bang dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

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BanG Dream!

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Page 1: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

BanG Dream! ~少女との思い出~

小鴉丸

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【注意事項】

 このPDFファイルは「ハーメルン」で掲載中の作品を自動的にP

DF化したものです。

 小説の作者、「ハーメルン」の運営者に無断でPDFファイル及び作

品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁

じます。

  【あらすじ】

 バンドリキャラとイチャイチャしたいから書き始めた作品です。

 思いつきでの投稿ですので暇つぶし程度にお読みください。(和姦

も強姦もどちらも書いておりますのでお好きな方を)

Page 3: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

  目   次  

〜少女との思い出〜

─────────────────────

 松原花音と 

1

─────────────────────

 奥沢美咲と 

10

───────────────────────

 丸山彩に 

22

───────────────────────

 美竹蘭と 

33

─────────────────────

 松原花音の 

47

─────────────────────

 戸山明日香と 

51

─────────────────────

 北沢はぐみと 

72

─────────────────────

 松原花音に 

87

─────────────────────

 白金燐子と 

99

───────────────────────

 丸山彩と 

109

─────────────────────

 白鷺千聖に 

123

─────────────────────

 羽沢つぐみと 

136

─────────────────────

 弦巻こころと 

147

─────────────

 羽沢つぐみと 〜after〜 

158

─────────────────────

 上原ひまりと 

165

─────────────────────

 青葉モカと 

176

─────────────────────

 倉田ましろに 

188

─────────────────

 北沢はぐみと(妹版) 

194

〜混じり合う少女達〜

───────────────────

 丸山彩×白鷺千聖 

203

──────────────────

 美竹蘭×羽沢つぐみ 

206

─────────────────

 氷川紗夜×羽沢つぐみ 

220

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〜少女との思い出〜

松原花音と

  休日のある日、俺の家にはある少女が来ていた。

「えへへ……」

 水色の髪をふわふわと揺らし顔を緩ませながらこちらを見ている。

「……何だよ花音」

 家の庭にある小さな野菜畑の手入れを一旦中断して少女──花音

を見る。

 俺が名前を呼ぶと花音は小さく微笑む。

 この少女の名前は松原花音。

 花咲川女子学園高校の2年生でバンド〝ハロー、ハッピーワールド

!〞のドラムをしている。いつもおっとりとしていて周りを癒して

くれる存在だ。

「○○くんの頑張ってる姿を見るのが楽しくて……」

 いつの間にか注いでいたお茶を差し出してくれる。俺は汗をタオ

ルで拭きキンキンに冷えたコップを手に取り少しづつ飲んでいく。

 結構長い時間作業をしていたから丁度喉も渇いていたし、タイミン

グバッチリだ。

 ゴクッゴクッと飲んでると視線を感じた。何かと思い見てみると

花音がずっとこっちを見ていた、俺は不思議に思い聞いてみる。

「どうした、何か変な所でもあったか?」

「ふえっ!? い、いや変な所なんてないよ!」

 両手を前に突き出し横に振る。

「えっと……ただね? 飲んでる姿がカッコイイなぁ、って」

 もじもじしながら言う花音。そんな花音を見ていると急に恥ずか

しくなり、照れ隠しをするように俺は家の中に入っていった。

 今更だが俺と花音は付き合っている。付き合い始めたのは2年に

上がる前で俺達が結ばれた時はハロハピのメンバーも俺達を祝って

くれた。それから時間も経ち俺と花音はある交わりもしている。

1

Page 5: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 既にやる事はやっているのにまだこういうちょっとした事でも恥

ずかしくなってしまうのは、きっと花音の魅力を全て理解していない

証拠かもしれない。

「あー……しまった」

「どうしたの?」

 花音が俺の後ろに続いてくる。1人だとあまり気にしないがこい

つが居るなら話は別だ。

「いや、今家中のエアコンが奇跡的に壊れててさ暑いんだよな〜、っ

て」

「あはは……。奇跡的って……」

 そんな所で使っちゃうんだ、という感じで言われてしまうが昨日か

ら急になったんだこれを奇跡的と言わないでに何という。

「網戸にしててくれないか? 自分の部屋から扇風機持ってくるか

ら」

 そう言って階段を上り2階の自室から扇風機を取る。首振りにす

れば2人くらい十分に涼めるだろう。

「さて……。コンセント、セット! スイッチオン!」

 1階に持ってきて遊び心満載でスイッチを入れる。ブーン、と音を

しながら風が送られてくる。

「す〜ずしい〜〜!!」

 人類の勝利だ! と意味不明な事を叫びながら風を受ける。花音

も「うんっ涼しいね♪」と笑顔だ。

   ──と、この時はそう思っていた。

     「あ〜〜〜〜……あちぃ……」

2

Page 6: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「うん……、扇風機が意味を成してないよ……」

 あの後一段と暑くなり窓という窓を開けたが意味は無く、扇風機の

風はもはや熱風としか表せない。

 そもそも外の風が吹いてないのも問題だ。作業をしている時は微

妙に吹いていたが昼になるにつれ段々と吹かなくなり……今に至る。

 噴き出す汗が止まらない、体から汗が出るとともにやる気も抜けて

いってる感じもする。変わらないと知りながらも団扇で扇いでみる

が来る風は扇風機と同じような風だ。

「(花音は、大丈夫か……?)」

 花音の方に目を向けると俺はその光景に息を呑むと同時に釘付け

になった。

 やはり花音も同じように汗だくだった。だが首を伝っていく汗に

視線が妙に引き付けられる、服も汗で体に張り付いて体のラインが

くっきりと分かる。それが俺はエロく感じてしまう。

 暑くて頭がおかしくなってしまったのだろうか、とてもぼーっとし

て花音の事しか考えられない。

「──花音」

 ふらふらと近寄りながら名前を呼ぶ。それに花音はソファーに腰

を掛けたままきょとんとして見上げる。

「ど、どうしたの○○くん……?」

 俺は無言のまま花音に抱きつく、それはソファーの上に花音を押し

倒すのと一緒で……。

 「きゃっ!?」

 押し倒した花音は可愛らしい声を上げて何が何だか、というふうに

こちらを見ている。

「悪い、花音。お前エロいからさ我慢出来ねぇよ」

「え? そ、それってどういう──ひゃん!」

 言葉を中断するかのように花音の首筋を舐める。

 汗のしょっぱい味が美味く感じる。

「んっ……んん……っ」

3

Page 7: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「じゅる、はぁはぁ……。じゅるる……」

 俺が舌を動かすと花音は艶っぽい声を上げる。それが耳に届く度

に俺の行動を加速させていく。

 舐める。ただ舐める。それだけの行動だがずっとしてても飽きな

いという自身さえもあった。

「ひぁっ……んんんぅ」

 ビクッと花音の身体が震える。

「○○……く──んんっ! ぁあっ……んっ♡」

 いつの間にか花音は俺の背中に両腕を回して強く抱きしめていた。

暑い空間の中で別の熱が俺に伝わる。伝わるのは熱だけじゃなく女

の子特有の柔らかな膨らみもだ。

「花音、花音──!」

 俺はますます興奮していく。

 違う行動に移ろうとして一旦首から顔を離す。だが花音が俺の後

ろに回していた手に力を入れて再び引き寄せられ、そのまま──

「──ん」

 唇を重ねられた。

 俺の口は花音の舌で無理矢理こじ開けられ舌と舌が絡み合う。

 花音はいつになく積極的で一瞬見えた顔はとても赤かった。

 口を離すと口と口が銀の糸で繋がれる。俺の唾液が花音の口元に

垂れ、それを花音は口周りに食べ物がついたのを取るかのように舐め

て喉を鳴らして飲み込んだ。

「はぁ……はぁ、っ……」

 呼吸を整えようとするとぽた、ぽた……と汗が滴る。

 顔、というか身体中が熱い。俺の意識は完全に花音に支配されてい

る。もっと花音を味わいたい……、今はその事だけしか頭にない。

「もっと、○○くんを……感じたいよぉ……」

 トロンとした瞳でそんな事を言われ胸が締め付けられる。

「あぁ……」

 俺は花音の服を脱がしてゆく。すると徐々に綺麗な白い肌が見え

始める。

4

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 ストラップレスの下着を外すと形のいい胸が顕になる、白い肌に合

わせてるかのように下着は白色で、パンツには少しシミができてい

た。

 そこに俺の手は自然と伸びていった。

「んんっ! ぁっ、ぁあん……♡」

 パンツの上から優しく撫でた後その中に手を入れた。

 指先にくちゅっと湿った感覚を覚える。花音の秘部は既に愛液が

滲み出していて、先程から感じていた事が分かった。

「んっ……えっちな音、してるぅ……♡」

 秘部の周りをゆっくりとなぞると僅かにだが花音が反応している

のが伝わる。指を動かす度に花音から溢れてくる熱い汁がその動き

をスムーズにさせていく。

 激しく掻き回したり、ゆっくりと入れたり抜いたりを繰り返す。

「可愛いよ、花音……」

 耳元で囁くと小さく身体を震わせる。

「はぁ……っ、うぅん! も、もう……んぅぅ」

 恥ずかしがる花音を見ながら、ゆっくりと割れ目を押し広げた。

「あ……あぁっ! みな、いでっ……私の……っ」

 とぷっと秘部から溢れる。トロトロになった花音のそこは我慢の

限界なのかひくひくと動いていた。

 俺は自分のズボンを脱ぎモノを取り出す。

 あんな花音を見たせいで当然のように限界まで張るように勃って

いた。

「はぁっ、んっ……。えへ……っ、○○くんも、興奮してくれたんだね

……」

「バカか、興奮するに決まってるだろ……」

「うれしい……っ、ん」

「うあっ……!?」

 今度は逆に俺が花音に押し倒された。いきなりだった上に全体重

を掛けられて来たから抵抗なんて出来ない。

 倒された後花音は俺のモノを咥える。心地いい温度の中でまるで

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Page 9: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

アイスの棒を舐めるかのように舌を動かされ俺は感じてしまう。

「か、かの──」

「じゅる……んちゅ、ちゅぷ……くちゅ……」

 舌のぬめぬめとした感触が強い快感となる。

「んっ……ぁむちゅ……んんぅ……」

 目を閉じながらモノを舐め続ける花音はとても一生懸命で、俺の我

慢は限界に達していた。それを感じ取ってくれたのか花音はモノか

ら口を離し俺を見つめる。

「花音、もう……」

「ぷぁ……ッ、うん。私も……いい、よ……」

 どちらも準備万端というのを確認し花音がソファーの上にゴロン

と横になる。俺は花音の濡れたパンツに手をかける。パンツをする

すると脱がしていくと愛液の糸が引いていてそこについ視線が向い

てしまう。

「糸、引いてる……」

 ぬちゃぁと音がする。

 顔を両手で隠して恥ずかしがってる花音を見ると、早く挿入したい

という衝動に駆られてしまう。

「ぃやぁ……そんな事、報告しないでいいよぉ……」

 指の間から少し見えた顔は涙目になっていて背筋がゾクゾクする。

「入れるぞ?」

 言って先端を押し当てると、こくんと頷いて花音は受け止める意を

示してくれる。

 ゆっくりと腰を進めると俺のモノが花音の中にズブズブと沈んて

ゆく。

「ぁ……んんぅ」

 先端が入ると口よりも熱い肉に包まれる。何にも拒まれる事なく、

液でトロトロになった肉の穴を俺のモノは奥へ奥へ、と進んでゆく。

「あぁ……ふぁっ、うぅ……♡ あっ、ん……♡」

 ?キュッと膣壁が俺を締め付ける。

 初めはゆっくりと出し入れをしていたが花音の「もっとぉ」という

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言葉を聞いて何かの枷が外れたように俺は激しく突き始める。

「あっ! あ! ○○くっ……ん、激し……んんぅ♡」

 パンッ! パンッ! 

 肌と肌が激しくぶつかる音が熱のこもっている空間に響く。花音

の愛液とお互いの汗でモノの挿入スピードは最初よりも遥かに早く

なっている。

「(腰が……止まらない! っ、気持ちいい! )」

 一心不乱に腰を打ち付ける。

「○○くん! ○○くぅん♡ 気持ち……わらしきもひいいよぉ……

♡」

「(っ〜〜!)」

 最深部をこつんと叩き花音の身体がビクッと跳ねる。数回そこに

モノの先端でキスをすると、花音の喘ぎ声はますます大きくなる。

「子宮で……おちんちんと……きしゅ、しちゃってるぅ……♡」

 呂律が回らなくなりつつある花音は普段は恥ずかしくて言わない

単語も普通に言っている。暑さで本格的に頭がやられたのかクリア

になりつつある脳内に花音の喘ぎ声のみが響く。

「っあ!? ま、まっへ──おおきい、のが……きちゃう……!」

 そんな言葉を気に止めず腰を打ち付け続ける。両足を俺に巻き付

ける花音は強い何かに備えてるようだ。

「はっ……はっ!」

 荒れる呼吸と共に動きは加速する。花音はビクッビクッ! と身

体が震える始める。そろそろ限界が近づいてきてるようだ。

「だめ……っ! も──うぅぅううん!!!!」

 ビクン!

「いくっ、いっひゃ──ぁあ! だめ、もう……いっひゃう……あっ、

あああぁあぁぁあああッ!!!!」

 一際大きく跳ねて声を上げた後ソファーにぐったりと倒れ込む。

はぁはぁ、と呼吸を整える花音だがその中にはまだ俺のモノが挿入さ

れたままで──

「ごめん、もう少し……我慢してくれよ──っ! すぐに終わらすか

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Page 11: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

ら!」

「え──っぁああ! だめ! ひま、イッたばっひゃりだかりゃあ

……! びんか──んんんんぅ!!」

 力が抜けていた花音の腰を掴み自分のラストスパートを掛ける。

花音の腟内は俺のモノを打ち付ける度に反応してくれる。1度イッ

たから感度も反応も先程とは全く違っている。

「花音──花音──!」

 身体の奥から何かが込み上がってきてるのが分かる。それを花音

に出すべく腰の動きをさらに早くする。

「出るっ──!」

「んぁあああ! また、イッちゃ……ああっ──いく、もう、……んぁ

ああぁぁぁああッ!!!!」

 脈を打ちながら花音の中に白い液を吐き出す。それと同時に再び

激しく身体を震わせた花音。流石に花音も俺も限界を迎えた。

      行為が終わった後、汗とお互いの液でぐっしょりとなったソファー

を軽く片付けた。

「ううっ、○○くんってば……酷いよ」

「しょうがないだろ。お前が可愛かったんだから……」

 頭を掻きながら目を逸らす。照れ隠しをするようにそうだと提案

をする。

「お前、汗だくだし先に風呂に入っていいぞ」

「え?」

「え?」

 その反応に俺は同じ言葉を返してしまう。変な事を言っただろう

か? いや、言ってない筈だ。

 不安に思い一応確認をする。

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Page 12: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「な、何だ? 変な事言ったか?」

 すると花音はもじもじとしながら先程のように顔を赤らめて小さ

な声で、それでもこちらに聞こえるように言った。

「そ、そのね……一緒には入らない、のかなぁ〜……って」

 頭を叩かれたような衝撃に襲われる。

 何だ、何なんだよこいつ。どうしてそんな発言が出来るんだ、天然

だからか? と考える。

「一緒に入ってもいいのか?」

「うんっ、恥ずかしいけど……○○くんとなら……」

「あぁ……もう」

 可愛すぎるだろ。口には出さずに代わりに花音の手を引いて風呂

へと向かう。

「行くぞ。我慢するかは分かんねぇけど……」

「その時は……ちゃんと受け止める、よ?」

 脅しのつもりだったんだが……俺の彼女は本当に天然のようだ。

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Page 13: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

奥沢美咲と

 「あっ! おにーちゃーん!」

「おっと。相変わらず美琴ちゃんは元気だなぁ」

 リビングへと続く扉を開けると小さな女の子が僕のお腹へと突撃

してくる。それを受け止めて頭を撫でると擽ったそうに目を細めた。

「ごめんね○○、急に呼んじゃって」

 その女の子の後ろからボーイッシュな格好の少女が申し訳なさそ

うに謝ってくる。

「いや別にいいよ。丁度暇してた時間だし美琴ちゃんと遊ぶのは楽し

いしね」

 そう言うと僕は小さな女の子──奥沢美琴ちゃんを抱きかかえて

リビングへ入る。ソファーに腰を下ろすと体重が掛かり体が沈んだ。

先程まで家で横になってたのにも関わらずまだのんびりしたいと

思ってしまう。

 一息ついているとギュッと美琴ちゃんが抱きついて僕の顔を見て

話し掛けてくる。

「おにーちゃんの匂いだ〜。さっきまでおにーちゃんは何してたのー

?」

「んー、僕は寝てたかなー。美琴ちゃんは?」

「美琴はねー、おねーちゃんにぬいぐるみ作ってもらってたの!」

 ぬいぐるみというのは羊毛フェルトの事だろう、現に今も作ってい

る最中だ。

 僕はそれを作ってる少女に話し掛けた。

「大変だね美咲」

 少女──奥沢美咲は作る手を休めずにんー、と唸り答える。

「そんなに大変じゃないかな。好きでやってるし、何よりも美琴の為

だし」

 その顔を見ると少し恥ずかしそうにも見えた。でも僕はそんな顔

を見てニヤニヤとしてしまう。

「? どーしてニヤニヤしてるの?」

10

Page 14: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「美咲ってやっぱり可愛いな〜って」

 その言葉でピタッと美咲の手が止まる。

「は、恥ずかしいからそんな事言わないでよ……」

「いいじゃないか本当の事なんだから。それとも僕に言われるのは嫌

?」

「いや……じゃないけど……」

 あ〜可愛いなぁ〜。

 バンドの中だとクールを装ってるけど普段は女の子してるんだよ

なぁ。こんな感じでちょっと意地悪をすると可愛い反応をしてくれ

る。目を逸らしながらボソボソと言う美咲はとっても可愛い。

 幼馴染みだった僕らは高校に上がる前に僕から告白して恋人同士

になった。会える日は会おう、とそんな約束をして僕らは別々の高校

へ進んだ。

 そして高校に入学して間もない頃、美咲が「不本意ながらバンドし

てる」と言ってきて驚いた。でも愚痴を言いながらも楽しそうに話す

美咲を見ていると満更でもないように思える。

「ねーねー美琴はー? 可愛い?」

 ぐいぐいと服を引っ張られてそちらに気付く。

「勿論可愛いよ。美咲に似てね」

「えへへ〜」

 嬉しそうにはにかむ。こういう所は昔の美咲に似てるんだよなぁ。

 そんな僕らを見て美咲はつまらなさそうに言った。

「ほんと○○って美琴が好きだよね」

「あはは、でも僕の一番は美咲だから安心して」

 嘘はついていない、これは僕の本心だ。だけど美咲はその言葉を聞

くと顔を赤らめる。

「もう……またそんな事言って……。恥ずかくないの?」

「恥ずかしくないよ、ここには2人しか居ないし。美咲への思いに嘘

はつきたくないから」

 幼馴染みで親友、そして恋人でもある。小さい頃からずっと一緒に

居たからそんな美咲に嘘をつくという概念が僕にあまり無い。

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Page 15: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「あたしは、慣れないかな……。──好きだけどさ」

「…………」

 美咲の言葉に呆然とする僕。それに美咲は心配に思ったのか目の

前に来て手を振る。

「? おーい? どうしたのー?」

 はっと意識を戻す。危ない、僕はよくこういう事を言うけど普段言

わない美咲が言うと軽いジョブだろうがダイレクトに入る。

「い、いや何でもないよ」

 その時微妙な重みを脚に感じた。下を見ると美琴ちゃんが横に

なっている。どうやら僕が動揺してる間に美琴ちゃんが膝枕をして

ソファーに横になっていたようだ。

「どう美琴。気持ちいい?」

「うんっ。おにーちゃんのここ安心する〜」

「そっか」

 優しく微笑みながら話す。僕は姉がいないから分からないけど、も

しもこんな姉がいたならきっと幸せなんだろう。

 とそんな事を思ってると美咲もソファーに座った。そしてこつん

と僕の肩に頭を乗せてくる。

 ど、どうしたんだろう今日は機嫌が良いのかな? えらく素直だけ

ど……。

「疲れたの?」

「うーん、そうかも。朝からしてるから目とか疲れたかも……」

 美咲の髪の匂いが鼻をくすぐる。女の子特有のいい匂いがする。

 僕は完全にこの姉妹の枕になっていた。

「(美琴ちゃんは寝てるのか……)」

 すぅすぅと可愛らしい寝息を立てて小さな体を更に縮ませて眠っ

ていた。僕は美咲が頭を乗せてない方の腕を動かしてゆっくりと美

琴ちゃんの頭を撫でる。

「(僕も少しくらい寝てもいいかな)」

 美咲も寝息を立てていて疲れていた事が分かる。

 重くなりつつあるまぶたを閉じて、時計の音と2人の寝息を聞きな

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Page 16: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

がら僕の意識は落ちていった。

      カチ、カチ……

 どれくらい寝たのだろうか、いやそんなに寝ていないのかもしれな

い。外はまだとても明るくて時計を見てもやはり時間はそんなに

経っていなかった。

 2人はまだ寝息を立てている。少しでも動くと起こしてしまうか

ら気を付けてはいるが、むずむずとしてつい動いてしまった。

「うぁ……? おにーちゃん……?」

「ん、お目覚めだね美琴ちゃん」

 仰向けになり僕の目を見る。その瞳はまだ眠たいという事を示し

ているかのように完全には開いていなかった。

「美琴ねーおにーちゃんと寝たいの」

 腰に抱きついてくる。その抱きつかれた時の振動で美咲も起きて

しまった。

 眠たそうに目を擦り今の状況を確認する。

「うーん……どうしたの美琴?」

「3人で寝たいの。おねーちゃんのお部屋に行こー?」

「「えっ?」」

 思わず僕と美咲の声が重なる。

 美琴ちゃんの言葉の意味。それはつまり3人で美咲の部屋で寝る

という事だろう。だけどそれは美咲のベッドで寝る事を意味してい

て──。

「それは、ちょっと……」

「ダメ?」

 美咲は「ダメじゃないけど……」と言ってちら、と僕を見る。

 それだけで察するには十分だった。

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Page 17: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 美咲の部屋のベッドで寝る。それはいつかの行為を思い出させる。

きっとそれを思い出したのだろう。

 僕は口パクで大丈夫と伝える。

「ん〜〜……美琴がそう言うなら、まぁ……」

 大丈夫と一応言ったが冗談だ。

 僕もそれを思い出してしまい、あの乱れた美咲をもう一度見たいと

いう衝動に駆られる。

「おにーちゃん行こー?」

 ぐいと手を引っ張られ流さられるように進む僕。勿論その後ろか

らは美咲が付いてきている。

 そして僕等は2階の美咲の部屋へと向かった。

     「な、何かこの寝方って……」

 美咲が言おうとしている事は分かる。正直これは僕としても予想

外でもあった。

 どんな風に寝ているのかというとそんなに大きくないベッドに左

から美咲、美琴ちゃん 、僕と3人で川の字になって寝ているのだ。

「お父さんとお母さんに挟まれてるみたい〜」

「それなら僕と美咲が結婚して生まれた子供が美琴ちゃんだね」

 笑い話のように言ったつもりだが美咲は真に受けたらしく動揺し

ている。

「け、結婚って……やめてよ。まだそんなんじゃないんだから……」

「〝まだ〞ー?」

 鋭くその部分を指摘され美咲は耳まで赤くする。それは僕も同じ

だった。

「(くそ、耐えろよ僕。この謎の辱めに耐えるんだ)」

 それから少し経つと美琴ちゃんが急に静かになった。小さな声で

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Page 18: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「寝た?」と美咲に聞くと「そうみたい」と返してくれた。

 こうしてると本当に親子みたいと思う。小さいけどベッドで3人

で川の字になってると尚更にだ。

「──ねぇ○○」

 美咲が口を開く。

「あたし、美琴にお父さんとお母さんみたいって言われて正直嬉し

かったよ。○○とそんな関係になれたらどれだけ幸せだろうね」

 こころとか全力で祝ってくれそうだ、と言う。

 自分で言った言葉に照れてるのだろうか仄かに顔が赤い、でも笑顔

で話す美咲はとても可愛かった。

 僕はゆっくりとベッドから降りて美琴ちゃんを少し横にずらして

美咲の横に近づく。そして──。

「○○? どうし──んんっ!?」

 強引に唇を奪う。すると生暖かい感触が僕の唇に伝わってきた。

「ん、っあ……。ど、どうしたの急に」

「未来への練習をしたいと思ってね。あの時の続きをしようよ、美咲」

 〝あの時の〞この単語だけでやはり通じたようだ。ビクッと体を

震わせたのが分かった。

「あ、あの時の続きって……、美琴も居るんだよ? そんなの、無理に

決まってんじゃん」

 僕から目を逸らしながら言う美咲、そんな美咲の上に覆い被さるよ

うに両手をベッドにつく。

「試さないと、分からないよ?」

 いつもは浮かべない様な表情を僕はしてるんだろう。美咲に行為

をおねだりするような時は決まってこうなる。

 再び唇を重ねる。

 2度目は舌を入れた、それを受け入れるように美咲の舌が絡められ

る。先程とは違いざらざらとした感覚が伝わる。

「ん、んっ……ちゅ……んぅ」

 キスの最中に僕の右手を左手で俗に言う恋人繋ぎというやつをさ

れる。

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Page 19: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「っ……ぁ、ぷはっ。ふふっ……○○のここ、大きくなってるよ? 何

を考えてたのかな?」

 口を離すと美咲にズボンのある部分を触られながら言われる。

 言われた通り僕はある事を考えていた。それはこれからする行為

の事。考えるだけでもモノが勃ってしまう。

 チャックを開けられて外に解放される。それは美咲の顔の前に現

れて大きくなった僕のモノを美咲はまじまじと見つめている。

「美琴ちゃん後ろで寝てるのにいいの? ──っ」

 寝息を立ててる美琴ちゃんを見て言う。その言葉に構わずにモノ

を手で擦る。

「あたしが声を上げなければいいでしょ。人をその気にさせといてさ

……」

 少し体を起こす。小さな口で咥えられ違う感触に襲われる。そし

て舌で器用に舐め回される。

「ん……ぁむちゅ……。ぴちゅ、じゅる……じゅるる」

「ぁ──っ!」

 先端、カリと舐められる。僕の感じやすい所を覚えているのかそこ

を重点的に舐められて腰がガクッとなった。

「ここ、んぅ……弱いよね○○。ちゅ……ん……れるぅ、ふぁ……」

 かかる吐息でさえ感じてしまう。刺激は降りることなく僕を襲い

続ける、それは美咲があまり口を離さずに舐め続けるからだ。

「っあ!?」

 強い刺激が走り声を上げてしまった。

「んぅ……ビクッてなったぁ……。ん、少し大きくなったね、あむぅ

……ちゅる、じゅる……」

 美咲の報告がさらに限界への衝動を加速させる。

「はむぅ……ぅじゅっぷ、出そうなの……? じゅるるっ、んっ……

ちゅる」

「み、さきっ……!」

 射精への衝撃に備えるかのように歯を食いしばる。だがその行動

は無意味に終わった。

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Page 20: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「──え?」

 すぐそこまで来ていたのに急に口を離されて衝動が退いてゆく。

 どうして? その言葉しか浮かばない。

 そんな中美咲はベットの上で股を開いて僕を誘うように優しく囁

く。

「出すのは──ここ、だよね? ゆっくりしてね、美琴が起きちゃうか

らさ……」

 いつの間に下を脱いでいたのか、そんな疑問はこの際どうでもい

い。今はただ美咲の中にモノを入れたいという欲望でいっぱいだっ

た。

 僕が見てるのにも関わらず、自分の指でくちゅくちゅと音を立て秘

部を弄る美咲は完全にスイッチが入ったようにも思える。

 指をブイのような形にして秘部を開く。まさにくぱぁ、という音が

正しかっただろう。僕に秘部を見せつける美咲。そこはひくひくと

動いており、その動きが「早く入れて」と言ってるように思えてしまっ

た。

「(くそっ! 反則──だろっ!)」

「っ──かっ!?」

 一気に奥まで差し込む。

 美咲の部分は相当濡れており天然のローションとなっていて、滑り

具合が絶妙に良かった。そして何にも遮られることなく進んでいっ

た僕のモノは難なく一番奥へと到達した。

 そこをトントンとノックすると美咲の身体か反応する。

「ぅあ──ッ! ○○っ、だめ……身体が、反応しちゃうから──!」

 腰を激しく打ち付ける。そんな僕の視界には声を必死に抑える美

咲とそんな事は全く知らないでぐっすりと寝ている美琴ちゃんが

映っている。

 もしもここで美琴ちゃんがここで起きたら──、そんな考えさえも

横切ってゾクゾクする。

「ふふっ。声、大丈夫? 起きちゃうよ?」

 耳元に口を持っていき囁く。

17

Page 21: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「んっ──!じゃあ、もっとやさし──くうぅっ!──っ!?」

 声が聞こえたのを確認して、はだけていた服に手を入れて乳首を強

く抓る。その先端は固くなっており指で少しずつ刺激していく。形

のいい胸をふにふにと掴んだり、先端を弄ったりを繰り返す。

 僕のその行動によって言葉は中断された。美咲は空いてる手で自

分の口を強く抑えて声を殺している。

 フーッ! フーッ! 隙間から漏れる。美琴ちゃんが起きないよ

うに必死にしてるつもりだろうけど、それは僕の興奮を高めるだけ

だ。

「ん、んんぅ……。おねー、ちゃん──」

「!? みこ──」

 美琴ちゃんが寝言を言いごろんと美咲の左腕──口を抑えていた

腕に抱きつきその手が口から離れる。僕はその一瞬を逃さなかった。

 一度ギリギリまで引き抜き、最初のように一気に突き刺す。

「〜〜〜〜ッ!?!? か──ぁ! っ、ァ!?」

 声を上げないように頑張った結果なのか、声とは言い難い音が美咲

から出た。身体はびくん! と跳ねて目は焦点があってないように

見える。

 そんな事はお構いなく僕は腰を打ち付ける。美咲は「──ッ! ─

─ぁ」と声を殺す。

「美咲、美咲──!」

 愛おしくなる。そんな乱れる彼女を見ると。これを見れるのは僕

だけ、僕しかこの美咲を知らない。

 自分の好きという気持ちをぶつけるように、もっと乱れた姿を見せ

て欲しいと願うかのように、腰を強く振る。

「ぁつ、あんっ……。○、○……ちょっと、……──んんっ!!」

 深いキスをする。

 僕は先程退いていった射精の感覚が再び込み上げてくるのが分

かった。今度こそは──、という感じでスピードを上げてそれを美咲

に放とうとする。

「んんっ! んぅ──ッ!! 〜〜〜〜!!!!」

18

Page 22: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 少し汗をかいてる美咲の身体を強く抱きしめる。抱きしめてよく

分かったのは、びく! びくん!と身体が反応してる事だ。

 それが肌を通してダイレクトに伝わってくる。

 ピストンを続けていると一際大きな波が僕を襲った。

「くっ──もう、出す……からっ──!」

 更に早く腰を動かす。美咲も僕のモノからそれを感じ取ったのか、

それとも自分もイク寸前なのか空いた右手で枕を掴んで、それに顔を

埋めるように押し付けている。

 完全に顔は埋めてるわけではなくて少しこちらから顔が見える状

態にある。その瞳には涙が浮かんでおり、必死さを僕に訴えてくる。

 が、それは逆効果で……。

「美咲──っ、出るっ!」

「んー! んーーッ!!」

 モノを奥まで押し付けて射精をする。ビクッ、ビクッ!! とモノが

振動して気持ちのいい感覚が僕の身体全身を襲う。追い打ちをする

かのように美咲の中も締まって感覚は更に増幅する。

 力が思うように入らない中、美咲に倒れ込む。美咲も僕のモノのよ

うに身体がビクビクと振動してるのが分かる、きっと僕のと同時に

イッたのだろう。

「……はぁ、はぁ──み、美咲……」

 余韻に浸る中声を掛ける。

「──、ぁ──……っ」

「み、美咲? どうしたの?」

 声を上手く発せていない? もう一度声を掛けると、今度は反応し

てくれた。

「ば、バカぁ……! はぁっ、は──っ、美琴が起き……たらどうすん

のぉ──! 」

 言われながら右手でポカポカと頭を叩かれる。僕はそれに抵抗す

る事なく受け続ける。

「ごめん、つい……」

「こっちは……声必死に、我慢してたのにっ! あんな……かっ、……

19

Page 23: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

感じさせて──! こっちの事も、考えてよ!」

 邪に考えてあんな事をしました、なんて言ったらもっと怒るよね

……。火に油は注いじゃダメだ。うん。

 僕は逃げるかのようにお互いに乱れた状態をどうにかしようと提

案する。それを美咲はジト目で見つつも「そうだね……」と納得して

くれた。

      服をちゃんと着て片付けた後に僕らは1階に向かった。理由は

色々と残ってるから……、そんな場所に美琴ちゃんとは居られない。

「はぁ〜〜……もう、最悪」

 作りかけていたフェルトを作るために手を動かしながら深いため

息をつかれた。

 因みに美琴ちゃんはというと未だにぐっすりと眠っている。

「○○ってたまにひどい事するよね。あたし、そーいうとこ嫌いだよ

?」

「うっ……、ごめん」

 怒った幼馴染みには頭が上がらない、恋人なら更にそうだ。僕は正

座をして反省の意を示している。

「──でも」

 ふと美咲が漏らした言葉を僕は繰り返す。

「でも?」

 美咲は顔を赤くして「もう2度としたくはないよ? したくはない

けど──」と言葉を繋げる。僕には何を言うのかさっぱりで?のマー

クを浮かべる。

「そ、その……気持ちは──よかった、よ?」

 思った事を言ったんだろうが、それは僕にとっては「もう1度した

い」と言ってるようにしか思えない。当然そんな事は口には出さな

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Page 24: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

い。

 動揺しながらも辛うじて出た言葉は何にお礼を言ってるのか分か

らない言葉になった。

「あ──ありがとう?」

 今度する時はまた違うプレイをしよう。そうだな、鏡とか使って─

─「あたっ」

 考えているとこつん。と、ティッシュ箱を投げられて頭に当たる。

投げた人物を見ると心の中を見透かされたように、注意をされる。

「変な事、考えてたでしょ」

「……まさか。そんな事は」

 降参といった様子で両手を上げて否定をする。

 下手な事は今後は考えないようにしないと……、そう心に決めた日

になった。

21

Page 25: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

丸山彩に

 「あんっ! いや、ッ! いやぁっ!! やめてよ! やめてよぉ!!」

「っ──はあっ! はっ!」

 暗く、人や車の音が聞こえない場所にパン!パン! と肌と肌が激

しくぶつかる音と私の悲鳴が響く。

「うっ……出るっ!」

 ドピュ、ドピュ!!

「あ──っ……」

 一際強く奥に押し込まれるように刺される。私の中でビクビクと

何かが跳ねて熱い液体を放出する。

 そしてもう何回目か分からない、この熱い液体が身体の中に入って

くるのは。

「はぁ、っ。次で……最後だな……」

「(……どうして、こんな事になったんだろう)」

 力の入らない身体に再び何かが入ったり出たりする感触だけが伝

わる。最初にあった痛いという感覚、この人に対する怒り、恐怖は既

に消え去っていて今はただこの異物を受け止める道具のように扱わ

れている。

「(千聖ちゃん、イヴちゃん、麻弥ちゃん、日菜ちゃん──皆、何をし

てるんだろう。家に帰ってるのかな……)」

 パスパレの皆の事を思い出す。

 別に死にそうな訳ではない、でもこんな事をされるのなら死んだ方

がまだマシと思ってしまう。

「(私は、アイドル……なのに──)」

 こんな、こんな事になるなんて。

     

22

Page 26: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「えっ……。ふぁ、ファン? 私の?」

「はい!」

 人手が少ないから夜にバイトに入る事になった私。時間は21:3

0を過ぎていて外は真っ暗な状態だ。「変な人に会わないうちに急い

で家に帰ってね」とオーナーからの言葉もあり、急いで帰っていると

私のファンだという人に出会った。

 向こうは自転車ですれ違った一瞬で「丸山彩さんですよね!?」と気

付いたのだ。

「ら、ライブいつも見てます! なんて言うか……その……、凄いです

! じゃなくてええと、可愛いです!」

 SNSとは違いファンの声が生で聞けて嬉しくなる。感極まって

かつい涙が零れてしまった。

「ぐすっ……」

「え!? お、俺何か失礼な事を!?」

 そんな私を見てか慌て始めるファンの人。それを解くために、首を

横に振り説明をする。

「……ううん。生の声を聞けて嬉しかったの、それで涙が……」

「そ、そうですか……」

 苦笑いをされてしまう。

 でも本当に嬉しかった。

 千聖ちゃんには止められてるけどエゴサでは皆が思ってる事は分

かる、でもそれは声が無いから感情があまり伝わってこない。今回は

ネットの投稿じゃなくてその本人の声を聞いてだったからこの人が

喜んでる、というのがちゃんと分かったからとても嬉しいのだ。

 それからはこの人と色々と話した。サインを書いたり、前のライブ

の話をしたり。……私がどう思われてるのか、とか。

「うぅ……やっぱりドジって思われてるんだね」

「で、でもそこが良いところって言いますか──」

「褒められてる気がしないよぉ……」

 そんな事などを話しているとファンの人が時間を気にしてくれた。

「時間って大丈夫なんですか? 随分遅いですけど……」

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Page 27: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 言われて携帯を取り出すと時間は22時を回っていた。オーナー

からの言葉や随分前に千聖ちゃんから言われたのを思い出して、少々

名残惜しいが帰る事にする。

 携帯をしまってファンの人にお礼を言う。

「今日は色々と話してくれてありがとね!」

「い、いえいえ! こちらこそですよ! 頑張ってくださいね彩さん

!」

 良い人だなぁ。なんて思いながら「また会場でね」と言い残して背

を向けた。

  ──そう、今思えば最初から警戒をしておけばよかったんだと、思

う。私はその時浮かれていたのだ。ファンの人の生の声を聞いて。

 「……あ、彩さん!」

 名前を呼ばれてたったっ、とこちらに向かって来るのが音で分かっ

た。何か言いたい事があったのだろうか? そう思いながら私は振

り向いた。

「な──」

 バチィッ

!!!!!

 何? と言おうとした。だけどその言葉は発せられる事なく変わ

りに静電気のよりも強い音が聞こえた。

 ──それと同時に私の体を電気が襲ったのが分かった。

「ぁ──ぇ……?」

 視界がぼやける。ぐらぐらとして自分がまともに立っているのか

分からない。足で支えようとしても力が入らない。

 強い電気は私の感覚を全て奪ったように思える。声もまともに出

す事が出来なくて混乱する。

 どうして? どうして? 一体何が……。

 必死に考えるがその行動は虚しく視界が闇に飲まれていく。そん

な中、私が最後に見たのはさっきのファンの人が〝何か〞を持って小

さく震えている姿だった。

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Page 28: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

     「は──ちゃ──、あ──ゃん──」

 ……あれ? 私、は……確か……。

 謎の声が聞こえる中自分が置かれている状況を確認する。視界は

ぼやけているからハッキリとは分からないが、暗い場所に居て周りに

人はいない。そして後ろは……壁、か何かだろう。背中に冷たい感触

が伝わってくる。両腕は後ろで縛られて──。

「(っ!?)」

 そこまで気付いて朦朧としていた意識が覚醒する。

「彩ちゃん、彩ちゃん──!」

「ひっ──!?」

 私に跨るようにして男の人──さっきのファンの人がいた。さっ

きの優しい表情とは違うその男の顔を見た私は一瞬にして恐怖に染

まる。

 今はその男の両手で私の胸は揉まれている。それを拒もうとして

も、両腕は後ろで縛られているから抵抗は出来ない。

「(──っ、んっ……! 気持ち悪い……何で舐めるの?)」

 強く、弱く揉んだり。固くなってしまった先端をつまんだり、舐め

られたり、噛まれたり。

 そんな行為に耐えるように私は声を必死に殺す。この人に従わな

いという反する医師を示すために。

「……彩ちゃん。声、出してもいいんだよ? というか出してよ。彩

ちゃんの可愛い声……」

「(そんなの、嫌だよ! 絶対に──!)」

 キッと睨みつけてその答えはノーと言う。それが通じたのか、胸か

ら手を離しため息をつく。

 チャンス!

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Page 29: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 そう思った私は助けを求めるためにすぐに立ち上がり走る。体は

鍛えてるから起き上がるスピードは早く、足も早い自身もあったから

逃げ切れる──と思った。

 暗闇を走ると何かにぶつかり止まってしまう。

「(何、何なの!?)」

部屋・・

 その時カチッ、と

の電気がついた。そして扉の前で立ち止まっ

ている私の後ろから男が説明しながら歩いてくる。

「ここは近くにあった空き家だよ。前に俺がたまたま見つけたんだ、

友達との秘密基地程度に改造してる途中だったんだが……」

 あの時の〝何か〞を私の体に密着させてボタンを押す。

 バチッ!!!

「──か、っ?」

 ガクッと膝から崩れ落ちていく。あの時よりも威力は弱かったが、

耐えれるほどではなかった。

 男は倒れた私をソファーに持っていき横にする。そしてその〝何

か〞を説明してきた。

「これが何か気になるだろ? これはスタンガンだ。兄貴が何故かく

れたんだが……まさかこんな事になるなんてな。いらないと思いな

がら貰ったけど、人生何が起こるか分からないな」

 その黒い物体をぽーんぽーんと手のひらで投げて遊んでいる。

「そんな事よりも……」

 それをパシッと取って再び私につけて脅すようにしながら言う。

「次、逃げたら完全に意識を失わせるぞ? その間に自分がどうなっ

てるかは──知らんがな」

 悪寒がした。

「意識が無い方が本人は楽だろうが、それだとこっちがつまらんしな。

そんな事はしないから安心しろって」

 そう言った後にスタンガンを投げ捨てた。そして男は行為を再開

するために再び私の上に跨る。

 スカートを雑に脱がされて下着を凝視される、その時に男の荒い息

が肌にあたり気持ち悪い感触がした。

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Page 30: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「あれ? 彩ちゃん──」

 下着に手を当てられてビクッと身体が反応してしまう。男が指を

動かすとクチャ、と水に濡れた音がする。

「濡れてるよ? へぇ、知らない男に触られて感じてたんだ?」

「あっ──! ち、ちが……ッ」

 否定をしようと口を開く。が、下着を脱がされ生まれた時の姿に

なってしまう。

「口では否定しても、身体はどうかなぁ?」

 次は指を1本、2本と入れられて中をかき混ぜられる。私はただそ

れを受け入れる事しか出来ずにいた。

「どんどん溢れてくるね……。認めれば楽になるんじゃないかな?」

「わっ──たしは……! 感じて、なんかっ──。んんっ!」

 ビクッ、ビクッ! と身体が跳ねる。

「うーん、粘るなぁ。あまりこっちも時間が無いんだけど……。

しょーがないか」

 私から手を抜いて、自分のベルトをカチャカチャとし始める。 

 一体、何をやって──。

「彩ちゃんだけ準備出来てるんだ、これは俺もしてもらわないと不公

平ってもんだろ」

 私の目の前には、今まで言葉で聞いた事しかないものが現れてい

た。

「いやっ! こ、来ないでよぉっ!!」

 逃げようとしたが自由に動けずに男に髪を掴まれてしまう。

 そして私が声を上げる中それを塞ぐようにその男のモノを口にね

じ込まれた。

「うるせぇなぁ!」

「やめて! やめっ──がッ!? んんっ!? んん!!」

 こんなもの──!

 抵抗するために歯を立てよう、そうしようとした時だった。

「おっと、余計な事をしたらこれをばら撒くぞ?」

 取り出された携帯に視線を向けると、そこには……。

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Page 31: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「(……わ、私?)」

 最初、気絶した時に撮られていたのだろう私の写真が表示されてい

た。それを見て下手な事をしたら私──皆が迷惑になると思い抵抗

をやめた。この男に逆らったら何かしらで脅される……この場では

絶対服従をしなければならない……。悔しくもそう思わざるを得な

かった。

「舐めろ」

 短く指示を出されて従う。そうするしか方法がないから。

「ん、んっ──、じゅる……はぁっ、はぁ。んん、じゅるるッ……」

 舌を使いまんべんなく舐める。

 その最中に何回か男のモノがビクッとなるのを感じた。

「ふふっ……上手いじゃねぇか。そろそろ出すから零すなよ?」

「? ……ッ!? ッ!?」

 男が私の頭を掴み腰を動かし始めた。その動きは徐々に早くなっ

ていき──。

「──っ、飲み込めよっ!」

 ビュ! ドピュッ!!

 止まったかと思うと何かが口の中で出された。

 とても熱く、ドロドロとして気持ち悪い味がして私はそれを反射的

に吐き出してしまう。

「ごほっ! ごほ──っ!」

 口で出されたのが精子だと気付いたのはその後だ。

 男は吐き出した私を見る。

「飲み込め」と言われていたのに吐き出した私に何か罰を与えるのだ

ろうか……、私は身構える。

「んー。ま、しょうがないか。こうなるのは予想出来ていたし」

「え?」

 軽い口調でそう言った男に驚く。酷い事をされると思っていたか

ら尚更だ。

 ドンッ、とソファーに倒されて男が私の股を開く。そして──。

「あ──っ! やめっ! そんな所っ、汚いよぉ!!」

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Page 32: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 顔を近づけて私の秘部を舐め始めた。ザラザラとした舌が入り込

んでくる。

「じゅるる! じゅる!」

「んんっ! あ、ッ!」

「吸っても吸っても溢れてくるよ? 我慢出来ないのかな?」

 舐められる度に感じてしまう。

 こんな、こんな状況なのに──っ! どうしてっ!?

「はぁっ、んッ! んぅ──、あ……っ! ま、待って! やめて! 

きちゃう、きちゃうからぁ!!」

 身体の奥底から快楽が上り詰めてくる。ガチガチと歯が動く、身体

もそれに連携するように震えていた。

「──? あぁ、イキそうなのかな? いいよイッて」

 私の言葉を無視して舐め続ける。それにより早さが増していく。

 ゾクゾクっ!

「ぁ──あぁっ! ダメ! だめダメっ! やめて、やめてってば─

─」

 カリッ。

 と、突然敏感な部分を齧られて強い衝撃が私の身体を襲った。

「──ぁ」

 身体全身の力が抜けて込み上げてくるものを意思で抑えれなくな

り……。

 ビクンっ! ビクッ!!

 身体が跳ねる、そしてその後に私は。

「あ、あぁ……。みな、いで──、見ないでぇ──っ」

 秘部から水が溢れだした。男は携帯でそれをすぐさま録画し始め

ていた。

 水が止まり私は涙を流す。男は愛液と別のもので濡れた秘部を味

わうように舐めた。

「もういいか」

 くちゅ。と男がモノを秘部に押し付ける。ぐぐぐ、とゆっくりと入

り込んでいくのが分かる。

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Page 33: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「え──? う、うそだよね?」

 ズキッ、と痛みが走る。

「嘘? 嘘ってなんだよ」

 痛い、痛い……痛い痛い痛い痛い

!!!!!!

 自分の初めてがこんな形で失う恐怖に呑み込まれる。だけど私に

はただ叫ぶ事しか出来ない。

「抜いてっ! それ以上入ってこないで! おねが──」

  ズン!

 「──ぃ」

 ズキッ! と強い痛みが頭まで届いてきた。恐る恐る視線を下に

向けると、男の肌と私の肌が密着しているのが見えてしまう。

「あ、あぁ──……ああぁぁぁあああっ──」

 何もかも終わった。もう、失ったものは戻らない。

「うおっ、締まるなぁ。さすが処女」

 パンパン! と腰を打ち付け始める男。それと同時に胸も揉まれ

始める。

「──ぁ、ぅんっ……! ぐすっ……」

 感じてしまう自分が嫌になる。こんな、こんな──。

「感じてくれて嬉しいよ」

 打ち付ける速度が早くなって激しくされる。

 肌がぶつかる音、愛液により発生する音が聞こえる。そして、私の

喘ぎ声も。

「──んんっ、あんッ……! 感じ、たくない──にっ! んん! 気

持ちいい──気持ちいいよぉ!!」

 快楽に飲まれてしまう。それでも言葉では抵抗は続ける、だけどそ

れは意味があるのだろうか? もしも他に人がいたら助けてと言っ

てるようには見えないのではないか?

 考えていたらボソッと言われた。

「──彩ちゃん。中に出すからね」

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 何を?

 勿論聞き返す暇なんてない。でも身体では分かっていた、何を出す

のか。何処に出すのか、を。

 駄目だ。それだけは、絶対に。どんなに快楽に呑まれようとも、そ

れだけは拒まなければ。

 じたばたと体を動かす。

「んぁ──っ、ダメだよっ! それだけは──ぁ! やめてよ!」

 男は私の片足を上にして股を開かせる、その行動は私の抵抗を止め

る事を同時にしていた。

「ダメ、だめだめだめだめぇ!!!!」

 更に腰が早くなる。

 口の時のように出される。本能がそう言っていた。抵抗する手を

必死に探す。

 ──見つかりもしない手を、必死に。

「はははっ。……タイム、オーバーだ──っ!」

 深く、奥に突き刺されて狙いを固定される。男のモノがビクン、と

震えて熱い液が私の奥に入り込んで埋めていくのが分かる。

 震えて放出した男のモノが私から離れる。そして男は今の私を写

真で撮影した。

「はぁっ、はぁ──。彩ちゃん、良い表情だよ……」

 その時の私はどんな表情だったのだろうか?

 自分では笑っていた気がする。

 それはとても、とても──絶望しきった表情で。

「それじゃあ、もう1回しよっか」

その時

 そして

は力が入らないから抵抗する事なく男を受け入れた

のだった。

     

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Page 35: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 男が最後と言った行為は本当に最後になった。脱いだ服を着て今

は帰る準備をしている。

「気持ち良かったよ彩ちゃん」

 一方、私はソファーの上で裸のまま倒れていた。変化といえば縛ら

れた腕が解放された事だろう。

 熱い液体が身体の中から溢れてきてる、自分のではなくこの男の─

─。

また今度

・・・・

「じゃあね彩ちゃん。

もよろしくね」

 そう言い残して部屋を出ていく。

 1人残された私は取り敢えず携帯を開いてみる。そこには親や千

聖ちゃんを始めとしたパスパレメンバーからの連絡が入っていた。

「……ううっ、うぁああぁ──っ」

 声が漏れる。誰にも届かない、独りの声が。

 その時、千聖ちゃんからのメッセージが届いた。

『彩ちゃん、今何処にいるの!? 親御さんや私達、皆心配してるのよ

!?』

 返信をしようとして開く。向こうには既読の文字が付いたのだろ

う、すぐにメッセージが続いた。

『彩ちゃん!? 何かあったのでしょう!?』

 えへへっ、千聖ちゃんは優しいなぁ。

 そう呑気に思いながら私は返信をした。

 今まで、この知らない人にとっての空白の時間を、この言葉で表し

た。

     『何でもないよ』

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Page 36: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

美竹蘭と

  美竹蘭、青葉モカ、羽沢つぐみ、宇田川巴、上原ひまりの幼馴染み

5人で組んでいるAfterglowというバンドの練習が終わり、

その5人と同じく幼馴染みのバンド練習を見ていた僕も一緒に帰っ

ている。

「んーとねぇ〜……。じゃあ、○○と蘭に罰ゲームを言いまーす」

「「罰ゲーム?」」

 相変わらずのんびりと間の抜けた声で提案をする幼馴染みのモカ。

そんなモカの提案を、僕とその恋人である蘭は嫌な予感を感じながら

聞いていた。

「今日1日、蘭は○○の命令に従って下さい〜」

「何でそんな事……」

「蘭は〜今日だけ素直になりましょう〜、○○のペットとして〜」

「はぁ!? ぺ、ペットって──!」

「おお、蘭の顔が真っ赤だ」

 モカの言葉に顔を赤くする蘭。それを見て巴は面白いものを見る

ように笑っていた。

「蘭がペットか……。僕は苦労しそうだね、ちゃんと首輪とか付けと

かないと」

「う、うるさい! ○○も本気にしないでよ!」

 顔を赤くした蘭が僕らよりも先に歩いてしまう。そんな蘭をから

かいながら、モカもついていく。

 正直、火に油を注ぐような事はしないでほしいが……。

「○○くん、大変だね……」

「でも蘭って○○にはいつも素直じゃない? なんかずるいな〜」

「あはは、大変だけど楽しいかな? 蘭が素直なのは、僕や皆が居るか

らだよ」

 つぐとひまりの言葉に笑いながら返す。

「2人きりだと、もう蘭って分からないよな」

 後ろから巴が肩を組んできた。

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Page 37: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 確かに2人きりだと蘭は豹変する。

 僕しかいないからだろうか、恐ろしい程に甘えてくるのだ。例えば

膝枕、僕の膝の上で頭を動かしてごろごろとする事があるのだが、普

段は見れない姿にとても胸が締め付けられる。……因みに1度だけ

皆が来てその写真を撮った事があるのだが、その事は蘭は知らない。

「ツンツンしてる蘭も甘えてくれる蘭も、僕は好きだから別にいいけ

どね」

「ふーん。だってよー蘭」

 ニヤニヤとしながら巴が少し前を歩く蘭に伝える。

「〜〜っ! バカ! 何でそんな事をここで言うの!」

 持ってたバッグを振り回されて攻撃をされる。割と本気で振り回

しているらしく、自分の体を捻っている事から当たった時の威力はと

てつもないだろう。

「っと、危ないって蘭」

「○○が変な事を言うからでしょ!」

 夕焼けの中で僕と蘭は騒いで、皆はそれを何だかんだ言いながら優

しく見守っている。

 それが僕ら幼馴染みの日常でもあり、僕と蘭との日常だ。

  「それはそうと、どうして罰ゲームなのモカちゃん?」

「んー? えっと、最近○○と蘭がイチャついてないからかなー」

 何なのその謎の理由……。

 聞いてて呆れてしまう。そんな毎日毎日イチャつく余裕なんてあ

るはずも無い。学校は違うし、僕はバイトで蘭はバンドで予定が合わ

ない日だってある。今日みたいに何も無い日は僕が皆のバンドを見

に行くくらいだ。

 そもそもどうしてモカがそれを気にする必要があるんだろう。

「え、僕のせいで蘭は謎の罰ゲームを受けるの?」

「そうだよー」

 モカは日頃から無表情だから考えが読み取りにくい、元々ぼーっと

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Page 38: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

してるから尚更だ。

 罰ゲームの理由を考えていると、モカが何故罰ゲームなどと言った

のかを説明してくれた。

「前にねー蘭が言ってたんだよ。『最近○○が構ってくれない』って、

だから──」

「ちょ! も、モカ!!」

 モカの発言に蘭が慌てて両手で口を塞ごうとするが、モカは説明を

続ける。

「だからー、罰ゲームで2人がイチャつければなーって思ってねー」

 最近構ってくれない、って……。そもそも最近は予定が噛み合わな

かったから仕方がない、こっちはテストとかあってたわけだし。

「蘭ってば可愛い〜」

「私も見てみたかったな、可愛い蘭ちゃん」

「ひまり! つぐみまで……!」

 顔が赤くなってるあたりを見ると本当の事なのだろう。かく言う

僕も顔が熱くなってる気がする。

「それなら早くアタシ達はお暇しないとな」

「そうだね〜。2人の愛フィールドを邪魔しちゃ悪いしねー。あたし

達が攻撃しても軽減されそうだし〜」

 何でモカがその効果を知ってるの……。

 と、分かる人には分かる内容に疑問を持っていた。

 それから皆が帰るのには時間が全くかからなかった、それどころか

秒で解散してしまった。それによりこの場にいるのはお互いに気ま

ずくなってしまった僕と蘭で──。

「……っ」

 蘭はまだ顔を赤くしている。このまま立ち尽くしていても変わら

ないので、僕は蘭の手を掴んで歩き出した。

「ぁ──」

「行こうか蘭。2人きりなら大丈夫だよ」

 こうして夕焼けの中、手を繋いでいると蘭から告白されて僕らが付

き合い始めた日を思い出す。

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 中学3年の頃に男子校と女子校で分かれる事になった僕ら。僕と

学校が別になるのが嫌だったらしい蘭は突然、僕に告白をしてきたの

だ。それは僕らの関係が〝いつも通り〞ではなくなった瞬間であり、

新しい1歩を踏み出した瞬間になった。

 その時もこうして夕焼けの中で2人手を繋いで帰った記憶がある。

 そう思いながら歩くと僕の家に着いた。皆と別れてから僕の家に

着くまでは時間はあまりかかりはしなかった。

「お邪魔します……」

「どうぞ、って今夜は僕らしか居ないから言わなくてもいいのに」

「誰も居なくてもするのは当たり前でしょ」

 どうして練習終わりの蘭が僕の家に来たのかは、これまた不思議な

理由でもある。

 僕の家の両親は丁度夏休みということもあり2人で旅行に行って

いるので現在は家を開けている。なので何日間かは家に僕1人だ。

それを親情報で知ったのだろう蘭のお父さんが「未来のためだ。蘭、

お泊まりしてきなさい」と言ったらしい。普段は厳しい蘭のお父さん

だが、昔から僕には信頼を置いていて蘭の事は大抵僕に任せてくるか

ら今回の事も申し出たのだろう。

「な、何か泊まりって初めてだから緊張する」

「知り合いの家なのに?」

 荷物を部屋に置いてリビングで話をする。確かに僕自身、人を泊ま

らせるのは初めてだ。それも彼女だなんて。

 うわ、考えると緊張してきた……。

「とっ、とりあえず夜ご飯作るよ? 蘭はテレビでも観て待ってて」

 考えを振り払うために立ち上がって台所へ向かうと何故か蘭も付

いてきた。

「泊まらせてもらうわけだし、あたしも手伝うよ」

 そうして2人並んで台所に立っていて思う。何かこれって──。

「……夫婦みたいだね?」

「ふうっ──!?」

 僕としては笑い話で済ませたかったのだが実際はそうはいかな

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Page 40: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

かった。

 いや、そりゃあ蘭だから間に受けることは知ってたけどさ。

「ば、バカ……恥ずかしいじゃん……」

 顔を俯けて表情が僕に見られないようにしているが、横から見ると

耳が真っ赤なのが分かる。そんな蘭を見ているととても愛しくなる

ものだ。

 その料理中は蘭はずっと顔を赤くしていたのだった。

     「意外と美味しかったね」

「う、うん……(僕は蘭が料理できた事に驚いてたよ……)」

 ご飯を食べ終えた僕らは食器を片付けて2階にある僕の部屋に向

かった。

 蘭と話してる中、僕はベッドに腰を掛けて自分の膝をポンポンと叩

く。モカの言葉が本当だろうからこの行動には甘えてくると読んで

の事だ。

「────ん」

 予想通り、ごろんとベッドに横になって頭を膝の上に置いてきた。

「蘭は甘えん坊さんだな〜」

 僕は頭を撫でながら言うとその言葉に蘭の顔が徐々に赤くなって

いく。

 これは付き合い初めて分かった事だが、僕は人の反応──蘭のちょ

こちょこ変わる反応を見るのが好きらしい。それはエッチな事をす

る時も同じだ。どうすれば蘭が感じるのか、その時どんな表情をして

いるのか……、我ながらアレな性格だと思うがそういうのを知りたが

る性があるらしい。

 そんな僕は唐突に帰り道で言われたモカの言葉を思い出してし

まった。

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Page 41: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

『今日1日、蘭は○○の命令に従って下さい〜』

『蘭は〜今日だけ素直になりましょう〜、○○のペットとして〜』

「(蘭が、僕の……)」

 頭を撫でる手が止まったせいか、蘭が僕を見上げている。そんな蘭

に僕は今思い付いた事を提案する。

「ねぇ、モカが言ってたでしょ。今日は僕のペットだって」

「う、うん」

 ビクッとして返事をする。

「ちょっと面白い事を考えたんだけど……いいかな?」

 優しく語り掛ける僕に蘭はゆっくりと頷いた。

     「こ、これ……恥ずかしいんだけど……」

 そう言っている蘭の首には僕の制服のベルトが巻かれている。

ペットといったら首輪、だから首輪を付けようという事に思い至った

のだが、生憎僕は犬などを飼っていない。そこで思い付いたのがこれ

だ。

「似合ってるよ蘭」

「そんな事……言われても嬉しくない……」

 ぷいっとそっぽを向いてしまう。

「こっち向いて」

「何? んっ──!?」

 少しでも蘭の機嫌を取り戻すためにキスをする。床に押し倒して、

最近ずっとしてなかった分を今するようにキスをし続けた。

「んっ、ん……ちゅっ、はぁ──○○ぅ」

 蘭はいつも以上に食いついてきてなかなか僕は離れる事が出来な

かった。

 数分間キスを続けて口を離すと2人を繋ぐ銀の糸が見えた。

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Page 42: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「こんなキス、久しぶりだね……」

「うん」

 そう言っている蘭の顔は普段からは想像出来ない程に蕩けていて、

女の顔になっていた。そこで、僕は更なる提案をする。

「蘭、命令をするよ」

 キスの余韻が残る中、蘭は僕の声に耳を傾けてくれる。この命令を

聞いてくれるのかと不安に思いながらも、僕は命令をする。

 ──ゾクッ。

「僕──蘭のオナニーする所とか見てみたいな」

 言いながら、自分の口元が歪んでいるような気がした。普段なら僕

だって言わない、だけどこの大人しい……素直な蘭を見ていると、こ

ういう異常な命令もしたくなる。

「……え? ○○、何言って──」

 僕が何を言ったか分からないという表情をする。耳を疑っている

のだろう。

「オナニーだよ、自慰行為。命令は絶対でしょ?」

「そ、それはモカが……」

 と、そんな中僕の携帯に電話がかかってきた、電話相手は蘭のお父

さんだ。僕はその電話を取る前に蘭に一言だけ言った。

ペット蘭

「命令を守らない

にはお仕置き──、守るいい子にはご褒美を

あげるよ。僕はどっちでもいいけどね」

「──っ」

 そう言い放ち、僕は何事も無かったかのように電話に出た。

「もしもし?」

『○○君か? どうだ、うちの蘭は迷惑かけてないかい?』

いい子

・・・

「蘭ですか? ──えぇ、とても

にしてますよ」

 僕の言葉で蘭は何かを感じ取ったかのようにビクッと体を震わせ

た。

 すると、ゆっくりと手がホットパンツに伸びていった。そのままそ

れを下に降ろして、徐々にパンツが顕になり──。

 くちゅ。

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Page 43: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「ン、んんぅ……んっ」

 最後にはパンツをも脱ぎさり自分の秘部を触った。

 カァアと頬が染まっていくと同時に、蘭はオナニーを開始した。

 そんな間にも何も知らないお父さんは通話を続ける。

『そうか、それならいいが。それにしてもすまないね、こんな事をお願

いしてしまって』

「いえいえ! 未来の為って聞いた時には驚きましたけど嬉しいです

よ。一緒に過ごすというのは、色んな蘭が見れるという事ですから

ね」

 その〝色んな〞には何が含まれているのか……、僕はオナニーをす

る蘭を見ながら話す。

『そう言ってもらえると助かるよ。やっぱり○○君は私の信頼する人

物の1人だ、蘭も良い人と付き合えたな』

「お、大袈裟ですよ。ただの幼馴染みで関係が元々強かっただけで

すって」

 笑い話、だけど僕の目の前では卑猥な事が起きている。

 ちゅぷぷ、くちゅ、ちゅぷっ……くちゅ……。

「んっ、ふっう、んッ」

 指を入れて音を立てながら秘部を弄る。勿論、声は押し殺してい

る。

 今の蘭は股をM字に開いており汁が垂れる所、指を出し入れする所

……そしてその行為で感じる所が僕の瞳に映っている。ピクッ、ビク

ン! と体を震わせて艶っぽい声を上げるのを見ていると、僕も興奮

してくる。

 ちゅっ、ちゅくっ、くちゅ……。

「んぁ……んふぅ、んん……ぁ」

 そんな事は知らない蘭のお父さんは割と真面目な話をしてきた。

『ただの幼馴染み、か。だけどその〝ただの幼馴染み〞が蘭を成長さ

せてくれてるんだよ、今までも勿論これからもな』

 それは僕だけじゃなくモカや巴達、Afterglowの皆を指し

ている。共に過ごし、学校に通い、支え合い……そうやって僕らは成

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Page 44: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

長してきたんだ。

 だから今の蘭のお父さんの言葉には心にくるものがある。

「そうですね……。僕も蘭に似合う男にならないとですね」

『美竹家を継ぐ者としてな』

 まだまだ先の話をして僕らは2人揃えて笑う。蘭のお父さんは堅

いイメージがあるが、案外面白い所もある。

『あぁ、ところで──』

 もうちょっと話は続くようだ、恐らくいつもの雑談だろう。だがそ

んな間にも蘭はオナニーを続ける。

「んぁ──っ、んッ、んふぅ……はぁっ……」

 空いている手でクリトリスも弄り始めて快楽を強める。

「んんッ! ぁう……ぁっ、ぁあ……○、○……」

 涙目で僕を見ながら名前を呼ばれる。今すぐにでも抱きついて一

つになりたい……、だけど僕は堪える。

「(そうだ……)」

 ある事を思い付いた僕は、蘭のお父さんの話を聞きながら机にあっ

た紙に言葉を書く。そしてそれを蘭の目の前に出す。

「ぅん……はっ──?」

 オナニーをしながらもそれに目を通してくれて文字を読み終えた

頃にピタッ、と動かしていた指が止まる。それは紙に書いてある内容

に驚いているからだろう。

 ──僕がイっていいと言うまでイっちゃだめだからね。

「ぁ、ぅ──○○……」

文字命

 自慰行為をやめた蘭を見て、僕は再び

を追加する。

 ──オナニーも続けて。やめていいって言わない限りは続けない

と、ね?

「ぃ、……あぁっ。くぅ……むぐぅ……」

 命令に従い、蘭はオナニーを再開する。指を動かす度に先程よりも

激しく身体が跳ねる。

 ビクンッ! ビクッ!

 自分の服を口で咥えて声が出ないようにしている。いつ終わるの

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Page 45: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

か分からない電話が終わるまで続けないといけない行為、恐らく蘭は

クリトリスを弄り始めた時点でイきそうだったのだろう。

『バンドの方は何も無いかね? 行き詰まっているとか……』

「そういうのはありませんね。皆、楽しく頑張ってますよ」

『そうか。ああいうのは行き詰まると辞めるか続けるかの岐路に立つ

からな、少し不安だったんだ』

 厳しいが何だかんだ娘の事を真剣に考えてる、それは蘭も薄々勘づ

いてると前に言っていた。ま、僕はよく話すから知っていたけど

……。

「そんな時には僕らが支えます、大事な親友ですから」

 僕が自身気に言うと微笑されてしまう。

『そうだな、○○君達がいるから余計な心配か。……っと、すまないお

客が来たようだから失礼するよ』

 インターホンの音が聞こえたからきっとその事だろう。

「んっ……ん゛ぁ、ひッぃっ──」

 こっちもそろそろかな……。

 身体の震えからして、そろそろ限界になってきているようだ。

「はい、それではまた。蘭の事は任せてください」

『心強いな。それでは失礼するよ』

「こちらこそ失礼します」

 画面を操作して通話を切る。そして淫らな行動を続ける蘭をじっ、

と見る。

「あ゛ぁ……お、おねッ──がい……。も、もうがまんできな、ぃ──

からァ」

 必死に懇願してくるのを見て僕は楽しむ。そう、〝いいよ〞と言っ

てないからまだ蘭は続けているのだ。

「蘭……」

「ぇう──?」

 名前を呼ぶと変な声で返事をされる。

 僕は蘭の近くにしゃがみこみ、自分の指を──。

「○○っ……? 何し──ぃィいいいッ゛ッ゛!?」

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Page 46: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 蘭の秘部に入れた。

 その膣内はとても熱くヒクヒクと蠢いていた。指を曲げれば敏感

に反応し、プシッと汁も溢れてくる。

「まだダメだから」

「ぞ、んなぁ゛──、げん……かぃ……な゛のに゛……ぃ」

 耳元で僕が囁くと震える声で自分の限界を伝える。

 蘭が限界なのは見れば分かるよ、それを知ってながら僕はやってる

んだよ?

 グチュ、ちゅくッ……、くちゅ、ちゅぷ、ぐぢゅ……。

 音が段々と強く、大きくなっていく。いつの間にか蘭は自分の服の

中に手を入れて、胸を刺激していた。

「ぅっ……んぁ、おね──ッ、イか……せてぇ……! お、おかし、く

……なる──っ!」

「…………(そろそろかな)」

 乱れる蘭の秘部から僕は指を抜く。「え?」と間抜けな顔で僕を見

上げられる中、僕は自分のモノを取り出して蘭の秘部に擦り付けた。

 蘭の秘部から溢れる愛液は天然のローションとなり、僕のモノにヌ

ルヌルと張り付いて滑りをよくしていく。

挿入い

れても、まだイっちゃダメだからね」

「そ、そんなの……うぅむ!?」

 何かを言おうとした蘭の口を自分の口で塞ぐ。その間に僕は腰を

進めて、蘭の奥へ突き進む。

「ちゅ、ぅうん! ……ちゅぱ、ふぅあッ、んんぅッ!」

 膣内にモノが入るときつく締め付けてくる。口を離して釘を打つ

ように再び同じ事を言う。

「イっちゃダメだからね」

 激しく腰を打ち付ける僕は、それこそ蘭をイかせようとしている。

 蘭はガチガチと歯をさせながら上がってきているのであろう快楽

を我慢している。両腕は僕の後ろに回されていて痛いほど抱きしめ

られていた。

「ぁ、ああ──! だ、ダメぇ……イクぅ、イクってばぁ……!」

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Page 47: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 いつものクールな蘭とは全く違う姿に更なる興奮を覚えながら打

ち付けるスピードを上げる。

 パンッ! パン! パンッ!

「い、ぐぅ……も、もぉがま、んできな──ぁ、ぃ」

 快楽という衝撃に耐えるために足も僕に巻き付ける。

「イっちゃ、ダメだ──よ!」

 締め付けが強くなり僕もとても気持ち良くなる。

「ぅやぁ──、○○、ごめぇ……イぎだい、がら──ッ! あ、ぁあ!

 くるッ! 大きい、のぉ──きちゃう……!」

 それに応えるように強く腰を打ち付ける。今まで我慢してきたも

のを一気に放つからか、身体がビクン! と跳ね続けて、歯も先程よ

りも擦るのが早くなっている。

「あ゛ッ! イぐぅ……らめぇ! あ゛ッ、あッ! イっちゃ──」

「くっ──! もう……いいよ、イっても!」

 ジュポッ、ジュポ! グチュ、チュッ、ジュプ!

 大きくなる音ときつく締め上げる膣内。それは蘭の限界を示して

いた。

「あッ、いっう! ぁ──イク、イクいくイっちゃう!! イっ───

─」

 一段と大きく跳ねて、蘭はその時を迎える。

「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ

!!!!!!」

 ビク! ビクン! ビクッ、ビクン!!

 蘭がイクと痛いほどモノを締め付けられる、よっぽどだったのか少

し潮も噴いているのが分かる。

「待っ、まって……止めて……。今、イってるからぁ……」

 そんな蘭の声を僕は聞きもせずに自分の快楽のために腰を振る。

「ぐっ……僕もイクからッ!」

 ぐったりしている蘭の奥にモノを突き付ける。それをする度にビ

クンと身体が跳ねて、痙攣する膣内が締まる。

射精だ

「もう──

すよっ!」

 言った矢先に僕は蘭の奥に精子を流し込む。すると蘭はぶるっ、ぶ

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Page 48: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

るるっ、と身体を震わせた。

「ん……っ、ん! ッ──!」

「はぁ、はぁっ……」

 僕が快楽の余韻に浸る中、蘭は虚ろな目で身体を震わせている。限

界の身体に更に快楽を叩き込んだせいで身体も心も耐えれなかった

のだろう。

「ぅ──、ぁ……。ッう、○○……」

 蘭の膣内から自分のモノを抜くと栓が取れたからか僕の精液が溢

れてきた。その蘭の見ない光景を僕は脳に焼き付ける。

 こうなるとは思ってなかったけど、提案してくれたモカには感謝し

ないと……。ちょっと変な事に目覚めてしまいそうなのは蘭に内緒

だ。

 そうして僕は蘭が回復するのを待っていてた。

      蘭が回復した後は、僕の部屋からリビングに降りてテレビを観てい

た。因みにペットの件はもう終わっていて、制服のベルトも首から

取っている状態だ。

「何であんなにノリノリだったの」

「い、いや蘭が可愛かったから……。つい虐めたくなりまして……は

い」

 テレビを観ているのは蘭で僕は床に正座をしている。

 行為が終わった後、蘭は随分ご立腹で僕に説明を求めてきた。そも

そもこういう事をしたのは僕も初めてだったので歯止めが利かな

かったというか、反省はしている。

「あたし、恥ずかしかったんだけど……」

「申し訳ございません」

「今でも変な感覚残ってるし」

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「本当にすみせんでした!」

 もはや謝ることしか出来ずにいる。確かにこれは僕に非がある、い

や僕にしかない。

 ……他にありそうな人といえば提案をしたモカな訳だが、実行した

のは僕だから僕の方が悪いだろう。

「でも──」

 そっぽを向いて頬を赤らめながら、もじもじとしながら蘭は恥ずか

しそうに言う。

「ひ、膝枕……。してくれるなら、許してあげてもいいよ……」

 何を言われるのかと思ったら膝枕と言われて、思わず笑ってしま

う。さっきまでの立場上蘭は「わ、笑わないでよ!」と声を上げる。

 僕はソファーに腰を掛けている蘭の横に座って、膝枕の準備をし

た。

「お安い御用さ、甘えん坊さん」

「……怒るよ?」

 と言いつつも膝にゆっくりと頭を置いてくるから迫力というのが

全く感じない。

 僕は膝の上にある蘭の頭を優しく撫でる。

「ん──。やっぱり○○のここ、落ち着く」

「あはは、何回も言われてるけどやっぱり照れるね」

「…………」

 急に静かになるから手を止めて話し掛けた。

「どうしたの?」

「寝れそうだから……今の続けてて……」

 弱い、小さな声で言われる。

「お望み通りに」

 髪の隙間から目を閉じてるのが見える。その表情はとても気持ち

良さそうで、幸せそうだった。

 僕は彼女が寝るまで頭を撫で続けていた。

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松原花音の

 「ん、んぅ……。美咲ちゃん……美咲、ちゃん……っ」

 お手伝いしようと思って美咲ちゃんの代わりにミッシェルを運ん

でたけど、それに染み付いた匂いが私の邪な感情を高ぶらせた。

 こんな事はしちゃいけないと分かってるけど我慢出来ずに部屋に

運んだ後、私は行為を始めてしまった。

「はぁ──っ、……んっ……」あ

の人

美咲ちゃん

 皆をいつも支えてくれる

を思いながら、私はミッシェルに下

着を履いたまま秘部を擦り付ける。

 強い刺激はなくともその人が使っていたという事が分かる匂いが

するだけで私は感じてしまっていた。

「ぁ──、んんぅ……ん……。はぁ──っ」

 誰も居ない空間に私の淫らな声だけが響く。

 皆向こうで待ってるのかな? こっちに来たりしないかな? な

どと不安に思いながらも行為に浸る。

 誰も私がこんなえっちな人だとは思わないだろう。でもこれにつ

いては、正直言うと自分でも驚いている。

 好きな人の匂いだけでこうなるなんて、自分でも思っていなかった

から……。

「はっ……っん! ふ、ぁ……」

 体の部分の匂いを嗅ぐと、頭の方よりも強い匂いがして興奮が高

まってしまう。それにより快楽を求める為に擦り付ける腰の動きが

早くなる。

「(美咲ちゃんの匂いが染み付いてる……。いい匂いで頭、クラクラす

る……)」

 思いっきり息を吸って匂いを嗅ぐ。その瞬間ビクッ! と身体が

震えて熱が上がるのを感じた。

 私の秘部から液が垂れていくのが分かる。

「だ、だめぇ……なの、にぃ……っ。汚しちゃあ……」

 だが言葉とは反対に私の行為は終わらない。

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 ミッシェルに秘部を擦り付けていると くちゃ……、と音が聞こえ

た。

 その擦り付けていた部分を見てみると私の液が付いているのが分

かり、そこだけ水に濡れたように染みていた。

 でも〝ダメ〞という単語が横切る度に私の動きは加速していく。

「ひ、っ……ふぁ──っ! 気持ち……い。み、美咲ちゃ……」

 擦り付けていたミッシェルの頭にぽたぽた、と顔から汗が落ちた。

耳の部分に秘部を擦っているので耳は私の液で濡れきっている。

「ぁ、ひぃっ……」

 身体の内側からゾクゾクッ、と快楽が上がってくる。それと共に、

一心不乱に腰を動かして秘部を刺激する。

ミッシェル

ちゃ

「(あ、ぁ……っ! い、イク……

で……イっちゃう──

!!)」

 くち、くちゅ……、くちぁ……。

 音が大きくなる度に身体の跳ねも強くなる。息も荒くなり、頭を抱

きしめる形で衝撃に備える。

「(い、イクッ、イク……っ! 美咲ちゃん! 美咲ちゃ──)」

 ──と、自分の限界が来る寸前の出来事だった。

  ガチャ……。

 「花音さん? 居る?」

「ふぇっ

!?!?」

 そのミッシェル本人である美咲ちゃんが音もなく部屋に入ってき

た。

 いや、音はあった。だが自慰に集中しすぎて周りに気が行かなかっ

ただけだろう。

 美咲ちゃんは息を荒らげてる私に近付いてくる。

「(ど、どうしよう……。バレちゃうよ……っ)」

 胸の鼓動が早まる。

 咄嗟にスカートで隠したから見えてはないだろう。だけど、こんな

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事知られたら今までのようには話せない、もう話してくれないかもし

れない。

「花音さん──」

「(ダメっ! 見つかっちゃう──!)」

 前かがみになってミッシェルに抱きついてる私にゆっくりと、声を

掛ける。

 あぁ、美咲ちゃんに嫌われたな……と思った。……だが現実は違っ

た。

「重かったですよね。大丈夫ですよ、後はあたしが運ぶので」

「……ふぇ?」

 何にも気付いてないように話してくれる。バレてないのだろうか

? 

「うわ……、すごい汗じゃないですか。すいません花音さん、任せっき

りで」

 気付かれてないのは好都合だ。

 そして問題はどうやってこの場を乗り切るか、だ。

「い、いや……大丈夫、だよっ……?」

 まず動くにも動けない。イク寸前で来られたため我慢してる状態

なのだ。だから、少しでも動くとおしまいだ。

「でもきつそうですよ?」

 そう言ってミッシェルの頭を少し動かされる。きっと持とうとし

てくれたのだろう。

 だけどその行動は今の私にとって最悪の行動であり……。

「ぁ──ダメ──」

 声を上げようとした時には遅かった。

 ビクッ! ビクビクッ! ビクン!!

「ぃ、っあ──、ぅあ、ッ、んんんっ!!!!」

 美咲ちゃんが片方を持ち上げると、秘部を擦り付けていた方の耳が

くい込んでクリの部分を丁度刺激した。

 その時の刺激で私の我慢は解かれイってしまう。それも──美咲

ちゃんの前で。

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「──は、ぁ……はッ、……っ」

「え……。か、花音……さん? 大丈夫ですか?」

 突然震えた私の身に何が起きたのか理解出来ていない美咲ちゃん。

 戸惑う美咲ちゃんに私は朦朧とする意識の中で答える。

「はぁっ……は、ぁ……。わ、わらひが……する、かりゃぁ……。美咲、

ひゃんは──っ、戻ってて……いいよぉ……」

 呂律が回らないし美咲ちゃんがボヤけて見える。

「あ、え。は、はい……。む、無理だけはしないでくださいね?」

 ボヤける視界の中、美咲ちゃんが部屋を出ていくのが分かった。出

る際に何かを言っていたけどうまく聞き取れなかった。

 ガチャッ、と扉が閉まる。そして再び訪れる1人の空間。

 ふらふらと扉に向かい鍵を閉める。その後に擦り付けていたミッ

シェルを見ると汗や液が染みているのが目に見えて分かった。……

それも結構な量だ。

 自分の下着は形が分かる程に濡れていて、触れるとくちゃ、といや

らしい音が聞こえてしまう。

「(ど、どうしよう……まだ皆と居るのに……)」

 この後は1時間以上この部屋にいてドライヤーなどで乾かしたり

していて、心配になった皆が部屋に来た。顔が赤い私を問い詰めるこ

ころちゃんや、気にしていなかった私の匂いに敏感に気付いたはぐみ

ちゃんから何をしていたのか問い詰められるのはまた、別の話──。

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戸山明日香と

  夏休み真っ最中という事で、今日は親戚が俺の家に泊まりに来るら

しい。

 その親戚の名は戸山。

 泊まりに来るのはその親戚の子の2人で片方は高校1年、もう片方

は中学3年のとても仲がいい姉妹だ。

 年頃の娘がこんな男と一つ屋根の下で過ごすのは抵抗は無いのか、

と俺は思う。

「あぁ○○、香澄ちゃん達が来たから出迎えてやりな」

 そんな事をぼーっと考えていると婆ちゃんからその親戚達が来た

と伝えられる。俺は立ち上がってから玄関に向かう。

「お兄ちゃーん!」

「はぁ……。久しぶりだな香澄」

 ドアを開けるや否や抱きつかれる。これは毎度お決まりの展開な

ので驚きはしない。

「もう、○○さんに迷惑でしょお姉ちゃん」

 しっかりとした少女が一礼して、後ろから歩いて家に入ってきた。

「だって〜」

「はいはい、いいから部屋に荷物を置いてこいよ。俺は居間で待って

るからな」

 そう言うと2人は返事をして自分達が寝る部屋に荷物を置きに

行った。

 親戚の戸山というのはこの2人の事だ。戸山香澄と戸山明日香。

2人はとても仲が良くて、昔はよく一緒に行動をしていたのを覚えて

いる。

 俺は先に居間へ行って、人数分のお茶をコップに注いで待つ事にし

た。そして──。

 ドタドタドタ!!

「うわーい!」

 激しい足音が聞こえたかと思うとまた香澄が抱きついてきた。

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 こいつは昔からやたら俺に抱きつく癖がある。きっと1人の男で

はなく兄として見ているから男女の壁を香澄は作ってないのだろう。

 そんな姉とは違い、明日香はそういうのに気付いてきている。昔は

明日香も抱きついてきていたのだ、それが最近は抱きつかなくなっ

た。安心感もあるが不思議と寂しさもある。

「ねぇねぇお兄ちゃん、何して遊ぶ?」

「いや何してって、俺は勉強をしたいんだが……」

 高3の夏、勉強をするなら今のうちだ。夏休みで部活も終わり、時

間はたっぷりとあるから元々やろうと思ってたのだ。

「というかお前は終わってるのか? 宿題とかあるだろ」

「うっ! ……な、無いよ〜? お、終わらせたもん……」

 あからさますぎるぞ、香澄……。

 目を逸らしているからその言葉の真偽が丸分かりだ。明日香も少

し遅れてから居間にやって来た。……その手にはノートや教科書を

持って。

「何嘘言ってるの、全然終わってないじゃん」

「うぐぅ! あ、あっちゃん……何を言ってるのかな……?」

 ため息をつきながら明日香は畳に座って机にノートなどを広げる。

「花火大会行くんでしょ? それなら今のうちに終わらせた方がいい

よ」

「ううぅ……」

 ゆっくりと立ち上がり居間を出ていく、恐らく宿題を取ってくるの

だろう。

「偉いぞ明日香、姉とは大違いだな」

「う、○○さん恥ずかしいからやめてよ……」

 褒めるつもりで頭を撫でたら、少し照れられる。

 明日香はこういったスキンシップが苦手な部類だ、姉妹でこうも違

うとなかなか面白い。

「おっと悪いな。それじゃ、俺は部屋に居るから何かあったら呼んで

くれ」

 手を退かして、俺は居間から出る。すると扉の前で宿題らしきもの

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を持った香澄が立っていた。

 その香澄は何故かニヤニヤとしながら俺に質問をしてくる。

「お兄ちゃん、あっちゃんの頭撫でてたでしょ〜?」

「? 撫でてたが……何かあるのか?」

「別に〜? それでさそれでさ、私の頭も撫でて〜」

 そう言うと頭を突き出してくる。

 どうして撫でないといけないんだ……、こんなにも撫でられるのが

好きだったか?

「……宿題が終わったらな、それまではお預けだ。俺に見せた後に撫

でてやるよ」

 俺は適当に条件を付けて撫でる事を約束する。

 こうでもすれば真剣に勉強に取り組んでくれると思ったからだ。

「う、うーん……これは頑張らないと……」

 頭撫でるだけでそこまで考えるのは、きっと香澄ぐらいだろう。

まぁ、理由はなんであれ宿題に取り組んでくれる点は嬉しい限りだ。

「明日香にも言ったが何かあったら俺の部屋に来いよ、勉強してるか

ら」

 そう言うと香澄は「分かったよ〜」と返事をして居間に入っていっ

た。

 香澄が入るや否や、居間から明日香が声を上げるのが聞こえる。だ

が楽しそうで何よりだ。

 思いながらも俺は止まった足を自分の部屋へと進めるのだった。

     「ふっふっふ……」

 お姉ちゃんが変な笑い方をしながら居間に戻ってきた。

 どうせ、ろくでもない事を考えてでもいるのだろう。

「どうしたの」

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 宿題の手を進めながら適当に聞き返す。

 お姉ちゃんはあたしの向かい側に座って宿題を広げた、そして宿題

をするのかと思ったら頬杖をついて私に話し掛けてきた。

「嬉しかった? 頭撫でられて」

「……別に」

 素っ気なく答える。「ふ〜ん?」とお姉ちゃんはにやけながら言っ

てくる。実際あたしは下を向いてるから顔は見てないけど、絶対にや

けてると思う。

「私は嬉しそうに見えたけどな〜」

「そう」

 からかわれるのは目に見えてるので、極力話に乗せられないように

しながら答える。

「そんな事より早く宿題すれば。花火大会、行けなくなるよ」

「そーだね〜。お兄ちゃんとも約束したし〜」

 ピタッ、と手が止まった。

 何を約束したのだろうか。いや、お姉ちゃんの事だからきっと頭を

撫でてもらうとかだろう。

「…………」

 ないと思うが、もしも一緒に出掛ける──とかだったら? 前から

お姉ちゃんが○○さんに好意を持っているのは知っている、だからそ

の可能性も捨てれない。

「な……何の、約束をしたの?」

 自然と質問をしていた。

 ○○さんに気持ちは隠しても、お姉ちゃんに隠すのはダメだと思っ

た。

 だって……お姉ちゃんにだけは取られたくないから。

「えー、気になるのー?」

 こくっ、と頷く。

「しょうがないな〜。えっとねー、お兄ちゃんと約束したのは──」

「…………」

 思わず息を飲んでしまう。

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Page 58: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「宿題を終わらせたら頭撫でてもらえるんだ〜!」

 思わずため息をつく。それは予想が外れた安心からだろう。

 そもそもあたしは、お姉ちゃんの好意が男女の恋愛か兄妹としての

ただの好意なのかがはっきりと分かっていない。それさえ分かれば

モヤモヤとする事もない訳だが……。

「そうなんだ。子供みたいだね」

「子供だもーん」

 いつものように笑顔で返事をしてくれる。

「それじゃ勉強しよっかあっちゃん! 花火大会とお兄ちゃんのため

にも!」

 そのモヤモヤは結局はお姉ちゃんの勢いで掻き消えてしまう。

 周りからもよく言われるが、やはりあたしはお姉ちゃんっ子らし

い。

「はいはい、分かりました」

 今回も結局、お姉ちゃんに流されてお昼ご飯まで勉強をやっていた

のだった。

     「ん……、あぁ〜〜〜っ!」

 ペンを置いて体を伸ばす、ずっと同じ体勢だったので伸ばすと疲れ

や疲労が一気に外に出ていくような感じがして気持ちが良くなる。

 そのまま椅子に体重を預けて体を後ろにそらす、すると、そのタイ

ミングで扉が開いた。

「○○さんお昼ご飯出来たよ」

 その扉の前には明日香が立っている。

 どうやらご飯が出来たのを伝えに来てくれたらしい。

「ああ、すぐ行く」

 短く返事をすると明日香は部屋を出ていく。

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 ……出ていく前に俺の部屋を見渡していた気がするが、気のせいだ

ろう。

 俺も勉強道具を軽く片付けて部屋を出たのだった。

   居間の机の上には料理が置いてあった。

 カレーだ、何の変哲もないカレー。量もあるだろうから夜もカレー

か、と思いつつも座布団の上に座る。

「いただきます」

「いただいて、いただいて〜」

「もう。お姉ちゃんってば」

 カレーを掬ってスプーンを口に持っていく、口に入れた瞬間いつも

と味が違う事が分かった。

「婆ちゃん、作り方変えた?」

 いつも料理をする時は俺と婆ちゃんの2人でする事が多い。だか

らちょっとでも味が変わるとすぐに分かる。

「いいや。今日作ってくれたのは香澄ちゃんと明日香ちゃんだよ」

「香澄達が? へぇ、料理出来たんだな」

 婆ちゃんの言葉に驚きつつも口に運び続ける。

 味の感想は美味い、普通に美味いの一言だ。見ないうちに成長した

んだなぁ、と実感されられる。

「美味いな。普通に」

 感想を述べると2人は嬉しそうに笑った。

「やったぁ! 良かったねあっちゃん!」

「う、うん……」

 顔を染めながらも明日香は嬉しそうに頷く。何だかんだで褒めら

れて嬉しいのだろう。

 婆ちゃんもゆっくりと口に運ぶ。

「美味しいねぇ。これなら○○がどっちと結婚しても安心だよ」

「んぐっ!?」

「わぁ! お兄ちゃんのお嫁さん!?」

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Page 60: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 2度、3度とカレーを味わってから問題発言をする。

 結婚なんて……ガキじゃあるまいし。

 でも香澄と明日香は俺から見ても普通に可愛いと思うから、こんな

人と結婚できたら幸せだろうな。

「話が飛躍しすぎだ。それと結婚なんてするわけないだろ」

「そうかい? あたしは○○は2人のどっちかと結婚してくれたら安

心だけどねぇ」

 照れる2人を他所に俺と婆ちゃんはカレーを口に運びながら会話

を続ける。

「そもそも、そういう関係ですらねぇからな。理想は綺麗なお姉さん

系だ」

「2人も背が伸びればきっと美人さんになるわよ」

「その頃には他の奴と付き合ってるかもな」

 会話を繰り広げる中で香澄は1人で騒いでいて、明日香は下を向い

てちまちまカレーを食べている。

「(俺はゆっくり食べたかったんだが……)」

 そう思いながらも時間は進んでいった。

   カレーを食べ終えた俺らは片付けをしていた。

 婆ちゃんは自分の部屋に戻って、香澄は課題が残ってるからそれを

終わらせるのを専念してもらっている。つまり俺は明日香と片付け

をしている状態だ。

 明日香はさっきの婆ちゃんの事もあるのかいつも以上に口数が少

ない。

「………」

「………」

 カチャ、カチャと食器同士がぶつかる音と水道から出る水の音が無

言の2人の間に響く。

 ジョークなのにそこまで間に受けたのか? そんな単純な奴だっ

バカ姉

たか明日香は? 

じゃあるまいし。

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 俺は適当に明日香に話し掛けてみる事にした。

「おーい、明日香ー」

「……何、○○さん」

 視線すら送らずに返事をされる。

 何か気にでも触れたのだろうか、だが明日香の気に触れるような事

は言った覚えはない。

「どうしたんだよ。昼飯のやつは婆ちゃんの冗談だって分かってるだ

ろ? そもそも、俺らが結婚なんてあるわけないんだからさ」

 言って洗い終えた食器を明日香に渡す。

「……お姉ちゃんなら『昔約束したから!』とか言って本当にしそうだ

けどね」

 会話が繋がった。

 この流れに乗るように話を継続する。

「あー……。でも流石にないだろ、小さい頃の約束だからって。ま、そ

れならお前ともしてるしな」

「っ──。あ、あたしは関係無いじゃん……」

「ははっ、そうだな。ガキの頃の約束なんてそんなもんだよな」

 皿を洗いながら笑う。洗った皿を明日香が受け取り、タオルで拭く

という作業を黙々と続ける。

 全てを洗い終わったあとに、香澄が台所に居る明日香に泣きながら

抱きついてきて連れ去られていった。

 1人になった俺は自室に戻り夜まで勉強を再開する事にした。

     「何でお兄ちゃんは一緒に入らないんだろうね〜」

「当たり前でしょ。……本当はあたしも1人で浸かりたかったんだけ

ど」

 しゅるしゅると服を脱ぐ時に布が擦れる音がする。

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 夜ご飯を食べた私達はお兄ちゃんから先にお風呂に入っていいと

言われたので2人でお風呂場へ向かった。向かう前にお兄ちゃんも

誘ったのだが「バカか。入らねぇよ」と切り捨てられてしまった。

「昔は一緒に入ってたのに〜」

 ぶーぶーと言いながら私はお風呂場の扉を開けて中に入った。そ

の後ろからあっちゃんがついてきて呆れたように言葉を返される。

「昔と今を一緒にしない方がいいよ。お姉ちゃんでも裸を見られるの

は恥ずかしいでしょ」

「んー? 私はそうでもないよー? だってお兄ちゃんだし」

「それでもお互いに高校生だよ? 少しは意識でもしたら?」

 お湯で身体を流しながら話す。

 あっちゃんは気付いているのだろう、私がお兄ちゃんを好きな事

を。意識し始めたのがいつかは覚えていない。気が付いたら意識し

ていたのだ。

 だから少しは恥ずかしいという感情はある。

 だけど恥ずかしさを押し殺して接しないと、あっちゃんにお兄ちゃ

んが取られると思うのだ。

「そんな〜、あっちゃんじゃないんだから〜」

「はぁ。あたしの反応が普通だと思うけど……。先に身体洗うよ」

 風呂場にある椅子に座って身体を洗おうとするあっちゃん。その

後ろから特に理由もなく抱きついて邪魔をする。

 あっちゃんは抱きついてくる私を手で押しやろうとするが、強くは

しない。何とも優しい妹だ。

「肌すべすべ〜。ぷにぷにしてて気持ちいよ〜?」

「か、感想は言わなくていいって!」

 じゃれあっていたからお風呂を上がったのはそれから1時間以上

も経った後だった。

    

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  2人が入った後に俺も風呂に入った。

 別に邪な事は考えていない。ただ思った事は、いつもより風呂場が

いい匂いに包まれていた事だ。それ以外は全く考えていない。

 風呂から上がり髪を乾かす。そして服を着てから取り敢えず居間

へ足を運んだ。

 そこにはパジャマに着替えてテレビを観ている香澄と明日香が居

た。

 2人とも風呂を上がった後だからか髪が微妙に濡れていた。香澄

はいつもの猫耳(本人曰く星型)の部分がなくなっており、少し雰囲

気が違っている。大人しくしていれば清楚美少女の部類に入ると思

う。

「あんま遅くまで起きとくなよー」

「と、言いつつお兄ちゃんもテレビ観るんだね〜」

「暇だからな」と言って腰を下ろす。

 胡座をかいている俺の膝に香澄は頭を乗せて横になった、所謂膝枕

をしている形になる。

「えへへ〜、おにーちゃーん……」

 ゴロゴロとペットのように頭を動かす。俺の今の格好は半ズボン

に半袖と涼しい格好で肌が割と出てるから、香澄の髪が妙に擽ったく

感じる。

「あまり○○さんに迷惑かけないでよね、お姉ちゃん。ふぁ〜っ……」

 携帯の画面を見ていた明日香が視線をこちらに移して香澄に言う、

欠伸をしているのを見ると随分眠そうに思える。

 時間を見ると22時を回っていた。

「眠たいのか?」

「んー……少し、そうかも……」

 あまり遅くならないうちに寝た方がいいか。俺は香澄をどかそう

と軽く叩く。

「香澄、どけ」

「…………」

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 素晴らしい程の無反応。ピクリとも動かないし声も出さない。

 俺はもう1度叩いてみる。

「おい香澄。退いてくれ、電気が消せない」

「…………」

 だが無反応。

 俺は横を向いてる香澄の体を仰向けにして起こそうとした。が、仰

向けにした後にどうして香澄が反応をしなかったかに気付く。

「すぅ、すぅ……ん〜……」

「……寝てる?」

 両目をつぶり寝息を立てていた。つまり寝ていたから反応しな

かったわけだ。

「(仕方ない……)」

 ため息をついて俺は香澄を抱きかかえる。起こさないようにゆっ

くりと、だ。

 お姫様抱っこで抱きかかえているから、香澄の顔が間近にある。静

かに寝息を立てていて、首が少し動くとそれに連動して髪も動く。そ

の度に髪からいい匂いが鼻をくすぐった。

「悪いけど電気消してきてくれないか? 先に部屋までこいつを運ぶ

からさ」

 明日香はこくんと頷いて立ち上がる、俺が居間を出ると後ろから居

間の電気を消した明日香が付いてくる。

 そして、香澄達が寝泊まりする部屋まで2人で歩く。部屋の前に着

くと、明日香に部屋の扉を開けてもらい香澄をベットの上に寝かせ

た。

「んじゃ、遅くまで携帯触っとくなよー」

「流石にそこまでして触らないよ……。おやすみ、○○さん」

 おう。と返事を返して扉が閉まる。

「(さてと、俺も寝るか)」

   

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   部屋に戻って2時間くらい経っただろうか、思いながら時計を見る

と時間は0時を示していた。

「んにぁ……ありさぁ〜。んんぅ……」

 隣で寝ているお姉ちゃんは、寝言を言いながらもぐっすりと眠って

いる。恐らく○○さんも寝ているだろう。

 あたしは音を立てないように部屋の外に出た。そして○○さんの

部屋を目指す。

 今からやる事が趣味な訳では無い、だけど折角だからやってみよう

と思ったのだ。

 ○○さんを思いながらの自慰行為……。それもその人の寝てる部

屋でやると思うと、今でさえ感じてくる。

   部屋の前に着いたあたしは、ゆっくりと扉に手をかけてなるべく音

がしないように開ける。

 中に入ると部屋の電気は消えていて、○○さんはベットの上で眠っ

ていた。

「(場所は確か……ここ、だったよね?)」

 まだ暗さに慣れてないので昼の記憶だけで行動する。タンスの場

所まで忍び足で行き、手を伸ばすと窪みのようなものに手が触れた。

「(んし、ょ……)」

 窪みに手を差し込み引っ張る。するとす、すす……、と引きずるよ

うな音がして、その中に手を入れると布の感触が手に伝わった。

 あたしはそれを取り出してようやく慣れた目で確認する。

「(これ、○○さんの私服だ)」

 あたしはそれをギュッと抱きしめる。

「す──っは……、っ」

 顔を押し付けて匂いを嗅ぐ。

 家では嗅げない匂いに自分の興奮が高まっていくのが分かった。

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「──ん、ぅ」

 それは自然と片手が秘部に伸びていっている事から目に見えて分

かる。

 あたしはズボンを片足だけ脱ぎ下着を少しずらす、そして秘部を弄

り始めた。

「ん……っ、ん、んんふ……ぅ……」

 既に濡れていた秘部はあたしの指を拒む事なく呑み込んでゆく。

ちゅく、と水音を立てながら指を曲げたり、出し入れを繰り返す。

「(○○さん……)」

 背を向けた先で寝ている人を思いながら自慰を続けていく。いつ

もよりドキドキしているせいかビクッと大きく身体が震えて、イキそ

うな感覚が奥からよじ登ってくる。

「ん、くぅ……ふ──ぅ……んんぅ……!」

 声が漏れまいと更に顔を埋める。だが埋めると○○さんの匂いが

より強く感じ取れる、逆効果だ。

 ガクガクと震える脚、跳ねる身体。ぢゅ、ぐちゅッ、くちゅと隠す

気のないかのような大きな音。これだと起きてしまわないかと心配

になる。

 あたしの息も荒くなっているから、もしもの事が起きるかもしれな

い。

「ぁ──い、イ……くぅ……」

 ゾクッ、と強い波が身体を走る、そして……。

 ビクッ、ビクビク! ビクン! ビクッ!

「んんっ、イ────ッ! んんんんっ!!!!」

 あたしは○○さんの部屋でイってしまった。1人でするのでここ

まで感じたのは初めてだと思う。

 ゆっくりと息を整えながらも服から顔を離す。

「(早く、戻さないと……)」

 開いていた脚をとじて服をタンスに戻そう──と、したその時だっ

た。

 ──カチッ。

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「!?」

 その音と共に暗かった部屋に光がついた。

 暗い所に慣れていたあたしの目は、反射的に目を細める。

 光がついたという事は誰かがつけたという事だ、ひとりでに電気が

つく筈はない。

「あ、明日香……?」

 それをつけた人は、きっと……あたしの後ろで寝ていた人だろう。

「○○、さん……」

      暗かった部屋が明かりに照らされて俺の部屋に侵入した人物が見

えるようになる。

「ぁ──。ち、ちが……」

 有り得ないものを見るかのように俺を見る明日香。その姿はズボ

ンを半分脱いでいて、まるである事をしていたというのを思わせる。

 だが有り得ないものを見ているのは俺もだ。

 確かに俺はさっきまで寝ていた、だがふと変な音がすると思い起き

たのだ。

 暗闇の中タンスの前でガサゴソと動いてる影が見えて、香澄がイタ

ズラしてるんだろうと思ったがその予想は外れ、予想なんてしてない

結果が目の前に広がっている。

「俺の服取り出して匂いでも嗅いでたのか? 香澄じゃないんだから

さ」

 ゆっくりと近付き自分の服を取り上げる。

 それにより服で隠れていた明日香の脚が顕になった。

 明日香の秘部を覆う下着は上から分かるほどに濡れていて、シミを

作っている。

「それに……オナニーでもしてたのか? とんだ変態だな、そんな奴

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とは思ってなかったよ」

「違う、違うの……。これは……」

「何が違うんだよ。こんな濡らしてんのに」

「ひぅん! やめ……」

 その濡れている部分に軽く手を触れさせる。それだけで明日香は

身体を震わせた。

 ちょっと脅せばもうこんな馬鹿な事はしなくなるだろ。

「ま、今回は見逃してやるよ。綺麗さっぱり忘れてやる。だから早く

部屋に戻れよな」

「──え?」

 服を畳んでタンスに戻す。

 そして明日香をなるべく見ないようにして、ベットに戻ろうとし

た。

「ま、待って!」

 が、突然後ろから明日香が抱きついてきた。

「うおっ、と……」

 決して大きいとも小さいとも言えない膨らみが押し付けられてい

るのが分かる。

「気付いてよ……あたしの想いに、○○さん……」

 ただでさえ秘部に触れてドキドキしてるのに、胸を押し付けられな

がらそんなセリフを言われると余計にドキドキしてしまう。

「〜〜ッ!」

 親戚の子に邪な感情を抱いてしまう。

「そんな事──ッ」

「きゃっ!?」

 俺は腰に巻かれた明日香の手を解いて無理矢理ベットに押し倒す。

そして両手を明日香の顔の横について、逃げられないようにした。

「好きな奴だけに言えよ! 無駄に意識するだろ!」

 明日香の思考が分からなくてつい怒鳴りつけてしまう。

 分からないのだ。こいつが何を考えてるのか、どうしてあんな事を

していたのか。

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 押し倒した先で明日香は恐れる事なく真っ直ぐに俺を見ていた。

 突然明日香が笑ったかと思うと、両腕が伸びて首に巻かれる、そし

て──。

「──んっ」

 口と口が触れる、俺はキスをされたのだ。

「なっ──!?」

 これには驚くしかない。

 初めて感じた女の子の唇の味に俺の意識は引き寄せられた。

「これがあたしの気持ち。ずっと、ずっと言ってなかった想いだよ。

あたしは○○さんに全てを捧げる覚悟だって……ある、から」

  「引き返すのなら、今だぞ……」

 理性という枷が外れる前に忠告をする。

「うん……」

 頷くが逃げようとはしない。

 俺はゆっくりと動かしていた手を明日香のパジャマに触れさせる。

そして不器用に上から1つ、また1つとボタンを外していった。

 顕になった綺麗な肌とそれを飾るかのような純白の下着、その下着

をも俺は脱がしていく。

 普段は見ない物に対し、俺はまじまじとそれを見つめていた。

「明日香……」

「ん、っ……」

 その柔らかな胸を両手でゆっくりと、それでいて強く揉む。形がよ

く、ふにゅんとクッションのように俺の手はそれに沈まっていった。

「あ、……ふぅ、ん……。あっ……ぅ、んんっ」

 たまに指先で固くなった胸の先端を弾く、すると明日香の身体はビ

クンと跳ね感じてくれている事が分かった。

 妹のような存在だった少女を汚すという背徳感に襲われながらも、

俺の興奮は高まっていく。

「明日香……じゅる……っ、ちゅ」

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「ひぁっ!? ○○さん、むねぇ……っ!」

 貪るかのように明日香の胸に吸い付く。

 その胸に乗る小さな蕾を自分の舌で転がすと艶っぽい声を上げ身

体を震わせた。

「じゅる、じゅるるっ! はぁ……っ、は……ッ」

 片手で空いてる胸を揉みながらも、吸ったり舐めたりを繰り返す。

明日香は快楽を我慢するかのように、俺の頭を両腕で抱き抱えて力を

入れていた。

「ぁ──! き、きちゃう! おっ、きいのぉ……!」

 びくっ、びくっと不規則に明日香は震える。

 イきそうなのを察すると俺は、イけと言わんばかりに固くなった蕾

を優しく歯で噛んだ。

「あっ! いぎ、ッ!? っ、ぁ、ああぁぁぁあッ!!!!」

 コリッとした感触が俺に伝わると共に明日香は声を上げた。敏感

な部分に強く刺激を与えられて未知の感覚を感じているだろう。

 俺に巻いていた腕は力なく解けて、明日香はベットに倒れ込んでし

まった。

「は、ぁ──っ。えへへ……○○さんのここ、大きくなってるよ?」

 ゆっくりと体を起こし俺のモノがある部分を撫でられる。

 俺は抵抗する間もなくズボンを下げられ、そのモノを明日香の目の

前に出した。

「ぅ、あっ……ふぁ……。あたしで、こんなになってくれたの……?」

「ま、まぁ……」

 照れて顔を逸らしてしまう。

「ふふっ、嬉しい……。くふぅ、んんっ──ぢゅるるるッ!」

「うぁっ!?」

 その隙に明日香は俺のモノを口に咥えて舐め始めた、フェラチオと

いうやつだ。

 明日香はモノをまるでキャンディを舐めるかのように舐めてくる。

舌を這わせ、敏感であるカリの部分、裏すじを余る所なく舐め続ける。

口に咥えられているから溶けるように熱く、気持ち良さは倍増してい

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た。

「ぢゅぷっ! じゅぽっ! く、ぴちゅ……♥ じゅる、じゅぽ! ん

んぅ、ぁう……○○さんの、おいひい……♥」

 上目遣いで咥えられながら言われて胸が締め付けられる。

 奥へ、奥へと潜り込む。既に根元まで咥えていて、明日香の息は荒

くなっていた。

「ん……、ふーッ♥ んグッ! ふッ……♥」射

精だ

「(ぐっ……! だ、ダメだッ!)明日香っ、

すぞ──ッ!」

 我慢の限界になり俺は己の欲望を明日香の口に放った。びゅるる

! と勢いよくモノが跳ねながら射精する、今までにないくらいの射

精だったと思う。

 それ程、明日香の口が気持ち良かったという証明だろう。

「ん゛ん゛ッ!? ん、ん゛っ……♥ んくっ……」

 ゴクッ、と明日香はそれを飲み込んでしまった。それなのにも関わ

らず、眩しい程の笑顔を向けてくる。

「はぁ……んはっ……。い、いっぱいだね」

 びくっ、びくっと口から離れた後でも跳ねる俺のモノ。それは1度

出した後とは思えない程に硬いままだった。

 何も言うことなく脚をM字に開いた明日香は、自分の秘部を触っ

た。下着は完全に水──恐らく愛液で濡れきっていて使い物になら

ないくらいになっていた。

 それを少しずらして、俺に秘部を見せつけるかのようにしてくる。

「あ、あたしの準備は出来てるよ……。だから──」

挿入い

 だから──

れて。

 幼い少女が誘惑をしてくる。

 当然、俺はこんな状況で振り払える事は出来ずにその誘惑に負けて

しまった。

 トロトロに液を垂れ流す1本の縦線……その広げられた小さな穴

に俺はモノを挿し込んでいく。

「ん……っ! ん、ぁあむ……ッ!」

 明日香の痛々しい喘ぎ。──と同時にすぶり、ずぶ……ずぶという

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感触。

「ぃ──っ、いやぁ……。おに、ちゃ……」

 モノを咥えた明日香の秘部は、じんわりと血が滲んでいた。

 当然だ。明日香は処女だったのだ。今はきっとその痛みと戦って

いるのだろう。

「わ、わりぃ……、明日香──っ!?」

 俺が謝ろうとするとキスをされた。先程のキスとは違い、舌を入れ

るディープキスだった。

 口を離した明日香は涙目で語り掛けてくる。

「あや、まらないで……。これでぇ……っ、お兄ちゃんと、一つになれ

たからぁ……」

 小学生時代以来のお兄ちゃん呼び、それがこんなタイミングでなん

て反則だ。

「明日香──!」

 どうしようもないくらい愛おしくなり、今度は俺からキスをする。

「ちゅ……ん、ぷぁっ!」

 キスをするとキュッと腟内がきつく締め上げてきた。

 暫くすると明日香が「動いていいよ」と教えてくれた。少し痛みに

慣れたのだろう。

「それじゃあ……いくぞ」

 腰をゆっくりと動かしてピストンを開始する。

 中学生という未だ完成されていない身体を、俺のモノは味わうかの

ように動き続ける。

「んっ、あ……っ♥ う、動いてるぅ……! お兄ちゃんのおち、んち

んッ」

 蕩けた表情で、普段なら口が裂けても言わないだろう単語を口にす

る。

 秘部から液は止まることを知らないかのように溢れ続け、モノの出

入りをより一層スムーズにさせていく。

「(明日香の腟内──気持ちいい……ッ!)」

 強く締め付けていても腟内はうねり、俺のモノを味わうかのように

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吸い付いてくる。その最深部である子宮をノックすると可愛らしい

声を上げ、俺を呼んでくれた。

「うぁ──っん! おにいひゃん……おに、ひゃぁ──、好きぃ……

しゅきぃ♥」

 呂律が徐々に回らなくなってきている。

「ん、んんぅ! じゅる、ぷぁっ……! きもひぃよ……、もっと、もっ

ひょ──ちょうらい?」

 俺ははち切れんばかりに勃ちきったモノを欲望のままに打ち付け

る。挿入を繰り返す度に結合部からは行為による液が溢れ出す。そ

れは俺のベットにシミを作っていた。

「ぐ……。あ、明日香……お、俺っ」

 腰が震え始める。それと同時に身体の奥底から射精の感覚がよじ

登っているのが感じ取れた。

 流石に中出しはまずい。

 そう思い、俺は射精する前にモノを引き抜こうとした。

「──!? 明日香っ!?」

 ガシッと腰に両脚を絡みつける。

腟内な

「だめぇ……、お兄ひゃん──なかで、あたしの

でぇ……」

 続けて両腕で体を引き付けられて、流れるようにキスをする。

「(どうなっても、知らないからな──ッ!!)」

 考える余裕もないくらい俺は限界が近かった。

 ただ、己の欲を明日香に吐き出すために腰を激しく振る。

「はぁッ♥ んぁッ♥ い、イきゅ……おにいひゃん……っ、あたひ、

イッちゃうよぉ♥」

射精で

「お、俺も──

るッ!」

 明日香の喘ぎ声を聞く度に腰の動きはだんだん早くなり、俺は限界

を迎える。

「い、イく! いくいくぅ! おにいひゃん、おにいひゃ──」

 明日香の一番奥、子宮口に密着させ俺は勢いよく射精をした。

「イくぅ! イク、イっ……んぁあああああ!!!!」

 びゅるるッ! ビクッ、ビクッ! と痙攣をしながら欲望の塊を少

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女の腟内に放出し続ける。

 俺達は快楽に呑まれないようにお互いを強く抱きしめて温もりを

感じ合う。そうしてる間にも、俺のモノは射精を続けていた。

「んぁ♥ ……ッ♥ おに──ちゃ、多いよぉ♥ あたし……お腹、

いっぱい……っ♥」

 行為の余韻に俺達は浸る、明日香も俺もほぼ同時にイったせいでお

互い力なくベットに倒れ込んだ。

「は──ぁ……」

「ぅうん……お兄ちゃん……。好きぃ……」

 俺を抱きしめながら小さく言う明日香はどこか幸せそうに見えた。

それに応えるかのようにギュッと抱きしめて、俺達は眠りについたの

だった。

      たまたま夜に目が覚めてしまったのでお兄ちゃんを脅かそうと部

屋に来た私。だけど、私は部屋から漏れる声に立ち尽くしていた。

『おにいひゃん……おに、ひゃぁ──』

『ぐ……。あ、明日香……』

 それは男女が交わる行為をしているような声。部屋から聞こえる

声で〝明日香〞と〝○○さん〞といった名前が聞き取れる所から誰

それ・・

と誰が

をやっているのかが分かった。──いや、分かってしまっ

た。

「(う、嘘……だよね? お兄ちゃんとあっちゃんが……)」

 後退りをして部屋から離れる。

 扉の先の現実を受け入れないように、そうでないと信じるように─

─。

 私はその夜はよく寝付けなかったのだった。

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北沢はぐみと

 「1人で買い物? ○○くんって意外な趣味持ってるんだね」

「いやいや花音さん、はぐみに構ってもらえなくて暇してるだけだと

思うよ」

「何で会って早々そんな事を言われないといけないんだよ……」

 意味も無くショッピングモールでぶらぶらしてると松原先輩と奥

沢に出会った。

「でも事実でしょ?」

「別に……。あっちに予定があったんだ、それを壊すわけにもいかな

いだろ」

 俺の彼女である北沢はぐみとデートをしようと考えていたが、友達

と予定があるからまた今度と言われたのだ。と、それが昨日のやり取

り。

「はぐみちゃん、今頃こころちゃん達と居ると思うよ」

「弦巻達とか……。それなら瀬田先輩もですか?」

「うん。薫さんもエスコートって言ってたし、そうだと思う」

 よく固まって騒ぐメンバーか。

 何して遊ぶのか気になるが……どうせろくでもない事だろう。

「──で。最近はぐみとどう? 進展とかあった?」

「進展? ……ああ、まぁ……あったかな」

 1度考える素振りをして答える。

 よく奥沢ははぐみと俺の関係を聞いてくる、なんだかんだで仲間思

いなのだ。逆に俺も学校やハロハピでのはぐみの事を聞くのが多い。

「へぇ、はぐみは最近何も無いよー、って言ってたけど何があったの

?」

 成程言ってないのか、いや言わないのが当然か?

 奥沢は勿論だが松原先輩まで進展の事を期待して待っている。は

ぐみが隠してるなら、いやでも奥沢には色々と感謝しないとだし……

ううむ。

「……えーと、大きな声では言わないけど」

72

Page 76: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 声のボリュームを落として話す事にした。内容が内容なだけに、な

るべくノーマルな言い方にする。

「女の子の身体って柔らかいんだなぁ、と思いました」

 言うや否や奥沢に頭を叩かれる。松原先輩は顔を赤くしてもじも

じとしていた。

「まさかあんたが無理矢理する奴だったなんて……見損なったよ」

「そ、そうなの? はぐみちゃんが可哀想だよ、○○くん……」

 何故俺がレイプをしたようになってんだよ!

 咳払いをして2人の誤解を解くために説明をする、お互いの同意の

上での行為だという事を。

 説明をしている時にその時の事をつい思い出してしまう。

 普段は無邪気、天真爛漫な彼女があの時は勇気を出して1歩進む事

を話してくれた。体育は得意だが〝そういった事〞についてはほぼ

無知な彼女にその行為をもって教え込むのは、一種の背徳感を覚え

た。

 処女故に痛がりながらも俺を求め、受け止めてくれたはぐみを俺は

一生忘れないだろう。……行為が終わった後はお互いの体温を感じ

ながらも寝た。

 俺はその時の体温をその日から忘れた事はない。

「何ニヤニヤしてんの」

 ジト目で指摘される。

 バカ正直にその事を言うわけのない俺は適当に誤魔化した。

「あの時のはぐみ可愛かったな〜、と」

「……は?」

「あ」

 自ら墓穴を掘りに行ったと思った。

 まずい、これは殺られる。そう思った時だった。

「あ! ○○くんだー!」

「うおっ!?」

 2人と話していると突然後ろから抱きつかれた。誰だ、と思ったが

俺がよく知る声と微かに香る匂いですぐに分かった。

73

Page 77: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 俺は前を向いたままその抱きついてきた人物を当ててみせた。

「何だはぐみか。てかどうして居るんだよ」

「えへへ〜」

 笑顔で脇の下から顔を覗かせ、俺を見上げてくる。

「こころんと薫くんとお買い物してたんだよ。そしたら○○くんが見

えたからこうしてるの!」

 腰に回された腕に力を入れられる事により、密着度が増した。

 本人は俺に会えた嬉しさで気にしていないのか、ここはショッピン

グモール。人の往来が激しい場所だ。

 正直なところ、周り(主に男共)の視線が痛い。少なくとも5、6

人は今現在も感じている。

「本当に2人で居ると楽しそうね! こっちも笑顔になるわ!」

「やっぱりはぐみ、君は1人の女の子……お姫様でもあるんだよ。

あぁ、儚い……」

 はぐみと共に行動をしていたらしい弦巻と瀬田先輩が続いてやっ

てきた。

「○○はともかく、はぐみが楽しそうならあたしは何よりだよ」

「ふふっ、2人共幸せそうだね。何だか見てるこっちまで温かくなっ

ちゃうな」

 奥沢とは違ってほんわりとした雰囲気で笑いかけてくれる。

 松原先輩……やっぱりあなたは天使だ。何をどうしたらそんな素

晴らしい性格になるんだ。

「えへへっ♪ うんっ! はぐみ達は幸せだよ! ね、○○くん?」

 抱きついたままはぐみが聞いてくる。俺はそれに対して目をそら

しながら答えた。

「ま、まぁ……な」

「あ〜、熱い。暑いと熱いの二段構えだね、火傷しそうだよ」

 どちらかと言うと涼しいショッピングモールで奥沢はわざとらし

く胸元をパタパタとする。

 奥沢の白く綺麗な肌が服によって見え隠れするという絶妙なチラ

リズムにより俺の心は揺さぶられた。そこに視線が行くのは、きっと

74

Page 78: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

男の性というものなんだろう。

「もう! ○○くん! みーくんの胸ばっかり見ないでよ!!」

「〜〜〜〜っ!?!?」

 はぐみの言葉に真っ赤になりながら両腕で胸を隠す奥沢。滅多に

見ない表情にドキリとしてしまう。

「こ、この変態! な、何見てんの!?」

「ばっ──! 見たくてみたんじゃねぇ、視界に入ったから見たんだ

よ! よって俺は不可抗力だね!」

 必死に言い訳をするが、奥沢も俺もなかなか食い下がらない性格だ

から口論は続く。

「目を逸らせばよかったじゃん!」

「逸らす前に入ったんだよ!」

 わーわー、と激しくなる。

 そんな中、それを止める為かはぐみが俺に耳元で提案をしてくる。

「2人きりなら、はぐみに触っていいから……。みーくんとの喧嘩は

止めて、ね?」

「──!?」

 耳元から顔を離したはぐみは赤くなっていて、もじもじとしてい

た。そんな彼女を見てしまったら当然俺も反応してしまうわけで

……。

「あ……お、おう……」

 はぐみから目を逸らして返事をした。傍から見れば変な2人組に

見えるだろうな、と思ってしまう。

「? 何こそこそしてるの?」

「べ、別に何もぉ!?」

 完全に2人の世界になっていたので第3者の声が聞こえて俺は驚

く。

 はぁ、とため息をして奥沢は熱が冷めたように言ってきた。

「あたしが言いたいのは他の女に手は出さないで、って事。あんたに

は、はぐみがいるんだからさ」

「っ──。わ、悪かった」

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Page 79: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 しおらしくなった俺を見て奥沢は「珍しい」と軽く笑った。そして

松原先輩の方に歩いていく。

「それじゃはぐみ、せっかく会えたんだから○○と楽しんでね。行こ、

花音さん」

「う、うん。じゃあまた今度ね」

 少しの戸惑いながらも先を歩いた奥沢に着いていく松原先輩。弦

巻達もそんな2人を追うかのようにして俺達に別れの言葉を言って

からこの場を去った。

「そうね! 2人にハッピーが起こる事を願うわ!」

「エスコートの交代だ。はぐみを頼むよ、王子様」

 そうして、取り残された俺達は呆然と立ち尽くしていた。

「みんな行っちゃったね……」

「ああ、2人きりだな」

 2人きりになった途端、先程のはぐみの言葉が蘇ってくる。はぐみ

もそれを思い出したのか、チラチラと顔を赤らめて俺を見てくる。

「おっ……俺の家、行くか?」

 勇気を出してそう言ってみる。すると、はぐみは俯いて頷いてくれ

た。

   ショッピングモールの近くに家がある俺は何かと便利な事が多い。

 例えば服とか本とかがすぐに買いに行ける。それは親も一緒で、食

品がすぐに買えるから得をしている。

 それは今回も一緒だった。

 走って10分くらいで着く俺の家まで俺とはぐみは競走する事に

なった。こうなったのははぐみの急な提案によるもので、恐らくだが

変な雰囲気を壊したかったのだろう。

 その手の話題に疎いというか耐性が無いはぐみにとっては、軽い話

でも逸らしたがる。それは、1度俺とはぐみが交わった日でよく分

かったのだ。

「はぁ……はぁっ、やっぱり速いねー! ○○くんには勝てないや!」

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Page 80: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「……サッカー部舐めんなよ? 伊達に走ってねぇからな」

 玄関を開けるや否や家に入ってから廊下に横になるはぐみ。本人

は俺と競走できて満足らしいが、俺はそうもいかない。気付いていな

いのか忘れているのか、今のはぐみはスカート、それで俺に足を見せ

る形で寝転がっていて……、その……下着と言いますかパンツと言い

ますかが見えていまして。

「それよりもはぐみ。早くそこから退いてくれ、俺が上がれない」

「え〜、どうしよっかな〜」

 理由は不明だが退きたくないらしい。

 ……仕方ない。気は引けるがあの手を使うか。

「まぁ退かなくてもいいが、パンツ見えてるからな」

 その言葉を聞くと今まで見た事ないくらいの速さで立ち上がり俺

の目を手で塞いだ。もう見たから……、今更やっても意味無い気が。

と言おうとするが、今のはぐみには聞こえないだろう。

「ダメダメ! ダメだよ! えっちだよ〜!」

「あぁもう、落ち着け。取り敢えず家に上がれ!」

 力ずくではぐみを抑えて何とか家──もとい、俺の部屋に行く事が

出来た。でも微妙な雰囲気は変わらずに、というか悪化した気がす

る。

「な、なぁはぐみ……」

「……何? ○○くん」

 すごい不機嫌でいらっしゃる。頬を可愛らしく膨らませて、フグの

ようだ。

「そんなに怒んなよ。許してもらえるなら何でもするからさ」

「はぐみ、怒ってないもん」

 いやいや、怒ってるでしょ。どっからどう見ても怒ってるよ。

 そう考えてる間に無言の空間が訪れた。目を合わせる事も無くた

だただ、時間が過ぎていく。

 こうなったのは俺が悪い、それは分かっている。けど、どうすれば

許してもらえる? 土下座? 好きな物を買ってあげる? いやど

れも違うな。

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Page 81: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 と、そう思っている時にはぐみから口を開いた。

「……○○くん。こっち、来て」

「え、あ、あぁ」

 言われた通りはぐみが叩いている場所、ベットに腰を下ろす。する

と、ストンとはぐみが横に倒れて俺が膝枕をする形になった。先程の

反応から打って変わっての反応に、当然俺は戸惑っている。

「……えいっ」

 いきなり腕を腰に回されて、そのままベットに押し倒される。その

ままはぐみは俺に身を委ねるように寄り添ってきた。

 あの時感じた柔らかい感覚が腕に伝わってきてドキドキとしてし

まう。

「あんな事、急に言っちゃダメなんだよ? はぐみ……準備がまだ

だったから……」

「じゅ、準備?」

「うん……」

 高鳴る鼓動を抑えつつも聞き返す。

「えっち──するんでしょ? 前みたいに……」

 その時のはぐみの顔は俺の鼓動を一段と早めた、そのくらい魅力的

だったのだ。

「い、いい……のか?」

「うん、2人きり。だから」

 きっとそれが引き金になったのだと思う。

 気が付いたら、俺ははぐみに深いキスをしていた。

 優しくキスをして、舌ではぐみの口をこじ開けて舌に絡ませる。ざ

らざらとした感触が伝わり何も考えることなく歯などを舐め続けた。

そして暫くして口を離すと、唾液の糸が俺達を繋いでいるのが見え

た。

「ん……っ、前よりも、キス……凄かったよね……。いっぱいお口の

中、舐められちゃった」

 キスだけで蕩けた表情になったはぐみ。

 いつもの無邪気な姿ではなくて、1人の女になっていた。乱れた服

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Page 82: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

を少しずつ脱がしながらも、俺は再びキスをする。布の擦れる音、服

から香るはぐみの匂い、そして目の前の彼女の表情。それらにより興

奮は高まっていく。

「えへへ……恥ずかしい、ね」

 ブラを脱がした所でそう呟く。

「けど綺麗だよ。白くて、綺麗」

 小ぶりな胸に優しく手を添える。それだけではぐみは身体を震わ

せた。

「あ──ぅ!」

 そしてその胸をゆっくりと揉み始めた。

 小さくとも揉んでるという感覚はある、小さいと言っても松原先輩

よりもという意味で実際はそこそこあるのだ。

 などと妙な事を考えながらも揉み続ける。桜色の先端を指で器用

に刺激すると、ビクッと反応してくれる。

「んんぅ! あっ……んっ! ぅあ、いっ──!」

「やっぱり感度良いな……」

「言わないでぇ──んっ、ちゅっ……んはぁ……っ」

 恥ずかしがるはぐみをキスで塞ぐ。それでも手の動きは止める事

なく動かし続けた。

 どうやらはぐみは感じやすい身体らしい。前にした時は、1度も

触ってないのに下が濡れていたのだ。本人曰く「キスしたらね、頭の

中がぼーってして○○くんが欲しいって思ったら……こんななっ

ちゃってたの」とのこと。

「ふっ、うぅん! ま、まって……○○く、んんっ! 止まってぇ!」

 何やら必死に静止させようとするはぐみ、何だろうかと思い俺は動

きを止めた。

「っ、はぁ……はぁ……。は、はぐみもね、○○くんを気持ち良くした

いの……」

「俺を?」

 そう言いながらゆっくりと俺の下半身──モノの目の前に近付い

てくる。そのまま既に勃ちきっていたモノを、まるでアイスを舐める

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Page 83: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

かのように舐められた。

 ぺろっ、と先程感じたざらざらの感覚がモノを這う。

 その瞬間、俺は今まで感じた事の無いような感覚に襲われた。

「うあ……っ!?」

「えへ、っ……気持ちいい? それとね、はぐみおっぱいは小さいけ

ど、○○くんの為に頑張るね」

 そして柔らかい何かにモノが包まれ……いや、挟まれてるのが分か

る。

 下を見ると、はぐみが両手で小ぶりな胸を一生懸命寄せて、俺のモ

ノを挟んでいた。所謂パイズリというものだ。

 何処でこんなものを……、という質問よりも快楽の方が勝っていて

そんな事はどうでもよくなった。

「んっ、んっ……。ど、どう? 気持ちいいかな?」

 上目遣いで聞かれる。

 たまに亀頭を舐められて、胸の柔らかい感覚と舌の生暖かい感覚が

同時に攻めてくるという天国のような中、俺は頷くしか出来なかっ

た。

「気持ちいいんだ……んちゅ、れろ。あっ、○○くんのおちんちんから

何か出てきたよ? ネバネバする……」

「はっ、はぐみ……」

 ビク、ビクッと震えて、奥から込み上がってくるのが分かる。

「? 出そう、なの? ……あの時の白いの、っ……ぷちゅ、んっ。ビ

クビクしてきてるよ?」

 気にしながらも動かすのを止めないはぐみ。興味があるのだろう

か? どことなく、ワクワクしてるようにも見える。

 そう考えてる間にも俺の限界は近付いていた。病み付きになりそ

うなこの感触に、身を委ねることにした。

「う、あぁ……はぐみっ、出るっ……!」

「ふぇ? うわぁっ!? い、いっぱい……」

 ビクッ、ビクッ! と勢いよく震えながら俺は射精した。はぐみは

射精を続ける俺のモノをまじまじと見つめている。そして──。

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Page 84: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「チュパっ。うぅ〜、変な味……。苦い、のかな?」

 何を思ったのか少し舐めて味わった。

 フェラ自体初めてなのに舐めるだなんて、未知なるものへの興味と

いうものだろうか?

 俺のを舐めて、未だに射精を続けるモノをぽーっと眺めている。そ

れから暫くして、尿道に残っていた精子を出し切ったモノは先程より

も固くなって再び勃っていた。

 それを見るはぐみはもじもじとしていて……。

「ね、ねぇ○○くん……。はぐみ、おかしいの。アソコが疼くっていう

か……何か変な感じなの」

 下着の上から自分の秘部を触るはぐみ。ピンク色の下着は濡れ

きっていて、やはり感じていたのが分かった。

 ゴクッ、と喉を鳴らし俺は興奮を隠せなかった。

 目の前ではいつも元気な少女が色っぽい表情でお強請りをしてる

ように思えてしまう。

「お願い……あの時みたいに、おちんちん……はぐみの中に入れて

……?」

「〜〜っ」

 その時の表情、言葉にゾクゾクと身体が震える。次の瞬間、俺はは

ぐみを押し倒していた。

  「ぁ──。ちょ、ちょっと……怖い、よ」

「あ、ごめん……」

 がっつきそうになっていた自分を抑え込む。怖がり小さくなって

いたはぐみを安心させる為に、優しくキスをする。

「脱がすぞ?」

 頷いたのを確認して下着に手を掛ける。

 やはり下着は濡れきっていて、脱がすと共にぬちゃ、と糸を引いて

いた。

「いやぁ……見ないで、こんなとこぉ……」

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Page 85: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 赤くして恥ずかしがるはぐみをもっと見たい、とその欲望が俺を突

き動かす。

 濡れきった秘部に俺はゆっくりと指を沈ませた。

「あっ! んんぅ! ゆびぃ、入れちゃぁ──!」

 くぷ、くぷぷッ、と遮ること無く深くまで沈んでいく。はぐみの中

は熱くて、入れた指が溶けると思うほどだ。

 別にこんな事をしなくても充分すぎるほど濡れきっている。それ

でも続ける理由は、感じるはぐみがもっと見たいからだろう。無垢な

彼女に快楽を教え込む……それが俺の楽しみになっていた。

「うご、かさないでぇ! 変、変だよぉ! はぐみ気持ち良くなってる

のぉ!」

 ぐぢゅ、くち、くちゅ……。

 指を動かせば動かすほど、液が溢れてくる。その度にはぐみは身体

を仰け反らせて未知の快楽を味わっているのだろう。

 中指でくいっ、と内側を押す。すると一段と仰け反らせて痙攣し始

めた。

「いぁッ!? ぁあ、ああ……ッ! きちゃ──きちゃう、やめてぇ。動

かすのぉ、きひゃうから……っ」

 その言葉を無視して指で内側を強く押す。そう、それはイけと言わ

んばかりに……。

「ッぅ──!? ダメ、だめだめぇ! 出るぅ、何かきちゃうよ……ぁ、

あぁっ、○○くん、○○くん! いく、イっちゃ──! ぁあああぁぁ

ああッ!!!」

 次の瞬間大きく身体を震わせてはぐみはイった。それも相当気持

ち良かったのか潮を噴いていた。

「はぁ……っ、ぁぁ……」

 ぐったりと痙攣を続けながらベットに横になっているはぐみに、俺

は更なる快楽を与える為にモノをねじ込もうとする。

「俺、我慢出来ねぇ。もう入れるからなっ」

「ぇぁ……?」

 イった余韻で思考が働いていないのかぼーっとしている。だがそ

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Page 86: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

んな間にもモノははぐみの中に沈んでいき……。

「(締め付け……キツイ! それに熱すぎだろ!?)」

 完全に呑み込まれた。

 キュッと締め付けて離さないかのような膣肉、それでいて愛液で濡

れきってスムーズに動かせる。モノの先端は膣肉によって優しく包

まれているが、刺激は強い。

 初めての時は押し広げていく感覚がしたが、2回目だからか愛液も

あってすんなりと奥まで到達出来た。

 やはり、形が残っているのだろうか? この身体に、俺の──。

「っ!」

 それだけで興奮は高まり俺は腰を振っていた。

 いやらしい音が突く度に聞こえる。奥を数回突いた所ではぐみは

意識が戻ったらしく、今の光景に思考が追い付いてないようだった。

「ど、どうして……○○くんの、おちんちんが……?」

「ごめん、我慢出来なかった……。はぐみがエロいから限界だったん

だよ」

 謝りながらも腰を振る。

 限界を迎えた身体は本人の意思とは関係なく反応を続ける。

「あぁッ!? んあっ、あん、くぅぅッ! あ、……ぁあチカチカするぅ

……あたまぁ。怖い、怖いよぉ○○くん……」

「大丈夫、大丈夫だから……。そのまま身を──」

 振りながらはぐみを強く抱きしめる。

 抱きしめて密着すると、ずっとイってかのように常に身体を震わせ

ているのが分かった。膣内もヒクヒクと蠢いている。

「きしゅ……ひて。○○くんを、感じたいのぉ……」

 言うや否やはぐみから俺の口を奪ってくる。舌で無理矢理口をこ

じ開けて舌同士を絡ませる。その間に腕と脚を後ろに回されて完全

に固定されてしまった。

 日頃一緒に走り込んでいるのもあって脚力は相当だった。気持ち

良さで腰が抜けかけている俺は、この力には抗えないだろう。でも、

振ることは辛うじて出来る。

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「ちゅっ、ヌチゅ……。はぐみ、っ」

「あひっ!? ぃ、ぅん! お、大きくなってる……中でぇ」

 1度射精した後とは思えないくらいの射精感に襲われた。それほ

どはぐみの膣内が気持ちいいのだ。それははぐみ自身感じ取ってい

るのか、モノの変化に気付いていた。

 腰がガクガクと震え始めた。

 頭から足の指先まで快楽が走る。激しく腰を振り、部屋全体に挿入

の卑猥な音が響く。

 ズボッ! ズヌッ、ズボッ!! ズヂュッ! ズヂュ!

「ぁ、あァ……。また、まひゃ来ちゃう……っ! 大きいの、くるよぉ

!」

 心做しかはぐみも腰を少し動かしているように思える。それを置

いても、感じてくれているのは確かだった。

「ごめ──ッ! 俺、もう……!」

「ぅうッ! あっ、あッ! し、白いの出すの? それならぁ、一緒

にぃ……○○くんと、一緒にぃ──っ!」

 一緒にイこう。そう伝えようとしている彼女を愛おしく思い、更に

強く抱きしめて絶頂を共に迎える為に一心不乱に腰を振る。

「い、イクっ! いく、イッちゃう──!」

射精で

「くっ──、

るッ!」

 はぐみの膣内が強く締め付けてきたのと同時に、俺は射精した。

「んんッ! ぅ──ぁぁあああッ!!!」

 ガクガクとお互いに震えながらはぐみと共に、俺は絶頂を迎えたの

だった。

     「うぅ〜。変な感じする……」

「わ、悪ぃ……」

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 ベットのシーツが使い物にならなくなったので洗濯をして、その間

俺達は1階のリビングに居た。

 はぐみは何回もイった反動からか、ぐったりと倒れていた。

 ……使い物にならなくなったのはシーツだけではなくて、はぐみの

下着もだ。それも現在洗濯をしていて……

 つまり、はぐみは下を履いていない。そんな状態でぐったりとされ

ると見えて困るのだ。そうなると嫌でも我が息子は反応してしまう

わけで……。

「……何で大きくなってるの」

「うぇ!? こ、これは! べ、別にいやらしいことを考えたわけじゃな

くてですね!」

「はぐみは今日はもうしたくないからね! ○○くんのせいで気持ち

よ──……い、痛かったんだから!」

 慌てて言葉を訂正したがそれを逃すほど俺は鈍くない。

 開き直ってはぐみの横に座る。

「ま、あんなに感じてたもんなぁ。じゃあ〝今日は〞止めとくか」

「開き直らないでよ! ……それと、はぐみえっちな事は嫌いなんだ

からね! ○○くんとは違うからね!」

 怒っている(?)のかどうかは分からないけど赤くなりながら必至

にいう姿から、きっとそうなのだろうと自分に言い聞かせる。

「俺とは違う、か」

「そうだよ! 違うんだよ!」

 頑なにそう言い続けるはぐみに俺はキスをした。はぐみは突然の

俺のキスに、目を丸くしている。

「お互いに好きなのは一緒だろ?」

 ニカッと笑いながら笑顔ではぐみに言うと、俺から目を逸らして

「……うん」と言ってくれる。

「でも……えっちな事は嫌い、だから。3回目はまだ、しないでね

……」

 上目遣いで誘うかのように言われる。

 自覚があるのか無いのか……。

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事プレイ

 心で思いながらも思わず次の

を考えてしまったのだった。

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松原花音に

 「松原さんってカフェ好きだよね。それなら知ってる? 隣町の新し

いカフェ」

 というクラスの子の話から始まった。

 詳しく聞くと、最近隣町にオープンしたカフェらしく評判が良いら

しい。画像を見せてもらってすぐにSNSで回ってきた写真だと分

かった。

「あ、うん……美味しいらしいね」

「あたしそこのクーポン貰ったんだけど行かなくてさー、それなら松

原さんにあげよっかな〜、って。いる?」

 2枚あるクーポンをヒラヒラと私にしながら差し出してくる。お

どおどとしながら「いいの?」と聞くと「いいよー。あたしが持って

ても使わないだけだしねー」と軽く返事をしてくれて、私はそれを受

け取った。

 2枚あるなら千聖ちゃんを誘おうかな……。いつもお世話になっ

てるし、親友だし──何よりも、大好きだから。

   そしてその日の昼食時に私は千聖ちゃんにその話題を持ち掛けた

が……。

「話は嬉しいけど、ごめんなさいね。今日は仕事があるの。昼食が食

べたらもう行く事になってるから……」

「あっ……ご、ごめんね? 千聖ちゃんの用事も考えないで」

「いえ凄く嬉しいわ。日が悪かっただけよ、また今度行きましょう?」

 仕事の用事で断られてしまった。

 でも、今度一緒に行ける事になったからいいのかな? 行くなら2

人で行きたいもんね。

 ともかく今日は1人で行く事になった。

 1人で電車に乗るのは不安だけど、たまには勇気を出して自分で行

動しないといけないよね? いつまでも千聖ちゃんや美咲ちゃんに

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手を引っ張ってもらってたら成長しないし……。

「今日は1人で行ってくるね、明日感想は言うよ」

 うん、今日は頑張ろう。1人でちゃんと電車に乗る練習だと思えば

大丈夫だよ……、うん、出来るよ。……きっとだけど。

「あ、1人で行くのなら──……」

 でも千聖ちゃんに褒めてもらえるかな? 「1人で行けたの? 花

音に先を越されちゃったわね」って……。ふふっ、考えたら楽しく

なってきちゃった。

「────に気を付けてね? 花音は危なっかしいから、心配なのよ

?」

「え? う、うん大丈夫だよ! 私、1人でも乗れるよ?」

 途中考え事をしてたらか聞き取れなかったけど、やっぱり心配をし

てる千聖ちゃん。

「心配だわ、花音が1人でなんて……」とご飯を食べ終わるまでずっと

言い続ける千聖ちゃん、それに私は「大丈夫だよ」と言い返す謎の会

話が繰り広げられていたのだった。

   そして放課後。学校帰りに駅に行き、私は隣町まで行く事にした。

「(え、えっと……こっち、かな?)」

 ワタワタとしながら人に流されるようにホームに行った。帰宅の

時間帯だからか色んな学生だったり、仕事帰りだろう大人の人と様々

な人達が居る。

 ここに来る時はいつも千聖ちゃんと一緒だったから、いつもよりも

広く感じてしまう。

「わわっ……」

 アナウンスが流れると同時に波のように人が電車に乗り始めた。

私もそれに乗る為に前へ前へ、とちまちまと進んでいき何とか電車に

乗ることが出来た。

 電車の中は満員で少し暑苦しいと思った。

 彼氏彼女の2人組、携帯を見て何かを確認している人、器用に立っ

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Page 92: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

たまま本を読む人といろんな人が視界に入る。後ろから入ってくる

人達で更に押し込まれ、私は窓側に押しやられてしまった。

 外を見ておくのも暇になると思ったので、私は特に理由も無く携帯

を開いて眺めていた。

「(向こうの駅に着いたらお母さん達に連絡しようかな。迷っちゃっ

て遅くなるかもしれないし……)」

 今日隣町に行ってくるから遅くなるかも。

 メッセージを打って送信しようと思った……その時だった。

「──っ!?」

 な、何? 今触られて……。

「ひぁっ!?」

 声を上げた瞬間慌てて口を手で塞ぐ。声に気付いた人が居るのか、

キョロキョロとする人が窓に映って見えた。

 その人よりも今は、自分の後ろにいるこの人に……。

「ん、んっ……」

「あれ? 触られてるのに抵抗しないの?」

 耳元で囁かれる。そうしてる間にも私のお尻を手で揉まれていた。

「(ち、痴漢!? うそ……何で……っ!?)」

「ふぅん。今回の獲物は物好きだねぇ、おじさん嬉しいよ」

 ──ゾクッ。

 寒気が走った。このままではまずい、早く助けを──。

「──、──っ」

 こ、声が……。

 恐怖からか声が思うように出せない。そんな私を見て、男は耳元で

小さく笑う。

「花女2年の松原花音ちゃん。前々から目を付けてたけど……こりゃ

あ当たりだね。他の生徒よりも反応が面白いよ」

「(なに、何を……言ってるの? 他の生徒?)」

 足が竦んでしまい倒れそうになる私の体、だけど男がそれをお尻を

揉むという形で支えている。その姿は誰にも見えないように大きな

体で隠されていた。

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Page 93: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「ぁ、ぅ……。や、やめて……くだ、さい……っ!」

 枯れきったような喉から必死に声を出した。

 でも、電車の音でこの男以外には私の声は聞こえていないだろう。

その証拠に周りの人達は何も無いかのようにしている。

「止めないさ。こんな美味しそうな獲物、他の奴に取られたくないか

らね」

 そして揉む手を強くする。まるでそれは、離さないと主張するかの

ようで……。

「け、警察……言いますよ……っ」

「……ふうん。警察、ね」

 よ、よし! これでこの人も引いてくれるはず……っ!

 警察という単語に反応した男はピタッと手が止まった。だけど次

に男が発した言葉は、とても意外なものだった。

「言えば?」

「……え?」

 私は驚いてしまう。

 ただの開き直りか、強がりだろう、そう思った。

「ただし──」

「ぁ──!?」

「言えれば。だけどね」

 するりと前に手を忍ばせて、下着の上から秘部を変に撫でられる。

慣れない感触に気持ち悪い感覚が身体を這った。

 戸惑い。不安。恐怖。

 それらの感情が一気に込上がってきて何も考えられない。正しく

は考えた所で行動には移せないだろう。

 撫でていた手はいつの間にか、くにくにと肉を押すようにしてい

た。僅かだが指先が割れ目に挟まれていて、奥へに入れようとしてい

るのが分かった。

「(やめてっ……やめてよぉ!)」

 目をつぶって現実を受け入れないようにする。だが、その行動には

意味は無く、男は指を動かし続けていた。

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Page 94: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「……っ! ふ──うぅっ!」

「いいね、その声。堪らないよ。下……気持ちよくなってるんじゃな

いかな?」

 手で口を抑えて声を出さないようにしているが、男はその姿を見て

楽しんでいた。耳元で囁かれる言葉はどこか弾んでいて、窓に映る男

の顔はとても──歪んでいた。

「その証拠に……濡れてるもんね」

「ゃ、ぁ……!」

 くいっと布ごと押し込まれてしまう。

 その瞬間、初めて自分の布が水で濡れているのが分かった。

 恐らくそれは……私自身の──。

「感じてくれて嬉しいなぁ。もっとしてあげるよ」

「〜〜〜〜〜〜ッ!?」

 下着をずらされ、ぬるっと秘部──膣内に男の指が1本入れられ

る。そして私の膣内はその指によって荒らされ始めた。

 円を描くように回したり、指を折り曲げて器用に入り口を刺激され

る。それだけでなく、空いている左手では僅かに膨れていた肉粒を弄

られていた。

「っ……! ふぅっ……ん、っ……!」

 目の前にある窓に手をついて、崩れ落ちそうな身体を支える。

「(こわ、い……っ! こわい、怖い……!)」

 躊躇う事を知らないかのように、その行為を慣れているかのように

滑らかに動かし続ける。2箇所を同時に責められるという未知の感

覚に、私は必死に耐えていた。

 脚が震えて力が入らない、立っているのがやっとだ。ここで変に快

楽に呑まれ感情を表したら、周りに気付かれてしまう……。それだけ

は、避けないと……っ。

「我慢、してるようだけど……もっと素直になればいいのに」

「っ、ぅ────!」

 首を横に振って抵抗を示す。

 絶対に堕ちたりしない。この人の言いなりには……ならないよう

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Page 95: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

にする為に。

「ふぅん。ま、いっか」

 ぬぷ……、と新たな感触が増える。

「うぁ……、っ!?」

 2本の指はそれぞれ別の動きをする。

 1本は回し広げ、そしてもう1本はお腹の内側を押してきている。

強くなる刺激。それは私の意識を持っていきそうで……。必死に口

を閉じて、私は耐えていた。

 カタン、カタンと揺れる電車。目的の場所まではもう着きそうに

なっているのに、この行為は終わりを見せていなかった。それどころ

か、今からだと言わんばかりだ。

 静かに音を立てながら指は激しく動き続ける。

「(ぁ、えっ……。目の前、チカチカしてきちゃう……)」

 早くなる呼吸、ぼやける視界。私は今どういう顔をしているのだろ

うか? それすらも分からない。目の前にガラスがあっても自分の

顔は見えなくて……。

 その時、一段と視界が傾いた。

「おっと」

 男は指を慌てて抜き取り、そしてどういう事か、私を抱えた。

「すみません。この子、気分が悪くなったみたいで……通してもらえ

ませんか?」

 あぁ、隣町に着いたんだ。私は倒れちゃったんだ。

 そう思い付いたのはほぼ同時だった。抱えられたまま電車を降り

る、すれ違う人々からは心配がる視線が飛ばされていて、それに気づ

いた男は「大丈夫ですから」と先程まで何事も無かったかのように振

舞っている。

 それがどうしようもなく恐ろしく感じる。

 貴方のせいでこうなったのに、その貴方が平然を装う。それが恐ろ

しい……。

「ふぅ、ちょっと焦ったよ、あんな所で倒れ込むなんて……。でも好都

合。花音ちゃん、もう逃げられないね……」

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Page 96: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 駅の近くに止まっていたタクシーに乗る前に見えた男の顔は、電車

の中で見たあの歪んだ顔だった。

「(……誰か、助けて……くれないかな。手を差し伸べて……、抜け出

したい……)」

     「ありがとうございました。お金置いときますね」

 目を覚ますと丁度タクシーから降りる時だった。目の前にはどこ

か分からないアパートがあり、私はそこが男の家という事が分かっ

た。

 タクシーが去っていき2人だけになった道路。寝ていたからかま

だ意識が曖昧だ。ふらふらとする。

 ……いっその事ずっと寝ていたかった。

 どうせこの後される事なんて決まってる。幾らああいう事に鈍い

私でも、あんな事された後だと嫌でもその結論に辿り着く。

「さぁて楽しむとしようか、花音ちゃん?」

 案の定、私はアパートの1階に連れられて乱暴に床に倒された。部

屋に入った途端カーテンは閉め切って、扉は厳重に鍵をかける。おそ

らく私が逃げないようにする為だろうが、〝逃げる〞なんて考えは既

に消え去っているのに……、と自分で可笑しく感じる。

 変な手つきで制服を脱がされ下着のみになる。そしてブラを取ら

れて、私の胸が顕になった。

「ぁ──」

 欲にまみれた目で見られ、いやらしい手つきで揉まれる。先端を指

で挟まれたり、時には噛まれたり……。さらには唇を奪われたりもし

た。

「ん、ぁっ……。いやぁ……っ! んんっ……!」

「その声いいね。そそられるよ」

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Page 97: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 男は手を止めてカチャカチャとズボンのベルトを取り、男性にしか

ないものを私に見せつけてきた。それはビクビクと動いており、押し

付けられたそれはとても熱かった。

「舐めて、舌で包むように」

 言われるがままに男のモノを咥える。匂いは臭く、苦い? という

感じだろうか。それから私は言われた通りに舐め始めた。先端を舌

で舐め、モノ全体を包むように顔を動かして刺激を送る。

「お、おぉ……! 上手だね、才能あるんじゃない? これはされてる

だけじゃいけないな……」

「んっ、じゅるるッ! んん……んッ!?」

 体勢を変えられる。お互いの性器が顔の正面に来るような体勢だ。

それと同時に、私が下だったさっきと違い、男が下で私が四つん這い

のような姿勢で上にいる形になった。

「ひやぁっ!? や、やめ……っ、そんな、舐めないで……っ!」

「いやいや、こんなにも濡らしておいてそれはないでしょ。ぴちゅ

……じゅる……」

「っ!? あ、ぁあ! やめてぇ!! は、へ、変にぃ……なっちゃ……!」

 男は舌を器用に使い膣肉をかき分けて奥に侵入してくる。指とは

違う感触が襲い、再び脚が震えだした。

 電車の事もあり快楽はすぐにでも頂点を迎える、それもこのペース

だと時間の問題だと思う。抵抗してもその術がない。残されたのは

絶頂そ

に備えるという選択しかなかった。

「──っ! ふぅっ……ひ、っ……ぅ!」

「ぴちゃ、ちゅ……っ。……2人なんだからさぁ声、我慢しなくてもよ

くない? 聞かせてよ声」

 せめて声くらいは我慢っ……!

 歯を痛いくらい食いしばって声を上げないようにする。それくら

いの小さな事しか出来ない自分が愚かに思えた。

「ま、その屈しないという精神は素直に素晴らしいと感じるよ。それ

だけだけどね」

 ──ガリッ。

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Page 98: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「い゛ぎッ〜〜〜〜!?!?」

 痛さと快楽が混ざりあった衝撃が身体中を駆け抜けた。その瞬間、

私は力が全て抜けきり、男に倒れ込んでしまう。そんな私を押し退け

て、どうかは分からないが男は見下しているのだろうか。上の方から

声が聞こえた。

「うっお……凄い反応。イッたか」

「あが、っ……。ぃ、や……、いやぁ……っ」

 何をされたのか分からなかった。おそらく噛まれたのだろう、それ

も一番敏感な部分を。

「ああ〜。我慢出来ねぇ、そんなに痙攣させて、相当気持ちよかったの

か? クリを噛まれて絶頂とはな」

「ぅ、あ……」

 だらしない格好で横たわり、ビクッビクッ、と震える私の腰を掴み

秘部に何かを押し付けられる。

 それはとても熱く、硬い何かを……。

 ずぶぅっ! ずぶぶぶぅっ!! ゴツン!!

「かひゅっ…………ぇ?」

「あ〜〜暖けぇ〜。締りもいいなぁ、喜んでくれて嬉しいよ」

 ……え? な、何が。なん、で? お腹の中に入って……? それ

に、痛い?

 ぐぢゅ! じゅぷっ! ぐぢゅっ! 

射精だ

「やべ、気持ち良すぎて、もう出そう……。

すぞっ!」

 お尻に打ち付けられる感触。膣内に出し入れされる熱い何か。そ

れで痛み……?

「ぁ、あ……! だめ、ダメだよぉ! んぁ、っ……! ぃ、早く抜い

──」

「あ〜〜、出る出る〜」

 どぶっ! ビュ、ビュルルゥ!!

「うお〜っ。気持ちいい〜! 搾り取られる〜!」

 流れ込む熱い液体は勢いよく子宮を打ち付けていた。

 膣内に残る熱い何か……男のモノはビクッビクッと射精を続けて

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Page 99: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

いて、欲望が吐き出し続けられている。

「ひっ……、っ、ぅぅう! 痛い、よ……熱ぃ……。抜いてぇ、抜いて

よぉ……!」

 床に顔を埋めながら泣きながら懇願する。私ではどうする事も出

来ない、力もない、精神すら……処女を奪われたのに気付いてしまっ

たから折れかけている。たとえそうじゃなくても、この男は何かしら

の方法で私を陥れていたのだろう。

「あははっ、そんな事する訳ないでしょ?」

 ズッ! ぐぢゅぅッ!!

「ひぎっ!?」

子宮奥

 再び

まで突き刺されモノを動かされる。

「あ゛がっ、やめ、ぇ……ぁ、んッ!!」

射精だ

「何度でも腟内に

せそうな気がするわ。花音ちゃん凄いなぁ、名

器だよ」

 背後から両腕を引っ張られて腰を打ち付けられる私は、喘ぎ声を上

げるしかなかった。そしてこの状況で笑ってられる男に恐怖心を増

幅させ、ますます恐ろしくなる。

 勢いをつけて腰を打ち込まれると、嫌でも身体が反応して快楽が全

身を襲う。

「ひっ、い゛ぃっ!? あ……ぅ、イクっ、あぁっ! 止めて! きちゃ

う、きちゃうぅ!!」

「そっかそっか、それは大変だ……なっ!」

 ばぢゅん!! 

「いっ、ギ────っ!?!?」

 その一突きごとに意識が持っていかれ、おかしな声を漏らしてしま

う。

 そして再び私は力が抜けてしまった。それに気付いた男は掴んで

いた両腕を離し、私は床に倒れてしまった。

「花音ちゃんは感じやすい、のかな? それはそれで色んな反応が楽

しめて面白いけどね」

 イッた反動で痙攣していても、秘部から色んなものが流れている事

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が分かる。抜かれていても男のモノの感覚が腟内に残っていて気持

ち悪くなる。

 ……。もう、何をしても……。

「ありゃりゃ、漏らすほど気持ち良かった……って、あれ? 花音ちゃ

ん? おーい花音ちゃーん?」

 意味はないんだなぁ、って……。

「気を失っちゃったのか? んー、まいっか。起きるまで楽しむから

♪」

 でも、次、起きたら……元どうりになってないかな。そんな魔法起

きればいいな……。

 そういえば、前にライブで〝魔法の言葉〞なんて作ったっけ? 

えっと……。

「(ハピネスっ……ハピィー、マジカルっ……。ふふっ、魔法が起きま

すように……)」

     「あ゛ひっ♡ い゛っ、いぐ……♡ んんっ──!」

 意識が戻った花音ちゃんを犯し続けて結構な時間が過ぎた。……

意識が無い状態でも身体は反応していたので実際は相当だろうが。

 抵抗の二文字は本人の頭の中にあるのだろうか、それすら不思議に

感じるくらいに喘いでいて、完全に俺の手に堕ちた事を実感した。

「イクの何回目だろうな、時間も経ってるから2桁はいったか? ま、

もうそんなの気にする事もできないか」

「はぁ、は──っ♡ ぎ、気持ちいぃ……もう、むりぃ……♡」

 意識が朦朧としていても身体は敏感に感じ続けているらしく、奥を

一突きすれば結構な頻度でイッてくれる。そのため反応に困ること

はなく、逆にとても楽しめていた。

「ん、ぁ♡ 精子、溢れてぇ……、えへへっ♡」

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Page 101: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 今日は永遠に続きそうなこの行為、花音ちゃんの家には本人から何

かしら手を回してもらうとして……俺はこの瞬間を収めるとします

か。

 机に置いてあったビデオカメラを手に取り録画の準備をする。そ

して撮り始める前に、花音ちゃんに予め指示をして録画の姿勢に入っ

た。

「じゃよろしくねー」

 花音ちゃんに向けてOKのサインを出して撮影を開始する。

「えへっ♡ ハッピー、ラッキー、スマイル、イエーイ♡」

 みっともなくM字に脚を開き、ピースをしながらセリフを並べる花

音ちゃんは、俺だけが知る姿となった。

 ──そうして、その日は続いたのだった。

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Page 102: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

白金燐子と

 「…………」

「…………」

 12月という事もあり外は寒い。小さい頃はこの寒さで遊んでい

た事が嘘なんじゃないか、と感じてしまう。

 高校2年の冬、学校は冬休みに入り学生達はそれぞれの方法で休息

を楽しんでいる頃だろう。かく言う僕もその1人だ。……いや、正確

には僕達も、だ。

 部屋にあるこたつで僕は横になって携帯を触り、ぼんやりとしてい

る。そしてもう1人、向かい側に座る彼女は黙々と僕の部屋に置いて

ある漫画を読んでいた。

 お互いに無言の空間、少し面白い場面があったらくすりと笑う程

度。そんなのでお前達は休みを楽しんでいるのか? と思われるだ

ろう。だが残念、それが楽しんでいるのだ。

「…………」

「……ん」

 こたつの中にある自分の足に別の足が当たる。当然、それは向かい

側にいる彼女の足だ。

「読み終わったんだね。どうする、喉乾いてない?」

「少し、乾いた……かも……」

「じゃあ持ってくるよ、ホットミルクでよかった?」

「うん……お願い……」

 確認を取りこたつから出る。すると冷たい空気が肌に触れて、どれ

だけこたつが暖かかったのかが分かった。

 キッチンに向かいホットミルクとコーヒーの準備を開始する。こ

うしてる間にも彼女は何をしているのだろう、と考えてしまう。先に

出来たコーヒーを一口飲み冷える体を温める。

「(ホットミルク……)」

 作りながら前に飲んだ時の事を思い出す。

 どうも彼女が美味しそうに飲むものだから一口貰ったのだ、だが僕

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には甘くて口には合わなかった。元々甘いのが嫌いなタイプでチョ

コやはちみつ、種類によってはケーキも無理だ。その時の僕を彼女は

小さく笑ったのを今でも覚えている。

 何故笑われたのか、理由を聞くと……。

『○○くんでも……苦手なの、あるんだな……って……』

 だそうだ。そりゃ人間生きてりゃ1つや2つは苦手なのもあるだ

ろう、別に僕は完璧人間というわけでもないんだ。

 ……ここら辺でさっき一緒に居た彼女についての話をしよう。

 少女の名前は白金燐子。花咲川女子学園高校の2年で〝Rose

lia〞というバンドで活動をしている。趣味はオンラインゲーム

とクロスワード、そして読書が好きだそうだ。

「──持って行くかな」

 人見知りなところがありあまり人とは話しがらない、初対面だった

頃は僕ともそうだったと思う。

 そんな彼女が何故僕の家に居るのか? その理由は至って単純だ。

「燐子、持ってきたよ」

「あ……。○○くん、ありがとう……」

 それは僕と燐子が恋人として付き合っているからだ。お互いに人

見知り、周りに比べ口数は少ない。そんな僕らはオンラインゲームを

通して出会い、深い関係を持った。

「温かいね……」

 一口飲んで感想をもらう。

 小さく息を吐き柔らかな笑顔をしている燐子を見ると、自分の心も

温かくなる感じがする。

「そうだね」

「? ……○○くんは、まだ飲んでないよね?」

「飲んではないけど……温かそうな人を見るとそんな感じになるんだ

よ。例えば、ほら、今の燐子みたいにね」

「……! 〜〜っ」

 僕の言葉に恥ずかしがるように顔を隠す。だけどコップで隠して

も意味は無い、あわあわしてる燐子はとても可愛くずっと見てても飽

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きはしないだろう。

 こたつに入り足を伸ばすと燐子の足に触れた。

「あっと……ごめん。せっかく温まったのに」

 冷えさせるのは悪いと思い足を引っ込めようとする。すると反対

側から足を絡まされて固定される、当然それは燐子の足で……。

「冷たくないの?」

「冷たい、よ。……けど○○くんに温まってほしい、から……。私を

使っていいよ……」

 ……ちょっと待て。落ち着くんだ僕。きっと……というか〝足を

〞使っていいという意味なんだろうが、別の意味に聞こえて仕方がな

い。

 健全な男子高校生を疑わせそうな発言に戸惑いつつもその足を使

わせてもらう事にした。こたつにずっと入っていただけありとても

温かく、女の子特有の柔らかさ、感触がある。

「ん、んっ──。や、やっぱり冷たい……」

 スルッ、スルッと動かして自分の足に温もりを分け与えるようにす

ると冷たさで感じてるのか小さく声を上げる。それが先程の邪な妄

想をかき立ててしまい余計に興奮が高まってしまう。

「(無意識……だよね? あー、でも温かいし気持ちいいもんなー)」

 考えながらもその行動を続ける。と、だんだん温まってきたところ

で燐子がこたつから出てしまった。そして何故か僕のベットへと潜

り込む。

 ベタベタしすぎたか? だけど怒ってそうでもないし……。

「燐子?」

「え、あ……。その嫌ってわけじゃなくて……、その……温まるなら

こっちの方が……」

「?」

 ますます訳が分からなくなる。口数が少ない分たまにだが伝わり

にくい時があるのだ。

「あ……うぅ……」

 混乱する僕に燐子はその行為の意味を教えてくれた。いや、教えて

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くれたのだが……。

「機械の熱よりも……人の体温の方が温かい。って聞いた事があるよ

……」

 はたしてそれはどういう意味なのか。捉えようによっては誘って

いるようにしか思えないが……。

「え、あぁ。そうなのかな? そうだったら──」

「……。私、少しは……温かいよ……?」

「──え」

 ベットの上で毛布を使い顔半分を隠して言う燐子はきっと顔が赤

く染まっているのだろう。何の為にこの寒い中ベットに移動したか

と思えば、まさかそっちが誘ってくるなんて……想像なんてしていな

かった。

 わざわざ場所に行ってくれている、それなら誘いに乗るべきだろ

う。というか乗らないなら男としてなってない。

 僕はこたつの電源を切りベットに横たわっている燐子に添い寝す

る形で入る。勿論、毛布は剥ぎ取った。

「誘ったのはそっちだからね? 止めるなら、今だけど……」

 一応最終確認のつもりで聞いてみる。

 それ次第ではまだ行動を変更できる、なんて考えた自分が馬鹿だっ

たと、次の燐子の言葉で思い知らされた。

「私……温か──んんっ!?」

 向こうがやる気と知った途端自由になったペットのように動く。

まずは唇を重ねた。

「んっ……ふっ、……んんぅ♡ あぷっ、○○く……ん、ん♡」

 突然の僕の行動に最初こそは驚いたが、これまで重ねた行為がそう

させたのか自然と口を開いていき、舌を絡ませる。

 舌同士が触れ合い、絡め合う。まるで食べ物を舐めているかのよう

に違う味が自分の口の中に広がるのを感じる。

「じゅる……っ、ふあ! ちょ……り、燐子……っ!」

「はむっ……ぅん……んっ、ちゅぅ♡  はふぅ♡」

 自分から仕掛けたその行為はあっという間に主導権を奪われてい

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た。激しくもそれでいて甘く僕の舌は燐子によって味わわれて、逆に

僕がゆっくりと味わう事なんて出来そうにもなかった。

「あふ……っ♡ んっ、ちゅ……ちゅる♡ ぷは……。えへへ……♡

 ○○くんの……硬い、よ?」

 その言葉に意識が自分の股間にいく。

 僕のモノはズボンの上からでも分かるほど立派に勃っていて、今で

もはち切れんばかりだ。それは燐子の太ももに当たっていて、隠しよ

うもなかった。

「そんな事言うなら燐子だって……ほら」

 スカートを捲り手を素早く乙女の楽園へ侵入させる。予想通り燐

子の秘部は、下着の上から分かるくらいに濡れきって、染みを作って

いた。

「うぅ……。恥ずかしい……から、見ないで……」

 キスだけでこれからの想像をしたのか、そう考えると随分燐子も変

わったものだ。

「なら、こっち……かな」

「んひっ!?」

 ブラを脱がしビンビンに立っていた乳首を摘む。

 そこは燐子が感じやすい場所、艶めかしくもどこか美しく悶える様

が顕になる場所だ。

「や、やめ──ぇえッ♡」

 片方は舌で舐め、もう片方は揉んだり指で刺激を続ける。ずっしり

と重量感のあるそれは何回揉んでも飽きは来なく、むしろもっと感じ

る部分を探し当てたく激しさを増す。

 この2つの高校2年には合わない果実を1人で味わうことが出来

る……それがどれほど幸せな事か、この行為をする度にしみじみと感

じてしまう。

「(乱れる燐子、えっろいなぁ……)」

 いつもはおとなしい分、身体を交える時に漏らす声は想像に反する

というか、ギャップというのかそれが大きく興奮が高まる。例えばこ

んなに巨乳なのにそれを見られると恥ずかしいのか目を背けてしま

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う所とかだ。

 残念ながらその行動は男の欲を掻き立てるだけであり逆効果だ。

「っあ……ちゅ、ちゅっ。じゅる……はぁ……っ」

「そ、んな……胸ばっか……ん♡ りぃ……♡」

 身体を直接重ねていたから伝わってきたが、燐子は相当感じている

らしい。舐め、揉み、弄る度に燐子は身体を小さく震わせていた、乳

が敏感と自分でも言っていたがその言葉は嘘偽りない事実だ。

 口を胸から離すと銀の糸が頂点の赤い蕾と繋がっていた。離れて

見ても隆起させて荒い呼吸と共に動くそれらは、ゼリーのようにプル

プルしていて僕の理性という枷が外れかけそうになる。

 スススッ……と胸から手を下に向けて動かしていくと、太もも、次

に秘部と辿り着く。先程よりも更に濡れているその場所は、下着なん

か使い物にならない事が目に見えていた。

 キスと胸の愛撫、それらで絶頂したんじゃないかと思わせるくらい

雌穴を蜜で溢れさせる燐子。

 僕は邪魔な下着に手をかけて脱がせる。下着は秘部と綺麗に繋が

る糸を引いていてくちゃぁ、と音すら立てていた。

「…………」

「はぁ、っ……。ふ……ぁ、……○○くん?」

 ついその部分を凝視してしまっていた。それも何かの魔法にか

かったかのように目が離せなくなっていた。

 ダメだ、こんなのを見てしまったら──。

「挿入れるから……」

 その言葉は自分の意思で言ったのか、それとも男の本能がそうさせ

たのか……いやこの際どうでもいい事か。

 雌穴がヒクヒクと蠢き雄を誘う──。

 燐子自身無意識だろうが生理現象として動いているその穴は、十分

に雄を誘惑している。おまけに肉棒を受け入れる準備も完全に出来

上がっていて、そこから漂う匂いがそれを加速させてしまう。

「え──? まっ──」

 ぐぢゅぅぅぅっ!! …………こつん。

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「──んひぃ♡ 〜〜〜〜っ♡ いっき、奥ぅ……」

 肉棒の先が燐子の膣内に侵入した瞬間に、部屋に水音が響き渡っ

た。

 僕のモノを一番奥で受け止めてくれた燐子は、挿入の衝撃からか涙

目になり呼吸を整えるためにリズムを刻んでいた。

 その行動と共に膣内がモノを柔らかい雌肉で包み、締め付けてく

る。

「う、く……っ!?」

 気を抜いたら、すぐに……!

「ぁ♡ いぃっ!? はげし……! ○、○くっ……んぅ♡」

 気を紛らわすべく腰を打ち付ける。すると燐子は身体を仰け反ら

せて喘いだ。

 ピストン運動をするとより膣内が締め付けてきて刺激が強くなる。

それでいて奥では肉棒の亀頭を絶妙に舐めついてくる。

「ふぃ、ひっ♡ きもひ……い」

 溢れきった愛液によりヌルッヌルッ、と何にも遮られる事なくス

ムーズに出し入れが可能になっている。一心不乱に腰を打ち付けて

いると、そのスピードが知らぬ間に加速をしていた。

 ぐぢゅ! ぐぢぃ、じゅぽっ! 

「あひ……ぃ♡ はや、っ……だめえ……。も、もう……、きちゃあ

……うむ、っ♡」

 燐子の唇を自分の唇で無理に塞ぐ。

 更に蠢き続ける膣内、そしてガクガクとし始めた腰を見てイきそう

になっているのが分かったからだ。

 いつの間にか汗だくになったお互いの身体を重ね合わせ、それでも

物足りず口では舌を絡ませてお互いの愛を伝え合う。僕の胸の部分

で燐子の胸が形を変えたり、勃起した乳首の感触が分かり脳内が焼き

切れるような感覚に襲われる。

 ばぢゅ! ぐぢゅ……じゅぷ! ……どぢゅ!!

「う゛〜〜〜〜っ!?!?」

 子宮を突き上げるような一突き。それにより声は塞がれているか

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ら上げることは出来ないが、目を見開いて舌がピンと伸ばされた。も

しも口を塞いでなかったら、だらしなくアヘ顔を晒していたのだろう

か? と妄想が広がる。

 イった反動でキュッと亀頭から全体を離さない雌肉は、まるで僕も

イけと言っているように感じた。

「ぷはぁ♡ ぁ、あー……うぁ……♡」

 焦点の合わない目でぼんやりと僕の方を向いている。

 まぁ、僕も少し意識が飛びかけているのも事実だ、だからそれを構

うような余裕は無い。強い快楽によって背筋までビリビリが流れて

いて、歯を食いしばっている状況だ。

 ここまできたら相当気持ちいい状態での絶頂を迎えたい……、それ

も今までに無いくらいの……。

 未知なるものへの好奇心、それは男をどこまでも冒険させるもの

だ。それはゲームや本と何にでも言えることで……このセックスと

いう行為でも同じだ。

「はぁ、はぁ……っ。確かに、人の体温は……熱いねっ!」

 じゅぶぷぅ!! ごりっ! ……ごりゅごりゅ♡ ぐぢゅう♡

「……!? だ、め。それいじょ……、はいらな……ぁぁあああ♡♡♡」

 一旦抜き、再び最深部へと一気に挿入。そしてそれ以上進むことの

出来ない壁を押し続ける。

「ふっ♡ ふっ♡ ふ、ぅうう゛……っ♡ こ、わい……っ。○○……

く♡ ぁ」

 ダメ。怖い。と言いながらもそれに反して膣内は凝縮をして僕の

モノを離そうとしない。身体は正直、だなんて言葉は何かでよく聞く

が……はたしてこれはどうなのだろうか。

「(やば……っ! これ、もう……っ!?)」

 亀頭ばかり責められているからか、体の奥底から何かが込上がって

くるのが分かった。これで僕が限界を迎えるのも時間の問題だろう。

「はっ、ひぃ♡ おち、ちん……もっと♡ ひぁあっ♡」

 打ち付ける腰に合わせて燐子が腰をくねらせるから尚更、僕の敏感

な部分が刺激されて腰が砕けそうになる。

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 自分の意思によって動かしていたはずの腰はいつの間にか己の本

能に委ねるだけの力任せの前後運動に変化していた。いつ限界が来

てもおかしくないこの状況、何も考えれなくなった僕は歯を食いしば

るしか出来なかった。

 ばちゅんっ! ばちゅんっ! ずちゅっ! ぐちゅぅっ!

「り、んこ……! 燐子、っ! でる……射精るよ──っ!!」

「あうっ! あひ♡ は、ぁ♡ い、いいよ……○○くんの、精子

……ぃ♡ わらしにぃ♡」

 でる──っ!?

 ビュッ──!!

「ふぅ゛ぅ゛ぅ♡ ぃい゛ぁ……♡ 〜〜っ! 〜〜!!♡♡」

 精子が出る瞬間に奥まで到達した肉棒は、僕の意思に関係なく欲望

を放出し始めた。それと同時に咄嗟に近くにあった枕で燐子は顔を

隠してしまう。

 目の前が眩んでゆく程の射精。経験した事のない刺激は僕の意識

を奪っていき、そして──

「(ぁ──やば……)」

 動かすことの出来ない身体はどさっ、と燐子に倒れてしまった。

 最後に感じたのは射精を続ける僕の肉棒とビクビクと身体を震わ

せながら搾り取る燐子の膣内の感触だった。

     「──ん。──き──、○○──ね──」

「……ん、んん?」

 はっきりとしない意識の中で目を覚ます。

「あ……起きた。おはよ、○○くん……」

 そして一番最初に目に入ったのは全裸の燐子だった。それで何故

こういう状況なのかを思い出す。

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 ……あぁ、そっか。僕、あの後意識を失って……。

 この寒い中、2人でギリギリの毛布を使い肌を密着させて身体を温

めてくれてたのだろうか? それに少しだかベットに零れていただ

ろう液も処理がされている。

 色々と気を失っていた間のことを考えていると燐子が手を握って

質問をしてきた。……その質問は最初に戻る事であり。

「ね? 私、温かかった……でしょ?」

 やはりこういう事をするつもりの言葉だったのか。

「温かかった、けど……温まりすぎたかな」

 僕は苦笑いでその質問に答える。そして繋がれた手を握り返す。

 布団から出れば部屋は寒いだろう、だけど今は燐子が居る。こうし

てる間にも肌から伝わる温度はとても温かかった。

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丸山彩と

  ……唐突だが嫌な予感というものはいつだって当たるものだ。

 例えば学校で先生に呼び出された時、友達からお願い事をされる

時、ふとした時に考え立ち止まる時……とまあ色々。

 今現在俺は風邪で寝込んでるわけなのだが、どうも嫌な予感がして

ならない。それは今朝の家族との会話から続く事だった。

 『お母さん仕事で居ないけど大人しくしてなさいよね』

『ったりめーだろ……』

『ま、あたしの代わりはいるから安心ね』

『……は?』

  その代わりが誰なのか。ちょっと考えてみた、親父と思ったが朝飯

を食べて仕事に行ったから違う。仲のいい友達か? それもないな。

休みの日に時間を割いて看病に来るはずがない。そんな彼女のよう

な奴じゃない限り──。

 ベットで横になり考えていると1つの答えにたどり着く。

「(でもあいつ仕事だろ。そんないいタイミングで休みなんてあるわ

け──)」

 その時勢いよく部屋の扉が開かれて1人の少女が入ってきた。

「まんまるお山に彩りを! 丸山あや──」

「うらぁあああッ!!」

 瞬間、横にあった小さい枕をその人物に全力で投げつける。勿論顔

面を目掛けてだ。女だからって容赦なんてするわけない、こいつとの

昔からの仲というのもあるが、それ以上に……。

「ひ、ひどいよ○○くん! 怪我しちゃったらどうするの!?」

「ごほっ……じゃあ来るな、帰れ!」

「嫌だよ! ○○くん風邪なんでしょ! 私が責任を持って看病する

から!」

「お前に伝染ったら大問題だろ! だから帰れ! 自分の事は自分

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で、出来る……ゴホッ、ぐっ……」

 いきなり大声を出したせいで頭が痛くなりベットに沈んでしまう。

そんな俺を見たこの女、丸山彩が心配そうに駆け寄ってきた。

「ほら! 無理してる! ちゃんと寝て!」

「っ、無理……なんてしてねぇ。いいから帰れ……」

 拒否を続けるが彩は一向に帰る気配がない。むしろ看病する気

満々でさえいる。

 力が入らない俺をベットに寝かせ毛布をかぶせる。女の割にト

レーニングしてるから力あるんだよなぁ、こいつ。こんな状態じゃ逆

らえん……。

「はいっ、りんご。切ってきたから食べて?」

 そう言って差し出されたりんごは一口サイズに切られていて、俺の

為に用意しているのが見て分かった。

「…………1個だけ」

「うんっ♪ はい、あーん」

 つまようじに刺されたりんごをしゃりっと音を鳴らして齧る。甘

い味が口に広がり冷えているのもあり、爽やかな気分になる。

 こいつに従うのは癪だが仕方ない。何を言っても引き返さないつ

もりなんだ、そのまま続けても俺の体力が消耗されるだけだろう。

「……お前さ、いつまで居るつもりなの」

「ん? ○○くんのお母さんが帰ってくるまでだよ?」

「マジか……」

 冗談抜きでしんどい声が出てしまう。

「えへへ〜っ、嬉しいでしょ。彼女と一緒に居れるなんて!」

 地獄だよ。なんて言葉は飲み込んで適当に答える。

 俺の幼馴染みで彼女の丸山彩。そう、あのPastel Pale

ttesの丸山彩だ。俺達が付き合っていると知っているのはパス

パレメンバーと一部の人間のみ、それ以外は上手く隠せている(見て

見ぬふりをされている)らしい。

 昔からドジというか面倒事ばかり持ってくるやつで、毎回俺は疲れ

ている。風邪の時くらいゆっくり出来ると思ったのだが……。

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「〜〜♪ 〜〜♪」

 足をパタつかせてベットに横たわる俺を楽しそうに見ている。一

体、何をしに来たんだよこいつは、看病じゃないのか。

「げほっ、げほっ……。視線感じて寝づらいんだけど……」

「でも○○くんから目離したくないし……。ほら、最近会ってないか

ら」

 そうか、だから最近は静かだったのか。と思う。

 今考えてみれば彩とは3週間近く会っていない。それは彩のアイ

ドルとしての活動と俺の部活の予定がすれ違い続けたからで、当然と

いえば当然の結果だろう。

 なんだかんだ言っても俺と彩は恋人、会えなかった期間が長かった

のもあり寂しくないと言えば嘘になるのだ。その状態でそんな悲し

そうな表情で言われると俺も甘やかしたくなり……。

「……彩。ちょっとこっち来い」

「? うん……?」

 風邪なんて引いてなければ長くできたんだがな、なんて思いながら

近くに来た彩を抱きしめた。

「ふぁ……熱い、よ……」

 俺の腕の中に収まった彩はボソリと声を漏らした。

 女の子特有の柔らかい感触、そして髪から香る彩の匂い……それら

はとても懐かしくて自分の心が落ち着いてくる。

「熱あるからな。でも、これで俺を感じれるだろ……?」

 数秒抱き合った俺達はゆっくりと体を離す。名残惜しそうにする

がこれは相手を思っての事だから仕方がない。

「じゃ寝るからな、邪魔だけは……ゴホッ、するなよ」

「……うん」

 横になるとどこか上の空状態で彩がぼーっとしていた。

 取り敢えず薬も飲んでるんだ、今は昼まで寝てこの気だるさを回復

させないと。彩には悪いが俺は一旦体を優先して寝る事にした。

  

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「すぅ……すぅ……。うーん……○○、く……ん」

 時計を見るとあれから2時間経っていた。

 俺は窮屈感により眠りから覚めたわけだが、どういう事か彩が布団

に入って寝ていた。

「(何で寝てんだ……てか、何でベットの中に……?)」

 考えても頭が痛くなるだけなので彩を揺すって起こす事にする。

彩は眠りが浅かったらしくすぐに起きてくれる。

「う、うー……っ……。ふぁ……?」

 むくりとゆっくりと体を起こした彩は俺よりも寝ぼけているよう

だ。

 というか邪魔するなと言って寝たのに何で邪魔になるような事を

するんだよ、こいつは。

「取り敢えず出てくれ、風邪が移るし……それに──」

 身体的な面で無防備に密着されるとまずい。下半身が、相棒が元気

になる。

「体が熱いから迷惑だ……」

 そう言いググッとベットから押し出すように背中を押す。だが、彩

は俺の腰のあたりに抱き着いてベットから降りないようにした。そ

のまま頭をぐりぐりと擦り付けて。

「体は温かくして寝ないといけないんだよ〜? だから……ね?」

 まるで〝体を温める為に私を使ってもいい〞と言わんばかりの表

情で見上げられる。

 ……まずい。非常にまずい。

 最近寝込んで〝やってない〞というのもあり反応が早い。それに

加えて今は起きたばっかり、つまり──。

「あ、彩……いいから離れてくれ。ほ、ほら喉乾いたから──」

「飲み物? それならしょうがないなぁ──あ」

 頭を離した時にちょうど元気になった相棒に目がいったらしく、彩

はそこを凝視し始める。実際は服の盛り上がった部分を見られてい

て直接見られてはいないのだ。だが、こう……彼女に見られ続けると

いう経験はないものだから変な感じに陥る。

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「ふふっ。これ、隠そうとしてたの〜?」

「っ……そ、それは……!?」

 目を逸らしてしまう時点で肯定してしまっているようなものだ。

そして頭痛が俺を襲った。

 そんな時、俺は自然とベットに倒れる。

 いや自分から倒れたわけじゃない。彩に体を押されて、再び横にさ

れたのだ。

 枕に頭が着くと同時に再び頭痛が来る。咳をし痛みが走る頭を手

で抑える。おまけと言わんばかりに体は更に体温が上がり熱くなっ

た。

「は……ぁ」

 意識が朦朧とする中、服の中にこもっていた熱が抜けていく感じが

した。……だが下半身だけ。

「○○くんの……。──あむっ」

「くうっ!?」

 そして生暖かい感触に相棒──俺のモノが包まれた。

「じゅる……んっ、はぅ……」

 それは見なくても分かる。俺が今何をされているのか……。

 彩がズボンを脱がしてフェラをしているのだ。しかし理由は分か

らない。何かに誘われたのか、それとも……向こうが我慢出来なく

なったのか……。

 だがそう考えてる間にも、彩は己の舌でモノを満遍なく包み込む。

「あむ……じゅるる……っ。ぴちゃ……ふ、ぅ──」

 頬張りモノに舌を這わせる。器用に舌を使い裏筋や感じやすい部

分を刺激してくる。

 何回か身体を交えたから染み付いている行動。そこには周囲の

丸山彩

丸山彩女

人々が知る

の姿はなく、ただの

しか居なかった。

「ぷあっ……。ふふ、いつもより、ギンギンだよ……? どうしたの

?」

「し、仕方ねぇだろ……。寝込んでて、その……やってなかったんだか

ら……」

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 後ろの言葉になるにつれ気恥しくなり小声になる。そんな俺を彩

は下から覗き込む形で笑った。

 くそ、熱なんかじゃなかったら……。と、自分自身を恨む。

「それじゃあ……その分を私が出してあげるね。──ちゅ、ん。ぁむ

……れるぅ、はぁ……っ」

「っ!?」

 ビクッ! と身体が反応する。

「んんぅ、出そう……なんだね? じゅる、いいほ……らしへ……じゅ

るるっ! わらしの、くちの……なか、に……ぃ」

 それを見た彩は刺激を更に強くしてきた。

 長い間溜めていた精子が上ってくるのが分かる。久しぶりの衝動

が感覚全てを支配して、意識が一点に──集中する。

「く……彩っ」

 興奮による熱なのかそれとも元々の風邪による熱なのか、俺の身体

は既に支配され尽くしていた。それに加え射精の感覚。

 熱い。ただ熱い。

 今の俺はその言葉しか浮かばなかった。

「じゅっ、じゅぷぷ……っ。ぢゅ、ふぁっ……ん、んっ……っ! じゅ

うぅぅ……!」

 フェラは激しさを増していく。俺を射精させようと一心不乱に責

め立ててきた。

「(もう……ッ)」

 彩に射精を伝えようとしたがそれは間に合うことはなく──。

 ビクッ、ビクッ!

「ふぁっ、あっ、あぁっ……。○○くんの……精子……っ」

 身体が再び跳ね、モノから精子が放出される。

 それは彩の小さな口では受け止めれず慌てて口を離す。だが、勢い

は収まる事を知らず今度は顔にかけることとなった。

「あぅ……ま、まだ出てるよ……? こん、なぁ……いっぱい……ん

んっ」

 目を細め、それでも抵抗する事なくそれを受ける。嫌悪感など浮か

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べずに、まるで望んでいたかのように受けていたのだ。

 ……少し経ち射精は収まった。

 顔にかかった精液をゆっくりと手で拭き取り、口に運ぶ。口周りの

は舌で舐めとったりもしている。

「えへ、っ。○○くんの……○○くん色に染められちゃった、ね……」

 とろん、と蕩けた顔でそんな事を言われてしまう。

 頬は仄かに朱色に染まり溶けたような表情のまま見上げられると、

彩の無防備すぎる一面が見えてしまい、風邪だというのに興奮が湧い

て止まらない。

「やっぱり苦いね。でも不思議と、おいし……。んっ……ねぇ、○○く

ん……」

「っ、げほ……。な、何だ……?」

 彩は服を脱いでブラとパンツのみの状態になる。そして俺を跨ぐ

かのように両膝をついてきた。

「ほら……ここ、こんなになっちゃった……。全部、○○くんのせい

……んっ、なんだからね?」

 んな理不尽な。

 思うも虚しく彩に引かれた手はパンツに当てられる。引っ張られ

る事で身体を起こして、流されるままにパンツの上から彩の秘部を撫

でた。

「あっ……ぅあ、あぁあ……っ」

 くちゅり……、と彩の秘部はパンツの上から分かるくらいに濡れて

いた。というか見ただけでも分かるくらいに染みが出来てもいた。

 パンツを脱がしゆっくり、ゆっくりと愛撫を続ける。すると焦れっ

たいのか、股間を閉じて俺の手を挟み、そして緩めてを繰り返す。そ

れと共に溢れてくる愛液は止まる事を知らない。

「すごい、な」

 関心と興奮。それらが交わり合いついそんな言葉が出てきた。

「溢れて……止まらないんじゃないか……?」

 指を1本入れる。

 ぬぷ、ぬぷぷ……、といやらしい音を立てながらも拒まれる事なく

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進んでゆく指は、生暖かい肉の感触に包まれてとても気持ち良かっ

た。

「あ、うぅん! い、言わないで……ぇ。ふあ……っん! んんっ!!」

 そしてもう1本。やはり滑るように入り込む。そのまま指を出し

入れして膣内を掻き回す。

「ひぅ!? い、う……ひ、ああ……っ。ダメぇ、回さ……ない、でぇ

……」

 くち、くちゅ……くちゅくちゅ……。

 別に狙ってるわけではないが、愛液によって自然と音が鳴る。その

時、彩は身体を震わせて声を上げた。

「……っぅ、あぅっ!?」

 ──ぐちゅ、くち、くちゅ……!!

「あ、あ、あぁ……! い、ぅ……だめ、ダメダメぇ! ○○く……止

めてぇ」

 その反応を見て俺はより指の動きを激しくする。

「い──く、いくいく! いっちゃ────!」

「いいぞ……っ!」

 そして彩は大きく震えた。

 ビクッ、ビクビクッ!!

「んんんっ…………ぁああぁぁぁぁああああッ

!?!?!?」

 キュッと指を彩の膣内は締め付けてくる。俺の指の辺りは何かに

濡らされたように熱くなり、太ももに手首が挟まれて手を抜けない状

態になった。

「ふぁ……っ、……はぁっ……ぁぅ……」

 彩は乱れた呼吸を整えようとしていたが、やがて力が抜けたのか

ぐったりと俺に寄りかかってきた。だが、俺もそこまで力が入らない

状態なのでまたベットに倒れ込む形になった。

 どさり、と2人同時に横になる。

「はぁ、はぁっ……ぅ、あっ……ん」

 艶っぽい声、彩の乱れた息は俺の男としての本能を更に刺激する。

 彩の身体は汗でびっしょり、それは俺も同じだった。服を着ている

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分俺の方が汗の量はあるようだ。彩には少し身体を離してもらい俺

は服を脱ぐ、そして今度は彩を抱きしめてベットに倒れた。

「風邪、悪化しちゃうよ……」

「……ふざけるなよ。ここまでされて、止めれるわけねぇだろ……」

 誘っているのはそっちだろ、という言葉を飲み込みキスをする。

「んっ──。あふぅ、○○くん……ちゅ、ちゅる……」

 舌を深く入れ、自分の物と主張するかのように絡める。彩も応える

かのように自分から絡めてくれて、どちらの口だろうか、唾液が糸を

作り始めていた。

 そうしてる間に空いた手で彩のブラを慣れた手つきで外してゆく。

ホックを外し終えるとふよん、と俺の胸に形の崩れる感触がした。

「はふ……ん、んんっ……! ……あ」

「ちゅる、じゅる……。はぁ……っ、どうした?」

 何かに気付いた彩はニヤリと笑うと、濡れきった秘部を俺の元気に

勃ったモノに擦り付けた。

 彩の溢れる愛液はまるで天然のローションそのもののように感じ

る……。ぬるり、ぬるりと腰を上下に動かして擦り付ける姿は、見て

るだけで心が揺さぶられる。更に、動くと同時に彩の立派な胸も目の

前で形を変えるもんだ。

「はっ、はっ……またおっきくなってる……。やっぱりっ、ヘンタイさ

んだね……っ」

「(……一体どっちが変態だよ)」

 腰を動かす彩は何かを強請ってるようにも見えた。……いや〝何

か〞というのは卑怯か。何をしてほしいのか、それは既に分かりきっ

ている事だから。こんな……こんな、発情している姿の前では。

 正直なところ我慢の限界だった俺はいきなり彩の細い腰を掴み、

(本人に聞こえるか分からないが)一声かけて己の腰を狙い定め打ち

付けた。挿

入い

「──

れるからな」

「はぁっ、はぁ……え? ────あひッ!?!?」

 下から上へ貫く事は容易かった。

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 俺のモノはすんなりと突き進み奥の壁へとノックをする。挿れた

時にイッたのか、彩は痙攣をしていた。

 俺は痙攣している彩を少し動かしてピストンを始める。

「あぅっ!? ぁっ、あ……あん、あんっ……」

 寝そべった俺が突き上げる形でセックスをしている。彩は喘ぎ声

を漏らしているが、両腕は力無くぶら下げてあり、相当挿れたときの

衝撃が大きかったのが分かる。

 それでも膣内は雌肉が蠢き、モノを咥えて離そうとはしなかった。

きっと本能的なものが無意識のうちにそうさせているのだろうか?

「まっ……ひっ、まってぇ! まだ、イッて、る……からぁっ……! 」

 突き上げる度に膣穴から愛液が飛び散り、俺の腰やベットシーツに

落ちてゆく。

 ──熱い。身体も。彩の膣内も。飛び散る汗や愛液も。全てが、熱

い。……だけど、不思議とそれが心地良い。

「彩っ、彩……っ!!」

「ひぃっ!? ○、○く──とま──っ」

 自分が風邪で寝込んでたという事を忘れて激しく腰を突き上げる。

 突く度にビクン! と彩は反応する。

 形のいい胸は身体と連携して上下に揺れ、羞恥により彩の顔は真っ

赤に染まっている。

 ……じゅっぷ、じゅぷ、ぬぷっ。じゅぽ、じゅぽっ!

「ぁああっ! い、またぁ……あ、イクっ……いちゃうぅ……!」

 ヒクヒクとしたかと思うと肉棒をきつく締め付けられる。それは

絶頂の合図。再び、彩はイこうとしてるのだ。それを後押しするよう

に一旦抜き──

「いくっ! イク、イク……いっちゃ──! …………え? な、なん

れ抜いちゃ──」

 勢いをつけて最深部まで突いた。

「ぁ────イッ……!?」

 ぎゅゅゅゅッッ!!!!

「(ヤバ……っ!? 締め付けが……!)」

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 目を白黒させて混乱している彩とは裏腹に、膣内は強く肉棒を締め

ていた。

「ぁ、ぁぁあ……○……○く、ん……。わらしぃ……イったぁ……?」

「あ、ああ……っ! イッたな……(しまった。やりすぎたか)」

 締め付けに耐えながら返事をする。

 彩の焦点は合ってなく、俺を見ているはずなのにどこか遠くを見て

いるように感じてしまう。

「えへ、えへへぇ……。ならぁ、○○くんも……イこ? ね?」

 その時、本能的に感じた。これはまずい。何か起こる、と。

「い、いや。自分の好きな時にイクから大丈夫だ──ぁっ!?」

「わたしが動くからいいよぉ……。病人さんは、ゆっくりしててね

……? んっ──あっ、あぁっ……!」

 ドサッ、と俺に倒れてきた彩はすかさず腰を動かし始めた。……そ

痙攣を続ける膣

れも

で、だ。

「はむっ、ぴちゅ……っ、はぁっ、んっ、あうっ! あはっ……1人で

するよりも気持ちいいよぉっ……!」

 脚は絡められて、上半身も彩が背中に手を回して固定している。キ

スまでされて俺の動きは完全に封じられていた。

 これじゃあ立場逆転だ。このままだと俺もすぐにイッてしまう、気

を抜いたらすぐイクだろう。

「ぐぁ……っ、あや……ぁ」

 ぱちゅ、ぱちゅ……ずぷっ、ずぽっ! ずぽっ!!

 肉と肉のぶつかる音が部屋に響く。

 彩の腰はガクガクと震えているのに、それに気付いていないかのよ

うに振り続ける。俺の胸に当たる彩の乳首は硬くなっていてコリコ

リとして擽ったくある。

 俺のモノ全体を膣肉で包み込み、吸い付いて、離そうとしない。

射精だ

 コツ、コツンと子宮に到達すると毎回俺の本能が「そこで

せ」と

告げてくるような感じがする。んな事は指示されなくてもそうする

つもりだ。

 せめて射精のタイミングは自分で決めたい。それは、どうでもいい

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俺の意地だろう。

「くぅ──っ! 気持ち、いいっ!」

「感じて……! わたしで、わたしの……おまんこでぇ……っ! ○

○専用のぉ……!」

 自分で腰を動かすがどちらも動かしているので抵抗出来ている気

が全くと言っていいほどしない。しかしその間にも俺の射精は近付

いてきていて──。

「あやっ! そろそろ──」

「ぅうん、っん! え? ……あっ、あんっ! いいよぉ! わたしの

膣内で……○○くんの……だしてっ」

「っあ……!」

 ──パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!

 自分の絶頂の為、腰を打ち付ける。これが最後と言わんばかりに力

を振り絞って。

 ゾクゾクっと俺の身体が射精の感覚に襲われる。そして──

射精で

る──ッ!!!!」

「あ、あ、あ……あぅ! っあ……。いぅ!? ま、また、わたし

……ぃっ、イきそ………う。────はぁ、ぁああっ!? ○○くん

……ぁぁああああぁぁぁああーーーーーーっっ

!?!?!?」

 2人同時の絶頂。そしておれは膣穴の奥へと射精を続ける肉棒を

押し付ける。

 ──びゅるるっ! びゅくっ!!

「くぁ──っ!?」

 溜まっていた精液が搾り取られる。尿道が脈動し留まることを知

らないかのように、濃くドロドロとした粘液は吐き出される。

「ふぅぅううっ……。お、おぉ……いぃ……よ」

 流石の彩も予想外だったのかこれには驚いていた。しかしそれは

俺も同様だ。

「んんっ…………止まら、な……んんっ!?」

「うっ!?」

 彩の身体が震えると俺にも伝わり、更に射精してしまう。

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 ──どくっ、どく、どく。びゅるる……!

 俺は彩の腰を押し付けて腟内へ射精を続けた。

「すご……ぃ……。こんなに、いっぱい──」

 俺の射精が続いてる間、俺達は抱き合ってその感覚を感じあってい

たのだった。

     「もう、帰れ……」

「えーーーーっ!?!? 何で! どうして!?」

 行為のあと、俺達は何も無かったようにしていた。だが俺には問題

が残っていて……。

「ゴホッ! ゴホッ! ……熱が上がったんだよ!! もう自分でする

から帰ってろ!!!! 風邪うつすぞ!?」

「わ、私は○○くんの風邪なら喜んで──」

「いいから帰れ!!!!」

 彩を部屋から引っ張り出してしょんぼりとした彩が家を出ていく。

それを見送った後に俺は再び布団に入る。勿論だが、シーツは変えて

ある。

 何だかんだ言ったが、本当は来てくれて嬉しかった。まぁ、本人の

前だと恥ずかしくて絶対に言わないけど……。

 そこで机に置いてあるりんごに気付く。気怠いが机まで歩いてり

んごを1口食べようとしたその時に、置いてある紙に目が止まる。

 そこには──

『早く元気になってね! ○○くんと仕事であまり会えないけど、い

つも心の中で想ってるから!  可愛い可愛い彩ちゃんより!』

 最後のは余計だろ、と思うものの俺は笑っていて……。

「──ありがとな、彩」

 満たされた気持ちでベットに入ったのだった。

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(因みに次の日、彩が風邪を引いたのは言うまでもない話だ)

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白鷺千聖に

  少し薄暗い部屋。そこで俺は──いや俺達は1人の少女と戯れて

いた。

「れろ……んっ……。あんっ! ……っぁ、んっ。ぴちゅ、ぴちゃ……

んっ、んんぅ……!」

 3人の男が囲うように中心にいる人物はアイドルである丸山彩。

アイドルであった

・・・・・・・・

──いやこの言い方は間違いか。

丸山彩、だ。

「上手になったなぁ彩ちゃん、すっかり俺のチンポの虜だな」

 あの時──そう、俺が彩をレイプした日。その日から彩は俺の物と

なった。

 〝また今度〞という言葉はすぐに再来し、3日後に再び俺は彩と身

体を交えた。その時には抵抗はしなくなっていて、それどころか己か

ら俺のチンポをしゃぶり始めたのだ。

 変化はそれだけじゃない。

 それから行為を重ねる毎に俺の事を〝○○さん〞と呼ぶように

なったのだ。それに何が含まれているのか、それとも何も含まずに自

然とそう呼んだのか……ま、どちらにせよどうでもいい事だ。こいつ

はただの性処理道具。表はアイドル、裏では男に弄ばれる女なんだ。

俺にとっては何と思われようが関係ない。

 と、そんな思い浸っていると俺の仲間達が声を上げた。

「あー……先輩、俺もうイキそうですわ」

「お、俺もっ……! 彩ちゃんの手コキ……上手すぎるっ!」

「っあ……ん。いいれすよぉ……んっ! 私の口の中……ぁ、いっぱ

い……んむっ、出してぇ……」

 じゅぽ、じゅぽっ……シュッ、シュッ……!

 片方は口、もう片方は手で相手をしている彩は激しく擦り、卑猥な

音を立てながら舐める。

「っ……! 奥で、飲め……ッ!!」

射精で

る……っ!」

「う゛ぶっ!? ん、んっ゛……ん゛ん゛!?」

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 フェラをされていた奴がイク寸前でチンポを喉奥まで突っ込む。

彩もいきなりの行動で戸惑い呻き声を上げた。

 ドピュ! ブビュッ! ブビッ!! ビチャ……っ!

 そしてそんな本人にはお構いなく飛び散る精液。それは彩を白く

汚していく。

「ん゛〜〜っ!?!? んう゛ッ!? ……こほっ! ごぶ……ッ!」

射精だ

 全てを

し切るまで口に突っ込まれる。根元まで咥えているの

もあり息が思うようにできないのだろうか、彩の身体はビクッビクッ

と痙攣を始めていた。

「お゛ぁ……ぉぅ゛っ……」

「……おい、口から抜け。俺が楽しめなくなるだろ」

「おっと、すいません先輩」

 俺の言葉でチンポを口から抜く。それと同時に彩は前に倒れ込み

口にねじ込まれた精子を吐き出した。

「おえ゛っ! ごふっ、ごふ……ッ!! はぁ……はぁっ……」

 やはり息が出来なくて苦しかったのだろう。白く綺麗な背中は呼

吸に合わせ上下に大きく動いているのが見える。次第にその動きは

小さくなっていき徐々にペースを戻しているのが分かった。

 ──しかしこの場には2人だけではなく、俺も居るのだ。

「はぁ、っ……。い、いきなりあんな事、しないでくださ──ぁ゛っ!?」

「おいおい。下の相手を忘れられちゃあ困るぞ。ずっと締め付けてた

癖に……こっちは限界だったんだよ」

 ズプゥッ! じゅぷっ! じゅぷ!!

「うわぁ、先輩ひでぇ」

「やる事が違いますね……」

 お前らも大差ない事してたけどな。

 何て思いながらも腰を動かす。

 彩は収まった痙攣を再び始めてしまい、まともな受け答えはしてい

ない。ただ、口から漏れるのはアイドルとは思えない声だけだ。

「あ……お゛っ、あぅ゛……。あひぃ……はぁッ……あぅ、ッ!」

「うっは、めっちゃエロい表情! 写メっとこ!」

124

Page 128: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 パシャ、パシャと切られるシャッター。一体どのような彩の顔を写

しているのか……なんてのは容易に想像出来る事だ。こいつの事だ、

オカズか何かに飢えてるのだろう。

射精だ

「じゃあ一発

すぞ」

 込み上げてきた射精感をそのまま伝え、腰のペースを上げる。

 突き上げる膣内は雌肉がうねり俺のチンポを咥えている。彩が苦

しそうに声を上げると裏返しのように膣内は締め付けてきて、俺の限

界は更に早まっていく。

 ズチュ、ズチュッ! ブチュ! ジュプッ!!

「あっ、ひッ……んあっ! んひぃ、ぅあ……っ、あは、ッ!」

「射精すぞ──!」

 ズッ──

 子宮口にキスをするように奥まで突き刺す。相当な快感が身体中

を襲ったのか、彩は身体を仰け反らせビクンと跳ねた。

 ビュッ! ビューッ!! ……どぷ、ドピュ……どぴゅ、びゅる

るぅっ!!!!

「ぅ、ぎ……っ〜〜〜〜!?!?」

 欲望の限りを彩の膣内にぶちまける。そんな膣内は俺のチンポを

搾り、一滴すら残さないかのようにキツく締め上げてきた。

「かひ……っ、か──ぁ……」

 掠れる声は快楽を隠すための手段なのか。そんな姿を見ると思わ

ず可笑しく感じてしまう。

 射精が終わりチンポを抜く。

 彩の雌穴からは俺の精液が溢れてきていた。その溢れる精液はビ

クッと本人が跳ねる度に、さらに溢れ出てくる。

「相変わらずの名器だな。これに勝るものなんて何も──」

 と、そこで俺はある事を思い出した。

「そういやぁ……お前ら。いつでも行けるのか?」

「へ? な、何かありましたっけ?」

「アレだろアレ。子役の……」

 俺の後輩の1人がもう片方の奴を肘でつついて指摘する。それで

125

Page 129: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

漸く思い出してくれたようだ。

「あ! 思い出しましたよ! ……って。でもそれは、彩ちゃんの準

備が出来次第、って話なんじゃあ……」

「それについてだが……」

 彩に予定を説明してもらうつもりだったが、まだ自由が回復しない

らしく口を開いたままだ。なので俺が言う事にする。

「本人──は無理だから俺から話すぞ。お前らには次の獲物を確保し

てほしい。場所は3日後の昼、彩の家の周囲に居れば彩が連れてくる

筈だ」

「あれ? 先輩は来ないんですか?」

 確かに本来はこの3人で実行する予定だったこの行動、だが俺は他

の用事が入ってしまって動けなくなったのだ。

「少し野暮用でな。向こうに顔を出さないといけないんだ。……あっ

ちはやり過ぎるかもしれないからな」

 その用事は他のグループの奴らが行き過ぎた行動をさせないよう

にする為の監視役。なるべく獲物には怪我はさせたくない。向こう

にも伝えてはいるが、少々過激な奴が多いから念の為に俺が行くとい

うわけだ。

「あぁ、先輩の友達の……」

「ま、そういうこった。今日はもういいぞ、そいつは俺が連れて帰るか

ら」

「何だかんだ、先輩って優しい? っすよねー」

「はぁ……いいからさっさと帰れ」

 癪に障る事を言われ手で追い払うような仕草をして部屋から出て

行くように促す。そいつらは「分かりやしたー」と返事をしこの部屋

を出ていった。

 そして静けさを取り戻した部屋には俺と彩が居る。そんな彩の身

体を下から上へと指を這わせながら、俺は次の事を考えていた。

「それじゃあ頼んだぞ、彩」

獲物

ターゲット

 次の

は……白鷺千聖。

 少し手強そうだが……アイツらなら上手くしてくれるだろう。こ

126

Page 130: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

ちらには最高の駒もある事だしな。

 お前らの仲良しごっこを利用する、という駒がな。

  「本当に何も無いのね?」

「だ、だからぁ大丈夫だってば……。前はたまたま帰りが遅くなった

だけで……」

「そうならいいのだけれど……」

 外がとても良く晴れている昼時、私と千聖ちゃんは私の部屋で雑談

をしていた。でも雑談というよりはあの時の事を質問されていて─

─「私は彩ちゃんを心配してるのよ? 私だけじゃない、日菜ちゃんや

イヴちゃん、麻弥ちゃんだって……花音も、彩ちゃんを知ってる皆が

心配してるの。……今回は私達の間で済んだけど、またあんな事が

あったら大事よ?」

「はい……」

 と、このように千聖ちゃんと会う日は1日1回……実際は毎日あっ

てるから毎回言われ続けてる。

 でも○○さんの事は言うわけにはいかないのだ。いけない事だな

んて知ってる、訴えないといけない事だなんて分かってる。けどあの

快楽を知ってしまったら……戻るに戻れるわけない。

 ……それに最後に○○さんが見せてくれる表情がとても──

「……聞いてるの?」

「あわわっ! 聞いてます聞いてますっ!」

 千聖ちゃんの少し苛立った声で話に意識をそちらにやる。と、そこ

で私はコップが空になってるのに気付いた。

 時間も丁度いいし……やるなら今かな? ……うんっ今しかない

よね!

「あ! ち、千聖ちゃん! 私飲み物入れてくるから待っててね!」

「え、あ……待っ──」

 お盆に2人分のコップを載せそそくさと部屋を出て1階へと降り

127

Page 131: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

ていく。そして冷蔵庫からジュースを取り出してまずは私のコップ

に入れる。

「(えっと、確かポケットに……)」

 そして千聖ちゃんのコップに注ぐ。

 ──その前にポケットから小さな袋を取り出した。粉状のそれを

先に入れてからジュースを入れる、そして少し混ぜて飲み物に粉を溶

かして分からないようにする。

「(うん、大丈夫。底にも残ってない)」

 底を見て念の為に確認をする。

 それを私は普通に部屋に持っていき千聖ちゃんの前に出した。

 喉が渇いていたのか一言お礼を言って飲む。

「ありがとう。喉渇いてたらかあまり言えないけど、少しくらい待っ

てもよかったんじゃない?」

「い、いやー……それは千聖ちゃんの話がなが──じゃなくって、同じ

事ばかりだから……」

「ほー。同じ事ばかりだから聞き飽きて席を外した、と?」

「わぁああっ! そういう意味じゃないってば!」

 慌てて両手を前でぶんぶんと振り否定をする。が、その手を掴まれ

て千聖ちゃんは乗り出してくる。

「ふふ……じっくり、話しましょうか。あや──ちゃ……?」

 だが完全に乗り出す前に千聖ちゃんはガクッと、机に落ちてしま

う。それを私は直前で抱える。

「え……な……。急に、ねむ……く」

「(! 本当に早い……。嘘じゃなかったんだ……)」

 ウトウトとしてる千聖ちゃんを見て○○さんから貰った粉状の何

か──薬の効果に私は驚いていた。

 『元々どういう経緯で使おうとしてたかは知らんがらこれは即効性の

睡眠薬らしい』

『即効性の……一瞬で寝れる、って事ですか?』

『そうらしい。いや本当かどうかは知らんが……嘘つく理由もないか

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Page 132: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

ら本当なんだろう』

『へぇ……?』

『その顔……絶対信じてないだろ。まぁ別にいいが。取り敢えず、彩

はこれを白鷺千聖に飲ませるだけでいい。効果が無かったらその日

の作戦は中止、いいな』

  即効性の薬、半信半疑だったけど……。

 小さな寝息を立ててる千聖ちゃんはとても可愛かった。いつもは

見れない友人の姿にドキドキしてしまう。

 しかしいつまでもこんな事はしてられない。外で待ってる人に連

絡して私は千聖ちゃんをおんぶした。

 階段を気を付けて降りていき家を出る、キョロキョロと周りを見渡

すと近くで手を振ってる2人の男性が居て、そこまで歩いていく。

 私を含む全員が車に乗りこむと、1人の男性が千聖ちゃんを見て不

安そうにしていた。恐らく、本当に寝ているかが気になるのだろう。

「寝てるから大丈夫ですよ」

 私の予想は正解だったらしく、それを聞いた後に車を走らせた。

「……彩ちゃんも悪くなったなぁ。友達を嵌めるなんて」

「そんな言い方しないでくださいよぉ……。私はただ、千聖ちゃんと

気持ち良くなりたかっただけで……」

「それなら、しっかりと身体に教えこまないとな」

 車の中には男性2人の笑い声が響く。それでも千聖ちゃんは寝息

を立てたままだ。

「(一緒に、気持ち良くなろうね)」

 何も知らない純白な唇に、私は自分の唇を重ねた。

  「……ぅ。ご、ごめんなさい彩ちゃん……私とした事が寝てしまっ─

─て……?」

 いつの間にか寝ていたらしい私は目を覚ます。まずは彩ちゃんに

謝ろうとした。しかしそこには彩ちゃんの姿は見当たらず、知らない

129

Page 133: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

場所に私は居た。

 ベットに横にされ手を上で縛られている。そして遅れて分かった

妙な匂い、嗅ぐだけで変な気持ちになる。

「(一体何が……まさかスタッフが何かしているのかしら? きっと

彩ちゃんも……絡んでるわよね。となると……)」

 周りを見ると匂いはともかく普通の部屋のように思える。

 脱出系の番組の収録だろうか。事前に情報を知らせていないのは

リアル感を出させる為、確かにこのような状況だと緊迫感などもいつ

もより出ると思うが……やりすぎな気もする。

 仕方ないが付き合うとしよう。そうとなればこれを外す鍵……を

探さないと、と思ったが私の腕は手錠ではなく縄でキツく縛られてい

た。

「(力ずくでしないといけない? でも……んっ、私じゃこれは外せな

いわね)」

 少し動かしてみたがビクともしない。あまりすると手首にアザが

出来てしまうだろう。

 準備の時に締めすぎたのだろうか、私が声を上げスタッフを呼ぼう

としたその時だった。

「お、お目覚めか。日が暮れる前に起きてくれて助かったよ〜」

「それじゃあさっさと始めようぜ。先輩が居ないから今回は俺たちの

自由だしな」

「な──」

 開いた扉から来たのは2人の男性。しかも片方は全裸だ。

「ふ、服を着てください! 非常識にも程が──」

「非常識ぃ? 別にいいだろ、お前は今から犯されるんだから」

「番組の撮影とはいえこれは行き過ぎてると思います! 今すぐ撮影

を中断してください!」

 話が噛み合ってないようだ。

 おかされる? 一体何を言っているのだろうか、この人は。

 この手の人とは話してもキリがないのはよく分かる。なので強引

に話を進めることにした。

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Page 134: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「え、何これ、撮影なの?」

「そんな話は聞いてないけど……勘違いしてるんじゃないか? 自分

の置かれてる状況、把握してくれよ」

 状況……?

 いきなり知らない場所に居て、手を縛られて、男2人が居て……。

「あ、あなた達……スタッフ、じゃないの……?」

 見ない顔だという事に今更気付く。

「……ははっ! ははははっ!! こりゃおもしれぇ! 本当に勘違い

してたのか!」

 私の言葉に腹を抱えて笑う全裸の男。そしてゆっくりと私の側に

近づいて、いきなり首を絞められた。

「っぁ──!?」

「お前は誘拐されてんの。で、今から俺らに犯される。分かるか?」

「ぁ、か……!」

 片手で強く握られ呼吸が苦しくなる。男、それも大人の握力でされ

続けたら最悪死ぬだろう。

 目に涙が浮かんできた時にもう1人の男が止めに入ってくれる。

「おい、やめろ。意識失ったら楽しめるものも楽しめねぇだろ。折角

の処女なんだぞ」

「そりゃそうか。じゃ、俺は上をするから下をよろしく〜。あ、足も抑

えててくれよ」

 手を離すとすぐに私に馬乗りになる。そして……。

「いやっ!」

「んー、思ってたよりも小さいな」

 乱暴に服を上げられる。そのままブラも外されて、適当に投げ捨て

られた。

「や、やめ……っ!」

「おっと……暴れるなよ。下が脱がしずらいからな」

 じたばたと暴れて抵抗するが、それも虚しく押さえつけられる。

 そして躊躇う事なく脱がされていくスカート……。冷たい空気と

共に上も下も、男達の手によって触られる。

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Page 135: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「うはー! やーわらけぇー! 触るだけで勃ってきたぜ!」

「下の方は……こりゃ綺麗だ。犯し甲斐が有るぞ」

「っ! やめなさい! こんな事をして……っ、タダじゃ済まないわ

よ!!」

 欲にまみれた目をする男に強気で言い放つ。それに対して男はニ

ヤリ、と笑う。

 その笑いに私は震えた。

 何か、良くない事が起きる。本能でそう感じ取ったのだ。

「タダじゃ済まない、ねぇ。……確かに俺達に抵抗でもすれば大切な

誰かが……具体的には、彩ちゃんがどうにかなっちゃうなぁ」

「! あなた達! 彩ちゃんに何を──! くっ……」

 思わぬ所で仲間の名前を出され怒りに任せて行動をする。しかし

腕は縛られ男達に拘束されてる今、何も出来はしない。

「まぁまぁ落ち着け。お前が条件を飲んだら彩ちゃんは解放してやろ

う。ただし、拒否でもした場合は……分かってるな?」

 この状況でそんな事を言われれば嫌でも分かってしまう。つまり、

彩ちゃんが……犯されてしまうのだろう。この汚く、汚れきった男共

に。

 そんな事は絶対にさせない。させてなるものか。

 私は静かに頷く。それを見た男は再びニヤリと笑い条件を言って

きた。

「ま、条件も何もお前を犯させろって事だな。お前がイエスと言えば

彩ちゃんは解放してやろう」

 予想は出来ていた。

 そう、私がこの2人の欲望を受け止めれば彩ちゃんが救われる。た

だそれだけの事。

 躊躇いは当然ある。しかし彩ちゃんの夢を……壊させたくはない。

それならいっそ、私が受けてしまえばいい。

 1度でも、夢や努力を馬鹿にした罰だと思えば……これくらい

……。

「わ──」

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Page 136: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 声は震える。だけど、私は最後まで。

「分かったわ。だから……彩ちゃんを解放して……っ」

「成立、だなァ!」

「んむっ!? ん、ん……ぅ!?」

 言葉を言うや否や唇を強引に奪われる。

 今まで感じた事のない、気持ちの悪い感触が身体中を這った。

 ぴちゃ……ぴちゅ。じゅる、じゅるるっ!

「んんっ! ん……ぷぁッ! い、いや触らないで……」

 そこに新たな感触が加わる。

 私の秘部を広げられたのだ。男で隠れてどうなっているかは分か

らないが、恐らく音からして舐められているのだろう。

 ザラザラとした……舌だろうか、を入れられて広げられていく。感

じた事のない感覚に怖さを覚えてしまう。

「やめ……てぇ……!」

「じゅる……。レイプされてんのに感じてるぞ、この子。もうぶち込

んでもいいんじゃないか?」

 ある筈もない事を言われて一瞬思考が停止する。

 う、うそ……私は……。

挿入い

「濡れるのが早いのはいい事だな〜。俺もギンギンだから早く

いのは山々だが、相手は処女だから少しは濡らしとかないとな……ッ

!」

 混乱している間に口に男のモノがねじ込まれる。一気に喉まで突

き刺され呼吸が出来なくなり意識が遠のく。

「これはあや──じゃなくて、他の女とは違う感覚だなぁ!」

「……程々にしろよ」

 ぢゅぱッ、ぢゅぱっ! じゅぷ! 

「お゛う゛ッ!? んぐ……う゛ぅ、っ!? 」 

 数回出し入れを繰り返されて抜かれる。その頃には既に私は抵抗

は出来なくなっていた。

 ……いや、そもそも抵抗だなんてしてはいけない。私はこの男を受

け止めないといけないのだから──。

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Page 137: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「う、あぁ……」

「んじゃ、処女いっただきまーす!」

 ぬぷぬぷ…………ずるるるっ。──ズプン。

「────!」

 尋常じゃない痛さで失いかけてた意識が戻される。

 ズプッ、ヌプッ! グチュ! 

 ……? 何か、私の中に……?

 お腹の内側が擦られ自分の中が怖いくらいに広がってるのが分か

る。

「初物はいいなぁ。締め付けが違うぜ」

あっち

・・・

「楽しそうでなによりだ。俺は

を準備してくるから、その後に

交代しろよ」

「へいへーい、りょーかい。……っと!」

 ズッズッ、ズッ……。

 そこに入るのは気持ち悪いソレで……。妙な喪失感があった。

さっきまで動いていた身体が嘘みたいに動かなくなってる。

 痛い、痛い……。

 しかしその痛さも何度も出し入れされる度に無くなっていく。感

覚が消えていく、それはまるで、自分のものではなくなるかのように。

「──ぁ。──っ、ぅ」

 自分が保てなくなる。自分を自分と認識するので繋ぎ止めないと、

きっと〝白鷺千聖〞は壊れてしまう。

射精で

射精だ

る……

すからなッ!」

 ビクン、ビクッ……びゅるるっ、びゅるるるッ!

 身体の内側に流れ込むのが分かる……。あったかくて、きもち……

わるい、もの……。

「ぅ……ぁ……」

 身体から力が抜けていく。

 でも、これで彩ちゃんを守れたなら、私は──

「うげっ、気絶しやがった。でもまぁアイツが……おぉ! 丁度いい

所に! 中出ししたらさぁ──」

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Page 138: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

   ──ベットに縛られた手を解き、私は彼女の横に寝そべり、抱きし

めた。

 直接伝わる体温がとても心地いい。柔らかい身体、綺麗な髪。だけ

ど……。

「……んんっ」

 白い液体が溢れている下を指で掻き回すと艶っぽい声を上げる。

その指を私は舐める。

 慣れたドロドロとしたものの味と血の味が混じって、初めての感覚

が口の中に広がった。でも不味いとは感じなかった。

「彩ちゃん、準備はいいかい?」

 ○○さんの友達がチンポを見せつけながら近付いてくる。それに

応じるかのように私は、自分の穴と千聖ちゃんの穴を広げる。

「う、んん……。……え? あ、彩ちゃん……?」

「あ、千聖ちゃん。おはよう、よく眠れた?」

 そこで千聖ちゃんは起きてしまう。

「ま、え……何して、るの? どうして裸に……」

 状況が飲み込めないで混乱をしている千聖ちゃん。私達を見て、あ

りえないものを見たかのように震えていた。

 そんな千聖ちゃんに軽く口付けをする。

「ねぇ、あやちゃ──んっ、んん……ちゅ、ん……」

「ん、ん……ぴちゅ、ちゅ……。じゅるちゅ、ん──」

 口を離して安心させる為に耳元で言葉をかける。

「大丈夫だよ。私も一緒だから、ね?」

「あや、ちゃん……?」

 震える手で私の手を掴む。

 そこから感じ取れるのはあの時の私のような、不安や恐怖。だけど

それも最初だけ……慣れてしまえば全部……。

「うんっ、大丈夫ですよっ。私達を気持ち良くしてくださいねっ」

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Page 139: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

羽沢つぐみと

 「はぁっ……はぁ……っ」

「ぁぅ──」

 昼を回っているというのに俺の部屋は薄暗い。いや、というのも

カーテンを閉めているからだが……。

「つぐみ……また、挿れるから……」

「せ……せんぱっ……まって、くださ──」

 そんな空間でベットの上で俺はある少女と身体を交えていた。

「ひうぅぅぅぅっ

!?!?!?」

「っ……何回もイってるのにすごい締め付けだな。膣内はうねって俺

のを離そうとしない──しっ!」

 ズン、と奥に突き刺す。それと共につぐみの身体はビクンと跳ね、

声にならない声が出る。

「か──っ!? あっ、あ゛あっ! せ、せんぱ──あぅっ!」

 長めのストロークで膣内という腟内を味わう。今日だけでも何回

も交えたというのにつぐみの腟内は締め付けが衰えず、そればかりか

愛液は溢れ奥は更に締め付けてきている。

「は、っ! んんぅ、せんぱ……ゆっく、り……ぃいいっ!?」

「(ヤバい、止まん……ねぇ!)」

 仰向けだった身体を逆にしてつぐみの顔を枕に埋める。そんなつ

ぐみは少し顔を動かして後ろにいる俺を見るが……。

「ふぁっ……はぁっ──っ」

 顔を赤くして涙目で見られると更に興奮してしまう。

 自分の腰をつぐみの小さなお尻にぶつけピストンを激しくする。

元々敏感なつぐみは相当感じてるようで1回突くたびに腟内が

キュッと締め付けてくるのが分かる。

「ふっ、ふむっ……あっ、は、へぅ……っ!?」

 右腕で頭を枕に、左腕でつぐみの左手首を抑えて身動きをとれない

ようにする。うつ伏せ状態で既に完全に見えない顔はどんな顔に

なっているのだろうか、と興味がそそられるが今は想像に留めてお

136

Page 140: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

く。

 強く締め付けるつぐみの膣内で何回も射精してるのにも関わらず

未だ果てそうにない俺のモノは更なる快楽を放とうとする。

「つぐみ──っ!」

「いっ────ぅぅうううううううッ!?!?」

 ドピュッ! ビクッ、ビクッ……びゅるるっ……!!

 何回も身体を交えて限界を超えているだろうつぐみの膣内に激し

く射精をする。つぐみもイったため膣肉がとても強く締め付けて俺

の精子を奥から搾り取られる。

 快楽だったはずのそれは今では痛みも混じりよく分からない感覚

になっていた。

「ぁ、まだ……でて……」

 休みなく脈打つモノとうねる膣内、そして射精を受け止める小さな

身体。

 何度も「あと1回」とお互いに言い聞かせながら重ねているこの行

為は──

「ぅ……んんぅ……。わた、し……まだァ……らいじょ……」

「つぐみ──!」

 2人が同時に果てない限りは終わりを迎えないのだろう。

     「おはようございます先輩! それとお邪魔しますっ!」

 朝の爽やかな空気にとても合う少女の眩しい笑顔。その少女の名

前は羽沢つぐみ。羽沢珈琲店の娘でAfterglowというバン

ドのメンバーの1人だ。

「ふぁ……早くないか、まだ7時だぞ……」

「えへへっ、早く先輩に会いたくて来ちゃいました」

 そんな事を満面の笑みで言われると嬉しくなってしまう。玄関で

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Page 141: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

立ち話するのもアレなんで取り敢えず家の中に入って話をする事に

した。

「それにしてもこの時間に2人きりなんてなぁ」

「お互いに偶然が重なりましたもんね」

 そう、この変な状況はお互いの親が仕事で家を空ける事が分かった

のから始まった。つぐみの家はもしも何かあった時つぐみでは対処

できないかもしれないから念を入れての休み、そこで俺の家に少しの

間泊まることになったのだ。

「あ、そういえば朝ごはんは……」

「食べてないに決まってるだろ。着信で起こされてんだから」

「うぅ……すいません……。でもそれなら──!」

 微妙に大きい荷物を床に置いてその中から何かを取り出し服の上

から着た。その着たものの正体は……。

「え、エプロン……?」

「はいっ! 泊まらせてもらう間は先輩専用の店員さんですよっ!」

 俺専用の店員さんって、なんか響きが素敵だな。

 羽沢珈琲店のエプロンだった。普段は絶対見ない場所での姿に不

覚にもドキッとしてしまう。そしてその姿を1人で独占できるとい

うのにも──。

「台所借りますね、先輩はテレビでも観てゆっくり待っててください

! 私、頑張っちゃいますよ!」

 言うや否やテキパキと作業に入る。

 早朝から後輩が家の台所で朝飯を作ってくれる……これも両親が

仕事の都合によるものだというのだから、申し訳ないが感謝しかな

い。それにしても……。

「ふんふん〜♪」

 テレビでも観て、と言われたがそんな事をするなら当然彼女を見る

に決まってる。

 しかしこう見るとまるで結婚したようにも感じる、文字通りの幼妻

……。将来結婚でもしたらこの光景が普通にでもなるのだろうか。

「(あ、やべ)」

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 ヒラヒラと揺れるスカートとエプロン、そこから見える白く綺麗な

太ももに思わず目が引き寄せられてしまう。そこで無駄に意識して

しまうのは男の性というものなのだろうか。朝勃ちの状態だった俺

の相棒が更なる反応を示してしまう。

 こればっかりはどうしようもできない。生理現象だ、俺は悪くな

い、悪いのは……まぁ誰でもないが。

 そんな時、ふと魔が差した。

「(……少しくらいはいいよな? 最近はお互いにお預けだったし)」

「〜〜♪ って先輩? どうかしたんですか?」

 歌を口ずさみながら料理をしていたつぐみの背後にゆっくりと立

つ。不思議に思ったつぐみは料理の手を止め俺の方を向く。

「あ──っ!? せ、先輩っ!?」

「お、すんなり入った」

 慣れた手つきでスカートを捲り下着に手を入れる。そして指を1

本つぐみの膣内へ侵入させた。

 指を動かし膣肉を掻き分けながらも奥へと進む。

「ぃぅ──!?」

 ヌチ、ヌチュヌチュ……っ。

「だ、ぁッ……今……料理、ぃ……! んぁ、あッ……ぅん」

 指を動かすたびにガクガクと震える。その反応で俺は更に苛めた

くなってしまう。

「濡れるの早いなぁ、期待してた?」

「ぅ……そ、そんなわけ、ないじゃないですか!」

 ビクッと一瞬震える。

 はたしてそれは俺の言葉になのか、それともただ感じただけなのか

は本人にしか分からない事だ。

「ぁぅ、く……ぅ。ん……っ、ぁは……」

 今は俺が背後から支えているがそれをやめると今にも崩れ落ちそ

うな状態だ。そして震える華奢な身体、口から漏れる吐息、仄かに染

まる肌。

 それを見たせいか、俺の中では食欲よりも性欲の方が勝っていた。

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「やめ……せんぱ……わ、わたしイっちゃ──!」

「おっと」

 指を強く締め付けてきてビクビクと身体が震えたのを見て俺は指

を抜く。つぐみは訳が分からないという風に俺を見上げていた。

「っぇ……ど、して……」

「だってやめてほしいんだろ? つぐみが嫌がるなら仕方ないけど」

 そう言い背を向け椅子に戻ろうとした──時だった。

「ぅうう……やめ、ないで、ください……。からだ、期待しちゃってる

……から、先輩の……っ、欲しいです……」

 服の裾を掴まれ今にも消え入りそうな声で懇願される。

 後ろを向いててよかった、顔のニヤケが収まらない。くち、くちゅ

と水音が聞こえるところからして自分で弄っているのだろう。

「ふふっ……そんな事言われたら仕方ないなァ!」

「あ──」

 乱暴につぐみのパンツを剥ぎ、己の硬くなったモノを出す。そのま

天然のローション

を塗り付け秘部へ向けて挿入れようとする。

 秘部の上をヌルッと滑らせ微妙に膨らんでいたクリに僅かな刺激

を与える、焦らしながらも確かな刺激を相手に与え続けた。

「焦らさ、ないで……ぇ」

 もどかしくなってきたのか自分から腰を振りゆっくりとモノに縋

る。

「そんなに欲しいなら……挿入れてやるよ!」

「あうっ! く……ぅ、ぁあ……っ!」

 スジに沿って動かしていたが興奮を抑えきれずに一気に奥まで突

き刺す。

 膣肉を掻き分けて突き進む感触が気持ち良くカリの部分を包み込

むように刺激され俺も腰が震えてしまう。

「あーー……つぐみの腟内、ヒクヒクしてる」

「そな、ことっ……んっ! いわないで……くださいっ……」

 恥ずかしがりながらもしっかりと腟内は締め付けてきて、疑ってた

わけではないが本当に期待していた事を実感する。

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「ヤバ……っ」

「んあぁっっ! あっ、んくぅ……あぅ、ふぁっ……。せ、先輩の……

おっき……ぅん!!」

 ジュクジュクに濡れたヒダが俺のモノの先端を包み込む。その気

持ち良さが背筋を走りモノが大きく震えた。

「だめ……ぁ、あぁぁぁぁぁぁっ!」

 その震えにリンクするように反応したつぐみの身体は力が抜けき

りぐったりと俺に全体重を預けてくる。

「……う、動くからな」

「まっ──んあっ!? はっ、あ……っ、熱……ぃ」

 挿入時に軽くイったのだろう。腟内は奥まで突き刺さったモノを

キュンキュンと締め付けてきている。

 その感触に浸るのもいいが俺は更なる快楽を求める為に腰を動か

し始めた。モノ全体に絡みつく腟内ヒダを味わうかのように、強く腰

を打ち付ける。

「んんぅ! んぁ、あぁっ! ま、まだ波……んぅ! 引いてないの

……にぃっ!!」

 ガクガクと震えるつぐみは今にも崩れ落ちそうで、両腕を台につい

て顔は完全に下を向いていた。

「ふぁふっ! あっ! んはぁっ! 先輩っわたひ……こんなのまた

……んいぃっ!?」

 しかし快楽の為そんなのはお構い無しに入口から奥まで一気に貫

き、子宮とのキスを繰り返す。グジュグジュと出し入れする度に溢れ

る愛液でどれ程つぐみが感じているのか分かる。

「!? そんな締め付けられると……っ!」

「あっ、んはぁっ! おく……ついちゃ……ダメ、だめぇぇっ!! せ、

せんぱっ……い、イっちゃ────ぁぁああああああッ!!!!」

 どくっ! どくどくっ!!

 つぐみが一段と大きく震えるのと同時に強くモノを締め付けられ

る、それにより俺はつぐみの腟内に思いっきり射精をした。

「ぁ……ぁああ……。せ、せんぱい……はぅ、脈……打ってて……す

141

Page 145: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

ご、熱い……んんぅ」

 朝一発目だからか中々止まる気配がしない射精。それはつぐみか

ら完全に力が抜けきり地面に力無く座った事により終わりを迎えた

のだった。

      そのままご飯を食べるわけにもいかず一旦俺達は風呂に入る事と

なった。勿論お互いの汗を流すためだ。しかし──。

「なっ!? 何でまたおっきくしてるんですか!!」

「あ、いや、なんか勝手に……」

 とか適当な事を言ってるが、実際はつぐみの股を伝って下に流れて

く先程射精した精液が見えたからだ。そんなエロい姿を見せられ我

慢しろって方が無理な話である。

 そんないきり勃つモノの前にしゃがんでムッとした顔でこんな事

を言われる。

「ううっ……。こ、これが今日は最後! 今日はもうしませんから

ねっ!」

「〝今日は〞?」

「も、もう! どうでもいいじゃないですか! ……ちゅっ」

 俺の言葉から逃げるようにモノに小さく可愛い舌を這わせていっ

た。

「れるっ……ちゅっ、ちゅ……ぴちゅっ。はむっ」

 全体を軽く舐め唾液をつけた後に小さな口で咥えられる。舌でモ

ノの先端から至る所を味わうかのように舐められ、射精したばかりと

いうのに再び反応してしまう。

「じゅる……んっ、ふぅっ……。じゅ、くちゅ……じゅるるっ……」

 最近してなかったとはいえこれまでの経験からつぐみは格段と

フェラが上手くなっていた。

142

Page 146: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「おっき……くちゅ、ちゅっ、ちゅぷっ……。んっ、じゅっ、ぢゅるる

……」

 身体と同じで小さな口なのに咥えたものは離さないと言わんばか

りのフェラ。いつもの清楚な雰囲気からは想像すらつかない変わり

よう。これをバンドメンバーが見たらどう思うだろうか? 

「じゅぷっ、じゅぷっ……。んっ、ぐぷ、んぁっ……あむ……じゅる、

じゅるる! じゅるっ! ぢゅ、ちゅ……はふぅ……」

 口を少し離しとろん、とした顔でビクビクと跳ねるモノを眺める。

「ふぇんはい、ほろほろでひょうですか? じゅる……口の中でも、顔

でも出ひて……いいらふよ……?」

 上目遣いでのセリフに背筋がゾクゾクと震え、射精感が込み上げて

きた。その欲望に従うかのように身を任せ今度は口の中へ射精をし

た。

 ぶびゅっ! ぴゅっ、ぴゅっ!!

「んっ、じゅぷ……んぷぅっ! ッふぁっ、は……っ……んくっ、ん

くぅ……ゴクッ」

 俺としては吐き出してもよかったのだが、つぐみはさも当然かのよ

うに飲み始めた。それも抵抗などもなく自然とだ。

「ふぁ……先輩の味、えへへ……」

「(うっ)」

 可愛すぎて頭がクラクラとしてしまう。

「それじゃあ身体洗いましょ? 早くしないと朝ご飯が冷めちゃいま

すし」

 そのまま何事もなかったかのようにシャワーを浴びる。だが俺の

ムラムラは収まどころか更に熱く燃えたぎっていた。

「そうだな、俺もこれを洗わないとな」

「ひゃ!? ど、どうして今出したばかりなのに!?」

 思わぬ出来事に目を丸くしている。たった2発で収まるようなヤ

ワな相棒ではなかったようだ。

「つぐみが可愛いからだろうな」

「ん……そ、そんな事言っても……」

143

Page 147: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 つぐみを抱き締めて硬くなった俺のモノを擦り付ける。つぐみの

背を風呂の壁に預け片脚を持ち上げる、その時点で抵抗すればいいの

にそんな素振りは見せずにそっぽを向いているだけだった。

 仄かに朱に染まる肌や濡れて普段とは違う髪、そしていつもよりも

明るい場所で見たつぐみの身体は魅力的だった。

「ぁ、やぁ……み、見ないでください……っ」

 ブルッと震えてそんな事を言われる。

 一体何を、と思ったがそれはすぐに分かった。

 股を伝わずに股間からそのまま垂直に落ちて──いや垂れてゆく

それは、白く濁った粘液だった。

「ふ、あ……ぁぁああああっ……」

 ──こぷっ、こぽぽ……とろっ……。

 秘部がひくつき大きな塊がこぼれ落ちる。長い糸が秘部から垂れ

ていて、俺は──それを切るようにモノを再びぶち込んだ。

「ひうぅっ!?」

 当然膣内はまだ濡れていて、容易く奥まで挿入れることができた。

 愛液と精液が混じり合ってできた特製のローションをモノを使っ

子宮奥

て膣内に……

に染み込ませる。

「あ、あぁ……せんぱい……せんぱぃ……」

 背中に腕を回して崩れ落ちないようにする。俺も応えるかのよう

に片腕を回しそのまま腰を突き上げた。

 先の行為での波が完全に引いてないのか、つぐみは感じる感覚が短

くなっていた。

 その証拠に挿入れたばかりにも関わらずきゅううっ! とキツい

ほど締めあげられる。俺を抱き締めている腕には常に新たな力が加

わり続けていて、それは相当だと分かった。

 ぢゅぽ、ぢゅっぽ、じゅぷっ! ぢゅぐっ、ぢゅく、ぢゅ……ズポッ

! ずぷっ、ぶッ!!

「ぐぁ……っくぅ……!」

「あぅ、あぁあああッ……せんふぁい、せんふぁいぃぃぃっ!!!! わたし

……あ゛〜〜っ、あ゛、あ゛〜〜」

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Page 148: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 耳元で漏れる雌の鳴き声は身体を更に滾らせる薬だった。

ものつぐみ

 朝ご飯などどうでもいい。目の前にある

を今は味わえればい

い。

「うぐ……射精るっ──!」

 どくっ! どくんっ! ……どくんっ!! ────ビクッ、ビクッ

……ビクン……。

「──ひゅ、ぁ……いや……、もう……お腹、ァ……ぃ……」

 あまりの気持ち良さゆえか立ちくらみしてしまう。それに気付い

たのか偶然なのか、つぐみは己の方へ抱き寄せてくれた。

「……ふぇへへ……せんぱいだけの店員しゃん、ですからぁ……。

もっと……わたしぃ……」

「そんな事、言うからだろ……」

 意識をはっきりとさせてお互いの汗をシャワーで流す。その後、自

分部屋へとつぐみを運んだのだった。

     「……私、どうして夕方になってるのか覚えていません」

「ほーんっとだよな、俺も分からな──んむ゛っ」

 適当に答えると枕を1つ投げつけられて顔面にヒットした。

「せ、せせっ、先輩が私を玩具にして遊んだからですよ!!」

「ちょ──言い方ってもんがあるだろ!? あれはお前から誘って─

─」

「そんな覚えはありませんよ!」

 何度も味わった……だろう濃厚な行為が終わったのはいつかは分

からない。お互いに気を失っていて、起きたのは夕方。正直ヤバいと

思った。

 何がヤバい? そりゃあつぐみの怒りようだ。

「先輩が何回もするから今動けないんですよ!? それになっ、何とな

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Page 149: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

く……先輩の、その……あれが! 入ってる感覚しますし!!」

 つぐみって怒るんだなって思った。でも強く言ってるんだがどこ

かほわほわしてて可愛さが勝ってるんだよなぁ。

「うぅ〜〜っ! 絶対にこのお泊まり中はえっちはしませんからね

!」

 ……この泊まり中、はね。

「おっけーおっけー、なんだ言って俺も普通に過ごしたかったしな。

ほら、背中貸すから下に降りようぜ」

 余計に口を挟むと再び騒がしくなるので心に留めることにした。

 俺がベットから降りて背中を向けると少し不満げな声を漏らしな

がら体重を預けてくれる。

 そのまま階段を降りていたらつぐみがボソッとこう言ってきた。

「──明日、普通に過ごしましょうね。先輩と私と……2人で」

「はいはい」

 何よりも普段の俺達で居ることを好むつぐみだから出たセリフ。

今日の反省を込めて明日は普通の彼氏彼女で過ごそうと思ったの

だった。

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Page 150: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

弦巻こころと

 「○○様。こころ様の着付けが完了致しました、ご確認を」

「え、あ……はい」

 何回もこのようなやり取りはしてるけど黒服さんと話すのは未だ

に慣れない。慣れないのはこの家の雰囲気もあるからだけど……。

こんな現実離れした豪邸に一市民の僕が入れるなんてまだ夢なん

じゃないかと思う。

 だけどこの豪邸は僕の想い人の家……だから夢とも思いにくいわ

けで……。

「じゃーん! お着替え完了よ!」

 と、そんな考えを吹き飛ばすように開いた扉からは僕の恋人である

弦巻こころが浴衣を着ていて、見せつけるようにくるくると回ってい

た。その度にひらひらと袖が揺れ、それに合わせるようにこころの綺

麗な金の髪も揺れる。自分では何気なくとっている行動なのだろう

が、自然にそれは踊りを踊っているようにも思える。

「ねぇねぇ○○! どうかしら、あたし似合って──きゃっ!?」

 前々から言っていた浴衣を着れたからか少しはしゃぎ気味のここ

ろは僕の前まで駆け足で寄ってくる。しかし慣れない浴衣にいつも

の動きが制限されていて……僕の前で体勢を崩してしまった。

「! こころ様──」

 瞬間、横にいた黒服さんが動く。だがそれよりも早く僕は動いてい

た。受け止めるために手を広げるとぽす、と腕に収まる。

「っと……。大丈夫こころ? 怪我はない?」

「えぇ、○○が抱きしめてくれたから安全だったわ。……ふふっ、あり

がとう!」

 〝抱きしめた〞じゃなくて〝受け止めた〞つもりなんだけど……

この際どうでもいいかな。こころが無事だったから。

「(それにしても……)」

 腕に収まるこころを見下ろす。

 ふわりと漂う香りはいつもと同じだ。最初こそはドキドキしてい

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Page 151: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

たが最近ではようやく馴染んできた感じがする。だけど今回は浴衣

だ。いつもと全く違う姿、ライブの時もだがそれ以上に特別という雰

囲気が溢れている。

 僕の視線に気付いてかこころは僕を見上げた。その金の瞳は僕だ

けを見据えている。

「──可愛い。いつもより綺麗で……とても……」

「え?」

 朱色の浴衣はとてもこころに似合っていた。

 いつも腰まである髪は簪によって後ろで綺麗に纏められていて普

段は見ない髪型だ。それもあり白い肌が──うなじがよく見えてし

まい、不覚にもドキッとしてしまう。

 そしてやはりというか、押し当てられる胸の柔らかさに意識が持っ

ていかれ──。

「○○は卑怯ね……そんな事をさらりと言うなんて……」

「恐らく無自覚かと。○○様はある種の才能をお持ちのようで」

「っ、そんな事? 一体何の……」

 2人の声に意識を戻される。

 危ない危ない、邪な事を考えそうになってたから助かった。しかし

こころが言った言葉の意味が分からない、僕が何か言っただろうか。

何も言ってない気がするが……。

「本当に覚えてないのですね。心の声、でしょうか。口に出てました

よ。『可愛い』と」

「えっ!? う、嘘ですよね?」

「本当よ! ん〜っ! 嬉しいわ、本当に……そう言ってもらえて嬉

しい……んっ!」

「ん──っ!?」

 突然首の後ろに手を回されて引き寄せられる。そしてそのまま、こ

ころの柔らかい唇が僕に押し当てられた。

「んっ、ちゅ……んんっ……」

 自然と受け止めていた腕に力がこもる。

 流されてはいけないと理解はしていても、その柔らかさに正常な考

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Page 152: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

えは吹き飛ばされてしまいついスイッチが入ってしまった。

「こころ……っ、ん……」

「んぅ、ん……ちゅ、ぅん……ぷぁ、っ」

 唇が離れ、それと共にこころの顔が離れていく。窓から差し込む夕

暮れによる光はその顔を照らして、髪も美しく輝いていた。

「ふふ……見せつけてくれますね○○様」

「あっ! す、すいません!!」

 しまった、完全に2人の世界に入り込んでいた。黒服さんがいな

かったらそのまま──いや、流石にそれはないか。

「それでは暗くなるまで屋敷でお待ちください。……それでは、ここ

ろ様をよろしくお願いします」

「あ、はい。分かりました」

 そう言い残して黒服さんは部屋を出ていき僕らはこころの部屋へ

と向かったのだった。

 ……そういえば、黒服さんの表情が少し緩んでいたのはきっと気の

せいだろう、うん。

  「早く暗くなってほしいわね〜」

 やはり祭りが楽しみなのだろうか、いつも以上にワクワクとしてい

るように見える。

 それにしても浴衣姿のこころは可愛い。こんな機会ではないと見

れないだろう。

「うん、そうだね……」

 身体のラインがくっきりと見え邪な想像が膨らむ。先程の柔らか

な感触を思い出してそれは加速してゆく。

 あ、まずい。考えてたら少し……。

「……む。ちょっと○○聞いてるのかしら!」

「え!? こ、こころ……! 今は──おわっ!?」

 適当に返事したのに対し腹を立てたのか腰を下ろしていたベット

に僕を押し倒し覆い被さる。

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Page 153: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「あたしの話聞いてたの!」

「え、あ、あぁ……聞いてたよ……っ」

「目を逸らさないで!」

 そんな無茶な……。逸らさないと胸が、というか胸に視線が行くっ

てのに……。

 チラリと視線を向けるとやはり浴衣の隙間から豊満な胸が覗いて

いた。その谷間がとてつもない魅了を発している。

「……ぅ、あ」

 僕は息を呑む。

 しかしこころは何でもないように身体を近付けてくる。そんな時

だった。

「ちょっと……ってあら?」

 ぐいっと押し上げられる感覚がした。どこが? それはとある部

分しかない、身体のラインや胸を見て元気になった僕のモノ……ズボ

ンの上からでも分かる勃起したモノだ。

 それに気付いたこころはぐいぐいと脚で押し上げる。

「こ、これって……ど、どうして硬くなってるのかしら……?」

「そ……れは……」

 ここでバカ正直に「浴衣姿に興奮しました」とか言うと、いくらこ

ころといえ引かれるに決まってる。

 考えろ、考えろ僕! こんな所で考えても仕方ないけど……!

「──でも……こ、これじゃあお祭りに行けないわね。しょうがない

からあたしが鎮めてあげるわ」

 勢いよくズボンを下げられ僕のモノが空気に触れる。ギンギンに

勃ちきったモノがこころの顔の前に現れ、荒くなっているこころの息

が裏筋を刺激した。

「く、ぅ」

「相変わらず……大きいわ○○の……」

 ちゅ、ちゅ……ちぽっ……ちゅぷっ。

「ここ、ろ……っ!」

 小さな口を精一杯開けて咥え込む。亀頭を重点的に舌で攻め徐々

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Page 154: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

に射精感を高めていく。そして顔を動かし上下に口全体で刺激を与

える。

「ん……ちゅ、ん、んんっ……」

足りない

・・・・

 しかし

。どうももどかしい。

 フェラに慣れてないのかこころはぎこちない。それもそうか、この

モノを咥える行為自体し始めたのはごく最近だ。

「んあ、ちゅ……ぷ、うぷ……ぅ」

 頑張っている事は伝わるのだがそれまで。こころには悪いが……

アレ・・

をさせてもらおう。

「ごめんこころっ!」

「──!! んぐぅ!?」

 頭を両手で掴み無理矢理に上下に動かす。

「おう゛っ!? ……お゛……ぶふっ……!!」

 突然の行動に驚き震える華奢な身体、金の瞳は見開かれこの出来事

に脳が追い付いてないようだった。

 モノは口いっぱいに押し込まれ喉奥まで到達している。その狭さ

が絶妙に気持ち良かった。

「あ゛……う゛っ……! おう゛ッ!? ──!!」

 相手の意思に関係なく動かし続けしばらくして射精感が込み上げ

てきた。先程よりも強い感覚……更に背徳感がそれを加速させてい

く。

「で、射精る──ッ!」

「!? おぐぅっ!? ん゛ん゛っ──お゛う゛ッ……ぐ…………う゛

ふっ!!」

 喉に突き刺し射精する。それと共にこころの身体は跳ね始めた。

「────げふ……っ……」

 射精が止まる頃にはこころの口から精液が溢れていて、どうやら意

識が飛んでいるようだった。痙攣は続いていて口から吐き出す度に

それは起きている。

祭り暗くなる

 ふと窓を見ると、外は夕暮れに染まっていて

まではあと少しと

なっていた。

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Page 155: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

  「こ、こころ? さっきのは悪かったって機嫌直してよ〜」

「…………」

 祭りに来てからこころは僕から顔を逸らし続けている。流石にア

レはやりすぎたか、と後悔をする。しかし前にこころは──。

『乱暴にされるの慣れてはないけど……あなたの物になったみたい

で、嬉しいわ』

 と言っているのだ。それもどことなく嬉しそうに……。

 もう分かるだろう。そう、今回のようなパターンは初めてなのだ。

あの行為

が終わりこころの意識が戻ってからこの調子、正直辛い。祭

りがどうこうとかの問題じゃない。

「こ、こころってば!」

 するりと人を避けながらどこかへ向かっている。祭りなんか目に

くれずただただ、どこかを目指し歩いている。

「(〜〜っ! 強引にでも止めた方がいいのか? でも分からない、何

を考えてるのか……てか、浴衣なのに速い!)」

 祭り会場から少し離れる。

 既に人の声は遠ざかっており、明かりが無い木々の中へ足を踏み入

れていた。

「(確かこの方向は隠れた神社がある場所……今入った木々を抜けれ

ば近道になるはず──)」

「──っ!」

 瞬間、ガシッ! と抱き着かれる。驚く間もなく僕は地面にこころ

と共に倒れ込んでしまった。

「な──。ここ、ろ──うむぅ!?」

「ん──ちゅ、ちゅむ……ちゅっ、ちゅ……ぷあっ」

 キス……そのまま上に馬乗りになる。浴衣を着崩し豊満な胸が現

れた。微かに木の隙間から差し込む月明かりにより照らされた胸は

先端が尖っており何故かビンビンとなっていた。

「はぁ、はぁ……。○○……待ってたわよ……」

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Page 156: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「うぁ……っ!?」

 後ろに回された手で器用にズボンのチャックからモノを取り出さ

れ手コキをされる。

「もう、大きくなったわ……ふふっ」

「(? 服の上に何か染みてきて……)」

 勃起したモノの上にこころの秘部が添えられる。その時僕は見逃

さなかった、僕の上から離れる時に銀の糸が垂れていたのを。

 ぐに──ぷっ、ぐぐっ……ズプゥ!

「ふ──ぅ、んんっ! はいっ……たァ」

 なん──様子が……。

 ヒクヒクと蠢く膣内、挿入しても溢れる愛液、いつもとは全く違う

こころがそこには居た。

「おっ──きいわ! ○○のおちんちん……んんっ! あっ、いっ

……くぅ…ん!」

 激しく腰を動かす。その度に金の髪は靡き胸は大きく揺れていた。

「ここ……っ! 締め付けが……」

「っひ……ぁ、あぁっ……あ! ──ひ、く……あぅっ!」

 僕の声が、聞こえてないのか? 一体どうして……何がこころを。

 ……それにしても、一方的だった。まるでこころが気持ち良くなり

たいがために僕のモノを使ってるとしか思えない。

「うぁ……っ! もうっ──」

 込み上げる射精感を抑える事など不可能でそのまま膣内へと放出

してしまう。

「あっ……あ、はっ……ん──あ゛ーーっ……♡」

「(搾り、取られるっ!?)」

 やがて射精が終わりモノを抜き取る。だが未だ大きいモノを掴み

精液と愛液の混じりあった膣内へと挿入れられる。

 ヌプ……と生暖かくキツい穴に沈む。

「キス……○○、キスしたいわ。ね? しましょ……?」

「ま、待って……一体どうしたの!? 何でこんな事を……」

 キスのために近付くこころを押しやり行為を止める。それは勿論

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こんな事をする理由を聞くためだ、荒い息のままこころは答えてくれ

る。

 ……が、その理由はあまりにも予想外すぎて。

「○○が……自分だけ満足して終わったからよ? あたしのあそこは

……すごく濡れてたのに……」

「? で、でも気を失ってたし……そんな──うぁ!?」

 ぬ゛ぢゅ、ぐちゅっ……。

「でもぉ……今はどうでもいいわ……ん、○○のおちんちんが……ぁ

! ふうっ、くぅ……あ゛っ! あるからぁ♡」

 まるで獣のように腰を振るこころ、そんな彼女にさえ興奮するが

……そちらのペースを続けされるわけにもいかない。

 襲いくる快楽を我慢しながら僕は細かにこころの腰使いに動きを

合わせ始める。

「あッ、いいっ! ○○の……気持ちいいわ! んぅっ……混ざり、

あってぇ……熱、いぃ♡」

「(…………今っ!)」

 モノの先端まで抜かれかけ再び降ろされる腰。僕はそのタイミン

グで自分の腰を上げ、モノを突き刺すようにする。

 ぐぢゅ、ぶちゅ! くぢ、ばぢゅ……ゴツ──っ。

「い゛ぎっ……!? ──ぁ、ぃ……お……」

 子宮に突き刺さったのが分かる。こころは口をだらしなくも開き

痙攣していた。

 その隙にこころを押し倒し立場を逆にした。

これ・・

「ふぅ、っ……はぁ……。とんだ変態お姫様だ……そんなにも

欲しいのか……」

 ぱっくりと開きヒクヒクと物欲しそうにおねだりをする秘部と、何

故か後退りをするこころ。あまりにもその絵が面白くニヤけが止ま

らない。

「まっ……て。今の……ぉ、でいイった──イッてて──」

 よく見るとプシッと何かが飛び散っているのが見えた。

 既に正気に戻っているのだろう。そんな事は分かってる、だがこの

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楽しい

・・・

こころで遊ぶのは

 腰が抜け、思うように動けずに逃げる。そしてこんな木々の中だと

逃げ道はそうあるわけでもなく……。

「いた、っ──」

 木にぶつかり動きが止まる。

「ご、ごめんなさいっ……! 無理矢理にして! 謝る、からぁ! 今

は……今はしないで……! あたしおかしくなっ──ぃ」

 別に、無理矢理された事に対してこうなってる訳じゃないんだけど

なぁ。

「だめ、ダメっ……今びんか──んぎぃ!?」

 ただ僕の物が、この行為において僕を物として扱おうとしてた事に

対してこうなっただけで。

「いや……いやっ! 気持ちいいっ、イっちゃう……いく、いくい

くぅぅぅぅううううう

!!!!!!」

 モノ全体を締め付けイったのを確認する。しかし僕はまだイって

いない。正直あと1回は射精したいのだ、なので──。

「おっ……ぉふっ」

 にゅぷぷ、ぷ──ズンッ。

「ああアァぁぁ〜〜〜〜ッッ♡ はぁーっ……ぁーー……」

 仰け反り返り、モノを抜こうとする度に口からは声が漏れていた。

 長く深いストロークはこころの膣内を隅々まで味わい、さっき射精

した精子を所々に染み込ませているようだ。

「ハァッ、はぁッ……も、ゆるし……て」

「僕は許してるさ。そもそも怒ってもないけど……」

 ずぷっ、ずん! ずぽっ、じゅぽっ、ずっ……ズッ──!

「ふ♡ ん……はひぃ、ひっ……やぁあ♡」

 口付けをしそのままラストスパートに向け腰を打ち付ける。

 こころは自ら舌を絡ませにきて、何かを求めるかのように震えなが

らも僕を抱き締めてきた。

 それに応えるように僕はこころのお腹を優しく撫で膣内射精の準

備に入る。

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子宮こ

射精だ

すよ」

 その部分を撫でながらそう言うと子宮口でキュンキュンと亀頭に

吸い付いてきた。

「そんなに欲しいのなら、ほら……あげるよッ!」

 ギリギリまで抜き一気に突き刺す。そして……。

 ドクン! ビューッ、びゅるるるっ!!  びゅく、どくッ……。

「〜〜〜〜ッ♡ ぁっ、あ゛〜〜〜〜〜〜

!!!!!!」

 子宮に流し込むように押し付け全力の射精。

 精子が出る度に代わりに意識が離れるような感覚に襲われる。

「ぁ♡ あ〜……♡ ふっ、はぁ……はぁっ♡」

 びゅ……びゅッ! ……ピュッ…………チュ──ポンッ。

「ゆ、ゆる……ひて……ぇ♡ あたひ、がァ……」

 2度目の射精が終わりモノを抜き取るとまだこころは許しを乞い

ていた。涙を流しながらも言い続け、しかしその表情はどこか満足で

──。

「はぁ……許すよ。こっちこそごめんね、こころ」

 何に対して謝ったのかいまいち分からないが謝り軽い口付けをす

る。すると、とても嬉しそうに、幸せそうに笑い。

「えへ……ありが、と……○○……」

 笑顔でそう言ったのだった。

   空には大きな音と共に光をまき散らす花が咲いていた。それを僕

らは眺めながらも歩いている。目的地はこの木々を抜けた先、人の少

ない神社だ。

「綺麗ね〜!」

「うん。だけど神社に着けばもっと大きく、綺麗に見えるよ」

 上空の花火に見とれているがこころは思うように歩けない状態だ。

なので僕と腕を組んでゆっくりと歩いている。

「色々あったけど……お祭り……もう花火だけど、楽しもっか」

「えぇ!」

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Page 160: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 2人でゆっくりと神社まで歩こう……と、した時だった。

「す、すごーーいっ! 花火がすっごくキラキラしてるーーっ!」

「おわっ!? な、何? 誰?」

 突然の響いた花火以外の音に驚く。だがこころはそうではないよ

うで。

「あら? この声は──香澄〜〜!!」

「え? ちょ……!」

 ガサガサと草を掻き分け前に進む。その姿はとても数分前までは

乱れていたとは思えない程に……。

「あぁもう! こころ、待ってよ! 1人で行くと──」

「きゃっ!?」

「危ない!」

 転びそうになるこころを咄嗟に抱える。

「もう……一緒に行くよ」

「ふふっ、ありがとう○○。やっぱり優しいわね」

 〝優しい〞ね……本当にそう思っているのか。

 草を分け進むと神社に出た。

 そこには浴衣姿の少女達がいて、その子達は僕らを見るなり近付い

てきた。

「こころんの彼氏?」

「えぇそうよ! とっても優しいの!」

「見た目からして優しそうだもんねぇー」

 複雑だ。知らない人から言われるのはいいが本人が……あんな事

をされた後に言うのは、ちょっと違和感が……。

 苦笑いをしつつ適当に返事をしていると腕に力を入れられて更に

密着をする。

「ねっ? ○○っ」

「あぁうん。そだね」

 なんだかよく分からない事になり始めたなぁ、なんて考える僕で

あった。

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Page 161: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

羽沢つぐみと 〜after〜

 「……身体がダルい?」

「えっと、はい……」

 ある日彼女である羽沢つぐみがふとそんな事を言ってきた。日頃

から頑張りすぎてる反動だろう、〝ツグってる〞という謎の言葉が作

られるほどの頑張りようだ。

 学校の生徒会に家の手伝い、そしてバンド。本人があまり休めてな

いように思えるのは誰の目から見ても明らかでもあった。

「なんて言うかやる気はあるけどどことなく重いと言いますか、嫌

じゃないんですけど……」

「うーん……。普通に休んだ方がいいんじゃないか? 学校やバンド

は俺は無理だけど店なら手伝えるし」

 現に今現在手伝っていたりもする。今は閉店後の掃除をしている

ところだ。

「だが……まさか泊まることになるとは思ってなかったけどなぁ」

 頭を掻きながら呟く。

 成行きとしては、つぐみの店を手伝うお礼にと夜ご飯をご馳走して

もらうことになってた。しかしいつの間にか話が逸れていき、結果と

して泊まるということに至ったのだ。

 俺としては嬉しい。嬉しいのだが、つぐみはゆっくりと休めれない

のではないか? 今の話を聞いた限りだと相当疲れてると思うが

……。

「一応聞くが本当に泊まっていいのか?」

「え?」

 え? って……。

「今話してたじゃないか「ダルい」って。それなら俺は今日泊まらない

方がいいんじゃねぇか? ほら、ゆっくりできねぇだろ。お前いつも

気を使ってんだからさ」

「い、いえ! そんな事ないですよ!」

 ぐい、と距離を詰められる。

158

Page 162: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「むしろ先輩が居てくれた方が落ち着けるというか、安心してゆっく

り休めると思います! なので今日は泊まってください!」

 ……たまに思うけど、つぐみって変なところでグイグイ攻めるよ

な。なんと言うか、可愛い。

「お前がそう言うなら……。分かったよ、お言葉に甘えさせてもらう

さ」

「やったぁ! ふふっ、1日中一緒に居るのは2回目ですね」

 そうこれで2回目。因みに1回目はつぐみに怒られたあの日だ。

でもあれはつぐみが誘ってきたのが悪いと思う。

「そうだったな。〝今度は〞普通に過ごすか」

 というか俺の家じゃねぇし。

 ……俺の家だったら多分……いや絶対につぐみを味わってるだろ

うけど。最近お預けだったし。

「今度……? ────あっ」

 俺の言葉が何を指してるのかを察したつぐみは自分の身体を隠す

ようなポーズをする。

「な、何考えてるんですか! 先輩のえっち!」

「はぁ!? 何も言ってねぇだろ!?」

「だって今の絶対そういうのだったじゃないですか! そもそも先輩

は──」

「いいや違うね! つぐみが──」

 掃除を忘れ言い合いを開始する。

 そんな言い合いが終わったのは遅いから、と様子を見に来たつぐみ

の親の登場だった。

  「ふー、飯美味かったなぁ」

 夜ご飯をご馳走になった後に風呂に入ることになった。もちろん

1人で、だ。

 どうやらつぐみは最後に入りたいらしい、というのも何か用事があ

るからと先を選ばせられたのだ。

159

Page 163: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 湯船に浸かりながらこの後のことを考える。

 俺が寝る部屋はつぐみの部屋になっている。床に敷いた布団に寝

るとはいえ、同じ部屋に居るわけだからゆっくり出来るのかは疑問に

思うが、まぁつぐみがいいと言うのならいいのか。

「確か美竹や上原もつぐみに休めって言ってるんだよな」

 バンドメンバーからも頑張りすぎていることに注意をされている

らしいが本人はどう受け止めてるんだろうか。

 自分の本心をさも当然のように隠すから分かりずらいのはある。

周囲を心配させたくないのは分かるが、それで自分を壊したら尚更だ

ろうに。

 そんな時、美竹に言われた言葉を思い出す。

『へぇ、そんな寝顔のつぐみ初めて見たかも。ちゃんと支えられてる

んだね。その子の信頼、裏切らないようにしてよね』

 ある日のこと、外で昼寝をしていた時にたまたま通りかかった美竹

に言われたのだ。

「しっかりしないとな、全部支えられるように」

   再度決意を固めたところで風呂を上がりつぐみの両親に風呂のお

礼を言いに行く。

 2人はテレビを観ている最中だったらしく2階にいるつぐみに風

呂空いたと伝えてくれと伝言を頼まれた。

「(というか用事ってなんだったんだろう。部屋の掃除とかか?)」

 階段を登りながら何気なく考えて部屋の前に着く。そして扉を開

けようと──して動きが止まった。

「…………?」

 声が聞こえた。まぁつぐみだろう。そこまではいい、問題はその声

だ。

「…………っ、ん……ふ、んっ……」

 音を立てないように耳を扉にあて聞く。

「んんっ……せん、ぱい……。ぁ……ぅん」

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Page 164: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「(……いやいや待てって)」

 慎重に、慎重に扉を少しだけ開ける。するとそこに見えたのは予想

もしてない光景だった。

「ふぅ、っ……! ぁ──んんっ!?」

 俺の上着に顔を埋めながらオナニーをするつぐみがいた。当然、俺

はそんな光景に釘付けにされてしまう。

「せんぱいっ……せんぱい、っ!」

 扉越しには聞こえなかった秘部を弄る音が僅かながら聞こえる。

ギシッと軋むベッドで激しさも伝わってきた。

「(な、何でこんな……というか今こんなの見たら──)」

 我慢なんて出来るわけなく扉を開けてしまう。

「つぐみ──っ!」

「!? 先輩っ!? どうしてここに──きゃっ!」

 横になってるつぐみに押し倒したように覆い被さる格好になる。

 突然の事に混乱してるつぐみは目を見開いて何が何だか、という状

態のように見える。

 息は少し荒く、パジャマははだけていて可愛らしい胸が露わになっ

ていた。

「何してたんだ?」

 聞かずとも分かることを敢えて聞く。

「え、えっと……それは──んうっ!?」

「それは……ここに指が2本も入るような状態になる事、か?」

 ぐぷぷっ……。

 拒むことなく指が入る。相当濡れていたようでシーツには染みが

出来ていた。

「はう!? んひ……、ああぁっ!」

 グイッと指を曲げて押し上げる。

 つぐみが感じるところを重点的に攻め続けているせいか、押し上げ

る度に身体が跳ねている。

 久々に聞く彼女の甘い声……。それにより俺の興奮は加速する。

「ぅあ……! き、きちゃう……せんぱいっ、やめ──いいぃぃッ……

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Page 165: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

!?」

 びくっ、びくっ!

 一段と大きく跳ね脱力したつぐみ。どうやらイったらしく俺が覗

いた時はオナニーを始めてある程度時間が経っていた頃合いだった

らしい。

「ぁ、ああ……っ」

 蕩けた表情を見せるつぐみ。先程から抵抗する様子を見せないあ

たりやはり……。

「俺の服を嗅ぐほど俺を感じたかったのか? それなら感じさせてや

るよ──!」

「んっ……あぁっ!」

 指同様に俺のモノすら受け入れるように入ってゆく。

「はぁ……せんぱいのぉ、欲しかった……。指じゃ……んっ、届かない

とこ、までぇ……っ」

「(つぐみの膣内、濡れすぎだろ……!)」

 ぐちっ、ぐぢゅ……。

 珍しく自分から腰を動かし始める。それに応えるように俺も腰を

振り始めた。

「くそっ……。いつこんなにエロくなったんだよ! こんな物欲しそ

うに搾り上げてきやがって……!」

「あっ、あふっ……。ぁっ、んんっ…………ひぁっ!」

 膣内がいやらしく蠢き俺のモノを締め付ける。愛液がとめどなく

溢れ、つぐみの興奮も伝わってくる。

「せんぱいっ、そこ……っ! んんぅ! 奥のとこ……もっと、もっ

とぉ」

 いつも言わないような言葉に胸が締め付けられる感覚に襲われる。

「〜〜〜〜っ!」

 子宮に届くように奥を突き刺す。その度に子宮口がモノにキスを

してきて、搾るように吸い付かれる。

 ぐぽっ、ぐぽっ、ぐぷっ! ぬぷっ……じゅぷっ! 

 卑猥な音は激しさを増していく。

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Page 166: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 そんな中つぐみの身体が再び震え始めるのが感じ取れた。おそら

くイク寸前なのだろう。

 敏感な部分を攻め続けた結果、短い感覚で絶頂に至るようだ。

「つぐみ……射精すぞ……っ!」

「せんぱっ……わたし、も……っ! イっちゃ──!」

 2人の言葉が重なるとお互いの絶頂はほぼ同時だった。

「つぐみ──!」

「ああっ! せん、ぱ……い……んんんんぅっ!!!!」

 ビュクッ! ビュクッ! ……ビュルッ。ビクッ、ビクッ……。

「ぅ……っ。ふぁ……、ハァ……んっ……ぁ。せんぱい……」

 幸せそうな笑顔を向けるつぐみを俺は無言で抱きしめた。

  「やべーよなぁ、こんなの見つかったら」

「……ううっ」

 あの行為のあと、結局2人で風呂に入る事になった。つぐみの両親

は相変わらずテレビに夢中のままで、おそらくこっちには気付いてな

いだろう。

 因みに今回は前の失敗を繰り返さないように背中合わせで湯船に

浸かっている。

「というか何であんな事してたんだよ……。言ってる事とやってる事

が違ぇだろ」

「だ、だって……。最近ずっと、うう……」

「あ?」

「してなかった、ですし……」

 ぼそぼそ話されて聞き取れない。一体なんて言ったんだ?

「聞き取れないからもう1回──」

「な、なんでもありません!」

 ……なんなんだよ一体。

「…………先輩」

「……どうした?」

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Page 167: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「すいません、いつも支えてもらってるのに……」

『ちゃんと支えられてるんだね』

 初めて聞いた本心。

「気にすんな。彼女と言っても後輩なんだし、素直に先輩を頼れって」

「はい……。ありがとう、ございます。……先輩」

 背中をお互いに預け、言葉を交わす。

 その時だけどんな時よりも相手の心に近づいた気がした。

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Page 168: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

上原ひまりと

 「メリークリスマーース!!!!」

 サンタの衣装を纏っているひまりのそんな掛け声とともにパー

ティーが始まる。

「……相変わらず元気だなぁ」

「○○はもう少しテンション上げた方がいいよー! せっかくのクリ

スマスだよ?」

「えー……いやだって……」

 俺本人としては、クリスマスなんでどうでもいいと思ってるところ

はある。というか学年が上がるにつれ興味がなくなってきている、が

正しい感じもするが。

「ていうか、それなら蘭も一緒だろ」

「は……? なんであたし?」

 唐突に名前を出したからか蘭はケーキを食べるのを一時中断しこ

ちらを向く。

「基本的にテンション低いから」

「……そう? 気のせいじゃない」

 そう言いながら、ケーキを取ろうとしてたモカにチョップを入れ

る。

「まぁ蘭はみんなが楽しければそれでいいもんねー。だからケーキ

ちょーだい」

 それでもなお引くことの無いモカは、蘭に抱きつきおねだりをす

る。

 蘭は蘭でその行動を慣れた感じで押し返しつつ、受け流す。

「いや、やらないし。そもそもモカはもう食べたでしょ」

「蘭サンタがケチするー。ひーちゃんサンター、プレゼントくださ

いー」

「はいはーい! モカちゃんへのプレゼントは──」

 どこから取り出したのか、微妙に大きな袋に手を突っ込んでガサゴ

ソと探す。

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Page 169: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 そしてしばらくして、手を止めたひまりは自然な流れで俺の皿に

乗ってるケーキをそのままモカの目の前にスライドして。

「いい子にしてるモカちゃんにはー……このケーキをプレゼントー

!」

「おー! ありがとーひーちゃんサンタ〜。……うーん美味しい」

「うんうん。日頃いい子にしてる子にはそれ相応のプレゼントを渡さ

ないと──おわっ!?」

 俺は立っているひまりの腕を引っ張り、自分の方へ倒れ込ませる。

「お前何してくれてんだ? あれ、俺のラストだぞ?」

「い、いやー……○○なら許してくれるかなー、なんて……」

 そう。俺の皿の上に載っているケーキ……いや、載っていたケーキ

は最後のケーキでもあった。

 モカはそんなことは知らないというふうに、ぱくりと平らげる。

「許すかアホ!」

「む……アホとはなんだ、アホとはー!」

「アホだからアホって言ったんだよ!」

「なにをー! アホって言う方がアホだもんね!」

 小学校低学年のような言い争い。

 このまま続ければ無限ループになるだろう。

 それを見越したのか、巴が2人の間に手を伸ばし割り込んできた。

「はいはいそこまで。全く子供じゃあるまいし、そんなくだらない言

い争いはよせ」

「むーー」

 不満そうに頬を膨らませるひまりは「巴が言うなら……」と引いて

くれた。

 そのまま俺の前でひまりが立ち上がる。

「──あ」

 ひまりが立ち上がる……立ち上がったのだが、俺の位置がこれは悪

かったようだ。

 ひまりが立ち上がるのと同時に白のパンツが見えてしまっていた

のだ。しかも、当の本人は気付いていないらしい。

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Page 170: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 現在のひまりはサンタ衣装。

 しかしただのサンタ衣装ではない。ミニスカート……そう、いわゆ

るミニスカサンタコスだ。

 屈む、座る、動く、下手をすれば今回のように立つ。それら何の変

哲もない行動をするだけで、世の男どものサービスシーンとなりうる

伝説の衣装だ。

 今回のパーティーだって俺の家に1番に来て「準備あるから!」と

か言い、これに着替えて出てきた時は正直焦ったもんだ。

「(言った方がいいんだろう……いや、言わない方がいいか)」

 健全な男子高校生○○、審議中。

 考えるよりも目を逸らすというのもあるが、それをしたら男ではな

いと思う。……うん、そうだ。

 ならばどうする?

 幸いにも周りのやつにも本人にも気付かれてない。

 ──これは拝んでおこう。

「ねぇねぇ○○ー。そう言えばさー──」

「ん?」

 くるりとその場で一回転したひまりと目が合う。

 ひまりは上から俺を見るように。そして俺はというと、下から見上

げるように。

「あっ──」

「あ────白、いいよね」

 言い逃れできないのは確定だったので素直に感想を言う。

 言葉と共にみるみる顔が赤くなっていくひまりを見るのはとても

楽しい。楽しいが、それはほんの数秒しか見ることは出来なかった。

「み、見るな変態!!!!」

 手を振りかざすひまり。

 その日、クラッカーは置いてなかったはずなのにクラッカーのよう

な音が俺の家に響いたのだった。

  

167

Page 171: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「あ。もうこんな時間、そろそろ帰らないと」

 ハプニングは起きたもののそこからはいつも通りに時間が流れて

いき、クリスマスパーティーも静かになってきた。

 外も薄暗くなってきているので終わるには丁度いい頃合だろう。

「それじゃあ片付けよっか」

 そういい蘭が立ち上がる。

「あぁいや。片付けは俺らでするからみんなは帰っていいぞ」

 しかし、それを俺は止める。

 不思議そうな顔をされるが〝俺ら〞と言ったためおおよその予想

はついたようだ。

 それは巴とモカも同じだ。

 モカはめちゃくちゃニヤニヤしてるが……、まぁ無視しておこう。

「? 手伝わなくていいの? 割と量あるよ?」

 そんな中、つぐみだけは普通に片付けを手伝おうとしてる。流石、

純粋無垢を具現化したような存在。

「つぐ〜。これから2人は聖夜ならぬ〝性夜〞を楽しむから、ここか

ら出てってほしいんだって〜」

「? せ、せいや……?」

 それでもよく分からないというふうに首を傾げる。

「モカ、つぐみに変なこと教えないで。……じゃ後はお願い」

 モカの飼い主である蘭が首根っこを掴み、引っ張るように部屋を出

て行く。

 その後ろをつぐみが尚も混乱しつつ追いかける。

「さーて、あたしも帰るかー。じゃあな○○、ひまり」

 手を振りながら巴も部屋を出る。

 そして残ったのは俺とひまりの2人のみ。

 取り敢えず、机の上のものを片付けることから開始する。

「それじゃあ片付けするか」

「片付けって言っても知らぬ間につぐが纏めてるんだけどねー」

 机の片隅に寄せられた袋を見る。

 俺らがわいやわいや騒いでる間に、ちまちまとつぐみはゴミを集め

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Page 172: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

ていたのだ。

 そのおかげもあり、片付けは集められたゴミを捨てる、机を拭く、床

に落ちたクズの掃除と想像よりも少ない。

「よーし! 掃除頑張るよー! えいえいおー!」

「おー」

「もー! せめて○○くらいは合わせてよ〜」

 そんな掛け声とともに掃除が始まった。

  「めーーーーっちゃ早く終わった」

 想像していたよりも倍近く早く片付けが終わり驚く。

 片付けが終わった俺達はというと、2人でのんびりとくつろいでい

る。

「つぐのおかげだよー。明日お礼言わないとねー」

「だなー。……ところでさ」

 俺はひまりの方を──自分のベットを見る。

「ん? なにー?」

 そこにはサンタ衣装のままのひまりが仰向けで寝転がっていた。

「お前さぁ、いくら俺らしか居ないっていってもその格好はどうかと

思うぞ」

 目のやり場的に。

 そんな俺の言葉にひまりはごろりと身体を動かし、横向きになる。

「んー? なになにー。私のどの格好がどうなのー?」

 ニヤニヤとからかうように言ってくる。

 自然となのか狙ってなのかは知らないが、ひまりがスカートを少し

動かす。

 ただでさえ短いのに動かしたら……先程のようになるわけで。赤

の下に白の布がチラチラと見え隠れを繰り返す。

 普通に2人で過ごしたかっただけだが、こう挑発されては黙ってる

のも癪だ。

「お前の──」

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Page 173: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 言いながらベットに近付く。

「その格好が、エロいんだよ」

 肩をベットに押し付け、再び仰向けの体勢になるひまり。

「えへへ……」

「……なんで嬉しそうなんだよ」

「だって、○○が私だけを見てるからぁ」

 なんだこの可愛い生き物。

「何言ってんだ。いつもお前しか見てねぇよ」

「えへ〜、そっかぁ……。んっ──」

 目を見据えて言うと、いつの間にか首の後ろに腕を回されていて引

き寄せられてキスをされる。

 俺はそれを受け入れるようにキスを継続させる。

「ん、んんぅ……んふ、ちゅ、ちゅっ……」

「んっ……。今日は、随分と甘えてくるな」

 唇を離し銀の糸が2人を繋ぐ中、ひまりに言う。

「だって最近、2人きりの時間って……なかったから」

 ひまりの言う通り、俺達2人きりの時間というのは少なかった。

 それはひまりが女子高だからとかお互いの部活や、俺はバイト、ひ

まりはバンドなどもあるためだ。

 今日のような冬休みなどのある程度の学校が同時期になる休みと

かではないと、中々都合が合わない。

「みんなと一緒の時間も好きだけど……○○との時間も好き、だから」

「ひまり……」

 そんな考えを持つ彼女が愛おしくて堪らない。

「んぁっ。ちゅ……くちゅ、れちゅっ……ふぁぁ……っ」

 再び、今度は俺からキスをする。

 舌を絡ませ、お互いに深く感じ合う。

「ぴちゅ……はぁ、んちゅっ……ん、はぁっ。えへへ……これ、久しぶ

りだね……」

「っ、あぁ」

 羞恥で頬が染まり、息が少し荒くなっているひまり。

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Page 174: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 いつものような元気な女の子ではなく、俺だけの前で見せる、一人

の女になっている。

 いつもとのギャップの違いは、何度身体を交えようと慣れることは

中々に出来ないだろう。

「あ──っ。上も、下も同時……に、ぃ……っ!」

 サンタの衣装をずらしたり少し脱がしたりして、上下共に白を基調

とした下着を顕にする。

「(もう濡れてんのかよ……っ)」

 スカートを脱がすと白のパンツにハッキリと染みが出来ていて、既

に興奮していることを俺に伝えていた。

 へその部分から胸へと、舌を這わせるように上昇していく。

「ひ、ぅ……ぅぅん……」

 ビクッ、とひまりの身体が震える。

 パンツの内側へ手を忍ばせ、ひまりの秘部を直接弄る。

 少し手を動かしただけにもかかわらず、にちゅにちゅっ、と卑猥な

音を立てる。

「ひ……あぁぁ……っ!」

 ぬっちゅ、ぬちゅ……ぐち゛ゅ……っ、ぬち、ゅ……。

 音は次第に大きくなっていき、俺の手もびしょびしょに濡れる。

 下を弄るのと同時に胸の相手もする。

 ひまりはどちらかと言うと胸……乳首の方が敏感らしい。

 ブラをずらした時に少し触れるだけでも、結構感じてる辺り、相当

敏感というのが分かる。

「──ちゅぅっ」

「んんんんんぅっ!?」

 いきなり敏感な部分を吸ったからひまりの身体が少し跳ねる。

 ピンと上を向く胸の突起物を中心とし俺は胸を舐める。その途中

に、先程のように吸ったり、時には噛んだり、舌で転がしたりと様々

なことをして反応を見る。

「ひ、ぃ……ふぅぅうううっ……! き、きもち──」

 何度もされていることだが、ひまりはその度に感じるのが強くなっ

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Page 175: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

てる気がする。

「あ、あ゛あ゛っ……! だぁ……め、っ……! い゛ぐ……ぅ……、

もう……ぅぅっ!!」

 その合図と同時に乳首を噛み、秘部は指を曲げ敏感なとこを押し上

げる。

 一際大きく身体が跳ね、そして──。

「ぁ──んんんんんんぅーーっ!?」

 ひまりはイった。

 荒い呼吸と共に豊満な胸は上下に動き、これでもかというふうに俺

を誘惑する。

「はぁ、っ……! ん、あ……っぅ……」

 そんな姿に俺の枷は外れる。

 ひまりと、1つになりたい。

 その思いが俺の脳内を支配していた。

「ひまり……イってすぐで悪いけど、俺──」

 そこまで言いかけるとひまりは分かっているかのように、俺のモノ

を自分の秘部へと導き、密着させる。

 ぬちっ……と音を鳴らし引っ付いたそれは、俺の言葉を肯定する行

為でもあり。

「いいよ……。私も、○○のおち……ん、んぅ……それ欲しい、から」

 ひまり自身、我慢できないという表示でもあった。

「っ……!」

 ヌチッ、ヌヂッ……ぐぢ──ぅ、ズッ……!

「あッ────は、ぁ……ひぁ──っ!」

 トロトロの膣内へ一気に根元まで挿入れる。

 膣内はとても熱く、一段とヌルヌルしていてモノが締め付けられ

る。

 それはまるで、離さないというように。

「ひ、ひまり……っ! 締め付け、つよ……っ」

「あああッ! はぁ、ああッ! ぁ……ぃ、ふ……ふか……ぃ゛ぃっ

……!」

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Page 176: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 恐らく、こちらの声が届いていない。……そんな感じがする。

 伝わるとすれば……声ではなく、身体と身体の感覚だろう。

 お互いがそこにいる。

 最も近くに居て、自分を感じてくれて……。それが嬉しくて、とて

も愛おしくて。

「ふあぁあんっ、あっあ──っ! はぅ、ッ……んんんんんっ!!!!」

「ひ……まり……ぃ!」

「あ゛──あぁあ……っ」

 行き場のない思いをぶつけるかのように、膣内の最奥をコツコツと

叩く。

 乱暴にひまりを抱き締めると豊満な胸の柔らかさが自分の肌に伝

わる。

 それと、恐らくこれはひまりもだろうが、お互いの胸の鼓動も伝

わっている。

「ん、んんっ! だめ、ぇ……きちゃう……きもち……すぎて──い、

イク…また、イっちゃ……〜〜〜〜ッ!!!!」

 ぎゅゅゅッ!

 ひまりがイクのと同時に膣内が更に締め付けを強くして、射精の感

覚が上がってくる。

「ぐ、ぅ……! ごめ、っ……ひまり……!」

「ぇ──あ゛が……ぅ!?」

 ばぢゅ、ぱちゅっ! ぐぢ……ぢゅ、じゅぷ! ジュポッ!!

 腰が自然と動き、激しく打ち付ける。

 イったばかりのひまりの膣内は奥を突く度に、更にきゅんきゅんと

モノを締め付けていき、その間隔は徐々に短くなってきてるのが分か

る。

 締め付けられても溢れる程の愛液の影響で尚もスムーズに出し入

れ出来るのは幸いか。

「あ、ぅあ! ひっ、あッ……○○っ! すき……ぃ゛ぃっ、す、き

……ッ!」

「ぐぅっ……! 俺も、好き、だ……! ひまり、ひまり──っ」

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 それが我慢の限界だった。

 どぐっ、びゅぷっ……! びゅるるっ! びゅっ、びゅっ……。

「は──ぁっ! あ……っ! ひぃ……あ、っあ…………!」

 ひまりの一番奥に突き刺し射精する。

 それと同時にひまりは全身を硬直させ、イっている。

 絶頂に絶頂を重ねているだけあり、その姿はとてもエロかった。

 その姿を見ているだけで俺の射精は止まらなかった。

「ぉ……ぅ、あ…………。は、っ……○、○……? んぅ」

 名前を呼ばれキスをされる。

「い、いっぱい……出てる、よ……?」

「ぐ、ぅ……。ひまりの膣内が、気持ちいいから……っ」

「あはっ……っ! ぅんんっ……そっかぁ……」

 顔を緩ませ笑顔になる。

 そのまま俺達はしばらくの間、抱き合って横になっていたのだっ

た。

   行為後、お互い風呂に入り再び俺の部屋に戻ってきて疑問に思った

ことをひまりに質問する。

「そういやさ、ひまりは今日シたかったからあんな衣装着たのか?」

 その言葉に動きが止まる。

「もしそうだったら欲求不ま──ん゛」

 と、俺が言葉を言い終える前に手元にあったクッションを顔面めが

け投げつけられた。

 ひまりは行為の時と同じくらいに顔を赤くし、否定をする。

「ば──バカバカ! そっ、そんなわけないじゃん! どっちかって

いうとそっちが初めは──」

「いや、ベットの上で誘ってきたのはお前が──」

「あー! あー! 知りませんー聞こえませんー!」

「……なんだそりゃ」

 聖夜に欲求不満……か。そりゃ〝性夜〞だなぁ。

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 1人適当に納得をし頷く。

「な、なに……?」

 その様子を見ていたひまりは、たじろぎながら俺の行動を聞く。

「いやぁ? この清き聖なる夜に、サンタさんから良いプレゼントを

貰ったなぁ、と」

「〜〜〜〜っ!!!!」

 俺のからかうような言葉に声にならない声を上げる。

「もう〜! ○○のバカ! 変態っ!」

「なんとでも言ってくださいサンタさん〜」

「も〜〜!!」

「あ、牛になっ──」

「てないよ!」

 そうして、俺のクリスマスは過ぎていくのだった。

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青葉モカと

 「バレンタインデー・モカちゃん♪」

「無理やり入れたね」

 元々の曲のリズムに無理やり合わせつつ、妙なポーズでそれを決め

ている少女──青葉モカが僕の家に来た。

 何で来たのかは容易に想像出来る。

 なんせ今日は世の男子が何かしらの形で浮かれるあの2月14日。

そう、俗に言うバレンタインデーだからだ。

「○○が好きそうだったから〜」

「……嫌いじゃないけど」

「おー、○○が蘭みたい」

「あーはいはい。とりあえず冷えるから中に入りなよ。先に2階上

がってていいからさ」

 基本的に用事や友達から呼ばれない限りは家から全く出ない僕だ

が、そんな僕にしつこくまとわりついてくる人物がいる。それが青葉

モカという人物。

 普段から超マイペース。

 自分の流れを崩さず、またちょっとやそっとでは崩れることの無い

中々のメンタルの持ち主。

 それでいてバンドというまさに僕のような人間とは真逆のことを

やっていたりもする。

 そんな僕とモカが何故関わってるかというと、自分にも分からない

ことが多い。

 先程言ったように滅多なことでは外に出ない僕がモカと出会った

のは近くの珈琲店での出来事だ。

 店の近くで友達と待ち合わせをしていると突然モカから声をかけ

られたのだ。

 『ねーねー。外寒いでしょー? こっち入りなよー』

 時期的には去年の12月。まぁ確かに寒かったし、無駄に早く来す

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ぎたから時間つぶしにはいいかな、なんて考えながらその言葉に乗っ

かり店の中に入る。

 店の中は暖房が効いててとても暖かく、コーヒーの匂いも相まって

とてもリラックス出来る雰囲気だった。

 とりあえず適当に空いている席に腰をかけて──。

『…………』

『…………』

『……なんで横に座るの?』

『え? だってあたしもここに座ろうと思ってたからー』

 これがモカとの最初の会話だった。

 というか、全てはここから始まったんだと今になっては考える。

 友達が来たのは30分後。その間で僕とモカは趣味が合うという

ことで一気に仲良くなっていたのだ。

 僕がたまたま持ってたマンガについて熱く語っていたり、逆に僕も

好きなゲームについて語っていた。

 その次の日、僕は「もしかしたら──」とモカに会いに行くかのよ

うにその珈琲店に顔を出していた。そしてその行動は無駄にはなら

ず。

『つーぐー──って、お?』

 その日以来、僕はその珈琲店──羽沢珈琲店の常連となっていた。

 それから半年ぐらい経ったある日だろうか。他の人から僕らにつ

いてとある質問を貰った。

『モカと○○ってさ、付き合ってるのか?』

 まぁ何とも馬鹿げた質問だと思った。

 ただ趣味について語り合ってるだけなのにそれが男女というだけ

で彼氏彼女になるだなんて、安直すぎるにも程がある。

『うん。そだよー』

『──は?』

 僕とモカはそういう関係ではない──のだが、モカはいつもの表情

を全く変えず、さも当然かのように返事をする。

『お、おいっ! 何言って──』

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Page 181: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

『──ね?』

『っ』

 否定の言葉を言おうとするが、モカに指を絡まされるように手を繋

がれて思考が停止してしまった。

  ──とまぁ、過去にそんなことがあり今では普通に周囲からはカッ

プルだと思われてる僕ら。……いや、実際には違うけど。

 しかし、だからだろうかモカは昨日ラインで『明日チョコとプレゼ

ント持っていくからー。楽しみにしててねー』と謎のメッセージを

送ってきた。

 よく分からないが彼女(仮)としてのせめてもの行動なのだろう。

と、僕は捉えている。

「(嬉しいからいいけどさ……)」

 2人分の飲み物を用意した僕は2階へ向かう。

 それにしてもチョコは分かるがプレゼントはなんだろう。チョコ

がプレゼントじゃないのかな……。

 昨日のメッセージを思い出しながら移動していると、既に自分の部

屋の前に着いていた。

 部屋の中からは何やら袋をガサガサとする音が聞こえる。

「モカ? 何してるの?」

「んー?」

 扉を開けると〝何か〞を頬張るモカがそこには居た。

 床にぺたりと座っているモカの周りには市販のチョコがいくつか

開けられていて、モカの手にはおそらくそのチョコだろう物が掴まれ

ていた。

「……チョコ? え、それ……」

「ん、あー違うよー。○○にあげるチョコはこっち。これはあたしの

個人的な物だから」

 言いながら手のチョコを口の中へ運ぶ。

「あ、ありがとう……」

 手渡された箱はご丁寧にリボンが可愛らしく巻かれていて、いかに

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Page 182: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

もバレンタインという感じがする。

 同年代の女子からこうしてチョコを貰うのは初めてだったので胸

が高鳴る。

「あとはプレゼントなんだけど〜。……少し準備がいるから部屋の外

で待っててくれるー?」

「う、うん」

 準備をするほどのプレゼント……なんだろう、無性に気になってき

た。

 僕はモカの言う通り部屋を出る。出る直前に「そのチョコでも食べ

て待っててよ〜」と言われたので、扉を見るような形で壁に身体を預

け待つことにする。

「(……美味しい)」

 モカから貰ったチョコはおそらく手作りだろう。市販でこんな

チョコを見た記憶がない。

 扉と向かい合いつつチョコを食べること5分。それくらい経った

くらいに部屋の中が少し騒がしくなった。

「モカー? いま変な音したけどー?」

『んー。気にしないでー』

 僕の言った変な音というのは何かが落ちる音のことだ。ドスン、と

物が落ちるか人が倒れるかの音が聞こえたのだ。

 あまりにも気になったので扉に耳をあてて中の音を聞いてみる。

「…………」

 聞こえるのはモカが独り言を言いながら何かをしているのと、袋を

ガサガサとする音だけだった。

  『いいよ〜』

 ──そして待つこと10分くらいだろうか、部屋の中にいるモカか

ら声がかけられた。

 そんな大掛かり……部屋の中を飾り付けでもしてたのかな、なんて

思っていたが、扉を開けると僕の全く予想してない光景が広がってい

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Page 183: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

た。

「も──モカ!?」

「はーい。あなたのモカちゃんですよ〜」

 目の前に広がっていた光景……それは、モカが服を脱いで下着姿と

いうこと。

 そしてそれだけではなく、モカ自身に赤いリボンが巻いてあり

……。

 僕は反射的に背を向ける。

「ふ、服着てよ! なんて格好を──!」

 普通に背を向けて見えないのに、重ねて目を閉じている僕だが、そ

のまぶたの裏には一瞬だけしか見てないはずのモカの肌が焼き付い

て離れない。

 柔らかそうな胸や白い四肢。色々と女の子と連想させるような部

分が鮮明に、ハッキリと残っていた。

「○○〜?」

 後ろからは目を逸らしたことに不満があるように僕を呼ぶ声が聞

こえる。

「せっかくのプレゼントなんだか、貰ってもらわないと困るよ〜」

 ぷ、プレゼント? 〝それ〞が?

 あまりにも飛びすぎた発想で思考が追いつかない。モカは一体何

を考えてこんなこと……。

「ねぇ、○○──」

「──っ!?」

 突然背中に柔らかい感触が伝わってくる。そしてモカの声は耳元

で聞こえていて。

「女の子の気持ち、無駄にしちゃダメなんだよ?」

 その声は僕の理性を徐々に削っていく。

 無駄になんてしていない。

 というよりも、受け取るに受け取れないプレゼントを前にして、僕

はどうすればいいというんだ。

 口だけの関係、真実ではないことを適当に言ってるだけの関係なの

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Page 184: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

にそんな身体どうしの交わりは持ってはいけない。

「やめよう……モカ。そういうのは本当に好きな人だけにやってよ。

いくら冗談でも……僕だって男なんだから、ダメなんだよ……っ」

 モカがどうかは知らないけど、いくら口だけだとは言い、僕はモカ

に好意を寄せていることは確かだ。

 だからこそちゃんと告白もしていない、こんな偽りの関係でそんな

ことは遊びでもやってはいけない。

「……あたしは○○のこと好きだよ?」

「それは趣味の合う友達として──うわっ!?」

 反論をしようとする。するとその時、僕の視界が急に傾いた。

 後ろにグイッと引っ張られるような感覚と共に僕は床に倒れ込む。

「いっ──つ……。今度はな──」

「あたし、本当だよ」

 その言葉は今までにない程の近さで聞こえた。

 いつの間にかモカは僕に跨るような体勢になっている。

 モカの顔は文字通り目と鼻の先、少しでも動こうものなら簡単に触

れるだろう。

「冗談じゃないんだよ? ……もう抑えれないんだ、○○のことが好

きだって気持ち」

「(ま、まずい……。色んな意味でまずい……!)」

 この告白もだが、それ以上に僕の視界に入り込む情報がまずい。

 モカの顔が目の前にあり直視したくなかった僕は下の方に自然と

視線をズラしていた。なのだが、下にずらすということは現在下着姿

のモカのを見るということほかならない。

 何が言いたいかと言うと、現在僕の視界にはモカの谷間が映ってる

のだ。

「(い、意外と……)」

 胸を見て思わずそんなことを考えてしまう。

 そんな僕の様子というか視線に気付いたのか、モカはわざとらしく

ブラの隙間に指を入れチラッと見せつけるように動かしてきた。

「お願い……あたしを貰って……。色々言ってるけど、○○だって期

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Page 185: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

待してるんでしょ」

 その言葉とともにモカは僕のモノのある部分を手で優しく撫でる。

「こんなに大きくして、バレないとでも思ってたの?」

 異性にその部分を触られ尚更興奮してしまう。

 確かに気付けば僕のモノはズボンの上から分かる程にパンパン

なっていた。

 そのままチャックを下ろされ、勃起しているモノはそのまま勢いよ

く外に姿を現す。

「っ、大きい……ね」

 初めて見るのだろうそれを目にして、モカは動きが固まった。

 心做しか少しモカの息が荒くなった気もする。

「わ……こんなに熱いんだ……」

「モカ……っ」

 自分の手ではない手が初めて触れ変な感覚に襲われる。

「はぁ……っ、はっ……」

 そのままモカはモノを掴み上下に動かし始めた。

「こうするんだよね?」と上目遣いに聞かれつつ、ぎこちなさ残るその

手つきは僕の興奮を異常な程に高めていく。

 手を動かす度に射精感が上がってくる。

 自分でするのと大違いなのは女の子が……それも気を寄せている

子がしてくれているからなのだろう。

「くっ……モカ、射精る……っ!」

「え……あ、うんっ。いいよ……そのまま──」

 モノの先端から勢いよく白い液体がほとばしる。

「くぅっ……!」

「わっ」

 気持ちよさにビクッ、ビクッと痙攣し腰が少し浮いてしまう。

「(こんなに射精したの初めてだ……)」

 モカの手には僕の精液がかかっている。それをモカは凝視して、そ

の後僕のモノに視線をやる。

 顔が、身体が熱い。熱でもあるのではないかというくらいに熱く感

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Page 186: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

じる。

「すご……こんな……」

「ごめんっモカ!」

「ひゃぁ!?」

 我慢できずに今度は僕がモカを押し倒す。

 らしくない声を上げつつ、押し倒されたことに動揺をする。

 僕自身、こんなことやりたくなかった。しかしこんなのをされて

黙ってるほどアホじゃない。

「そっちが悪いから……こ、後悔、しないでね……」

「後悔よりも……あたしは幸せと感じるかも」

 頬を染めつつ今の状態を〝幸せ〞だと言う。

 なんだ、本当に……期待していいのか? モカは僕のこと……好き

なのか?

「──さ、触るから……」

 僕は自分の手をモカの下半身──秘部を覆い隠す布を重ねる。僕

の言葉にこくりと頷くと、まるで触りやすくするかのように脚を少し

だけ開いた。

 唾を飲み込みつつも僕はモカの秘部を覆う下着に指を触れさせる。

「モカ、濡れてる……」

「んっ……♡」

 くち……、と水音をたて指が下着に沈んだ。

 指が触れるとほぼ同時にモカはビクリと身体を小さく震わせ、声を

漏らす。

 今までに聞いたことの無い声に僕の鼓動は更に速さを増してしま

う。

「(か、可愛い)」

 モカの知らない一面をもっと見てみたい。その一心で、白に浮び上

がる染みを広げるかのようにスジに沿って指を動かす。

「焦らさないでぇ……っぅ」

 それを焦れったく感じたのか、モカは僕の手を掴みそのまま下着の

内側に突っ込んだ。

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「!?」

「○○の見た時からここがむずむずするの……だから、ね……?」

 指はスジに入りかかり人の体温を直に感じている。

 今まで体験したことの無いことに対し、僕を未知への探究心がつき

動かした。

 指の間接を曲げモカの秘部──膣内へ指を侵入させる。

「あっ、んっ……♡」

 くちゅ、くちゅ、くちゅっ。

 その中は暖かく、とても不思議な感触がした。

 指を器用に動かし、モカの内側を擦る。

「っ……ふっ……んぅ♡」

 僕が指を動かす度に身体を震わせ声を漏らす。

 可愛い。

 ただその事しか頭にない。モカの事しか考えれない、匂いも感触

も、全てがモカに包まれるような……。

「っ、は……あ……♡」

「……!」

 とろん、とした表情で身体を震わせるモカはとても艶っぽく、僕の

我慢は限界に達した。

 それはモカも同じだったらしく、僕の手を退かしながら。

「ねぇ……あたし、お腹の奥切なくて……。我慢できないよ……」

 自分の秘部を指でくぱ……、と開きつつ僕を誘った。

「き……きて……。○○の、ちょうだい……っ♡」

「──っ。モカ、力……抜いてて……」

 モカの秘部に己のモノを重ねる。

 ぬちゅ……、という音と共に僕のモノは徐々に奥へ侵入してゆく。

「んっ……ぅぁ……っ!」

「くうっ!」

 僕のモノが全部モカに包まれる。その連結部からはやはりという

か、血が出ていた。

「く、ぁ……モカ……痛く、ない……?」

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「……! ……!」

 こくりこくり、とモカは頷く。

 しかし手で口を抑え、涙を滲ませている姿を見るととても大丈夫な

ようには見えない。

 僕はその小さな身体を抱きしめる。

「大丈夫になったら言って。それまでは、こうするから」

「ん……」

 モカも僕に手を回しお互いに密着する形になる。

 無言の空間にお互いの鼓動や体温が伝わり、言葉を交わしている時

よりも熱が上昇するのを感じる。

 いつも強がってるように見えてたから、こうして自分を──青葉モ

カという少女をさらけ出してくれるのは、とても嬉しい。

「も……いい、よ……」

 1分くらい抱き合った後モカが動いていいと言う。

「え、でも……」

「大丈夫だよ……○○、動きたいでしょ……? 遠慮しないで……」

「そ、それじゃあ……」

 僕は言葉に甘えゆっくりと腰を動かし始めた。

 モカの膣内はキツいものの、愛液のおかげで滑りがよく、思ったよ

りもスムーズにピストンが出来た。

「んぅ……ぁ、っ♡ ん♡ あっ……♡」

 パンッ、パンッ! と、一定のリズムで腰を打ち付ける。

 モカのことを思い一定のリズムでしているがそれ以上に、自慰行為

とは全く違う快感に襲われ、これ以上スピードを上げるとすぐに達し

てしまいそうというのもある。

「モカっ、モカっ!」

「ひぁっ!? ぃ──っ♡」

 ゴツン、と奥に到達しモカの身体が大きく跳ねた。

「はっ、はっ……♡ な、に……奥、んんぅ……っ♡ きて……っ♡」

「モカ……モカっ! 好きだ! 好きだっ!」

 1度繋がったらもう止められなくなっていた自分の気持ち。それ

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Page 189: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

を初めてモカに伝える。

「あたし、も……すきっ♡ だいすき……だよ……っ!」

「(締め付け……強くっ!?)」

 まるで〝好き〞という単語に反応するかのようにキュンキュン締

め付けが強くなる。

 振り切った想いは、自分の限界を越えさせるには十分な要因だっ

た。

 ぐぽっ、ぐぽっ、ずち……ずちゅっ!

「すき、ぃ……○○……のこと……! あっ、うぁ……あっ、ああッ!」

 徐々に締め付けが強くなる中、僕の限界はすぐそこまで迫る。

「ごめっ、モカ……僕、もうっ」

「あっ、はっ……♡ あたしもっ……のぼって、きて……んっ! イキ

そ……だからぁっ」

 再び僕らは抱き合う。

 しかし先程よりも強く、痛いと感じるくらいに、飛びそうになる意

識を留めるように、お互いを感じるように、抱き合った。

「射精るッ……モカ! モカ──っ!」

「ふぁ……ぁ──ああぁああッ!!!!」

 勢いよく一番奥に突き付け、射精する。

 絶頂からお互いに痙攣する僕達は、繋がったままその余韻を感じて

いた。

「まだ……出てる♡ えへへ……そんなにあたし、気持ちよかった

……?」

「ぅ……うん……」

「そっかぁ……」

 その余韻が去るまで、僕らは抱き合って時間を過ごしていたのだっ

た。

  「ねぇ、モカ」

「なぁにー?」

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 行為が終わった後、僕らは背中合わせに寝転がったままだった。

 どちらから、というのは分からない。ただ、気が付いたらこういう

体勢になっていたのだ。

「僕達……付き合ってる、んだよね」

「そだよー」

 先程とは一変、普段のモカに戻った気がする。

「エッチしちゃったからね〜」

「うっ」

 改めて口にされると気恥ずかしくなってしまう。

「(でも……)」

 あの蕩けた表情のモカはずっと忘れれないと思う。

 というか、思い出しただけでモノが反応してしまう。

「ねーねー○○」

「な、なに──」

 つい邪なことを考えていたため、急に名前を呼ばれ慌ててしまう。

 僕が返事をすると同時に、目の前に後ろにいたはずのモカの顔が現

れて──。

「んっ──」

 キスをされた。

 僕にとってはファーストキス。思考が追いつかないまま、僕は呆然

としている。

「えっへへ〜。どう? 最高のプレゼントでしょ?」

 でもそれは、モカの気持ちの証明でもあった。

「うん、最高のプレゼントだね。……ありがとうモカ」

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倉田ましろに

   部活をしている生徒以外は大体帰宅して静かになる放課後。その

放課後のとある空き教室で1人の少女が膝を着いていた。

「ぉ゛ぇ──っ」

「倉田ァ、お前月ノ森の名に泥を塗ったらしいなぁ?」

「っ゛──!?」

 ドス、と重い音と共に少女の身体に拳が撃ち込まれる。男の拳は少

女にはとても重く、腹に深くめり込んだ。

「お゛──ぶっ」

少女

 

──倉田ましろは最近行ったライブで失敗してしまった。

 いや、失敗もなにも初めてだからしょうがないのだ。そう簡単に上

手くいくわけがないのだ。人見知りな私がバンドなんて……「もしか

したら?」なんて心のどこかで思っていたんだ。

 ライブは上手くいかなかった。私の入学した高校の名前だけでラ

イブする前から期待が高かったらしく、SNSなどでは相当声が上

がっていたらしい。

 しかしライブは失敗。早かったり、声が小さかったり……ライブ後

のSNSは非難の嵐だった。それだけに留まらず、ライブ当日には

こっそりと何人か月ノ森の教師が観に来ていたらしく、そのライブを

観て週明けの学校である呼び出しがかけられた。

 それが──。

「そうなんですよ。他のやつはまぁいいにして、こいつは声すら発し

てませんでしたからね。何の為にバンドでボーカルをしてるんだ、っ

て感じですよ」

「ふん……。おい倉田。声を上げてみろ──よっ!」

「ぃいっ゛!?」

 再び拳がめり込む。

 私に対する指導。

 それが呼び出しの内容だった。

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「や……」

「ん?」

「や、め……て……」

 力が入らず震える足とズキズキと痛むお腹を抑えながら私は何度

目か分からない言葉を言う。

「だーかーらぁ……」

 しかし返ってくる返事は回数を重ねる毎に強く、大きくなる。

「声が小さいって言ってんだろ!!」

「う゛ぶ……!? ……っあ、ごほっ! ごほっ! ……ご──ぅっ」

 咳き込みと共に嘔吐感が上がってきて口を慌てて抑える。

 酸っぱい、焦点が合わない、気持ち悪い、痛い、痛い、痛い。なん

で。なんで私がこんな目に会わないといけないの? 下手だから

……才能がないから?

「喉に物が詰まってるから声が出ないのか? ……どれ。俺が優しく

叩いてやるよ」

 そういうと男性教師はしゃがんで私と目線を合わせる。

 やめて

 なんて声は発する事が出来ず、そして。

「ほらよ、一度出してスッキリとしな!」

「ぐぁ──っ!? ぶっ! ぉえ──っ、んぐ……お゛え──」

 嬉嬉として殴る教師とは真逆に、痛みで目を見開き私は溢れ出る嘔

吐感を我慢できずに口から嘔吐した。教室の床に吐瀉物が落ちる。

「どうだぁ? スッキリしただろ。さて、さっきはなんて言ってたん

だ?」

「っ──っ、ぅ……」

 ──人じゃない。

 人の形をした化け物に恐怖する。こんな目にあうくらいなら死に

たい。そんな考えが脳裏をよぎった。

 いつまでも返事をしない私に腹を立てた教師が、私の胸ぐらを掴

む。

「おい。なに無視してんだ」

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「ひっ……。ぁ、む……無視してな──い゛っ!?」

「ひゅーっ! 良い音鳴りましたねぇ!」

 パァン! と教室に頬を叩いた音が鳴り響く。

「……? ……?」

 視界が一瞬で横に向かされたから状況整理が追いつかない。そん

な間にも教師達は次の行動に移ろうとする。

「というか先生。早くメインを食べましょうよ」

「あぁ、そうだな。身体は極上かもしれないからな」

 乱暴に机に押さえつけられる。頭側と足側にそれぞれ立ち、腕と足

を掴まれ身動きが取れなくなる。

「な、なにするの……」

「いやまぁ〝なに〞って、そりゃやる事は1つだろ?」

 ニヤリと笑うその顔で今まで以上に嫌な予感がした。

「──っ!?」

「おっほ。綺麗なまんこしてんじゃねぇか!」

 下着を思いっきり脱がされる。そして私の秘部が教師の前に顕に

なった。

「み、見ないでっ!」

 じたばたと動くが男2人の力には当然勝てるわけなく、ガタガタと

机が動くだけだった。そんな抵抗にならない抵抗をしている間に、教

師は私の股に頭を入れ込み秘部を味わうように舐め始めた。

「んん〜……じゅる、じゅるっ」

「ひっ……き、気持ち悪──んぐっ!?」

「おっと。変な言葉は使わない方がいいよ」

 腕を掴んでいた教師から何かを口に入れこまれた。熱く、変な匂い

がする……。

「ん゛ーーっ! ん゛う゛っ!?」

 顔を掴まれ、その何かを──腰を前後に動かし私の口に打ち込む。

身体のどこ部位の物かがその時分かり、私は自由になった手で必死に

抵抗をする。

「あー気持ち。お前もう声出なくてもいいんじゃね? 口マンコは

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めっちゃ気持ちいいぞ? 才能の塊だよ」

 訳の分からない事を言われ混乱する。

「喉奥やべぇ……っ! 射精る……!」

「お゛っぅ……んーーっ!?」

 口の中の物がビクビクと跳ね、熱くて苦いものが口の中で出され

る。それが精子だとすぐに気付き、吐き出そうとするが喉奥にまで男

性のモノを押し付けられ、飲み込む事しか出来なかった。

「──下の様子はどうですか、先生」

「ぴちゅ、ちゅ……じゅる……っ。えぇ、相当良い感じですよ。この変

態、無理矢理フェラさせられてるにも関わらず感じてたようですし

ね」

 気持ち悪い笑みを浮かべつつ有り得ない事を言う。

「…………」

「お? 何だその反抗的な目は」

 私は「そんな事は無い」と否定するように睨みつける。だけど、そ

れも無意味になる。

「すーーっ……ふざけてるのか!!」

「ぃぎっ!?!?」

 拳が垂直に私の身体に刺さる。体重を乗せながらの一撃は今まで

よりも深くめり込み、体全身が震え始めた。

「おいおい。教師に向かっておしっこをかけるなんて、どんな神経し

てるんだ?」

「ぁ、あ……あ……」

 意識はあるけど視界がボヤける。何があるのか分からない。

「まぁまぁ、そう怒らないで。今から下のお口をチェックするんです

から。こっちも優秀なら許してあげましょうよ」

「まぁそうですね。さて、それでは先生。いただいちゃってください」

 ……声が遠い。何を話してるんだろう、もしかしてもう終わるのか

な。

 そんな期待は激痛と共に否定される。

「ぃ──っ!?」

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「やはり処女。そして……最高の締まり具合だ!」

 私の秘部に教師のモノが入っていた。お腹に激痛と痛みとは違う

変な感じが伝わる。

 無理矢理ねじ込まれ、引き裂かれたような感覚。いや、実際にそう

だ。

「──っ! ──っ!!」

 声にならない声が上がる。必死に抗い、藻掻くがそれは何の意味も

成さない。

 どこで間違えたのだろうか。ただ、その事だけが頭の中で駆け回

る。バンドなんて似合わない事を始めたから? 私が自分から行動

したから? いや……そんな事よりも間違えていたのは──。

月ノ森

「(

に来たからなのかも)」

 今着ている制服を恨む。

 何か私にも見つかる。私だけの何かが……特別な、何かが……。夢

を抱いて踏み出したのが間違いだったんだ。

 ズキズキと痛むのは心か身体か。

「っ……ぅ、あ……!」

「倉田はまんこの才能は一流だな! すごい名器だぞ! 月ノ森の名

に相応しい!」

 乱暴に腰を打ち付けられる。普段聞かない音が静かな教室に響き

渡る。それに、汚い教師達の声も。

「くぅっ!? く、倉田ぁ! 射精すぞ……射精すぞぉ!!」

「! っあ……め、だめ……やめ、て──っ」

 教師の腰がより強く押し付けられ、私の奥へと到達したかと思う

と、いきなり震えだし〝熱い何か〞が身体の中へ出される。

「あ、あぁぁっ……あああぁぁああっ……!」

「ぉ、おおっ……搾り取られるぅぅううう」

 教師の震えは止まることなく私の中へとその震えと共に熱い何か

を吐き出し続ける。

「あっ……う、ぁ……」

 熱はあるのに冷めたような感覚が這い上がってくる。それと共に、

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周りの音という音が遠のいていくのも感じた。

 ──夢だといいな。

 この学校に来たのが、全部、全部……夢だと。

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北沢はぐみと(妹版)

 「ただいまー」

「あらおかえりー。2階上がるんでしょ? ついでにはぐみ呼んでき

てくれるー? そろそろご飯だからー」

 家に帰ると母さんが飯の時間だから、とはぐみを呼んでくるように

と頼まれた。

 因みにはぐみと言うのは北沢はぐみ。俺の妹で高一の女の子だ。

人なっつこくて、いつも笑顔を振りまいている。本当に俺の妹か? 

と何回も考えたほどでもある。

 そんな妹は〝おそらく今日も〞俺の部屋に居るのだろう。

 別に俺の部屋に居ること自体はいいんだ。昔から俺の部屋で漫画

を読んでたり、ゲームをしてたりがあったから俺の部屋はあいつの部

屋、という面はなくもない。だけどいつからだろうか、あいつが俺の

部屋でとある行動を取るようになったのは。

 俺は階段を登り2階へ行く。そして足音を消して部屋の扉の前に

行き、扉に耳を当てた。

「──っ。ふっ、んんっ……んっ……ぅ」

「(……まぁだよな)」

 扉越しに聞こえるのは女の子の艶っぽい声。声は聞き間違えるわ

けがない、妹であるはぐみの声だ。

「はぁ……っ、ぁ……っく……んんっ……」

 全く、本当にどうしたもんか。

「……んっ。ふぁ、ぃ……ちゃ……っ」

 頭を掻きながら俺はドアノブに手をかける。そのままガチャ、と回

し扉を──。

「うわっ」

「…………」

 開けると同時にはぐみが俺の部屋から飛び出すようにして出てき

た。なるべく俺とは目線を合わせないように下を向きつつ、それでい

て一瞬だけ合った目は何かを伺ってるようにも感じ取れた。

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「お前なぁ、勝手に部屋入るのやめろって言ってるだろ〜」

「は、はぐみ知らないっ」

「あっ、おい」

 そそくさとはぐみは自分の部屋へ入ろうとする。

「せめて認めるか謝るかぐらいしろって〜!」

 俺の言葉に一度は止まったが、はぐみは部屋に入りバタン! と扉

を閉めた。

 俺ははぐみの去った後の自室を見渡す。いや、見渡すというか1箇

所を──俺のベットを見る。分かりやすくシワが出来ている俺の

ベット、そしてどことなく残る俺とは違う匂いはそこで〝何を〞して

いたか、なんてのを容易に想像させる。

「鉢合わせでもしたらどうすんだよ……」

 俺の呟きは部屋に消えていった。

  「はーぐーみぃー」

「えっ……きゃっ」

 リビングで座っていたはぐみの頭を後ろから鷲掴みする。はぐみ

はらしくない声を上げながら身を縮めた。

「部屋に入るのは良いって前に言ったけどなぁ、せめて出る時は綺麗

にしていけよ」

 ガシガシと手を動かして髪をグシャグシャにする。

「それとさ。お前、俺の部屋で毎回毎回何してんだよ」

「えっ」

「いつもいつも人のベットで寝てるから気になるだろ、そりゃ。──

寝てるんだろ?」

「!」

 俺の図星を突く言葉に身体を硬直させ顔を赤らめるはぐみ。し

まった、とでも思ってるんだろうか。

 これは忠告。最近度が過ぎてるから「お前は気付かれてるんだぞ」

という意味を込めた忠告をする。だが敢えて〝何を〞しているのか

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は気付かないフリをする。

「〜〜っ」

 それにも関わらず、はぐみは変に意地を張る。

「ふ、布団で横になって漫画読んでただけ……だから、そんなに散らか

してない、もん……」

 伝わってんのか、これ? とため息をつきながら今度は軽く頭を叩

く。

「別に入るな、なんて言わないしそんなに気に入ってんなら来てもい

いけどさぁ……」

「…………」

 どこか納得しない表情を浮かべる。

 本心に素直すぎる故にはぐみはこういう時に感情が表情に現れや

すい。

「……まぁいいけどさ」

 ため息をつきながら横目で流すようにはぐみを見る。ほんと、変な

事にならない事を祈るばかりだ。

   夕飯を食べ片付けが済んだあとそれぞれ風呂に入る。その後はぐ

みはすぐさま2階に上がった。

 その後ろ姿をなんとなく眺めながら俺は飲み物を口にする。食事

中チラチラとこちらを見てきて妙に落ち着かなかった感覚が残って

いて、しばらくはぐみと距離を起きたくなったのだ。

 別に兄妹だし……そんな事気にしなくていいのだが、あいつは妹で

ある以前に1人の女の子。〝そういう事〞をしてるのを知って尚も

平然を保て。というのはあまりにも酷なことだ。

 めんどくさい。

 何時からだろうか、あいつが俺の部屋で自慰行為に浸るようになっ

たのは。あぁ見えて欲求不満なのか、それともただ緊張感を味わいた

いのか……。どっちにしても俺にとっては気まずいにも程がある。

 時間をずらして俺は自分の部屋に戻る。何度目かのため息を着き

196

Page 200: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

ながらも扉を開け部屋に入ると──。

「……は?」

「…………」

 何故かはぐみが俺のベッドの上にペタンと座っていた。

「さっき来ていいって言ったから」

 そんなことを言い布団を被る。

 確かに俺は来ていいとは言った。言ったのだが……。

「普通に考えろよ。俺が居ない時は──って意味で……」

「だめなの?」

「…………」

 悲しそうにするはぐみの顔を見てたじろいでしまう。なんだコイ

ツ、何なんだ。

  「兄ちゃん寝るの? はぐみ電気点いてても寝れるよ?」

「俺が気になるんだって。……寝るの今日だけだぞ?」

 まさかこの歳になって妹と枕を並べ寝るだなんて誰が予想しただ

ろうか。それも高校生の妹と、だ。

「兄ちゃん、明日はぐみ起こしてあげよっか?」

「大学昼からだからいいよ別に。つーか寝ろ」

 投げるかのような雑な言い方に少し頬を膨らませながらもはぐみ

は眠りにつく。

「……おやすみ」

「あぁ、おやすみ」

 …………凄い違和感しかない。

 まず後ろに体温を感じること。毛布が変に引っ張られること。そ

して、自分じゃない匂いが微かに漂うこと。

 こいつって、こんないい匂いしてたのか。

 ついそんな事を考えてしまう。同じ家に住んでんだから同じ、なん

てことはなくしっかりと女なんだと思う。

「(寝れねぇ)」

197

Page 201: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 とりあえず目をつぶっているものの寝れる気が全くしない。

「……兄ちゃん」

「…………」

「ねぇ……寝たの?」

 背中をつんつんと指で触れられるが俺は心を無にして無視を続け

る。反応したら厄介なことになるのは分かりきって──。

「……っ、ふっ──ぅ」

「(!?)」

 布団が擦れる感触、微かに軋む音のするベッド。そして、後ろから

聞こえる声を抑えているはぐみの声。

 正直「冗談だろ」と思った。だがこれは……。

「んっ……ぁ。ふ……っ、ぅ……」

 生殺しすぎる。

 下半身が反応してしまう。妹相手に、なんてありえない事だが実際

そうなってしまってるからしょうがない。

「(……終わるのを待つか)」

 小さな喘ぎ声を聞かぬふりをして遮断しながら俺は暗闇の中へと

意識を落とそうとする。

 しかしはぐみは俺の予想を超える行動を始めた。

「兄ちゃん……っ」

「(手──!?)」

 俺の手を引っ張りはぐみはあろう事か自分の秘部に添えたのだ。

 変な方向に腕を引っ張られ痛いという感覚はもちろんある。だが

それ以上に手を通して伝わる柔らかい感触に脳内は支配されていた。

「はっ……っぁ……」

 柔らかい……ヌルヌルしてる……。指が、沈む。

 初めて女の子のソコを触った感覚はそうだった。例えがたい感触

に脳は新たにそれを記憶しようとするが、情報量の多さにキャパオー

バーを起こしてるように思える。

「はー……は──っ」

 はぐみが俺の指を操り快楽を求める。その度にはぐみは身体を震

198

Page 202: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

わせ、俺は脳が刺激される。

「にい、ちゃ──っ、んんっ……」

 快楽に飲み込まれてるのかはぐみは声を抑えることを忘れている

かのように声が普通の大きさに戻り呼吸も荒くなり始める。またそ

の異常とも言える行動は徐々に激しさを増していき──。

「……ぅ。奥、に……んんぅ……!」

「(沈……っ)」

 ヌプ……、と沈む指に驚きつい指を動かしてしまう。だが興奮して

いるはぐみはそれに気付いていないようだ。

「(……上……か?)」

 どうか分からないがそんな感じがしてつい自分の意思で指を動か

してしまう。くいっ、と指を曲げ膣内の上側を擦るように押し上げ

る。

「ふぁ! そ、こ……もっと……」

「っ、あ……はっはっ──!」

 気付けば俺も呼吸を抑えれずにいた。俺のモノはギンギンになっ

ており、今の状態を表している。

 膣内の上を擦るとはぐみは身体を震わせる。

 それは回数を重ねる度に大きく、隠すことを止め始めていた。

「にい、ちゃ──にいちゃん──っ! イっ──!」

「〜〜〜〜っ」

 ビクッ! ビクッ!

 より大きく身体を震わせる。その後、数回痙攣するかのような動き

……。おそらくイったのだろう、兄の手で。

「っ、ぅ……あ…………ふぁ……」

 キュ、と締め付ける膣内に指を残しながら様々な感情が渦巻く。

 止めろ。何も無かったことに。俺は何もしていない。こいつが─

─。これは夢。無視。ダメだ。こいつは妹。兄妹で。踏み越えるな。

その先は────

  

199

Page 203: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

普通の関係ではない

  「────っ!」

「ぁ」

 布団を跳ね除けはぐみに覆い被さる。

「お前……やめろよ、こういうの……」

 目を見開くはぐみは服をたくし上げていて小ぶりな胸が顕になっ

ていた。こうして見て分かったが下だけでなく胸も弄っていたのが

分かる。

「……ぅ、あ」

 涙目のはぐみは何かを伝えようとするが口元が震え上手く話せな

いようだ。

「何も、無かったことにしてやる……から……。部屋に戻れ……」

 これは必死の抵抗だ。自分自身を押さえつける。

 だがそれさえもこいつは──。

「で、も……っ。ここ──おっきく、なってる……。興奮、したんで

しょ……? はぐみで……っ」

 ズボンをたどたどしい手つきで下げられた瞬間、俺は頭の中で何か

が切れた音がした。

「お前のせいだからな──!」

 下着を乱暴に下げて秘部と下着の隙間に俺はモノを擦り付けるよ

うに入れ込む。下着に着いた愛液と秘部からとめどなく溢れる液に

より思ったよりもスムーズに滑る。

「んっ。ぁっ、んっ……ん……」

 そんな声──!

 クチュクチュと音が立つ度に俺の興奮は加速する。ただでさえ、 

妹にこんな事してるってのに……。

「っ、ぅあ」

「兄ちゃん……ここ……」

 顔を覆い隠していた手を動かして誘導するかのように秘部を拡げ

200

Page 204: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

る。ヒクヒクと蠢くそこから目を離せずに、俺は凝視してしまう。

「……はぐみ」

「ぃ……よ。兄ちゃんなら……嫌いじゃない、し……」

「ごめん──」

 一言、何に対して謝ったのか、どこに向けたのか分からない言葉を

発し、俺ははぐみの導きに従うようにモノを挿入れる。

 ゆっくりと進み、膜を貫き、俺達は1つになる。

「ふっ、ふっ……ぅっ……」

「(熱い……)」

 初めはゆっくりと腰を動かす。血は出ているが思った以上にス

ムーズに動けてしまう。はぐみはというと痛みに顔を歪ませるもの

の、決して嫌そうにはせずに……なんなら俺を受け入れるかのような

表情で見つめられる。

 覆い被さって改めて思うがはぐみって小さいんだな。俺の体の内

側に収まって、影の元にいる。

「はぐみ──」

「! ぇ──んっ──」

 愛おしく感じて唇を重ねる。それを拒否する訳でもなくはぐみは

受け入れるようにキスを返してくれる。

「(舌、小さ)」

「ふぅっ……ふっ、う……。ん、に……ひゃ……」

 色々小さいのに俺のは全部入って……身体の相性とかあんのか?

 いや、そんなことはどうでもいい。気持ちいいのならそれで。

 腰を打ち付ける音、ベッドが軋む音。下に響いてたらどうしよう。

「んっ、ぁ……! はぅ、っ……ちゅっ……にい、ちゃん……!」

「──っ」

 やっぱ大問題だ。でも──。

 考えるのをやめてもまた別のことを考えてしまう。結局俺は現実

を見ている。ヤる事やって何を今更、と言った感じだがしっかりと考

えないといけない。

「……少し、激しくするから」

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Page 205: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「ん……」

 身体の奥から快楽が駆け上ってくる。それを感じ取り俺はラスト

スパートをかける。はぐみもそれが分かったのか腕を俺に回して、身

体を預ける。

 さっきよりも水音とパンパンという腰を打ち付ける音が大きくな

る。俺達はお互いを求めるようにキスをして、身体を触り合って、重

ねる。

「射精る──っ!」

 ──ビュクッ!

はぐみ妹

 腰が震え、

の膣内に射精をする。はぐみの膣内は俺のモノを

締め付け、搾り取るように締まる。

「っ……! にぃ……っ、〜〜っぅ」

「はぁっ……はぁっ……」

 ヌポ……、と膣内からモノ引き抜くと栓が取れたからか白い液体が

垂れる。その姿がどうしようもエロく、魅力的で、俺はその瞬間を一

生忘れないだろう。

「えへ……えへへっ」

 涙目のはぐみは何故か笑い、行為が終わった後に俺にこう囁く。

「兄ちゃん……ごめんね。はぐみ、兄ちゃんの事好き……好きなんだ

よ……」

 抱き着かれる事で自分とは違う体温、違う鼓動を感じながらそう言

われる。

  たった1人の妹、大切な家族。だけど、俺達はその関係が変わるの

かもしれない……。

 「(全部、俺次第か……)」

 「(でも。この愛おしい存在を守らないとな)」

202

Page 206: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

〜混じり合う少女達〜

丸山彩×白鷺千聖

 「あっ、ん! ぅうん! ……だ、ダメ……イッちゃ……う……っ」

 外はとても明るい。きっとカーテンを開ければ太陽が輝いている

のだろう。しかし私の部屋はカーテンを閉めていて薄暗い。

 そんな中、カーテンの隙間から差し込む光。それは私を愛してくれ

る人を照らしてくれていた。

「んっ……はぁ、っ! あ、あやちゃ……んんっ!!」

「えへへ……。千聖ちゃん、んむっ……可愛い……」

「ひやぁっ!?」

こういう

身体を交える

 私と千聖ちゃんはいつしか

関係になっていた。それは一

体いつからだったのかは覚えていない。

 ただ確かな事は、千聖ちゃんが私を求めてくれた、という事だ。

 私にしか見せたことのない表情で名前を呼んでくれる。そこには

いつもの千聖ちゃんは居なくて、蕩けた……雌の千聖ちゃんが居る。

 秘部はトロトロになって感じてくれている。そこに私が手を添え

るだけで小さく震える千聖ちゃんは、感じやすい体質なのだろうか。

「千聖ちゃんの膣内……ヌルヌルしてる……」

 中指をヌプ……と侵入させていく。

 そして千聖ちゃんがよく感じてくれる場所を指を曲げて押す。

「ひぁ──っ! そこ、ぉ……ッ」

 くぷ……ちゅぷ……、と静かに音が立つ。

 中指を曲げる度にビクンと反応してくれるのを見るのが愛おしく

てたまらない。

「あやちゃ……んっ──。ちゅぷ、ちゅ……」

「ちゅ……ん、んんぅ……」

 口を離すと長い糸が私達を繋いでくれていた。その糸は時間が経

つと千聖ちゃんの上に落ちてゆく。それが落ちた先は首の部分。私

はそれを舐め取りそのまま下の方へ舐めるのを続けていった。

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Page 207: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 舌を這わせると千聖ちゃんの汗の味がした。少ししょっぱくて

……でも嫌じゃない味。そしてそのまま這わせていくと膨らみを

登っていき突起物へと辿り着いた。

「ペロッ……んっ、ちゅぷ、ちゅ……ちゅぅぅっ……」

「ひぅッ!?」

 それが何かを理解し私はチロチロと舐め、何かを求めるかのように

吸い始める。勿論何かが出る訳では無い、しかしその行為がお互いの

興奮を高めていくのだ。

「ふぁ……あっ、んっぅ……!」

 やがてその突起物──乳首は私を指すようにと立っていて、指先で

触れるとコリッとした感触が伝わる程になっていた。

「そんな、じらさ……ない、でぇ……。感じるの……止まらないのぉ」

「えっと……焦らしてるつもりはないんだけどなぁ」

 あまりにも感触が気持ち良くて何度も何度も乳首を弄っていたら

千聖ちゃんにお願いされてしまった。

「ふふっ」

 つぅ──と再び舌を這わせて秘部へと辿り着く、そしてそのまま。

「ぴちゃ、ぴちゅ……じゅ、ジュルルっ!」

「──!! ひ……ふあっ、あぁっ……んぁぁああああッ!!!!」

 舌で秘部を味わいながら指では知らぬ間に剥き出しになっていた

クリトリスを刺激するという二重攻め。綺麗なピンク色の膣内はヒ

クヒクと蠢いており私の舌を少しばかりか掴み取っていた。

 舌と指を交互に使い分けながら刺激を与えてく。指で膣内を掻き

回して愛液を掻き出し、その後舌で舐め取ったり吸ったりして綺麗に

していく。そんな行為をただ、永遠かのように繰り返し続けた。

「(やっぱり……可愛い……)」

 ヌチュ、ヌチュ……じゅる、じゅるる。くち、ヌチュ、ぴちゃ

…………。

「ッ。あっんッ、ふぁ──ぁあッ、ぁァ」

 びくっ、びくっ……びく……。

 急に震え始める、そして僅かながら腰が浮いていた。それを見た私

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Page 208: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

は千聖ちゃんの両脚に腕を回して股のところ……つまり秘部へ顔を

固定させた。

「じゅる……じゅ、じゅるるっ! ぴち、ゅ、じゅるるるるッ!!」

 激しく吸ったり、クリトリスを舐めたり甘噛みしたりして感じさせ

る。

 恐らく千聖ちゃんは限界が近いのだろう。そのため最高の形で絶

頂を迎えさせるために私はありったけの愛を込めて千聖ちゃんを感

じさせ続けた。

その瞬間

 そして

を迎えるまでは、そう長い時間はかからなかった。

「や──彩ちゃん、わた……わたしもう……っ!」

「えへ……いいよ、私の顔に、いっぱいかけても……」

「ぁ、ぅ…………いく──いく、イく──! 彩ちゃん、出ちゃう……

あやちゃ──!」

 ビクン! びく、びくっ、ビクンっ!!

「んんんっ!!!! んッ、んっん──ぁ、あアぁぁあ!!!!」

 ぷしっ、と顔にかかる熱い液。それを舌で舐め取り口の中で味わっ

て飲み込む。

 どんなものでも、千聖ちゃんの物は無駄にしたくないからの行為、

少しおかしいと分かっていても止める事が出来ずにいる。

「ぁ──ふ、ぅ──」

 絶頂と共に力が抜けたらしく、ぐったりとしている千聖ちゃんの横

に寝そべる。髪を手で退かすと目をつぶっていて小さな寝息を立て

ていた。ありえない事にそのまま寝てしまったようだ。

「(えぇ〜! 私もトロトロなのに!?)」

 正直イった後に2人で舐め合ったり色々としようとしていたのだ

が……。まぁ仕事の疲れもあるのだろう、今日は仕方ない、のかな?

 寝息を立てる千聖ちゃんに軽くキスをし聞こえてないだろうが耳

元で声を発して私も不満足ながら寝る事にした。

「起きたら、私も満足させてね千聖ちゃん」

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Page 209: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

美竹蘭×羽沢つぐみ

 「だ、だめ……っ! 蘭ちゃん……」

「……っ」

 目の前には涙目のつぐみ。そしてあたしは……跨っている、のだろ

うか? 妙に曖昧な感覚を保ちながらあたしはあたしに身を任せて

いた。

 つぐみのはだけている服をゆっくりと1枚1枚脱がしていき傷の

ない肌を露出させていく。

 小さいながらも女の子を主張する胸の膨らみ。華奢な身体。光に

照らされる白く綺麗な肌。そして、それらを覆い隠すように存在す

る、つぐみの純粋さを表現しているかのような純白の下着。

「……ぅ、ぁ」

 ブラを外そうと背中に手を回すと弱々しい声を発したあと、顔を両

腕で隠したつぐみ。

 小刻みに震えるその姿は恐怖に満ちていることを表していた。

「ごめん」

 なんて声を発してみるも本人に届いてるのか分からない。確認を

取らずにあたしはつぐみのブラを外した。

 顕になるのは、あたしよりも小さくとても柔らかそうな胸。

「ん……あっ……蘭、ちゃ──んぅっ!」

「つぐみ、つぐみ……っ」

 柔らかい、いくらでも揉めそうなくらいに。

 引き寄せられ、それとも張り付いて? あたしの手はその魅力的な

丘から離れなかった。

 そうなれば続けるしかないだろう、仕方ない事だ。

「つぐみ、固くなってる」

 揉んでるうちに固くなっていた桃色の粒を指でくりくりと刺激す

る。その度に身体は跳ね、艶っぽい声が響く。

「ひうっ!? やめて、やめてよぉ……!」

 身体を捩りながら抵抗をするも意味などない。むしろその行為は

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Page 210: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

……。

 ……ふと妙な感覚に襲われる。

 きっと魔が差した、というのは今のような時を言うのだろうか。

 もっとつぐみの乱れる姿を見てみたい。普段聞けない声を聞きた

い。そして──。

 あたしの欲をつぐみにぶつけてみたい。

「っ、ぁ……ふぁ?」

 先程まで離れなかった手が自然と離れあたしはつぐみの下側に移

動する。無言のまま両手をつぐみのスカートの中に入れて──。

「な──。ら、蘭ちゃん! だめっ、ダメっ! ……そっちはダメなの

……ねぇ! 蘭ちゃ──」

 そんな声を聞きながらあたしは──…………。

  「つぐ……み……」

「つぐ〜? もー、蘭ってば彼女の名前を間違えないでよー」

「……モカ? どうして……」

 なぜモカが家に、それもあたしの部屋に居るのだろうか。昨日泊ま

りでもしたのだろうか、いや、そんな記憶はない筈だ。

 と、寝起きの脳で考えているとモカがあたしの制服を投げ付けてき

て。

「ボケるには早いよー。今日は学校でしょー、遅刻するよー」

「うん」

 全くもー、とぶつくさ言いながら部屋を出ていく。

 完全に覚醒していない状態のあたしはまだ意識が曖昧だ。何気な

く手を広げたり閉じたりを繰り返していると、夢の内容が蘇ってき

た。

『ん……あっ……蘭、ちゃ──んぅっ!』

「…………」

 服を制服に着替え顔を洗い目を覚ます。

 よし、あたしはおかしくない。おかしくない。

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Page 211: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「おっはよー! ら……ん?」

「よぉ、珍しい……?」

「あ、おはよう蘭ちゃ──」

 家を出て真っ先につぐみの目の前に立ち両肩を掴む、そして。

「おはようつぐみ」

「え、う、うん。おはよう……?」

 あたしの挨拶により1日が始まった。

  ───────────────────────

 「なんか今日の蘭おかしかったね」

「だなー。変な物でも食べたか?」

 みんなで登校した後、私達はそれぞれの教室へ。お昼は蘭ちゃんの

希望で別々に食べることになったので、次に蘭ちゃんと会うのは放課

後ということになる。

「こういうのは彼女さんに聞いた方がいい。と、いうことで! 彼女

さん、何かあったんですか!?」

 ひまりちゃんのエアマイクで私を指名される。

 彼女さん──とまぁ、私と蘭ちゃんは付き合っている。女の子同士

だけどお互いの想いは本物で真剣にお付き合いしているつもりだ。

 告白されたのは10月。

 蘭ちゃんから真っ直ぐに想いを伝えられ戸惑い、答えを出すのに少

し時間はかかったけど、みんなのおかげで私自身の気持ちに気付きそ

れを受け入れて晴れてお付き合いをすることとなった。

 お付き合いしていると言っても普段と変わることはあまりなく、変

化したのは2人きりの時間が増えたことだ。それと……たまにキス

をするくらい、だろうか。

「え? えっとぉ……」

 話を戻すが、私は蘭ちゃんから何も聞いてない。昨日までは普通

だったから。

「昨日までは何もなかったと思うけど」

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Page 212: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「え〜本当ぉ〜? なんかこう、大人になったとかはないの〜?」

「お、大人?」

 ニヤニヤとしながら肘でつつかれる。

 大人とは何だろうか。成長という意味なのは理解してるが、そんな

に急になるものなのだろうか。

「あれだよ〜蘭と身体を交えたりとか──あたっ!?」

「場所を考えろ! 教室なんだぞ!」

 ひまりちゃんが言い終える前に巴ちゃんが頭を叩いて中断させた。

 遅れてその意味を理解した私はわとわたと慌てる。

「ち、ちがっ……! そんなことしてないっ! やってないんだよ、本

当だよ!?」

「あははっ、真っ赤になっちゃってーつぐは可愛いなあ。うりうり〜

!」

「もう! ひまりちゃんってば!」

 そんなこんなやり取りをしていると担任の先生が入ってきて指示

を出した。その合図でひまりちゃん達はそれぞれの席に着きHRが

始まった。

 その日の授業は全部上の空だったとあとの私は思う。

  ───────────────────────

  つぐみ達とのご飯を断ってのお昼。

 違和感を感じながらモカから貰ったパンを食べていた。

「ねぇ蘭ー、今朝なにかあったんでしょー? そろそろ教えてくれて

もいいんじゃないのー?」

 そのモカは朝からこんなふうにずっとあたしに付きまとってくる。

あたしを心配してのことと分かってるから強くは断れずに、無言を貫

き通しているのだが、それが昼まで続いてるわけだからさすがに申し

訳なくなってくる。

そういう

・・・・

 いやしかし、悩んでる内容が

ことなんて知ってモカはあた

しを幻滅しないだろうか。

209

Page 213: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 チラリと視線を向けるとあたしをずっと見てたのかモカと目線が

合う。

「うっ」

 目を慌てて逸らすとモカはため息のあと、ゆっくりと口を開いた。

「……別にあたしはこんな蘭に慣れてるからいいけどさー、つぐをあ

まり心配させないでよねー。蘭だってつぐの不安な顔見たくないで

しょ。少しでも解決に繋がるなら力は貸すからさー話してみてよー」

 そんなの──。

「……今朝……」

「うん?」

 分かってる。分かってるから言いづらいのに。

「夢で──……」

  「…………それってただの蘭が欲求不満なだけでしょ」

「ですよね」

 話してしまえばさっきまでの緊張が消えていった。緊張は消えた、

しかしその後に残ったものは。

「ごめんね〜あたしがつぐだったら襲えたのにねー」

 何でこんな奴に話したのだろうという後悔だ。

「襲わないってば。つぐみの泣く姿なんて見たく……見たく……」

 夢の光景が思い出される。

 夢。あたしの望むもの。いつかの現実。

 そう捉えるととても全面否定することは出来ずに口ごもってしま

う。

 欲求不満と言われればそうなのかもしれない。つぐみをあたしだ

けの物にしたい、あたしの印を刻みたい。そのための行為、つぐみの

身体に触れ、その証拠を残したい、と。

「ない。と言えば嘘になる……」

 あたしの言葉に流石のモカでも「うわぁ」と漏らすほどだった。

 幼馴染み、それも彼女の泣き顔が見たいだなんて宣言されると誰で

210

Page 214: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

もこうなるだろう。

「んー……でも、つぐなら受け止めてくれそうだけどね〜。ほら何だ

かんだで肝が据わってる? みたいなとこはあるじゃん。蘭の思い

の一つや二つ、受け入れるんじゃないかなぁ」

 肝が据わっているのはあたしも思う。

 みんなが悩むことを進んで「やろう!」と言い背中を押すのだ。本

人は気付いてないのかもしれないが、それに関しては全員が思ってる

ことだろう。

 しかしそれとこれとは話が別というか、何というか。

「言わないと何も始まらないよ?」

「そんなの、分かってる」

 モカは飲んでいたジュースを置くと、携帯を操作し始めた。一瞬ニ

ヤリとしたようにも思えるが……気のせいだろう。

「……『蘭が欲求不満でつぐを』」

「? ……あ! ちょ──!」

 初めは何を、と思ったが理解した瞬間に止めに入る。

 つぐみに今の内容をラインで送るつもりなんだろう。

「『襲いたい、って』」

「バカ、バカモカ! 嫌がらせのつもり!?」

「おっとと〜。あまり暴れると間違いそうだよー。あ」

 服を引っ張り引き寄せたところで変な声を上げる。「あ」とは何だ

ろうか。

 無言のままモカが携帯の画面をあたしに向けてきて、そこに表示さ

れていたのは。

「な、ななっ……」

「ななななー?」

「何で送ったの!?」

 送信されていた先程のメッセージ。そしてすぐについた既読の文

字だ。意識を失いそうな感覚を堪えモカにしがみつく。

「あぁ、ガクンガクンしたらダメだよー。吐いちゃう〜」

 まずい。これをつぐみがどう受け取るかによって放課後の接し方

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Page 215: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

が変わる──っ!

「あー、これはまずいですなー。既読は付くけど返信が来ないですぞ」

 ますます血の気が引いていく感じがする。

 呆然としたままそれからの時間、放課後のつぐみ達と会う時間まで

あたしは混乱していた。

  ───────────────────────

 

達・

 学校が終わり今は帰宅して家にいる私

。とても気まずい雰囲気

の中、私は口を開けれずにいた。

『ここは盛んなお二人の邪魔にならないように、あたし達は退散しま

すか〜』

『頑張れ〜! つぐ〜、蘭〜!』

『まぁ、程々にな』

 もう〜! みんながあんなこと言うから変な雰囲気になっちゃっ

たじゃん!

 因みに〝私達〞と言ったのは蘭ちゃんと2人きりだからだ。蘭

ちゃんはというと、私の部屋に来てからずっとそわそわとしている。

「あ……あの、さ」

「ひゃい!!」

 お互いの無言が続くと思った矢先に話かけられ思わず変な声が出

てしまう。

「流されるまま家に上がったけど、店は……」

「あ、あー。今日はお父さん達が用事でもう閉めてあるんだー、今日は

帰りが遅いらしくて……」

「そっか」

「「…………」」

 ……え、まさかこれで終わり!? 蘭ちゃんから振ったのに!?

 と、とりあえず話を拡げないと。と私は頭をフルに回転させ話題を

作ろうとする。

 今日の話? テレビの番組? バンドのこと? どれも話しても

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Page 216: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

拡がる気がしない。やはり悩むなら聞いた方がいいのだろうか、だが

内容が内容だから……でも気になるし……。

「すぅ……ふーーっ。よしっ」

「つぐみ?」

 深呼吸。そして覚悟を決める。

 姿勢を正し、正座をしたまま蘭ちゃんの方を向く。

「ら、蘭ちゃん!」

「な、なに?」

 私のただならぬ雰囲気に蘭ちゃんは返事をするも、顔はひきつって

いた。

「お昼のモカちゃんから来た〝欲求不満〞ってどういう意味なの!!」

 言ったーーーー!! 言っちゃったよ、私!

 言うと同時に目を閉じて下を向いていた私には、現在蘭ちゃんがど

んな表情をしているかは分からない。

 目を見開いてるのか、それともまだひきつったままなのか。

 無言のまま過ぎた時間は短いのだろうがとても長くも感じた。本

当は1分くらい、だが私には30分にも感じれる。

 蘭ちゃんの返答を待ってると突然体が横に倒れたから驚いて目を

開く。すると私は蘭ちゃんから押し倒されていた。

「こういう……意味だよ。つぐみ」

 向けられる視線がいつもと違う。視界が蘭ちゃんに占領されてい

る。

 少し、怖い。

 そんな気持ちを押し殺して私は覚悟を口にする。

「ぃ……いい、よ」

「……本当に? 嫌なら嫌って言ってよ。あたし、止められないよ」

 悲しそうな顔、そんな蘭ちゃんは見たくない。

 私はとん、と両手で蘭ちゃんを退かすようにする。目を閉じ立ち上

がる蘭ちゃん、それにより私は動けるようになった。

 そのままベッドに移動して私は名前を呼んだ。

「我慢しないで、何があっても私は蘭ちゃんを嫌いにならないから。

213

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受け止めさせてよ。……先に進みたいのは、1人じゃないんだから」

「──っ」

 2人分の体重が掛かりベッドが深く沈む。

「優しくするから……。ありがとう、つぐみ」

 近付く顔に合わせて目を閉じた。直後に唇が重なる感覚に襲われ

る。

 何度もしているキス、だけど今回は違った。

 指をお互いに絡めると唇を離し優しい顔で。

「口、開けて」

 言われるままに口を開ける。今度はその状態で再び顔を近付けて

きて……。

「(あ、舌が)」

 感じたことの無い感覚が舌に伝わる。

 苦しい。けど、不思議と嫌じゃない。どちらかというと嬉しい。

 私も蘭ちゃんに応えたい、と舌を動かすと唇で啄まれた。

「あっ……ぅ、はっ」

 少し気持ちいいと思ってしまう。

 その快感に浸っていると蘭ちゃんが手を離した。そして私の両耳

を塞ぐ。

 何だろう。

 不思議に思ったあとの行動でその意味に気付く。

 じゅ、じゅるっ。……ぴちゃ、ちゅ……くちゃ……。

「(音が響くよぉ……)」

 頭の中に直接舌が、唾液が交わる音が響いてくる。鳴り止まぬこと

なくずっと、ずっと……。

「あっ……あ、蘭ちゃ……んんぅ」

「ちゅ……じゅる……。ぷぁっ。……つぐみ、可愛い」

「や、やだ……恥ずかしいから、言わないで……」

「でもそういう所も好き」

 再度キスをする。今度は普通にだ。

 話を誤魔化された気がして少しムッとなる。

214

Page 218: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 蘭ちゃんは私の服を少しずらしてお腹を撫でる。冷たい感触が伝

わってきてピクリと反応してしまう。

「服上げて」

 撫でていた手が言葉と共に少しずつ上に侵入してゆく、それを導く

かのように私は服を捲っていった。

 やがてブラが顕になると背後に手を回してホックを外された。

「そ、そんなに見ないで……」

 胸を凝視され恥ずかしくなりつい隠してしまう。その手を優しく

退かされ、今度は蘭ちゃんの手が私の胸に触れた。

 片方は胸の突起を転がすようにして触り、もう片方は味わうように

吸い付いていた。

 擽ったい。

 でも蘭ちゃんが幼い子供のように思えて、それが可笑しく感じた。

 「ん……ぁ、ね、ねぇ蘭ちゃん」

「……ん?」

「な、何でだろう……お腹がムズムズして、落ち着かないの……」

 脚をもじもじと擦る。トイレとは少し違う感じ、でも何だろう、

キューッとする。

 私の言葉を聞いて蘭ちゃんは目を見開いていた。何か、驚くことで

もあったのだろうか。

「つぐみって自分でしたこと、無い?」

「した、って……何を?」

 分からないまま返事をすると時間が止まったかのように動かなく

なる。

 何かおかしなことでも言っただろうか?

「もし、辛かったら言ってね? 無理はしないで、つぐみの身体が大事

なんだから」

「う、うん?」

 真っ直ぐに目を見られ真剣な顔で言われる。

「ひうっ!?」

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Page 219: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

 強い刺激が身体を走った。

 何事かと思うと蘭ちゃんの指が下着越しに私の大事な部分に触れ

ていたのだ。

「ら、蘭ちゃぁん……」

「大丈夫。近くに居るから安心して」

「うん……うっ、んぅっ!」

 優しく擦られる。それは、沿うように撫でられるように、その優し

さに愛情を感じながらも未知の快楽へと身を委ねていた。

「濡れるから下着脱がすよ」

「えっ、あっ……あ、あぅ……。ううっ」

 下着に指を引っ掛けて降ろされる。

 残ったのは私の丸見えになった大事な所。そこをまじまじと蘭

ちゃんに見られて更にキューッとしてしまう。

 恥ずかしさ、興奮と様々な感情が混じり合い頭がぐちゃぐちゃとし

てくる。

「綺麗だよ」

 再び触れる指。同じところに触れてるはずなのにさっきとは感じ

が全く違う。布1枚無いだけでここまで変わるのか。

「入れるよ。痛かったら言ってね」

「っ〜〜〜〜!!!!」

 侵入し奥へ進んでゆく。

 ぬぷ、ぬぷ……と遮られることは無く突き進み全て入る頃に私は既

にぐったりとしていた。

「ふぅ、ふぅ……あ、ぅあ……」

「……う、動かすよ」

 動かすというのは指をだろう。しかし入れられただけでこんなに

なってるのに、動かされたら、と思うとその後自分でどうなってしま

うのか分からなかった。

「えっ。待っ──んんっ!?」

 カクンと指を曲げられて刺激が脳まで届く、声を上げそうになった

が蘭ちゃんがすかさず唇を塞いだためその声は漏れることは無かっ

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Page 220: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

た。

「んっ、はっ……つぐみっ」

「ふうっ、ひう……蘭ちゃん、蘭ちゃん……っ!」

 舌の感触と指の刺激で頭がおかしくなるくらいに気持ちいい。

 こんなに気持ちいいことがあったなんて、それとも好きな人にして

もらってるから?

 私の大事な所から溢れた液が指と交わりくちゅくちゅと音を立て

て、とてもエッチだ。

 口を離すと指も抜かれる。

 これで終わりだろうかと一息付き油断したところに新たな快楽が

追加された。

「あぅっ!?」

 な、なに!? これ……っ!

 下腹部を指とは違う感覚が襲ったため反射的に上半身を起こし見

る。するとそこには大事な部分を舐める蘭ちゃんの姿があった。

「だ、ダメ! 汚いっからぁ」

 舌でその部分を愛撫され、先程とは比べ物にならない快楽が身体を

襲った。

「だめ、蘭ちゃん……っ、わたし怖い、怖いよぉ……!」

 ──危ない。

 意識がどこかに行きそうな程の快楽が一気に流れてくるから。目

がチカチカとして蘭ちゃんの姿すらボヤけてしまう。

 当の蘭ちゃんは水音と共にうっとりとした表情で舐める口を緩め

ずにいた。

「蘭ちゃん、蘭ちゃん! やめて、やめてぇ……戻れない、怖い……だ

めぇ……」

 強く髪を引っ張ったことで意識をこちらに戻せたのか、蘭ちゃんは

私を確認するなり口を慌てて離してくれる。

「ごっごめん! つぐみ!」

「はっ、はっ、はっ…………ゆ、指ならいいから……口は、だめ、っ」

 真っ白になりかけてる中で言葉を紡ぐ。

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「……分かった。今度はゆっくりするから……」

「うん……」

 指を入れられ掻き回される。

 先程とは違い身体が小さく跳ねる度に私の状態を確認される。

 ……気遣いは嬉しいが、それはそれで恥ずかしくもある。

 しばらくすると口ほどではないが快楽が走り抜けた。

 ビクン。

「ぁ、あああ……っ。ま、また、まただよぉ……。 蘭ちゃん……蘭

ちゃんっ」

 恐怖に飲まれそうな私を抱きしめて背中をさすってくれる。

「大丈夫、いるよ。あたしがいるから……安心して、イッて」

 耳元で優しく語りかけられ、安心からか力が抜けた。入れ替わるよ

うに未知の感覚が身体全体に周り……。

「……! らんちゃっ、あっっ……はっぁ……!! ああああぁっ……

!!!」

 私の身体が大きく跳ねた。

 そのまま太ももで蘭ちゃんの腕を挟み込むようにして2、3回、大

きく腰が痙攣した。

 こんな快感知らない。

 お腹のあたりがきゅんきゅんして、目がチカチカする。

 気持ちよすぎて意識が飛んでしまいそうになるのを、私は必死に目

を開きながら耐えていた。

「はっ……、はーっ、はーっ」

 呼吸がおぼつかない。

 快感がゆっくりと収まっていくのを感じる、けど、それと共に意識

が遠のいていく。

 完全に意識が落ちる前に蘭ちゃんの口が動き──。

 ありがとう、つぐみ

 私はその言葉聞いた後に意識を手放した。

  ───────────────────────

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Page 222: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

  意識を失ったつぐみを膝枕してあげながら、あたしは頭を撫でてい

た。

 可愛らしく寝息を立て姿はとてもさっきまであんなことをしてい

たなんて思わせる様子はない。……はだけた服は別として、だ。

 それにしてもつぐみは本当に純粋だった。

 まさか自分ですることの意味を知らないのは動揺を隠せない。

 これはつまり、だ。

 本人でも触れたことの無い部分に他人のあたしが最初に触れ、印を

つけたのだ。凄い罪悪感めいた何かを感じてしまう。

「ありがとう、つぐみ。こんなあたしに付き合ってくれて」

 心の底からそう思う。

 あたしはつぐみの身体が冷えないようにして目を覚ますまで横に

いることにした。

 目を覚ましたらまたお礼を言おう。

 あたしの彼女でいてくれてありがとう、と。

 これからも幸せが続くように、と。

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氷川紗夜×羽沢つぐみ

  「おはよーおねーちゃーん!」

「わっ……日菜?」

 リビングでコーヒーを飲んでいた紗夜に日菜が後ろから抱きつく。

「全く。飲み物を飲んでる時は危ないって言ってるでしょ」

「えへへ〜ごめんごめん」

 コーヒーを机に置いて注意する。

 しかし日菜は反省しているのか、判断しづらい様子で謝る。

 紗夜としては〝いつものこと〞として最近は片付けられるように

なったから、最近はあまり考えないようにしている。

「……あら?」

 抱きつかれながらあることに気付く。

「あなた今日出掛けるの? 前に「土曜日は休みー」とか言ってなかっ

たかしら?」

「んー? そんなこと言ったっけー?」

「……言ってたわよ。ほら、今週の火曜日に」

「あははー覚えてないやー」

 この妹の適当さには慣れてきたとはいえ、時々本当に心配になる。

 紗夜が気付いたのは日菜が外出用の服に着替えていたことだ。

土曜日

 先程の会話の通り、日菜は

は休みと言っていた。

 紗夜はそれを本人から聞いていて、その日は家で色々すると言って

いたのを覚えている。

「なんかねー彩ちゃんがSNSでショッピングするって言ってて、そ

れがるんっ♪ てしたからあたしも行こー、って」

「そ、そう」

 内心、彩にお疲れと思う紗夜。

「それと──」

 日菜が外に行く理由は他にもあるらしい。

「今日つぐちゃんと過ごすんでしょ? じゃああたしは居ない方がい

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Page 224: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

いよねー、って!」

 満面の笑みで衝撃のことを告げられる。

「な──ひ、日菜!? ど、どこでそのことを……!」

 誰にも言っていないことを妹に知られてて驚きを隠せない紗夜。

 日菜はそんな紗夜を見て、ニヤニヤとすると同時に、とてもご機嫌

な様子で話を続ける。

「前にねつぐちゃんに聞いたんだー。おねーちゃんに勉強教えてもら

うから楽しみだー、って。内緒にしててって言われてたから黙ってた

けど」

「(つぐみさん──っ!)」

 つぐみが嬉しそうに話す姿が容易に想像出来る。

 今日を楽しみにしてくれてるのはとても嬉しい。嬉しいのだが、出

来れば2人の秘密にしておきたかった紗夜としては、複雑な気持ちに

なる。

「つぐちゃん、今日すっごい楽しみにしてるみたい。学校で「紗夜さん

は──紗夜さんは──」ってずっと聞いてくるんだよねー。……あ

れ、おねーちゃん?」

「そ、それ以上言わないで……十分分かったから……」

 同じ学校……それも生徒会に所属しているつぐみと日菜は紗夜よ

りも話す時間が多い。

 生徒会では副会長、会長という立ち位置でもある2人だ。生徒会の

ことはもちろん、それ以外のことも話し合ったりしているのだろう。

 しかしそれがこんなふうに傾くだなんて、紗夜は考えてもいなかっ

た。

 別に今日は不健全なことをするわけじゃないから別に隠さなくて

もいい。

 なんなら、日菜は紗夜とつぐみが付き合ってるのを知っている。こ

れは両バンドメンバーも認知しており、お互いに周囲に支えられて成

り立っている関係でもある。

 今更隠すのも「この期に及んで……」と思われるだろう。

「そうー? あたしとしてはまだ話し足りないくらいだけど──お

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Page 225: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

?」

 更に追撃を加えようとする日菜を止めたのはインターホンの音

だった。

 これまでの流れからして誰が来たのかは確認するまでもない。

 紗夜と日菜は玄関に向かって同時に走り出した。

 日菜はただいつも通りにつぐみが来たのを喜んでおり、笑顔で迎え

るため。そして紗夜は、その日菜が余計なことをしないように止める

ため、だ。

 しかし日頃パスパレでトレーニングをしている日菜に追いつける

わけもなく、先に玄関に着き扉を開けたのは日菜だった。

「つぐちゃんおはよー!!」

「わわっ!? ひ、日菜先輩!?」

 勢いよく扉を開け相手の確認もせずに抱きつく日菜。

 抱きついた相手──インターホンを押した人物は案の定、羽沢つぐ

みだった。

「おはようございます羽沢さん。ほら日菜、羽沢さんが困ってるから

……」

「お、おはようございます紗夜さん、日菜先輩……。え、えーと……日

菜先輩……?」

「んーー、んーーーー?」

 日菜は紗夜の言葉には耳を傾けず、つぐみに抱きついたまま顔をス

リスリと擦り付ける。

 当のつぐみがそれを受け入れてるあたり、紗夜も無理やり引き剥が

すことを諦める。

「んーー……うんっ! やっぱりあたし、今日は彩ちゃんのとこ行っ

てくるね! じゃーね、おねーちゃん、つぐちゃん! 」

 それからしばらく経った時。

 日菜はつぐみから身体を離し、その場を後にする。

「中へどうぞつぐみさん。いつまでも外にいるのは寒いでしょう?」

「あっ……は、はい! 失礼します!」

 まるで嵐のような行動で消えていった日菜を見送りながら、2人は

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家の中へ入るのだった。

  「お待たせしましたつぐみさん」

 紗夜は飲み物を準備し自分の部屋へ向かった。

 部屋──自分の机の前には、先に2階へ上がらせていたつぐみが椅

子に座っていて、勉強道具を広げている。

 今日はつぐみからの提案で紗夜が勉強を教えることになっている。

 唐突な連絡で驚いたが紗夜自身、最近つぐみと会う時間がなく会い

たいと思っていたため好都合でもあった。

「(そんなふうに思うのは私だけ、でしょうけど……)」

「? 紗夜さん……?」

 心の中で呟く。

 つぐみが急に黙った紗夜を不思議に思い、声をかける。

 ……つぐみさんも、私に会いたいと思ってくれてるのだろうか─

─。

「いえ、なんでもないわ。始めましょうか」

 紗夜は心の迷いを払い、目の前のことに集中する。

「えっと……この部分なんですけど──」

「ふむ。そこは……こちらの公式を当てはめてみてください。そうす

ると──」

   つぐみの分からない部分を教え終わった紗夜は少し休憩を挟むこ

とにした。

「ありがとうございます紗夜さん。このところで詰まってたから

……」

「いえ、つぐみさんのお力になれたのなら私としても嬉しいです」

「えへへ……っ」

 嬉しそうにはにかむつぐみを見てると、自然と紗夜も顔が緩んでい

くのが分かった。

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Page 227: BanG Dream! ~少女スタ思わ出~ · しΩΩ ィ

「っ、あ……えと……」

「? どうかしましたか?」

 たまたま紗夜の方を見たつぐみと目が合う。

 その瞬間、顔ごと目を逸らされたので紗夜は回り込むようにして顔

を除きつつ、質問する。

「さ、紗夜さんが近くにいるなぁ……って」

 キュ、と服を掴まれる。

 そう言葉を漏らすつぐみは耳まで赤くなってるのが分かる。

 オドオドと消え入りそうな声で〝自分との時間〞を大切にしてく

れるつぐみに紗夜は愛おしくなり、抱き締めた。

「さ……紗夜さん!?」

 突然の紗夜の行動に驚きを隠せないつぐみ。

「──つぐみさん……。正直、私は、ずっと会いたかったです」

「ぁ──。はい……私もです……っ」

 言葉を返すのと同時に、つぐみは服を掴む力を強める。

「でも、こんな気持ちは私だけと思ってました」

 紗夜もそれに気付き、更に抱き締める力を強めた。

 それは、お互いにお互いを求めている証拠で。

「そんな……ことない、です……っ! 私も、紗夜さんと会いたいって

──!」

「つぐみさん……。ふふっ」

 自然と紗夜は笑みがこぼれる。

「いつかも言いましたが、私達似てますね」

「紗夜さん……。はいっ、そうですね!」

 つぐみも笑顔になる。

 結局、お互いに似たもの同士。2人は改めてそう思った。

「……あー。それはそうとつぐみさん」

「はい? ──ひゃぁ!?」

 先程とは打って変わって、紗夜が微妙なトーンで話す。

「さっきの可愛いつぐみさんを見てたら、我慢できなくなりましたの

で……シても、いいですか……?」

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「ぇ──っ、あぅ……その……ぉ……。〜〜〜〜っ!」

 暫く目を泳がせた後、つぐみはおもむろに椅子から立ち上がり紗夜

のベットの上に座った。

 無言の空間に、体重をかけられたことにより軋むベットの音が響

く。

 紗夜にはそれが嫌に大きく聞こえてしまい、胸の鼓動が早まるのが

分かった。

 先程よりも顔を赤くしたつぐみが紗夜の言葉を肯定するかのよう

にベットに横になる。

「ど──どうぞ……っ」

「(本当に、そういうところが……!)」

 ベットに横になるつぐみに覆い被さる紗夜。

「つぐみさん──」

「紗夜さ──んっ……ぁっ」

 直後、つぐみの唇に紗夜の唇が重ねられる。

「ぁ……っ、はぅ」

 そのままつぐみの口の中に舌を入れ、味わうように動かす。

 お互いの粘膜が擦れ合い不思議な気持ち良さが2人を襲う。

「っあ……つぐみ、さん……!」

 一度口を離し再び重ね合わせる。

 今度はつぐみが求めるように舌を突き出してくる。

 紗夜はそれを唇で優しく啄む。

「あっ……っ!」

 背筋にゾクッと快感が走る。

 つぐみは尚も動かす紗夜の舌に、同じようにして返す。

「〜〜っ」

 突然のことに驚きつつも、目を閉じて身体を震わせた紗夜を見て、

つぐみは頬が緩んでしまう。

 2人はそうやってキスをしあった後、唇を離した。

 お互いに熱っぽく息を吐きつつ、言葉を交わす。

「つぐみさん……可愛いです」

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「さ、紗夜さんだってかわ──ひぅ!」

 少しムッとしたつぐみも言い返そうとするが、その言葉は途中まで

しか言うことが出来なかった。

「つぐみさんが、可愛いです」

 そう紗夜が耳元で囁くと同時に、そのまま耳たぶに吸い付いたから

だ。

 至近距離で荒くなった紗夜の息が耳にかかる。

「ひっ……あっ、さ、さよ……さぁ……っ!」

 背筋に更に快楽が走る。

 擽ったくもどこか気持ちいい感覚に身体を小刻みに震わせ、直接そ

の快楽が頭に流れ込んでくる。

「んぅ、ぁ……っう……!」

「つぐみさん……声、もっと……」

「〜〜っ。は、ずかし……ぃ……です……」

 声を聞かれるのが嫌なのか、手の甲を唇に当てて口を塞ぐ。

 それを見た紗夜は、その手を退かし使わせまいと指を絡める。

「でも……可愛いです」

 耳元で囁き、耳の内側を舌でなぞる。

 妙に生々しい感覚につぐみは紗夜と繋がれた手を強く握り必死に

耐える。

「あっ、やぁ……っ」

 しかしその抵抗虚しく、我慢が出来ずに声が漏れてしまう。

「〜〜〜〜っ」

 そんなつぐみの姿が可愛くて、愛おしくて。紗夜は勢いに身を任せ

てしまう。

 つぐみの着ていた服を脱がしブラジャーとパンツを露にする。

 そのままブラを外し、つぐみの膨らみかけの胸が紗夜の前に現れ

る。

「ん、ぅ」

 紗夜は胸全体を優しく擦る。

 その手の平につぐみの胸の先が擦れて、小さい快楽が身体を走っ

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た。

 そのまま形のいい胸を揉む。

「んっ、はぁっ……」

「ちゅ……っ」

「んん、っ!」

 突起を弄ったり、揉んだり、吸ったりとを繰り返してるうちにつぐ

みに変化が見られた。

 絡めてない方の手を自らつぐみの下半身部分に誘導したのだ。

「つぐみさ──」

 顔を見るために少し上を向いた紗夜は、涙目のつぐみと目が合う。

「っ……こっち、触って……ぇ」

 くちゅ……。

 と既に濡れていたパンツに手を重ねられて、どれだけ我慢していた

かがハッキリと伝わる。

 パンツを下にずらしつぐみの秘部が露になる。

「あっ、ああっ……あっ」

 紗夜が優しくなぞると、つぐみはお腹のあたりにものすごい快楽が

走るのを感じた。

「さよ、さん……っ、キス……してぇ……」

 息が荒くなりつつあるつぐみがキスを求める。

 普段と少し違うつぐみに興奮しつつ、紗夜はその願いを叶えるた

め、唇を重ねた。

「えぇ。──っ、ちゅ……ん、んん」

「ぁ、ぅ……ちゅっ、ちゅ……ぅ」

 顔を寄せキスをすると、離さないかのように抱き締められる。

 キスの最中でも紗夜はつぐみの秘部を弄るのを止めない。

 指を膣内に侵入させて動かす。

 ただ動かすだけではない。つぐみの敏感な部分を、刺激している。

「……っ! ……っ!」

「(つぐみさん──!)」

 指を曲げ内側を擦る度に身体を震わせ、反応してくれるつぐみを見

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て、紗夜は更に身体を求める。

 愛液によりトロトロになった指を引き抜き、すじに沿って擦りその

先にある突起を弄り始める。

「んっ……ぁ! だ、だめ……ですっ、そこぉ!」

 指先で弾くように刺激を少しずつ加えていく。

 それだけでもつぐみは相当感じている。

「だ、だめっ、さよさんっ! きちゃ──」

「我慢、しないでください……。つぐみさんの可愛い姿……私に、見せ

て……」

「っぅ──ひぅっ!?」

 きゅ、と突起部分を指でつまむ。

 するとつぐみの身体が大きく跳ね、ガクガクと震え始めた。

 つぐみは頭が真っ白になりつつある中、紗夜を求める。

「紗夜さん、紗夜さん……っ! さよ、さ……んっ!」

 怯えるのか、縋るのか、それすら曖昧な状態で名前を呼び続ける。

「……はいっ、ここに居ます、つぐみさん。なので、安心してイってく

ださい……」

「ぁ──さよさっ、あっっ……はぁ、っ! あああああっ……!!!!」

 紗夜と目が合い、微笑んだつぐみは力が抜けたからか一気に快楽が

身体を突き抜けた。

 身体が先程よりも大きく跳ね、2、3回腰が痙攣する。

「はっ……はーっ、はーっ……」

 気持ち良すぎて意識が飛びそうになるのを寸前で耐える。

 呼吸がおぼつかない中、快感がゆっくりと引いていくのを紗夜と抱

き合いながら待つ。

「つぐみさん……好きですよ」

「えへへ……わたしも、紗夜さんのこと──」

 突然そう言われつぐみも返事をする。しようとするが、そこでつぐ

みの意識は途切れてしまった。

  

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「ん、ふぁ……?」

「すいません、起こしちゃいましたね」

「紗夜、さん?」

 つぐみが目を覚ますと目の前に紗夜が横になっていた。

「もう少し寝てていいですよ。こんな時間、最近はなかったんですか

ら」

 優しく抱き締められる。

 その腕の中にいるのが妙に心地よくて、まぶたが重くなるのを感じ

た。

「はい……ありがとうございます……。……紗夜さん」

「どうかしましたか?」

 眠りかけていたつぐみに急に名前を呼ばれる。

 寒かっただろうか、と心配する紗夜だが、つぐみから来た言葉は予

想していないものだった。

「私も、紗夜さんのこと……好き、です。大好き……です……」

 そういい、眠りに落ちるつぐみさん

「(全く。こんな時間をくれたあの子には感謝しないと……)」

 紗夜は眠りに落ちるつぐみの髪を撫でつつ、今日この時間をくれた

妹に静かに感謝をしていたのだった。

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