人工知能のための哲学塾 第一夜「フッサールの現象学」 資料...

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人工知能のための哲学塾 #Act_1 フッサールの現象学

三宅 陽一郎

@miyayou

2015.9.30

@小田急サザンタワー

人工知能のための哲学塾 https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/ 第零回資料 (2015.5.28) http://www.slideshare.net/youichiromiyake/ss-48781470

https://www.facebook.com/youichiro.miyake http://www.slideshare.net/youichiromiyake y.m.4160@gmail.com

人工知能のための哲学塾(予定)

• 第0夜 概観

• 第一夜 フッサールの現象学

• 第二夜 ユクスキュルと環世界

• 第三夜 デカルトと機械論

• 第四夜 デリダ、差延、感覚

• 第五夜 メルロ=ポンティと知覚論

本日のメニュー

• 序章 本セミナーの主旨 • 第一章 キャラクターの人工知能の最新モデル • 第二章 フッサールの現象学入門 • 第三章 デカルトの哲学入門 • 第四章 フッサールの現象学 I (還元) • 第五章 フッサールの現象学 II (志向性) • 第六章 フッサールの現象学 III (ノエシス=ノエマ)

• 第七章 フッサールの現象学 IV (環境世界) • 第八章 現象学の人工知能への応用

本日のメニュー

• 序章 本セミナーの主旨 • 第一章 キャラクターの人工知能の最新モデル • 第二章 フッサールの現象学入門 • 第三章 デカルトの哲学入門 • 第四章 フッサールの現象学 I (還元) • 第五章 フッサールの現象学 II (志向性) • 第六章 フッサールの現象学 III (ノエシス=ノエマ)

• 第七章 フッサールの現象学 IV (環境世界) • 第八章 現象学の人工知能への応用

前置き

本題

※前置きが長いので、哲学的本題については、P.85から飛ばして読んでください。

P.85

本日のメニュー

• 序章 本セミナーの主旨 • 第一章 キャラクターの人工知能の最新モデル • 第二章 フッサールの現象学入門 • 第三章 デカルトの哲学入門 • 第四章 フッサールの現象学 I (還元) • 第五章 フッサールの現象学 II (志向性) • 第六章 フッサールの現象学 III (ノエシス=ノエマ)

• 第七章 フッサールの現象学 IV (環境世界) • 第八章 現象学の人工知能への応用

人工知能のための哲学塾のはじまり

• 三宅が人工知能、特にエージェント開発で用いる哲学について、こういう感じで連続講義したら面白いかも、と fbに書き込みhttps://www.facebook.com/youichiro.miyake/posts/10205993075364716

• 大きな反響

• コミュニティ「人工知能のための哲学塾」を設立(現在、500名ほど) https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/

• 第零夜(今回)セミナー実施

http://peatix.com/event/89330/view

ディスカッション

問1 「デカルトと人工知能」 • デカルト的世界観における人工知能は、どのような可能性と限界を持つか?

問2 「現象学的還元と知能」 • 現象学的還元は知能のコアを明らかにするか?純粋意識は哲学上だけの概念か?

問3 「人工知能と志向性」 • 人工知能において志向性を実装するには、どうすれば良いか?

問4 「現象学的な知識の表現」 • 現象学における知識の表現はどのように変化するか?

問5 「現象学から人工知能を考える」 • 現象学のフレームの中で人工知能を考えると、これまでにないどのような特性が現れるか? • https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/permalink/1203739822974937/

問6 「デカルトとフッサールの人工知能モデルの違い」 • デカルト的世界観における人工知能と、フッサール的世界観の人工知能の違いを議論する。 • https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/permalink/1204838782865041/

問7 今後の哲学塾の運営について

はじめに

• 哲学がどのようにゲームにおける人工知能を作る足場になっているかを解説する。

• これは哲学全体の説明ではなく、ゲームのAIを作る中で必要とされた哲学を、一本の線でつなげて解説しようとする試みである。

• 第0回は、その全体に対して参照を張ることを目標とします。やや散漫になることをご了承ください。

はじめに

哲学全体

はじめに ゲームの中、特にキャラクターという知能を作るために必要とする哲学。 それは僕が必要に迫られて実用の方向からつかんできたもの。

はじめに ゲームの中、特にキャラクターという知能を作るために必要とする 哲学を数珠つなぎにして展開して行きます。

シリーズで取り上げる哲学とその周辺

デカルト

フッサール

ハイデガー

メルロ=ポンティ

サルトル

ブレンターノ

ドイツ現象学派

フランス現象学派

ユクスキュル

マックス=シェーラー

ドイツ留学

ピアジェ

サッチマン

ベルクソン

ベルンシュタイン

チョムスキー

デネット

ソシュール

哲学者 言語学者 科学者 人類学者 心理学者

今回取り上げる哲学とその周辺

デカルト

フッサール

ハイデガー

メルロ=ポンティ

サルトル

ブレンターノ

ドイツ現象学派

フランス現象学派

ユクスキュル

マックス=シェーラー

ドイツ留学

ピアジェ

サッチマン

ベルクソン

ベルンシュタイン

チョムスキー

デネット

ソシュール

哲学者 言語学者 科学者 人類学者 心理学者

心理学への批判 人の内面的な精神活動を 「すべては心理的現象」 として説明することへ批判 心身問題

身体は物質か、 精神か? 身体と心(知能)を 作ろうとした時に、 デカルト的世界観 では間に合わない。

今回取り上げる哲学とその周辺

デカルト

フッサール

ハイデガー

メルロ=ポンティ

サルトル

ブレンターノ

ドイツ現象学派

フランス現象学派

ユクスキュル

マックス=シェーラー

ドイツ留学

ピアジェ

サッチマン

ベルクソン

ベルンシュタイン

チョムスキー

デネット

ソシュール

哲学者 言語学者 科学者 人類学者 心理学者

心理学への批判 人の内面的な精神活動を 「すべては心理的現象」 として説明することへ批判 心身問題

身体は物質か、 精神か? 身体と心(知能)を 作ろうとした時に、 デカルト的世界観 では間に合わない。

機械的世界観(デカルト的)は、世界の外側を解明するのに、ものすごく威力を発揮する(今でも)。

しかし、それが人間、つまり心と身体へ踏み入ろうとした時に、途端にいろいろな問題につきあたる。 哲学的反発が起きる。新しい哲学が生まれる = 心と身体を扱うための哲学

三宅がゲームの人工知能を 作りながら学んだこと

• 外側から知性を機械的に作ることは必要である。ロボット的、プログラム的、工学的知見。

全体を貫くテーマ

• しかし、キャラクターの人工知能で必要なことは、生物の持つ主観的な世界を形成してあげること。

• では、どのように生物の持つ主観的な世界を形成すれば良いか?

• 外側から知性を機械的に作ることは必要である。ロボット的、プログラム的、工学的知見。

• しかし、キャラクターの人工知能で必要なことは、生物の持つ主観的な世界を形成してあげること。

• では、どのように生物の持つ主観的な世界を形成すれば良いか?

全体を貫くテーマ

• いつ、人工知能は主観的世界を持ち始めるか?

• 外側から知性を機械的に作ることは必要である。ロボット的、プログラム的、工学的知見。

全体を貫くテーマ

• いつ、人工知能は主観的世界を持ち始めるか?

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? http://flopdesign.com/download/Human_S/pages/B50.html

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宇宙物理学

心理学・精神医学・動物学・哲学・生物学

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心理学・精神医学・動物学・哲学・生物学

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幾ばくかのことは わかっているが

まだまだ謎がいっぱい

宇宙物理学

幾ばくかのことは わかっているが

まだまだ謎がいっぱい

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本日のメニュー

• 序章 本セミナーの主旨 • 第一章 キャラクターの人工知能の最新モデル • 第二章 フッサールの現象学入門 • 第三章 デカルトの哲学入門 • 第四章 フッサールの現象学 I (還元) • 第五章 フッサールの現象学 II (志向性) • 第六章 フッサールの現象学 III (ノエシス=ノエマ)

• 第七章 フッサールの現象学 IV (環境世界) • 第八章 現象学の人工知能への応用

※ 第一章はP.84 までつづきますが、前回のおさらいなので、とばして読んでも問題ありません。

人工知能 I

おさらい

環境

人工知能とは?

身体

人工知能=人工的な存在(=身体)を環境の中で活動させる

入力(センサー) 行動(アウトプット)

知能

エージェント・アーキテクチャ

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶

センサー・身体

記憶体

情報処理過程

情報 統合

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶

意思の 決定

センサー・身体

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

記憶体

情報処理過程

情報 統合

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶

意思の 決定

身体 制御

エフェクター・身体

運動の 構成

センサー・身体

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶

意思の 決定

身体 制御

エフェクター・身体

運動の 構成

センサー・身体

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

対象・ 現象

情報の流れ(インフォメーション・フロー)

影響を与える 影響を受ける

人工知能 II

おさらい

BLACKBOARD ARCHITECTUR ブラックボード・アーキテクチャ

Blackboard

KS

KS

KS

KS

KS

KS

Arbiter

Bruce Blumberg , Damian Isla, "Blackboard Architectures", AI Game Programming Wisdom (Charles River Media) , 2002

ブラックボード・アーキテクチャ(Knowledge-based AI)

KS (Knowledge Source) は一つの知識に特化したモジュール。 KS はBlackboard上に情報を読み書きする。

Arbiter はKSをコントロール。 KSはBlackboardを通じて連携する

階層型ブラックボード

Primitive data

Analyzed data

More analyzed data

More analyzed data

More analyzed data

KS

KS

© 2014 SQUARE ENIX CO., LTD. All rights reserved

KS

KS

Erman et Al. The Hearsay-II Speech-Understanding System: Integrating Knowledge to Resolve Uncertainty, ACM Computing Surveys (CSUR) Surveys Homepage archive Volume 12 Issue 2, June 1980, Pages 213-253 http://dl.acm.org/citation.cfm?doid=356810.356816

階層型ブラックボード(例)

Hearsay-II Voice Analysis Process

Erman et Al. The Hearsay-II Speech-Understanding System: Integrating Knowledge to Resolve Uncertainty, ACM Computing Surveys (CSUR) Surveys Homepage archive Volume 12 Issue 2, June 1980, Pages 213-253 http://dl.acm.org/citation.cfm?doid=356810.356816

Hearsay-II Voice Analysis Process

Erman et Al. The Hearsay-II Speech-Understanding System: Integrating Knowledge to Resolve Uncertainty, ACM Computing Surveys (CSUR) Surveys Homepage archive Volume 12 Issue 2, June 1980, Pages 213-253 http://dl.acm.org/citation.cfm?doid=356810.356816

Blackboard

Hearsay-II Voice Analysis Process

Erman et Al. The Hearsay-II Speech-Understanding System: Integrating Knowledge to Resolve Uncertainty, ACM Computing Surveys (CSUR) Surveys Homepage archive Volume 12 Issue 2, June 1980, Pages 213-253 http://dl.acm.org/citation.cfm?doid=356810.356816

Blackboard

KS (Knowledge Source)

Hearsay-II Voice Analysis Process

Erman et Al. The Hearsay-II Speech-Understanding System: Integrating Knowledge to Resolve Uncertainty, ACM Computing Surveys (CSUR) Surveys Homepage archive Volume 12 Issue 2, June 1980, Pages 213-253 http://dl.acm.org/citation.cfm?doid=356810.356816

Blackboard Arbiter

KS (Knowledge Source)

Hearsay-II Voice Analysis Process

Erman et Al. The Hearsay-II Speech-Understanding System: Integrating Knowledge to Resolve Uncertainty, ACM Computing Surveys (CSUR) Surveys Homepage archive Volume 12 Issue 2, June 1980, Pages 213-253 http://dl.acm.org/citation.cfm?doid=356810.356816

Hearsay-II Voice Analysis Process

PARAMETER

SYLLABLE

SEGMENT

Erman et Al. The Hearsay-II Speech-Understanding System: Integrating Knowledge to Resolve Uncertainty, ACM Computing Surveys (CSUR) Surveys Homepage archive Volume 12 Issue 2, June 1980, Pages 213-253 http://dl.acm.org/citation.cfm?doid=356810.356816

ブラックボード・アーキテクチャによるエージェント・アーキテクチャ

© 2014 SQUARE ENIX CO., LTD. All rights reserved

Game World

(Environment/Level)

Five senses

Body

Language

Knowledge Representation

Knowledge Making

Decision Making

Body

Motion Making

Information Flow

Memory Internal Cyclic Information Flow

Sensor

Effector

Intelligence

Agent Architecture

Agent Architecture applied Blackboard Architecture

Agent Architecture applied Blackboard Architecture

Agent Architecture applied Blackboard Architecture

Blackboard

Agent Architecture applied Blackboard Architecture

KS (Knowledge Source)

Agent Architecture applied Blackboard Architecture

KS (Knowledge Source) Blackboard

Abstraction

Time

Decision-Making(Knowledge Source)

World

Sensor Effector

World Dynamics

Artificial Intelligence

Blackboard Architecture

人工知能 III

おさらい

サブサンプション・アーキテクチャ

SUBSUMPTION ARCHITECTURE

サブサンプション・アーキテクチャ

INPUT OUTPUT

Time

情報を抽象化

反射的

より抽象的思考

理論的思考

抽象的思考

アクションを生成

古典: 中央集権型(Central domain) すべての知的プロセスが 順番に実行

サブサンプション : 並列 & 多層化 すべての知的プロセスが、 並列に実行

Rodney Brooks, A robust layered control system for a mobile robot Robotics and Automation, IEEE Journal of (Volume:2 , Issue: 1 ) 1986

Roomba (iRobot)

http://www.irobot.com/en/us/learn/home/roomba.aspx

Roomba はサブサンプション・アーキテクチャを持つ

サブサンプション・アーキテクチャ

INPUT OUTPUT

Time

Reactive

R

ロボットは障害物をみつけと ターン。

サブサンプション・アーキテクチャ

INPUT OUTPUT

Time

Reactive

R

ロボットは崖を見つけると 後退する.

サブサンプション・アーキテクチャ

INPUT OUTPUT

Time

Reactive

More Abstract thinking

Abstract thinking

R ロボットは足音を聴くと、 とりあえずストップする。

Subsumption Architecture

INPUT OUTPUT

Time

Reactive

More Abstract thinking

Theoretical thinking

Abstract thinking

R

全部掃除が終わると、 エネルギーステーションに戻る

Subsumption Architecture

INPUT OUTPUT

Time

Reactive

More Abstract thinking

Theoretical thinking

Abstract thinking

サブサンプションを エージェント・アーキテクチャに適用。

情報を抽象化 アクションを生成

Game World

(Environment/Level)

Five senses

Body

Language

Knowledge Representation

Knowledge Making

Decision Making

Body

Motion Making

Information Flow

Memory Internal Cyclic Information Flow

Sensor

Effector

Intelligence

Agent Architecture

Game World

(Environment/Level)

Five senses

Body

Language

Knowledge Representation

Knowledge Making

Decision Making

Body

Motion Making

Memory

Sensor

Effector

Agent Architecture

Hierarchical Recognition

Synthesis of motions

Knowledge Making

Decision Making

Motion Making

Knowledge Making

Decision Making

Motion Making

Game World

(Environment/Level)

Five senses

Body

Language

Knowledge Representation

Knowledge Making

Decision Making

Body

Motion Making

Memory

Sensor

Effector

Agent Architecture

Hierarchical Recognition

Synthesis of motions

Knowledge Making

Decision Making

Motion Making

Knowledge Making

Decision Making

Motion Making

Game World (Environment/Level)

Five senses

Body

Language

Knowledge Representation

Knowledge Making

Decision Making

Body

Motion Making

Memory

Sensor

Effector

Agent Architecture

Hierarchical Recognition

Synthesis of motions

Knowledge Making

Decision Making

Motion Making

Knowledge Making

Decision Making

Motion Making

分散多層知能= サブサンプション

References

http://people.csail.mit.edu/brooks/publications.html

統合された エージェント・アーキテクチャ

Physical Informat

ion

Abstract Informat

ion

More Abstract Informat

ion

Abstraction

Time

Decision-Making

Decision-Making

Decision-Making

Multi-Layered Blackboard

Abstraction

Abstraction

Reduction

Reduction

Reduction

World

Sensor Effector

World Dynamics

Artificial Intelligence

Decision-Making

Decision-Making

Physical Informat

ion

Abstract Informat

ion

More Abstract Informat

ion

Abstraction

Time

Decision-Making

Decision-Making

Decision-Making

Multi-Layered Blackboard

Abstraction

Abstraction

Reduction

Reduction

Reduction

World

World Dynamics

Artificial Intelligence

Object

Object image on the lowest layer (Umwelt)

Object image on the second layer

Object image on the third

layer

Decision-Making Object image

on the top layer

Physical Informat

ion

Abstract Informat

ion

More Abstract Informat

ion

Abstraction

Time

Decision-Making

Decision-Making

Decision-Making

Multi-Layered Blackboard

Abstraction

Abstraction

Reduction

Reduction

Reduction

World

World Dynamics

Artificial Intelligence

Object

Object image on the lowest layer (Umwelt)

Object image on the second layer

Object image on the third

layer

Decision-Making Object image

on the top layer

Physical Informat

ion

Abstract Informat

ion

More Abstract Informat

ion

Abstraction

Time

Decision-Making

Decision-Making

Decision-Making

Multi-Layered Blackboard

Abstraction

Abstraction

Reduction

Reduction

Reduction

World

World Dynamics

Artificial Intelligence

Object

Object image on the lowest layer (Umwelt)

Object image on the second layer

Object image on the third

layer

Decision-Making Object image

on the top layer

Real World

S (Body)

O (Object)

Action: f

O’

Sense: p

S’

Action: f’

Sense: p’

Image of object Image of body (=self)

R R Representation

S (Body)

O (Object)

Action: f

O’

Sense: p

S’

Action: f’

Sense: p’

O’’ S’’

Action: f’’

Sense: p’’

Image of object Image of body (=self)

R R

R R

S (Body)

O (Object)

Action: f

O’

Sense: p

S’

Action: f’

Sense: p’

O’’ S’’

Action: f’’

Sense: p’’

O’’’ S’’’

Action: f’’

Sense: p’’

R R

R R

R R

S (Body)

O (Object)

Action: f

O’

Sense: p

S’

Action: f’

Sense: p’

O’’ S’’

Action: f’’

Sense: p’’

R

R

R

R

Sequence of Self

Sequence of Object

S (Body)

O (Object)

Action: f

O’

Sense: p

S’

Action: f’

Sense: p’

O’’ S’’

Action: f’’

Sense: p’’

R

R

R

R

Sequence of Self

Sequence of Object

“Self” is a sequence of self. “Object” is a sequence of objects.

S (Body)

O (Object)

Action: f

O’

Sense: p

S’

Action: f’

Sense: p’

O’’ S’’

Action: f’’

Sense: p’’

R

R

R

R

Sequence of Self

“Self” is a sequence of self. “Object” is a sequence of objects.

Vector to move Vector to enter

Dude, Where's My Warthog: From Pathfinding to General Spatial Competence, D. Isla, Invited talk, Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment (AIIDE) 2005 http://naimadgames.com/publications.html

S (Body)

O (Object)

Action: f

O’

Sense: p

S’

Action: f’

Sense: p’

O’’ S’’

Action: f’’

Sense: p’’

R

R

R

R

“Self” is a sequence of self. “Object” is a sequence of objects.

Killzone 2 Multiplayer Bots Remco Straatman, Tim Verweij, Alex Champandard | Paris Game/AI Conference 2009, Paris, June 2009 http://www.guerrilla-games.com/publications.html

S (Body)

O (Object)

Action: f

O’

Sense: p

S’

Action: f’

Sense: p’

O’’ S’’

Action: f’’

Sense: p’’

R

R

R

R

“Self” is a sequence of selves. “Object” is a sequence of objects.

Handling Complexity in the Halo 2 AI, D. Isla, GDC 2005 Dude, Where's My Warthog: From Pathfinding to General Spatial Competence, D. Isla, Invited talk, Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment (AIIDE) 2005 http://naimadgames.com/publications.html

ここからが哲学塾。

はじめに

• もちろん、デカルトもフッサールも人工知能を作るために哲学をしたのではなく、

• 人間の知性を知るために哲学しました。 • 同時にそれは学問全体を作ることでした。

• 人工知能もまた同様に「思惟する存在としての知能」というデカルト的な枠に閉じ込められて来ました。

• 現象学はその枠を超えて人工知能を作るための基礎を与えてくれます。

本日のメニュー

• 序章 本セミナーの主旨 • 第一章 キャラクターの人工知能の最新モデル • 第二章 フッサールの現象学入門 • 第三章 デカルトの哲学入門 • 第四章 フッサールの現象学 I (還元) • 第五章 フッサールの現象学 II (志向性) • 第六章 フッサールの現象学 III (ノエシス=ノエマ)

• 第七章 フッサールの現象学 IV (環境世界) • 第八章 現象学の人工知能への応用

現象学事始

• …私たちはこの店のおすすめである杏のカクテルを注文した。アロンは彼のグラスを指さしながら、

• 『ねえ君、君が現象学者ならば、このカクテルに ついて語ることができ、しかもそれは哲学なのだ』

• と言った。サルトルは、それを聞いて感動で青ざめた。ほとんど青ざめた、と言って良い。それこそまさに、彼が何年も前から望んでいたことだったのだ。事物について触れるがままに語り、しかもそれが哲学である、ということは」

(シモーヌ・ド・ボーヴォワール『女ざかり』第三部)

http://irukakissa.com/cocktail/detail.php?id=210

レイモン・アロンの立場(花の絵) http://www.hananoe.jp/culture/bouken/bouken121.html

超越とは?(哲学)

• 超越的(transcendental)

=経験に先立つ。事物に先立つ。

• 超越論

= 経験に先立ち認識を成立させる仕組み

• 超越論的哲学

= 認識の起源を問う哲学のこと。

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶

意思の 決定

身体 制御

エフェクター・身体

運動の 構成

センサー・身体

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶

意思の 決定

身体 制御

エフェクター・身体

運動の 構成

センサー・身体

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

ここで問われていないこと。 =認識の起源について (超越論的問い)

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶

意思の 決定

身体 制御

エフェクター・身体

運動の 構成

センサー・身体

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

ここで問われていないこと。 =認識の起源について (超越論的問い)

そして、自我の問題

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶

意思の 決定

身体 制御

エフェクター・身体

運動の 構成

センサー・身体

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合 人工知能はこの自我、

認識の起源について、

敢えて踏み込んで 来なかったかもしれない。

しかし、これからは、

一つの全体としての知能を作るためには、

探究を続けねばならない。

現象学の祖

ワイエルシュトラウス ドイツの数学者 (現代解析学の父)

ブレンターノ ドイツの哲学・心理学者 (経験哲学・志向性)

フッサール オーストリアの哲学者 (現象学の祖)

現象学の系譜

ハイデッガー ドイツの哲学者 (現象学の後継?)

サルトル/メルロー=ポンティ フランスの哲学者 (フランスの現象学)

弟子

ユクスキュル ドイツの生物学者 (現象学の生物学的応用)

第5回 第2回

現象学の系譜

弟子 第5回 第2回

革新

デカルト 16世紀フランスの哲学者 (欧州近代哲学・近代科学の父)

第3回

デカルトからフッサールへ

「デカルトのコギト」 (17世紀)

「フッサールの還元」 (20世紀)

デカルトの動機 「混乱する学問を確かな基礎の上に体系化する」

• 当時(17世紀)における学問は、さまざまな議論や、宗教が混在しており、学問全体が体系化されていなかった。

• 学問全体をユークリッド幾何学のように整然と体系化できないのか。

• そのためには、あらゆる学問の出発点がなければならない。

• そして、それは誰にとっても確からしいものでなければならない。そこから論理的明証性によって学問全体を再構築するのだ。

本日のメニュー

• 序章 本セミナーの主旨 • 第一章 キャラクターの人工知能の最新モデル • 第二章 フッサールの現象学入門 • 第三章 デカルトの哲学入門 • 第四章 フッサールの現象学 I (還元) • 第五章 フッサールの現象学 II (志向性) • 第六章 フッサールの現象学 III (ノエシス=ノエマ)

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デカルト

世界

デカルト:学問をきちんと確実なものから基礎づけたい。

コギトー

http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN4-00-336131-8

デカルト

世界

デカルト:学問をきちんと確実なものから基礎づけたい。 =もっとも確実なものから出発して論理を組み上げて行く。

コギトー

http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN4-00-336131-8

デカルト

世界

もっとも確実なものってなに?

コギトー

http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN4-00-336131-8

デカルト

世界

全部嘘かもしれない。幻影かもしれない。思い込みかもしれない。 しかし、世界の存在を疑う自分だけは存在する。

コギトー

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デカルト

世界

我、思う(疑う、思惟する)、ゆえに我あり(存在する)。 Cogito Ergo Sum (「デカルトのコギト」と略されます)

コギトー

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デカルト

世界

近代科学、近代合理主義。 近代の出発点を与えた(デカルトの後の人がそう基礎づけた)。

コギトー

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デカルト

世界

近代科学、近代合理主義。 近代の出発点を与えた(デカルトの後の人がそう基礎づけた)。

コギトー

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世界

疑い得ない、 論理の明証によって 築かれる世界

デカルト

近代科学、近代合理主義。 近代の出発点を与えた(デカルトの後の人がそう基礎づけた)。

論理的明証性

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問 「デカルトと人工知能」

• デカルト的世界観における人工知能は、

どのような可能性と限界を持つか?

本日のメニュー

• 序章 本セミナーの主旨 • 第一章 キャラクターの人工知能の最新モデル • 第二章 フッサールの現象学入門 • 第三章 デカルトの哲学入門 • 第四章 フッサールの現象学 I (還元) • 第五章 フッサールの現象学 II (志向性) • 第六章 フッサールの現象学 III (ノエシス=ノエマ)

• 第七章 フッサールの現象学 IV (環境世界) • 第八章 現象学の人工知能への応用

デカルトからフッサールへ

「デカルトのコギト」 (17世紀)

「フッサールの還元」 (20世紀)

• デカルトとその後継者たちの哲学者、この300年、ヨーロッパの学問を支えて来たが、そろそろ、リニュアルする時期だ。

• デカルトの哲学では捉えきれない学問の領域があり、さらに、本来そうであるべき学問が矮小化された形で展開されている。

• 特に論理さえ心理学から説明しようとする 心理学主義はおかしいと感じる。

• 新しい学問を基礎づける哲学が必要だ。

フッサールの動機 「このままでは学問はデカルト主義に閉じ込められてしまう」

フッサールの著作(一部)

1931 1936 1913- 1900-1901

20世紀最大の哲学的潮流(ドイツ、フランスを中心に)

フッサール「デカルト的省察」 (原著:1929, 翻訳:2001,浜渦辰二)

• エポケー

• 眼前に与えられている客観的な世界についてどんな態度決定することも、したがってさしあたり(存在、仮象、可能性存在、推定的存在、蓋然的存在、等々といった)存在について態度決定することも、このようにすべて差し控えること(「禁止すること」、「働かせないこと」)ーあるいは、よく言われて来たように、客観的世界の「現象学的な判断停止(エポケー)」あるいは「括弧入れ」ーは、私たちを無の前に立たせるわけではない。むしろ、まさにそのことによって、あらゆる純粋な体験とあらゆる純粋な思念されたものを含めた、私の純粋な生が、つまり、現象学的な特別な広い意味における現象の全体が、自分のものとなる。 (P.48)

フッサール「デカルト的省察」 (原著:1929, 翻訳:2001,浜渦辰二)

• エポケー

• 判断停止とは、言わば根本的で普遍的な方法であり、これによって私は自分を自我として、しかも、自分の純粋な意識の生をもった自我として純粋にとらえることになる。客観的世界の全体は私のとって存在し、まさにそれが私にとってあるがままに存在するようになるのは、この意識の生においてであり、この意識の生を通じてなのである。 (P.48)

• 超越論的な判断停止(エポケー)という現象学の基礎的な方法は、それがこの超越論的な存在の基盤へと遡らせる限り、超越論的な現象学的還元と呼ばれるのである。

還元とは

• エポケーを通じて、あらゆる認識の起源である自分、そして、あらゆる作用の起源である自分の存在へと、自分自身を引き戻すこと。

• つまり、デカルトが方法的にあらゆるものを疑うことで「疑い得ない我」という出発点を得たように、

• フッサールは、判断を一旦停止(エポケー)することで、あらゆる判断の起源である自分へと自分を還元することで、出発点としての「我」(=超越論的自我=超越論的主観性=純粋意識)を獲得する。

世界

あらゆる体験・経験 世界が定立する

フッサール

超越論的主観性

エポケー

世界

あらゆる体験・経験 世界が定立する

フッサール

超越論的主観性

エポケー

フッサール「デカルト的省察」 (原著:1929, 翻訳:2001,浜渦辰二)

• エポケー

• 眼前に与えられている客観的な世界についてどんな態度決定することも、したがってさしあたり(存在、仮象、可能性存在、推定的存在、蓋然的存在、等々といった)存在について態度決定することも、このようにすべて差し控えること(「禁止すること」、「働かせないこと」)ーあるいは、よく言われて来たように、客観的世界の「現象学的な判断停止(エポケー)」あるいは「括弧入れ」ーは、私たちを無の前に立たせるわけではない。むしろ、まさにそのことによって、あらゆる純粋な体験とあらゆる純粋な思念されたものを含めた、私の純粋な生が、つまり、現象学的な特別な広い意味における現象の全体が、自分のものとなる。 (P.48)

世界

あらゆる体験・経験 世界が定立する

フッサール

超越論的主観性

エポケー

判断停止(エポケー)によって解釈しない世界 =あらゆる純粋体験・経験が哲学の領野になる

世界

あらゆる体験・経験 世界が定立する

フッサール

超越論的主観性

判断停止(エポケー)によって解釈しない世界 = 何が客観・主観とか、そういうことも解釈しない世界、

から出発する

世界

あらゆる体験・経験 世界が定立する

フッサール

超越論的 主観性

(純粋意識)

判断停止(エポケー)によって解釈しない世界 = 何が客観・主観とか、そういうことも解釈しない世界、

から出発する

世界

あらゆる体験・経験 世界が定立する

フッサール

超越論的 主観性

(純粋意識)

判断停止(エポケー)によって解釈しない世界 = 何が客観・主観とか、そういうことも解釈しない世界、

から出発する

志向性

世界

あらゆる体験・経験 世界が定立する

フッサール

超越論的 主観性

(純粋意識)

志向性

判断停止(エポケー)によって解釈しない世界 =あらゆる純粋体験・経験が哲学の領野になる

=世界を括弧に入れる

デカルトからフッサールへ

• 懐疑

• 自己へと還元

• エポケー

• 超越的主観性へ還元

「デカルトのコギト」 (17世紀)

「フッサールの還元」 (20世紀)

問 「現象学的還元と知能」

• 現象学的還元は知能のコアを明らかにするか?純粋意識は哲学上だけの概念か?

本日のメニュー

• 序章 本セミナーの主旨 • 第一章 キャラクターの人工知能の最新モデル • 第二章 フッサールの現象学入門 • 第三章 デカルトの哲学入門 • 第四章 フッサールの現象学 I (還元) • 第五章 フッサールの現象学 II (志向性) • 第六章 フッサールの現象学 III (ノエシス=ノエマ)

• 第七章 フッサールの現象学 IV (環境世界) • 第八章 現象学の人工知能への応用

フッサール「デカルト的省察」 (原著:1929, 翻訳:2001, )

• 志向性

• こうして、およそいかなる意識体験も、それ自身で何ものかについての意識である。…それゆえ、我思うという超越論的な言い方には、もう一つの項が追加されねばならない。すべての思うこと、すべての意識体験は何らかのものを思念しており、この思念という仕方でそれ自身のうちにそのつどの思われたものを伴っており、すべての意識体験がそれぞれの仕方でそうだとも言える。...意識体験を私たちが志向的とも呼ぶ時、この志向性という言葉は、何かについての意識であること、すなわち思うこととしてその思われたものを自らのうちに伴っていること、ほかならぬまさにこのことを意味している。 (P.68)

世界

現象学「志向性」

あらゆる体験・経験 超越論的主観性

志向性

世界

疑い得ない、 論理の明証によって 築かれる世界

デカルト

近代科学、近代合理主義。 近代の出発点を与えた(デカルトの後の人がそう基礎づけた)。

論理的明証性

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世界

現象学「志向性」

あらゆる体験・経験 超越論的主観性

志向性

人工知能のおける志向性

• 単に注意(アテンション)ではない。志向性が存在する。

対象 超越論的主観性

オブジェクト(物体・対象)

人工知能のおける志向性

• 単に注意(アテンション)ではない。志向性が存在する。

対象 超越論的主観性

オブジェクト(物体・対象) オブジェクトだけに限らない(記憶とか)

Abstraction

Time

World

Sensor Effector

World Dynamics

Artificial Intelligence

Object

Abstraction

Time

World

Sensor Effector

World Dynamics

Artificial Intelligence

Object

Object Object

Object

Object

明確に内的対象を 外的事物と同じように 存在するものとして 導入することができる。

Decision-Making

Physical Informat

ion

Abstract Informat

ion

More Abstract Informat

ion

Abstraction

Time

Decision-Making

Decision-Making

Decision-Making

Multi-Layered Blackboard

Abstraction

Abstraction

Reduction

Reduction

Reduction

World

World Dynamics

Artificial Intelligence

Object

Object image on the lowest layer (Umwelt)

Object image on the second layer

Object image on the third

layer

Object image on the top

layer

インフォメーション・フローは 志向性の流れを作り出している。

問 「人工知能と志向性」

• 人工知能において志向性を実装するには、

どうすれば良いか?

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• 第七章 フッサールの現象学 IV (環境世界) • 第八章 現象学の人工知能への応用

フッサール「デカルト的省察」 (原著:1929, 翻訳:2001,浜渦辰二)

• ノエシス的、ノエマ的

• このように、思うこと思われたもの(思われたものとしての)という二つの方向をもった方法的原理に従っていくとき、個々のそのような思うことについて相関的な方向において行われる普遍的な記述がまず開かれてくる。それゆえ、一方では、志向的な対象それ自身について、しかも、それぞれの意識され方において、その対象に属すると思われる諸規定について、また、それらへ眼差しを向けることにおいて現れてくる、それらに属する諸様態(それゆえ、確実に存在する、可能的ないし推測的に存在する、等々の存在の様態、あるいは現在に過去に未来に存在するといった主観的な時間の様態)について記述することである。こうした記述の方向は「ノエマ的」と呼ばれる。これに対立するのは「ノエシス的」な記述の方向で、それは、知覚、想起、過去把持のような、思うことそのもののあり方、意識のあり方、しかも明晰性や判明性のように、それらに内在する様相的区別をともなった仕方に関わる。(P.74)

フッサール「デカルト的省察」 (原著:1929, 翻訳:2001,浜渦辰二)

• ノエシス的、ノエマ的

• それは、世界全体とおよそすべての自然的に存在するものとが、私にとってあるのは、そのつどの意味をもって、私にとって効力をもつものとしてであり、変化し変化のなかで結びついている。、私の思うことがもうt思われたものとしてであること、また、そのようなものとしてのみ、私はそれらに効力を与えているということ、こうしたことである。したがって超越論的な現象学者としての私が、普遍的で記述的な確認作業の主題として持っているのは、それが個々のものであれ普遍的なつながりにおいてであれ、もっぱら、それぞれの意識の仕方の志向的相関者としての対象のみなのである。(P.76)

フッサール「デカルト的省察」 (原著:1929, 翻訳:2001, 浜渦辰二)

• 記述

• いったん具体的な意識の記述という現象学的な課題を引き受けると、現象学以前には研究されることのなかった、真に無限の事実が。私たちに開けてくる。これらの事実はすべて、(具体的な総合的全体としての)個々の思うことに対して、また他の思うことに関し、ても、ノエシスーノエマ的な統一を与えるような総合的構造の事実と呼ぶことができる。この総合の固有性を明らかにすることは、志向的体験としての思うことを、何かについての意識として示すことになり、それゆえ、志向性は「心的現象」の記述的特徴であるという、フレンツ・ブレンターノの有意義な発見を実り豊かなものとし、また記述的な ― 超越論哲学的であるのと同様に、もちろんまた心理学的な ― 意識の理論を切り開くことになる。(P.82)

人工知能のおける志向性

• 単に注意(アテンション)ではない。志向性が存在する。

対象 超越論的主観性

志向性

固有の世界(物質世界、内的世界)への関わり方

http://irukakissa.com/cocktail/detail.php?id=210

知識表現の現象学的拡張

知識表現

ノエシス的表現

ノエマ的表現 対象表現

想起の仕方

どのようにして在るか?

どのように思っているか?

人工知能のおける志向性

• 単に注意(アテンション)ではない。

対象

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人工知能のおける志向性

• 単に注意(アテンション)ではない。志向性が存在する。

対象 超越論的主観性

志向性

固有の世界(物質世界、内的世界)への関わり方

ノエマ的表現 ノエシス的表現

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志向的表現

対象 超越論的主観性

志向性

ノエマ的表現 ノエシス的表現

知識表現

関わり方

志向的表現

Class A

メンバー変数

メンバー関数

志向的表現

Class A

メンバー変数

メンバー関数

ここは意識の過程を 表現しなければならない。

志向的表現(例)

単なる知識表現(knowledge Representation) - グラス 20cm - 杏酒がグラスに入っている。 - レモンがグラス入っている。 - 氷がグラス入っている - -5度 - グラスを持つことができる(アフォーダンス) - 飲むことができる(アフォーダンス)

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志向的表現(例)

志向的表現(Intention representation) - グラス 20cm - 杏酒がグラスに入っている。 - レモンがグラス入っている。 - 氷がグラス入っている - -5度 - グラスを持つことができる(アフォーダンス) - 飲むことができる(アフォーダンス)

- この輝きは黄金に似ているなあ。 - 去年シカゴで飲んだリキュールと同じ味だ。 - レモンはシチリア産かなあ。 - グラスの表面はつるつるで亀のこおらと似ている。

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志向的表現

対象 超越論的主観性

志向性

ノエマ的表現 ノエシス的表現

知識表現

関わり方

現象学的に還元された主観性から、 対象へ至るプロセスを表現する。

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問 「現象学的な知識の表現」

• 現象学における知識の表現はどのように変化するか?

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デカルト主義/新デカルト主義

機能的なAI

汎用性

より豊かなAI

固有性

思考する存在としてのAI 「喜ぶとか悲しい、欲求するとか逃避する、 希望するか恐怖する、決断するとか行為する」 存在としてのAI

フッサール「イデーンI-1」 (原著:1913-28, 翻訳:1979 渡辺二郎 )

• 環境世界

• …私が自分をそのうちに見出しかつまた同時に私の環境世界でも

あるような世界にこそ、実は、私のなす意識の多様に変動するもろもろの自発性の複合体が、関係するのである。すなわち、研究しつつ考察する、記述によって解明し概念化する、比較したり区別したりする、集計したり計算したりする、前提したり帰結したりする、要するに、その様々な形式と段階における理論的意識の、複合体がそれである。同様にまた、心情や意欲の、多くの形態を採って現れる諸作用や諸状態も、右の世界に関係している。(P.129)

フッサール「イデーンI-1」 (原著:1913-28, 翻訳:1979 渡辺二郎 )

• 環境世界

• すなわち、気に入るとか気に入らない、喜ぶとか悲しい、欲求するとか逃避する、希望するか恐怖する、決断するとか行為する、とかが、その例である。これらすべてのものは、さらにそれに加えるに、自発的にそこへと向き直って把握すれば世界が直接的に手の届く向こうに存在していると私に意識されるゆえんの素朴な自我の諸作用をも含めて、これらはみな、コギトというデカルト的なあの一表現によって総括されるものである。自然な仕方で毎日なんということなく生きているときには、私は絶えず、すべての「顕在的な」生を貫くこのコギトという根本形式において、生きているのである。たとえその際私が、コギトということを言表しようがしまいが、また私が「反省的に」自我やコギト作用に向かっていようがいまいが、そうなのである。(P.129)

フッサール「イデーンI-1」 (原著:1913-28, 翻訳:1979 渡辺二郎 )

• 環境世界

• すなわち、気に入るとか気に入らない、喜ぶとか悲しい、欲求するとか逃避する、希望するか恐怖する、決断するとか行為する、とかが、その例である。これらすべてのものは、さらにそれに加えるに、自発的にそこへと向き直って把握すれば世界が直接的に手の届く向こうに存在していると私に意識されるゆえんの素朴な自我の諸作用をも含めて、これらはみな、コギトというデカルト的なあの一表現によって総括されるものである。自然な仕方で毎日なんということなく生きているときには、私は絶えず、すべての「顕在的な」生を貫くこのコギトという根本形式において、生きているのである。たとえその際私が、コギトということを言表しようがしまいが、また私が「反省的に」自我やコギト作用に向かっていようがいまいが、そうなのである。(P.129)

自然的態度

デカルト/フッサール

• 我、思う、ゆえに、我あり、

デカルト

• 我、 、そして、世界が定立している

フッサール

気に入る 気に入らない 喜ぶ 悲しい 欲求する 逃避する 希望する 恐怖する 決断する 行為する ….

デカルト主義/新デカルト主義

機能的なAI

汎用性

より豊かなAI

固有性

思考する存在としてのAI 「喜ぶとか悲しい、欲求するとか逃避する、 希望するか恐怖する、決断するとか行為する」 (自然的態度)としてのAI

デカルトからフッサールへ

• 懐疑

• 自己へと還元

• 思惟による世界

• エポケー

• 超越的主観性へ還元

• 自然的態度による生活的世界

「デカルトのコギト」 (17世紀)

「フッサールの還元」 (20世紀)

世界

疑い得ない、 論理の明証によって 築かれる世界

デカルト

近代科学、近代合理主義。 近代の出発点を与えた(デカルトの後の人がそう基礎づけた)。

論理的明証性

世界

現象学「志向性」

あらゆる体験・経験 超越論的主観性

志向性

世界

現象学「志向性」

あらゆる体験・経験 超越論的主観性

志向性

現象学は純粋意識から出発することで、自分自身を貫いて環境へたどりつく、 その過程全体を知能として捉えることができる。

世界

現象学「志向性」

あらゆる体験・経験 超越論的主観性

志向性

現象学は純粋意識から出発することで、自分自身を貫いて環境へたどりつく、 その過程全体を知能として捉えることができる。その過程を記述する現象学は、 知能を作る知見を与えてくれる。

問 「現象学から人工知能を考える」

• 現象学のフレームの中で人工知能を考えると、これまでにないどのような特性が現れるか?

本日のメニュー

• 序章 本セミナーの主旨 • 第一章 キャラクターの人工知能の最新モデル • 第二章 フッサールの現象学入門 • 第三章 デカルトの哲学入門 • 第四章 フッサールの現象学 I (還元) • 第五章 フッサールの現象学 II (志向性) • 第六章 フッサールの現象学 III (ノエシス=ノエマ)

• 第七章 フッサールの現象学 IV (環境世界) • 第八章 現象学の人工知能への応用

現象学が教えること。

• 知能は思惟する存在だけではなく、あらゆる感情、あらゆる行為を行う存在である。

• そのあらゆる感情作用、あらゆる行為が、知能の持つ世界を構成する。

• そして、あらゆる感情、あらゆる行為は世界において、或いは自分自身において対象を持つ。つまり、何かを志向する形で存在する。

• 現象学は対象と共に、志向する様相も記述する。

問 「デカルトとフッサールの 人工知能モデルの違い」

• デカルト的世界観における人工知能と、

フッサール的世界観の人工知能の違いを

議論する。

現象学が教えること。

• 知能は思惟する存在だけではなく、あらゆる感情、あらゆる行為を行う存在である。

• そのあらゆる感情作用、あらゆる行為が、知能の持つ世界を構成する。

• そして、あらゆる感情、あらゆる行為は世界において、或いは自分自身において対象を持つ。つまり、何かを志向する形で存在する。

• 現象学は対象と共に、志向する様相も記述する。

新デカルト主義(フッサールによるデカルトのコギトの拡張)

自然的態度による世界の定立(括弧に入れられた世界)

志向性

ノエシス=ノエマ

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶

意思の 決定

身体 制御

エフェクター・身体

運動の 構成

センサー・身体

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

デカルトからフッサールへ

• このモデルは「思惟する存在としての知能」という枠に閉ざされている。

• 対象と世界も思惟する対象、思惟された世界である。

• そうではなくて、現象学的なより多様な世界を捕まえられる知能を構成せねばならない。

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶 身体 制御

エフェクター・身体

運動の 構成

センサー・身体

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

意思決定 モジュール

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

あらゆる

世界に対する作用

恣意的な意思決定だけでなく、 生き物が世界に対して、 自然的態度の中で持つ、 あらゆる志向を考える。

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶 身体 制御

エフェクター・身体

作用の 構成

センサー・身体

作用

作用

作用

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

あらゆる

世界に対する作用

意識

無意識

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶 身体 制御

エフェクター・身体

作用の 構成

センサー・身体

作用

作用

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

あらゆる

世界に対する作用

作用 内的 世界

作用は外へ向かうだけでなく、 自分自身の記憶などへの作用も含まれる。

つまり還元された純粋意識から見れば、 内面、環境を含めたもの=対象への

作用が定義される。

作用

意識

無意識

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶 身体 制御

エフェクター・身体

作用の 構成

センサー・身体

作用

作用

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

あらゆる

世界に対する作用

作用 内的 世界

作用は外へ向かうだけでなく、 自分自身の記憶などへの作用も含まれる。

つまり還元された純粋意識から見れば、 内面、環境を含めたもの=対象への

作用が定義される。

作用

意識

無意識

知能の世界

環境世界

認識の 形成

記憶 身体 制御

エフェクター・身体

作用の 構成

センサー・身体

作用

作用

記憶体

情報処理過程 運動創出過程

身体部分

情報 統合

運動 統合

あらゆる

世界に対する作用

作用 内的 世界

つまり、感情、動作、判断などは 対象を持つ「作用」として、統一的に構築する。

何かに対して思うことと、 何かに対して行動しようとすることも、

より深いレべルでは同じ。

作用

意識

無意識

現象学が人工知能にもたらすもの

• 知能は思惟する存在だけではなく、 • 作用(感情、思索行為)を行う存在として定義せよ。

• そのあらゆる感情作用、あらゆる行為、あらゆる思惟が、知能の持つ世界を構成する。

• 上記の作用を対象と結びつけよ。ただ、作用は実世界だけでなく、絶対的主観から世界へ至る間にあるものも含む。

• 現象学は対象と共に、志向する様相も記述するから、 • さまざまな現象学の成果を利用できる。利用せよ。

考える知能 → あらゆる作用をする知能

思惟による世界だけでなく、より多様な世界の側面を構成せよ。

対象世界を多様化、さらに現実世界だけでなく、内的世界にも対象を持て。

ノエシス=ノエマ

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

思惟する

思惟する存在としての知能というデカルト的な フレームでは、こういう人工知能になる。

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

思う。感じる

世界に対する感情・判断もまた構成すること。 それが知性を構築するために必要だ。

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

判断する

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

この状況に対して希望を持つ

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

この状況に対して希望を持つ

世界に対して、どのような世界の 諸様相(状況・対象・予測)に対して作用を形成する

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

世界に対して、さまざまな作用(志向)を形成せよ。

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

世界に対して、さまざまな作用(志向)を形成せよ。

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

それが知性の正体でもある。

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

それがどうやって知的な行動を可能にしているか、 探究するかは、人工知能の課題である。

現象学と人工知能

AI

対象 (たとえば敵)

この方法は、よりシンプルな人工知能の作り方を提示し、 同時に、これまでこらえれなかった壁を越えさせてくれるはずだ。

• まず認識と行動は分けない。

• 認識も行動も同じく作用として我(=純粋意識か)から構成される。内面的なもの、環境的なものに対する作用である。

• その上で認識は世界から感覚から来るさまざまな諸情報と共同で認識を形成するが、そこには志向的な矢が貫かれている。

• 行動は世界的に対する我からの態度・直接的な作用として形成される。そこにも環境と共に、行動を協調創作するという捉え方をする。

現象学と人工知能

現象学と人工知能

世界

あらゆる体験・経験 超越論的主観性

志向性

認識

行動

志向的な矢

志向的な矢

現象学と人工知能

世界

あらゆる体験・経験 超越論的主観性

志向性

認識

行動

志向的な矢

志向的な矢

杏カクテルをどう感じるか? 我から対象に至る志向的過程を記述せよ。

現象学と人工知能

世界

あらゆる体験・経験 超越論的主観性

志向性

認識

行動

志向的な矢

志向的な矢

杏カクテルをどうつかむか? 我から対象への行動に至る志向的過程を記述せよ。 同時にそれはつかむことによる体験を記述せよ。

現象学事始

• …私たちはこの店のおすすめである杏のカクテルを注文した。アロンは彼のグラスを指さしながら、

• 『ねえ君、君が現象学者ならば、このカクテルに ついて語ることができ、しかもそれは哲学なのだ』

• と言った。サルトルは、それを聞いて感動で青ざめた。ほとんど青ざめた、と言って良い。それこそまさに、彼が何年も前から望んでいたことだったのだ。事物について触れるがままに語り、しかもそれが哲学である、ということは」

(シモーヌ・ド・ボーヴォワール『女ざかり』第三部)

http://irukakissa.com/cocktail/detail.php?id=210

レイモン・アロンの立場(花の絵) http://www.hananoe.jp/culture/bouken/bouken121.html

本講演のまとめ

• 学問がデカルト的世界観に閉じ込められて来た。20世紀初頭、現象学はその拡張・解放として現れた。

• 現代の人工知能は未だデカルト的世界観に閉じ込められている傾向が強い。現象学はそこからより多様な知能を作り出す基礎を与えてくれる。

• そして、具体的にどのような作り方をすればいいかは、個々の対象に対する現象学が教えてくれるはずだ。

いろいろな現象学

現象学

• 現象学とは何かについての学問ではなくて、学問を基礎づける学問。

• イデーンIIIは「諸科学の基礎」となるはずだった。

• 現象学は「~の現象学」という形でさまざまな学問を記述的に展開する。

メルロ=ポンティ「知覚の現象学」 (原著:1945, 翻訳:1967,竹内芳郎・小木貞孝訳)

• フランス現象学。 • 感覚と身体の現象学。 •

• 身体性の問題の名著。 用される

http://www.msz.co.jp/book/detail/01933.html

ユクスキュル「生物から見た世界」(原著:1933, 翻訳:2005)

• 主体が知覚するものはすべてのその知覚世界になり、作用するものはすべてその作用世界になるからである。知覚世界と作用世界が連れだって環世界(Umwelt)という一つの完結した全体を作りあげているのだ。(P.7)

• 環世界の研究の第一の課題は、動物の環境の中の諸知覚標識からその動物の知覚標識を探り出し、それでその動物の環世界を組み立てることである。(P.28)

• すべての動物種は、彼固有の「環境」(Umwelt)の中心を占め

ている。彼は、その「環境」に対して、自律的な主体として登場する。

• すべての動物種の「環境」は、「知覚世界」と「活動世界」に二分することができる。この二分された世界は、動物の身体という「内的世界」によって、ふたたびひとつの全体へ統合されている。

• すべての動物種の「環境」には、当該の動物種に

のみ属する事物しか存在しない。

• すべての生物を包括するような 、唯一の普遍的かつ

絶対的な空間、唯一の普遍的かつ絶対的な時間

というものは存在しない。(P.330)

ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 翻訳:2012)

ユクスキュル「動物の環境と内的世界」(原著:1921, 翻訳:2012)

• …当該の動物の体制に照応して、その動物に影響を及ぼす上述の諸

作用のみが、動物固有の世界を構成する要因として残るのである。この要因の数および相互の共属性は体制によって規定されている。外的要因と体制とのこの本質的連関が慎重に解明されたとき、それぞれの動物を取り巻く、われわれのそれとはまったく異なるひとつの新しい世界の環が閉じ完成する。それがつまりはその動物の「環境」(seine Umwelt)である。(P.13)

• 「環境」の要因が客観的に存在するように、この「環境」という外的要因によって当該の動物の神経系の内部に喚起される作用もまた、客観的に把握されねばならない。これらの作用もまた、外的要因の場合と同様に、体制によって選択され制御されているからである。体制とこの諸作用が共働して、動物の「内的世界」を形成する。(P.14)

• この「内的世界」は、客観的な研究の偽らざる成果であって、心理学的な思弁によって曇らされてはならない。(P.14)

グループワーク用 課題

グループワーク

• 興味のあるテーマ毎に6~8人で集めてください。

• 議論のリーダーを決めてください。

• 議論の内容は簡単なまとめを「人工知能のための哲学塾」のサイトへアップしてください。

• https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/

問 「デカルトと人工知能」

• デカルト的世界観における人工知能は、

どのような可能性と限界を持つか?

問 「現象学的還元と知能」

• 現象学的還元は知能のコアを明らかにするか?純粋意識は哲学上だけの概念か?

問 「人工知能と志向性」

• 人工知能において志向性を実装するには、

どうすれば良いか?

問 「現象学的な知識の表現」

• 現象学における知識の表現はどのように変化するか?

問 「現象学から人工知能を考える」

• 現象学のフレームの中で人工知能を考えると、これまでにないどのような特性が現れるか?

問 「デカルトとフッサールの 人工知能モデルの違い」

• デカルト的世界観における人工知能と、

フッサール的世界観の人工知能の違いを

議論する。

謝辞

• ご清聴、議論、ご参加ありがとうございました。

• ご質問は気軽に「人工知能のための哲学塾」に書き込んでください。

• 登録されてない方は気軽にご申請ください。https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/

• ありがとうございました。

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