a.i.fm講演 「進化と知能」 @ゲンロンカフェ

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進化と知能 人工知能、進化、思想 http://www.facebook.com/youichiro.miyake Twitter: @miyayou / [email protected] 感想・ご質問は メイルtwitter facebookまで 三宅 陽一郎 2013.7.6 @ゲンロンカフェ https://www.facebook.com/photo.php?fbid=482162201880735

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進化と知能

人工知能、進化、思想

http://www.facebook.com/youichiro.miyake

Twitter: @miyayou / [email protected]

感想・ご質問はメイルtwitter やfacebookまで

三宅 陽一郎

2013.7.6 @ゲンロンカフェ

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=482162201880735

学歴?

京都大学(数学) 大阪大学(原子核実験物理) 東京大学(エネルギー工学/人工知能)

高エネルギー加速器研究所(半年ぐらい。修士論文)

http://www.facebook.com/youichiro.miyake

Works (2006-2012)

AI for Game Titles

Books

http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/mokuji.html

生命の誕生、知能の誕生

原始の海+光+熱+稲妻

http://www.yunphoto.net/jp/photobase/yp2863.html

ユーリーミラーの実験

ガスから生命の構成要素であるアミノ酸を合成した。ハロルド・ユ―リーの研究室で、スタンレー・ミラーが実験(1953年)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Miller-Urey_experiment_JP.png

生命を構成する要素(アミノ酸)

極性頭部 非極性尾部

水と仲良し 水と溶けあえない

(参考)永田和宏 「生命の内と外」 (「考える人」(Vol.45))

脂肪酸

自己組織化

原始の海で構造化=外と内の形成

http://28275116.at.webry.info/201005/article_7.html

原始の海で構造化=外と内の形成

Energy

でも、何かおかしい?

エントロピー増大の法則(熱力学第二法則)

時間

エネルギー

秩序が高く、高いエネルギー状態は、より無秩序で低いエネルギー状態へと変化しようとする。

※その系の無秩序さの度合

エントロピー増大の法則

もしエネルギーが流入しなければ、その系のエントロピー(雑然さ)は増大する。

ではなぜ、生物は高い秩序状態でいられるのか?

構造のヒステリシス

Energy

生物=エネルギーが高い状態でひっかかっている。

なぜ?

構造のヒステリシス

Time

世界

外と内の交流

エネルギーE をゲット

アクション・老廃物

物質的な次元のお話。

世界

外と内の交流=非平衡系

エネルギーE をゲット

アクション・老廃物

物質的な次元のお話。

内部構造を持つ。(そして内部構造が維持される)

世界

生物の特徴=代謝機能を持つ

物質的な次元のお話。

内部構造を持つ。

INPUT

OUTPUT

代謝機能(内部処理)

代謝とは、外から得た物質を化学的に高いエネルギー状態から、低い状態へ還元することで、エネルギーを得ると同時に、自分自身の体をそれによって組み換えて行くこと。

代謝機能を持つことはエネルギーを獲得すること。

エネルギーが流入し続ける系は、自己を構造化する。これを散逸構造という。

散逸構造とは?

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20090522/

http://www.applc.keio.ac.jp/~asakura/asakura_j/dissipative.html

散逸構造とは、エネルギーが流入し続ける非平衡系のこと。散逸構造は、自己の内部の「ゆらぎ」を成長させ、系の自己組織化を促す。

ベナールセル

https://www.youtube.com/watch?v=UhImCA5DsQ0

世界

外と内の交流=散逸構造

極めてメカニカルな次元。

内部構造を持つ。

INPUT

OUTPUT

代謝機能

生命は散逸構造で、エネルギーを獲得し、自己組織化するので、構造を持ち保てる。

少しまとめ

(1)生物は世界からエネルギーを得て、内部で処理(=代謝)を行い、世界へ向けて行為や物質を還元する。

(2) 生物は世界の中でエネルギーを獲得し続ける非平衡系であり、つまり散逸構造であり、っだから自己組織化し構造を持てるし保てる。

=生物は世界とのやり取りを利用して、自己を組織している。

参考文献①

少し話題を変えましょう。

世界

存在ってなんだろう?

極めてメカニカルな次元。

内部構造を持つ。

INPUT

OUTPUT

代謝機能

生き物の体を構成する分子は常に入れ替わっている。世界の外部と内部を循環によって入れ替えることで、生き物は世界の中で世界を結びついているのだ。

身体を構成する原子は入れ替わる

・・・諸君は自分の一回の呼吸で、平均約1010個の原子を取り込んでいることをご存知であろうか。

・・・空気がわれわれの体を数分で吹き抜け、雨水が 1-2日で通りぬけるのに対して、骨のような固体部分はもっとゆっくりと交換する。数年前、骨折から回復したときに気づいたのであるが、骨が更新されるのに 2ヶ月を要した。神経細胞はもっとゆっくりした代謝で、骨よりはたしかに時間がかかる。とはいえ、われわれの体を作っている物質のすべては1年以内で交代する。事実、それらは、新しい生きた原形質が遠慮勝ちに交代する間に、排出され、散髪され、爪を切られ、あるいは洗われ、蒸発させられ、脱皮させられている。

ガイ・マーチ「生命の7つの謎」(白揚社、1986年、九工大図書館蔵書記号=461.1,M-2)

pp.18-21

http://rokamoto.sakura.ne.jp/science-human/atom-feynman021218.pdf

原子のダンス

例えば科学の記事を読んでいて「ねずみの大脳の放射性リンの量は 2週間で半減する」という文章にぶつかったとしましょう。さて読んではみたが、いったいこの文は何を言わんとしているのでしょうか? それは現在ねずみそして私の、また皆さんの脳の中にあるリンは、2週間前のリンとは異なっているという意味です。言い換えれば脳の中の原子は絶えず入れ換わっていくもので、前にあった原子はなくなってしまうのだということです。ではいったい私たちの心、すなわちこの意識をもった原子とはいったい何なのか?それは先週食べた食物の原子なのです。そして驚くべきことに、この原子どもはもうとっくに入れ換わってしまっているというのに、1年前に私の頭の中で起こっていたことをちゃんと思いだせるのです。

人の個性と呼ばれるものは、単にその原子のパターン、そしてそのダンスに過ぎませんが、それは取りも直さず頭の中の原子が、新しいのと入れ換わるのにどれだけの時間がかかるかということです。原子は私の頭の中に入ってきて、ひとしきりダンスをやり、そしてまた出て行きます。入れ換わった原子は必ず新しい原子だというのに、昨日のダンスがどんなダンスであったのかちゃんと覚えていて、まったく同じ踊り方をするのです。

ファインマン「困りますファインマンさん」(岩波書店、1988年)p.309:

http://rokamoto.sakura.ne.jp/science-human/atom-feynman021218.pdf

テセウスの船(パラドックス)船の老朽化した部分を、新しい木に入れ替えているうちに、

全部を入れ替えてしまった。

はたしてこの船は元の船と同一のものであろうか?

http://img02.hamazo.tv/usr/j/a/g/jagr/629.jpg

逆にパラドックスを起点に考える。

身体には物質の入れ替わりとは関係なく保存される構造があるのだ。

テセウスのパラドックス

物質的構成 = 循環する

物質によらず不変なもの 構造

テセウスのパラドックス

物質的構成 = 循環する

物質によらず不変なもの 構造 情報

だから、こう言える。

生物は物質的存在であると同時に、情報的存在でもあるのだ。

テセウスのパラドックス

物質

情報

情報

物質

生物は、情報的存在であり、同時に物質的な存在である。物質は情報に存在を与え、情報は物質に構造を与える。

情報と物質

情報

物質

生物は、情報的存在であり、同時に物質的な存在である。物質は情報に存在を与え、情報は物質に構造を与える。

情報と物質

情報

物質

生物は、情報的存在であり、同時に物質的な存在である。物質は情報に存在を与え、情報は物質に構造を与える。

非平衡散逸構造自己組織化

情報と物質

情報

物質

生物は、情報的存在であり、同時に物質的な存在である。物質は情報に存在を与え、情報は物質に構造を与える。

非平衡散逸構造自己組織化

非平衡散逸構造自己組織化

「情報と物質」から「精神と身体」へ

情報

物質

精神・知性

身体

精神と身体、そして進化

情報

物質

精神・知性

身体

進化

しかし、こう捉えることで、新しい問題が発生する。

心身二元論

精神と身体は二つの独立したものだ。

心脳問題

脳のような物質的機能から

心がどうやって産み出されるか?

参考文献②

これまでの話をまとめる。

世界

外と内の交流=散逸構造

INPUT

OUTPUT

世界

物質的循環

物質

物理的INPUT

物理的OUTPUT

生理的代謝機能

世界

情報的循環

情報INPUTINFORMATION

OUTPUTINFORMATION

情報処理=情報代謝(つまり思考)

物質的存在としての身体がそうであるように、情報的存在として人間は、情報を摂取し、記憶し(=情報体としての自分を組み換え)、情報をアウトプット・排泄する。

世界

情報的・物質的循環

物質

物理的OUTPUT

代謝機能情報INPUTINFORMATION

OUTPUTINFORMATION

情報処理=情報代謝(つまり思考)

生理的代謝機能物理的INPUT

人工知能はこの内、比較的、生物の情報的側面を扱います。

世界

情報的循環

情報INPUTINFORMATION=センサー

OUTPUTINFORMATION=エフェクター

情報処理=情報代謝(つまり思考)=意志決定

物質的存在としての身体がそうであるように、情報的存在として人間は、情報を摂取し、記憶し(=情報体としての自分を組み換え)、情報をアウトプット・排泄する。

エージェント・アーキテクチャ

WORLD

INTELLIGENCE

センサー エフェクター

認識Knowledge

Making

意志決定DecisionMaking

運動MotionMaking

記憶体Memory

情報体としての知能のカタチ

エージェント・アーキテクチャ

WORLD

INTELLIGENCE

センサー エフェクター

認識Knowledge

Making

意志決定DecisionMaking

運動MotionMaking

記憶体Memory

情報体としての知能のカタチ

情報の循環=インフォメーション・フロー

エージェント・アーキテクチャ

WORLD

INTELLIGENCE

センサー エフェクター

認識Knowledge

Making

意志決定DecisionMaking

運動MotionMaking

記憶体Memory

情報体としての知能のカタチ

「情報の循環=インフォメーション・フロー」 は物質の循環の情報版。これによって知性は自己を情報的に自己組織化できる。やはり知性も散逸構造である。

物質としての知能、情報体としての知能、二つの関係をどう捉えるか?

では、世界は物質であるのか? 情報体であるのか?

物質的世界は、身体によってしか受け取れない。

情報的世界は、情報体として受け取る。

この議論は後述する「生態学的人工知能」の主題となる。

ここでは、一旦、この議論は置いておこう。

精神医学的立場

• 精神病はある程度、脳や身体の病気でもある。

• 投薬治療が可能だ。

物質から生命へ

精神と身体、そして進化

情報

物質

精神・知性

身体

進化

「物質と情報」から「精神と身体」までの進化は果しなく長く、よくわかっていない。

人工知能のアルゴリズムとして進化とは?

精神と身体、そして進化

情報

物質

精神・知性

身体

進化

進化アルゴリズム = 遺伝的アルゴリズムなど

であるが、ここでは、それと違った、進化の方向を説明する。

世界

外と内の交流=散逸構造

INPUT

OUTPUT

代謝機能

世界

反応が遅延する

極めてメカニカルな次元。

内部構造を持つ。

INPUT

OUTPUT

代謝機能

世界

反応が遅延する

極めてメカニカルな次元。

内部構造を持つ。

INPUT

OUTPUT

代謝機能

遅延反応系

INPUT OUTPUT

時間

情報抽象度

遅延反応系

INPUT OUTPUT

時間

情報抽象度

反射的に行動

少し場合ごとに対応

抽象的に思考

理論的に考える

言語化のプロセス

反応を遅延させるところに、知性の生じるチャンスがある。

物質と知覚 (べルクソン)

作用

反作用

知性

作用

反作用

作用と反作用の間の遅延=知覚

「物」なら、作用に対する反作用はすぐに返って来る。(ニュートン力学)生命は違う。それは内部の時間を通して遅延されて返って来る。

参考文献③

サブサンプション・アーキテクチャ(ロドニー・ブルックス)

INPUT OUTPUT

時間

情報抽象度

反射的に行動

少し場合ごとに対応

抽象的に思考

理論的に考える

言語化のプロセス

Subsumpution Architecture

サブサンプション・アーキテクチャ(ロドニー・ブルックス)

INPUT OUTPUT

時間

情報抽象度

反射的に行動

少し場合ごとに対応

抽象的に思考

理論的に考える

言語化のプロセス= 自意識の構築化

Subsumpution Architecture

運動の実現のプロセス= 身体運動の生成

このサブサンプションの考えを、

先に解説したエージェント・アーキテクチャに適用してみましょう。

エージェント・アーキテクチャ

WORLD

INTELLIGENCE

センサー エフェクター

認識Knowledge

Making

意志決定DecisionMaking

運動MotionMaking

記憶体Memory

情報体としての知能のカタチ

エージェント・アーキテクチャ

WORLD

INTELLIGENCE

センサー エフェクター

認識Knowledge

Making

意志決定DecisionMaking

運動MotionMaking

記憶体Memory

情報体としての知能のカタチ

情報集約 単純命令

エージェント・アーキテクチャ

WORLD

INTELLIGENCE

センサー エフェクター

認識Knowledge

Making

意志決定DecisionMaking

運動MotionMaking

記憶体Memory

情報体としての知能のカタチ

中央集権型(セントラルドグマ)

情報集約 単純命令

INTELLIGENCE

エージェント・アーキテクチャ

WORLD

認識 意志決定 I 運動

記憶体Memory

情報体としての知能のカタチ

意志決定 II

意志決定 III

運動

運動

認識

認識

エフェクターセンサー

INTELLIGENCE

エージェント・アーキテクチャ

WORLD

認識 意志決定 I 運動

記憶体Memory

情報体としての知能のカタチ

意志決定 II

意志決定 III

運動

運動

認識

認識

エフェクターセンサー

認識の階層分化=目的に応じた認識

運動の統合

INTELLIGENCE

エージェント・アーキテクチャ

WORLD

認識 意志決定 I 運動

記憶体Memory

情報体としての知能のカタチ

意志決定 II

意志決定 III

運動

運動

認識

認識

エフェクターセンサー

認識の階層分化運動の統合

分散階層レイヤー型

=サブサンプション

参考文献④

ルンバ

http://www.irobot.com/en/us/learn/home/roomba.aspx

「ルンバ」もサブサンプション・アーキテクチャ

ルンバを解放せねば…

たぶんデマ…

http://attrip.jp/65472

ここで、人間の知能のカタチを見てみましょう。

身体性とインテリジェンス

Gray’s anatomy

脳の中心の部位は身体とつながっている。生理機能を司っている。それを囲うように、辺縁体、大脳がある。

意識/無意識の知性

身体の制御につながる

感覚を統合する

知性全体 人の意識的な部分意識自身には機能がない

環境

身体

意識

無意識

意識的な知性

無意識的な知性

表象 意識に浮かび上がるイメージ

意識/無意識の知性

身体の制御につながる

感覚を統合する

知性全体 人の意識的な部分意識自身には機能がない

環境

身体

意識

無意識

意識的な知性

無意識的な知性

表象 = シンボル化する(伝統的な人工知能 =シンボルに基づく人工知能の構築)

意識/無意識の知性

身体の制御につながる

感覚を統合する

知性全体

環境

身体

意識

無意識

意識的な知性

無意識的な知性

表象 意識に浮かび上がるイメージ

「意識的な知性」は伝統的なシンボルに基づく伝統的な人工知能。これまでのエージェント・アーキテクチャで実現できるでしょう。

では、無意識の知能はどうやって実現すればいいのか?

意識/無意識の知性

知性全体

環境

身体

意識

無意識

意識的な知性

無意識的な知性

表象

意識/無意識の知性

知性全体

環境

身体

意識

無意識

意識的な知性

無意識的な知性

表象

この部分を作るのが難しい。

意識/無意識の知性

知性全体

環境

身体

意識

無意識

意識的な知性

無意識的な知性

表象

生態学的人工知能

生態学的人工知能• アフォーダンス• 環世界• 身体性(身体の表現)• 知識表現/世界表現• 身体と運動に基づく世界の認識(運動の表現)• 感覚の機能• 感覚・認識・運動の統合• 無意識の世界解釈の実装• ニューラルネット(本来の意味の神経回路)• 遺伝的アルゴリズム(本来の意味で)

生態学的人工知能とは、世界に根を張る人工知能のこと。

三宅陽一郎「生態学的人工知能」(CEDEC2009)http://igda.sakura.ne.jp/sblo_files/ai-igdajp/cedec2009/PG2009_0901_miya.pdfAIに命を。「ぽかぽかアイルー村」のアフォーダンス指向によるAI事例(CEDEC2011)http://www.4gamer.net/games/100/G010022/20110906085/

参考文献⑤

二つの人工知能理論

生態学的人工知能= 世界に根を張る人工知能のこと。

伝統的人工知能= シンボル上の操作による記号還元主義

二つの人工知能理論

知性全体

環境

身体

伝統的人工知能= シンボル上の操作による記号還元主義

生態学的人工知能= 世界に根を張る人工知能のこと。

二つの人工知能理論

知性全体

環境

身体

伝統的人工知能= シンボル上の操作による記号還元主義

生態学的人工知能= 世界に根を張る人工知能のこと。

きれいさっぱり!清潔!

べたべた!ぬるぬる!

http://free-images.gatag.net/2012/02/03/200000.html

http://photock.jp/detail/wood/587/

二つの人工知能理論

知性全体

環境

身体

伝統的人工知能= シンボル上の操作による記号還元主義

生態学的人工知能= 世界に根を張る人工知能のこと。

きれいさっぱり!清潔!

べたべた!ぬるぬる!

http://free-images.gatag.net/2012/02/03/200000.html

http://photock.jp/detail/wood/587/

伝統的人工知能は、街の中でおしゃれに歩いている感じ、生態学的人工知能は、虫取り網を持って森の中を這いずり回る感じ。

きちんとしたキャラクターAIを作るには、この二つの人工知能を包括する理論を作ることが必要!

伝統的人工知能= シンボル上の操作による記号還元主義

生態学的人工知能= 世界に根を張る人工知能のこと。

未来の人工知能

その下地となる考え方は、新しい考え方が必要だ。

現象学(フッサール、メルロ=ポンティ)

デカルト的な世界の対象と自己を分け対立させるフレームでは包括できない。

自己の定立そのものが世界との共同によって行われるフレームが必要。

世界と自己を同時に記述する形式

現象学的フレームが必要だ。

メルロ=ポンティ

われわれは諸経験の連結という奇跡にたえず

立ち会っているのであり、

またわれわれこそ諸関係のこの結び目なのだ

から、この奇跡がどのようにして生ずるのかを、

われわれ以上に知っているものはいないので

ある。世界も理性も問題とはなりえない。

『知覚の現象学』

現象学=まず世界経験から出発する哲学。

参考文献⑥

まとめ

• 生物は非平衡な散逸構造であり、世界との物質・情報との交換によって自己組織化(構造化)している。

• 生物は情報的側面と物質的側面がある。

• 反応遅延系はサブサンプション構造となり、知能を高度構造化している。

• 伝統的な人工知能に他にもう一つの生態学的な人工知能がある。

• それらを統合しよう。

おしまい。