automation...automation today asia pacific july 2010 3...

18
主な内容 ロックウェル・オートメーション が、オーストラリアの水力発 電所で、制御および情報シ ステムをアップグレード 管理対象のリソースとして のエネルギー使用 テックコネクトが自動化 システムの連続稼働を支援 錦湖(クムホ)タイヤの南京 工場は、部品在庫とコストの バランスを最適化 新しいControlLogix PACの パフォーマンスが向上して EtherNet/IP上の モーションドライブを制御 Automation Automation July 2010 TODAY ASIA PACIFIC Japan 優秀な 自動化ソリューション プロバイダ 賢明な企業が選択する

Upload: others

Post on 19-Jun-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

主な内容ロックウェル・オートメーションが、オーストラリアの水力発電所で、制御および情報システムをアップグレード

管理対象のリソースとしてのエネルギー使用

テックコネクトが自動化 システムの連続稼働を支援

錦湖(クムホ)タイヤの南京工場は、部品在庫とコストのバランスを最適化

新しいControlLogix PACの パフォーマンスが向上して EtherNet/IP上の モーションドライブを制御

AutomationAutomationJuly 2010

TODAY ASIA PACIFICJapan

優秀な 自動化ソリューションプロバイダ

賢明な企業が選択する

Page 2: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

製造業者を成功に導く「グローバルソリューションズ」と「サービス&サポート」

ディスクリートおよびプロセス製造業者と、機械メーカは、計り知れないほどの経営課題に直面

しています。企業は、コスト削減、製品化までの時間短縮、製品の改善、生産性の向上、および何よりも品質とコンプライアンスにかかるコストの削減に取り組むことを余儀なくされています。ロックウェル・オートメーションは、多くのインテグレータ、パートナー、および機械メーカと共同で、お客様がこうした課題を克服できるように支援しています。

多くのお客様が、総合的なシステムの設計、導入、実施に対してロックウェル・オートメーションが重要な責務を果たすことを希望しています。特に、複雑なプロセスおよびモーションプロジェクト、あるいはグローバルに展開するプロジェクトでは、大手企業が当社のソリューションに関する専門知識を求めています。ロックウェル・オートメーションは、適切なチーム、テクノロジ、および納品方法を提案し、お客様の戦略的ビジネス要件をサポートします。ロックウェル・オートメーションのグローバルソリューションズ部門は、パートナーが提供するサービスを補うと共に、パートナーの製品やサービスを頻繁に利用しています。

スタンドアロンアプリケーションが必要な場合でも、エンタープライズ規模の技術を求めている場合でも、ソリューションをグローバルに展開すると同時に、現地の専門知識も提供します。ロックウェル・オートメーションは、世界規模のチームの豊富な経験と専門知識を利用して、国内でお客様をサポートします。実績のあるプロジェクト管理テクノロジを使用し、幅広いアプリケーションに関する知識、スキル、ツール、技術を活用します。当社のソリューション提供範囲は、プロジェクトに関するコンサルタント、自動化テクノロジに対するソリューションの計画から、ターンキープラントの完成と保守まで、プロジェクトのライフサイクル全体を網羅しています。

ロックウェル・オートメーションの統合アーキテクチャは、複数分野の制御をサポートし、スケーラブルで情報化に対応しています。ドライブ、モータ、電力&エネルギー管理、安全システム、センサ、およびコンポーネントなどで構成された製品技術プラットフォームに加え、プロセスソリューション、情報ソリューション、統合アーキテクチャが、システムパフォーマンスの最大化、プラント規模の情報伝達、ライフサイクルの最適化、資産の活用などを目指す企業を支援します。

実際の導入例を、今号の『Automation Today Asia Pacific』でいくつか紹介します。当社のグローバルなソリューションとサービスの実力を理解し、お問い合わせいただけることを願っています。ロックウェル・オートメーションのグローバルチームが、お客様にビジネス目標を突破するためのパワーを提供します。

ケイラン・カールトン

ケイラン・カールトンロックウェル・オートメーションアジア・パシフィック地域社長

4 特集記事 – 賢明な企業が選択する優

秀な自動化ソリューションの プロバイダ 戦略的なビジネス目標を達成するための自動化ソ リューションのパートナーの選択方法を考察します。

3 ニュース & イベント ロックウェル・オートメーションに関する世界各国からのニュース

6 アプリケーションストーリー ロックウェル・オートメーションのプロジェクト・エンジ

ニアリング・グループが、オーストラリアのスノー ウィー・マウンテンズ水力発電所で、制御および情報システムをアップグレード

8 テクノロジーウォッチ 先進的な製造業者は、エネルギーを生産への入力と

して扱い、それがどこでどのように使用されるかを 正確に追跡しています。

10テクノロジーウォッチ テックコネクトは、技術的な質問にWebおよび電話

で迅速に回答します。

12事例 – 中国 ロックウェル・オートメーションのパーツ管理契約と

パーツ延長保証契約が、中国の錦湖(クムホ)タイヤ南京工場の部品在庫とメンテナンスのコストのコストを削減しました。

15製品紹介 ロックウェル・オートメーション製品の最新情報

2 July 2010 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC

Automation Today is published byROCKWELL AUTOMATION INTERNATIONAL LLC

Level 14, Core F, Cyberport 3, 100 Cyberport Road, Hong Kong Tel: (852) 2887 4788 • Fax: (852) 2887 8324

Editor: Ricky Au-Yeung – [email protected]

ロックウェル・オートメーション ジャパン株式会社〒104-0033 東京都中央区新川1-3-17E-mail: [email protected]

Copyright© 2010 Rockwell Automation, Inc. All rights reserved. ロックウェル・オートメーションの許可なく本書の一部または全部を複製することを

禁じます。Allen-Bradley, ArmorBlock, CompactBlock Guard I/O, CompactLogix, ControlLogix, FactoryTalk, GuardLogix, Integrated Architecture, Kinetix, PanelView, PartnerNetwork, POINT Guard I/O, PowerFlex, Powermonitor, Rockwell Automation, Rockwell Software,

RSEnergyMetrix, RSLinx, RSLogix, StratixおよびXMSmartGuardは、Rockwell Automationの商標または登録商標です。その他の商標は各社に帰属します。

目次

Page 3: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

NEWS & EVENTS

オートメーションフェアで、 スマート、セーフ(安全)、 サステナブルな製造を紹介

昨年11月に米国カリフォルニア州アナハイムで開催された第18回オートメーションフェアには、世界中から8,000人近いお客様、ロックウェル・オートメーション

のパートナー、アナリスト、およびメディアが集まりました。 このイベントの参加者は、工場全体の最適化、機械メーカのパ

フォーマンス向上、およびサステナブルな生産を促進するために利用可能な最新のテクノロジおよびソリューションを見ることができました。このグローバルなイベントには、100を超える出展者が参加し、フロア展示の他、ワークショップ、テクニカルセッション、産業フォーラム、ハンズオンラボなどが提供されました。

ロックウェル・オ ートメー ションは 、F a c t o r y T a l k ® VantagePoint EMIおよびFactoryTalk Historian Machine Edition (ME)ソフトウェア、EtherNet/IP上の統合モーションソリューションのポートフォリオ、製造業者のエネルギー管理に対する「徹底的」なアプローチを支援する産業用エネルギー管理「グリーンプリント」など、幅広い製品およびサービスを発表しました。

オートメーションフェアに先立ち、ロックウェル・オートメーションはプロセス・ソリューション・ユーザ・グループ(PSUG)とセーフティ・オートメーション・フォーラムを開催しました。PSUGセッションには、30近い国々から、186の企業を代表する300人以上のお客様が参加しました。

セーフティ・オートメーション・フォーラムには200人以上が集まり、規格の変更、業界のトレンド、安全な機械設計について学びました。今回のフォーラムでは、議論を促進するためにツイッター、Facebook、LinkedInなどのソーシャルメディアを利用したこともあり、イベント後一週間に渡り意見が寄せられました。

ロックウェル・オートメーションが台湾の大手販売代理店と提携

ロックウェル・オートメーションは、グローバルなテクノロジ企業であるSolomon Technology Corporationとの提携により、台湾およびアジア太平洋地域でのグローバ

ルな提供と現地サポート機能を拡張しています。 提携の条件により、台湾は台北、台中、高雄を含む3つの主要エ

リアに分割されます。この3つのエリアでSolomonがリーダーシップを取ることで、カスタマーサービスの機能強化に即座に効果が現れることが期待されます。「この新たな提携により、最高水準のカスタマーサービスが

提供され、お客様に多大な利益をもたらすと確信しています」と、 ロックウェル・オートメーション、アジア太平洋地域社長であるケイラン・カールトンは述べています。

トピック

ロックウェル・オートメーションがハイチ地震被害の救援金を寄付 ハイチを襲った一連の地震による惨状を憂慮して、ロックウェル・オートメーションは災害救済のため、赤十字に150,000米ドルを寄付しました。さらに、それぞれ任意の救援団体への個人的な寄付を検討するよう呼びかけています。

ロックウェル・オートメーションが受賞者に ロックウェル・オートメーションは、先日、以下の出版物から賞を授与されました。 • 『Control』誌の読者が、ロックウェル・オートメーションを34の産業および製品カテゴリで「Best in Control」の1位にランク付けしました。当社は、他のどのサプライヤより多く1位を獲得しました。 • ロックウェル・オートメーションは、『Control Design』誌の「2009 Reader’s Choice Awards」において、ハードウェアおよびソフトウェアの19部門で1位を獲得しました。

• 『Control Engineering』誌の読者が、ロックウェル・オートメーションの5つの製品を、「Engineers’ Choice Awards」に選びました。さらに、ロックウェル・オートメーションの北米ソリューションプロバイダであるStone Technologies and Interstates Control Systems社も、『Control Engineering』誌の「System Integrators of the Year」を受賞しました。

ロボット工学の革新に関する白書 ロックウェル・オートメーションの最新の白書では、テクノロジの大きな進歩、およびロボット工学に関する国際的なガイドラインと、進化する安全基準の管理に関する見識を示しています。

『International Safety Standards Keep Pace with Advances in Robotic Technology and Applications (ロボット工学のテクノロジおよびアプリケーションの進化に合わせた国際的な安全基準)』では、新しい安全基準が初めて適用されるロボット工学とロボットシステムの大きな進歩について調査し、これらのテクノロジがプラントの効率と生産性の向上に役立つと同時に、作業員の保護にも繋がる仕組みについて説明しています。また、ロボットシステムの安全保護における統合技術の役割の重要性についても説明し、ロボットアプリケーションとそれに伴う安全上の問題の今後の傾向に関する見識も示しています。

AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3

今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。参加希望の方は、[email protected]までお問い合わせください。

Page 4: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

4 July 2010 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC

現在のビジネス環境では、企業はさまざまな課題に直面しています。削減を進めながら多くの結

果を求められる上に、競争力を維持しなければならず、同時に新しいテクノロジを採用し、新製品を開発しながら、コストと製品化までの時間を削減する必要があります。

自動化ソリューションのプロバイダは、これらの課題に取り組む企業を支援します。しかし、すべての自動化ソリューションのプロバイダの能力が同じわけではありません。一部は、企業のニーズや要求を知ることだけに興味を持っています。このようなプロバイダはさらに一歩踏み込んで、自社が提供するソリューションが企業の戦略的ビジネス目標達成に役立つかどうかを判断する手助けはしません。

頼りになる自動化ソリューションのプロバイダとそうでないプロバイダはどこが違うのでしょう。ソリューションプロバイダを選択するときにどのような能力を重視すれば良いのでしょうか。ここで、いくつかの要素について検討します。

総合的な適応能力一 般 的 に 、成 功 し て い る 自 動 化

プ ロ バ イ ダ は 、さま ざ ま な 業 種 で 、技 術 的 なソリュー ション の 設 計 、管理 、導 入 に 幅 広 い 能 力 を 発 揮します。ロックウェル・オートメーション・オー ストラリア のグロ ー バ ルソリュー ションズ部門のプロジェクトマネージャであるクリス・バーバラによると、プロバイダは社内のリソースを利用するか、またはシステムインテグレータ、請負業者、またはその他のパートナーと提携して、顧客の総合的な要件に最適なソリューションを組み立てます。

さらに、プロバイダは、スケーラブルなオートメーションコントローラ、汎用の産業用コンポーネント、モーション制御、ドライブ製品、充実したソフトウェア、オープンネットワーク製品などの幅広いテクノロジプラットフォームも持っています。プロバイダのテクノロジは、機械メー

カのビジネスに必要な現地または海外のプラントへのソリューションの導入も簡単に行えるように、業界標準に適合し、 法的な要求事項を満たしている必要があります。

また、実績のあるプログラムやプロジェクトを提供することで、専門知識を実証する必要があります。そして、プロジェクトに関するコンサルタント、ソリューションの計画から、設計と実装、その後の試運転とシステムの引き渡しまで、プロジェクトのライフサイクル全体を提供できる必要があり ます。

「有能な自動化プロバイダは、顧客の 要件を満たすために、優秀なチーム、テクノロジ、および納品方法を適用します」とクリス・バーバラは述べています。「例えば、ロックウェル・オートメーションでは、顧客の問題を理解し、ソリューションを開発して、詳細な提案書を付加します。当社は、契約条件に同意し、プロジェクト管理および実施方法に従って、実行します。これは、プロジェクトを成功させるための実績のあるメカニズムです。」

成功のための枠組みクリス・バーバラによると、ロックウェル・

オートメーションは統合プロジェクト管理(iPM)手法に従って、プロジェクトを理解

し、クライアントに提案します。iPM手法は、ロックウェル・オートメーションのビジネスシステム、プログラム、およびポリシーに組み込まれています。

提案/評価、プロジェクト管理、およびプロジェクト実施のための手法があります。それぞれ、いくつかの段階に分けて実行されます。例えば、提案/評価とプロジェクト管理のどちらの手法にも、開始、計画、実行、制御、終了タスクの段階が含まれます。プロジェクトの実施方法には、設計、実装、および試運転の段階が含まれます。

これらの手法は、プロジェクトマネージャがプロジェクト実施チームと密接に連携しながら実装します。一般的なチームは、技術主任、設計者、開発者、およびその他のチームメンバで構成されますが、その構成は、プロジェクトの開始段階から実装、テスト、試運転、完了段階へと進むにつれて変化します。

チームメンバが、オーストラリア、香港、またはブラジルのどこにいても、各段階で共通のツールとテンプレートを使用できます。その中には、プロジェクト管理用のツール、見積ツール、品質保証ドキュメント、レポート、さらに重要なコードライブラリが含まれます。

チームメンバは、これまでのプロジェクト経験を活用しながら、高レベルな観点から、

戦略的なビジネス目標を達成するための自動化ソリューションのパートナーの 選択方法を考察します。

賢明な企業が選択する

優秀な自動化ソリューションのプロバイダ

Page 5: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 5

最適なソリューションを用意します。他の業界での経験に基づいたソリューションを適用する場合もあります。設計、エンジニアリング、ドキュメント、およびサポート方法を、グローバルに実施されるプロジェクト用に標準化することにより、一貫性と品質が向上し、さらにリスクが軽減されて、ソリューションを期限内かつ予算内で実施できるようになります。

強みを生かすクリス・バーバラの説明によると、自動

化ソリューションのプロバイダであるロックウェル・オートメーションは、以下に示す、独自の強みを生かしています。

•リソース。 グローバルなソリューションを展開する一方で、現地のアプリケー ションの専門知識も提供します。プロジェクトマネージャ、オートメーションエンジニア、情報エンジニアなどの内部チームメンバに加え、ロックウェル・オートメーションはクライアントに代わって、システムインテグレータや専門領域のエキスパートの手配も行います。

•テクノロジ。 ロックウェル・オートメー ションの統合アーキテクチャは、Logix制御プラットフォームとFactoryTalk®ソフトウェアを基盤としており、スケーラブルで、情報化対応のアーキテクチャで、複数分野の制御を提供します。統合アーキテクチャは、ドライブ、モータ、電力&エネルギー管理、安全システム、センサ、およびコンポーネントなどで構成された製品プラットフォームを利用して、システムパフォーマンスの最大化、工場全体の情報伝達、ライフサイクルの最適化、資産活用を目指す企業を支援します。

•専門知識。 ロックウェル・オートメーションは、多数の業種での幅広い経験を提供します。例えば、アジア太平洋地域では、廃水処理、金属、セメント、電力を始めとするさまざまな業種の顧客と協力しています。このような経験を、生産性の拡大、製造リスクの低減、製品化までの時間短縮、品質管理およびコンプライアンスのコスト削減に役立てています。

•サービス。 ロックウェル・オートメーションは、プロジェクトのライフサイクル全体に渡って、サービスを提供します。統合されたプロジェクトチームがグローバルな設計およびサポートリソースを提供します。さらに、プロジェクト完了後も現地のリソースを利用できます。それに加え、延長保証、技術者派遣サービス、トレーニング、およびテックコネクトなどの標準的なサービス契約を提供しています。また、カスタムサービスとして、パーツ管理契約、予防保守、リモートサービス、トレーニングクーポン、産業用ネットワークサービスも利用できます。

自動化ソリューションを提供するロックウェル・オートメーションの実力を証明する事例のひとつが、オーストラリアのお客様で、スノーウィー・マウンテンズ水力発電計画を運営しているSnowy Hydro Limited社での案件です。この企業は、数百万ドルを費やして、7年間で7つの発電所の制御システムと情報システムをアップグレードするというプロジェクトに取り組んでいます。制御システムの全面的な見直しのために、同社はロックウェル・オートメーションと基本契約を結びました。

クリス・バーバラによると、ロックウェル・オートメーションはSnowy Hydro社との連携で自社の強みを発揮しました。「プロジェクトの開始時から、プロジェクト予算の最善な利用法を判断するために価値工学分析を実行しているとき、そして複雑で利用できなくなった環境のアップグレードにおいて発生する多数の技術的な課題をすべて解決するまで、問題解決に重点を置いていました。優れた開示性と相互作用により、チーム間の信頼関係を築くことができ、ソリューションを円滑に導入できました。」

Snowy Hydro社の制御技術部門のマネージャであるダリル・イーガー氏は、 Snowy Hydro社と仕事上の密接な関係を確立し保持するために、ロックウェル・オートメーションは労をいとわなかったと話しています。「プロジェクト・エンジニアリング・グループは、そのプロ意識、知識、および当社の要件の理解度で当社の経営陣に深い感銘を与えました。」

最適なチーム、手法、およびツールを併用することで、ロックウェル・オートメーションの底深く幅広いソリューションがSnowy Hydro社およびその他の顧客の成功に繋がったとクリス・バーバラは話しています。

検討事項自動化ソリューションのプロバイダの協

力を必要としている企業は、ベンダに以下の質問をし、その回答を注意深く評価する必要があります。

1. 自動化ソリューションのプロバイダの、プロジェクト実施の実績を示すものは何ですか?過去の成功事例はありますか?

2. プロジェクトのありとあらゆるアクティビティに適用できる強力な手法を明確に示すことができますか?

3. 優秀なチームを組織できますか、またそのプロジェクト領域の専門家を手配できますか?

4. 自動化サプライヤのプロジェクトへの対応策は厳格で契約に基づいているか、それともオープンで協調的ですか?

5. プロジェクトに予期しない問題があった場合、自動化サプライヤは窮地を脱

するためにどのようなリソースを提供できますか?

6. 自動化サプライヤはクライアントのチームと連携作業ができますか?クライアントの社風を理解していることを明示していますか?

7. 自動化サプライヤはどのような現地サポートを提供しますか?例えば、問題を解決するために即座にエンジニアを送り込んでくれますか?

8. ソリューションプロバイダによって提供されるものの内、どの程度が企業の中核になりますか?ほとんどが企業の中核でない場合、それによってどのようなリスクが生まれますか?

最後に、クリス・バーバラは、自動化 ソリューションのプロバイダの革新性も考慮するように勧めています。「自動化ソリューションのプロバイダには、手法だけでなく、リソース、テクノロジ、専門知識、サービスに加えて、企業が受け入れたい、それがビジネス目標達成に役立つと思えるソリューションを提供するための創造性と思考過程も必要です。」 AT

アジア太平洋地域の 連携

アジア太平洋地域のロックウェル・オートメーションのグローバルソ

リューションズ部門は、50以上の場所に500人を超える従業員を抱えています。彼らは、主要な専門知識を持つ2,500人の提携専門家による世界規模のグループの一員です。 アジア太平洋地域のグローバルソリューションズ 部 門 の 本 部は、2009年1月に上海に開設されました。ここでは、グローバルソリューションズだけでなく、販売、物流、R&D、管理、カスタマーサービス、保守業務も行っています。

Page 6: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

6 July 2010 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC

オーストラリアの南アルプスにあるスノーウィー・マウンテンズ水力発電所は、1949~1974年

に建設され、灌漑用水と水力発電による電力を提供しています。驚くべきエンジニアリング能力で、主要な16のダム、相互接続する145kmのトンネル、80kmの水路、さらに2つのポンプ場と7つの水力発電所に大量の水を流しています。

合計で31機の発電機で構成される発電所は、複合発電容量が3756MWで、オーストラリアの全国高圧送電線網に年間平均4500GWhのクリーンで再生可能な水力電気を供給しています。

2005年に、最新の需要に応えるために、Snowy Hydro社の所有者および運営 者は、7年間で2億2500万米ドルを投じて、発電所にとって初めての大規模な整備となる発電所近代化プロジェクトに乗り出しました。このプロジェクトの主要な要素は、制御、保護、およびガバナシステムである、HVサーキットブレーカ、および発電機励磁システムの完全な置き換えです。協調関係にあるロックウェル・オートメーションのプロジェクト・エンジニアリング・グループは、Snowy Hydro社チームと協力して、制御システムの全面的な見直しに取り組みました。

情報は力なりSnowy Hydro社の各発電所にある制

御および情報システムは、31組の発電機/タービンの組み合わせ(ユニット)と2つのポンプユニットのそれぞれに関連付けられた多種多様な付随システムをサポートしています。これには、水、潤滑油、ガバナオイルの冷却、その他ベアリングと巻線の温度のモニタ、その他のユニットの診断も含まれます。

Snowy Hydro社の制御技術部門のマネージャであるダリル・イーガー氏によると、信頼性の維持のためにも、リアルタイムの稼動情報収集のためにも、アップグレードは重要でした。「できる限り多くの稼動情報を収集することにより、それを有益に利用することができます。情報はどのような種類の改善にも有効です。」

簡潔に言うと、制御のアップグレードは、1960/1970のリレーロジック制御とアナログ計測を最新のPAC (プログラマブル・オートメーション・コントローラ)とEOI (電気オペレータインターフェイス)テクノロジに置き換えることが目的です。

33のユニット制御のアップグレードは、 2006年にTumut 3 (T3)発電所から開始 されました 。これで 実 現 の 可 能 性 が 確立されました。標準のユニット制御

アーキテクチャは、2つのControlLogix® PAC (ユニットのガバナ用にひとつと、残り のタービン/発電機用にひとつ)と、さらに発電機の各組の変成器用にもうひとつ使用して開発されました。これには、ローカル制御およびモニタリング用のPanelView™ Plus 1500 EOIと、重要な発電パラメータの収集およびモニタを行うためのPowermonitor™ 3000電力品質およびサブ計測モニタも含まれます。

アーキテクチャは、Dev iceNet /ControlNet/EtherNet/IP通信構造の上に成り立っています。DeviceNet通信は、コントローラを発電機フロアのE3 Plusインテリジェントモータ保護リレーやXMRシリーズ温度モジュールなどの装置とリンクさせます。二重冗長のControlNetピア・ツー・ピア通信は、コントローラをリモートI/Oシャーシ、PanelView Plusオペレータインターフェイス、およびPowermonitor 3000とリンクします。EtherNet/IPは、ユニットと変成器間およびユニットとユニット間の通信と組み合わせることで、コントローラのモニタおよびメンテナンスを容易にします。

ロックウェル・オートメーションのプロ ジェクト・エンジニアリング・グループの サイトチームは、提案された設計の個々の要素を分析し、微調整しました。回路を

STORYAPPLICATION

ロックウェル・オートメーションのプロジェクト エンジニアがオートメーションを自動化ロックウェル・オートメーションのプロジェクト・エンジニアリング・グループがオーストラリアのスノーウィー・マウンテンズ水力発電所で、制御および情報システムをアップグレード。

Page 7: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 7

個々に調査し、検討し、改善して、証明しました。

連続稼働モードの重要性信 頼 性 は 主 要 な 目 的 でしたが 、同

時にダリル・イーガー氏と彼のチームは、個々のユニットを運用上他から独立させる「ユニット化」の理念を提唱しています。そこで、各発電所でユニット を 多 重 化 し 、各 ユ ニ ット を 相 互 に

「 ス ペ ア 」として 機 能 さ せ ることで 冗長性を備えるようにしました。

障害時にもユニットの稼働を保持することの重要性にも注目していました。

クーマにあるSnowy Hydro社のオペレーションコーディネータであるワレン・ハード氏は、電気事業は、連続生産と同時に安全性の保持にも努めていると説明しています。「当社の『製品』は、保存や貯蔵はできません。要求されたものを即座に生産する必要があります。」

さらにこのように述べています。「ロックウェル・オートメーションは、発電装置を連続稼働させるために動作を保持する必要のあるコンポーネントを正確に判断しました。この「連続稼働」は、見事な設計によって実現されました。」

ワレン・ハード氏は、DeviceLogix™と共にインテリジェントモータ保護を提供するE3 Plus過負荷リレーを使用した

ことにも言及しました。スタータ回路は、 DeviceNet通信またはメインコントローラに障害が発生した場合の連続稼働モードの観点から、必要とされることを、オンボードI/OとE3 Plusインテリジェント保護リレーに構成されたロジックで全て実行できるように個別に設計されました。

ロックウェル・オートメーションのテクニカル・プロジェクト・マネージャであるキャロル・プローズの説明によると、E3 PlusのDeviceLogixは、他のユニットを始動させるまでの間ユニット全体が動作を継

続できるようにして、さまざまな障害に耐えられるようにします。「我々の目標は、設計をできる限り単純化することでした。」

通信の決め手プロジェクトの根幹は、DNP3 (分散

ネットワークプロトコル)とSnowy Hydro社の既存のSCADAシステムおよび保護リレーとの接続を実現することでした。ダリル・イーガー氏によると、これでControlLogixプラットフォームの選択が確定しました。「ControlLogixによりSCADAシステムに使用できるDNP3ソリューションが実現しました。他のコントローラでは絶対に不可能でした。」

ControlLogixも大きな要素ではありましたが、ダリル・イーガー氏は統合アーキテクチャによって多大なメリットが生まれることに留意しています。「すべてがロックウェル・オートメーションの同じソフトウェアツールで駆動されます。これらが共通のルック・アンド・フィールを備えていることから、作業員は迅速にシステムに馴染み、メンテナンスできるようになりました」と、話しています。

最近、Snowy Hydro社ではオートメーション資産のモニタと保守用のツールであるFactoryTalk® AssetCentreを導入しました。ダリル・イーガー氏は、発電所全体で40を超えるプログラマブル・オートメーション・コントローラを統合し、変更があったときは電子メールを受け取れるようにしていると話しています。発電所全体に互換性のある制御プラットフォームを導入したことでこれが可能になりました。

プロジェクトは順調に進行しました。 「ロックウェル・オートメーションは、最初からこれが33回の同じアップグレードの繰り返しになることを理解していました。」 ダリル・イーガー氏はこう述べています。

「効率化のために、ロックウェル・オートメーションはオートメーションを自動化しました。」

ダリル・イーガー氏によると、Snowy Hydro社は主要な目標であった信頼性の向上を達成しましたが、それだけでなく、約10倍の量のリアルタイムの運転データがクーマにある制御センターに送られています。重要なことは、2012年までに完成すると見られていた発電所近代化プロジェクトの制御アップグレード要素が、すでに確立されていることです。

統合されたプロジェクト管理ロックウェル・オートメーションのシステ

ムおよびソリューション部門の副社長兼ゼネラルマネージャであるテリー・ガバート

(グローバルソリューションズ販売責任者) は、次 のように述 べています。「 我 々は、Snowy Hydro社のプロジェクト目標に基づいて有意義なエンジニアリングプロセスを開発し、プロジェクトの要件を満たす革新的なチームとソリューションを設計しました。」さらに、テリー・ガバートによると、Snowy Hydro社の重点がコスト削減と効率性に移行したため、チームは、Snowy Hydro社の新たな目標を支援することにしました。

これまでに17のシステムがSnowy Hydro社に納品され、そのうち6システムは正常に設置され、サービスを再開しています。テリー・ガバートは、システムの製造はサイトへの設置よりかなり早く進められていると話しています。 AT

制御のアップグレードには、従来のリレーロジック 制御とアナログ計測を最新のPACおよび電気オペレータインターフェイス技術に置き換える作業が 含まれます。

ソリューションのカスタマイズ

グローバルソリューションズ部門は、2,500人のエンジニアリン

グのプロで構成され、製造業の顧客のために、制御、安全、および情報ソリューションの設計、構築、アップグレードを行っています。 ロックウェル・オートメーションのグローバルソリューションズには、以下のような特長があります。 • 製造業者が製造工程とマシンのパフォーマンスを改善するための方法を見極めるコンサルティングサービス。 • 実績のある技術設計に基づいて、プロセスおよびアプリケーションに最善のソリューションを提供するためのアプリケーションの専門知識。 • プロジェクトのニーズに最適に配備されるような、アプリケーションに特化した製造。 • プロジェクト管理の負荷を軽減するため、スケーラブルな設置オプションをひとつの窓口で対応する設置サービス。 • プロジェクトの予算と開始時期を守ると同時に、システム統合を確実に成功させるための試運転。 • 稼働時間と生産ライフサイクル全体の生産効率を最大にするためのカスタマー・サポート・サービス。

Page 8: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

8 July 2010 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC

WATCHTECHNOLOGY

先進的な製造業者は、エネルギーを生産への入力として扱い、それがどこでどのように使用されるかを正確に追跡しています。

管理対象のリソースとしてのエネルギー使用

世界 中 の製造業者は 、自 社

のエネルギー消費を削減するために賞賛に値する努力を進めています。こうした努力にもかかわらず、世界中の化石燃料消費量は増え続け、最近のレポートでは、世界の製造業によるエネルギー消費は、2006年から2030年の間に44パーセント増加すると予想されています。

製造業において、コスト変化の大きさと供給の不安定さから、エネルギーは 最も理解しがたく、管理しにくいコストのひとつになっています。事実、製造業者は現在、水、ガス、燃料油、または電気は必要なときに使用できなくなることが実際に起こり得るという状況に直面しています。

懸念されるエネルギーの不確実性は、企業の運営、供給能力、さらに最終的には収益に大きな損害をもたらす可能性があります。そこで、このような脅威に対するより優れた防御策を講じるために、製造業者が、企業全体のエネルギー消費について理解を深め、適切に管理することが重要になります。

残念なことに、一部の製造業者は、産業用のエネルギー消費は、ビジネスを行う上で不可避な固定コストであるという1次元的見解に捕らわれています。 一方、進歩的な製造業者は、これをより少なく、より安く、最適にという3次元的課題という観点で捕らえて、エネルギー管理のための答えを積極的に探しています。

1つ目の側面では、賢明な製造スケ ジュールやより効率的な装置の利用または設計の改善による、より少ないエネ

ルギーを使用する製造に注目します。2つ目の側面では、ピーク時以外など最も安価なときに利用できるように、エネルギーが使用される場所、時期、方法を管理することにより、より効率的にエネルギーを使用することに注目します。3つ目の側面では、作業に内在する多くの変数のバランスを取りながら、最も安価で、最も収益の上がる方法で生産目標を達成できるように製造のエネルギー使用を最適化します。

これらの課題に取り組むことにより、製造業者は受動的なエネルギー利用者から自社のエネルギーリソースの戦略的管理者に変わることができます。こうした「徹底的な」方法により、製造業者は既存の自動化および電力制御への投資を使用してより効果的なエネルギーの節約を開始することができます。

エネルギー最適化のための 「グリーンプリント」

ロックウェル・オートメーションの電力&エネルギー管理部門のマネージャであるフィル・コフマン、およびサステナブルな製造部門のマーケット開発マネージャであるマルシア・ウォーカーは、製造業者がエネルギー使用を最適化するためのいくつかの手順を白書『Industrial Energy Optimization: Managing Energy Consumption for Higher Profitability』(産業用エネルギーの最適化:より高い収益性のための、エネルギー消費の管理)で明確にしています。彼らは、施設のモニタ、生産のモニタ、製造部品表(BOM)に基づいたエネルギーの記録、モデリング、制御、対応、および「スコアカード作成」の7つの機能を柱として構成されたエネルギー管理方法について記述しています。

製造業者は、いずれかの柱を単独で、

または複数を同時に使用して、独自のエネルギー基盤を構築できます。これらの柱は順番に使用する必要はありません。 どの構造を使用しても、サポートする柱を追加し、エネルギー管理プログラム全体に組み込むことで安定性を増すことができます。

フィル・コフマンとマルシア・ウォーカーは、エネルギーの最適化に着手する前に、現行の監査プログラムを確立し、個々の柱の基盤を強化するために評価を行うことを推奨しています。エネルギーの評価と監査により、エネルギー消費の削減を実現するために企業が変更できる範囲を識別することができます。

このような評価は、省エネ効果の範囲を明確にし、重要な測定値を定義し、企業のエネルギー全体を監視できるリソースを整備するために役立ちます。設備改善の機会の評価と優先順位付けもこの分析に組み込むことができます。

施設と装置の把握 製造業者は、エネルギー消費の管理を

始める前に、施設のエネルギー利用および品質パターンについての認識を深める必要があります。施設のモニタでは、ビル管理担当者が、施設の計測基盤をモニタし、水、空気、ガス、電気、蒸気など、すべてのエネルギーリソースに関するデータを、装置の使用率および環境条件と関連させて収集します。このデータは、エネルギーの品質と消費の傾向や矛盾を明確にしたり、将来の改善に向けてベンチマークを設定したりするために、エネルギー履歴プログラムで記録され、タイムスタンプが付加けられます。

管理者は、施設のエネルギー使用の全体像をもとに運用方法を変更することで、施設の利用がピークに近づいた場合は、数分間負荷を制限したり電力レベルを下げたりして、エネルギーの消費量とコストを削減することができます。さらに、管理者は、工場内の装置に損傷を与え、エネルギーグリッド上で力率の問題を引き起こす電圧低下や高調波など電力品質の問題を特定することもできます。

Page 9: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

生産モニタの柱では、製造業者はデータ収集および分析実施範囲を工場まで拡張し、工場長がエネルギー消費とプロセスに関連するマシン、生産ライン、生産単位との関係についての情報を収集できるようにします。多くの企業が、主に規制上の理由から、すでに自社の制御および情報システムで、エネルギー管理に有効なデータを収集しています。しかし、ほとんどの企業は、このデータ をエネルギー管理の目的には使用していません。

フィル・コフマンとマルシア・ウォーカーは、一旦工場からエネルギー情報を抽出するシステムを導入すると、工場の消費量を施設の消費量データから切り離して取り出せるようになると説明しています。情報は、ダッシュボードにレポート表示することができます。これを使用して、工場長は、変化する工場のエネルギーコストを正確に特定し、収益性の改善方法を検討できるようになります。さらに、製造業者は、エネルギー管理を改善するためにマシン設計にもデータを反映させることができます。例えば、出力範囲の異なるモータを指定したり、データ収

集用に監視装置を接続したりすることもできます。

エネルギー利用の記録製造におけるエネルギー消費データが情

報システムで保存され、分析されると、工場長は、特定の製品サイクルやバッチ処理などさまざまな履歴イベント間で、エネルギー利用の傾向を明確に確認できるようになります。また、同様の負荷またはバッチ処理に必要なエネルギー量を前もって見積もることもできます。そうすることで、次のエネルギー管理アーキテクチャの柱に進み、そこで、原材料やその他の入力の使用可能性を、製造BOMの要素として考慮するのと同様に、エネルギー要件を、リソースプランニングおよびスケジュールの決定時に取り入れることができます。

実験的にエネルギー消費要件を製造BOMで試すことで、予測に基づいて生産を決定し、エネルギー投資をより適切に管理して、収益を拡大することができます。

この段階では、エネルギーはもはや固定されて割り当てられた、単純に回避できない経費とは認識されなくなります。製造BOMにエネルギーを追加した製造業者は、入力としてアクティブに管理し、より高い収益性を実現できます。

モデリングと制御 フィル・コフマンとマルシア・ウォーカーに

よると、モデリングの柱では、生産スケジュール管理者は、生産シミュレーション・ソフトウェア・ツールを活用し、ピーク時とオフピーク時のエネルギーコスト、原材料コスト、労働力、予測排出量などの変数を入力し、

「what-if」シナリオを事前にテストして、変更後の生産高やコストの変化を確認することができます。

この柱では、製造業者は生産資産を最適化し、エネルギーを変数のひとつとして使用して、製品の最も経済的な製造方法を予測できます。また、生産スケジュール全体を予測し、生産全体を最適化することもできます。

第5の柱である制御では、企業はすべてのデータセットを、制御オプションの特定、モデリング、可視化、表示に使用したり、生産上の変更を自動的に制御したりできるひとつの自動化ソリューションにまとめます。不要な管理上の介入なしで、モデリング機能が自動的に決定を行います。

製造業者は、エネルギー源が生産に与える影響を十分に把握できるようになりま

す。この高度な制御と最適化機能により、企業はエネルギーリソースのコストに関する情報と生産に必要な量を関連付けて、利用するリソースを的確に決定できます。

対応とスコアカードの作成このアーキテクチャの対応の柱では、企

業は外部市場や規制の影響をエネルギー管理戦略の一部と見なすことができます。自社工場内のエネルギー消費量をしっかり把握することで、製造業者は効果的なプログラムを作成し、工場全体でエネルギーの最適化を実現できます。

さらに、企業では、市場の変動や規制の要求に応じたエネルギー消費量の変更に基づき、賢明な経済的決定を行う方法にも注目できるようになります。例えば、グリッド電気の公開市場では、製造業者が一定の時間のエネルギー使用を確定することが必要な場合もあります。製造業者は、生産をモデリングし、エネルギー消費量のニーズに関連付けることにより、許可された量を下回るエネルギーで生産目標を達成できるかどうか予測できます。達成可能と予想される場合、企業は同じ工業団地の他の工場に連絡し、余った時間単位またはキロワット時間を販売できます。

最後の柱、スコアカード作成は、政府、大手小売業者、そして消費者の要請に遵守し、

カーボンラベルやエネルギーラベルなど、製品のサステナビリティに関するスコアカードを共有することに関連しています。複数の情報源からの情報を継続してまとめることで、企業は、サプライチェーン全体をさらに最適化し、サステナビリティやエネルギープログラムを強化できる可能性も認識できます。

現在は、製造業にとって今までにないほど複雑な時代です。製造業者は、供給、価格設定、小売業者の要求、消費者の要求、業務効率、企業イメージ、規制遵守、その他の要求のバランスをとりながら、生産業務を管理する必要があります。フィル・コフマンとマルシア・ウォーカーは、エネルギー問題を解決するために必要な自動化、制御、および情報ソリューションがすでに用意されていて、すぐに適用して、大きな成果を上げることができることを指摘しています。 AT

AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 9

製造業において、コスト変化の大きさと供給の不安定さから、エネルギーは最も理解しがたく、管理しにくいコストのひとつになっています。

Page 10: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

技術的な質問にWeb上および電話で迅速に回答します。

テックコネクトが自動化システムの 連続稼働を支援

WATCHTECHNOLOGY

10 July 2010 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC

製造業者および機械メーカは、グローバル経済の中で競争力を得るためには製品化までの時間

短縮が重要な要素であることを認識しています。市場の要求に間に合わせるためにも、他の重要なプロジェクト、生産、およびビジネスの目標を達成するためにも、連続的な稼働状態を維持することが必要です。

先進的な企業では、高性能の製造装置およびシステムを使用する場合、あらゆるコンポーネントに対する迅速で包括的なサポートを利用できることが重要で

あることも認識しています。そこで、こうした企業は、ビジネスニーズに合わせた広範囲に渡るリアルタイムの電子および電話サポートを提供するロックウェル・オートメーションのサポートプログラムであるテックコネクトに加入することを選択しています。

年中無休の対応テックコネクトサポートは、装置の設置

やソフトウェアのインストール、構成、保守、ソフトウェアのアップデート、操作上の問題の診断と解決、基本的なプログラミング作業など、製造業者を支援するためのツールとソリューションを用意しています。この中には、チャット、質問の送信、およびロックウェル・オートメーションのサポートフォーラムなど、最新ツールも含まれます。

チャットは、電話を掛けることなく、リアルタイムで技術的なサポートを提供します。チャットでは、ロックウェル・オートメーションのナレッジベース(ロックウェル・オートメーション製品、ソフトウェア、およびサービスに関するテクニカルノートのオンラインデータベース)を介して、エンジニアが、ロックウェル・オートメーションのサポートエンジニアとオンラインでトラブルシューティングや問題解決のために話し合うことができます。

チャットでは、サポートに関する会話をすべて記録し、ナレッジベースに保存して、いつでも確認したり、印刷できるようにしています。また、チャットなら、騒音がある場所や電話に出られないときでも、工場内でサポートを受けることが可能です。さらに、同時に複数の作業を実行することができます。

ナレッジベースプロファイルのテックコネクトサポート確認番号と共に、チャットタブが、ユーザのコンピュータの画面に表示されます。このタブをクリックすると、ロックウェル・オートメーションのテクニカル・サポート・エンジニアと、リアルタイムのサポートセッションが開始されます。

アジア太平洋地域では、英語、中国語、ヒンディー語、インドネシア語、日本語、韓国語、マレー語、タミル語、タイ語、およ

びベトナム語でのサポートを提供します。サポートの対象は、ハードウェア、ソフトウェア、ドライブ/モーション、およびICM/Entekシステムで、月曜日から金曜日の午前8時から午後5時まで受け付けています。ログインするには、ナレッジベースアカウントが必要です。

質問の送信は、テックコネクト利用者のための新しい電子サポートオプションです。ここから、ロックウェル・オートメーションの350人を超える自動化のスペシャリストに繋がり、問い合わせに対応します。

その他にも、テックコネクトサポート契約者は、ロックウェル・オートメーションのサポートフォーラムにアクセスすることができます。このピア・ツー・ピア通信を使用して、製品について話し合ったり、支援を求めたり、他の利用者を支援することができます。

スケーラブルなサービスサポートに対する企業のニーズは、実

行しているシフトの数、それぞれのシフト

適切なリソース

アジア太平洋地域のテクニカル・サポート・センタ(TSC)は、お客様の

業務を稼働状態に保つためのツールと対応を提供するロックウェル・オートメーションの世界規模の部門の一部です。オーストラリアのメルボルンと、中国の上海に拠点を持つTSCは、「フォロー・ザ・サン」サービスモデルをベースにしています。世界中のどこのお客様も、ひとつの番号をダイアルするだけで、時間に応じてアジア、ヨーロッパ、北米の対応可能なセンターに電話が繋がります。共通のデータベースを利用できるため、世界中のエンジニアが問題に対応できます。 上海のTSCは2010年1月に開業しました。ここでは、電話、チャット、および質問の送信サポートを中国語と英語で提供します。中国および米国のロックウェル・オートメーションから派遣された経験豊富なエンジニアが対応しています。 ロックウェル・オートメーションのアジア太平洋地域サービス部門の部長であるキャシー・ラングロイスは次のように述べています。「上海TSCの開設により、中国のお客様のビジネス発展のためにテクニカルサポートのリソースを充実させてサービス能力を向上させることで、ロックウェル・オートメーションは中国のお客様の要件に、より総合的に対応できるようになると確信しています。」

Page 11: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 11

ロックウェル・オートメーションは、グローバルなテックコネクト・サポート・プログラムで、さまざまなサービスレベルを提供しています。 優先コネクト、ダイレクトコネクト、Eコネクトのオプションを確認し、ビジネスニーズに最適なサービスを選択してください。

テックコネクトサポート

に関わるスタッフの数、製造工程のタイプによって異なります。テックコネクトサポートは、次の3レベルのサービスを提供します。

• PriorityConnectSM (優先コネクト) – 最高レベルのサポートで、お客様の電話は、ロックウェル・オートメーションのシステムのサポートに精通した選りすぐりのエンジニアグループに繋がります。ディスクリート自動化システムと、プロセス自動化システムの専門家で構成されたグルー

プが、最初に電話を受けてから、問題が解決するまで対応します。

• DirectConnectSM (ダイレクトコネクト) – このサポートは、ロックウェル・オートメーションの製品の専門家によるリアルタイムの電話サポート(電話回数制限なし)を利用して、社内の技術資源を補う必要のある企業に適しています。

• eConnectSM (Eコネクト) – このレベルのソリューションは、問題のサポートがそれほど重大ではない、計画されたプロセス改善にあまり影響がない、または、全シフトに渡って有効な自社の問題解決機能を備えているような製造業者向けに、オンライン資源を提供します。これには、ロックウェル・オートメーションのサポート担当者へのオンラインによる無制限のアクセスと、Webからのダウンロードによるソフトウェアのアップデートが含まれます。

違いをもたらすテックコネクトサポートは、製造業者

にとって多くのメリットがあります。ひとつは、管理が簡単であることです。有効期限を定めた契約で、更新も簡単です。ひとつの共通の確認番号を使用することで、各工場からサポートを利用場合

に、それぞれの契約番号を管理する手間を省けます。すべてのサイトおよびソフトウェアが対象となります。その上、対象製品は、何千もの個々の製品毎ではなく、8つの製品ファミリーで分類され ます。

次に、テックコネクトサポートにより効率を上げることができます。すなわち、新しい装置の統合を迅速化することにより、製品化までの時間短縮を支援します。さらに、プロジェクトサイクル全体でロックウェル・オートメーションの技術資源を利用することにより、設計、納入、設置、始動、およびその他のプロジェクト要件を満たせるように支援します。

最後に、テックコネクトは安心感を与えます。製造業者は、自動化システムのデバッグに費やす時間の無駄を削減できます。この時間は、ビジネス目標に取り組むために、より有効に利用でき ます。 AT

テックコネクトの機能 優先コネクト ダイレクトコネクト Eコネクト上級サポートスタッフによる優先的対応 有り -- --予防的問題解決のフォローアップ 有り -- --対話型問題管理Webサイト 有り -- --回数無制限のリアルタイム電話サポート(月曜~金曜、午前8時~午後5時)

電話回数制限なし、 システムサポートの専門家が対応

電話回数制限なし、電話を受けたサポートの専門家が対応 --

チャット 有り 有り --必用に応じたPCのシェア 有り 有り --ソフトウェアメディアの郵送 有り 有り --ナレッジベースの参照 有り 有り 有り電子メールによる、回数無制限の質問の送信 有り 有り 有りテクニカルサポートが提供するユーザフォーラムへの参加 有り 有り 有りソフトウェアとファームウェアのダウンロード CDおよびWebからのダウンロード CDおよびWebからのダウン

ロードWebからのダウンロードのみ

技術参照ライブラリDVD 有り 有り 有り年中無休の電話サポート 有り 有り --

Page 12: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

12 July 2010 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC

PROPOSITIONVALUE

韓国の9大企業のひとつであるクムホタイヤは、中国南京のハイテク開発区に工場を設立しまし

た。南京工場は、クムホタイヤにとって4番目の中国工場で、年間300,000本のトラック/バス用ラジアルタイヤを製造する能力を備えています。

会社経営陣は、工場全体の運営コストも含めて、基準と要件を高く設定しました。経営陣が重視した領域は保守です。製造工程の継続性と安定性を確保することにより、クムホタイヤは予備品の種類と量を科学的に管理し、部品在庫とコスト間のバランスを最適化しました。

2007年7月と8月に、ロックウェル・オートメーションのサービス&サポートチームは、クムホタイヤの工場で、オンサイト評価を実施しました。このチームは、全パーツのリストと手元にある数量の記録を作成しました。さらにデータの編集と統計分析を行った後、部品状況に関する詳細な報告書を提供しました。ロックウェル・オートメーションのチームは、クムホタイヤにパーツ管理および延長保証契約への加入を勧めました。

パーツ管理契約は、ベンダ主導の在庫管理プログラムです。この契約に基づいて、ロックウェル・オートメーションが予備品を所有して、在庫管理を行い、企業は必要な予備品をロックウェル・オートメーションに要求します。

パーツ管理契約は、製造業者にとっていくつかのメリットがあります。ひとつは資産管理です。工場は、長期間、無駄にパーツの在庫を保管する必要がなくなります。パーツ管理契約が終了すると、全在庫を撤廃するか、現行のニーズに合わせて在庫を変更できます。

もうひとつのメリットは現金管理の改善です。この契約を結ぶことで、企業はスペア部品の在庫を購入するための大きな設備投資を廃止することができます。用途が

なくなった現金は、他の支出に割り当てられます。さらに、契約費用は、3年または5年間据え置くことができます。また、企業は保管費用も最小限に抑えることができ ます。

その他のメリットには、稼働時間の増加と、生産の最大化も含まれます。稼働時間が増えるのは、重要な部品の在庫を各施設が現場で保持できるため、突発事故の発生時に、迅速に使用できるからです。材料が消費されるのと同様に、パーツも再注文するとすぐに補充されます。

パーツ延長保証契約は、ロックウェル・オートメーションの修理可能な電気部品に提供されます。パーツ専用の保証により、標準の1年間のロックウェル・オートメーション装置保証が、1年単位で最長4年まで延長されます。

このサービスは、新品または再生された製品に対する本来の1年の保証期間内に、随時注文できます。パーツ延長保証は、ロックウェル・オートメーションの修理および交換サービスが対応します。これは単独の契約として、またはロックウェル・オートメーションとの他の契約と組み合わせて購入できます。

延長保証は、有益な保護と安心感を提供することで、企業のメンテナンス戦略に不可欠な要素になります。また、予定外の修理やMROの費用を削減するだけでなく、予定外のダウンタイムを削減でき ます。

慎重に検討した後、クムホタイヤは2008年に、5年間のパーツ管理契約と延長保証契約に署名しました。契約の一環として、ロックウェル・オートメーションは、クムホタイヤの南京工場敷地内に予備品倉庫を設立し管理しています。

時間と共に、クムホタイヤはこれらの契約のメリットを理解できるようになってきました。特に、キャッシュフローとメンテナンスコストに関して実感しています。実際

に、クムホタイヤ本社は、このサービスを他の中国工場にも取り入れることを検討しています。 AT

錦湖(クムホ)タイヤの南京工場は、部品在庫と コストのバランスを最適化しました。

タイヤメーカが ロックウェル・オートメーションとのサービス契約でコストを削減

豊富なサービス

ロックウェル・オートメーションは、様々な標準的サービスと、カス

タマイズしたサービスを提供しています。標準的なサービスには、延長保証の他に、呼び出しサービス契約、トレーニングサービス、およびテックコネクトサポートなどがあります。 パーツ管理契約は、ロックウェル・オートメーションが提供する、カスタマイズされたサービスのひとつです。カスタマイズサービスには、その他に、予防保守、リモートサービス、産業用ネットワークサービス、およびトレーニングクーポンが含まれます。

Page 13: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

FOCUSPRODUCT

AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 13

ロックウェル・オートメーションは、工場の統合が急務な企業のニーズに応えるための多数のシステム、ソリューション、およびサービスを提供しています。これらを提供することで、孤立している自動化装置をつないで、情報を全工場に伝達して、ユーザがより

賢明な決断を下せるようになり、最終的には生産性が向上します。この数箇月間で、ロックウェル・オートメーションは、標準のEtherNet/IP技術に基づいたネットワークインフラストラクチャを利用

するユーザに対する支援を強化するための、多数の製品と機能拡張を発表しました。そのほとんどは、統合アーキテクチャソリューションの一部で、統合モーションの効果を、EtherNet/IP上のサーボおよび周波数可変ACドライブを使用しているアプリケーションにまで拡張しました。ロックウェル・オートメーションがEtherNet/IP上で統合したモーションは、ODVA (Open Device Vendors Association)のCIP (Common Industrial Protocol: コモン・インダストリアル・プロトコル)モーションと、CIP Synch技術を使用します。これらの統合アーキテクチャとロックウェル・オートメーション製品は、生産性、革新、グローバリゼーション、およびサステナビリティに関する問題への挑戦を敏速に支援します。

新しいControlLogix PACによるパフォーマンスの向上

ControlLogix® 1756-L73および1756-L75プログラマブル・オートメーション・コントローラ(PAC)は、ControlLogix L6xコントローラと同じプログラミング・ソフトウェア、ネットワークプロトコル、および情報機能を使用することで、複数の制御分野に、共通の制御エンジンと開発環境を提供します。

プロセスアプリケーションでは、コントローラによって、制御層と管理層間で交換される情報量が増加するため、冗長制御アプリケーションのパフォーマンスが改善されます。1756-L73と1756-L75では、高速モーションコマンドと軸軌道計画を実行することができます。これらは、EtherNet/IPまたはSERCOSインターフェイスで高性能モーションドライブを制御するために最適化され、100までの軸をサポートできます。ディスクリートアプリケーションでは、PACがより高速のデュアルコア、カスタムCPUを使用して、コントローラのスキャン時間を短縮します。

特に、新しいPACは、L6xコントローラに比べて次の性能が強化されています。

• 2.2X標準のラダーロジックのスキャン時間の改善

• 2X標準の通信パフォーマンスの改善• バックプレーン通信の高速化• 冗長アプリケーションに与えるスキャ

ン時間の影響を低減

RSLogix 5000バージョン18に 30以上の機能を追加

EtherNet/IP上の統合モーションや、信頼性の高いアドオン命令(AOI)などの新しい機能を備えたRSLogix™ 5000バージョン18ソフトウェアは、製造業者に優れた設計の柔軟性を提供して、機械メーカのエンジニアリング時間を節約します。組み込まれている主な機能は、次のとおりです。

• EtherNet/IP上の統合モーション: 新しいバージョンのRSLogix 5000ソフトウェアを使うことで、機械メーカは初めて、ひとつのEtherNet/IP上にあるハイパフォーマンスなドライブ、I/O、スマートアクチュエータ、その他のデバイスの、構成、プログラミング、コミッショニング、および保守ができるようになり、統合モーションの機能と利点を享受することができます。

• 高度なアドオン命令: 標準および安全コントローラのための新しいAOIが加わり、規制に準拠し、知的財産を保護しつつ、整合性を保ち、命令の定義の履歴管理を行うことが可能になります。

• EtherNet/IPユニキャストI/O: EtherNet/IP上で、I/Oデータを一対一で伝送することが可能になり、ネットワークの効率を向上することができます。加えて、EtherNet/IPがプロデュースまたはコンシュームするタグ通信を、複数のサブネットに拡げることができます。

• データアクセス制御機能の向上: 不注意によるデータ変更を防止し、HMI開発環境からコントローラを参照する際に表示されるタグの数を減らすことで、HMI作成をスピードアップします。

マシンのダウンタイムを低減FactoryTalk® Historian Machine Edition (ME)は、オンマシンデータ収集の

ために堅牢化された、履歴機能内蔵のソリッドステートモジュールです。主な特長は、コンパクトなソフトウェアサイズ、可動部品がないこと、そして、ネットワークやその他のシステム障害によるデータ損失のリスクを低減したことです。

ソフトウェアは、リアルタイムの生産データを利用して、製品品質の改善、製品化までの時間短縮、規制遵守のサポートを行います。作業場所も動作レベルも異なる従業員が、それぞれの役割に適した履歴データを表示し、分析できます。スタンドアロン設計のFactoryTalk Historian MEは、掘削装置、井戸、およびその他の、これまではアクセスが不可能であった厳しい環境にある場所でも、リモートからデータのキャプチャを行えます。

機械メーカは、マシンのデータ収集を事前確認できるため、現場での設置、構成、確認作業を迅速に行えるようになります。データキャプチャにより履歴情報が作成されるため、一連のイベント分析を効率よく実行できます。

Page 14: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

14 July 2010 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC

FOCUSPRODUCT

FactoryTalk VantagePoint EMIが情報に基づいた ビジネス決定を支援

FactoryTalk® VantagePoint EMI ビジネス・インテリジェンス・ソフトウェアにより、製造業者はリアルタイムでの生産性のモニタと管理を改善し、製品品質、装置の利用、およびグローバル・サプライ・チェーンの管理に関して洞察力に富んだ決定を下せるようになります。このソフトウェアは、様々なデータソース(リアルタイム、履歴、相関、トランザクションなど)に接続し、Webブラウザ経由でアクセス、統合、関連付けができる統合されたリソースを作成します。

新しいアプリケーションは、統一生産モデル(UPM)に基づいて、外見的に全く異なる製造データを統一して表示し、設備、製品、原料、および従業員の関係性を明らかにします。これは、製造ラインやエンタープライズ全体に関するひとつまたは複数の製造の問題に対処するために使用できます。このソフトウェアは、ダウンタイムのレポート、状態の追跡、または複数の制御システムのレポートなど、特定のニーズに対応します。

FactoryTalk VantagePoint EMIを使用することで、Microsoft Excel、Trend、およびSAP Business Objects Dashboard Builderなどさまざまなツールを使用してデータのレポートを作成できるようになります。データは、FactoryTalk VantagePoint、Microsoft SharePointポータルまたはその他のポータルから表示できます。

セグメント化ネットワーク 設計のためのStratix 8300スイッチ

Stratix 8300™レイヤ3マネージド スイッチは、Stratix 8000™産業用スイッチファミリーを拡大し、VLAN (仮想ローカル・エリア・ネットワーク)とサブネットルーティング機能を提供することで、エンタープライズスイッチまでのケーブル配線を短縮できるようにします。

フル装備のレイヤ3スイッチとして、新しいStratix 8300は、スタティック、ダイナミック、マルチキャスト、およびポリシーベースのルーティングを実現します。これによって、産業用Ethernetアプリケーションのための安全なセグメント化アーキテクチャの実現に、最大限の柔軟性が生まれます。

ネットワークのセグメント化により、管理とトラブルシューティングが困難な大規模でフラットなネットワークの保守が容易になります。また、異なるトラフィックタイプを分離することにより、セキュリティ管理も簡単になります。さらに、バンド幅を効率的に使用するためにトラフィックの負荷を分散させることで、パフォーマンスを改善します。

Stratix 8300とStratix 8000のどちらのスイッチも、Cisco Catalystオペレーティングシステム、機能セット、ユーザインターフェイスを使用して、エンタープライズネットワークとシームレスに統合し、ITの専門家が作業しやすい環境を提供します。同時に、これらのスイッチにより、ロックウェル・オートメーションの統合アーキテクチャシステムから総合的な診断情報を取得できるようになります。

統合モーションとEtherNet/IPを結合する サーボドライブ

新しいKinetix® 6500サーボドライブは、EtherNet/IPを組み込んだ高性能のモジュール式サーボドライブです。ControlLogix® PACとKinetix 6500サーボドライブを組み合わせて使用することで、EtherNet/IP対応の統合ドライブソリューションを提供します。

Kinetix 6500ドライブを増設すると、EtherNet/IPで高性能のドライブ制御、I/O、スマートアクチュエータ、その他EtherNet/IPに接続された任意のデバイスを統合し、システムコストを下げて、システムパフォーマンスと使い易さを改善することができます。内蔵のスイッチ技術により、リニアおよびデバイス・レベル・リング(DLR)トポロジが完全にサポートされます。

Kinetix 6500は、EtherNet/IP上のモーションをサポートするため、デバイスレベル、モーション制御、メッセージ制御用に別々のネットワークは必要なくなります。また、データの使用可能性、トラブルシューティング機能、フォルト時刻の刻印、およびデータロギングなどの機能を提供し ます。

さらに、サーボドライブは、ドライブに内蔵された安全オプションを使用して、作業員を保護します。例えば、安全速度制御機能は、機械またはプロセスを限られた状態で動作させたまま、防護領域に安全に近づけるようにするため、最大限の物理的防護を提供します。安全速度制御は、完全な再始動に比べて、迅速にラインを稼働状態にするので、モータや電源装置の摩耗を抑えることができます。

Page 15: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 15

EtherNet/IPを利用する分散I/Oモジュール

デュアルポートArmorBlock® EtherNet/IPモジュールは、リニアおよびリング・ネットワーク・トポロジを利用して、デバイスを直接相互に接続できます。この機能は、外部スイッチと、すべてのデバイスを中央のスイッチに戻すための配線コストを不要にします。

モジュールには次の機能があります。• 標準のTCP/UDP/IPプロトコル内で

カプセル化されたEtherNet/IPメッセージを使用。

• ControlNetとDeviceNetに共通のアプリケーションレイヤ。

• カテゴリ5に定格されたツイスト・ペア・ケーブルを使用した接続。

• 半二重/全二重10Mビットまたは100Mビットで動作。

• RSLinx®ソフトウェアで通信をサポート。

• RSLogix™ 5000ソフトウェアを使用したI/O構成。

モジュールは壁またはパネルに取り付けられます。ネットワークのスケジューリング、またはルーティングテーブルは不要です。I/O構成には、16入力、16出力、8入力と8出力があります。モジュールのサイズは、179 x 65 x 43.25mmで、動作温度範囲は、-20°~60°Cです。

FOCUSPRODUCT

Kinetixモーションソリューションが小規模アプリケーションにも対応

新製品Kinetix® 300 EtherNet/IPインデキシング・サーボ・ドライブは、機械メーカとエンドユーザが、試運転、構成、およびスタートアップを容易に行えるよう、ひとつの通信ネットワークで標準化することが可能です。この新しいドライブを使用することで、HMI、プログラマブル・オートメーション・コントローラ、I/O、およびモーションを含めた制御ソリューション全体を、l標準のEtherNet/IPネットワークで接続できます。

最大5つのインデキシングタイプと32のインデックスに対応しているKinetix 300サーボドライブは、インデックステーブルおよび断続的な水平および垂直方向

の成形/充填/密封機械、さらにシンプルなスリーバ、ケースパッカー、およびエレクター用の設計が可能です。

このサーボドライブの特長は、Kinetix 300アドオンプロファイルを使用して、RSLogix™ 5000ソフトウェアとシームレスに統合できることです。また、ドライブ用のWeb構成ツールを備えているため、機械メーカは専用のモーションソフトウェアを理解し、ロードして、保守を行う必要はありません。

作業員を保護するための安全トルクオフ機能を備えているため、マシンの設定、クリーニング、ジャムの除去などの作業を、マシン全体の電源を切らずに行うことができます。電源を切る代わりに、ドライブの出力を安全に無効化することで、マシンをより迅速に再始動させ、マシンのダウンタイムを短縮することができます。

PanelView Plus Compact HMIを小規模アプリケーション向けに最適化

新しいPanelView™ Plus Compact HMI (ヒューマン・マシン・インターフェイス)は、CompactLogix™コントローラファミリーと統合できます。シリアル通信やEthernet通信、およびコントローラとの接続を選択できるなど、HMIは小規模アプリケーション向けに最適化され、費用対効果に優れた価格で入手できます。

CompactLogix L2xおよびL3xコントローラとの接続機能が特に優れており、コントローラからのタグ情報に直接アクセスして再利用する機能も備えていることから、PanelView Plus Compact HMIを使用することで、柔軟な設計が可能になります。あらかじめ構築されているフェイスプレートとアドオン命令により、統合アーキテクチャのモーション、ドライブ、プロセス制御装置などと統合できます。すべての端末が、共通の開発環境を使用してプログラムされているので、機械設計者はコンポーネントやサービスを再利用して、時間を節約することができます。

PanelView Plus Compact HMIは、最大で25の画面と200のアラームメッセージを、複数の言語で提供します。その他、高輝度ディスプレイ、先進のアラームシステム、データログ機能、およびトレンド分析機能をもっています。

Page 16: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

16 July 2010 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC

FOCUSPRODUCT

Ethernet物理メディアを厳しい産業用環境向けに設計

Ethernet対応製品を補完するために、ロックウェル・オートメーションは産業用Ethernet物理メディアのポートフォリオを提供します。これは、過酷な産業用環境で使用するために特別に設計され、頑丈なコネクタ構造を使用して特別に設計されたケーブルが接続されて、信頼性と柔軟性を確保しています。ポートフォリオの内容は次のとおりです。

• RJ45パッチコードとコードセット。カテゴリ5eのケーブルとカテゴリ6のコネクタを使用して機械的および電気的にテストされています。ひとつのチャネルでより多くの終端に対応できる設計で、内部ノイズを低減して、信号強度を強化しています。

• M12接続。これらのEthernetケーブルは、ツイスト・ペア・ケーブルを使用したIP67オーバーモールドコネクタを持ち、ノイズと振動が伴うアプリケーションのパフォーマンスを改善します。オーバーモールドハウジングは、信号の完全性を保護し、接続の信頼性を高めます。

• RJ45アクセサリ。この中には、耐久性に優れたブーツを付け、カテゴリ5eに定格された従来のクリンプコネクタや、カテゴリ6に定格されたRJ45圧接コネクタ(IDC)が含まれます。RJ45 IDCを使用すると、ケーブルの被覆を取り除くだけで、コンダクタを適切な場所に取り付けることができます。

スケーラブルな統合アーキテクチャが大規模/中規模アプリケーション向け ソリューションを提供

ロックウェル・オートメーションの統合アーキテクチャシステムは、ひとつの制御および開発環境で、様々なアプリケーション規模に対応できるソリューションを必要としている機械メーカおよびエンドユーザに、スケーラブルで統合された安全、モーション制御、および可視化機能を提供します。統合された安全制御や標準制御、高度なアドオン命令、情報化可能なオープンネットワークおよびソフトウェア、再利用可能な開発ツールなどの機能により、機械制御ソリューションを必要なときに予算内で導入できるようになります。

ロックウェル・オートメーションが提供するスケーラブルな統合アーキテクチャは、中規模のアプリケーションで、統合アーキテクチャシステムのメリットを利用するのに役立ちます。例えば、開発の時間とコストの縮小、競争力と差別化の強化、OEE (総合設備効率)と安全機能の改善、機械の柔軟性向上などのメリットがあります。これまでコンパクト・マシン・ソリューションと呼ばれていたスケーラブルな統合アーキテクチャには、大規模システムと同様の柔軟性、開発時間の短縮、使い易さを提供する製品が含まれます。

スケーラブルな統合アーキテクチャを構成する製品には、Compact GuardLogix®プログラマブル・オートメーション・コントローラ、サーボドライブ、ヒューマン・マシン・インターフェイス、ACドライブ、およびRSLogix™ 5000 V18設計および構成ソフトウェアが含まれます。

汎用アプリケーション用のモータ制御最近リリースされたPowerFlex® 753 ACドライブは、機械メーカや製造業者

に、汎用アプリケーションに必要なモータ制御を提供します。このドライブは、複数の言語に対応しており、国際規格および認証に適合します。PowerFlex 750シリーズの第2段としてリリースされた本製品は、ファン、ポンプ、コンベアなど広範囲の業種およびアプリケーションに適したドライブです。

PowerFlex 755 ACドライブと同様に、 PowerFlex 753 ACドライブも多数の制御ハードウェアオプションを提供します。標準の機能およびオプションセットの構成は、以下のとおりです。

• DeviceLogix™。内蔵された制御テクノロジは、ディスクリート出力の処理とドライブ制御機能をサポートすると同時に、ドライブ上でディスクリート入力とドライブステータス情報を使用します。

• 予測診断。PowerFlex 750シリーズが冷却 ファンやリレー出力の寿命に影響する情報の追跡を続けられるようにします。

• オプションカード。各ドライブは、スロットベースの構造であるため、ユーザがそれぞれのアプリケーションに合わせてドライブを構築できます。

• 安全トルクオフおよび安全速度モニタ。アプリケーション要件に従って、安全レベルの選択できる安全オプションを提供します。

• 通信。ACドライブは多種多様なネットワークプロトコルに対応しています。

• I/O。オプションカードは、追加のアナログおよびディスクリートI/Oとして使用できます。PowerFlex 753には内蔵I/Oが装備されているため、オプションカードを使用して拡張することができます。

• パッケージ。工場および現場に取付け可能なエンクロージャオプションを使用することで、さまざまな環境要件に適合できます。

PowerFlex 753ドライブは、AC400/480VおよびDC540/650V入力で、0.75~250kW/1~350hpの出力範囲を選択できます。

Page 17: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

ひとつのコントローラで、中規模アプリケーションに、統合された安全制御と モーション制御を提供

ロックウェル・オートメーションは、機械メーカおよび製造業者に、統合された安全、モーション、ディスクリート、およびドライブ制御機能をひとつのコントローラで提供する2種類の新しい中規模アプリケーション用コントローラを発表しました。L43SおよびL45S Compact GuardLogix® PAC (プログラマブル・オートメーション・コントローラ)は、これまで大型のControlLogix®プラットフォームでのみ使用可能であった機能を拡張しました。拡張された機能には、面倒なシャットダウンや時間の掛かる再始動を削減できる、診断および情報機能だけでなく、設計および開発の生産性を向上させるための共通のプログラミング環境も含まれます。

スケーラブルな統合アーキテクチャシステムの一環として、Compact GuardLogixコントローラは、企業内の大規模システムと同じ構成、ネットワーク、および可視化環境を使用します。これによって、機械メーカおよびエンドユーザは、工場全体の制御システムや安全アプリケーションを、コスト効率よく統合することができます。スケーラブルであると、製造業者や機械メーカが、アプリケーションの規模に関係なく、ひとつの制御エンジンとひとつの開発環境を使用して、アプリケーションを設計できます。

Compact GuardLogix PACは、SERCOS通信ネットワーク上で最大8軸の統合モーションを制御します。Kinetix® 6200 サーボドライブと組み合わせて使用すると、機械メーカは安全な速度と安全な方向など、先進の安全オプションを利用できるようになります。

このコントローラは、EtherNet/IP上で使用されるCompactBlock™ Guard I/O™モジュールおよびPOINT Guard I/O™モジュールにも対応しているので、システム構成を素早く行うことができ、情報の共有も容易になります。1oo2安全アーキテクチャを装備したCompact GuardLogixコントローラは、機械安全の最高レベルであるSIL 3 (安全度水準)、PL e (安全遂行レベル)に定格されています。

最新バージョンのRSLogix™ 5000プログラミングソフトウェア(V18)を使用することで、Compact GuardLogixコントローラで、高度なアドオン命令を利用して試運転を迅速に行うことができます。AOIは、共通ルーチンのコードを、事前に妥当性確認済みの簡単に再利用できるモジュールにカプセル化しているので、時間を節約し、コーディングエラーを削減します。

Energy Management Acceleratorツールキットが モニタと分析をスピードアップ

ロックウェル・オートメーションのCompactLogix™、 Powermonitor、およびRSEnergyMetrix®エネルギー 管理ソフトウェアに加えて、システム設計、プログラミング、および分析用のツールキットを使用して、エネルギーのモニタおよび分析システムを短時間で開発し、導入できます。

ツールキットには、エネルギー管理プラン作成の基礎、総合的なエネルギーシステム構成ガイド、およびCAD図面が含まれます。さらに、エネルギーデータの収集およびソフトウェア構成手順と、ローカルHMIモニタおよび診断のためのフェイスプレートも提供します。

Contact DATA-LINC today:[email protected]

+1-425-882-2206

3535 Factoria Blvd SE Suite 100Bellevue, WA USA

Or visit us on the web : www.data-linc.com

Th

e one-stop source for your

data communication needs

Data-LINCは、お客様のプロジェクトの

ニーズに合う産業用モデムを、世界中で最も幅広く提供します。

現場で証明されたパフォーマンス~産業用タイプのサポート

Page 18: Automation...AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC July 2010 3 今年のオーオメーションフェアは、2010年11月3日~4日 に、米国フロリダ州 オーランドにあるオレンジ郡コンベンションセンターにて開催されます。

ILX34-AENWG

A S I A P A C I F I C | A F R I C A | E U R O P E | M I D D L E E A S T | L A T I N A M E R I C A | N O R T H A M E R I C A

ワイヤレスでリモートI/Oとの通信が必用な場合:・梱包ライン・タンクレベルのモニタリング・車の組立てライン

フェストゥーンケーブルより信頼性が高く、スリップリングより安価なものをお探しですか?

ProSoft TechnologyのワイヤレスPoint I/Oアダプタを、制御の中心に置いてください!・RSLogix5000で設定・フレキシブルでスケーラブル・802.11gに準拠・ProSoftの産業用ホットスポットに接続

入力リレー出力

デジタル入力

ワイヤレスPoint I/Oアダプタ