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電子回路 2012年11月,12月 2012 12 21 11T1503M 安谷屋 樹 青木 拓実 味岡 孝昇 天野 翔太 池田 武蔵 石井 良 

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電子回路

2012年11月,12月

2012 12 21 金

11T1503M

安谷屋 樹

青木 拓実味岡 孝昇天野 翔太池田 武蔵石井 良 

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実験1:整流器の測定と計測

1.目的:電子回路の作成を通してはんだ付けの技術を身につける。整流器を作成し、その動作原理の概略を理解する。オシロスコープやファンクションジェネレータ等の機器の操作を身につける。

2.実験方法:図 1 に示す低周波フィルタを作成し、ファンクションジェネレータで様々な周波数の正弦波を加え、オシロスコープを用いて計測する。ファンクションジェネレータで入力する正弦波は電圧の最大値(振幅、P-P)を 6V として周波数を 500Hz~500kHz の間で 10 点以上変えながら、様々な周波数に対する出力波形の振幅と入力波形の振幅をオシロスコープから読み取って記録し、入出力波形の形状をオシロスコープで記録する。また、記録した振幅の比から減衰率を求める。減衰率は以下の式で与えられる。減衰率 = 出力電圧の最大値 / 入力電圧の最大値求めた減衰率を用いて、周波数を横軸に減衰率を縦軸にした周波数-減衰率特性グラフを図 2 に示した。またグラフには RC の値から定まる理論値も書き入れ、実測値と比較をした。

  図 1.低周波フィルタ 図 3.半波整流器(低域通過フィルタ無し)

半波整流器(低域通過フィルタなし)の入力波形を記録する。(図 3)

10kHz の正弦波周波数をファンクションジェネレータから入力し、振幅を 1V,2V,3V,4V に変化させた入出力波形を記録する。

半波整流器(低域通過フィルタあり)の入出力波形を記録する。(図 4)

10kHz の正弦波周波数をファンクションジェネレータから入力し、振幅を 1V,2V,3V,4V の 4 種類に変化させた 4 枚の入出力波形を記録する。

 図 4.半波整流器(低域通過フィルタ付)  図 5.全波整流器( 低域通過フィルタなし)

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全波整流器(低域通過フィルタなし)の入出力波形を記録する。(図 5)

全波整流器ではオシロスコープの入力を 3 チャンネル使用する。10kHz の正弦波周波数をファンクションジェネレータから入力し、振幅を 1V,2V,3V,4V の 4 種類に変化させた 4 枚の入出力波形を記録する。注意する事項として、全波整流器ではファンクションジェネレータからの出力はどちらも整流器のGND には接続しないようにする。

全波整流器(低域通過フィルタあり)の入出力波形を記録する(図 6)

10kHz の正弦波周波数をファンクションジェネレータから入力し、振幅を 1V,2V,3V,4V の 4 種類に変化させた 4 枚の入出力波形を記録する。

図 6.全波整流器(低域通過フィルタ付き)

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3.実験結果3.1 低域通過フィルタ減衰率の測定値、理論値を表 1 に、また図 7-1 から図 7-10 に今回得られた波形をまとめた。また、表 1 のグラフを元に図 8 に横軸が周波数、縦軸が減衰率のグラフを示した。

表 1.減衰率の測定値

周波数 [kHz]

減衰率(実測値)

減衰率(理論値)

0.50 0.50 1.03

1.00 1.03 1.00

2.00 1.03 0.99

3.00 1.00 0.98

4.00 0.97 0.97

5.00 0.99 0.95

6.00 0.95 0.94

7.00 0.95 0.92

8.00 0.93 0.89

9.00 0.89 0.87

10.00 0.88 0.85

15.00 0.75 0.73

20.00 0.64 0.62

30.00 0.48 0.47

50.00 0.31 0.30

60.00 0.26 0.26

70.00 0.23 0.22

100.00 0.17 0.16

200.00 0.08 0.08

300.00 0.06 0.05

400.00 0.04 0.04

500.00 0.03 0.03

図 7-1.5kHz 図 7-2.6kHz 図 7-3.7kHz

図 7-4.8kHz 図 7-5.10kHz

図 7-6.50kHz 図 7-8.100kHz

図 7-9.200kHz 図 7-10.500kHz

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次に、入力する正弦波の周波数を 20kHz とし、オシロスコープのモードを変えてリサージュ曲線を表示したところ、図 9-1 のようになった。実験指導書には、リサージュ曲線の図形から位相差を求める式はΦ=sin−1 ( x1 /X 0) = sin−1 ( y1 /Y 0) となる。

また、ファンクションジェネレータから 20kHz の三角波を入力した際、図 9-2 の様に出力が正弦波になることが確かめられた。矩形波を入力すると、図 9-3 のように三角波が出力された。

3.2 半波整流器オシロスコープで記録した波形は図 10 のようになった。

図 9-1 リサージュ曲線 図 9-2 三角波 図 9-3 矩形波

図 10-1 1V 図 10-2 2V

図 10-3 3V 図 10-4 4V

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3.3 低域通過 半波整流器オシロスコープで記録した波形は図 11 のようになった。

3.4 全波整流器オシロスコープで記録した波形は図 12 のようになった。

図 11-1 2V 図 11-2 3V

図 11-3 4V 図 11-4 5V

図 12-1 2V 図 12-2 3V

図 12-3 4V 図 12-4 5V

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352 低域通過 全波整流器オシロスコープで記録した波形は図 13 のようになった。

4.考察

減衰率については、はじめは 1 よりも大きい値になってしまったがこれはやはり回路のノイズ等が関係していると思われる。グラフをみても、ほぼ理論値に近い値が得られたが、全体的に理論値よりも少しうわずった結果となってしまった。また、リサージュ曲線について理論値を求めてみる。図より x1 = 22, X 0 = 28, y1 = 12,Y 0 = 16 を得られたので、この値を元に理論値を計算してみる。すると x について sin−1(22 /28) = 51.8 という値が得られる。また、y についても sin−1(12 /16) = 48.6 という数字が得られた。理論値を求めるにはΦ = tan−1(ωRC ) という式が必要になるので、この回路において 20kHz の値を求めるとΦ = 51.5 という理論値にほぼ近い値が得る事が出来た。

三角波が正弦波になった理由だが、全ての波は正弦波で表すことができる。つまり、三角波の低域のみをとるため、正弦波が抽出され出力結果に現れたのだと思われる。矩形波についてはその低域が抽出されたので、三角波の様なものが示されたのだと思われる。

半波整流器について、やはり 3.2 などの図は少しノイズが大きくなってしまってキレイな形は出なかったのだが、ちょうど負の値が整流されているのがわかる。

全波整流器について、この回路は何回も作り直してすごく時間がかかったが、半波整流器とちがって入力の負の値を正に返すような図が得る事ができた。1V などで値が得られにくかったのは、回路が複雑な分電流が安定しなかったためだと思われる。

図 13-1 1V 図 13-2 2V

図 13-3 3V 図 13-4 4V

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図 8 減衰率の測定値・理論値グラフ

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実験 2:電子回路の作成と測定Ⅰ

1.目的:トランジスタ、ダイオード等の能動素子の動作原理の概略を理解する。増幅器を作成し、その動作原理の概略を理解する。オシロスコープやファンクションジェネレータ等の機器の操作を身につける。

2.実験方法:

図 14に示した増幅回路を作成し、グループ内で最もノイズが少なく計測しやすい回路を選び、入出力特性を測定する。

図 14.増幅回路

2.1.増幅回路の入出力特性電圧可変電源を用いて、Vcc = 5Vの電圧を与え、ファンクションジェネレーターで入力する正弦波の周波数を 5kHzとし、振幅を変化させた時の出力信号の振幅を測定し、入力波形の振幅を横軸、出力波形の振幅を縦軸にしたグラフを作成する。出力波形の振幅は入力の振幅が小さい時は入力の振幅に比例し、入力の振幅が一定の値を超えると増加しなくなる。前者の領域を線形領域といい、後者の領域を飽和領域という。この線形領域と飽和領域の境界は特に細かく計測する。また、線形領域、境界付近、飽和領域のそれぞれで入出力波形を記録する。

2.2.増幅回路の周波数特性入力波形の振幅を線形領域で動作するように定めて、様々な周波数を入力し、入力信号と出力信号の振幅を測定する。今回の実験では入力波形の振幅を 1.5Vに設定した。様々な周波数に対して増幅率を求め、周波数を横軸に、以下の式で定義される増幅率を縦軸にしたグラフを描く。

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3.実験結果3.1.増幅回路の入出力特性図 15に示した様に、オシロスコープの出力波形は 2V当たりから変化があった。1V~1.96Vの電圧では図 16のグラフに示すように比例関係の線形性が見られたが、2Vを越えた当たりから出力電圧の最大値は目立った増加はしなくなったが、4Vに行くにつれて微小に増加をしていた。その実験データを表 2に示す。

また、得られたデータを元に縦軸を入力波形の振幅、横軸を出力波形の振幅であるグラフを☆ページの図 に示す。

表 2 増幅回路の入出力特性

入力波形の振幅[V]

出力波形の振幅[V]

入力波形の振幅[V]

出力波形の振幅[V]

1.00 1.72 2.08 3.04

1.08 1.84 2.24 3.04

1.22 2.04 2.28 3.04

1.30 2.16 2.32 3.08

1.36 2.28 2.40 3.08

1.50 2.48 2.52 3.08

1.60 2.52 2.60 3.08

1.68 2.68 2.72 3.08

1.72 2.80 2.84 3.12

1.80 2.84 2.92 3.16

1.92 2.92 3.00 3.16

2.00 3.00 3.20 3.20

4.00 3.36

図 15-3 2.52V

図 15-1 1.52V(線形領域) 図 15-2 1.96V(線形領域)

図 15-4 4.00V

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3.2.増幅回路の周波数特性図 17に周波数による入出力の波形を示したまた表 3に増幅回路の周波数特性を示した。

※入力電圧の最大値は 1Vで測定をした。増幅率=出力電圧の最大値/入力電圧の最大値であるので入力電圧の最大値が 1Vならば、増幅率は出力電圧の最大値と同じとなる。

また、得られたデータを元に縦軸を周波数、横軸を増幅率となるグラフを図 18に示す。

表 3 増幅回路の周波数特性

周波数[kHz]

出力電圧の最大値[V]

(増幅率※)

周波数[kHz]

出力電圧の最大値[V]

(増幅率※)

10 1.88 2000 4.40

20 2.44 3000 4.64

30 3.04 4000 4.48

40 3.60 5000 4.32

50 3.92 6000 4.48

60 4.08 7000 4.32

70 4.24 8000 4.24

80 4.32 9000 4.08

90 4.32 10000 3.52

100 4.32 12000 3.24

200 4.32

500 4.16

1000 4.24

図 17-1 500kHz

図 17-2 2000kHz

図 17-3 5000kHz 図 17-4 10000kHz 図 17-5 12000kHz

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4.考察今回の実験では班員が同じ回路を作り、その中でも最も波形が綺麗な回路を選ぶということだったが、6人中 5人くらいの回路が綺麗に波形が出たので回路作成はスムーズであった。また、オシロスコープの使い方に関しても前回より戸惑う事は少なく、全体的に実験は円滑に進める事ができた。

増幅回路の入出力特性について、私たちの班では線形領域が 1~2V当たりでほぼ+1Vという増幅がみられた。ただそれ以上、2~3Vだと 3.08Vという値で横ばいのグラフが見られた。しかし、3.08Vを越えた値、例えば 3.20Vを入力すると 3.20Vという入力とほぼ同じ出力となり、4.0Vを入力すると 3.36Vという、入力よりも低い値の出力となってしまった。波形を観察すると、2V辺りから正弦波の頂上がへこんできて、台形の様な形になっていく。また正弦波は逆位相の形で出力されていることが観察される。

増幅回路の周波数特性について、はじめはもの凄い小さな値(10~20V)のデータを計測してしまったが、値が最大の 12Mまで計測が必要であったので、再度測定し直した。グラフを見てもわかる通り、最初は次第に増加(10kHz~90kHz)するが、100kHz~7MHzくらいまでは増加はせず一定の値をとり、8M~12Mで一気に減衰する。今回は機材の関係上 12MHzまでしか測定出来なかったが、15MHzくらいまで測定してもこの減衰はみられただろう。どのような電子回路でも、必ず周波数特性をもつ。ちなみに今回の周波数特性は「バンドパス特性」に振り分けられることができ、必要な範囲の周波数のみを通し、他の周波数は減衰させるということがわかる。

図 16 増幅回路の入出力特性

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図 18 増幅回路の周波数特性

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実験 3:電子回路の作成と測定Ⅱ

1.目的:7404等価回路の入出力特性を理解する。入力 Lowレベル、Highレベルでのトランジスタの状態がどう変化するかを調べる。

2.実験方法:図 19に示した 7404等価回路を各自 1回路ずつ作成する。作成した回路の入力に直流電圧を加え、入出力の静的特性を測定する。専用ボードを用いて Vcc=5Vの電圧を与え、電圧可変電源からの入力電圧を 0V(Lowレベル)から 5V(Hiレベル)に変化させたときの出力電圧を測定し、入力電圧を横軸に、出力電圧を縦軸にしたグラフを作成する。このとき、出力Hiレベルの出力電圧(VOH)、出力 Lowレベルの出力電圧(VOL)、出力をHiレベルにする最大の入力電圧(VIH)、出力を Lowレベルにする最小の入力電圧(VIL)を求めることができるよう測定する。

3.実験結果:7404等価回路の入出力特性の測定結果を表 4に、その結果をもとに横軸を入力電圧、縦軸を出力電圧としたグラフを図 20に示す。

表 4.7404回路の入出力測定結果入力電圧[V] 出力電圧[V] 入力電圧[V] 出力電圧[V]

0.01 4.35 1.65 0.01

0.57 4.32 1.83 0.01

0.83 4.00 1.91 0.01

1.00 3.76 2.10 0.01

1.21 3.18 3.00 0.01

1.35 2.55 4.00 0.01

1.52 0.01

図 20 7404等価回路の入出力静的特性グラフ

図 19 7404等価回路

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出力Hiレベルの出力電圧(VOH)は 4.00~4.35[V]

出力 Lowレベルの出力電圧(VOL)は 0.01[V]

出力をHiレベルにする最大の入力電圧(VIH)は 0.83[V]

出力を Lowレベルにする最小の入力電圧(VIL)は 1.52[V]

トランジスタのON/OFF状態について

エミッター・コレクタ間に電圧の差が無いということはエミッター・コレクタ間が導通している、つまりトランジスタはON状態であり、逆に電圧の差があるということはエミッター・コレクタ間は絶縁している、つまりトランジスタはOFF状態である。

表 5 入力 Lowレベルの時の入力電圧:3.5[mV]、出力電圧:4.34[V]、Q3(Emitter):4.67[V]

Base電圧[V] エミッター・コレクタ間の電圧測定方法 エミッターコレクタ間の電圧[V] ON/OFF判定

Q1 0.74 Q2(Base)-Input 0.02 ON

Q2 0.03 Q3(Base)-Q4(Base) 5.06 OFF

Q3 5.06 Vcc-Q3(Emitter)※ 0.33 ON

Q4 0.00 Output-GND 4.34 OFF

表 6 入力Hiレベル時の入力電圧:4.01[V]、出力電圧:11.6[mV]、Q3(Emitter):327[mV]

Base電圧[V] エミッター・コレクタ間の電圧測定方法 エミッターコレクタ間の電圧[V] ON/OFF判定

Q1 2.27 Q2(Base)-Input 2.44 OFF

Q2 1.57 Q3(Base)-Q4(Base) 0.02 ON

Q3 0.80 Vcc-Q3(Emitter)※ 4.67 OFF

Q4 0.78 Output-GND 0.01 ON

※Q3において、エミッター・コレクタ間の電圧を測定するために VccとQ3(Emitter)の電圧を用いたが、その間に 120Ω

の抵抗が入っているので本当は抵抗値 120[Ω]×抵抗を流れる電流 i[A]を考慮しなければならない。

4.考察測定をはじめたとき、0.5Vくらいの刻みで測定していたがグラフがこうも急に変化するとは思わなかったので出力 Hiレベルと出力 Lowレベルの間の値は慎重に取った。入出力静的特性において、VIHの値がはっきりでなく、グラフがなだらかな曲線になってしまったが逆に VILの値はかなりはっきり出た。

トランジスタのON/OFF状態を調べるには、ベース電圧だけを測定すれば良いと思っていたがそれだけでは理論通りのON/OFFの結果が得られなかったのでエミッター・コレクタ間の電圧降下を調べて ON/OFFを測定した。実際にON状態の時はかなり電圧降下が少ないが、OFF状態の時は 5V,4V,2Vなど電圧降下の差は一定ではなく開きがあった。

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実験 4:論理ゲートのアナログ特性

1.目的:IC7404回路の入出力時の静的特性を測定し、実験 3の結果と比較する。7404回路、IC7404回路に矩形波を入力し、その出力波形を比較する。

2.実験方法:論理 IC7404回路の入力に実験 3と同様に 0V-5Vの直流電圧を加え、入出力の静的特性を測定する。測定結果をグラフに示す。次に、ファンクションジェネレータで矩形波を発生させ、先週作成した 7404の等価回路および IC7404に入力し、入出力波形をオシロスコープで記録する。測定する周波数は 100Hz-1MHzの範囲で 5箇所程度とする。また、測定した波形から立ち上がり/立ち下り時間、および遅延時間を求める。ただし、立ち上がり(下がり)時間は電圧が全体の10%(90%)になったときから 90%(10%)になるまでの時間であり、遅延時間は入力が全体の 50%になってから出力が 50%

になるまでの時間である。周波数の上昇に伴って波形がどのように変わるかを観察してその原因を結果に示す。

3.実験結果:IC7404回路の入出力特性の測定結果を表 7に、その結果をもとに横軸を入力電圧、縦軸を出力電圧としたグラフを図 20に示す。

表 7.IC7404回路の入出力静的特性入力電圧[V] 出力電圧[V] 入力電圧[V] 出力電圧[V]

0.02 4.16 1.07 0.32

0.50 4.15 1.08 0.14

0.69 4.02 1.23 0.14

0.93 3.54 1.45 0.14

0.99 2.77 1.59 0.14

1.02 2.03 2.00 0.14

1.04 1.52 3.00 0.14

1.06 0.65 4.00 0.14

図 20 IC7404回路の入出力静的特性グラフ

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図 21にアナログ 7404回路の 0.1kHz~500kHz入力電圧別の波形を示す。

入力電圧が低い時はかなり綺麗な入力-出力の波形だが、入力電圧が高くなるにつれて波形は崩れていき、500kHzになると出力波形がもはや見えなくなってしまった。

図 22に、IC7404回路の 0.1kHz~1MHzまでの入出力波形を示す。

ICチップの波形は、アナログ回路よりも波形は崩れにくいがそれでも 100kHzから出力が崩れはじめ、1MHzだと入力波形も乱れてしまう。

図 21-1 0.1kHz 図 21-2 1kHz 図 21-3 5kHz

図 21-4 10kHz 図 21-5 50kHz 図 21-6 100kHz

図 21-7 500kHz

図 22-1 0.1kHz 図 22-2 1kHz 図 22-3 10kHz

図 22-4 100kHz 図 22-5 1000kHz

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表 8.アナログ・IC回路の立上がり、立下り、遅延の測定結果アナログ 7404回路 入力波形[kHz] 立上がり[Sec] 立下り[Sec] 遅延[Sec]

0.1 129~169n 36~46n 1.22μ

1 150~180n 40n 1.22μ

5 140~170n 45n 1.30μ

10 137n 49n 1.22μ

50 130~150n 45n 1.30μ

100 測定不可※ 測定不可 測定不可

IC7404回路

0.1 60n 288n 42n

1 64n 284n 42n

10 63n 288n 42n

100 66n 236n 56.8n

1000 64.4n 108n 56.8n

※アナログ 7404回路の 100kHzでは入力・出力波形とも崩れてしまって立上がり・立下り・遅延を求めることが難しかった。

4.考察:実験 3ではアナログ 7404回路の静的特性を測定したが、今回は IC7404チップということでかなりきれいな値が測定できた。以下にアナログ回路と IC回路のVOH,VOL,VIH,VILを比較した表 9を示す。

表 9 アナログ、IC回路のVOH,VOL,VIH,VILの比較VOH[V] VOL[V] VIH[V] VIL[V]

アナログ 7404回路 4.00~4.35 0.01 0.83 1.52

IC7404回路 4.00~4.16 0.14 0.69 1.08

上記の表を見てもわかる通り、IC回路の方がアナログ回路よりもVILが小さく、またVOLの値もずっと一定だった。また出力Hiレベルと Lowレベルの境目も、アナログ回路は多少なだらかではあったが IC回路ははっきりとHi-Lowの境目が出ていた。

また、立上がりなどのデータを比較してもアナログ回路のデータは立ち上がりに関して 130~180n[Sec]の値をうろうろしていて、測定する時も値は安定しなかったが、IC回路についてはほぼ 60~64n[Sec]の値に定まっており、測定がしやすかった。ただ、立ち下がりについてはアナログ回路も 30~50n[Sec]の値に納まっていた。遅延時間に関しては、両回路とも安定した値をとっている。

周波数の増加に伴って、アナログ・ICの両方の回路の出力・入力波形は三角波に近づいている。全ての波は正弦波に置き換える事ができる。また、矩形波はフーリエ級数をしようして無限級数の和で表す事ができる。そこで、周波数を上げるにつれて無限級数の項が増え、正弦波とまではいかないがその間の三角波に近づいてゆくのだと思われる。