acclaro タンパク質コンタミネーション id - thermo …...a260...

6
Acclaro タンパク質コンタミネーション ID NanoDrop One 分光光度計を使った核酸サンプル中の タンパク質検出 Sean Loughrey Brian MatlockThermo Fisher Scientific、デラウェア州ウィルミントン キーワード NanoDrop OneAcclaro コンタミネーション ID計量化学、コンタミネーション同定、 DNAdsDNA核酸、タンパク質コンタミネーション、純度比、数量化、 定量化、スペクトル分析、分光光度計、紫外可視 (UV-Vis) 要旨 Thermo Scientific NanoDrop One 超微量紫外可視分光光度 計では、核酸サンプルやタンパク質サンプルを一般的なコンタミ ネーションの存在下でより正確に定量することができます。新機能 Thermo Scientific A cclaro サンプルインテリジェンステク ノロジーを搭載した NanoDrop One では、一般的なコンタミネー ションを同定して真のサンプル濃度を測定することにより、サン プル品質に関してより多くの情報が得られます。この情報により、 下流の実験の進め方に関してより詳細な情報に基づく決定を下す ことが可能になり、また難しい抽出のトラブルシューティングのた めの貴重な情報も得られます。本テクニカルノートでは、Acclaro コンタミネーション同定 (ID) 機能による核酸サンプル中のタンパ ク質汚染の検出について説明します。 テクニカルノート No. 52853

Upload: others

Post on 18-Feb-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Acclaro タンパク質コンタミネーション ID - Thermo …...A260 の測定により正確な濃度を確実に得られるようになります。 一般的に、研究者は得られた純度比が許容範囲内かどうかを検証

Acclaro タンパク質コンタミネーション IDNanoDrop One 分光光度計を使った核酸サンプル中のタンパク質検出

Sean Loughrey 、Brian Matlock、 Thermo Fisher Scienti� c、デラウェア州ウィルミントン

キーワード

NanoDrop One、Acclaro コンタミネーション ID、計量化学、コンタミネーション同定、DNA、dsDNA、核酸、タンパク質コンタミネーション、純度比、数量化、定量化、スペクトル分析、分光光度計、紫外可視 (UV-Vis)

要旨Thermo Scienti� c™ NanoDrop™ One 超微量紫外可視分光光度計では、核酸サンプルやタンパク質サンプルを一般的なコンタミネーションの存在下でより正確に定量することができます。新機能Thermo Scienti� c™ A

ア ク ラ ロ

cclaro ™ サンプルインテリジェンステク ノロジーを搭載した NanoDrop One では、一般的なコンタミネーションを同定して真のサンプル濃度を測定することにより、サンプル品質に関してより多くの情報が得られます。この情報により、下流の実験の進め方に関してより詳細な情報に基づく決定を下すことが可能になり、また難しい抽出のトラブルシューティングのための貴重な情報も得られます。本テクニカルノートでは、Acclaro コンタミネーション同定 (ID) 機能による核酸サンプル中のタンパク質汚染の検出について説明します。

テクニカルノート

No. 52853

計量化学、コンタミネーション同定、DNA、dsDNA、核酸、タンパク質コンタミネーション、純度比、数量化、定量化、スペクトル分析、分光光度計、紫外可視 (UV-Vis)

One 超微量紫外可視分光光度計では、核酸サンプルやタンパク質サンプルを一般的なコンタミネーションの存在下でより正確に定量することができます。新機能

サンプルインテリジェンステク ノロジーを搭載した NanoDrop One では、一般的なコンタミネーションを同定して真のサンプル濃度を測定することにより、サンプル品質に関してより多くの情報が得られます。この情報により、下流の実験の進め方に関してより詳細な情報に基づく決定を下すことが可能になり、また難しい抽出のトラブルシューティングのための貴重な情報も得られます。本テクニカルノートでは、Acclaro コンタミネーション同定 (ID) 機能による核酸サンプル中のタンパ

Page 2: Acclaro タンパク質コンタミネーション ID - Thermo …...A260 の測定により正確な濃度を確実に得られるようになります。 一般的に、研究者は得られた純度比が許容範囲内かどうかを検証

はじめにこれまで核酸の定量は 260 nm の吸光度測定により実施されてきました (図 1)。この手法は、核酸サンプルの濃度および純度の情報を簡便かつ容易に得られるという理由により、分子生物学ラボにおける一般的な手法となっています。しかしながら、UV 吸光度を 使用する際には、注意すべき点として核酸抽出プロセス由来の多数のコンタミネーションも UV スペクトルのさまざまな領域で吸光 度を持つということを知っておく必要があります。(図 2)。核酸と 同じ UV 範囲内にあるコンタミネーションの吸光度は、A260 値を 見かけ上で増大させるため不正確な濃度が得られ、併せて純度比にも影響を与えるという2つの形で定量結果に直接影響を与えます。長い間、純度比は UV 吸収のあるコンタミネーションの存在を 評価する主な方法でした。しかしながら、純度比だけでは核酸サンプルに含まれる潜在的なコンタミネーションを完全に評価することはできません。純度比をフルスペクトルデータと併用することで、核酸サンプルの純度を測定する能力が大幅に高められ、 A260 の測定により正確な濃度を確実に得られるようになります。

一般的に、研究者は得られた純度比が許容範囲内かどうかを検証します (表 1)。純度比が許容範囲外の場合には、サンプルスペクトル を目視で確認し、検証します。これまでは、サンプルのスペクトル分析は完全に定性的なものであり、スペクトルから特定のコンタミネーションを同定できるかどうかは各研究者の経験に大きく左右されてきました。

NanoDrop One 分光光度計に搭載されている Acclaro サンプル インテリジェンステクノロジーは、計量化学的方法を使ってサンプルに含まれる化学成分を分析する、コンタミネーション同定のための定量法です。Acclaro ソフトウェアでは、スペクトルのリファレンスライブラリーに基づくスペクトル分析アルゴリズムが使用されています。このアルゴリズムはサンプルスペクトルに適用され、ソフトウェアが計量化学的な数理原理を使ってコンタミネーションの存在と同定に関する予測を行うことができます。Acclaro コンタミ ネーション ID 機能は、dsDNA サンプルや RNA サンプルに含まれるタンパク質、フェノール、およびグアニジン塩酸塩を検出することができます。NanoDrop One 分光光度計は、黄色のコンタミネーション ID アイコン(図3a)をサンプル番号の横にアラート表示 するため、リアルタイムにコンタミネーションの存在を知ることができます。このコンタミネーションアイコンをタップすると、 Acclaro コンタミネーション分析の全詳細が表示されます(図3b)。 この画面には、デコンボリューションスペクトル、同定されたコンタミネーション、補正 DNA 濃度、および Acclaro のアルゴリズム予測の信頼度を示す%CVが表示されます。本テクニカルノートでは、Acclaroサンプルインテリジェンステクノロジーによって核酸サンプル中のタンパク質汚染がどのように検出されるかを例証するデータを提示します。

図 1: 純粋な核酸サンプルの UV 吸収スペクトルでは、260 nm にピークがあり、 230 nm に谷があります。

図 2: 汚染物質は、核酸試料の UV 吸収スペクトルに影響を及ぼすことがあります。 a) 純粋な核酸サンプル、b) グアニジン塩酸塩が混入した核酸サンプル、および c) フェノールが混入した核酸サンプル、の UV スペクトル。

a

b

c

230 nm

280 nm

260 nm

Samples 260/280 260/230

DNA 1.8–2.0 1.8–2.2

RNA 2.0–2.2 1.8–2.2

表 1: TE バッファー中の純粋な核酸サンプルの一般に認められている純度比範囲。

Page 3: Acclaro タンパク質コンタミネーション ID - Thermo …...A260 の測定により正確な濃度を確実に得られるようになります。 一般的に、研究者は得られた純度比が許容範囲内かどうかを検証

核酸サンプルに含まれるタンパク質コンタミネーション核酸試料に含まれるコンタミネーションであるタンパクは、1)260 nmの吸光度に寄与して核酸濃度を水増しし、2)通常は 260/280 純度 比の低下により検出されます。純度比の低下は、アミノ酸残基であるトリプトファン、チロシン、およびフェニルアラニン、そしてシスチンのジスルフィド結合が 280 nm において吸光度を持つため発生します(図 4)。ほとんどの核酸抽出キットでは、タンパク質は十分に除去されることが保証されていますが、フェノール/クロロホルム抽出に経験の浅いユーザーの多くではタンパク質の混入が頻繁に発生します。この種の抽出では、ユーザーが水相を有機相から分離しなければなりません。タンパク質はこの 2 相の間に ある界面に沈殿するため、核酸抽出を行う際に界面にあるタンパク質を誤って水相に持ち込むことは容易に発生することであり、その結果、核酸試料へのタンパク質汚染が発生します。

260/280比は、当初はタンパク質試料中のDNA汚染を検出する 高感度な方法として用いられていました(Warburg、1942)1。 その後、260/280比は分子生物学界において核酸試料中のタンパク質汚染を検出する方法として採用されるようになりました。しかしながら、核酸サンプル中のタンパク質の汚染を検出する手段としての 260/280 比には限界があります。タンパク質の吸光係数は 核酸の吸光係数に比べると非常に小さいため、260/280の純度比に影響を及ぼすには多量のタンパク質が必要になります(Glasel、1995、Huberman、1995、およびManchester、1995)2-4。にもかかわらず、260/280の純度比が低い試料にはしばしば遭遇します。タンパク質汚染は、核酸濃度結果を水増しするだけでなく、酵素反応を阻害したり干渉したりして下流の逆転写反応やqPCR反応に直接的に影響を及ぼすこともあります。本テクニカルノートでは、純度比および定量結果に影響を与えるタンパク質汚染レベルについて説明します。また、NanoDrop One 分光光度計のAcclaro コンタミネーション ID 機能はコンタミネーションであるタンパク 質を正確に同定し、より正確な核酸濃度結果を得ることができることについても説明します。

図 3: Acclaro コンタミネーション ID 機能は、サンプル測定直後に、サンプルに 含まれる可能性のあるコンタミネーションについてアラートで警告します。3a)測定画面: Acclaro コンタミネーションID アイコンは、この dsDNA サンプルにおいて Acclaro アルゴリズムがコンタミネーションを検出したことを示しています。3b)コンタミネーション分析画面: 元の吸光度スペクトル (Original、DNA およびコンタミネーション)、補正吸光度スペクトル (Corrected、DNA からコンタミネーションを除去)、および不純物の吸光度スペクトル (Impurity、同定されたコンタミネーション) が表示され、濃度、260/280 比、および 260/230 比のデータも記載されます。

3a

3b

Pure DNAPure Protein

図 4: 同一グラフ上に重ね合わせた純粋な DNA のスペクトルと純粋なタンパク質のスペクトル。DNA のスペクトル (緑-青) には 260 nm に特性ピークと 230 nm に谷があり、タンパク質のスペクトル (赤-青) には 280 nm に特性ピークがあり、250 nm 未満の吸光度が上昇しています。

Page 4: Acclaro タンパク質コンタミネーション ID - Thermo …...A260 の測定により正確な濃度を確実に得られるようになります。 一般的に、研究者は得られた純度比が許容範囲内かどうかを検証

材料および方法DNA およびタンパク質は以下の方法で調製しました。2本鎖 DNA (dsDNA) は、サケ精液 DNA 溶液 (Invitrogen™、#15632-011) をTris-EDTA (TE) バッファー (Fisher BioReagents™、pH 7.6、BP-2474-500) で希釈して調製しました。タンパク質は、ウシ血清アルブミン (BSA、Sigma AldrichR、#A7284) を TE バッファーで希釈して調製しました。dsDNA および BSA の濃度は、NanoDrop One 分光光度計において TE バッファーをブランクとして測定 しました。dsDNA 量の計算は係数 50 ng-cm/µ を、BSAの場合は吸光係数 E1% 6.7 を使って算出しました。次に、さまざまな量のDNAおよびタンパク質を混合して表2に示す9種類のDNA /タンパク質混合溶液を調製しました。

各溶液 1~9 を n=5 で調製し、NanoDrop One 分光光度計においてTE バッファーをブランクとしてそれぞれ測定しました。各測定では、混合溶液からその都度 1.5 µL を分取して使用しました。ソフトウェアが濃度(補正濃度および元の濃度/未補正濃度)およびAcclaroコンタミネーション同定データを算出し、これらのデータを用いて 表 3 に記載する以下のデータを生成しました:

• 未補正濃度に基づく平均濃度および標準偏差 (SD)

• Acclaro 補正濃度に基づく平均濃度および SD

• 各混合溶液の平均純度比

元の (未補正) 濃度と Acclaro 補正濃度を比較し、結果は以下で説明しています。混合溶液 1~4 には Acclaro ソフトウェアの濃度補正を作動させるのに十分なレベルのタンパク質が含まれていなかったため、混合溶液 1~4 の補正 DNA 濃度は Thermo Scienti� c™ TQ Analyst™ ソフトウェアパッケージを用いた Acclaro スペクトル分析を実施して決定しました。

Mixture 1 2 3 4 5 6 7 8 9

% Protein (by weight) in Mixture

0.0 42.9 60.0 71.4 83.3 90.0 92.9 95.2 98.4

Original (Uncorrected) DNA [conc] ng/µL

531.8 534.7 542.1 571.5 591.3 644.4 672.9 740.4 1097.6

Corrected DNA [conc] ng/µL 526.8 523.9 525.9 540.4 541.1 554.6 549.2 547.3 560.1

260/280 Purity Ratio 1.94 1.89 1.84 1.74 1.60 1.45 1.34 1.21 0.89

260/230 Purity Ratio 2.45 1.67 1.34 0.90 0.61 0.41 0.32 0.26 0.19

Acclaro Flag No No No No

表 3: 各混合溶液の未補正 (元の) DNA 濃度は、NanoDrop One 分光光度計で dsDNA アプリケーションを用いて測定しました。混合溶液 5~9 の補正 DNA 濃度は、NanoDrop One Acclaro コンタミネーション分析結果から直接取得しました。 Acclaro コンタミネーション ID アイコン ( ) は、Acclaro ソフトウェアによる濃度補正が可能なレベルのタンパク質汚染がある混合溶液を示しています。

Mixture %DNA (by mass) % Protein (by mass)

1 100.0 0.0

2 57.1 42.9

3 40.0 60.0

4 28.6 71.4

5 16.7 83.3

6 10.0 90.0

7 7.1 92.9

8 4.8 95.2

9 1.6 98.4

表 2: DNA 原液およびタンパク質原液を上記の割合になるように混合しました。

Page 5: Acclaro タンパク質コンタミネーション ID - Thermo …...A260 の測定により正確な濃度を確実に得られるようになります。 一般的に、研究者は得られた純度比が許容範囲内かどうかを検証

結果および考察表 3 は、表 2 に記載した 9種類の DNA/タンパク質混合溶液に関して得られた Acclaro コンタミネーション ID データです。タンパク 質汚染レベルの上昇に伴って、補正結果と元の(未補正)結果との差が大きくなっています。このことは、タンパク質のコンタミネーションにより DNA 濃度結果が水増しされている事を示しています。 Acclaro 補正結果からは、タンパク質のコンタミネーションが補正され、より正確な DNA 濃度が得られることが分かります。表 3 のデータからも、260/280 純度比に有意な変化を確認するには多 量のタンパク質のコンタミネーションが必要であることが分かります。重量で約 72% ものタンパク質を含むサンプルであっても 260/280純度比はまだ許容範囲に入っています。タンパク質のコンタミネーションレベルが約 72% から 98%へと上昇すると、260/280 比は 1.74 から 0.89 へと低下の一途をたどります。

図 5 は、異なるレベルのタンパク質コンタミネーションの存在下 における未補正 DNA 濃度データと補正 DNA 濃度データとの比較で、タンパク質の存在によりDNA濃度が水増しされていることが確認できます。またこのデータからは、コンタミネーション濃度がタンパク質重量で約72%を上回ると、Acclaro がそのサンプルに フラグ付けし、補正濃度を表示することも分かります (表 3)。補正 DNA 濃度は、DNA のみのコントロールの結果の 10% 以内になっています。タンパク質コンタミネーション量が最大である混合溶液 9 では、補正濃度結果と未補正濃度結果との差が最も大きくなっています。しかしながら、このようにサンプルに含まれるタンパク 質量が 98% を上回る極度に汚染された混合溶液であっても、 Acclaro 補正結果における混合溶液 9 の濃度結果は実際の DNA 濃度の 10% 以内になっています。これらの結果は、標準偏差が平均1 ng/µL 未満という高い再現性がありました。

図 6 のグラフは、タンパク質レベルの上昇に伴う純度比の変化を 示しています。予想通り、タンパク質の割合が高くなると、260/280 純度比は低下しています。しかしながら、図 6 からわかるように、 260/280 純度比において有意な低下(下流の実験で使用するのに 一般的に許容される下限値である 1.65 未満) が確認されるにはタンパク質の量がサンプルの 75% を上回っていなければなりません。 一方で、260/230純度比は、混合溶液中のタンパク質の割合が上がるにつれて徐々に低下します。図 6 は、260/230 比の方がタン パク質のコンタミネーションの指標として高い感度を持っている可能性を示唆しています。タンパク質のコンタミネーションの検出に 260/230 比を使う際の問題は、一般的な塩バッファー、グアニジン 塩酸塩、多糖類など他の多くの一般的なコンタミネーションもその値に影響を与えうるということです。したがって、260/230 比だけ ではタンパク質のコンタミネーションを確定することはできません。NanoDrop One 分光光度計の Acclaro コンタミネーション 物質 ID 機能は、補正 DNA 濃度を算出し、かつ核酸サンプルに 含まれるコンタミネーションを同定できるため、ユーザーに 明らかな利点をもたらします。

図 5: Acclaro 補正濃度は、すべての混合溶液に関して実際の DNA 濃度の 10% 以内でした。赤色の棒グラフは未補正 (元の) DNA 濃度を示しています。青色の棒グラフは、Acclaro ソフトウェアにより補正した DNA 濃度 (混合溶液 1~4 については「材料および方法」で記載した方法で算出した補正 DNA 濃度) を示しています。青色の基準点線は、DNA のみのコントロール溶液 (混合溶液 #1、実際の dsDNA 濃度) の濃度です。緑色の基準点線は、DNA のみのコントロールの平均濃度 531.8 ng/µL の 10% 上および下を示しています。各データ点は n=5 の測定の平均を示しています。

図 6: このグラフには、各 dsDNA/タンパク質混合溶液 (混合溶液 1~9) の平均純度比がプロットされています。赤色の線は 260/230 純度比を示し、青色の線は 260/280 比を示しています。

Page 6: Acclaro タンパク質コンタミネーション ID - Thermo …...A260 の測定により正確な濃度を確実に得られるようになります。 一般的に、研究者は得られた純度比が許容範囲内かどうかを検証

結論核酸を用いる実験では、サンプルの濃度と純度が分かっていなければなりません。核酸試料の定量で用いられる UV-Vis 法は、 260 nm における核酸分子の吸光度に基づいて溶液中の核酸濃度を測定します。サンプル精製に由来するタンパク質などのコンタミネーションもスペクトルの UV 領域で吸光度を持つため、核酸濃度が過大に算出されることがあります。

これまで、核酸サンプル中に存在するコンタミネーションの指標として純度比が利用されてきました。純度比が範囲外になることでコンタミネーションの存在は明らかになりますが、存在するコンタミネーションの同定や定量に関する情報は得られません。NanoDrop One 分光光度計に搭載されている Acclaro サンプルインテリジェンステクノロジーは、UV スペクトル分析に基づくコンタミネーション の同定のための計量化学的方法を提供します。この機能により、 1)サンプル中に存在するコンタミネーションの種類を特定し、2)コンタミネーションの濃度を測定し、3)補正された核酸濃度を取得することが可能になります。Acclaro サンプルインテリジェンス テクノロジーを使用することで、コンタミネーションを低減するためのサンプル調製におけるトラブルシューティング方法および下流の実験におけるサンプルを使った進め方について、より詳細な情報に基づく決定を下すことができるようになりました。

本アプリケーションノートでは、以下を実現する Acclaro コンタミネーション ID 機能について説明しています:

• 核酸サンプルに含まれるコンタミネーションであるタンパク質の同定

• 核酸サンプルに含まれるタンパク質コンタミネーションの量の算出

• 260 nm の吸光度のみを使用した場合よりも正確な補正濃度 結果の提供。高レベルのタンパク質汚染であっても、補正値は実際の核酸濃度の 10% 以内です。

参考文献1. Warburg, O. and W. Christian. 1942. Isolation and

crystallization of Enolase. Z. Biochem. 1942. 310:384-421.

2. Glasel, J.A. 1995. Validity of nucleic acid purities monitored by 260 nm/280 nm absorbance ratios. Biotechniques 18:62–63.

3. Huberman, J.A. 1995. Importance of measuring nucleic acid absorbance at 240 nm as well as at 260 nm and 280 nm. Biotechniques 18:636.

4. Manchester, K.L. 1995. Value of A260/A280 Ratios for the Measurement of Purity of Nucleic Acids. Biotechniques 19:208-210.

詳細はこちらをご覧ください。 www.thermofisher.com/nanodrop

サーモフィッシャーサイエンティフィックライフテクノロジーズジャパン株式会社

研究用にのみ使用できます。診断目的およびその手続上での使用はできません。 記載の社名および製品名は、弊社または各社の商標または登録商標です。 © 2016 Thermo Fisher Scienti�c Inc. All rights reserved. Sigma-Aldrich is a registered trademark of Sigma-Aldrich CO., LLC. All other trademarks are the property of Thermo Fisher Scienti�c and its subsidiaries unless otherwise speci�ed.記載の価格は2016年7月現在のメーカー希望小売価格です。消費税は含まれておりません。価格、製品の仕様、外観、記載内容は予告なしに変更する場合がありますので予めご了承ください。標準販売条件はこちらをご覧ください。 www.thermo�sher.com/jp-tc

販売店

本社:〒108-0023 東京都港区芝浦 4-2-8

www.thermofisher.com

UV021-A1607IH

facebook.com/ThermoFisherJapan @ThermoFisherJP

テクニカルサポート 0120-477-392 jptech@thermo�sher.comオーダーサポート TEL: 03-6832-6980 FAX:03-6832-9584営 業 部 TEL: 03-6832-9300 FAX:03-6832-9580