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AI 活用の拡大に貢献するため「挫折しない AI 学習環境」を提供、 そのシステム基盤を Azure で確立し、運用負担を極限まで抑制 2016 4 月に創設された東大人工知能開発学生団体「HAIT 」の代表者らが起業し、学習者 が挫折するポイントを事前にカバーしたオンライン AI 教育サービスを提供している株式会社 STANDARD。ここでは、そのコンテンツ配信の基盤として、 Microsoft Azure が活用されています。 創業直前に AWS 上でβ版サービスが立ち上げられましたが、そのわずか 1 か月後に Azure へと 移行されたのです。マイクロソフトのスタートアップ向け技術支援を実施することで、移行はわず 2 日間で完了。PaaS の積極的な活用や Jenkins による自動化で運用負荷を極限まで抑制してお り、スケーラビリティの確保も容易になりました。同社の最終的な目標は、AI 学習方法の標準環 境を打ち立てること。そのための挑戦が、Azure と共に進められています。 導入の背景とねらい 理系の学生でも挫折しやすい AI の学習、 この問題を解決するため STANDARD を起業 音声で操作できるスマートフォンや、話しかけることで家電などを操作できる AI スピーカー、自動 運転など、人工知能 (AI) は着実に私達の生活やビジネスへと浸透しつつあります。今後も AI 活用領域は拡大すると見込まれていますが、ここで大きな問題になるのが、AI を正しく理解し、 適切に活用できる人材の確保。その数はまだ大幅に不足しており、これが AI 活用を妨げる要因に なっていると指摘されています。 この問題を解決するために創業されたのが、株式会社 STANDARD ( 以下、STANDARD) です。こ の前身といえるのが、2016 4 月に創設された東大人工知能開発学生団体「HAIT」。その代表 者を含む 3 人が起業に踏み切ったのです。 HAIT はもともと 10 人で始まったサークルで、その後半年で 80 人近くの参加者が集まりました 」 と語るのは、元 HAIT の代表で、現在は株式会社 STANDARD 代表取締役 CEO を務める石井 氏。しかしその多くは勉強に挫折してしまい、最初の年の夏には 5 人しか残らなかったと振り 返ります。「基本方針は参考書を読みながら独学していくというものだったのですが、ほとんどの 人が途中で挫折してしまいました。市販の参考書は専門家が執筆しているため数式が難しく、理 系の学生でも簡単には理解できなかったのです」。 このハードルを下げるため、石井 氏は独自教材の作成を決意。東京女子大学 情報処理センターの 浅川 伸一 博士の助けを得ながら教材の作成を進め、それを HAIT メンバーに手渡しするという取り 組みを、2017 2 月に開始します。ここに、現在は株式会社 STANDARD 取締役 CTO である鶴岡 友也 氏と、株式会社 STANDARD 取締役 COO の安田 光希 氏が参画。2017 7 月には Amazon Web Services (AWS) の仮想サーバー「EC2」と RDB サービス「RDS 」、 CDN サービス「CloudFront を使用し、教材と解説動画をオンラインで配信するβ版サービスをスタートします。 「当初システム基盤として AWS を選んだのは、 ネット上に関連記事が多かったからです」と言う のは、システム開発を担当している鶴岡 氏。手 探り状態ではあったものの、3 週間で形にするこ とができたと語ります。 その後、2017 8 月に会社を設立。そしてそれ ソリューション概要 ○プロファイル 株式会社 STANDARD は、2017 8 月に設立さ れた、AI プログラミング教育のスタートアップ企 業です。2016 4 月に創設された東大人工知能 開発学生団体「HAIT」の代表者らが起業し、法人 研修向けの e - ラーニング教材提供と、AI を学 ぶ学生と AI 人材を獲得したい企業様とのマッチ ングという 2 つの事業をビジネスの柱としていま す。また 2017 10 4 日に設立された「日本 ディープラーニング協会」の正会員でもあり、現 在は試験問題の作成を担当。将来は AI 学習の標 準環境を打ち立てることを目指しています。 ○導入製品とサービス Microsoft Azure - Web App for Containers - Azure Database for PostgreSQL - Azure Media Services - Azure Virtual Machines (Jenkins が稼働) ○導入メリット マイクロソフトのスタートアップ向け技術支援 によって、AWS から Azure へのシステム移行 がわずか 2 日間で完了した。 Azure Media Services によって、動画コンテ ンツを保護しながら配信することが可能になっ た。 PaaS の積極的な採用と Jenkins などによる自 動化で運用負担がほとんどなくなり、スケーラ ビリティの確保も容易になった。 ○ユーザー コメント 「最終的に目指しているのは、AI 学習の標準環境 を打ち立てること。社名の『STANDARD 』も、そ の思いから付けています」 株式会社 STANDARD 代表取締役 CEO 石井 大智 株式会社STANDARD 株式会社 STANDARD

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Page 1: AI 学習環境」を提供、 そのシステム基盤を Azure で確立し、運 …download.microsoft.com/download/6/3/6/636CEC7A-369A-442B... · 2018-10-13 · AI 活用の拡大に貢献するため「挫折しない

AI 活用の拡大に貢献するため「挫折しない AI 学習環境」を提供、そのシステム基盤を Azure で確立し、運用負担を極限まで抑制

2016 年 4 月に創設された東大人工知能開発学生団体「HAIT」の代表者らが起業し、学習者が挫折するポイントを事前にカバーしたオンライン AI 教育サービスを提供している株式会社STANDARD。ここでは、そのコンテンツ配信の基盤として、Microsoft Azure が活用されています。創業直前に AWS 上でβ版サービスが立ち上げられましたが、そのわずか 1 か月後に Azure へと移行されたのです。マイクロソフトのスタートアップ向け技術支援を実施することで、移行はわずか 2 日間で完了。PaaS の積極的な活用や Jenkins による自動化で運用負荷を極限まで抑制しており、スケーラビリティの確保も容易になりました。同社の最終的な目標は、AI 学習方法の標準環境を打ち立てること。そのための挑戦が、Azure と共に進められています。

導入の背景とねらい理系の学生でも挫折しやすい AI の学習、この問題を解決するため STANDARD を起業

音声で操作できるスマートフォンや、話しかけることで家電などを操作できる AI スピーカー、自動運転など、人工知能 (AI) は着実に私達の生活やビジネスへと浸透しつつあります。今後も AI の活用領域は拡大すると見込まれていますが、ここで大きな問題になるのが、AI を正しく理解し、適切に活用できる人材の確保。その数はまだ大幅に不足しており、これが AI 活用を妨げる要因になっていると指摘されています。

この問題を解決するために創業されたのが、株式会社STANDARD (以下、STANDARD) です。この前身といえるのが、2016 年 4 月に創設された東大人工知能開発学生団体「HAIT」。その代表者を含む 3 人が起業に踏み切ったのです。

「HAIT はもともと 10 人で始まったサークルで、その後半年で 80 人近くの参加者が集まりました」と語るのは、元 HAIT の代表で、現在は株式会社STANDARD 代表取締役 CEO を務める石井 大智 氏。しかしその多くは勉強に挫折してしまい、最初の年の夏には 5 人しか残らなかったと振り返ります。「基本方針は参考書を読みながら独学していくというものだったのですが、ほとんどの人が途中で挫折してしまいました。市販の参考書は専門家が執筆しているため数式が難しく、理系の学生でも簡単には理解できなかったのです」。

このハードルを下げるため、石井 氏は独自教材の作成を決意。東京女子大学 情報処理センターの浅川 伸一 博士の助けを得ながら教材の作成を進め、それを HAIT メンバーに手渡しするという取り組みを、2017 年 2 月に開始します。ここに、現在は株式会社STANDARD 取締役 CTO である鶴岡

友也 氏と、株式会社STANDARD 取締役 COO の安田 光希 氏が参画。2017 年 7 月には Amazon

Web Services (AWS) の仮想サーバー「EC2」と RDB サービス「RDS」、CDN サービス「CloudFront」を使用し、教材と解説動画をオンラインで配信するβ版サービスをスタートします。

「当初システム基盤として AWS を選んだのは、ネット上に関連記事が多かったからです」と言うのは、システム開発を担当している鶴岡 氏。手探り状態ではあったものの、3 週間で形にすることができたと語ります。

その後、2017 年 8 月に会社を設立。そしてそれ

ソリューション概要

○プロファイル株式会社STANDARD は、2017 年 8 月に設立された、AI プログラミング教育のスタートアップ企業です。2016 年 4 月に創設された東大人工知能開発学生団体「HAIT」の代表者らが起業し、法人研修向けの e - ラーニング教材提供と、AI を学ぶ学生と AI 人材を獲得したい企業様とのマッチングという 2 つの事業をビジネスの柱としています。また 2017 年 10 月 4 日に設立された「日本ディープラーニング協会」の正会員でもあり、現在は試験問題の作成を担当。将来は AI 学習の標準環境を打ち立てることを目指しています。

○導入製品とサービス・ Microsoft Azure - Web App for Containers - Azure Database for PostgreSQL - Azure Media Services - Azure Virtual Machines (Jenkins が稼働 )

○導入メリット・ マイクロソフトのスタートアップ向け技術支援によって、AWS から Azure へのシステム移行がわずか 2 日間で完了した。

・ Azure Media Services によって、動画コンテンツを保護しながら配信することが可能になった。

・ PaaS の積極的な採用と Jenkins などによる自動化で運用負担がほとんどなくなり、スケーラビリティの確保も容易になった。

○ユーザー コメント「最終的に目指しているのは、AI 学習の標準環境を打ち立てること。社名の『STANDARD』も、その思いから付けています」

株式会社STANDARD代表取締役 CEO石井 大智 氏

株式会社 STANDARD

株式会社 STANDARD

Page 2: AI 学習環境」を提供、 そのシステム基盤を Azure で確立し、運 …download.microsoft.com/download/6/3/6/636CEC7A-369A-442B... · 2018-10-13 · AI 活用の拡大に貢献するため「挫折しない

株式会社 STANDARD

とほぼ同時期にこのシステムを、AWS から Azure へと移行してしまうのです。

導入の経緯Azure Media Services を「最強の動画配信基盤」だと評価、わずか 2 日間で AWS から Azure への移行を完了

なぜ立ち上げからわずか 1 か月で、システム インフラの変更に踏み切ったのでしょうか。その背景には、マイクロソフトの人的な関係があったと石井 氏は説明します。

石井氏とマイクロソフトとの関係は、2017 年 2 月にまで遡ります。このころ、マイクロソフトが運営するテクノロジーに情熱を持つ学生のコミュニティ「Microsoft Student Partner (MSP)」の担当者と知り合ったのです。その後、AI 教育の取り組みを一緒にやっていこうという話になり、2017

年 4 月に HAIT と MSP が共同で「Deep Learning 勉強会 on Azure」を開催。約 90 人の学生が集まり、会場は満員状態となりました。さらに、Preferred Networks とマイクロソフトの戦略的協業の一環として立ち上げられた「Deep Learning Lab」の活動にも参画しています。

鶴岡 氏がマイクロソフトの社員に会ったのは 2017 年 8 月。この時「AWS 上で開発している」ことを伝え、さまざまな内容の助言をもらったと振り返ります。「その中に動画配信を行う Azure Media Services の話もありました。その説明を聞いた時、こんな便利なサービスがあるのかと驚き、Azure への移行を決めました」。

このように評価した理由について、鶴岡 氏は次のように続けます。

「私が AWS 上で構築したシステムでは、動画を MP4 フォーマットでアップロードし、それをそのまま配信していました。しかしこれでは動画を自由にダウンロードできてしまうという悩みがありました。時間があれば色々調べて解決できたのかもしれませんが、なかなか着手できない状況でした。これに対して Azure Media Services では、アップロードしたファイルを動的に暗号化し、暗号化キーを各コンテンツに関連付け、正規利用者だけにキーを配信する機能が装備されています。これならコンテンツ保護を簡単に実現できます」。

鶴岡 氏が Azure への移行を決めたことを受け、マイクロソフトはスタートアップ向け技術支援 (ハックフェスト) の実施を提案。これは、マイクロソフトの技術者が、パートナーと一緒にプログラミングを行うことで、困難な問題を解決する手伝いをするというものです。鶴岡 氏は即座にこの提案を承諾、2 日間にわたるハックフェストが行われます。

このハックフェストには、STANDARD 側からは鶴岡 氏 1 名、マイクロソフトからは 4 名が参加し、合計 5 名で進められました。最初に、AWS から Azure への移行に必要なタスクを明確化。AWS

CloudFront から Azure Media Services への移行、AWS RDS から

Azure Database for PostgreSQL への移行、AWS EC2 から Web App

for Containers 上の Docker コンテナ環境への移行、Jenkins 環境の移行、Azure Functions による動画コンテンツ配信の自動化が、具体的なタスクとなりました。この中で鶴岡 氏は Web サーバーと Python フレームワークのコンテナへの移行を担当。その他の部分はマイクロソフトが担当しました。

「1 人だけでは考えられないスピード感で移行が進みました。移行作業は 2 日間で完了し、その後もいろいろなことを教えていただき、自分 1

人で運用できる状態にして頂きました。リソースが限られるスタートアップにとって、本当にありがたい支援です。マイクロソフトの社員さんをこんなに使っていいのだろうかと、少し申し訳ない気持ちにすらなりました」 (鶴岡 氏 ) 。

なおこのハックフェストは、マイクロソフトのスタートアップ支援プログラム「BizSpark」の一環として実施されました。STANDARD は創業当初から、BizSpark の支援対象企業に採択されているのです。このプログラムでは、ハックフェストをはじめとする開発環境支援や技術支援のほか、スタートアップのフェーズに合わせたビジネス支援も提供されています。STANDARD では現在、ビジネス支援の提案も受けており、今後はこれも活用することで成長を加速していく計画です。

導入効果運用負荷がほぼゼロになり 1 人でも問題なく運用可能、スケーラビリティの確保も容易に

移行後のシステムは、コンテンツを保護しながら動画配信を行う

Azure Media Services、Web App for Containers 上の Docker コンテナで動く Web サーバーと Python フレームワーク、そのバックエンド DB となる Azure Database for PostgreSQL、そして Azure Virtual

Machines 上で稼働しアプリケーション コードのステージングとデプロイを自動化する Jenkins で構成されています。

また動画コンテンツは Mac で編集されており、ここで作成された MOV

ファイルがそのまま Azure へとアップロードされています。動画ファイルがアップロードされると、自動的に Azure Functions で設定した通りに変換され、Media Service から配信可能な状態になります。

株式会社 STANDARD取締役 COO安田 光希 氏

株式会社 STANDARD代表取締役 CEO石井 大智 氏

株式会社 STANDARD取締役 CTO鶴岡 友也 氏

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株式会社 STANDARD

「現在もシステムは私 1 人で担当していますが、運用負担はほとんど感じていません」と鶴岡 氏。Jenkins 以外はすべて PaaS を使用していて、負荷が増大した場合でもオート スケールします。利用者が増えた時にパフォーマンス低下を心配しなくていいのも、Azure のメリットだと考えています。

このシステムによる正式なサービスが始まったのは 2017 年 9 月。「その前月には営業活動も開始しており、現在 (2017 年 11 月 ) 既に 6 社の法人様に教育コンテンツを提供しています」と言うのは、営業と業務管理を担当する安田 氏です。

この法人向け教育コンテンツの提供は、同社のビジネスの柱の 1 つ。現時点で、機械学習関連の教材を 13 本、ディープ ラーニング関連の教材を 7 本、Python や統計、数学に関する基礎チュートリアルを 14 本取り揃えています。またこれらを解説する動画も合計 100 本、約 50 時間分があります。

「AI の学習で挫折する要因は大きく 3 つあります」というのは、これらのコンテンツを制作した石井 氏。第 1 は既に述べたように数式が難しすぎることであり、第 2 は「学んだことをいつ使うべきかわからない」ことだと言います。「たとえば単回帰分析や重回帰分析といった手法を学んでも、具体的な活用方法がイメージできなければ、使いこなすことができません。そのためコンテンツ制作では、数式だけではなくコンセプト重視の解説を行うと共に、それぞれの手法が必要になる場を想定したストーリーを提示しています。単回帰分析であればアイスコーヒーの需要予測、重回帰分析では住宅価格の相場予測といった具体的な課題を想定し、問題解決手段を考える思考プロセスが学べるようにしています」。

そして第 3 の挫折要因が、質問できる人がいないことだと指摘。そのため STANDARD では教材の提供だけではなく、オンラインの質問対応も実施しており、slack を利用したチャットによって、メンターが質問に答えているのだと説明します。「自分のペースに合わせた学習ができ、進捗

や成績も一覧表示されるため、モチベーションも維持しやすくなります。また理解が不十分なところは何度でも復習や再テストを行えるため、効率的な学習が可能になります」。

さらに安田 氏は「当社のビジネスにはもう 1 つの柱があります」と付け加えます。それはこれらのコンテンツを学生に無償提供し、その受講者を企業インターンへとマッチングすることです。「今年の HAIT には 250

名の学生が入り、現在 92 人の学生に受講してもらっています。AI 人材を求める企業にも声をかけ、11 月 22 日には企業と学生のマッチング

イベントも開催しました」。

2017 年 10 月 4 日には、ディープ ラーニング技術の推進団体「日本ディープラーニング協会 (JDLA、Japan Deep Learning Association)」が発足し、「CEATEC JAPAN 2017」の会場で設立イベントが開催されま

STANDARD が Azure へと移行したサービス環境。AWS からの移行はわずか 2 日間で完了しました。一部を除きほぼすべてに PaaS が採用されており、ほとんど運用を意識する必要のない「Zero-Ops」に近い状態になっています。

STANDARD が提供するサービスの画面例。上から、コンテンツ メニュー、動画コンテンツ、マイ ページ。マイ ページには進捗状況や社内ランキングが表示され、モチベーションを維持しやすいようにくふうされています。

Azure Databasefor PostgreSQL

Azure WebAppon Linux

Azure Media Services

deploy

webhook

Azure Virtual Machines

push通知

git push

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株式会社 STANDARD

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したが、STANDARD はその正会員にもなっています。「現在は JDLA で実施する試験問題の作成を担当していますが、将来は協会認定プログラムの教材提供も目指していきます」 (石井 氏 ) 。

「マイクロソフトのBizSparkに採択されたことで、マーケティング関連のお話をいただくことも増えました」と安田 氏。現在の顧客は HAIT 時代の知り合いからの紹介が中心ですが、将来はマイクロソフトのチャネルを通じた顧客獲得も増えていくはずだと期待を語ります。

今後の展望今後は Azure AD による認証連携を計画、Azure N-Series を活用したハンズオン環境の整備も検討

STANDARD では今後も教材を拡充していくと共に、テストやハンズオン環境の充実も進めていく計画です。その一環として視野に入っているのが、Azure N-Series の GPU の活用です。「これによって深層学習を実際に動かし、体験できる環境を提供したいと考えています」と鶴岡 氏。また Microsoft Active Directory を利用している法人での導入が行いやすいように、Azure AD による認証連携の実装も計画していると語ります。

法人向けサービスをパートナー経由で販売することも検討されています。サービス内容のカスタマイズ性を高め、各パートナーに合わせた形で

OEM 提供していこうというのです。これによって同社のコンテンツ提供の勢いは、さらに加速することになるでしょう。

「HAIT として活動して感じたのは、米国や中国では AI 関連の学科が急速に増えているのに対し、日本の大学ではこれがなかなか進まず、遅れを取っているということです」と石井 氏。アカデミズムの中で AI にじっくりと取り組むことももちろん重要ですが、最短距離で AI を理解し、それを使いこなせるようにする教育環境を作り出すことで、AI 活用は一気に広がっていくはずだと言います。「私達の役割は AI の研究者を輩出することではなく、他の専門領域の方々が短時間で AI を学び、その知識を産業界の中で活かせるようにすることです。AI はあくまでも 1 つの技術であり、使われなければ意味がないからです」。

「企業理念は『創造力を自由にする』。創造とは、世の中に価値を生み出すこと、自由とは、理想と現実が一致している状態と定義しています。ひとりでも多くの人が、ひとつでも多くの価値創造につながるように尽力していきます」と石井 氏は語ります。

この挑戦が今後どのように実を結び、日本における AI 活用をどこまで広げることになるのか。同社は AI 学習の変革者として、これからも目の離せない存在になりそうです。

導入についてのお問い合わせ本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。https://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2017 年 12 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ https://www.microsoft.com/ja-jp/■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:00 ~ 17:30 土日祝日、弊社指定休業日を除く )※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。*Microsoft、Azure、および Windows は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標です。*その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。*製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。

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