聖隷浜松病院 総合診療内科 担当 杉山耀一 監修 堀 博志 渡邊...

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Clinical question 2017年3月12日JHOSPITALIST Network

聖隷浜松病院 総合診療内科担当 杉山耀一監修 堀 博志

渡邊卓哉

分野 消化器テーマ 診断検査

【症例】 11歳男児

【主訴】 腹痛

【現病歴】

前日の21時頃より臍部周辺の腹痛を認め、徐々に増悪。翌日1時頃に受診し、待合室で1回嘔吐。

下痢なし、便秘なし、嘔吐あり(1回)、移動痛なし、食思不振あり

【既往歴】 気管支喘息、鼠径ヘルニア

【来院時現症】vital:BT 36.0℃、BP 116/62mmHg、HR 126bpm、RR 24/min、SpO2 100%(room air)心音:整、雑音なし呼吸音:清、左右差なし腹部:平坦、軟、腸蠕動音低下、右下腹部圧痛(+)、反跳痛(-)、tapping pain(-)、咳嗽・跳躍時の疼痛(-)【血液検査】CRP:0.6mg/dL, WBC:7100/μL, Neu:45.1%【エコー】腹水(-)、胆嚢腫大(-)、腎盂拡大(-)、虫垂描出できず

虫垂炎としては非典型的な症状もあるが、そもそも小児の虫垂炎の症状は成人と異なるのか?

血液検査で炎症反応が高値でない、エコーで虫垂が直接描出出来ないといった場合の解釈や対応は?

本症例を虫垂炎と診断もしくは除外する方法は?

CQ1 小児の虫垂炎の症状は?

CQ2 小児の虫垂炎の診断に有用な検査は?

CQ3 小児の虫垂炎のPrediction ruleは?

虫垂は盲腸から生じる憩室の一種◦ 新生児・乳児:平均4.5cmで漏斗状

◦ 1~2歳以上の小児・成人:平均9.5cmで円錐形

粘膜下リンパ濾胞を有する結腸上皮を伴う◦ 何らかの免疫学的機能を有する

◦ リンパ濾胞の過形成は10代後半に最も盛んになる

虫垂の位置する部位は様々

64%

32%

2% 1%

0.4% 盲腸後部

骨盤内

盲腸下部

回腸前部

回腸後部

Annals of Emergency Medicine. 2000;36:39-51.

Emergency Medicine Practice. 2011;13:1-29.

管腔閉塞を伴う機序と伴わない機序がある◦ 管腔閉塞を伴う機序:リンパ濾胞過形成、糞便、異物、寄生虫、腫瘍

◦ 管腔閉塞を伴わない機序:細菌感染による粘膜潰瘍

男児に多い(生涯罹患率は男性8.6%、女性6.7%)

年長になるほど罹患率が上昇する◦ 生後~4歳:1~2/10,000例(*1)

◦ 10~17歳:25/10,000例(*2)

→虫垂が短く、漏斗状であると

管腔閉塞を起こしにくいため(*1)

→リンパ濾胞の過形成が10代

後半でピークを迎えるため(*2)

▲男性○女性

Annals of Emergency Medicine. 2000;36:39-51.

成人より穿孔を来たす割合が高く、若年になるほど上昇する

季節性がある(春と秋に多い)

→腸内感染の発症が増加するため

食物線維の摂取減少は虫垂炎発症のリスクである

→食物線維が糞便の粘度を下げ、管腔閉塞を防ぐため

(%)

穿孔虫垂炎の割合

Annals of Emergency Medicine. 2000;36:39-51.Nelson Textbook of pediatrics

0

20

40

60

80

100

<1 1~2 2~3 3~4 4~5 Journal of Pediatric Surgery. 2015;50:1569–1573.(歳)

小児 の虫垂炎は年齢毎に症状が異なる

≦2歳 3~5歳 ≧6歳

発熱 40-60% 80-87% *

嘔吐 85-90% 66-100% 68-95%

右下腹部痛 <50% 58-85% ほぼ100%

びまん性の腹痛 55-92% 19-28% 15%

3歳以上と比較してびまん性の腹痛が多い

一般的に嘔吐が腹痛に先行する

移動痛は1/3以上で認められない

不機嫌・咳嗽・呻吟などの非特異的症状を認める

発症早期では発熱の割合が低い

Annals of Emergency Medicine. 2000;36:39-51.

<非典型的な症状とその割合は?>Atypical Clinical Features of Pediatric Appendicitis

Academic Emegency Medicine. 2007;14:124–129.

腹痛を訴えて救急外来を受診した755例(平均11.9歳、36%が虫垂炎)が対象の後向き観察研究

最終診断は、病理学的もしくはフォローの電話で行った

以下が主な非典型的症状①38℃以上の発熱がない(83%)②Rovsing徴候がない(68%)③腸蠕動音亢進もしくは正常(64%)④反跳痛がない(52%)⑤移動痛がない(50%) 虫垂炎患者のうち44%は6つ以上

の非典型的症状を示した(右図)

小児の虫垂炎は誤診されることが多く、診断の遅れは穿孔・膿瘍形成・術後感染・入院期間の延長に繋がる◦ 誤診率は3歳以下で最も多い

◦ 最も誤診されやすい疾患は胃腸炎

年齢 誤診率

3歳以下 70-100%

3~5歳 19-57%(穿孔時は43-72%)

6~12歳 12-28%

成人 15%

Annals of Emergency Medicine. 2000;36:39-51.

Annals of Emergency Medicine. 2000;36:39-51.

小児の虫垂炎は非特異的な症状を呈することも多く、誤診されることが多い

誤診による診断の遅れは穿孔など重大な合併症に繋がる

上記ゆえに慎重な診断が重要である

小児の虫垂炎を診断・除外するためにはどのような検査が有用か?

AUC:0.86

全患者

発症から24時間以上経過した患者

【血液検査】Use of White Blood Cell Count and Negative Appendectomy Rate

Pediatrics. 2014;133;e39-44

虫垂炎を疑われて虫垂切除術を施行された847例(1~16歳、2.6%は虫垂炎では無かった)が対象の後向き観察研究

白血球数のみでも虫垂炎の除外に有効

感度(95%CI)

白血球数>9,000/μL 92%(90-93%)

白血球数>8,000/μL 95%(93-96%)

【血液検査】A new 2-step risk-stratification clinical score for suspected appendicitis in children

Journal of Pediatric Surgery. 2015;50:2051–2055.

虫垂炎疑 いの374例(4~16歳、31.8%が虫垂炎)を対象とした前向き観察研究

3項目のバイオマーカーとscoreを用いた虫垂炎診断の検証

以下の3項目が全て陰性の場合、陰性的中度100%で虫垂炎は否定できる

①白血球数≧10,000/μL②好中球≧75%③CRP≧0.5mg/dL

※文献ではそれぞれg/L、/Lであるが、μLと思われる

【画像検査】

エコー CT MRI

感度(95%CI) 89%(86-92%) 96%(94-98%) 97%(87-100%)

特異度(95%CI) 91%(89-94%) 92%(85-96%) 96%(84-99%)

被爆 なし あり なし

費用 安い 高い 高い

鎮静の必要 なし あり あり

検査時間 短い (エコーよりは)長い 長い

施行者の技術や患者要因(*)の影響

大きい 小さい 小さい

(*)虫垂の部位・肥満度・腹部膨満の有無・疼痛による体動など

18歳未満の小児が対象のメタ解析

Diagnosis of Right Lower Quadrant Pain and Suspected Acute AppendicitisAgency for Healthcare Research and Quality. 2015;15:EHC025-EF.

<CT・MRIの所見>

①虫垂径の拡大②虫垂壁の肥厚

③虫垂周囲の炎症所見④液体貯留

⑤虫垂結石⑥膿瘍形成

②④

③⑥

CT

①、②

④MRI

Pediatric Radiology. 2016;46:928-939. American Journal of Roentgenology. 2005;185:406-417.

エコーは 感度・特異度の点で、CT・MRIに劣る

一方 で、CTと比べて被爆がなく、CT・MRIと比べても鎮静の必要がなく安価で短時間のうちに何回でも施行出来る

エコーによる診断の正確性を上げるためにはどのような方法があるか?

<エコーの感度・特異度を上げる方法は?>Properties of Serial Ultrasound Clinical Diagnostic Pathway in Suspected Appendicitis and Related Computed Tomography Use

Academic Emergency Medicine. 2015;22:406–414.

右下腹部痛 を主訴に救急外来を受診した294例(4~17歳、PAS≧2、38%が虫垂炎) が対象のコホート研究初回 のエコー所見が曖昧であった場合、平均3.2時間後に臨床所見の再評価を行い、症状が持続している場合は2回目のエコーを施行最終診断 は、病理学的もしくはフォローの電話で行った

初回のみの場合 2回目も含む場合(95%CI)

感度 80% 97%(94-100%)

特異度 39% 91%(87-95%)

エコーは繰り返すことで、感度・特異度ともに上昇する可能性がある

<エコーの感度・特異度を上げる方法は?>The Effect of Abdominal Pain Duration on the Accuracy of Diagnostic Imaging for Pediatric Appendicitis

Annals of Emergency Medicine. 2012;60:582-590.

虫垂炎 を疑われてエコーを施行された1810例(3~18歳、38%が虫垂炎)が対象のコホート研究発症 からの時間経過毎にエコーの感度・特異度を検討最終診断 は、病理学的もしくはフォローの電話で行った

エコー所見で明らかでなくとも、症状が持続する場合にはエコーを再検する

79% 79%

85%89%

96%

エコーは繰り返し施行したり、発症から時間を置いて施行することで感度が上昇する可能性がある

虫垂炎を疑った場合、一度の検査で診断出来なくてもエコーでフォローすることが有用かもしれない

エコーにおける虫垂炎の所見にはどのようなものがあるか?

<エコーにおける虫垂炎の直接的所見は?>

虫垂径 虫垂壁 血流

・虫垂径≧6mm・圧縮されない

・虫垂壁≧2mm ・虫垂壁の血流増加

嚢胞性線維症等でも陽性となる

周囲組織との区別が困難 感度52%特異度96%

Journal of Medical Imaging and Radiation Sciences. 2016;63:59–66.

Radiology. 2004;230:472–478.

Journal of Medical Imaging and Radiation Sciences. 2016;63:59–66.

Radiology. 2004;230:472–478.

Journal of Medical Imaging and Radiation Sciences. 2016;63:59–66.

Radiology. 2001;218:757–762.

Insights into Imaging. 2016;7:255–263.

<エコーにおける虫垂炎の2次的所見は?>腸間膜脂肪織の輝度上昇 液体貯留/リンパ節貯留 虫垂結石

・虫垂周囲の腸間膜脂肪織輝度上昇

・対側との比較で判断

・右下腹部の液体貯留/リンパ節腫脹

・虫垂結石の存在・acoustic shadowを伴う

感度90.4%特異度88%

腸間膜リンパ節炎でも陽性となるため特異度は低い

オッズ比7.9(95%CI:1.7-37.2)

液体貯留

リンパ節腫脹

Journal of Medical Imaging and Radiation Sciences. 2016;63:59–66.

Journal of Medical Imaging and Radiation Sciences. 2016;63:59–66.

Journal of Medical Imaging and Radiation Sciences. 2016;63:59–66.

Academic Radiology. 2012;19:1382–1394. Pediatric Radiology. 2011;41:993–999.

The Journal of Pediatrics. 2016;11:1-6.

The Journal of Pediatrics. 2016;11:1-6.

Journal of Pediatric Surgery. 2016;51:1655-1660.

<エコーにおける虫垂炎の2次的所見は? >Clinical Relevance of the Nonvisualized Appendix on Ultrasonography of the Abdomen in Children

腹痛で入院した1359例のうち、虫垂炎を疑われた641例(1.3~21.3歳、27.1%が虫垂炎)が対象の後向き観察研究

最終診断は、病理学的もしくはフォローの電話で行った 虫垂が描出されない場合に、2次的所見(虫垂周囲脂肪輝度肥厚(①)周囲fluid(②))

の有無は、虫垂炎の陰性反応的中率が高く除外に有効

The Journal of Pediatrics. 2016;11:1-6.

虫垂が直接みえない場合は、2次的所見が虫垂炎診断・除外に有用

① ②

虫垂 が十分描出され、かつ2次的所見にも注目した場合、超音波の虫垂炎診断精度は高い(感度97.1%、特異度 94.8%)

超音波診断 におけるequivoalの評価であった場合、層構造の不明瞭化(Odds Ratio6.7Fig)、虫垂結石(OR15.7)、周囲脂肪織輝度の上昇(OR10.0)は虫垂炎を示唆

2次的所見としてfluid collection (adjusted OR13.3)、free fluid (OR9.8)は虫垂炎の存在と関連

Pediatr Radiol (2016) 46:1539–1545

Journal of Pediatric Surgery 51 (2016) 1939–1943

Journal of Pediatric Surgery 51 (2016) 1655–1660

Development and validation of an ultrasound scoring systemfor children with suspected acute appendicitis

Pediatric Radiolody. 2015;45:1945-1952.

Appy-Scoreを導入することで、CTの撮影頻度が変わるかを検証 Score導入前の1235例(平均9.7歳、24%が虫垂炎)に対しては後向きに、導入後

の686例(平均9.7歳、41.7%が虫垂炎)に対しては前向きに観察 最終診断は、病理学的に行ったもの

CT撮影頻度

Score導入前 8.6%

Score導入後 6.0%

☆Appy-Scoreとは、虫垂のエコー所見を以下の様に分類したもの1:正常の虫垂が完全に描出され、かつ2次的所見が見られない2:正常の虫垂が一部描出され、かつ2次的所見が見られない3:虫垂が全く描出されず、かつ2次的所見が見られない4:虫垂自体に明らかな炎症所見は無いが、2次的所見が見られる5:炎症所見を示す虫垂が描出される(穿孔なし)6:炎症所見を示す虫垂が描出される(穿孔あり)

※導入により31%減少

2次的所見にも注目し、エコー所見を詳細に分類することで、CTの撮影頻度を減らすことができる

感度96.3%特異度93.9%PPV83.4%NPV98.8%

虫垂炎の診断には、血液検査や画像検査(特にエコー)が有用であり、エコーでは2次的所見まで注目することで診断精度をあげる可能性がある

しかし、それぞれ単独では信頼性に欠ける場合がある

身体所見・血液検査・画像検査を組み合わせたPrediction ruleはどのようなものがあるか?

<代表的なPrediction rule>

項目 Score

咳嗽/打診/跳躍時の右下腹部痛 2

食思不振 1

発熱(>38.0℃) 1

嘔気/嘔吐 1

右下腹部の圧痛 2

白血球数>10,000/μL 1

多核好中球数>7,500/μL 1

疼痛部位の移動 1

【Pediatric Appendicitis Score(PAS)】 【Alvarado/MANTRELS Score】

項目 Score

反跳痛 1

食思不振 1

発熱(>38.0℃) 1

嘔気/嘔吐 1

右下腹部の圧痛 2

白血球数>10,000/μL 2

多核好中球>75% 1

疼痛部位の移動 1

Journal of Pediatric Surgery. 2002;37:877-881. Annals of Emergency Medicine. 1986;15:557-564.

Does this child have appendicitis? A systematic review of clinicalprediction rules for children with acute abdominal pain

Journal of Clinical Epidemiology. 2013;66:95-104.

虫垂炎疑いの4201例(0~18歳)を対象としたシステマティックレビュー 6種類のPrediction ruleの有用性を検証した

最も多く検証されていたのはPASとAlvarado Score PASのほうが感度や陰性尤度比の点で優れている傾向が示唆さ

れるが、有用性の基準を十分に満たすScoreは存在しなかった

<PASについて>Prospective Validation of the Pediatric Appendicitis Score

The Journal of Pediatrics. 2008;153:278-282.

腹痛を主訴に救急外来を受診した849例(1~17歳、14.5%が虫垂炎)が対象の前向き観察研究

カットオフ値を変えて、PASの感度・特異度を検証 最終診断は、病理学的もしくはフォローの電話で行った

PAS≦2のうち、2.4%は虫垂炎であったPAS≧7のうち、4%は虫垂炎で無かった

PAS ≦2は虫垂炎の除外に有用PAS ≧7は虫垂炎の診断に有用

PASの項目は身体所見と簡単な血液検査で構成されており、超音波やCTが利用できない状況で有用である

虫垂炎を診断・除外する際に、PAS単独では十分とは言えない The Journal of Pediatrics. 2008;153:278-282.

虫垂炎の診断・除外をさらに確実にするためにはどのようなPrediction ruleがあるか?

A new 2-step risk-stratification clinical score for suspected appendicitis in children

Journal of Pediatric Surgery. 2015;50:2051-2055.

虫垂炎疑いの374例(4~16歳、31.8%が虫垂炎)を対象とした前向き観察研究 Children Appendicitis Score(CAS)による感度・特異度を検証 最終診断は、病理学的もしくはフォローの電話で行った

☆CASとは、以下の2つを組み合わせたもの

項目 Score

持続痛 1

右下腹部の圧痛 1.5

咳嗽/打診時の疼痛 1

筋性防御 1.5

白血球数≧14,000/μL

1.5

CRP≧2.4mg/dL 1

②Raw Score①Coefficient A(Triple Markers)

項目 基準

白血球数 ≧10,000/μL

好中球比率 ≧75%

CRP ≧0.5mg/dL

※文献ではそれぞれg/L、/Lであるが、μLと思われる

Step1:Coefficient Aが全て陰性の場合、陰性的中度100%で虫垂炎を否定

Step2:Raw Scoreに応じて3つに分類し、その後の対応を決定

Score 分類 対応 感度 特異度

<1.5 Low probability 帰宅 97% 51%

1.5~5 Intermediate probability エコーもしくはCT

>5 High probability 手術 19% 99%

1項目以上陽性の場合

Journal of Pediatric Surgery. 2015;50:2051-2055.

CAS<1.5は虫垂炎の除外に有用 CAS>5は虫垂炎の診断に有用

PASやCASは虫垂炎疑いの患者をHigh/Intermediate/Lowの3つに分類でき、Highは診断・Lowは除外に有用である

IntermediateはエコーやCTなど、さらなる画像検査を必要とする

PASとエコーを組み合わせたPrediction ruleはどのようなものがあるか?

Prospective Evaluation of a Clinical Pathway forSuspected Appendicitis

Pediatrics. 2014;133:e88-95.

虫垂炎疑いの196例(3~17歳、33.2%が虫垂炎)を対象とした前向き観察研究 PASによりIntermediateに分類された群に、エコーを用いた場合の感度・特異度

を検証 最終診断は、病理学的もしくは臨床経過もしくはフォローの電話で行った

(95%CI)

感度 92.3%(83.0-97.5%)

特異度 94.7%(89.3-97.8%)

陽性尤度比 17.3(8.4-35.6)

陰性尤度比 0.08(0.04-0.19)

PAS でIntermediateに分類された群は、エコーの使用が有用

画像検査が施行できない状況では、PASやCASなどのPrediction ruleが有用である

画像検査が施行できる状況では、PASやCASに加えてエコーを施行することでより確実な診断・除外が可能である

Prediction ruleやエコーの使用は、CTによる被曝を減らすといった面でも有用である

身体所見・血液検査

CT/MRIを考慮

2次的所見陰性

小児外科医コンサルト

同日にエコーでフォロー

症状持続

帰宅後、外来でfollow(外来でのエコー)

Pediatric Appendicitis Score(PAS)

2以下 3-6 7以上

腹部エコー

直接的所見陰性/虫垂描出不可直接的所見

陽性

症状改善

2次的所見陽性

両親と相談の上、腹部単純CTが施行され、虫垂径の腫大(9mm)と周囲腹膜の肥厚が認められた

上記より急性虫垂炎と診断され、虫垂結石や膿瘍形成は認められなかったため、抗菌薬で治療開始となった

症状改善し、炎症反応上昇も認めなかったため、4日後に退院となった

小児の虫垂炎は非典型的な症状を呈するため誤診されることが多く、診断の遅れは重篤な合併症を引き起こす

エコーにより虫垂が直接描出できない場合は、2次的所見に注目するべきである

検査・身体所見と超音波の所見を組み合わせることにより、誤診やCTによる被曝を減らすことが可能かもしれない

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