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EVALUATION KIT AVAILABLE 本データシートは日本語翻訳であり、相違及び誤りのある可能性があります。 設計の際は英語版データシートを参照してください。 価格、納期、発注情報についてはMaxim Direct (0120-551056)にお問い合わせいただくか、Maximのウェブサイト (japan.maximintegrated.com)をご覧ください。 MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用 標準アプリケーション回路はデータシートの最後に記載されています。 19-6043; Rev 1; 3/12 型番はデータシートの最後に記載されています。 関連部品およびこの製品とともに使用可能な推奨製品については、 japan.maxim-ic.com/MAX17498A.relatedを参照してください。 EVALUATION KIT AVAILABLE 概要 MAX17498A/MAX17498B/MAX17498Cデバイス は、 最小限の外付け部品を備えた電流モード固定周波数フライ バック/ブーストコンバータです。これらのデバイスは、広入 力電圧の絶縁/非絶縁電源の設計に必要なすべての制御 回路を備えています。MAX17498Aは、汎用オフライン (85V AC〜265V AC)アプリケーション用に最適化された 立上り/立下り低電圧ロックアウト(UVLO)スレッショルドを 備え、一方MAX17498B/MAX17498Cは、低電圧DC-DC アプリケーションに最適なUVLOスレッショルドをサポート しています。 スイッチング周波数は、フライバックコンバータの MAX17498A/MAX17498Cでは250kHz、およびフライ バック/ブーストコンバータのMAX17498Bでは500kHz です。これらの周波数によって、小型の磁気およびフィルタ 部品が使用可能なため、コンパクトかつコスト効率に優れた 電源を実現します。オン/オフピンとしても機能するEN/ UVLO入力によって、ユーザーは電源を希望の入力電圧で 正確に起動することができます。OVIピンによって、入力 過電圧保護方式の実装が可能で、DC入力電圧が目的の最大 値を超えた場合にコンバータが確実にシャットダウンします。 これらのデバイスは、フレキシブルなエラーアンプ、および 高精度リファレンス電圧(REF)を備えており、正および負出 力の両方を安定化することができます。プログラム可能な 電流制限によって、1次側スイッチングFETの適切なサイズ と保護が可能です。MAX17498Bは、92%の最大デュー ティサイクルをサポートし、制御ループ性能を最適化する ことができる設定可能なスロープ補償を提供します。 MAX17498A/MAX17498Cは、49%の最大デューティ サイクルをサポートし、最適な制御ループ性能の固定内部 スロープ補償を備えています。これらのデバイスは、 パ ワーグッドインジケータとして機能するオープンドレイン PGOODピンを備えており、ハイインピーダンス状態に移行 し、フライバック/ブーストコンバータがレギュレーション 状態にあることを示します。SSピンによって、フライバック /ブーストコンバータ用の設定可能なソフトスタート時間が 実現可能です。ヒカップモード過電流保護およびサーマル シャットダウンは、過電流および温度過昇フォルト状態時 の消費電力を最小限に抑えるために提供されています。 これらのデバイスは、省スペースの16ピンTQFN パッケージ (3mm x 3mm、0.5mmリード間隔)で提供されます。 利点および特長 ピーク電流モードフライバック/ブーストコンバータ 電流モード制御によって優れた過渡応答を提供 固定スイッチング周波数 250kHz (MAX17498A/MAX17498C) 500kHz (MAX17498B) フレキシブルなエラーアンプによって正と負出力の両方 を安定化 設定可能なソフトスタートによって入力の突入電流を低減 設定可能な電圧または電流ソフトスタート パワーグッド信号(PGOOD) フォルト時の消費電力を低減 ヒカップモード過電流保護 ヒステリシスを備えたサーマルシャットダウン 堅牢な保護機能 フライバック/ブーストの設定可能な電流制限 入力過電圧保護 ループ性能を最適化 フライバック/ブースト用の設定可能なスロープ補償に よって実現可能な位相マージンを最大化 高効率 175mΩ、65V定格nチャネルMOSFETが提供する 標準効率:80%以上 電流検出抵抗が不要 スペクトラム拡散 (オプション) 省スペースの16ピンTQFNパッケージ(3mm x 3mm) アプリケーション インダストリアルアプリケーション用、フロントエンド AC-DC電源(絶縁型および非絶縁型) テレコム電源 広い入力範囲のDC入力フライバック/ブースト産業用 電源

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Page 1: AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ … · 回路を備えています。max17498aは、汎用オフライン (85vac〜265vac)アプリケーション用に最適化された

EVALUATION KIT AVAILABLE

本データシートは日本語翻訳であり、相違及び誤りのある可能性があります。 設計の際は英語版データシートを参照してください。

価格、納期、発注情報についてはMaxim Direct (0120-551056)にお問い合わせいただくか、Maximのウェブサイト (japan.maximintegrated.com)をご覧ください。

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

標準アプリケーション回路はデータシートの最後に記載されています。

19-6043; Rev 1; 3/12

型番はデータシートの最後に記載されています。

関連部品およびこの製品とともに使用可能な推奨製品については、 japan.maxim-ic.com/MAX17498A.relatedを参照してください。

E V A L U A T I O N K I T A V A I L A B L E

概要

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498Cデバイスは、最小限の外付け部品を備えた電流モード固定周波数フライバック/ブーストコンバータです。これらのデバイスは、広入力電圧の絶縁/非絶縁電源の設計に必要なすべての制御回路を備えています。MAX17498Aは、汎用オフライン(85V AC〜265VAC)アプリケーション用に最適化された立上り/立下り低電圧ロックアウト(UVLO)スレッショルドを備え、一方MAX17498B/MAX17498Cは、低電圧DC-DCアプリケーションに最適なUVLOスレッショルドをサポートしています。

スイッチング周波数は、フライバックコンバータのMAX17498A/MAX17498Cでは250kHz、およびフライバック/ブーストコンバータのMAX17498Bでは500kHzです。これらの周波数によって、小型の磁気およびフィルタ部品が使用可能なため、コンパクトかつコスト効率に優れた電源を実現します。オン/オフピンとしても機能するEN/UVLO入力によって、ユーザーは電源を希望の入力電圧で正確に起動することができます。OVIピンによって、入力過電圧保護方式の実装が可能で、DC入力電圧が目的の最大値を超えた場合にコンバータが確実にシャットダウンします。

これらのデバイスは、フレキシブルなエラーアンプ、および高精度リファレンス電圧(REF)を備えており、正および負出力の両方を安定化することができます。プログラム可能な電流制限によって、1次側スイッチングFETの適切なサイズと保護が可能です。MAX17498Bは、92%の最大デューティサイクルをサポートし、制御ループ性能を最適化することができる設定可能なスロープ補償を提供します。MAX17498A/MAX17498Cは、49%の最大デューティサイクルをサポートし、最適な制御ループ性能の固定内部スロープ補償を備えています。これらのデバイスは、パワーグッドインジケータとして機能するオープンドレインPGOODピンを備えており、ハイインピーダンス状態に移行し、フライバック/ブーストコンバータがレギュレーション状態にあることを示します。SSピンによって、フライバック/ブーストコンバータ用の設定可能なソフトスタート時間が実現可能です。ヒカップモード過電流保護およびサーマルシャットダウンは、過電流および温度過昇フォルト状態時の消費電力を最小限に抑えるために提供されています。これらのデバイスは、省スペースの16ピンTQFN パッケージ (3mm x 3mm、0.5mmリード間隔)で提供されます。

利点および特長♦♦ ピーク電流モードフライバック/ブーストコンバータ

♦♦ 電流モード制御によって優れた過渡応答を提供

♦♦ 固定スイッチング周波数

♦250kHz (MAX17498A/MAX17498C)♦500kHz (MAX17498B)

♦♦ フレキシブルなエラーアンプによって正と負出力の両方を安定化

♦♦ 設定可能なソフトスタートによって入力の突入電流を低減

♦♦ 設定可能な電圧または電流ソフトスタート

♦♦ パワーグッド信号(PGOOD)

♦♦ フォルト時の消費電力を低減

♦ヒカップモード過電流保護♦ヒステリシスを備えたサーマルシャットダウン

♦♦ 堅牢な保護機能

♦フライバック/ブーストの設定可能な電流制限♦入力過電圧保護

♦♦ ループ性能を最適化

♦フライバック/ブースト用の設定可能なスロープ補償によって実現可能な位相マージンを最大化

♦♦ 高効率

♦175mΩ、65V定格nチャネルMOSFETが提供する標準効率:80%以上♦電流検出抵抗が不要

♦♦ スペクトラム拡散(オプション)

♦♦ 省スペースの16ピンTQFNパッケージ(3mm x 3mm)

アプリケーション

インダストリアルアプリケーション用、フロントエンドAC-DC電源(絶縁型および非絶縁型)

テレコム電源

広い入力範囲のDC入力フライバック/ブースト産業用電源

図リスト

表リスト

Page 2: AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ … · 回路を備えています。max17498aは、汎用オフライン (85vac〜265vac)アプリケーション用に最適化された

AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

IN to SGND ............................................................-0.3V to +40VEN/UVLO to SGND ......................................... -0.3V to IN + 0.3VOVI to SGND .............................................. -0.3V to VCC + 0.3VVCC to SGND ..........................................................-0.3V to +6VSS, LIM, EA-, EA+, COMP, SLOPE,

REF to SGND ........................................-0.3V to (VCC + 0.3V)LX to SGND ...........................................................-0.3V to +70VPGOOD to SGND ....................................................-0.3V to +6V

PGND to SGND ....................................................-0.3V to +0.3VContinuous Power Dissipation (Single-Layer Board) TQFN (derate 20.8mW/°C above +70°C)..................1700mWOperating Temperature Range ........................ -40°C to +125°CStorage Temperature Range ............................ -65°C to +160°CJunction Temperature (continuous) ................................+150°CLead Temperature (soldering, 10s) ................................+300°CSoldering Temperature (reflow) ......................................+260°C

Absolute MAxiMuM RAtings

Stresses beyond those listed under “Absolute Maximum Ratings” may cause permanent damage to the device. These are stress ratings only, and functional opera-tion of the device at these or any other conditions beyond those indicated in the operational sections of the specifications is not implied. Exposure to absolute maximum rating conditions for extended periods may affect device reliability.

electRicAl chARActeRistics(VIN = +15V, VEN/UVLO = +2V, COMP = open, CIN = 1µF, CVCC = 1µF, TA = TJ = -40°C to +125°C, unless otherwise noted. Typical values are at TA = +25°C.) (Note 1)

PARAMeteR conDitions Min tYP MAx units

inPut suPPlY (Vin)

IN Voltage Range (VIN)MAX17498A 4.5 29

VMAX17498B/MAX17498C 4.5 36

IN Supply Startup Current Under UVLO

IINSTARTUP, VIN < UVLO or EN/UVLO = SGND 22 36 µA

IN Supply Current (IIN)Switching, fSW = 250kHz (MAX17498A/MAX17498C) 1.8 3

mASwitching, fSW = 500kHz (MAX17498B) 2 3.25

IN Boostrap UVLO Rising Threshold

MAX17498A 19 20.5 22V

MAX17498B/MAX17498C 3.85 4.15 4.4

IN Bootstrap UVLO Falling Threshold

3.65 3.95 4.25 V

IN Clamp Voltage EN/UVLO = SGND, IIN = 1mA (MAX17498A) (Note 2) 31 33.5 36 V

lineAR RegulAtoR (Vcc)

VCC Output Voltage Range 6V < VIN < 29V, 0mA < IVCC < 50mA 4.8 5 5.2 V

VCC Dropout Voltage VIN = 4.5V, IVCC = 20mA 160 300 mV

VCC Current Limit VCC = 0V, VIN = 6V 50 100 mA

enAble (en/uVlo)

EN/UVLO ThresholdRising 1.18 1.23 1.28

VFalling 1.11 1.17 1.21

EN/UVLO Input Leakage Current 0V < VEN/UVLO < 1.5V, TA = +25NC -100 0 +100 nA

Maxim Integrated 2

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

electRicAl chARActeRistics (continued)(VIN = +15V, VEN/UVLO = +2V, COMP = open, CIN = 1µF, CVCC = 1µF, TA = TJ = -40°C to +125°C, unless otherwise noted. Typical values are at TA = +25°C.) (Note 1)

PARAMeteR conDitions Min tYP MAx units

oVeRVoltAge PRotection (oVi)

OVI ThresholdRising 1.18 1.23 1.28

VFalling 1.11 1.17 1.21

OVI Masking Delay 2 µs

OVI Input Leakage Current 0V < VOVI < 1.5V, TA = +25NC -100 0 +100 nA

sWitching FReQuencY AnD MAxiMuM DutY cYcle (fsW and DMAx)

Switching FrequencyMAX17498A/MAX17498C 235 250 265

kHzMAX17498B 470 500 530

Maximum Duty Cycle MAX17498A/MAX17498C 47.5 48.75 50

%MAX17498B 90 92 94

Minimum Controllable On Time tONMIN 110 ns

soFt-stARt (ss)

SS Set-Point Voltage 1.2 1.22 1.24 V

SS Pullup Current VSS = 400mV 9 10 11 µA

SS Peak Current-Limit-Enable Threshold

1.11 1.17 1.21 V

eRRoR AMPliFieR (eA+, eA-, and coMP)

EA+ Input Bias Current VEA+ = 1.5V, TA = +25NC -100 +100 nA

EA- Input Bias Current VEA- = 1.5V, TA = +25NC -100 +100 nA

Error-Amplifier Open-Loop Voltage Gain

90 dB

Error-Amplifier Transconductance

VCOMP = 2V, VLIM = 1V 1.5 1.8 2.1 mS

Error-Amplifier Source Current VCOMP = 2V, EA- < EA+ 80 120 210 µA

Error-Amplifier Sink Current VCOMP = 2V, EA- > EA+ 80 120 210 µA

Current-Sense Transresistance 0.45 0.5 0.55 I

inteRnAl sWitch

DMOS Switch On-Resistance (RDSON)

ILX = 200mA 175 380 mI

DMOS Peak Current Limit LIM = 100K 1.62 1.9 2.23 A

DMOS Runaway Current Limit LIM = 100K 1.9 2.3 2.6 A

LX Leakage Current VLX = 65V, TA = +25NC 0.1 1 µA

cuRRent liMit (liM)

LIM Reference Current 9 10 11 µA

Peak Switch Current Limit with LIM Open

0.39 0.45 0.54 A

Runaway Switch Current Limit with LIM Open

0.39 0.5 0.6 A

Maxim Integrated 3

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

note 1: All devices are 100% production tested at TA = +25NC. Limits over temperature are guaranteed by design.note 2: The MAX17498A is intended for use in universal input power supplies. The internal clamp circuit at IN is used to prevent the

bootstrap capacitor from changing to a voltage beyond the absolute maximum rating of the device when EN/UVLO is low (shutdown mode). Externally limit the maximum current to IN (hence to clamp) to 2mA (max) when EN/UVLO is low.

electRicAl chARActeRistics (continued)(VIN = +15V, VEN/UVLO = +2V, COMP = open, CIN = 1µF, CVCC = 1µF, TA = TJ = -40°C to +125°C, unless otherwise noted. Typical values are at TA = +25°C.) (Note 1)

PARAMeteR conDitions Min tYP MAx units

Number of Peak Current-Limit Hits Before Hiccup Timeout

8 #

Number of Runaway Current-Limit Hits Before Hiccup Timeout

1 #

Overcurrent Hiccup Timeout 32 ms

sloPe coMPensAtion (sloPe)

SLOPE Pullup Current 9 10 11 µA

SLOPE-Compensation Resistor Range

MAX17498B 30 150 kI

Default SLOPE-Compensation Ramp

SLOPE = open 60 mV/µs

PoWeR-gooD signAl (PgooD)

PGOOD Output-Leakage Current (Off State)

VPGOOD = 5V, TA = +25NC -1 +1 µA

PGOOD Output Voltage (On State)

IPGOOD = 10mA 0 0.4 V

PGOOD Higher Threshold EA- rising 93.5 95 96.5 %

PGOOD Lower Threshold EA- falling 90.5 92 93.5 %

PGOOD Delay After EA- Reaches 95% Regulation

4 ms

theRMAl shutDoWn

Thermal-Shutdown Threshold Temperature rising +160 NC

Thermal-Shutdown Hysteresis 20 NC

Maxim Integrated 4

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

標準動作特性

(VIN = +15V, VEN/UVLO = +2V, COMP = open, CIN = 1µF, CVCC = 1µF, TA = TJ = -40°C to +125°C, unless otherwise noted.)

BOOTSTRAP UVLO WAKE-UP LEVELvs. TEMPERATURE (MAX17498A)

MAX

1749

8 to

c01

TEMPERATURE (°C)

BOOT

STRA

P UV

LO W

AKE-

UP L

EVEL

(V)

120100806040200-20

20.16

20.18

20.20

20.22

20.24

20.26

20.14-40

IN UVLO SHUTDOWN LEVELvs. TEMPERATURE

MAX

1749

8 to

c03

IN U

VLO

SHUT

DOW

N LE

VEL

(V)

120100-20 0 20 6040 80

3.980

3.985

3.990

3.995

4.000

4.005

4.010

4.015

3.975-40

TEMPERATURE (°C)

EN/UVLO FALLING LEVELvs. TEMPERATURE

MAX

1749

8 to

c05

TEMPERATURE (°C)

EN/U

VLO

FALL

ING

LEVE

L (V

)

120100806040200-20

1.145

1.150

1.155

1.160

1.165

1.170

1.140-40

MAX

1749

8 to

c02

TEMPERATURE (°C)

IN U

VLO

WAK

E-UP

LEV

EL (V

)

IN UVLO WAKE-UP LEVEL vs. TEMPERATURE(MAX17498B/MAX17498C)

3.95

4.00

4.05

4.10

4.15

3.90120100806040200-20-40

MAX

1749

8 to

c04

TEMPERATURE (°C)

EN/U

VLO

RISI

NG L

EVEL

(V)EN/UVLO RISING LEVEL

vs. TEMPERATURE

1.215

1.220

1.225

1.230

1.235

1.210120100806040200-20-40

OVI RISING LEVELvs. TEMPERATURE

MAX

1749

8 to

c06

OVI R

ISIN

G LE

VEL

(V)

120100806040200-20

1.215

1.220

1.225

1.210-40

TEMPERATURE (°C)

Maxim Integrated 5

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

標準動作特性(続き)

(VIN = +15V, VEN/UVLO = +2V, COMP = open, CIN = 1µF, CVCC = 1µF, TA = TJ = -40°C to +125°C, unless otherwise noted.)

MAX

1749

8 to

c07

TEMPERATURE (°C)

OVI F

ALLI

NG L

EVEL

(V)

OVI FALLING LEVELvs. TEMPERATURE

1.140

1.145

1.150

1.155

1.160

1.135120100806040200-20-40

IN CURRENT DURING SWITCHINGvs. TEMPERATURE

MAX

1749

8 to

c09

TEMPERATURE (°C)

IN C

URRE

NT D

URIN

G SW

ITCH

ING

(mA)

120100806040200-20

1.6

1.8

2.0

2.2

2.4

2.6

1.4-40

EN STARTUP WAVEFORMMAX17498 toc11

VCOMP1V/div

VOUT5V/div

EN/UVLO5V/div

400µs/div

MAX

1749

8 to

c08

TEMPERATURE (°C)

IN C

URRE

NT U

NDER

UVL

O (µ

A)

IN CURRENT UNDER UVLOvs. TEMPERATURE

22

24

26

28

30

20120100806040200-20-40

LX AND PRIMARY CURRENT WAVEFORMMAX17498 toc10

IPRI0.5A/div

VLX20V/div

1µs/div

EN SHUTDOWN WAVEFORMMAX17498 toc12

VCOMP1V/div

VOUT5V/div

EN/UVLO5V/div

400µs/div

Maxim Integrated 6

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

標準動作特性(続き)

(VIN = +15V, VEN/UVLO = +2V, COMP = open, CIN = 1µF, CVCC = 1µF, TA = TJ = -40°C to +125°C, unless otherwise noted.)

PEAK CURRENT LIMIT (ILIM)vs. RLIM AT ROOM TEMPERATURE

MAX

1749

8 to

c13

RLIM AT ROOM TEMPERATURE (kI)

PEAK

CUR

RENT

LIM

IT (m

A)

706040 5020 3010

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1800

00 80

TRANSIENT RESPONSE FOR 50%LOAD STEP ON FLYBACK OUTPUT (5V)

MAX17498 toc15

VOUT200mV/div

ILOAD500mA/div

2ms/div

BODE PLOT - (5V OUTPUT AT 24V INPUT)MAX17498 toc17

GAIN10dB/div

PHASE36°/div

LOG (F)

BW = 8.3kHzPM = 63°

PEAK CURRENT LIMIT AT RLIM = 100kIvs. TEMPERATURE

MAX

1749

8 to

c14

TEMPERATURE AT GIVEN RLIM (°C)

PEAK

CUR

RENT

LIM

IT A

T R L

IM (A

)

120100806040200-20

1.95

1.96

1.97

1.98

1.99

2.00

1.94-40

SHORT-CIRCUIT PROTECTIONMAX17498 toc16

VOUT500mV/div

IPRI2A/div

VLX50V/div

10ms/div

LOAD CURRENT (A)

EFFI

CIEN

CY (%

)

1.41.20.8 1.00.4 0.60.20

EFFICIENCY GRAPH AT 24V INPUT(FLYBACK REGULATOR)

MAX

1749

8 to

c18

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

VIN = 24V

Maxim Integrated 7

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

端子説明

ピン配置

端子 名称 機能

1 EN/UVLOイネーブル/低電圧ロックアウト端子。デバイスを起動するには、1.23V以上に駆動してください。入力電源のUVLOスレッショルドを外部で設定するには、入力電源EN/UVLOとSGNDの間に抵抗分圧器を接続してください。

2 VCCリニアレギュレータ出力。できる限りICの近くで少なくとも1µFの入力バイパスコンデンサをVCCとSGNDの間に接続してください。

3 OVI過電圧コンパレータ入力。入力電源(OVI)とSGNDの間に抵抗分圧器を接続して、入力過電圧スレッショルドを設定してください。

4 LIM電流制限設定端子。LIMとSGNDの間に抵抗を接続して、非絶縁型フライバックコンバータのピーク電流制限を設定してください。未接続の場合、ピーク電流制限はデフォルトで500mAになります。

5 SLOPEスロープ補償入力端子。SLOPEとSGNDの間に抵抗を接続して、スロープ補償ランプを設定してください。最小のスロープ補償とするには、VCCに接続してください。「スロープ補償の設定(SLOPE)」の項を参照してください。

6 EA-フレキシブルなエラーアンプの反転入力。正の端子の出力とSGNDの間に接続した抵抗分圧器のミッドポイントに接続してください。

7 COMP フレキシブルなエラーアンプの出力。COMPとSGNDの間に周波数補正回路を接続してください。

8 SS ソフトスタート端子。SSとSGNDの間にコンデンサを接続して、ソフトスタートの期間を設定してください。

9 EA+フレキシブルなエラーアンプの非反転入力。1.22Vをリファレンスとして使用するには、SSに接続してください。

10, 12 N.C. 接続なし

11 REF 内蔵1.22Vリファレンスの出力端子。REFとSGNDの間に100pFのコンデンサを接続してください。

15

16

14

13

6

5

7

V CC

LIM

8

EN/U

VLO

REF

EA+

N.C.

1 2

PGND

4

12 11 9

LX

EP (SGND)IN

SS

COMP

EA-

SLOPE+

OVI

N.C.

3

10

PGOOD

TQFN-EP

TOP VIEW

MAX17498AMAX17498BMAX17498C

Maxim Integrated 8

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

端子説明(続き)

詳細

MAX17498Aは、15V (min)の広いヒステリシスを備えた20VのブートストラップUVLOウェイクアップレベルを提供し、絶縁型および非絶縁型の汎用(85V AC〜265V AC)オフラインシングルスイッチフライバックコンバータまたはテレコム(36V〜72V)電源の実装用に最適化されています。MAX17498B/MAX17498Cは4.4VのUVLOウェイクアップレベルを提供し、低電圧DC-DCフライバック/ブースト電源に最適です。内蔵のリファレンス(1.22V)を使用して、非絶縁型フライバックおよびブーストアプリケーションで最小1.23Vまで出力を安定化することができます。必要な場合は、フライバックコンバータトランスに追加の2次巻線を使用することによって、さらに多くのセミレギュレートされた出力を生成することも可能です。フレキシブルなエラーアンプおよびREFによって、正または負の出力のいずれを安定化するかエンドユーザーが選択可能です。

これらのデバイスはピーク電流モード制御および外部補償を利用して、各種のインダクタおよびコンデンサ用にループ性能を最適化します。これらのデバイスはサイクル単位のピーク電流制限を内蔵しているため、8回の連続した電流制限イベントの発生によってヒカップモードがトリガされ、一定の時間(32ms)スイッチングを停止することによって外部の部品を保護します。また、これらのデバイスは非絶縁型設計用の電圧ソフトスタートおよび絶縁型設計で出力電圧の単調な上昇を可能にする電流ソフトスタートを内蔵しています。電圧ソフトスタートと電流ソフトスタートは、SLOPE端子を使って選択することができます。詳細については、ブロック図を参照してください。

入力電圧範囲MAX17498AはMAX17498B/MAX17498Cとは異なる立上り/立下りUVLOスレッショルドをIN端子に備えています。MAX17498Aのスレッショルドは、オフラインAC-DC

電源に通常は使用される電源スタートアップ方式の実装用に最適化されています。そのため、MAX17498Aは、通常はフロントエンド産業用電源アプリケーションに見られるAC-DC電源アプリケーションでの整流されたDCバスからの動作に最適です。それらの用途において、外付け部品の定格が適切であり、MAX17498Aの最大動作電圧が遵守される限り、MAX17498Aの最大入力電圧には制限がありません。MAX17498Aは、汎用入力整流(85V〜265V AC)バスアプリケーション、整流された3相DCバスアプリケーション、およびテレコム(36V〜72V DC)アプリケーションで十分に使用することができます。

MAX17498B/MAX17498Cは、内蔵の65V定格nチャネルMOSFETを使用したフライバック(絶縁型および非絶縁型)およびブーストコンバータの実装を目的としています。MAX17498B/MAX17498CのIN端子の最大動作電圧は36Vです。MAX17498B/MAX17498Cは、通常は入力電圧が最小4.5V DCまでの低電圧DC-DCアプリケーションで使用される電源スタートアップ方式を想定したIN端子の立上り/立下りスレッショルドを実装しています。そのため、MAX17498B/MAX17498Cを使用して4.5V〜36Vの電源電圧範囲を備えたフライバックコンバータを実装することができます。

内蔵リニアレギュレータ(VCC)内蔵の機能およびドライバ回路は、5V ±5%の電源電圧で動作するように設計されています。これらのデバイスは、IN端子から給電され5Vの電源レールを生成する内蔵リニアレギュレータを備えています。リニアレギュレータの出力はVCC端子に接続されており、安定した動作を実現するために2.2µFのコンデンサでグランドに対してデカップリングしてください。VCCコンバータ出力は、デバイスの動作電流を供給します。IN端子の最大動作は、MAX17498A の場合が29Vで、MAX17498B/MAX17498Cの場合が36Vです。

端子 名称 機能

13 PGOODオープンドレイン出力。EA-がセットポイントの5%以内の場合、PGOODはハイになります。EA-がセットポイント値の92%を下回った場合、PGOODはローになります。

14 PGND コンバータ用の電源グランド

15 LX コンバータ用の外部トランス/インダクタ接続

16 IN内蔵リニアレギュレータ入力。INを入力電圧ソースに接続してください。1µF (min)のセラミックコンデンサでINをPGNDにバイパスしてください。

—EP

(SGND)エクスポーズドパッド。内部でSGNDに接続されています。適切な放熱を提供するために、EPをSGNDと同電位の大面積の銅プレーンに接続してください。EP (SGND)をPGNDに一点で接続してください。

Maxim Integrated 9

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

パワー段の設定(LX)これらのデバイスは、内蔵nチャネルMOSFETを使用してフライバック/ブーストコンバータの電流モード制御および過電流保護のための内部電流検出を実現します。これを容易にするために、MAX17498Aの高入力電圧アプリケーションでは内蔵nMOSFETのトレーンが外部MOSFETのソースに接続されます。外部MOSFETのゲートはIN端子に接続されます。IN端子の電圧が外部MOSFETの最大動作ゲート電圧定格を超えないことを設計によって保証してください。外部MOSFETのゲート-ソース間電圧は内蔵nMOSFETのスイッチング動作によって制御され、外部MOSFETのソース電流の検出も行われます。MAX17498B/ MAX17498Cベースのアプリケーションでは、LX端子はフライバックトランスの1次巻線またはブーストコンバータのインダクタに直接接続されます。

最大デューティサイクルMAX17498A/MAX17498Cは、最大デューティサイクル49%で動作します。MAX17498Bは、DC-DCアプリケーションで入力-出力間の大きな電圧比を伴うフライバックおよびブーストコンバータの両方を実装するために、92%の最大デューティサイクルを提供します。

パワーグッド信号(PGOOD)これらのデバイスは、システムに対するパワーグッド信号の機能を果たすPGOOD信号を備えています。PGOODはオープンドレイン信号のため、好ましい電源電圧へのプルアップ抵抗が必要です。PGOOD信号はEA-を監視して、EA-がレギュレーション値(1.22V)の95% (typ)のときハイになります。絶縁型電源の場合、PGOODはパワーグッド信号として機能することはできません。

図1. MAX17498A/MAX17498B/MAX17498Cのブロック図

PEAK

RUNAWAY

PWM

CHIPEN

CONTROLLOGIC AND

DRIVER

CLK

VSUM

COMP

LIMINT

VCS

COMP

EA+

EA-

OSC

BGPOK

LDO33V CLAMP

(MAX17498A ONLY)

CHIPEN

1.23V

1.23V

1.23V

250mV

SLOPE

LIM

OVI

EN/UVLO

IN REF

VCC 5V, 50mA

10µA

DECODER

VOLTAGE SS CURRENT SS

FIXED SLOPE

VARIABLE SLOPE

10µA

PGOOD

BLOCK

PGOOD

EA-

8 PEAK OR 1RUNAWAY

PGND

LX

VCSVSLOPE

VSUM

SSDONE

SSDONEF

1.17V

10µA

CHIPEN

HICCUPSS

MAX17498AMAX17498BMAX17498C

Maxim Integrated 10

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

ソフトスタートこれらのデバイスは、フライバック/ブーストコンバータ用のソフトスタート動作を実装しています。フライバック/ブーストコンバータのソフトスタート時間はSS端子に接続するコンデンサで設定します。ソフトスタート機能は、入力突入電流を低減します。これらのデバイスでは、通常は非絶縁型アプリケーションで主に使用される電圧ソフトスタートと、絶縁型アプリケーションで出力電圧の単調な上昇に役立つ電流ソフトスタートを、エンドユーザーが選択することができます。「フライバック/ブーストコンバータのソフトスタートの設定(SS)」の項を参照してください。

スペクトラム拡散の出荷時オプションEMIに敏感なアプリケーション向けに、これらのデバイスのスペクトラム拡散に対応したバージョンを注文することができます。周波数ディザリング機能は、4kHzの速度でスイッチング周波数を±10%変調させます。このスペクトラム拡散変調方式によって、スイッチング周波数の高調波のエネルギーがより広い帯域に拡散されるとともにそれらのピークが低減され、厳しいEMI目標への適合に役立ちます。

アプリケーション情報

スタートアップ電圧および 入力過電圧保護の設定(EN/UVLO、OVI)これらのデバイスのEN/UVLO端子は、イネーブル/ディセーブル入力および高精度の設定可能な入力UVLO端子として機能します。EN/UVLO端子の電圧が1.23V (typ)を超えない限り、デバイスはスタートアップ動作を開始しません。EN/UVLO端子の電圧が1.17V (typ)を下回った場合、デバイスはオフになります。入力DCバスとグランドの間に抵抗分圧器を接続して分圧を行い、入力DC電圧(VDC)の一部をEN/UVLO端子に印加することができます。抵抗分圧器の値を選択することによって、目的の入力DCバス電圧でEN/UVLO端子の電圧が1.23V (typ)のターンオンスレッショルドを超えるようにすることができます。図2に示すように、これと同じ抵抗分圧器に抵抗(ROVI)を追加することによって、EN/UVLO機能に加えて入力過電圧保護を実装することが可能です。OVI端子の電圧が1.23V (typ)を超えた場合、デバイスはスイッチングを停止して、OVI端子の電圧が1.17V (typ)を下回った場合にのみスイッチング動作を再開します。所定のスタートアップDC入力電圧

(VSTART)、および入力過電圧保護電圧(VOVI)の値に対して、ROVIの抵抗を24.9kΩとした場合、分圧器の抵抗値は次のように計算することができます。

OVIEN OVI

START

VR R 1 k

V

= × − Ω

ここで、ROVIの単位はkΩで、VSTARTおよびVOVIの単位はVです。

STARTSUM OVI EN

VR R R 1 k

1.23 = + × − Ω

ここで、RENおよびROVIの単位はkΩです。汎用AC入力アプリケーションの場合、RSUMは直列に接続した等しい抵抗(RDC1、RDC2、RDC3)の形で実装して、個々の抵抗にかかる電圧をその最大動作電圧の範囲内に制限することが必要になる可能性があります。

SUMDC1 DC2 DC3

RR R R k

3= = = Ω

MAX17498B/MAX17498Cベースの低電圧DC-DCアプリケーションの場合、RSUMにかかる電圧は約40Vであるため、RSUMには1つの抵抗を使用することができます。

図2. EN/UVLOおよびOVIの設定

OVI

ROVI

REN

RSUM

VDC

RDC3

RDC2

RDC1

EN/UVLOMAX17498AMAX17498BMAX17498C

Maxim Integrated 11

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

スタートアップ動作MAX17498Aはオフラインシングルスイッチフライバックコンバータの実装用に最適化されており、15V (min)のヒステリシスを備えた20VのIN UVLOウェイクアップレベルを備えています。オフラインアプリケーションでは、単純でコスト効率に優れたRCスタートアップ回路が使用されます。入力DC電圧が印加された場合、スタートアップ抵抗(RSTART)によってスタートアップコンデンサ(CSTART)が充電され、IN端子の電圧がウェイクアップIN UVLOスレッショルド (20V typ)に向かって上昇します。この間、MAX17498AはRSTARTを通して20µA (typ)のわずかなスタートアップ電流を消費します。INの電圧がウェイクアップIN UVLOスレッショルドに達した時点で、MAX17498A はスイッチング動作を開始して、ドレインがLX端子に接続されている内蔵nチャネルMOSFETを駆動します。この状態では、MAX17498Aは外部nMOSFETのゲートのスイッチングに必要な電流に加えて、CSTARTから1.8mAの電流を消費します。この電流はRSTARTを流れる電流によってサポートすることができないため、CSTARTの電圧の降下が始まります。図10に示すように適切に構成された場合、外部nMOSFETはLX端子によってスイッチングされ、フライバックコンバータが生成する出力電圧(VOUT)はダイオード(D2)を介してIN端子にブートストラップされます。CSTARTの電圧が5Vを下回る前にVOUTが5VとD2での降下の合計を超えた場合、INの電圧はVOUTによって維持され、MAX17498AはVOUTからのエネルギーで動作を継続することができます。MAX17498Aはヒステリシスが大きいため(15V typ)、小型のスタートアップコンデンサ(CSTART)に対応します。スタートアップ電流が小さいため(20µA typ)、大きなスタート抵抗(RSTART)の使用が可能で、より高いDCバス電圧での消費電力が低減されます。図3は、MAX17498A用の標準的なRCスタートアップ方式を示し

ます。RSTARTは、直列に接続した複数の等しい抵抗(RIN1、RIN2、およびRIN3)の形で実装して、オフラインアプリケーションで印加される高いDC電圧を分担させ、個々の抵抗にかかる電圧をその最大連続動作電圧定格の範囲内に制限することが必要になる可能性があります。RSTARTおよびCSTARTは、次のように計算することができます。

GATE sw SSSTART IN 6

Q f tC I µF

1010

×= + ×

ここで、IINはIN端子での消費電流(単位:mA)、QGATEは使用する外部nMOSFETのゲート電荷(単位:nC)、fSWはコンバータのスイッチング周波数(単位:Hz)、tSSはフライバックコンバータに対して設定されたソフトスタート時間(単位:ms)です。「フライバック/ブーストコンバータのソフトスタートの設定(SS)」の項を参照してください。

)START

START1 C( STARTV 10 50

R k− ×

= Ω+

ここで、CSTARTはスタートアップコンデンサ(単位:µF)です。

オフラインアプリケーションの高いDC入力電圧におけるスタートアップ抵抗での消費電力を許容することができない設計の場合は、図4に示すように、スタートアップ抵抗の代わりに電流ソースを使用してスタートアップ回路を構成することが可能です。

図3. MAX17498AのRCベースのスタートアップ回路 図4. MAX17498Aの電流ソースベースのスタートアップ回路

RSTART

RIN3VOUT

VDC

VDC VOUT

IN LX

VCC

CVCCCSTART

D2

D1

RIN2

RIN1COUT

MAX17498A

LDO

RSTART

RIN3

RISRC

IN

VOUT

VDC

VDC VOUT

D1

IND2 LX

VCC

CVCC

CSTART

RIN2

RIN1

COUT

MAX17498A

LDO

Maxim Integrated 12

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

スタートアップコンデンサ(CSTART)は、次のように計算することができます。

GATE SW SSSTART IN 6

Q f tC I µF

1010

×= + ×

ここで、IINはIN端子での消費電流(単位:mA)、QGATEは使用する外部MOSFETのゲート電荷(単位:nC)、fSWはコンバータのスイッチング周波数(単位:Hz)、tSSはフライバックコンバータに対して設定されたソフトスタート時間(単位:ms)です。

抵抗RSUMおよびRISRCは、次のように計算することができます。

STARTSUM

BEQ1ISRC

VR M

10V

R M70

= Ω

= Ω

MAX17498B/MAX17498CのIN UVLOウェイクアップスレッショルドは200mVのヒステリシスで3.9V (typ)に設定され、最小4.5Vまでの低電圧DC-DCアプリケーション向けに最適化されています。入力DC電圧が十分に低く(たとえば4.5V〜5.5V DC)、MAX17498B/MAX17498Cの動作電流の供給による電力損失が許容可能なアプリケーションの場合、図5に示すようにIN端子はDC入力に直接接続されます。より高いDC入力電圧(たとえば16V〜32V DC)の場合、図6に示すようなスタートアップ回路を使用してスタートアップ回路での電力損失を最小限に抑えることができます。このスタートアップ方式では、バイアス巻線NBが立ち上がるまでトランジスタ(Q1)がスイッチング電流を供給します。抵抗(RZ)は、次のように計算することができます。

Z INMINR 9 (V 6.3)k= × − Ω

ここで、VINMINは最小入力DC電圧です。

フライバック/ブーストコンバータの ソフトスタートの設定(SS)これらのデバイスの電圧ソフトスタート方式でのソフトスタート時間は、SS端子とGNDの間に接続するコンデンサの値を選択することによって設定可能です。コンデンサCSSは、次のように計算することができます。

SS SSC 8.13 t nF= ×

ここで、tSSの単位はmsです。

電流ソフトスタート方式でのソフトスタート時間は、出力の負荷およびソフトスタートコンデンサに依存します。

出力電圧の設定これらのデバイスは、正と負の両方の出力への安定化を可能にするフレキシブルなエラーアンプを内蔵しています。コンバータの正の出力電圧は、フライバック/ブースト出力のVOUTとグランドの間に接続しミッドポイントをEA-端子に接続した抵抗分圧器(図7)の値を適切に選択することによって設定することができます。RBを20kΩ〜50kΩの範囲で選択した場合、RUは次のように計算することができます。

OUTU B

VR R 1 k

1.22 = × − Ω

ここで、RBの単位はkΩです。

図5. MAX17498B/MAX17498CのINがDC入力に直接接続された標準スタートアップ回路

図6. MAX17498B/MAX17498Cのバイアス巻線でQ1をオフにして消費電力を低減する標準スタートアップ回路

VDC VOUT

IN

LX Np Ns

VCCIN

D1

CINCOUT

CVCCMAX17498BMAX17498C

LDO

VDC

VOUT

LX Np NsIN

COUT

MAX17498BMAX17498C

IN

NB

VCC

CVCC

CIN

D2

D1RZ

ZD16.3V

LDO

Q1

Maxim Integrated 13

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

コンバータの負の出力電圧は、フライバック/ブースト出力のVOUTとREFの間に接続しミッドポイントをEA+端子に接続した抵抗分圧器(図8)の値を適切に選択することによって設定することができます。R1を20kΩ〜50kΩの範囲で選択した場合、R2は次のように計算することができます。

OUTVR2 R1 k

1.22 = × Ω

ここで、R1の単位はkΩです。

電流制限の設定(LIM)これらのデバイスは、過負荷および短絡状態においてデバイスを保護する堅牢な過電流保護方式を内蔵しています。フライバック/ブーストコンバータ用に、これらのデバイスはサイクル単位のピーク電流制限を内蔵しており、LX端子に流れ込む電流がLIM端子とGNDの間に接続した抵抗によって設定される内部制限を上回るたびにドライバがオフにされます。これらのデバイスは、フライバック/ブーストコンバータのオンの期間に増大するインダクタ電流の回復に利用可能な出力電圧が不足している場合に高入力電圧および短絡状態においてデバイスを保護するランナウェイ電流制限を内蔵しています。8回の連続するピーク電流制限イベントの発生または1回のランナウェイ電流制限の発生によってヒカップモードがトリガされ、直ちに一定の期間(tRSTART)スイッチングを停止することによってコンバータを保護します。これによって、ソフトスタートが再試行される前に、コンバータの抵抗での電力損失、負荷、およびフライバック/ブーストコンバータの出力ダイオードによる過負荷電流の減衰が可能になります。目的の電流制限(IPK)に対するLIM端子の抵抗は、次のように計算することができます。

LIM PKR 50 I k= × Ω

ここで、IPKの単位はAです。

特定のピーク電流制限の設定に対して、ランナウェイ電流制限は通常はそれより20%高くなります。ピーク電流制限によってトリガされるヒカップ動作はソフトスタートの終了までディセーブルされるのに対して、ランナウェイ電流制限によってトリガされるヒカップ動作は常にイネーブルされています。

スロープ補償の設定(SLOPE)MAX17498A/MAX17498Cは最大デューティサイクル49%で動作するため、50%以上のデューティサイクルで動作する連続モードのピーク電流モード制御のコンバータで自然に発生する低調波不安定性を防ぐためのスロープ補償が理論上は不要です。実際には、安定した、ジッタの

ない動作を提供するために、MAX17498A/MAX17498C は最小限のスロープ補償を必要とします。MAX17498A/MAX17498Cでは、単にSLOPE端子をVCCに接続することによって、スロープ補償をこのデフォルト値に設定することができます。不連続モードの設計の場合も、ノイズ耐性およびジッタのない動作を提供するために、この最小限のスロープ補償を使用することが推奨されます。

MAX17498Bのフライバック/ブーストコンバータは、不連続モードで動作するかまたは所定のDC入力電圧において特定の重負荷条件で連続伝導モードに移行するように設計することが可能です。連続伝導モードでは、フライバック/ブーストコンバータは50%以上のデューティサイクルで動作するピーク電流モード制御のコンバータで規定のすべての負荷およびライン条件にわたって自然に発生する低調波不安定性を防ぐためのスロープ補償を必要とします。50%以下のデューティで動作するコンバータの場合も、安定した、ジッタのない動作を提供するために、検出された電流信号に最小限のスロープ信号が付加されます。SLOPE端子とグランドの間に接続する抵抗(RSLOPE)の値を設定することによって、ユーザーはSLOPE端子を使用して必要なスロープ補償を設定することができます。

SLOPE ER 0.5 S k= × Ω

ここで、スロープ(SE)の単位はmV/µsです。

図7. 正の出力電圧の設定

図8. 負の出力電圧の設定

RB

RU

EA-

VOUT

MAX17498AMAX17498BMAX17498C

R1

REA- EA+

EA-

REF

R2

VOUT

MAX17498AMAX17498BMAX17498C

Maxim Integrated 14

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

フライバック/ブーストコンバータのエラーアンプ、 ループ補償、およびパワー段の設計フライバック/ブーストコンバータは、安定した動作を実現するためにエラーアンプの出力に適切なループ補償を適用する必要があります。補償回路の設計の目標は、目的のクローズドループ帯域幅と、コンバータのオープンループ利得伝達関数のクロスオーバー周波数での十分な位相マージンを実現することです。デバイスに内蔵されたエラーアンプは、トランスコンダクタンスアンプです。必要なループ補償の適用に使用される補償回路を図9に示します。

フライバック/ブーストコンバータを使用して、以下のコンバータおよび動作モードを実装することが可能です。

• 不連続伝導モードの非絶縁型フライバックコンバータ(DCMフライバック)

• 連続伝導モードの非絶縁型フライバックコンバータ(CCMフライバック)

• 不連続伝導モードのブーストコンバータ(DCMブースト)• 連続伝導モードのブーストコンバータ(CCMブースト)

これらのコンバータタイプについてのループ補償の値(RZ、CZ、およびCP)の計算およびパワー段の部品の設計手順について、以下の各節で詳細に説明します。

DCMフライバック1次側インダクタンスの選択DCMフライバックコンバータでは、フライバックトランスの1次側インダクタンスに蓄積されたエネルギーが、理想的には完全に出力に供給されます。すべての動作条件でコンバータが不連続モードを維持する最大1次側インダクタンス値は、次のように計算することができます。

( )2INMIN MAXPRIMAX

OUT D OUT SW

V D 0.4L

(V V ) I f

× ×≤

+ × ×

ここで、DMAXはMAX17498A/MAX17498Cの場合が0.35でMAX17498Bの場合が0.7、VDは2次側巻線の出力整流ダイオードの電圧降下、fSWはパワーコンバータのスイッチング周波数です。LPRIMAX以下になるように1次側のインダクタンス値を選択してください。

デューティサイクルの計算選択した1次側インダクタンス(LPRI)に対するデューティサイクル(DNEW)の正確な値は、次式を使用して計算することができます。

PRI OUT D OUT SWNEW

INMIN

2.5 L (V V ) I fD

V

× × + × ×=

巻数比の計算(Ns/Np)トランスの巻数比(K = Ns/Np)は、次のように計算することができます。

OUT D MAX

INMIN MAX

(V V ) (1 D )K

V D+ × −

ピーク/RMS電流の計算トランスのメーカーは、さまざまな巻線の線径を設計するために1次側と2次側のRMS電流の値を必要とします。ピーク電流の計算は、電流制限の設定に役立ちます。以下の式を使用して1次側と2次側のピークおよびRMS電流を計算してください。

最大1次側ピーク電流:

INMIN NEWPRIPEAK

PRI SW

V DI

L f×

最大1次側RMS電流:

NEWPRIRMS PRIPEAK

DI I

3= ×

最大2次側ピーク電流:

PRIPEAKSECPEAK

II

K=

最大2次側RMS電流:

( )SECPEAK PRI SW

SECRMS PRIPEAKOUTF D

I L fI I

3 V V× ×

= ×+

電流制限を設定するために、ピーク電流は次のように計算することができます。

LIM PRIPEAKI I 1.2= ×

1次側RCDスナバの選択理想的には、外部nチャネルMOSFETには入力電圧とnMOSFETのオフの期間における1次側巻線の反射電圧の合計に等しいドレイン-ソース電圧ストレスがかかります。

図9. エラーアンプ補償回路

RZ

COMP

CZ

CP

MAX17498AMAX17498BMAX17498C

Maxim Integrated 15

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

実際には、フライバックトランスのリークインダクタンスなどの、回路の寄生インダクタンスおよびコンデンサによって、電圧オーバーシュートとリンギングが発生します。スナバ回路は、電圧オーバーシュートを外部nMOSFETの電圧定格内の安全なレベルに制限するために使用されます。スナバコンデンサは、次式を使用して計算することができます。

2 2LK PRIPEAK

SNUB 2OUT

2 L I KC

V

× × ×=

ここで、LLKはトランスの仕様から得られるリークインダクタンスです(通常は1次側インダクタンスの1%〜2%)。

スナバ抵抗で消費される電力は、次式を使用して計算されます。

2SNUB LK PRIPEAK SWP 0.833 L I f= × × ×

スナバ抵抗は、次式に基づいて計算することができます。

2OUT

SNUB 2SNUB

6.25 VR

P K

×=

×

スナバダイオードの電圧定格は、次のとおりです。

OUTDSNUB INMAX

VV V 2.5

K = + ×

出力コンデンサの選択産業アプリケーションでは、温度変化に対する安定性からX7Rセラミック出力コンデンサが広く使用されます。出力コンデンサは、出力電圧偏差が出力電圧変化の3%に抑えられるように、通常はアプリケーションの最大出力電流の50%のステップ負荷をサポートする大きさに設定されます。出力容量は次のように計算することができます。

STEP RESPONSEOUT

OUT

RESPONSEC SW

I tC

V

0.33 1t ( )

f f

×=

≅ +

ここで、ISTEPは負荷ステップ、tRESPONSEはコントローラの応答時間、DVOUTは許容可能な出力電圧偏差、fCは目標のクローズドループクロスオーバー周波数です。fCはスイッチング周波数(fSW)の1/10になるように選択されます。フライバックコンバータの場合、メインスイッチがオンのときは出力コンデンサが負荷電流を供給するため、出力電圧リップルは負荷電流とデューティサイクルの関数にな

ります。次式を使用して、出力コンデンサのリップルを計算してください。

2NEW PRIPEAK OUT

COUTPRIPEAK SW OUT

D I K IV

2 I f C

× − × ∆ =× × ×

ここで、IOUTは負荷電流、DNEWは最小入力電圧でのデューティサイクルです。

入力コンデンサの選択MAX17498Aは、オフラインAC-DCコンバータの実装用に最適化されています。それらのアプリケーションでは、整流されたライン電圧に起因するリップルまたは必要なホールドアップ時間のいずれかに基づいて入力コンデンサを選択する必要があります。ホールドアップ時間は、AC電源が失われた瞬間から電源が出力電圧をレギュレート可能な期間として定義することができます。MAX17498B/MAX17498Cは、スイッチング周波数リップルを使用して入力コンデンサを計算する必要がある低電圧DC-DCアプリケーションの実装に便利です。どちらの場合も、高信頼性の動作を実現するために、コンデンサはRMS電流の要件に適合する大きさにする必要があります。

スイッチングリップル に 基 づくコン デン サ の 選 択(MAX17498B/MAX17498C):DC-DCアプリケーションの場合、動作温度範囲にわたる安定性からX7Rセラミックコンデンサが推奨されます。セラミックコンデンサのESRとESLは比較的小さいため、リップル電圧の大部分は容量性の成分によって占められます。フライバックコンバータの場合、メインスイッチがオンのときは入力コンデンサが電流を供給します。次式を使用して、規定のピークトゥピーク入力スイッチングリップル(VIN_RIP)に対する入力コンデンサを計算してください。

( ) 2NEW PRIPEAK NEW

INSW IN_RIP

D I 1 0.5 DC

2 f V

× − × =× ×

整流されたライン電圧のリップルに基づくコンデンサの選択(MAX17498A):フライバックコンバータの場合、ダイオード整流器がオフのときは入力コンデンサが入力電流を供給します。入力平均電流による電圧放電(VIN_RIP)が規定の制限内になるようにしてください。

PRIPEAK NEWIN

RIPPLE IN_RIP

0.5 I DC

f V× ×

ここで、fRIPPLE (半波整流の場合は電源周波数に等しい入力ACリップル周波数)は、全波整流の場合はAC電源周波数の2倍になります。

Maxim Integrated 16

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

ホールドアップ時間の要件に基づくコンデンサの選択(MAX17498A):ホールドアップ時間(tHOLDUP)に供給する必要のある所定の出力(PHOLDUP)、AC電源が失われる時点のDCバス電圧(VINFAIL)、およびコンバータが出力電圧をレギュレート可能な最小DCバス電圧(VINMIN)に対して、入力コンデンサ(CIN)は次のように概算されます。

HOLDUP HOLDUPIN 2 2

INFAIL INMIN

3 P tC

(V V )

× ×=

入力コンデンサのRMS電流は、次のように計算することができます。

( )2INMIN MAXINCRMS

SW PRI

0.6 V DI

f L

× ×=

×

外部MOSFETの選択MOSFETの選択基準には、最大ドレイン電圧、1次側のピーク/RMS電流、および接合部温度制限を超えることのないパッケージの最大許容消費電力が含まれます。MOSFETのドレインから見た電圧は、入力電圧、トランスの1次側に反射される2次側電圧、およびリークインダクタンススパイクの合計です。MOSFETの絶対最大VDS

定格は、ワーストケースのドレイン電圧を上回っている必要があります。

OUT DDSMAX INMAX

V VV V 2.5

K + = + ×

外部MOSFETのドレイン電流定格は、ワーストケースのピーク電流制限の設定を上回るように選択されます。

2次側ダイオードの選択2次側ダイオードの選択基準には、最大逆電圧、2次側の平均電流、逆回復時間、接合部容量、およびパッケージの最大許容消費電力が含まれます。ダイオードの電圧ストレスは、出力電圧と反射される1次側電圧の合計です。

最大動作逆電圧定格は、ワーストケースの逆電圧を上回っている必要があります。

SECDIODE INMAX OUTV 1.25 (K V V )= × × +

2次側ダイオードの電流定格は、ダイオードでの電力損失(順電圧降下と平均ダイオード電流の積)が十分に低く、接合部温度が制限内になることが保証されるように選択してください。これには、ダイオード電流定格が2 x IOUT

〜3 x IOUTの範囲である必要があります。回復時間が50ns以下のファーストリカバリーダイオード、または低接合容量のショットキーダイオードを選択してください。

エラーアンプの補償設計ループ補償の値は、次のように計算されます。

2SW

OUT OUTP

ZPRI SW

0.1 f1 V I

fR 450

2 L f

× + × × = ×× ×

ここで、

OUTP

OUT OUT

ZZ P

PZ SW

If

V C

1C

R f

1C

R f

=π× ×

=π× ×

=π× ×

fSWは デバイス のスイッチング周 波 数で、「Electrical Characteristics (電気的特性)」の項から取得することができます。

CCMフライバックトランスの巻数比の計算(K = Ns/Np)トランスの巻数比は、次式を使用して計算することができます。

( )OUT D MAX

INMIN MAX

V V (1 D )K

V D

+ × −=

×

ここで、DMAXは最小入力で想定されるデューティサイクル(MAX17498A/MAX17498Cの場合は0.35、MAX17498B の場合は0.7)です。

1次側インダクタンスの計算1次側インダクタスは、リップルに基づいて計算してください。

( )OUT D NOMPRI

OUT SW

V V (1 D ) KL

2 I f

+ × − ×=

× × β ×

ここで、DNOMは公称動作DC入力電圧(VINNOM)での公称デューティサイクルで、次式によって与えられます。

INNOM OUT D + + ×

( )( )

OUT DNOM

V V KD

V V V K

+ ×=

フライバックコンバータがCCMで動作する下限の出力電流は、前記の1次側インダクタンスの式のAの部分の選択によって決定されます。たとえば、コンバータを最大出力負荷電流の15%までCCMで動作させるには、Aに0.15を

Maxim Integrated 17

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MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

選択してください。1次側電流波形のリップルはデューティサイクルの関数で、DC入力電圧が最大のとき最大となるため、コンバータがCCMで動作する下限の最大(ワーストケース)負荷電流は、最大動作DC入力電圧で発生します。VDは選択した出力ダイオードの最大出力電流での順電圧降下です。

ピーク/RMS電流の計算1次側と2次側のRMS電流の値は、トランスのメーカーがさまざまな巻線の線径を設計するために必要です。ピーク電流の計算は、電流制限の設定に役立ちます。以下の式を使用して1次側と2次側のピークおよびRMS電流を計算してください。

最大1次側ピーク電流:

OUT INMIN MAXPRIPEAK

MAX PRI SW

I K V DI

1 D 2 L f

× ×= +

− × ×

最大1次側RMS電流:

( )2

2 PRIPRIRMS PRIPEAK PRIPEAK PRI

MAX

II I I I

3

D

∆= + − × ∆

×

ここで、DIPRIは1次側電流波形のリップル電流で、次式によって与えられます。

INMIN MAXPRI

PRI SW

V DI

L f

×∆ =

×

最大2次側ピーク電流:

PRIPEAKSECPEAK

II

K=

最大2次側RMS電流:

( )2

2 SECSECRMS SECPEAK SECPEAK SEC

MAX

II I I I

3

1 D

∆= + − × ∆

× −

ここで、DISECは2次側電流波形のリップル電流で、次式によって与えられます。

INMIN MAXSEC

PRI SW

V DI

L f K

×∆ =

× ×

ピーク電流を設定する電流制限は、次のように計算することができます。

LIM PRIPEAKI I 1.2= ×

1次側RCDスナバの選択1次側RCDスナバの選択のための設計手順は、「DCMフライバック」の項で概説したものと同一です。

出力コンデンサの選択産業アプリケーションでは、温度変化に対する安定性からX7Rセラミック出力コンデンサが広く使用されます。出力コンデンサは、出力電圧偏差が出力電圧変化の3%に抑えられるように、通常はアプリケーションの最大出力電流の50%のステップ負荷をサポートする大きさに設定されます。出力容量は次のように計算することができます。

STEP RESPONSEOUT

OUT

RESPONSEC SW

I tC

V

0.33 1t ( )

f f

×=

≅ +

ここで、ISTEPは負荷ステップ、tRESPONSEはコントローラの応答時間、DVOUTは許容可能な出力電圧偏差、fCは目標のクローズドループクロスオーバー周波数です。fCはワーストケース(最小) RHPゼロ周波数(fRHP)の1/5以下になるように選択されます。右半平面ゼロ周波数は、次のように計算されます。

2MAX OUT

ZRHP 2MAX PRI OUT

(1 D ) Vf

2 D L I K

− ×=

× π× × × ×

CCMフライバックコンバータの場合、メインスイッチがオンのときは出力コンデンサが負荷電流を供給するため、出力電圧リップルは負荷電流とデューティサイクルの関数になります。次式を使用して、出力電圧リップルを概算してください。

OUT MAXCOUT

SW OUT

I DV

f C×

∆ =×

入力コンデンサの選択入力コンデンサの選択のための設計手順は、「DCMフライバック」の項で概説したものと同一です。

外部MOSFETの選択外部MOSFETの選択のための設計手順は、「DCMフライバック」の項で概説したものと同一です。

2次側ダイオードの選択2次側ダイオードの選択のための設計手順は、「DCMフライバック」の項で概説したものと同一です。

Maxim Integrated 18

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

エラーアンプの補償設計CCMフライバックコンバータでは、1次側インダクタンスおよび等価負荷抵抗によって、次の周波数に右半平面ゼロが発生します。

2MAX OUT

ZRHP 2MAX PRI OUT

(1 D ) Vf

2 D L I K

− ×=

× π× × × ×

ループ補償の値は、次のように計算されます。

2OUT RHP

ZMAX P

200 I fR 1

(1 D ) 5 f ×

= × + − ×

ここで、fPは出力コンデンサおよび負荷に起因するポールで、次式によって与えられます。

MAX OUTP

OUT OUT

(1 D ) If

2 C V+ ×

=× π× ×

前記の選択の場合、ループ利得クロスオーバー周波数(fC、ループ利得が1になる周波数)は、右半平面ゼロ周波数の1/5に等しくなります。

ZRHPC

ff

5≤

制御ループのゼロを負荷ポール周波数に配置する場合、次のようになります。

ZZ P

1C

2 R f=

π× ×

高周波側ポールをスイッチング周波数の1/2に配置する場合、次のようになります。

PZ SW

1C

R f=π× ×

DCMブーストDCMブーストコンバータでは、各スイッチングサイクル単位でインダクタ電流がゼロに戻ります。メインスイッチのオンの期間に蓄積されたエネルギーは、各スイッチングサイクルで完全に負荷に供給されます。

インダクタンスの選択設計手順は、すべてのラインおよび負荷の動作条件においてDCMで動作するようにブーストコンバータの入力インダクタを計算することから始まります。DCM動作を維持するために必要な臨界インダクタンスは、次のように計算されます。

V V V 0.4 − × × ( ) 2OUT INMIN INMIN

IN 2OUT OUT SW

LI V f

≤× ×

ここで、VINMINは最小入力電圧です。

ピーク/RMS電流の計算電流制限を設定するために、インダクタのピーク電流は次のように計算することができます。

LIM PK

PK

OUT INMIN OUTPK

INMIN SWMIN

I I 1.2

ここで、 は次式によって与えられます。

2 (V V ) II

L f

= ×

× − ×= ×

I

LINMINは、許容誤差と飽和効果を考慮した入力インダクタの最小値です。fSWMINは、「Electrical Characteristics」の項に記載されたMAX17498Bの最小スイッチング周波数です。

出力コンデンサの選択産業アプリケーションでは、温度変化に対する安定性からX7Rセラミック出力コンデンサが広く使用されます。出力コンデンサは、出力電圧偏差が出力電圧変化の3%に抑えられるように、通常はアプリケーションの最大出力電流の50%のステップ負荷をサポートする大きさに設定されます。出力容量は次のように計算することができます。

STEP RESPONSEOUT

OUT

RESPONSEC SW

I tC

V

0.33 1t ( )

f f

×=

≅ +

ここで、ISTEPは負荷ステップ、tRESPONSEはコントローラの応答時間、DVOUTは許容可能な出力電圧偏差、fCは目標のクローズドループクロスオーバー周波数です。fCはスイッチング周波数(fSW)の1/10になるように選択されます。ブーストコンバータの場合、メインスイッチがオンのときは出力コンデンサが負荷電流を供給するため、出力電圧リップルは負荷電流とデューティサイクルの関数になります。次式を使用して、出力コンデンサのリップルを計算してください。

OUT IN PKCOUT

INMIN OUT

I L IV

V C× ×

∆ =×

Maxim Integrated 19

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

入力コンデンサの選択必要な入力セラミックコンデンサの値は、入力DCバス上で許容されるリップルに基づいて計算することができます。入力コンデンサは、それが扱うAC電流のRMS値に基づいて大きさを決定してください。計算式は次のとおりです。

OUTIN

INMIN SWMIN MAX

3.75 IC

V f (1 D )

×= × × −

コンデンサのRMSは、次のように計算することができます。

PKCIN_RMS

II

2 3=

×

エラーアンプの補償設計エラーアンプのループ補償の値は、次のように計算することができます。

Z DC= = ×( )DC M

SW

G G 10C G 10 nF

2 f× ×

× π ×

ここで、GDCはパワー段のDC利得で、次のように与えられます。

2OUT INMIN SW OUT IN

DC 2OUT INMIN OUT

OUT OUT OUT INMINZ

OUT Z OUT INMIN

8 (V V ) f V LG

(2V V ) I

V C (V V )R

I C (2V V )

× − × × ×=

− ×

× × −=

× × −

ここで、VINMINは最小動作入力電圧で、IOUTは最大負荷電流です。

OUTP

Z

C ESRC

=

スロープ補償理論上は、DCMブーストコンバータは安定した動作のためにスロープ補償を必要としません。実際には、非常に軽い負荷での良好なノイズ耐性のためにコンバータは最小限のスロープを必要とします。SLOPE端子をVCC端子に接続することによって、デバイスに最小限のスロープが設定されます。

出力ダイオードの選択ブーストコンバータ用の出力ダイオードの電圧定格は、理想的にはブーストコンバータの出力電圧と等しくなります。実際には、回路の寄生インダクタンスと容量の相互作用によって、メインスイッチがオンになるときのダイオードのターンオフ遷移中に電圧オーバーシュートが発生します。そのため、ダイオードの定格はこの追加の電圧ストレスに対応するために必要なマージンを設けて選択してください。ほとんどの場合は、1.3 x VOUTの電圧定格によって必要な設計マージンが提供されます。

出力ダイオードの電流定格は、ダイオードでの電力損失(順電圧降下と平均ダイオード電流の積)が十分に低く、接合部温度が制限内になることが保証されるように選択してください。これには、ダイオード電流定格が2 x IOUT〜3 x IOUTの範囲である必要があります。回復時間が50ns以下のファーストリカバリーダイオード、または低接合容量のショットキーダイオードを選択してください。

内蔵MOSFETのRMS電流の計算内蔵MOSFETのドレインはLXに接続されており、その電圧ストレスは、理想的には出力電圧と出力ダイオードの順電圧降下の合計になります。実際には、回路の寄生素子の作用によってターンオフ遷移中に電圧オーバーシュートとリンギングが発生します。デバイスの内蔵nチャネルMOSFETの最大定格は65Vのため、電圧オーバーシュートとリンギングに対する十分なマージンを設けて最大48Vの出力電圧のブーストコンバータを設計することが可能です。LXに流れ込むRMS電流は、内蔵nMOSFETでの導通損失の推定に役立ち、次式で与えられます。

3PK INS SW

LX_RMSINMIN

I L fI

3 V× ×

ここで、IPKは最小動作入力電圧(VINMIN)で計算したピーク電流です。

CCMブーストCCMブーストコンバータでは、スイッチングサイクル中にインダクタ電流がゼロに戻りません。MAX17498Bは非同期ブーストコンバータを実装するため、インダクタ電流のピーク間リップルの1/2に等しい臨界値以下の負荷電流においてインダクタ電流はDCM動作に移行します。

インダクタの選択設計手順は、インダクタ電流中のリップルが最大入力電流の30%に等しい場合について、公称入力電圧におけるブーストコンバータの入力インダクタを計算することから始まります。

ININ

OUT SW

V D (1 D)L

0.3 I f× × −

=× ×

ここで、Dは次のように計算されるデューティサイクルです。

OUT D IN

OUT D

V V VD

V V+ −

=+

VDは、最大出力電流でのブーストコンバータの出力ダイオード両端の電圧降下です。

Maxim Integrated 20

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

ピーク/RMS電流の計算電流制限を設定するために、インダクタおよび内蔵nMOSFETのピーク電流を次のように計算することができます。

OUT MAX MAX OUTPK

INMIN SWMIN

MAX

OUT OUTPK MAX

INMIN SWMIN

V D (1 D ) II

L f (1 D)

1.2 for D 0.5

0.25 V II 1.2 for D 0.5

L f (1 D)

× × −= + × −

× ≥

×= + × ≥ × −

最大デューティサイクルDMAXは、前記のデューティサイクルの式に最小入力動作電圧(VINMIN)を代入することによって得られます。LINMINは、許容誤差と飽和効果を考 慮 し た 入 力インダクタの 最 小 値 です。fSWMINは、「Electrical Characteristics」の項に記載されたMAX17498B の最小スイッチング周波数です。

出力コンデンサの選択産業アプリケーションでは、温度変化に対する安定性からX7Rセラミック出力コンデンサが広く使用されます。出力コンデンサは、出力電圧偏差が出力電圧変化の3%に抑えられるように、通常はアプリケーションの最大出力電流の50%のステップ負荷をサポートする大きさに設定されます。出力容量は次のように計算することができます。

STEP RESPONSEOUTF

OUT

RESPONSEC SW

I tC

V

0.33 1t ( )

f f

×=

≅ +

ここで、ISTEPは負荷ステップ、tRESPONSEはコントローラの応答時間、DVOUTは許容可能な出力電圧偏差、fCは目標のクローズドループクロスオーバー周波数です。fCはスイッチング周波数(fSW)の1/10になるように選択されます。ブーストコンバータの場合、メインスイッチがオンのときは出力コンデンサが負荷電流を供給するため、出力電圧リップルは負荷電流とデューティサイクルの関数になります。次式を使用して、出力コンデンサのリップルを計算してください。

OUT MAXCOUT

OUT SW

I DV

C f×

∆ =×

入力コンデンサの選択必要な入力セラミックコンデンサの値は、入力DCバス上で許容されるリップルに基づいて計算することができます。入力コンデンサは、それが扱うAC電流のRMS値に基づいて大きさを決定してください。計算式は次のとおりです。

OUTIN

INMIN SW MAX

3.75 IC

V f (1 D )

×= × × −

入力コンデンサのRMS電流は、次のように計算することができます。

LINCIN_RMS

II

2 3

∆=

×

ここで、

OUT MAX MAXLIN MAX

INMIN SWMIN

OUTLIN MAX

INMIN SWMIN

V D (1 D )I for D 0.5

L f

0.25 VI for D 0.5

L f

× × −∆ = < ×

×∆ = ≥ ×

エラーアンプの補償設計エラーアンプのループ補償の値は、次のように計算することができます。

2OUT OUT MAX

ZOUTMAX IN

203 V C (1 D )R

I L× × × −

ここで、IOUTMAX は最大負荷電流です。

OUT OUTZ

OUTMAX Z

PSW Z

V CC

2 I R

1C

f R

×=

× ×

=π × ×

スロープ補償ランプ50%以上のデューティサイクルでコンバータを安定させるために必要なスロープは、次のように計算することができます。

OUT INMINE

IN

0.41(V V )S V per µs

L−

=

ここで、LINの単位はµHです。

Maxim Integrated 21

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

出力ダイオードの選択出力ダイオードの選択のための設計手順は、「DCMブースト」の項で概説したものと同一です。

内蔵MOSFETのRMS電流の計算内蔵MOSFETのドレインはLXに接続されており、その電圧負荷は、理想的には出力電圧と出力ダイオードの順電圧降下の合計になります。実際には、回路の寄生素子の作用によってターンオフ遷移中に電圧オーバーシュートとリンギングが発生します。デバイスの内蔵nチャネルMOSFETの最大定格は65Vのため、電圧オーバーシュートとリンギングに対する十分なマージンを設けて最大48Vの出力電圧のブーストコンバータを設計することが可能です。LXに流れ込むRMS電流は、内蔵nMOSFETでの導通損失の推定に役立ち、次式で与えられます。

OUT MAXLXRMS

MAX

I DI

(1 D )

×=

ここで、DMAXは最小動作入力電圧でのデューティサイクルで、IOUTは最大負荷電流です。

熱について電源の仕様で規定された動作条件下で、デバイスの接合部温度が+125を超えないことを保証してください。動作のためにデバイスで消費される電力は、次式を使用して計算することができます。

IN IN INP V I= ×

ここで、VINはIN端子に印加される電圧で、IINは動作消費電流です。

内蔵nチャネルMOSFETには、導通損失およびオン状態とオフ状態のスイッチング時の遷移損失があります。これらの損失は、次のように計算されます。

= × × × + ×TRANSITION INMAX PK R F SW( )

2CONDUCTION LXRMS DSONLXP I R

P 0.5 V I t t f

= ×

ここで、tRとtFはCCM動作時における内蔵nMOSFETの立上り時間と立下り時間です。DCM動作では、スイッチ電流がゼロからスタートするため、tFのみが存在して遷移損失の式は次のように変化します。

TRANSITION INMAX PK F SWP 0.5 V I t f= × × × ×

内蔵MOSFETのドレイン-ソース間容量に蓄積されたエネルギーは、MOSFETがオンになってドレイン-ソース容量電圧を0まで放電するときに失われるため、スイッチングサイクルごとにシステムで追加の損失が発生します。この損失は、次のように概算されます。

2CAP DS DSMAX SWP 0.5 C V f= × × ×

デバイスの全電力損失は、次式から計算することができます。

LOSS IN CONDUCTION TRANSITION CAPP P P P P= + + +

デバイスで消費可能な最大電力は、+70°Cの温度で1666mWです。温度が+70°Cを上回るのにともなって、21mW/°Cの割合で消費電力能力をディレーティングしてください。多層基板の場合、パッケージの熱性能の測定基準は以下に示すとおりです。

JA

JC

48°C / W

10°C / W

θ =

θ =

デバイスの接合部温度の上昇は、任意の最大周囲温度(TAMAX)について次式から概算することができます。

JMAX AMAX JA LOSS= + θ ×( )T T P

適切なヒートシンクの使用によってデバイスのエクスポーズドパッドが所定の温度(TEPMAX)に維持されることを保証する熱管理システムを備えたアプリケーションの場合は、デバイスの接合部温度の上昇を任意の最大周囲温度について次式から概算することができます。

JMAX EPMAX JC LOSS= + θ ×( )T T P

Maxim Integrated 22

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

レイアウト、グランド処理、およびバイパス処理パルス電流を搬送するすべての接続は、非常に短く、できる限り太くする必要があります。高周波数スイッチングパワーコンバータ内の電流は高di/dtのため、これらの接続のインダクタンスを絶対的な最小限に維持する必要があります。それには、回路のさまざまな部分の順方向とリターン方向のパルス電流用のループ領域を最小化してください。さらに、電流ループ領域を小さくすることで放射EMIが低減されます。同様に、メインMOSFETのヒートシンクもdV/dtソースになるため、MOSFETのヒートシンクの表面積をできる限り最小限に抑えてください。

グランドプレーンは、できる限りそのままにしてください。コンバータの電源セクション用のグランドプレーンは、電源グランドプレーンの最もノイズの少ないセクション

(通常は入力フィルタコンデンサのリターン)で接続する以外は、アナロググランドプレーンから分離してください。フィルタコンデンサの負の端子、パワースイッチのグランドリターン、および電流検出抵抗は、相互に接近させる必要があります。PCBレイアウトは、設計の熱性能にも影響します。効率的な放熱のために、デバイスのエクスポーズドパッドの下で複数のサーマルビアを大面積のグランドプレーンに接続してください。初回での成功を保証するレイアウト例については、japan.maxim-ic.comで提供されているMAX17498Bの評価キットのレイアウトを参照してください。

汎用AC入力の設計の場合、該当するすべての安全規定に従ってください。オフライン電源は、UL、VDE、およびその他の類似の機関による認定を必要とする場合があります。

Maxim Integrated 23

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AC-DCおよびDC-DCピーク電流モードコンバータ、 フライバック/ブーストアプリケーション用

MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

図10. MAX17498Aの非絶縁型マルチ出力AC-DC電源

標準アプリケーション回路

PGOO

D

N.C.

N.C.

PGND

ININ

EP

LIM

SS

R11

49.9

kIC12

47nF

V CC

SLOP

E

V CC

C4 2.2µ

F

R582

kI R620

.5kI

EN/U

VLO

OVI

R42.

2MIR3

2.2M

IR22.

2MI

V IN

R15

3MI

R14

3MI

3MI

R12

3MI

INC6 0.

47µF

,35

V

R23

10kI

N2 FQT1

N80T

F

C72.

2µF,

50V

V OUT

2

Q1BC

849C

WD2

RB16

0M-6

0TR

V IN

C210

0µF

L1 1µH

R81.

2MI

C10.

1µF,

630V

D1S5

KC-1

3-F

LINE

NEUT

RAL

85V

AC T

O26

5V A

C

R71.

2MI

R1 10I

LX

D4RF

101L

2STE

25

D3 US1K

-TP

D5 BZT5

2C18

-7F

N1 FQD1

N80T

MC8 0.

1µF,

25V

C18

141µ

F,6.

3V

D6

C14

10µF

,16

V

C15

10µF

,16

V

C10

2.2n

F,25

0V

R16

100kI

, 0.5

W

R20

10I

T1

C16

OPENV O

UT2

IN

V OUT

1V O

UT1

-3.3

V, 2

A

V OUT

28.

7V, 0

.3A

PGND

MAX17498A

C310

0pF

REF

REF

V OUT

1EA

+

R10

133kI

R22

49.3

kIRE

F

EA-

R17

1kI

COM

PC9 22

nF

C11

47pF R9 15

kI

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MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

図11. MAX17498Bの絶縁型DC-DC電源

PGND

PGOOD

C4OPEN

C50.22µF, 50V

REF

EA+

SS

R420kI

OVI

PGND

EN/UVLO

R510kI

EN/UVLO

OVI

R3348kI

VIN

VFB

VIN

C110µF,

63V

18V TO 36VINPUT

PGND

VIN

C24.7µF,

50V

IN

U1

C947nF

LX

D2

D1

C1222µF,16V

C1322µF,16V

C33.3nF

R17.5kI

T1

C1422µF,16V

5V, 1.5AOUTPUT

VOUT

VOUT

GND

MAX17498B

C62.2µF, 16V

VCC

VCC

C10100pF

REF

LIM

R675kI

R910kI

R1115kI

COMP

EA-

SLOPE

R7OPEN

PGOOD

R1210kI

VCC

VCC R151kI

R2030.3kI

R4OPEN

R1910kI

R16OPEN

C154.7nF

R1820kI C16

33pF

12

3U3

R17OPEN

C18OPEN

R13511I

U2

VFB

VOUT

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MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

図12. MAX17498Bのブースト電源

N.C.

N.C.

PGND

IN

SLOPE

VCC

R725kI

R849.9kI

EN/UVLO

OVI

R6481kI

VIN

VIN

VIN

PGND

C20.1µF

C110µF

10.8V TO13.2V DC

MAX17498B

C8100pF

REF

REF

SS

EA+

EP

LX

IN

D1

SS26-TP

VOUT24V, 0.2A

C74.7µF, 35V

L115µH

PGOODR9

10kIVCC

PGOOD

LIM

SS

R175kI

C347nF

SS

R212kI

C42.2µF

VCC

EA-

R39.92kI

R4184kI

VOUT

COMP

R515kI

C647pF

C510nF

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MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

パッケージ

最新のパッケージ図面情報およびランドパターン(フットプリント)はjapan.maxim-ic.com/packagesを参照してください。なお、パッケージコードに含まれる「+」、「#」、または「-」はRoHS対応状況を表したものでしかありません。パッケージ図面はパッケージそのものに関するものでRoHS対応状況とは関係がなく、図面によってパッケージコードが異なることがある点を注意してください。

型番

+は鉛(Pb)フリー/RoHS準拠パッケージを表します。*EP = エクスポーズドパッド

PARt teMP RAnge Pin-PAcKAge DescRiPtion

MAx17498AATE+ -40°C to +125°C 16 TQFN-EP* 250kHz, Offline Flyback Converter

MAx17498bATE+ -40°C to +125°C 16 TQFN-EP* 500kHz, Low-Voltage DC-DC Flyback/Boost Converter

MAx17498cATE+ -40°C to +125°C 16 TQFN-EP* 250kHz, Low-Voltage DC-DC Flyback Converter

パッケージ タイプ

パッケージ コード

外形図 No.

ランド パターンNo.

16 TQFN-EP T1633+5 21-0136 90-0032

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MAX17498A/MAX17498B/MAX17498C

改訂履歴

版数 改訂日 説明 改訂ページ0 9/11 初版 —

1 3/12 MAX17498BおよびMAX17498Cについて「開発中の製品」注を削除 27

マキシム・ジャパン株式会社  141-0032 東京都品川区大崎1-6-4 大崎ニューシティ 4号館 20F  TEL: 03-6893-6600

Maximは完全にMaxim製品に組込まれた回路以外の回路の使用について一切責任を負いかねます。回路特許ライセンスは明言されていません。Maximは随時予告なく回路及び仕様を変更する権利を留保します。「Electrical Characteristics (電気的特性)」の表に示すパラメータ値(min、maxの各制限値)は、このデータシートの他の場所で引用している値より優先されます。

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