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About wing 上面プランク材 2mmのスタイロフォームをかぶせて接着します。ス タイロフォームを自作の巨大な電鉄線カッターでス ライスし、翼の形に合わせて貼り付けます。なめら かさを出すために、かるく表面をヤスリがけします。 ヤスリがけの後に、上にソプラという透明シートを シワが入ら無いように丁寧に貼ります。 前縁材 3mmの厚みになるように、スタイロフォーム片 を電熱線で立体的に切り出します。MDFを翼 型に切り、切断面をアルミホイルでカバーし、 電熱線でカットします。前縁部は、揚力を生み 出す重要な場所のため、このような立体切りを 採用しています。 翼は全部で7区画でできており、それらを 繋げて飛びます。この翼は、外側から2つ めに配置されたミドルとよばれる翼で、ス ポイラーという旋回・エアブレーキを行う 機構も搭載しています。CFRPで作られた 桁のまわりに、スタイロフォームを切りだ したリブを配置し、そのまわりに上面プラ ンク材、前 縁 材、後 縁材、ストリンガーな どを付けます。最後に透明フィルムを貼 り、完成します。軽量化のための肉抜きな どのさまざまな工夫がされています。ま た、テストフライトで何度も壊れるため に、修復しやすいように制作を工夫してい 後縁材 バルサ材を削り出して作ります。 ストリンガー 細いバルサをつなぎ合わせて 作ります。翼型の維持のため に 、すべての翼の上 面 、下 面 部分に通っています。 桁接合部 桁の径が異なる、隣の翼と接合するために径増し 加工をします。エポキシ樹脂とグラスバブルスを 混ぜたものを硬化し、その周りにCFクロスを巻く ことで行います。 リブ 翼型を作るリブが中に配置されています。右側 のフルリブと、左側のハーフリブがあり、交互に 配置されています。ハーフリブは軽量化のため に、後縁部が切り落とされているものです。翼 型を紙に印刷し、ボール紙に貼り付けハサミで 切ったマスターをスタイロ板に貼り付け、電熱線 カッターで一枚ずつ切り出します。フィルムのみ になる下面部分と後縁部分は強度が足り無いた めバルサをキャップします。 スポイラー スポイラー部分は、翼型の一部を抜き出した小さ なリブを配置し、そこが持ち上がるようになってい ます。CFRPパイプを軸にサーボモーターで持ち上 げる仕組みになっています。 肉抜き 軽量化するために、肉抜き穴を開けて います。強度が求められる箇所以外は 肉抜きを行います。大学によって丸や三 角形の肉抜きがあります。

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Page 1: About wing - motoyamahoAbout wing 上面プランク材 2mmのスタイロフォームをかぶせて接着します。ス タイロフォームを自作の巨大な電鉄線カッターでス

Aboutwing

上面プランク材2mmのスタイロフォームをかぶせて接着します。スタイロフォームを自作の巨大な電鉄線カッターでスライスし、翼の形に合わせて貼り付けます。なめらかさを出すために、かるく表面をヤスリがけします。ヤスリがけの後に、上にソプラという透明シートをシワが入ら無いように丁寧に貼ります。

前縁材3mmの厚みになるように、スタイロフォーム片を電熱線で立体的に切り出します。MDFを翼型に切り、切断面をアルミホイルでカバーし、電熱線でカットします。前縁部は、揚力を生み出す重要な場所のため、このような立体切りを採用しています。

翼は全部で7区画でできており、それらを繋げて飛びます。この翼は、外側から2つめに配置されたミドルとよばれる翼で、スポイラーという旋回・エアブレーキを行う機構も搭載しています。CFRPで作られた桁のまわりに、スタイロフォームを切りだしたリブを配置し、そのまわりに上面プランク材、前縁材、後縁材、ストリンガーなどを付けます。最後に透明フィルムを貼り、完成します。軽量化のための肉抜きなどのさまざまな工夫がされています。また、テストフライトで何度も壊れるために、修復しやすいように制作を工夫してい

後縁材バルサ材を削り出して作ります。

ストリンガー細いバルサをつなぎ合わせて作ります。翼型の維持のために、すべての翼の上面、下面部分に通っています。

桁接合部桁の径が異なる、隣の翼と接合するために径増し加工をします。エポキシ樹脂とグラスバブルスを混ぜたものを硬化し、その周りにCFクロスを巻くことで行います。

リブ翼型を作るリブが中に配置されています。右側のフルリブと、左側のハーフリブがあり、交互に配置されています。ハーフリブは軽量化のために、後縁部が切り落とされているものです。翼型を紙に印刷し、ボール紙に貼り付けハサミで切ったマスターをスタイロ板に貼り付け、電熱線カッターで一枚ずつ切り出します。フィルムのみになる下面部分と後縁部分は強度が足り無いためバルサをキャップします。

スポイラースポイラー部分は、翼型の一部を抜き出した小さなリブを配置し、そこが持ち上がるようになっています。CFRPパイプを軸にサーボモーターで持ち上げる仕組みになっています。

肉抜き軽量化するために、肉抜き穴を開けています。強度が求められる箇所以外は肉抜きを行います。大学によって丸や三角形の肉抜きがあります。

Page 2: About wing - motoyamahoAbout wing 上面プランク材 2mmのスタイロフォームをかぶせて接着します。ス タイロフォームを自作の巨大な電鉄線カッターでス

翼の骨組みとなる部分。人力で飛行機を飛ばすには、軽量化が重要であるため、骨組みの軽量化を行うため、強くて軽いCFRPという素材をパイプ状にしたものを使用している。を吊るし、変形を確認する。重りは、ペットボトルに水を入れて設計と同じ重さにする。

7区画からなる翼の中央に位置する翼。矩形翼。

垂直方向の操縦を行う際に使う。機体の高度が下がり過ぎた時や、高度が高すぎる際に使う。

横方向の操縦を行う際に使う。私たちの出場するタイムトライアル部門は、短いタイムで旋回する必要があるため、より旋回を確実に行うため、スポイラーも設置している。

尾翼は飛行機の後ろにある、飛行機の操舵を行うためにあるものです。尾翼には、縦方向の操舵を行う水平尾翼と、横方向の操舵を行う垂直尾翼に分かれている。私のチームは、水平尾翼を「エレベーター」、垂直尾翼を「ラダー」と呼びます。それぞれ、翼が桁を中心に角度が変わるようになっています。

機体の骨組み。主翼の骨組みである桁と同じCFRPパイプを使用している。

Center

Elevator

Rudder

尾翼

主桁

Flame

一番外側にある翼。

Outer

鳥人間について鳥人間は、飛行機を自分の手で作り、その飛行機の中に人が乗り、空を飛ぶ集団の事です。そして、毎年夏に琵琶湖で行われる、鳥人間コンテストに出場する。大会専用に作られた、プラットホームから機体を飛ばし、競い合います。すべての鳥人間チームが出場出来るわけではなく、書類審査が行われます。書類には、機体の三面図・機体の説明書類・コンセプト・機体が安全かどうかなどを書いた紙を提出し、審査に通らなけらばなりません。私はこれらの書類のレイアウトなどや説明図の素材作りなどを行いました。私たちのチームは三年連続で出場する事ができました。

役職翼班・プロペラ班・フレーム班・電装班・フェアリング班に分かれ、制作を行う。それぞれ班長がいます。この制作を行う班とは別に、空力設計・構造設計部長・副部長・予算担当・デザイン担当を兼任する人もいる。フェアリング班のみ、設計はフェアリング班の人が行い、制作は部員全員で行います。翼班は、主翼と尾翼の 構造部分を制作し、桁加工も行います。プロペラ班は、プロペラ制作を行います。フレーム班は、フレームとパイロットの座るコックプットまわりを制作します。電装班は、操舵を行うスポイラー・尾翼の電子制御の電子工作を行います。また、高度計や記録装置も製作します。私は翼班とデザイン担当でした。

テストフライトパイロットが飛行機の操縦を行う事が出来るように、テストフライトを5回ほど大会前の二ヶ月間行います。テストフライトは、広くて長い場所で風のない時間に行う必要があります。場所は、滑空場を借りて行います。風の少なく、かつ明るい時間に行うために早朝にテストフライトを行います。組み立てに時間がかかるために、夜の2時に機体を組み立て始め、朝の5時頃からテストフライトを開始します。機体は地面を自分の力で走る事が出来ないため、グランドクルーという機体の近くを走る人が、機体を押して走らせ、離陸させます。離陸後は、機速は9m/secほどでるため、人間の足では追いつけません。そのため、グランドクルーを一定の感覚で滑走路に配置し、リレー式で機体を追いかけます。着地した後は、機体の保持のために機体を掴んで支えます。機体の運搬は、運送会社に頼み、トラックで運搬する。

タイムトライアル部門鳥人間コンテストは、滑空機部門・ディスタンス部門・タイムトライアル部門の三種類の部門に分かれている。滑空機部門は、滑空機(プロペラなどの動力の無い機体)を作り競い合う。ディスタンス部門は、人力プロペラ機を作り、パイロットが漕いで距離を競い合う。タイムトライアルは、プラットホームから1キロ先にあるターンマークを旋回し、戻ってくるまでのタイムを競いある。T-MITは、このタイムトライアル部門に毎年出場している。タイムトライアル部門は、旋回が最も難しく、旋回のために尾翼、スポイラー、エルロン(翼の端が回転する事で操縦する機構)などが進化している。

トラックに入れて飛行機を搬入するため、長い翼を7区画に分解出来るように作る。私たちのチームはそれぞれの区画をセンター・インナー・ミドル・アウターと呼ぶ。チームによって呼びかたは異なる。翼を全て接合すると、20mにもなる。

主翼

中央の翼「Center」の隣にある、中央に近い翼。矩形翼とテーパー翼翼が複合している、特殊な翼。

Inner

フェアリング。コックピット周りのなめらかな形のもの。パイロットを保護し、飛行中の空気の抵抗を減らすためにあります。軽量化のため、スタイロフォームではなく発泡スチロールを使用しています。

Fairing

パイロットが座る場所。サイドには操縦桿があり、足元には、ペダルが付いている。座る部分は、毎年パイロットの大きさに合わせて設計される。

Belt and Cockpit

アウターの隣にある、外側から2番目に位置する翼。スポイラーが埋め込まれている。

Middleスポイラー、旅客機にも搭載されている。スポイラー両方を立ち上げるとエアブレー キとして使用でき、片方を持ち上げると操舵として使用出来る。このスポイラーの上げ下げは、電子工作を主に行う電装班が電気的に制御する事で可能になっている。

Spoiler

AboutBirdmanProject

プロペラ班が作ります。プロペラは断面が翼型の積層になっており、回転する事で推力を生みます。推力によって、機体が前方向に進みます。

Propeller