認知症ケアと自我心理学 担当教員:訓覇 法子 スーパー...

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26

2単位

専門科目/医療・福祉マネジメント科目群

認知症ケアと自我心理学認知症ケアの基礎をなす、人間を理解するための自我心理学

受講するにあたって

講義目的・到達目標

講義の構成

まず、講義の目的と目標を明確にし、講義の進め方を確認する。次に、認知症ケアの質向上のために必要な教育(知識向上)の意義を理解し、最善の認知症ケアとは何か、ケアの出発点をなす人間関係の形成について考える。次に、なぜ認知症ケアにおいて自我機能に関する自我心理学の知識が必要なのかを考える。さらに自我及び自我機能とは何かを理解し、自我心理学者ベラック(Bellak, 1973)に基づいた12の自我機能とそれらの自我機能の相互作用を理解する。これらの基礎知識を踏まえて、認知症疾患によって生じる多様な認知障害・自我機能の変化(悪化・低下)を考察し、支援する人が「補助自我」として認知症の人の弱まった自我機能を補助し、支える対応法の具体例を取り上げ、各自の実践や経験に照らし合わせる。適切な時点で、認知症ケアの重要な前提である認知症疾患に関する医学的な基礎知識を習得するために、認知症疾患の専門医によるゲスト講義という形で導入する。

講義の流れ

知識を単に暗記するのではなく、批判的検証力を履修者各自が身に着けることを重視する。批判的検証・考察に必要な「各自が考える作業」と「根拠ある見解」を生成するために、担当教員が提起する課題についてグループ討議を行い、各グループが発表し、発表結果を担当教員が整理し、理論化する方法をとる。したがって、履修者の積極的な授業参加を要求する。

講義のポイント

認知症は高齢になるほど発症率が高くなるため、認知症ケアは長寿・超高齢社会日本が直面する最も深刻な課題である。認知症ケアの先進国スウェーデンは、国政基本方針(2010年)において早期医学診断の他、本人中心のケアや複数専門職によるチームワークの必要性とともに、教育の重要性をケアの質向上の重要な条件として掲げる。本人を中心としたケアとは、良い認知症ケアの出発点とは何か? 信頼ある人間関係の形成はなぜ重要なのか? 支援する人のパーソナリティ(人なり、人柄、個人性)を理解することは、ケアの質向上にどのような意義をもたらすのか?教育による知識向上がもたらす意義を考える。

良い認知症ケアとは何か

認知症ケアの難しさは、認知症疾患とその進行によってパーソナリティの基礎をなす自我機能が悪化・低下することにあり、これらの変化は多様な認知障害(問題行動)の背景をなす。認知症の人の尊厳や自己決定を尊重し、できる限り自立した生活を可能にするのが、弱まった自我を支える対応法である。最善のケアを提供するには、まず認知症の人の自我機能の変化を理解し、内包される多様な能力を総合的に把握することが必要である。自我とは、認知、感情、行動などの精神諸機能を統制する心的機関・装置である。実践を根拠あるものにし、良い人間関係を形成するにあたっても、精神的負担の重い介護職員や家族が自らの自我機能を分析することが必要である。支援を必要とする人と支援する人の出発点として、12の自我機能の基礎知識を修得する。

パーソナリティを構成する自我機能

講義の目的と目標の設定・講義の進め方1

本人中心のケアとパーソナリティ3

良い認知症ケアとは何か2

パーソナリティの基礎をなす12の自我機能4

認知障害による自我機能の変化5

自我を支える対応法6

①認知症ケア分野や他の介護分野における支援の難しさや曖昧な点を整理しておくこと。 ②参考図書の認知症ケアと自我機能に関する部分を読み、理解の難しいあるいは曖昧な点を整理しておくこと。

①事前学習の すすめ

キャッシュ&サンデル(訓覇法子訳)『認知症ケアの自我心理学:自我を支える対応法』クリエイツかもがわ、2015②参考図書

グループ討議への積極的参加を評価に加える。講義2日目の終わりに、1時間の筆記試験を実施する(持ち込み不可)。評価は、講義内容の正確な理解力と批判的検証による考察力を重視する。講義は積み重ねであるため完全出席の努力とともに、単位修得のみの動機による履修は控えること。

③評価基準

2日間の講義では十分内容を理解することは難しいために、担当教員が適切であると判断する参考文献を指定し、必要に応じて資料を配布する。自分の理解が正しかったかどうかを確かめ、理解を深めるためにそれらを必読すること。

④より学びを 深めるために

担当教員:訓覇 法子 2単位

専門科目/医療・福祉マネジメント科目群

スーパービジョンの理論と実践実践を振り返り、沈黙の知識に言葉を与え・理論化し、職業人としての自己発達を図るためのスーパービジョン

受講するにあたって

①スーパービジョンに関する理解の曖昧な点を整理しておくこと。 ②参考図書のスーパービジョンに関する部分を読み、理解の難しいあるいは曖昧な点を整理しておくこと。

①事前学習の すすめ

キャッシュ&サンデル(訓覇法子訳)『認知症ケアの自我心理学:自我を支える対応法』クリエイツかもがわ、2015②参考図書

グループ討議への積極的参加を評価に加え、講義2日目の終わりに1時間の筆記試験を実施する(持ち込み不可)。評価は、講義内容の正確な理解力と批判的検証・考察力を重視する。講義は論理的な積み重ねであるため完全出席の努力とともに、単位修得のみの動機による履修は控えること。

③評価基準

講義目的・到達目標

講義の構成

日本では比較的新しい現象であるソーシャルワークにおけるスーパービジョンの原型は、欧米の慈善事業組織における現場教育にさかのぼる。スーパービジョンの本格的な発展はソーシャルワークが発展した1970年代半ばからであるが、伝統や種類は多様であり、カウンセリング、ガイダンス、コーチングなどの多様の療法・支援事業形態との境界線も明瞭ではない。したがって、まず国際的観点からスーパービジョンの定義を問題化し、多様な焦点を整理し、他の療法・支援事業との境界線を考察する。

スーパービジョンとは何か

スーパービジョンに関する基礎的な知識を習得する。スーパービジョンの領域や焦点は多様であるが、ここでは支援事業における支援者とクライアントの人間関係に焦点を置き、グループスーパービジョンを中心に、クライアントに対する支援者の感情的反応や対応(解決能力)を主な対象とする。スーパービジョンの目的と意義・重要性、基本的構造と基本的過程(実施条件)、スーパーバイザーとスーパーバイジーの相互関係とそれぞれの役割、スーパーバイザーに要求される基本的条件、主な手法、多様な理論的視野について学び、理解する。

スーパービジョンの目的と意義・基本的構造と過程・主な手法

まず、講義の目的と目標を明確にし、講義の進め方を確認する。次に、スーパービジョンとは何かを理解するために、スーパービジョンが発展した歴史的背景や伝統、他の療法・支援事業形態との境界線を吟味する。次に、スーパービジョンの多様な定義や焦点を取り上げ、問題化する。次に、スーパービジョンの目的と意義、重要性を明確にし、実施にあたっての基本的構造と基本的過程を理解する。さらに、スーパーバイザーとスーパーバイジーの相互関係やそれぞれの役割を議論するるとともに、スーパーバイザーに要求される資質や倫理的姿勢などの基本的条件を理解する。スーパービジョンに使用される理論的視野や手法は多様であるが、その中から使用しやすく、有効なものを取り上げる。

講義の流れ

知識を単に暗記するのではなく、批判的検証力を履修者各自が身に着けることを重視する。批判的検証・考察に必要な「各自が考える作業」と「根拠ある見解」を生成するために、担当教員が提起する課題についてグループ討議を行い、各グループが発表し、発表結果を担当教員が整理し、理論化する方法をとる。したがって、履修者の積極的な授業参加を要求する。

講義のポイント

講義の目的と目標の設定・講義の進め方1

スーパービジョンの定義と多様な焦点3

スーパービジョンの基本的構造と基本的過程5

2スーパービジョンの歴史的背景・伝統と他の療法・支援事業形態との境界線

スーパービジョンの目的と意義4

スーパーバイザーに要求される条件6

スーパービジョンの多様な手法7

2日間の講義では十分内容を理解することは難しいために、担当教員が適切であると判断する参考文献を指定し、必要に応じて資料を配布する。自分の理解が正しかったかどうかを確かめ、理解を深めるためにそれらを必読すること。

④より学びを 深めるために

担当教員:訓覇 法子

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