開会されないことが習慣化してしまうと、次第にはそれを見越して、

遅れて出席する人が出てきます。こうなってしまうと、正常な状態での総会開催ができ

なくなってしまうだけでなく、総会運営がルーズな印象を与え、会員にとって最も重要

な場である総会が軽視されることにもなりかねません。

定足数以上の会員が出席しているのに、役員が揃わないという理由で開会時間を遅ら

せることは、客を招いて当人が遅れて来るのと同じくらい非常識なことです。役員やそ

の関係者は、定刻前に余裕を持って出席するよう心がけましょう。

① 開会のことば(司会者)

司会は役員の中の一人(例えば副会長)が行うのが一般的です。

② 会長あいさつ(会長)

①と②をまとめて会長が行う場合もあります。

③ 議長選出(司会者)

≪議長の役割≫

・ 中立・公正な立場で議事を進行します。

・ 通常は議決権を有しません。賛成と反対が同数のときのみ議決権を有するのが一

般的です。

(2)総会当日

(3)総会の手順

− 16−

Page 20: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 17 -

≪立候補者を募る≫

・ 立候補者がない場合は、事前に内諾を得ている人を紹介し、出席者の同意を得ま

しょう。

自治会等によっては、会長または会長以外の役員が議長となるところもあり、そ

れも総会運営の一方法と言えます。しかし、中立公正な議事進行役という議長の性

格上、事前に会員の中から会長または会長以外で適任者を選んでおき、司会者が議

長選出について会員に諮り、「司会者一任」を取りつけて決定するのが一般的でしょ

う。

≪議事進行≫

・ 議長の役割は前述のとおり中立・公正な立場で議事を進行することですから、特

定の人の意見に加担したり、個人的な意見を主張したりすることはできません。

・ 発言者によっては、自分の思いをうまく言葉で表現できない人や、発言が多岐に

わたり結局何を言いたいのか分からない人もいるかもしれません。このような場合

にも、発言内容を適宜整理・補足しながら議事進行していくことも、議長の大事な

役割です。

・ 議題と関係のないことを発言する人や、他の会員の発言を遮って発言する人に対

して、注意や指導をおこなうことも時には必要です。

④ 定足数の報告・総会成立の宣言

議長は出席者数を確認したうえで、定足数に達したため総会が成立したことを宣言し

ます。

例・・・「○○自治会の会員総数は○月○日現在○○世帯(人)です。本日の総会出席

者は○○世帯(人)、委任状提出者は○○世帯(人)、合計○○世帯(人)になります。

この結果会員の過半数の出席があったと認められますので、○○自治会規約第○○条の

規定により、本総会は有効に成立しています。」

⑤ 議事録署名人の選出

議事録には、議長のほか出席者の中から選出された、二〜三名の会員が署名するのが

一般的です。事前に同意を得ておき、きちんと宣言しましょう。

例・・・「議事録署名人は議長と、○○さんと○○さんにお願いします。」

⑥ 議案審議

≪前年度事業報告≫

・ 1年間の活動実績について、会長または担当役員から報告するのが一般的です。

・ 報告の後、質疑応答を経て承認決議を求めます。

≪前年度決算報告及び監査報告≫

・ 年間の収支状況について、会長または担当役員から報告するのが一般的です。

・ 会計監査、監査担当役員、監事などから報告します。

・ 決算報告及び監査報告の後、質疑応答を経て承認決議を求めます。

≪役員改選≫

・ 新役員の立候補者を募ります。

・ 立候補者がない場合は、事前に内諾を得ている人を紹介し、承認決議を求めます。

・ 輪番制で役員を選出している場合は、次期役員(候補)を紹介し承認決議を求めま

す。

・ このほか、選挙で役員を選出している自治会もあります。

− 17−

Page 21: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 18 -

・ 役員の職務分担(会長、副会長、総務、会計など)は、あらかじめ決定したうえで

承認決議を行う場合と、承認決議された役員が互選(お互いに話し合いで決める)

により決定する場合とがあります。

≪新年度事業計画(案)及び新年度予算(案)≫

・ 新年度の事業計画を発表しましょう。前年までと違う事業をおこなう場合は、その

理由などもきちんと報告しましょう。

・ 新年度の事業計画と予算については、通常は新役員から提案します。事前に、新旧

役員が総会前に新事業計画や新年度予算について十分打合せをしましょう。

・ 提案説明の後、質疑応答を経て承認決議を求めます。

≪その他≫

・ その他の議題がある場合

会長または他の役員から提案説明の後、質疑応答を経て決議を求めます。

・ 緊急動議があった場合

当日の議題に挙がっていない事柄について、出席者から緊急動議があり、その動議

が他の出席者からも支持された場合には、軽易な事柄であれば会員の同意を得て協議

してもよいでしょう。

ただし、財産処分や高額資産の購入など重要事項については、その場は意見を聞く

にとどめ、役員会などで協議をした後、次回総会または臨時総会で改めて議題に採り

挙げ協議するほうがよいでしょう。そういった場合に備えて、規約で「総会では、あ

らかじめ通知した事項についてのみ決議できる」と定めている自治会等もあります。

なお、動議についての出席者の支持があり協議の対象になった場合、出席者には議

事進行のルールをきちんと守らせ、議決に持ち込むことも可能です。その場合、議決

の流れは次のようになります。

① 緊急動議の提出⇒動議について出席者の支持⇒協議⇒議決

② 緊急動議の提出⇒動議について出席者の支持⇒協議⇒協議打ち切りの動議⇒協

議打ち切り動議について出席者の支持⇒協議打ち切りの議決

・ 出席者が退席し、定足数を満たさなくなった場合

会議が長引くと、都合により出席者が退席してしまうこともあります。定足数を割

ってしまうと、有効な議決ができなくなる恐れがありますので、議長は議決をする前

には、委任状を含む出席者数を確認する必要があります。出席者数が定足数に満たな

い場合は、総会の成立要件を欠くことになりますので、それ以降の議事を進めること

はできません。「開会時に定足数を満たしていれば、総会は有効に成立する」と規約に

定めておくのも一つの方法です。

・ 委任状の取り扱い

委任状は、総会の設立要件や議決の結果を左右する、重要なものになります。事前

に提出のあった場合の保管方法はもちろんのこと、総会中の扱いなどもきちんと話し

合っておきましょう。

− 18−

Page 22: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 19 -

⑦ 閉会のあいさつ(司会者)

⑧ 議事録作成

総会終了後は、会議の運営状況(日時、場所、出席者数、議決事項、賛否の人数、質

疑応答など)を記録した議事録を作成しましょう。議事録をまとめるのは通常、書記の

役割です。総会の場で筆記したメモなどをもとに、議事録にまとめます。

書記は議事録を作成し、会長、議長等に内容を確認してもらったうえで議事録署名人

に署名・押印してもらいます。議事録が完成した際には、速やかに写しを配布または回

覧するようにしましょう。

議事録は、単に総会の運営状況を記録した資料だけでなく、後日の参考資料としての

役割のほか、会の歩んできた足跡を後代に伝える歴史資料としての役割も持ち合わせて

います。きちんと保管するようにしましょう。

− 19−

Page 23: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 20 -

7.会計処理

会計は、自治会等の活動に伴って発生する様々な収入・支出や現金の流れを管理し、

それを帳簿に記録するとともに、証拠書類(領収書など)を整理・保管し、手元現金や

預金通帳、定期預金証書などを保管するという一連の事務のことをいいます。

会計担当者は、会員の皆さんが納入した自治会費を収入し、保管し、支出するという

出納事務だけでなく、預金通帳の管理など、職務上事務の執行には正確さが要求されま

す。

また、預金通帳は会計が、印鑑は会長が保管するなど、特定の人物一人が通帳と印鑑

を同時に保管することで、会員のみなさんから疑義を持たれるようなことがないよう配

慮することも必要でしょう。

≪会計科目≫

自治会等の収入源としては、会費のほか寄付金、助成金、集会所使用料、預金利息等

の雑収入などがあります。収入科目は、これらをもとに設定します。支出科目は、会議

費、備品費、印刷費、負担金など自治会の規模や活動内容によって違いますので、しっ

かり話し合いましょう。

≪収入の処理≫

① 帳簿に収入科目(会費、寄付金、助成金など)を記載し、収入が確認できたものには、

その明細(収入年月日、金額、収入先、単価、人数など)を記載する。

② 収入に証拠書類がある場合は、日付順に整理し、保管する。

③ 収入した現金は速やかに預金し、なるべく手元に現金を置かないようにする。

④ 預金した後は、通帳の金額と帳簿に記載した金額に相違がないか確認する。

①~④の処理は、定期的に役員会などで報告しておくのが良いかもしれません。年度末

に金額の差異が生じた場合、1年分全てを調査することが必要になります。

≪支出の処理≫

① 帳簿に支出科目(会費、備品費、印刷費など)を記載し、支出が発生した際には明細

(支出年月日、金額、支出先、購入品名、単価、数量など)を記載する。

② 支出の証拠書類(領収書など)を日付順に整理し、保管する。

③ 証拠書類の金額と、帳簿に記載した金額に相違がないか確認する。

支出については、きちんと説明出来るよう証拠書類をしっかり保管しましょう。当然の

ことながら、会員のお金を預かる立場から説明責任が問われます。

≪財産取得、基金等の処理≫

集会所を建設したり、備品を購入した場合には、財産調書を作成する必要があります。

(1)会計処理の意義

(2)会計処理の手順

− 20−

Page 24: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 21 -

不動産や動産については、複数年度にまたがって管理する必要がありますので、役員が

変わっても分かるようにしておくことが重要です。

また、集会所の修繕や建替えに備えて、予算の一部を積立金に回すことがありますが、

この場合は、積立基金の調書を作成します。このような資金は、特定の目的のために計

画的に積み立てていき、必要になった時点で取り崩すものであり、すぐに支出すること

はないので、定期預金などにしておくのが一般的です。また、一般会計とは別に特別会

計として管理している自治会もあります。

≪決算書≫

会計年度(4月1日から翌年3月31日までが一般的)が終了したら、1年間の収入・

支出の状況を一覧表にした決算書を作成します。収入と支出の科目ごとに記載した帳簿

を集計し、その合計額を決算書に記入します。

決算書が完成したら証拠書類や預金通帳、定期預金証書などを添えて会計監査を受け

ます。財産調書、積立基金調書がある場合は、それらも併せて監査を受けます。

≪会計監査≫

会計監査の担当者は、予算の執行状況や財産の管理状況について監査(監督して検査

すること)し、その結果を役員会や総会に報告します。会計監査を通じて、会の目的に

沿った事業が進められているか、予算が適正に執行されているかどうかを確認しますの

で、会の運営とは独立した立場が求められます。書類を調べることもなく、監査報告書

に記名・押印するようなことでは、正常な自治会等の運営が出来なくなってしまいます

ので、厳に慎まなくてはなりません。

会計監査の担当者は、監査の結果、適正で確実な処理がなされていることを確認した

場合には、監査報告書に記名・押印し、役員会や総会で監査報告をします。

会計監査による確認事項は一般的に以下のとおりです。

・帳簿や決算書の金額に記載誤りや計算誤りはないか。

・帳簿や決算書の金額と証拠書類(領収書等)との金額は一致しているか。

・証拠書類(領収書等)はすべて揃っているか。

・決算書の収入・支出の差引残高(繰越金)は通帳残高と一致しているか。

・切手などの有価証券を購入した場合、その使用状況を記載した帳簿があるか。帳簿

上の残枚数と切手などの現物残枚数は一致しているか。

・備品を購入した場合、購入年月日、数量、単価、保管場所などを記載した財産調書

はあるか。実際に、現物はあるのか。

・集会所の土地・建物の登記関係書類は保管されているか。

・積立基金調書の金額は、定期預金証書、現金等の額と一致しているか。定期預金証

書や現金はあるか。

− 21−

Page 25: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 22 -

8.自治会の法人化(認可地縁団体)

自治会等が集会所などの不動産を取得した場合、その所有権を明らかにし、共有財産と

して保護するために、通常は集会所の土地と建物について法務局で登記をすることになり

ます。

しかし、自治会等は任意団体であり、法律上は「権利能力なき社団」として扱われ、自

治会等の名義で登記ができないという問題がありました。それを解消するため、地方自治

法が改正されてできた制度が、認可地縁制度です。

平成3年(1991 年)4月に地方自治法の一部が改正され、以前は代表者の個人名義や役

員の共有名義となっていた不動産等(集会所など)を、自治会等が法人格を取得すること

により、自治会等名義で所有することが可能となりました。この制度により、代表者名義

や役員共有名義では、代表者変更や役員変更となる度に必要となっていた変更の手続きが

不要となりました。

≪地縁による団体の定義≫(地方自治法第二百六十条の二第一項)

町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形

成された団体は、地域的な共同活動のための不動産又は不動産に関する権利等を保有す

るため市町村長の認可を受けたときは、その規約に定める目的の範囲内において、権利

を有し、義務を負う。

≪認可の要件≫(地方自治法第二百六十条の二第二項)

① その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維

持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行って

いると認められること。

⇒「地域的な共同活動」とは清掃・美化、防災・防犯、親睦行事など一般的な自治会

等の活動をいいます。特定の目的だけを行う団体は含まれません。

*前年度の活動実績が必要です

② その区域が、住民にとって客観的に明らかなものとして定められていること。

⇒「区域」とは、河川・道路等により区域が画されているなど、その団体の構成員の

みならず、その他の住民にとっても容易にその区域が認識できる区域であることが

必要です。

③ その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その

相当数の者が現に構成員となっていること。

⇒認可地縁団体の「構成員」になり得るのは区域に住所を有する「個人」で、「世帯」

を単位とすることは認められません。また、区域に住所を有すること以外に、年齢・

性別・国籍等の条件は付けられません。一般的には、区域内の住民の概ね過半数が

構成員となっていれば、相当数と考えられます。

例)子ども会(小学生以下)や婦人会(女性のみ)、スポーツクラブ(目的が限定的)

(1)自治会の法人化(地縁による団体の認可)

など特定の条件がある組織は、認められません。

− 22−

Page 26: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 23 -

④ 規約を定めていること。

⇒規約には、(一)目的(二)名称(三)区域(四)主たる事務所の所在地(五)構成

員の資格に関する事項(六)代表者に関する事項(七)会議に関する事項(八)資

産に関する事項、が定められていなければなりません。

≪認可申請できる地縁による団体≫

地域的な共同活動のための不動産又は不動産に関する権利等を保有している又は保有

する予定のある自治会等が対象になります。不動産を保有していない又は保有する予定

のない自治会等は対象となりません。

不動産又は不動産に関する権利等の範囲は以下のものが該当します。(「地縁による団

体に係る認可事務について(通知)-平成 21 年 4 月 1 日-」)

① 土地及び建物に関する権利(所有権、地上権、永小作権、地役権、先取特権、質権、

抵当権、賃借権及び採石権)

② 「立木」の所有権、抵当権

③ 登録を要する金融資産(国債、地方債及び社債)*預貯金は含みません

④ その他地域的な共同活動に資する資産であって、登録を要する資産(車両等)

≪認可申請の手続≫

① 認可地縁制度への理解

まず、認可地縁制度について役員を中心に話し合ってください。認可地縁団体にな

ると、規約を変更するには市町村長の認可を受けなければならないことや少なくとも

毎年1回通常総会を開かなければならないことなど、法律で定められている事項があ

ります。総会を開催するまでに、認可地縁制度についての理解を深める必要がありま

す。

② 総会の開催

認可申請することを自治会等の全会員を対象とする総会で議決してください。役員

会、理事会、代議員総会等一部の会員による議決では認められません。総会では認可

申請すること以外に、認可を受けるのに必要な事項(認可要件に合致する規約の決定、

構成員の確定、申請代表者の決定、不動産の確定など)も同時に議決してください。

③ 申請書類の作成

認可申請書のほか次の添付書類を作成してください。

・規約(=P23≪認可の要件≫④に記載した事項(一)~(八)がすべてが定められた

規約)

・認可を申請することについて総会で議決したことを証する書類(=総会議事録)

・構成員名簿(=構成員全員(個人単位)の氏名・住所を記載したもの)

・保有資産目録又は保有予定資産目録(=自治会が保有している又は 1 年以内に保有

を予定している不動産の種類・所在地等を記載した書類)

・良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を現に行っていることを

記載した書類(=自治会の活動実績を示す書類 前年度の事業報告書・決算書及び当

年度の事業計画書・予算書)

・申請者が代表者であることを証する書類(=申請者を代表者に選出する旨の議決を

・代理人の有無を記載した書類(特定業務の代理人、契約の相手方に代表者がなると

行った総会の議事録及び申請者が代表者となることを受託した旨の承諾書)

− 23−

Page 27: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 24 -

きの法人の代理人の有無を確認するもの)

・区域を示した図面(=区の案内地図、住宅地図等に区域を囲んで表示したもの)

④ 申請

認可申請書と添付書類を、地域活動支援課まで提出してください。

⑤ 審査・認可

認可申請書と添付書類を審査して、P22≪認可の要件≫に該当していると認められる

ときは認可します。

⑥ 告示・台帳作成

認可されると、「名称・規約に定める目的・区域・主たる事務所・代表者の氏名及び

住所・認可年月日」などを市長が告示し、台帳を作成します。

この告示は法人登記に代わるものであり、告示により自治会等が法人格を持つこと

になります。告示までは効力を有しませんので、第三者に対抗することができません。

告示日にご注意ください。

≪認可されたら≫

① 不動産登記の手続

会長や役員の個人名義又は共有名義になっている不動産は、認可された地縁による

団体の名義に、法務局で移転登記をすることになります。移転登記には、認可を受け

たことの証明書(台帳の写し)が必要です。新たに取得予定の不動産登記についても

同様です。不動産登記についての詳しい手続は法務局へお問い合わせください。

② 証明書の交付請求

誰でも告示事項について、証明書を請求することができます。証明書は地域活動支

援課で発行しますが、発行には所定の手数料が必要となります。

≪その他≫

① 規約や告示された事項の変更

認可された後、規約を変更しようとする場合は「規約変更認可申請書」を、告示さ

れた事項(代表者の住所、氏名、事務所の所在地等)を変更した場合は、「告示事項変

更届出書」を市へ提出しなければなりません。代表者の氏名及び住所は告示事項とな

っておりますので、代表者に変更があった際には変更届の提出を忘れないようにして

ください。

② 市との関係は

・認可を受けた自治会等に対して,市長は一般的監督権限を持ちません。

・認可の前後で市と自治会等との関係はもちろん、その団体の性格も変わりません。

③ その他

・認可を受けた地縁団体は、1団体につき1個に限り、印鑑登録をすることができま

す。登録できるのは代表者等に限られており、登録を受けようとする印鑑には大きさ

等制限があります。また、印鑑登録の際には、代表者個人の印鑑登録印や印鑑証明書

が必要となります。印鑑登録後、印鑑証明が必要な場合には、登録者に限り証明書を

請求することができますので、地域活動支援課までご相談ください。

− 24−

Page 28: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 25 -

マンションなどの共同住宅では、建物や敷地などを共同管理するための組織として、区

分所有者による管理組合が結成されます。管理組合も自治会等と同じく法律上の性格は「権

利能力なき社団」と解されるため、団体名義での不動産登記が認められないなどの不都合

が生じることがありました。そこで、区分所有者が団体として行うべき建物等の管理を円

滑に行うため、昭和 58 年に「建物の区分所有等に関する法律」(=区分所有法)が改正さ

れ、管理組合でも法人格を取得することが可能になりました。これにより不動産登記、電

話加入、預金等の行為が法人名義でできるようになました。この法人を管理組合法人とい

い、団体財産と個人財産との区分を明確にできるようになりました(区分所有法第 47~56

条)。

また、管理組合法人には、「団地内の数棟の建物の所有者(又は区分所有者)が、共有の

土地・付属施設(又は区分所有建物)の管理を行なうために組織する団体」である「団地

管理組合法人」と呼ばれるものがあります(区分所有法第 65 条)。この場合、「団地内の

数棟の建物」とは、集合住宅に限らず、一戸建住宅でもよいとされています。

管理組合法人になることができるのは、「区分所有者(又は団地建物所有者)及び議決権

の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定

め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによって法人となる」とさ

れています(区分所有法第 47 条)。

管理組合法人となるための要件、申請手続等の詳細については、神戸地方法務局(神戸

市中央区波止場町 1番 1号 神戸第二地方合同庁舎 ℡.078-392-1821)にお問い合わせくだ

さい。

(2)管理組合の法人化(管理組合法人の設立登記)

− 25−

Page 29: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 26 -

9.広報

地域の広報手段としてよく利用されているものとしては、回覧板や掲示板がありますが、

その他の方法として会報(広報紙)の発行も効果的な方法です。

会報(広報誌)を発行することで、会の活動方針や地域の現状に目を向けてもらい、会

員相互の連帯感を深めることも重要な活動です。

≪会報の特性≫

① 身近な問題が記事になる

② 正確さ、具体性がある

③ タイミングを選べる

≪会報の役割≫

① 知らせる(報道)

② 会員に考えさせ意識を高める(啓発)

③ 後日のために書き残しておく(記録)

≪会報に掲載する内容≫

① 会や地域への関心を高める記事

年間の事業計画や報告、総会・役員会の報告、会計報告、行事や人物の紹介、専門部

の活動報告など

② 事業への参加の呼びかけや連絡事項

運動会、盆踊り、旅行会、レクリエーション、防火活動などの行事への参加の呼びか

け、住民健診や道路工事などの連絡など

③ 啓発記事

犬の糞の後始末やごみ出しのマナー、違法駐車の追放など住民の協力で地域が良くな

るものなど

④ 企画記事

テーマを決めて、様々な角度から掘り下げ、会員に話題を提供するもの

⑤ 意見記事

活動方針や企画事項に関する会長や役員、会員などの感想や意見

⑥ 便利記事

ごみの回収日、バス・電車の時刻表など、日常生活で有益になるもの

⑦ 読者(住民)の参加(投書・寄稿)

地域で起こった出来事や、部活動などで優秀な成績を残した生徒へのインタビュー、

読者からの投稿記事など読者参加型のもの

− 26−

Page 30: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 27 -

10.各種地域団体との関係

一つの自治会等の枠にとらわれず、既存の近隣自治会等やいろいろな地域の団体や組織

と交流すると、地域が活性化されるとともに、住民同士も顔なじみになりやすく、地域の

輪が広がっていきます。

世帯数や地域の広がりにもよりますが、運動会や盆踊りなど多くの参加者がある方が良

い行事などは、限られた地域や団体だけで行うよりも、近隣の自治会等や他の団体などと

共同で実施する方がより効果的なイベントになるでしょう。

また、地域が抱える問題についても、各種地域団体(連合自治会・婦人会・子ども会・

老人会・PTA・社会福祉協議会・コミュニティ協会・青少年愛護協議会・商店街など)

と情報交換や話し合いを重ねることで、解決への糸口が見つかることもあります。そうい

ったことの積み重ねが、安全で安心な地域コミュニティの形成につながっていきますので、

各種地域団体との関係も大切にしていきましょう。

− 27−

自主防災自主防災

Page 31: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 28 -

●.参考資料(様式例)

(1)趣意書

様式例

○○○自治会(町内会)設立趣意書

○○○にお住まいの皆さまへ ○○の候、時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

私たち有志は、この地域がこころ豊かに安心して暮らせるまちになることを目指す

とともに、皆さんが十分に愛着を感じられる地域になるよう、自治会発足のための準 備会を立ち上げました。

私たちは、日々の暮らしの中で様々な問題に直面しています。 例えば、通学路や街頭などの身近な場所での犯罪の発生や、ごみのポイ捨てや迷惑

駐車など、広い地域に関わる様々な問題があります。このような問題は、地域の課題 として地域に住む人たちが協力して取り組まなければ、解決は望めません。 地域の様々な課題は、同じ地域に住む住民からなる自治会があれば、組織的に対応

していくことも可能です。このようなことから、自治会を組織することが必要であり、 日頃から住民同士のふれあいや支え合いなどの活動を通じて、お互いの親睦を深め、 地域を大切にする気持ちを育てていくことが大切と言えるのではないでしょうか。 今後、活動内容や運営方法などについて検討を重ねて参りますので、ご意見があり

ましたら、下記の設立準備会までお知らせください。 ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

平成 年( 年) 月 日 ○○○自治会(町内会)設立準備会

代表 ○ ○ ○ ○ 連絡先 ○ ○ ○ ○ 電話番号 ○ ○ ○ ○

発起人 ○ ○ ○ ○ 発起人 ○ ○ ○ ○ 発起人 ○ ○ ○ ○

− 28−

Page 32: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 29 -

(2)規約

※ 地方自治法に基づく認可地縁制度としての自治会をお考えの場合は、規約も詳細に定めなけれ

ばなりません。P22「自治会の法人化(認可地縁団体)」をご確認ください。 様式例

○○自治会(町内会)規約(会則)

(名称及び事務所) 第1条 本会は、○○自治会(町内会)と称し、事務所を会長宅に置く。 (区域) 第2条 本会の区域は、西宮市○○町○○番○○号から○○番○○号までの区域とする。 (目的) 第 3 条 本会は、会員間の親睦を図るとともに、会員相互及び会内外の諸団体との協力・協調の もとに安全で明るく住みよい地域づくりを進めることを目的とする。

(事業) 第 4 条 本会は、前条の目的を達成するため、次の各号に揚げる事業を行う。 (1)回覧板の回付等区域内の住民相互の連絡 (2)関係機関及び各種団体との連携協力に関すること (3)社会福祉及び健康増進を図ること (4)美化・清掃等区域内の環境の整備に関すること (5)青少年の健全育成に関すること (6)防火・防災、防犯及び交通安全に関すること (7)文化・スポーツ及びレクリエーションに関すること (8)その他、本会の目的達成に必要な事項 (会員) 第5条 本会の会員は、第2条に定める区域の住民(加入単位は世帯単位)および事業所をもっ て構成し、会の入会・脱会は妨げないものとする。ただし、事業所は、賛助会員とし、議決権 を有しない。

(会費) 第6条 会員は、総会において別に定める会費を納入しなければならない。 (役員) 第7条 本会に、次の役員を置く。役員は、総会において、会員の中から選任する。 (1)会長 1人 本会を代表し、会務を総括する。 (2)副会長 ○人 会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代行する。 (3)会計 ○人 金銭の出納及び財務を管理する。 (4)監事 ○人 会計を監査する。 (5)班長 ○人 班を代表して、会務に協力する。 (役員の報酬) 第8条 役員の報酬は、会長 月額○○円、副会長 月額 ○○円円、会計 ○○円月額円、

班長 月額 ○○円とする。

※ 無報酬の場合は、「無報酬とする。」 ・ ・ ・

− 29−

Page 33: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 30 -

(役員の任期) 第9条 役員の任期は、○年とする。ただし、再任を妨げない。(再選は○期までを限度とする。)

2 補欠により選任された役員の任期は、前任者の残任期間とする。 3 役員は、辞任又は任期満了の後においても、後任者が就任するまでは、その職務を行うもの とする。 (会議の種類) 第10条 本会の会議は、総会及び役員会とする。総会は、本会の最高議決機関であり、通常総

会と臨時総会とし、1世帯 1 名の会員をもって構成する。役員会は、監事を除く第 7 条の役 員をもって構成する。

(総会の審議事項) 第11条 総会は、次に揚げる事項を審議議決する。 (1)予算案及び決算に関する事項 (2)役員の選任に関する事項 (3)規約に関する事項 (4)その他会務上必要な事項 (総会の開催) 第12条 総会は会長が招集する。 2 通常総会は、年 1 回開催する。 3 臨時総会は、次の各号の一に該当する場合に開催する。 (1)会長が必要と認めたとき。 (2)全会員の5分の1以上から請求があったとき。 (総会の議長) 第13条 総会の議長は、その総会において、出席した会員の中から選出する。 (総会の定足数) 第14条 総会は、会員の2分の1以上の出席がなければ、開会することができない。 (総会の議決) 第15条 総会の議事は、この規約に定めるもののほか、出席した会員の過半数をもって決し、

可否同数のときは、議長の決するところとする。 (総会の書面表決等) 第16条 やむを得ない理由のため総会に出席できない会員は、あらかじめ通知された事項につ いて書面をもって表決し、又は他の会員を代理人として表決を委任することができる。

2 前項の場合における第14条及び第15条の規定の適用については、その会員は出席したも のとみなす。

(総会の議事録) 第17条 総会の議事については、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。 (1)日時及び場所 (2)会員の現在数及び出席者数(書面表決者及び表決委任者を含む。) (3)開催目的、審議事項及び議決事項 (4)議事の経過の概要及びその結果 (5)議事録署名人の選任に関する事項 2 議事録には、議長及びその会議において選任された議事録署名人2人以上が署名押印しなけ ればならない。 ・ ・ ・

− 30−

Page 34: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 31 -

*マンション管理組合を自治会化する場合には、管理組合と自治会では設置目的が別となりますので、

管理規約とは別に自治会規約を別途作成する必要があります。規約を作成する場合には、設置目的や

設置意識も注意して作成しましょう。

例)管理費と自治会費の違い(金額、徴収方法、会計年度など)

所有者と居住者の扱い(地縁に基づいた自治会等とは違い、マンションは賃貸の可能性もあります)

役員の違い(任期、兼務を可能とするのかどうかなど)

(役員会)

第18条 役員会は、会長が必要と認めるとき招集し、会長が議長となる。

2 役員会は、本会の運営上必要な事項について審議する。

3 議事は出席者の過半数の賛成で決することとし、可否同数のときは議長の決するところによ

る。

(経費)

第19条 本会の運営に要する経費は、会費、寄付金及びその他収入をもってあてる。

(会計年度)

第20条 本会の会計年度は、毎年 4 月 1 日に始まり、翌年 3 月 31 日に終わる。

(規約の変更)

第21条 この規約は、総会において議決を得なければ、変更することはできない。

(細則への委任)

第22条 本規約の実施に関し必要な事項は、役員会の決議により別途定める。

附 則

この規約は、平成 年 月 日から施行する。

− 31−

Page 35: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 32 -

(3)事業計画書 様式例

平成 年度( 年度) 事業計画書

○○○自治会

月 事業名(行事名) 4 月 第 1 回役員会

平成○○年度 定期総会 防犯講習会

5 月 第 2 回役員会 6 月 第3回役員会

7 月 第4回役員会

ふれあい夏祭り ・ ・ ・ ・

(定期的な行事)

期日 事業名(行事名) 毎月 第 1○曜日 リサイクル(新聞等回収日) 毎月 第4○曜日 ○○公園清掃活動 毎週 ○・○曜日 ごみ回収日

− 32−

Page 36: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 33 -

(4)予算書

様式例

○○○自治会 平成 年度 予算書

(収入の部) (単位:円)

項目 今年度 予算額(A)

前年度 予算額(B)

比較(増減)

(A)-(B) 説明

1 繰越金 前年度からの繰越金 2 会費 ○○円×12ヶ月×○○世帯

3 補助金・助成金 ○○補助金 4 寄付金 5 古紙回収金 6 雑収入 預金利息

合 計 (支出の部) (単位:円)

項目 予算額 (A)

前年度 予算額(B)

比較(増減)

(A)-(B) 説明

会議費 総会、役員会 交通費 行動費 通信費 郵便料(切手代)、電話代

消耗品費 事務用品(ボールペン他)

備品費 備品購入費(TV) 印刷費 資料印刷代 人件費 役員手当 分担金 連合自治会分担金 雑費

広報費 自治会だより作成費用 防災費 防災訓練 防犯対策費 防犯パトロール 環境衛生費 清掃活動経費 福祉費 敬老会 親睦費 夏祭り 雑費

予備費 予備費 合 計

− 33−

Page 37: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 34 -

(5)決算書

様式例

○○○自治会 平成 年度 決算書

(収入の部) (単位:円)

項目 予算額(A) 決算額(B) 比較(増減)

(A)-(B) 説明

1 繰越金 前年度からの繰越金 2 会費 ▲ *予算時より○世帯転出 3 補助金・助成金 ○○補助金 4 寄付金 5 古紙回収金 6 雑収入 預金利息

合 計 (支出の部) (単位:円)

項目 予算額(A) 決算額(B) 比較(増減)

(A)-(B) 説明

会議費 総会、役員会 交通費 ▲ 出席者の減少 通信費 郵便料、電話代 消耗品費 事務用品 備品費 備品購入費 印刷費 資料印刷代 人件費 役員手当 分担金 連合自治会分担金 雑費

広報費 自治会だより作成費用 防災費 防災訓練 防犯対策費 防犯パトロール 環境衛生費 清掃活動経費 福祉費 敬老会 親睦費 夏祭り 雑費

予備費 予備費 合 計

平成 年 月 日 会長 ㊞ 会計 ㊞ 平成 年度分の会計について監査を行った結果、会計処理及び収支が適正に処理され妥当 であることを認めます。

平成 年 月 日 監事(会計監査) ㊞ ㊞

− 34−

Page 38: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 35 -

(6)加入申込書

様式例

自治会(町内会)加入のご案内

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 さて、先日、自治会設立の趣意をお知らせしましたが、その後、準備会では皆さま

からご意見をいただきながら会議を重ね、自治会(町内会)の活動の基本となる規約 や事業計画の案を作成しましたのでご覧ください。 地域に住む皆さんと力を合わせ、自治会(町内会)活動を行うことによって、住み

よい地域にして参りたいと思います。 どうぞ、趣旨にご賛同いただき、下記同意書(加入申込書)の提出をお願いいたし

ます。 なお、設立総会を下記のとおり予定しております。(開催通知は、改めてお知らせ

します。) 平成 年 月 日

自治会設立準備会 代 表 ○ ○ ○ ○ 連 絡 先 ○ ○ ○ ○ 電話番号 ○ ○ ○ ○

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(仮称)○○自治会 設立同意書(加入申込書)

住 所

世帯主氏名

電 話 番 号

世帯員氏名 (世帯主以外)

総会開催予定 平成○年○月○日(○)○時~ ○○会館 会議室にて

− 35−

Page 39: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 36 -

(7)会員名簿

様式例

○○○自治会 会員名簿

No.1 班 氏名 住所 電話 1 西宮 太郎 西宮市○○町△番□号 0798-××-××××

− 36−

Page 40: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 37 -

(8)役員名簿

様式例

○○○自治会(町内会) 役員名簿

役職 氏名 住所 電話

会 長 西宮 太郎 西宮市○○町△番□号 0798-××-×××× 副会長 副会長 会 計 書 記 監 事 監 事 ○○委員 ○○委員 ○○委員 ○○委員 ○○委員

・ ・

第1班長 第2班長 第3班長 第4班長 第5班長

・ ・ ・ ・ ・

− 37−

Page 41: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 38 -

(9)総会次第

様式例 <設立総会次第>

○○自治会(町内会)設立総会

1.開会 2.設立準備会代表あいさつ 3.議長選出 4.議事 (1)第 1 号議案 ○○自治会(町内会)規約(案)について

(2)第 2 号議案 平成○○年度役員選出について

(3)会長、役員のあいさつ・紹介

(4)第 3 号議案 平成○○年度事業計画(案)について

(5)第 4 号議案 平成○○年度予算(案)について

5.議事署名人の選出 6.閉会

− 38−

Page 42: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 39 -

<定期総会次第>

○○自治会 平成○年度 第○回定期総会

日 時:平成○○年○月○日 午前(午後)○時~○時 場 所: ○○自治会集会所

総 会 次 第

1. 開会のことば

2. 会長あいさつ

3. 議長選出 司会者

4. 総会定足数報告・総会成立宣言 議 長

5. 議案審議

第 1 号議案 ○○年度事業報告承認の件 第 2 号議案 ○○年度決算承認の件 第 3 号議案 ○○年度監査報告 第4 号議案 次○○年度事業計画(案)承認の件 第号議案 次○○年度予算(案)承認の件

第5 号議案 ○○の件

6. 閉会のあいさつ

− 39−

Page 43: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 40 -

(10)総会開催通知

様式例

平成 年 月 日

○○○○の皆さまへ

○○自治会設立総会 開催通知

自治会設立準備会

代表 ○ ○ ○ ○

自治会設立の趣意にご賛同いただき、ありがとうございました。 おかげさまで、設立総会の準備も整いましたので、下記のとおり開催いたします。 自治会設立準備会一同、皆さまのご参加をお待ちしておりますので、是非、出席をお願い いたします。

1.日 時 平成○年○月○日(○)○時~ 2.場 所 ○○会館 多目的ホール 3.その他 参加できない場合は、下記の委任状のご提出をお願いします。 ご不明な点がありましたら、下記担当まで。

担当/○○( Tel ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

委任状

年 月 日( )

わたくし 住所

氏名 ㊞ は、 平成○年○月○日開催の設立総会を欠席します。 つきましては、本総会における一切の議決権を、議長若しくは下記の者に委任します。

(いずれかに○をご記入ください)

・ 議長に一任する。 ・ 住 所

氏 名 に一任する。

− 40−

Page 44: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 41 -

(11)議事録

様式例

第○回○○自治会(町内会)定期総会議事録

1.開催日時 ○年○月○日(○) 午前○時○○分~○時○○分まで 2.開催場所 ○○会館 多目的ホール 3.会員総数 ○○人 4.出席者数 ○○人(うち、委任状提出者○○人) 5.議事の経過及び発言要旨 (1)開会 (2)議長選出

議長選出を諮ったところ、準備会代表一任の発言により、会員○○○○を議長に指名した。

議長○○○○は、書記に○○○○を指名し、議事に入った。 (3)総会成立の宣言

議長から、今日現在会員総数は○○人であるが、出席者は○○人、委任状提出者は○人、 合計○○人であり、会員の過半数の出席があったと認められるので○○自治会規約第○条 の規定により、本総会は有効に成立したとの宣言がなされた。

(4)議事 ①第 1 号議案「○○について」 ・提案説明(○○副会長) 内容・・・・・・・・・・・・・・・

・質疑応答 質問(○○氏) 内容・・・・・・・・

回答(○○副会長) 内容・・・・・・・

・決議 第 1 号議案について決議を求めたところ、賛成○○人、反対○人のため可決(否決)さ

れた。 ~ 以下、議案の数だけ続く ~

(5)議事録署名人の選出 (6)閉会 この議事録は、事実と相違ないことを確認します。

年 月 日

議 長 ㊞ 議事録署名人 ㊞ 議事録署名人 ㊞

− 41−

Page 45: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 42 -

(12)個人情報取扱規定

様式例

○○自治会 個人情報取扱規程

(平成 年 月 日総会にて議決)

(目的) 第 1 条 この取扱規程は、事業の円滑な運営を図るにあたって、本会が保有する個人情報の適正 な取扱い及び個人の権利利益を保護することを目的とする。 (責務) 第2条 本会及び各会員は、活動上知り得た情報を第三者に漏らすことのないよう、また、個人 情報が記載された資料を安易に取扱うことのないよう、個人情報の保護に努めるものとする。 (周知) 第 3 条 個人情報取扱方法は、総会資料等で会員に配布又は回覧を行う等により毎年周知するも のとし、新規の会員については書面の提示等によって周知を行うものとする。 (個人情報の取得) 第 4 条 本会が会の活動を目的として収集する情報は、会員の住所、氏名(家族及び同居人を含 む)、性別、生年月日(年齢)、電話番号、その他活動上必要と認める情報とし、本人の同意を 得て取得するものとする。 (利用) 第 5 条 取得した個人情報は、次の目的において利用するものとする。 (1)会員名簿及び地図の作成 (2)会費請求・管理 (3)文書の送付や回覧業務 (4)会員相互の連絡 (管理) 第 6 条 個人情報は会長または会長が指定する役員が保管するものとし、適正かつ厳重に管理す るものとする。 2 不要となった個人情報は、廃棄担当者とは別の役員立会いのもと複数人で適正に廃棄するもの

とする。 (提供) 第 7 条 個人情報は次にあげる場合を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで第三者に提供して はならないものとする。 (1)法令に基づく場合 (2)人の生命、身体又は財産の保護のために必要な場合 (3)公衆衛生の向上又は児童の健全育成の推進に必要がある場合 (4)国の機関もしくは地方公共団体又はその委託を受けた者が、事務を遂行することに対して

協力する必要がある場合 (5)その他、本会であらかじめ決めた提供先 付則 この規程は、平成 年 月 日から施行する。

− 42−

Page 46: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収

- 43 -

(13)転入者等への案内

様式例

転入者の皆さまへ(ご挨拶) この度、○○自治会の区域内にご転入されましたことを、○○自治会を代表して歓迎申し上

げます。 ○○自治会では、安全で住みよいまちづくりのために、ごみステーションの美化活動、通学

路の見守り活動、安全パトロールなど、個人や家族だけでは解決できない地域の課題に取組ん

でいます。 また、大規模災害など、いざというときに頼りになる「地域の絆」づくりに向けて、「顔が

見えるご近所さん」として交流を深めるため、夏祭りなどの楽しい親睦行事も行っています。 ○○ 様が、一日も早く同じ地域に住む仲間として、ご近所さんとの友好の輪が広がります

よう、○○自治会の会員一同、当自治会への加入をお待ちしております。 入会を希望される場合は、下記申込書に記入のうえ、班長まで、ご提出ください。また、そ

の他、不明な点などがございましたら、ご遠慮なく班長まで、ご連絡ください。

○○ 様のお住まいの地域の班は ○班です。 班長は、 ○○○○ さんです。 (住所:○○町○丁目○番○号 電話○○○―○○○○)

平成○○年○○月○○日

○○自治会 会 長 ○○ ○○

※自治会の会費は、月額○○○円です。 年 2 回(○月と○月に分けて)班長が集金しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○○自治会 加入申込書

住 所

世帯主氏名

電 話 番 号

世帯員氏名 (世帯主以外)

− 43−

Page 47: ― 設立編...― 設立編 ― 平成26年6月 西宮市 地域活動支援課 防 災 防 犯 環 境 防災組織など 自治会等 防犯パトロールなど 美化運動・集団回収