頸椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症 · これか ら命を大切にしたいです。...

Post on 30-May-2020

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 脊椎は身体を支える重要なもので、7つの頚椎、12の胸椎、5つの腰椎、仙骨、尾骨で構成されています。脊椎の中には脊柱管があり、脳から発し手足に届く神経がその中を通っていますが、加齢性変化、外傷、腫瘍などにより神経の通り道が障害されると、神経が痛んでいろいろな症状がでます。特に障害されやすいのは、よく動く部分である、頚

く び

椎と腰こ し

椎です。今回は頻度の多い疾患について、ご紹介します。 頚の病気で多いのが「頸椎症性脊髄症」です。加齢変化による頚椎症(椎間板の膨隆・骨のとげの形成)によって、頚椎の脊柱管内の神経(脊髄)が圧迫されて症状が出ます。ボタンのはめ外し、お箸の使用、字を書くことなどが不器用になったり(手指巧緻運動障害)、歩行で脚がもつれるような感じや階段で手すりを持つようになったりという症状が出ます。また手足のしびれも出てきます。MRI で脊髄の圧迫が認められれば診断できます。(図1)神経の通りに余裕がないため、転倒などの軽微な外傷で四肢麻痺(脊髄損傷)になる可

能性が存在しますので、転倒しないように注意して下さい。一般的に日常生活に支障があるような手指巧緻運動障害を自覚したり、階段昇降に手すりが必要となったりすれば、手術的治療が選択されます。手術は、首の後ろを約 10cm 程度切開し、骨の一部を削って神経の通り道を拡大する、脊柱管拡大術を行います。 腰で多いのが、「腰部脊柱管狭窄症」です。年をとる

頸椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症 リハビリテーション科部長 堀 岳史

図 1 頸椎症性脊髄症 MRI    正常       頸椎症性脊髄症

雪椿かわら版● 27 年 10 月 77 号

 長野県看護協会からの依頼を受け、

「いのちの授業」を始めて5年になります。主に、小学生を対象に日頃助産師として仕事をする中で感じている命の大切さをお伝えしています。今年は始めて親子レクでの授業も担当させていただきました。 自分の命・お友達の命は大切で奇跡であるということを、助産師として経験している出産の場面を通して小学生のみんなにも感じてほしいと思いお話しています。そして自分もお友達も、家族やたくさんの人に大切にされてここまで生きてきたことを感じてほしいと思っています。 「命は大切である」という当たり前のことが当たり前に感じにくい今の時代の流れの中で過ごしている子どもたちが、この授業を通して「命」を考え自分の命・自分以外の人の命を大切にしてほしいと願っています。 昨年は「助産師になりたい」と感想を書いてくれた方がいたこと、とても嬉しく思います。そして以下は授業後に頂いた感想です。

~いのちの授業って?~ 助産師 岡本 次 

◦ 70 兆分の1とし てうまれてきた ぼくをお父さん お母さん 11 年間 大切に育ててく  れてありがとう。◦私も赤ちゃんを 産んで大変だけ ど命をどんどん つなげて幸せに なりたいです。

◦とても小さい赤ちゃんがだんだん大きくなっていく のがとてもすごいことなんだと思いました。これか ら命を大切にしたいです。◦命を大事にしようと改めて感じました。◦自分が産まれるのを楽しみにしていてくれる人がい たのを想像するとうれしい。◦あんなに小さい命からこんなに大きくなるなんてす ごいと思った。◦ 生 き る こ と を 大 事 に し て こ れ か ら も ぼ く は、  この命を大事にしてお母さんお父さんを大切にした いです。 いつも授業後の感想に支えられています。話を聞いて下さったみなさんありがとうございます。

授業で使用しているスライドより

と背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、靱帯が厚くなったりして、脊柱管が狭くなって(狭窄)、それによって神経が圧迫を受け発症します。腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状はありませんが、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、ふとももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。しかし、すこし前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減するため、杖をついたり、シルバーカーを押して腰を少しかがめると楽に歩けます。もっとも特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間

か ん け つ は こ う

歇跛行で、長い距離を続けて歩くことができません。進行すると、下肢の力が落ちたり、肛門周囲のほてりや尿の出がわるくなったり、逆に尿が漏れる事もあります。詳しく診断するためには MRI や脊髄腔造影などの検査が必要となります。(図2)下肢の動脈がつまって血行障害を生じた時にも似たような症状がおこりますので、原因を正確に調べることが必要です。治療は、手術ではない治療としてはリハビリテーション、コルセット、神経ブロックや脊髄の神経の血行を良くする薬などがあります。これらで症状が改善することもあります。しかし、歩行障害が進行し、日常生活に支障が出てくる場合には手術を行うこともあ

ります。手術方法には、骨や靭帯の一部を削って、神経の圧迫を解除する除圧術に加えて、腰椎が不安定である時には、ネジを用いた固定術を併用することもあります。 これまで挙げた症状のある方は、外来の予約を取っていただければと思います。皆様が健康的に暮らせる手助けができるよう、努力していきます。よろしくお願い申し上げます。

出前講座より

図 2 腰部脊柱管狭窄症 MRI

     正常の腰椎 脊柱管狭窄症

雪椿かわら版● 27 年 10 月 77 号

雪椿かわら版● 27 年 10 月 77 号

患者さん相談窓口通信アイドリングストップにご協力を

 当院正面玄関の屋根つきスペースではアイドリングストップをお願いしています。 アイドリングストップとは、車が走っていない時にエンジンをかけっぱなしにする事(アイドリング)を出来るだけやめましょうという事です。不必要なアイドリングをやめる事により燃量の節約ができ、排気ガスによる有害物質も減らせます。 また、来院する患者さんには呼吸器系の病気の方もいらっしゃるため、なるべく排気ガスを減らす事も重要です。たとえわずかな時間でも車のエンジンを切りましょう。エンジンがかかっている車の方にはお声がけをする場合もあります。ご協力をお願いいたします。 なお、タクシー乗り場においては利用者さんに車内で快適にすごしていただくためにアイドリングで待機しております。ご理解をお願いいたします。

Smile

笑顔のリレー

〜笑顔の配達人〜

助産師

松本 邦子まつもと  くに こ

〈一   言〉お伊勢さんで有名な伊勢赤十字病院より参りまし       た松本です。短期間ですが、仕事も!信州も!!       楽しんで勤めたいと思います。よろしくお願いし       ます。〈期   間〉平成27年10月1日~平成27年12月31日

応援に来ていただきました

お知らせ

●前看護部長の小平恵子様より寄付を い た だ き エ アマット2枚と褥瘡マット 15 枚を購入いたしました。

寄付金で購入

●アトリウムホール(2カ所)と3階家族待合室に 本棚を設置いたしましたので、ご利用ください。

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