システム工学 - shonan-it.ac.jp · 2015-07-22 · システム工学...

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システム工学坂下 ”sakasita@center.shonan-it.ac.jp”

教科書:「情報システム工学」佐々木正文著,共立出版,1990 授業の狙い:システム工学の数理・解析手法とシステムの

基本的構成法について学ぶ

授業の進め方:教科書に沿って(目標Rubric) システム工学の基礎概念

システムの定義と分類

システム工学プロセスの解析

時間域および周波数域におけるシステム記述と解析(補)

2次過程と定常過程の確率過程(補)

確率論の基本定理と分布関数

情報量と通信システム

システムと待ち行列の理論

システムの信頼性

成績評価(評価Rubric) 授業における演習と宿題(含む,出席) 期末試験

システム工学

システムというものの見方

System oriented 指向

System thinking 思考

システムの特性

基本概念

解析的

確率的

情報処理システム

多様な要素から構成される極めて複雑なシステム

現在,ソフトウェアの視点から改めて検討が加えられている

適用対象

ソフトウェア工学1&2

IT技術者&SE技術者

基礎的な知識・技術として是非学ぶと良い

システム工学

1. System Engineering2. Operations Research3. Computer Science4. Industrial Engineering

問題の設定

数学モデルの作成

モデルからの解の導出

モデルおよびそれから導出された解のテスト

解の評価

解を仕事に移す

SE

CS

OR

IE

システム工学への要求

システム理論の基本

G(伝達関数)

InPut OutPut

SoftWare HardWare

Channel

System Specification

情報処理システム

システムの定義と分類(1/4)

システムの定義:システムは要素の集まりで,その要素間あるいは要素の属性間に,相互関係が存在する

要素:部分,成分

属性:要素の性質

相互関係:要素・属性を結合してシステムを構成するもの

“システム=大規模で複雑な要素の集合体”

環境:システムの外部にある全ての要素の集合であり、a) その属性の変化がシステムに影響を及ぼすb) システムの動作によって、その属性が影響を受ける.

技術の現状

自然環境(気候、植物の寿命、他)

組織の政策

経済条件

人的要素

システムの定義と分類(2/4) 一般に実際のシステムは,単に環境の中に存在するのではなく,環境によって存

在する.

適合性の度合い(環境との融合性)重要なことは,次のことを最適に決定することである. 与えられた問題に関連する事項と,その他とを区別する境界

システムと環境の境界

システムの階層性 システムは更にサブシステムに分解できる

あるサブシステムに属する要素はたのサブシステムの環境要素とみなすことができる

サブシステムの動作は元のシステムの動作と全く同じとは限らない

システムの定義と分類(3/4)

システムの振る舞い

一貫した振る舞い

任意の一部に生じた変化が,他の全ての部分に変化を及ぼすように,各部分が結合されている場合

独立的動作

ある部分の動作に他の部分からの影響が無い場合,全体の変化が各部の変化の和あるいは積となるだけの場合.

分割可能なシステム

時間による変化が,全体性から独立性へ漸近的に変化する逐次分割化の過程をとる

逐次システム化(逐次分割化の逆)

システムの定義と分類(4/4)

集中化されたシステム

あるサブシステムが主要な役割,支配的な任務を占める状態

システムの発達に伴い,ある部分が主要な中枢に成長する例が多い

集中化と階級性とは密接な関係がある

システムが最適に行動するためにはその程度の集中化を必要とするかを決定するには以下のように多くの問題がある.

システムにどれだけの数のレベルの組織を持たせるか

あるレベルの支配するサブシステムの数はどれほどか

あるレベルにどのような機能を持たせるか,どの分部に持たせるか

異なるレベルを結合するのに必要な情報と資材を確保するにはどのような結合組織にするべきか

注:これらを決定するための論理的な方法論は未だない

システムの定義と分類

システムの分類: 自然システム

天文学,物理学,化学,生物学,生理学,社会学

開システムと閉システム 環境とエネルギーの交換を行っている開システム・・・熱力学第2法則

情報,熱,などの物理量の出入りの無い(外部の影響による内部の変化が無い)閉システム

開システムを解析するアプローチの一つは構成する回路網に注目すること

人工システム 適合性問題

最適化問題 問題の設定,目的の設定,システム合成,システム解析,最適システムの選定

不規則性の問題 確率過程

適応システム: adaptive system

環境に順応していく性質で、予め設定された目的を持ち、環境が変化してもこの目的に沿って振る舞う 可変の利用度を持つシステム: systems with variable utilization

安定なシステム システムの変数がある限界値を超えることがないとき、それらの変数に関して“安定な

システム”と呼ばれる

基本的フィードバックシステム

比較器コントローラ増幅器

プロセス伝達関数

トランスデューサ検出器

基準の入力信号 誤差信号

操作信号制御され出力信号

適合性と最適化

自然システムに比べて人工システムには次の問題が発生する

適合性

既存システムに新たな部分を追加する

与えられた環境に適合するシステムを設計する

最適化

システムとその環境との最上の適合を設計すること

最適化の過程

問題の設定

目的の選定

システム合成

システム解析

最適システムの選定

準最適化 サブシステムをその目的に関して最適化する

全システムを目的の一部に注目して最適化する

自然システムでも人工システムでも考慮すべきこと 不規則性・・・ある属性に影響する変数属が多い、あるいはその変数を捉える事が出来ない

確率過程・・・不規則性をもつシステムを適切に記述する方法

計画の分類

計画: 単用計画・・・特定の状況下における行動を規定

固定計画・・・繰り返し利用される行動規定

短期計画

長期計画

システム工学 主プログラム

広範で長期の目標を持ち、それに至る一連の各部分が相互関係を持たない段階的な過程が含まれる

プロジェクト 各部分に個別のプロジェクトとして計画される

作業の詳細計画 主な決定事項を実行するのに必要な作業を定義する

特別プログラム計画

システムに関連する作業における計画の利点と限界

利点 ある目的のもとに統合された作業の実行を容易にする

障害を予測し作業の遅れを防ぐことが可能

調整と制御のための理論的基盤を整える

管理、システム工学、開発に費やされる労力および資材の経済化に役立つ

管理の仕事に役立つ

完全な目標の開発を助ける

限界 計画の作成には時間がかかる

時間、費用、専門技術者、研究資材の面で高価となる

機関に柔軟性を無くさせる傾向になる

仮定と予測に基づくため、予測の信頼性によって限界が決まる

短期および長期の固定計画は、繰り返して現れる形の問題の数によって限定される

システム工学プロセスの解析プロジェクトにおける完成までの時間的過程

システム研究 目的1:組織が実行しようとしている作業の全プログラムについて、調整を支援し、管

理部門の意見が一致するところまで到着させる

目的2:必要な情報を収集し、調査研究する.(この情報に基づきプロジェクト計画が立案される)

探究計画 問題の設定

システムとその環境を規定する要素を導き出し可能な限り定量化し、それらの関連性を見つける

目的の選定

選定された目的は、選択の指針を与え、方式を解析する方法を示し、最適システムを選定する指針となる

システム合成

目的を満足するシステムを、諸種の方式で編成したり創造する

システム解析

仮説としてのシステムに関する特性を導く

最適システムの選定

システム解析評価し、目的と照らし合わせて比較する

システム工学プロセスの解析プロジェクトにおける完成までの時間的過程

開発計画 開発の目的と手段をはっきりさせた実行計画を作成する

計画は一連の報告書にまとめられ、これに基づいて開発が指導管理される

開発に要する人工、費用の予測、スケジュール、優先順位、制約などが上げられる

開発研究 開発の際に要求する事項をより詳細にし、実行を評価し、支援する

システム研究の結果を基にして実行計画をより完全なものにする

要求事項が実現不可能となった場合、目的および要求事項の変更を行う

フィードバック 開発の終了とともに始まり、開発されたシステムが使用されている間続く

将来、更によいシステムが計画され、その指針を与える

稼働状況や顧客からの情報から、設計上の欠陥等を修正したり、将来の開発に役立たせる

システム工学プロセスの解析問題解決のモデル

決定の基礎となる概念

理想的システム

最適システム

決定基準

目的調整

目的の選定

結果の評価

問題の提示

アイディアの評価

アイディア

目的調整 目的の選定

結果の評価

比較システム解析 希望する結果

実際の結果

システム工学プロセスの解析問題の設定:

3つのプロセス

全環境を探索し新しいシステムに用いるための方法を探す

既存システムやユーザにとって最も価値のあるシステムを計画する

ユーザからの新しい要望を待つ,新しいアイディアの蓄積を待つ

入力と出力による問題設定

入力と出力を全て区分して表示

全ての項目を説明・記述する

既知の変換作用・伝達関数を適用して,入力と出力の組を調整する

入力の数

複数の入力が」ある・・・・多重化されている

時間的に多重化

空間的に多重化

周波数多重

システム工学プロセスの解析問題の設定における環境条件

状況の種類

需要側の要素

管理の側の認める冒険の程度

期待する効果

最新の知識・技術

ユーザの見方

開発・製造側の知識と経験

需要の頻度

物理的制限

システム工学プロセスの解析目的の選定

経済的尺度

利潤

市場

コスト

品質

信頼性

単純性vs優美性

安全性

システム工学プロセスの解析最適システムの選定

解析的確定モデル 分布についてより平均について注目

ニュートン力学,熱力学

数値的確定モデル 実際には殆どない

微分方程式の数値積分

解析的確率モデル 分布に注目

通信系モデル,待ち行列モデル,信頼性モデル

数値的確率モデル 確率モデルを解析的に解く(シミュレータの利用)

モンテカルロモデル

演習問題1レポートによる報告

問1.2;システム工学が発生した必然性について述べよ

問1.9;システムの目的を判断する評価基準を挙げよ

問1.13;数学モデルを用いることの必然性について述べよ

問1.16;システム構成におけるCompの果たす役割について論ぜよ

提出期限:4月24日(木)授業時間 表紙は不要,最初のページの右上隅に学籍番号と名前を記載

各問毎に1ページにまとめる

図類を用いて,説明及び論ずること

演習問題2レポートによる報告

最適システムにおいて重要な役割を果たす数学モデルの「確定モデル」と「確率モデル」の違いを調べ,例を用いて解説する.

提出期限:5月8日(木)授業時間

Project Management

プロジェクトを管理するための一貫したプロセス管理の手法

プロジェクト・マネジメント タイム・スケジュール策定

プロジェクト・メンバーの手配、

予算管理、進行管理

プロジェクトのゴールに向けた意思決定を下すための手法 あらゆる作業手順を整え、

問題点の把握や処理、

社内外の調整など

大規模なプロジェクト 全体を見通して管理できる手法と人材

資格「Project Management Professional」

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