blackpoker...
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BlackPoker公式ルール
トランプだけでトレーディングカードゲームみたいに遊ぶ方法
第四版
もりくま 著
2018-07-22 v1.2 版 BlackPoker発行
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はじめに
お手に取っていただきありがとうございます。トランプゲームサークル「BlackPoker」へようこそ。本紙は BlackPokerのルール等々をまとめたものです。
BlackPokerとは当サークルが考案した 1人 1セットのトランプを使ったターン制のトレーディングカード
ゲームのようなトランプゲームです。自分だけのオリジナルトランプを使って友達と遊べます。プレイしている時のイメージは図のような感じです。(図 1)
プレイ風景
@
p pb @ @ @ @ ,
@ @@@
Lj W
ML
+
デッキ:1人1つのトランプ
m
KBa
プレイヤー兵士Mプレイヤー
手札兵士
墓地デッキ
y@
@
@g
墓地:捨て札置場
防壁
,
,,
防壁
▲図 1 プレイ風景
きっかけ
「また昔みたいに友達とカードゲームがしたい」
けど、仕事に追われ時間もなく、お金もかけられないのでカード資産も抱えられない。昔のデッキを引っ張りだしてもカードパワーが違って平等に遊べないし、コミニティが狭い。そんな悩みを解消しようと誰でも持っているトランプでカードゲーム風のルールを作ろうと思いました。
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はじめに
ゲームのストーリーあなたが手にしているトランプは単なるトランプではありません。それは、昔大地を治め
ていた国や強い絆を持った組識が宿るデッキです。あなたは歴史の再現者・リアニメーターとなり、デッキに宿る過去の姿を再現しその国・組織がどれだけ素晴らしいものであったかを目の前の対戦相手に戦いを通して勝ち示してください。え? そんな国知らない? でしたらプレイしてデッキから創造してみてはいかがでしょうか。
ゲームのコンセプトBlackPokerは 10個のコンセプトを意識して作成しています。シンプルにすることが根底にありますが、そこから具体化したものがこのコンセプトです。
誰とでも戦える ~目指すは老若男女~ルールを知りトランプを持っていれば誰とでも遊べるゲームを目指します。
個性が出せる ~オリジナルトランプ・デッキ構築~さまざまなトランプが使え見た目で個性を出せるのはもちろんのこと、デッキ構築の面でも自分のしたい戦い方が表現できることを目指します。
短く終わる ~1戦 15分~時間をかけずさっと遊べることを目指します。
ずっと使えるデッキ愛着のあるカードがずっと使えるようなルールとします。
必要な物は最小限 ~トランプのみ~用意するものはトランプのみ。それ以外の道具は必要ないルールとします。
プレイング重視 ~5:3:2=技:運:構築~運やデッキ構築より技量を重視したルールを目指します。
ベースルールはトレーディングカードゲームカードゲームプレイヤーが覚えやすいルールを目指します。
カスタマイズ可能 ~基本と拡張の分離~基本ルールと拡張ルールを分離し、大富豪のようにローカルルールが作成できることを目指します。
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はじめに
ルールの更新 ~飽き防止&不備改善~新たなルールを度々公開し、飽きを防止します。またルールに不備がある場合、随時改善します。
相手のカードに触らない盗難防止とネット対戦対応に努めます。
なぜトランプだけでトレーディングカードゲームみたいに遊べるのか?トレーディングカードゲームは、カードに効果が書かれているためカードと効果を切り離
すことができません。BlackPokerはトランプを使い、効果はルールに切り出してカードと効果を分離しました。こうすることで、トランプだけでトレーディングカードゲームのように遊べるルールができました。
別紙についてルールを説明するなかで次のリストを参照するように書かれている箇所があります。
• アクションリスト (ActionList)• キャラクターリスト (CharacterList)• エクストラリスト (ExtraList)
それぞれプレイするフォーマットに応じて次の URLより参照して下さい。フォーマットについては、第 1章「基本ルール」にて説明します。
アクションリスト・キャラクターリストライト https://blackpoker-support.appspot.com/v4-liteスタンダード https://blackpoker-support.appspot.com/v4-std
エクストラリストエクストラ https://blackpoker-support.appspot.com/v4-ex
初心者向けルール(ライト版)で遊ぶ方へ公式ルールは全ルールを網羅しているため、読むのが大変です。初心者向けのライト版で
とりあえず遊びたい方は、第 1章「基本ルール」から第 4章「キャラクターと能力」まで読み、わからないところが出たらその都度調べる方式がよいと思います。ルールの理解には、動画もいい勉強材料になります。公式サイトから見れるので参考にし
てください。
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目次
はじめに 2BlackPokerとは . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2ゲームのストーリー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3ゲームのコンセプト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3なぜトランプだけでトレーディングカードゲームみたいに遊べるのか? . . . . . . . 4別紙について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4初心者向けルール(ライト版)で遊ぶ方へ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
第 1章 基本ルール 71.1 フォーマット . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 71.2 プレイ人数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 71.3 用意するもの . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 81.4 使用できるトランプ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 81.5 トランプの数字 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 81.6 カードの配置 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 81.7 勝利条件 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 91.8 ダメージ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 91.9 キャラクター . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
第 2章 ゲームの流れ 112.1 ゲームの始め方 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 112.2 自分のターンの始め方 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 112.3 自分のターンにできること . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 112.4 ターンの流れ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 122.5 まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12
第 3章 アクションの基本 133.1 アクションが持つ項目 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 133.2 アクションを起こしてみよう . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 143.3 アクションに割込む . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 153.4 タイミング . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 193.5 まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20
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目次
第 4章 キャラクターと能力 234.1 キャラクターとは . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 234.2 キャラクターの持つ項目 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 234.3 能力とは . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 244.4 まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 25
第 5章 アクションの詳細 265.1 コントローラーとオーナー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 265.2 即時効果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 275.3 誘発 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 275.4 その他補足事項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 305.5 まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 30
第 6章 エクストラ 316.1 エクストラとは . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 316.2 切札とは . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 316.3 バージョンについて . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 316.4 ゲームのはじめ方 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 326.5 切札の能力 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 336.6 まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 33
第 7章 その他のルール 347.1 公開・非公開情報 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 347.2 デッキのシャッフルについて . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 35
付録 A 第三版から第四版への変更点 36A.1 大きな変更点 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 36A.2 ルールの明確化 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 37
あとがき 38
ロゴの意味 39名前の由来 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 39著者紹介 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 39
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第 1章
基本ルール
この章では、フォーマットやカードの配置などゲームを始める前の基本的なルールを説明します。
1.1 フォーマットBlackPokerにはいくつかのフォーマットがあり、本誌ではライト、スタンダード、エクストラの基本フォーマットについて説明します。
BlackPokerはアクションという行動を起こし、兵士などのキャラクターを出してターンを進めていくゲームです。アクション、キャラクターの種類は、ライト < スタンダード < エクストラの順に増えていきます。カードゲームでいうところのカードの種類が増えていくイメージです。覚える量が多いほど難易度が高いため、初心者はライトから始めることをお勧めします。各フォーマットのアクション数は次のようになります。(表 1.1)
▼表 1.1 フォーマット別アクション数
アクション数 キャラクター数 難易度ライト 16 4 初心者向けスタンダード 34 5 中級者向けエクストラ 37~ 5~ 上級者向け
アクションはアクションリストに記載されており、フォーマットによって参照するアクションリストが異なります。対戦する前に対戦相手とフォーマットを合わせてから対戦を行って下さい。
1.2 プレイ人数BlackPokerは基本 2人で遊ぶゲームです。フォーマットによりプレイ人数が変わることがあるため、今回説明する基本フォーマット以外の場合はプレイ人数を確認してください。
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第 1章 基本ルール
1.3 用意するもの• 1人 1セットのトランプが必要です。• 覚えていない場合、フォーマットに応じて次のリストがあると便利です。(表 1.2)
▼表 1.2 フォーマット別アクションリスト
アクションリスト エクストラリストライト ● -スタンダード ● -エクストラ ● ●
※ キャラクターリストはアクションリストに含まれています。
1.4 使用できるトランプBlackPokerでは次の条件を満たしたトランプを使うことができます。一般的なトランプなら満たす条件となっています。
• スートと数字が分かる• スートの♠♡♢♣が判断できる• 数字の A-K(1-13)が判断できる• スートと数字の組合せが重複していない• 裏から表がわからない• 縦向き横向きが判断できる• Jokerは 2枚まで入れられる• 54枚無くてもよい
1.5 トランプの数字ゲーム全体を通してトランプの数字は次のような数値として扱います。(表 1.3)
▼表 1.3 トランプの数字
カード A 2~10 J Q K Joker数値 1 表記どおり 11 12 13 0
1.6 カードの配置カードの配置には次のような場所があります。(図 1.1)
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1.7 勝利条件
プレイ中のカード配置例
墓 地
兵 士
兵 士
兵 士兵 士
防 壁防
壁手 札
自分側
自分の 場
墓 地
兵 士
兵 士兵
士兵 士
防 壁防
壁
手 札対戦相手側
相手の 場
切 札 デ ッ
キ
自分の 切札
切札
デ ッ キ
相手の 切札
▲図 1.1 プレイ中のカードの配置
デッキ山札。ゲームを始める時に自分のトランプを裏向きに置く場所です。ダメージを受けるとデッキの一番上から墓地にカードを移します。
墓地捨て札置き場。ダメージを受けた時などに表向きでカードを重ねて置きます。
場兵士や防壁などのキャラクターを置きます。
手札デッキから引いたカードを持っておく場所です。相手から見えないようにしましょう。
切札能力が割り当てられたカードを置きます。エクストラフォーマットのみで使用します。エクストラのルールについては、第 6章「エクストラ」で説明します。
1.7 勝利条件プレイヤーは順に対戦相手に対し攻撃を行い、ダメージを与え先に相手の山札を 0枚にし
た方が勝ちです。ダメージは 1点につき 1枚山札が減ります。
1.8 ダメージプレイヤーがダメージを受けた場合、デッキの一番上から受けた点数分墓地にカードを表向きで移動します。移動する際は、カードの表を対戦相手に見せる必要はありません。
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第 1章 基本ルール
1.9 キャラクターBlackPoker は主に兵士と防壁の攻防で対戦相手にダメージを与えます。兵士や防壁など、破壊されるまで場に留まるカードをキャラクターと呼びます。防壁は守備、兵士は主に攻撃を行います。詳しくは第 4章「キャラクターと能力」にて説明します。
チャージとドライブ
キャラクターには、チャージ状態とドライブ状態が存在します。チャージ状態は未使用状態を示し、ドライブ状態は使用済み状態を示しています。また、キャラクターを横向きにすることを「ドライブ」、縦向きにすることを「チャージ」と言います。(図 1.2)
チャージ状態 チャージ
縦向きのカード 縦向きにする
チャージ状態 チャージ
ドライブ状態 ドライブ
横向きのカード 横向きにする
ドライブ状態 ドライブo o o o
▲図 1.2 チャージとドライブ
【補足】ドライブ状態のキャラクターをドライブしたらどうなるの?
ドライブ状態のままです。ドライブ状態のキャラクターをドライブした場合、そのキャラクターはドライブ状態のままとなります。チャージも同様に、チャージ状態のキャラクターをチャージしてもチャージ状態のままとなります。 チャージ、ドライブという行為はすでにその状態となっている場合でもチャージ、ドライブという行為を行ったことになることに注意が必要です。たとえばあるキャラクターをドライブするという効果があり、そのキャラクターがすでにドライブ状態の場合、効果を発揮してドライブという行為を行った上でキャラクターはドライブ状態のままということになります。
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第 2章
ゲームの流れ
この章では、ゲームの始め方やターン進行について説明します。
2.1 ゲームの始め方カードの配置がわかったらデッキを置き、次の手順でゲームを始めましょう。
1. デッキをよく切る。2. デッキより 7枚引き手札にする。3. 両者デッキの一番上を表にする。4. 大きい数字のプレイヤーが先攻。数字については、「1.5 トランプの数字」参照。5. 数字が同じ場合、さらにデッキの一番上を表にし同様のルールで比べる。6. 表にしたカードを墓地へ移す。7. 先攻プレイヤーはでデッキより 1枚引き手札に加えターンを開始する。
2.2 自分のターンの始め方先攻が決まったらいよいよターン開始です。自分のターンが来たら毎回次の手順を行いターンを開始して下さい。
1. 自分の場にあるドライブ状態のキャラクターをチャージします。2. デッキからカードを 1~2枚引き手札に加えます。
2.3 自分のターンにできること自分のターンではさまざまな「アクション」とよばれる行動を起こすことができます。アクションは自分のターンに何度でも起こすことができ、アクションを起こすことで対戦相手にダメージを与えるなどしてゲームに勝つことができます。アクションには主に次の種類があ
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第 2章 ゲームの流れ
ります。展開系:キャラクターを場に出したり戻したりする。攻撃系:対戦相手に攻撃を行う。魔法系:兵士の数字を上げるなどの魔法。ターン制御系:ターン終了の「エンド」アクション等のターン制御。
2.4 ターンの流れ「自分のターンの始め方」、「自分のターンにできること」をまとめると次のような流れになります。(図 2.1) 「自分のターンの始め方」で行っているキャラクターをチャージしたり、デッキからカードを引いたりする行動もアクションとして定義されています。
様々なアクションを起こし、対戦相手にダメージを与えます。 自分のターンを終了したい時は、「エンド」アクションを起こします。
自分のターンを終了し対戦相手のターンへ「エンド」アクション
アクションを起こし解決
アクションは自分のターンに何度も起こせます
ゲーム開始 先攻は1枚カードを引きターンを開始する
ドライブ状態のカードをチャージする「チャージ」アクション
デッキの一番上から1~2枚引き手札に加える「ドロー」アクション
アクションを起こし解決
「エンド」アクションを起こしターンを交互に進行していきます。
先攻のターン
後攻のターン
▲図 2.1 ターンの流れ
2.5 まとめゲームの始め方、ターンの流れを説明しました。ポイントとなる部分をまとめます。
• ゲームを始めるときは 7枚引いて手札にし、デッキの一番上をめくって大きい方が先攻• 先攻は 1ドローしてターンを開始、後攻からは 2ドローしてターンを開始• ターンを終えたいときは、「エンド」アクションを起こす
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第 3章
アクションの基本
この章では、アクションの基本について説明します。
3.1 アクションが持つ項目まずは、それぞれのアクションが持つ項目について説明します。凡例の「サンプル」アクションを見てみましょう。(図 3.1)
■ サンプル(速攻魔法) [lite, std] @クイック| $ D ★ ♡ A~10
※ 1ターンに1回制限
(対象) 兵士1 体を対象とする。
(効果) 対象の兵士をドライブ状態にする。
タイミング
コストアクション名
キーカード
タイプ特記事項
凡例
■ 注意このアクションは凡例のため記載しています。実際のゲームでは使用できません。
▲図 3.1 サンプルアクション
アクション名アクションの名称を示します。
タイプアクションの種類を表します。アクション名の後に括弧書きで記載します。
コストアクションを起こすのに必要な対価です。コストは$を使って表記し、コストの払いはアクションを起こすプレイヤーが行います。コストの種類は「コストの種類」で説明します。
タイミングアクションを起こせる時を示します。タイミングについては、「3.4 タイミング」で説明します。
キーカード
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第 3章 アクションの基本
アクションの核となるカードを示します。キーカードは★を使って表記します。凡例の場合、手札からコストとは別に♡ A~10に該当するカードを 1枚キーカードとして使用します。
特記事項特記事項は※を使って表記し、その他の項目では書き表せない条件を示します。
対象効果を発揮する対象を示します。
効果発揮する効果の内容を示します。
コストの種類
アクションによって支払うコストが異なります。コストには次の種類があり、それぞれ支払い方が異なります。(表 3.1)
▼表 3.1 コストの種類
表記 (名称) 対価B (Bulwark) 防壁をドライブするL (Life) 1点ダメージを受けるD (Discard) 手札を 1枚捨てるS (Sacrifice) キャラクター 1体を墓地に移す
例えばコストが「$BL」の場合、自分の場にいる防壁を 1体ドライブし、1点ダメージを受けることでコストが支払われたことになります。
【補足】記載されていないアクションの項目
アクションによっては記載されていない項目もあります。記載されていない項目は無視して構いません。たとえばコスト項目がなければコストを支払う必要はありません。各アクションの項目については、別紙「アクションリスト」を参照して下さい。
3.2 アクションを起こしてみよう次の手順でアクションを起こします。
1. 起こすアクションを対戦相手に伝える。2. アクションに応じたコストを支払う。3. 必要なら手札からキーカードを出す。4. 対象の指定が必要な場合、対象を指定する。
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3.3 アクションに割込む
「サンプル」アクションを起こす例を見てみましょう。(図 3.2)
アクションを起こす例
自分の場デ ッ キ
墓 地
兵 士
手 札
自分側
① 起こすアクションを宣言 起こすアクション名を言い、アクションを起こす宣言をします。
:② コストを支払う 「サンプル」の場合$Dなので手札を捨てます。
③ キーカードを出す 対象の近くか場か中央に出します。
④ キーカードを墓地へ 起こしたアクションの効果が発揮された後、キーカードを墓地に移します。
▲図 3.2 アクションを起こす例
【補足】対象を指定しないでアクションを起こせるか?
「サンプル」アクションもそうですが、アクションの中には対象を指定するアクションがあります。「対象」項目がある場合、記載された条件を満たした対象を指定できなければ、そのアクションを起こすことはできません。また、
【補足】アクションを対象とするアクションは自身を対象にできるか?
アクションは、自分自身を対象とすることはできません。そのため、「カウンター」アクションのようにアクションを対象とするアクションは自身を対象とすることはできません。
3.3 アクションに割込むアクションの効果を発揮する前に割り込むことができます。アクションが効果を発揮するまでの流れを詳しく見ていきましょう。次の手順を行うことでアクションが効果を発揮します。それぞれ順を追って説明します。
1. アクションを起こす
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第 3章 アクションの基本
この段階ではまだ効果を発揮しません。 2. 対戦相手もアクションを起こすか聞く互いにさらに起こしたいアクションがないことを確認します。
3. 効果を発揮効果を発揮します。
4. キーカードを墓地に移す効果を発揮し終えたカードを墓地に移します。
手順 1. アクションを起こす
「アクションを起こしてみよう」をもう少し詳しく説明します。「アクションを起こす」とは、アクションの効果を発揮する順番を整理するステージという場所に乗せることを指します。アクションを起こした時のステージの状態を図で見てみましょう。(図 3.3)
アクションを起こした時の例
🌬プレイヤー (自分)
🌞プレイヤー (相手)
「アップ」アクションを起こしたとします。
チャンス
ステージの一番上に起こしたアクションが乗ります
アップ(自分)
ステージ
▲図 3.3 アクションを起こした時の例
アクションはステージにて順番が来るのを待ちます。アクションを起こすことができる機会をチャンスといいます。チャンスを持っている間は何度でもアクションを起こすことができます。
ステージとはアクションの解決順を整理するために使う領域です。後入れ先出し方式で最後に積まれた
アクションから順に解決されていきます。
チャンスとはアクションチャンスの略で、プレイヤーがアクションを起こす機会のことをいいます。チャ
ンスを持っていないとアクションを起こすことはできません。アクションを起こし終えたらチャンスを他のプレイヤーに渡します。ターン開始時や、アクション解決時はそのターンを開始したプレイヤーがチャンスをもちます。
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3.3 アクションに割込む
手順 2. 対戦相手もアクションを起こすか聞く
アクションを起こし終わると対戦相手にチャンスが移り、起こしたアクションに割込んでアクションを起こせるようになります。手順は「アクションを起こしてみよう」と同じ手順です。(図 3.4) 対戦相手に「とおりますか?」(自分の起こしたアクションに割込みしないで通してくれますか?)など対戦相手がアクションを起こすか聞くと親切でしょう。
対戦相手もアクションを起こした時の例
ダウンアクションを起こしたとします。 このように先程起こしたアクションの上に乗ります。
チャンス
🌬プレイヤー (自分)
🌞プレイヤー (相手)ダウン(相手)
アップ(自分)ステージ
▲図 3.4 対戦相手もアクションを起こした時の例
対戦相手がチャンスを持っている間も同様に相手は何度もアクションを起こすことができます。そしてアクションを 1つ以上起こした場合、チャンスがターンを開始したプレイヤーに戻り、再びターンを開始したプレイヤーがアクションを起こせるようになります。このやりとりを、起こすアクションが双方ともなくなるまで繰り返します。
手順 3. 効果を発揮
両プレイヤーの起こすアクションがなくなったところで、最後にステージに積まれたアクションの効果を発揮させます。このことを「アクションを解決する」と言います。(図 3.5)アクションを解決する際に指定した対象が対象とした時の条件を満たしていない場合、効果は発揮せず解決されます。また、効果の中に実行不可能な部分がある場合、可能な部分のみ実行します。
1つアクションを解決するとまたターンを開始したプレイヤーにチャンスが移り、手順 1、2を繰り返します。1つアクションが解決されるごとに勝敗判定が発生します。
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第 3章 アクションの基本
アクションを解決した時の例
最後に積まれたアクションの効果を発揮する。 この場合、ダウンアクションの効果を発揮する。🌬
プレイヤー (自分)
🌞プレイヤー (相手)
ダウン(相手)アップ(自分)
ステージ
▲図 3.5 アクションを解決した時の例
勝敗判定デッキを確認し 0 枚の場合そのプレイヤーは敗北となります。両プレイヤーのデッキが 0枚の場合、引き分けとなります。
【補足】「アクションを解決する際に指定した対象が対象とした時の条件を満たしていない場合、効果は発揮せず解決されます」とは?
対象を指定するアクションが効果を発揮しようとした時に対象が存在していない場合、効果を発揮する対象を失うため効果が発揮されずアクションが解決されます。 たとえば兵士に対して「アップ」アクションを起こし、対応して「ダウン」アクションを起こされました。「ダウン」の方が先に解決されるため、「アップ」を解決する時には兵士が墓地に移っていたとします。その場合、「アップ」アクションは効果を発揮せず解決されます。
【補足】「効果の中に実行不可能な部分がある場合、可能な部分のみ実行します」とは?
効果の内容を出来る限り実行するということです。 たとえば、デッキの枚数が残 1枚の時に 5点のダメージを受けたとします。デッキは 1枚しかないので 5点ダメージを受けることはできませんが、1点までなら受けることが可能なため、この場合 1点のダメージを受けることになります。
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3.4 タイミング
手順 4. キーカードを墓地に移す
1つのアクションが解決された後そのアクションをステージから取り除き、キーカードを墓地に移します。ただし効果によってキーカードを場に出した場合や手札に戻した場合はそのカードを移す先が明確になっているため、墓地には移しません。
3.4 タイミングアクションの持つ項目のタイミングは、「メイン」と「クイック」の 2種類あります。
メイン
自ターンかつステージが空のときにこのアクションを起こすことができます。つまりステージの一番下にしか置けないことになります。条件をまとめると次のようになります。
• チャンスを持っている• 自分のターン• ステージが空
クイック
いつでもこのアクションを起こすことができます。いつでも起こせるため、アクションをステージに積み重ねることができます。条件をまとめると次のようになります。
• チャンスを持っている
クイックはメインと異なり、チャンスを持っていれば自分のターンでなくても起こせるのが特徴です。
タイミングとステージ
ステージと合わせて説明すると次のようになります。(図 3.6)
タイミングとステージ
ダウン(クイック)
アップ(クイック)
兵士召喚(メイン)
ステージメインは一番下にしか置けない
クイックは積める
▲図 3.6 タイミングとステージ
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第 3章 アクションの基本
タイミングがメインの場合ステージの一番下にしか置けず、クイックの場合積み上げることができます。アクションを起こす際は、タイミングが合っていないと起こせないので気をつけましょう。
【コラム】なぜステージやチャンスといった複雑な手順があるか
理由は、「対戦相手の行動に対して割込むことを可能にするため」です。いわばずる込みができます。たとえばこんな感じです。Aくん「この兵士アップします。」Bさん「その前にこの兵士ダウンします。」Aくん「じゃあそのダウンをカウンターします。」Bさん「それをさらにカウンターします。」Aくん「・・・(泣)」Bさん「(どやっ!)」
カードゲームの醍醐味はいかに相手の行動に対して意表をついた行動ができるかだと個人的には思っています。 行動の割り込みを可能にするため、カードゲームで用いられている手法を参考にし、さらにシンプルにして BlackPokerに取り入れました。 カードゲームをやったことがある方は理解しやすいルールですが、今までカードゲームをやったことがない方には少し難しいルールかもしれません。ですが、ここで理解してしまえば他のカードゲームにも恐らく応用が利くので頑張って理解してみて下さい。
3.5 まとめこの章では、アクションの基本について説明しました。ポイントをまとめると次のようになります。
• アクションには、コスト、タイミングなどの項目がある• アクションは起こしてもすぐに効果を発揮しない• アクションを起こすにはチャンスを持っている必要がある• アクションはステージを経由して効果を発揮する
最後に、説明の中で一番難解だと思われるアクションが効果を発揮するまでの流れを図にまとめました。(図 3.7)
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3.5 まとめ
アクションが解決されるまでの流れ
ステージ:有 チャンス:AP
ステージ:空 チャンス:AP
アクションを1つ起こす ※この時だけタイミングがメインのアクションを起こせます
自分: アクションを起こし終えたので、相手にチャンスを移します
両者アクションを起こし終えた
ゲーム開始時
相手: アクションを1つ以上起こしたので、自分にチャンスを戻します
ステージ空
ステージ有
ステージ:有 チャンス:NAP
ステージ確認 最後に積まれた アクションを1つ解決
凡例 AP:ターンを持っているプレイヤー NAP:ターン持っていないプレイヤー
※チャンスを移すまで、クイックのアクションを何度も起こすことができます。
※チャンスを移すまで、クイックのアクションを何度も起こすことができます。
1
2
3 3
45
5
▲図 3.7 アクションが解決されるまでの流れ
図の内容を簡単に解説すると次のようになります。
1. ゲーム開始時はステージは空で、チャンスはターンを持っているプレイヤーにあります。
2. ターンとチャンスを持っているプレイヤーは、ステージが空のときだけタイミングがメインのアクションを起こすことができます。
3. ステージにアクションがある場合は、タイミングがクイックのアクションのみ起こすことができす。
4. チャンスをやりとりし、起こすアクションが無くなった時に、最後にステージに積まれたアクションを解決します。
5. アクションを解決したらチャンスはターンを持っているプレイヤーに移ります。
エンドなどのターン制御に関わるアクションもこの流れに沿って解決されます。
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第 3章 アクションの基本
【コラム】魔法系アクションの覚え方
魔法系アクションは、スートのイメージに紐付けて作っています。スートのイメージは大体こんな感じです。- ♠:死、恐怖、剣、統制- ♡:愛、勇気、盾、信仰- ♢:金、調整、槍、商売- ♣:知、奇策、杖、生産♢の速攻魔法はお金で振り向かせるから「ツイスト」♡の速攻魔法は勇気が出そうだから「アップ」みたいな感じで覚えられるかな?? と思います。
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第 4章
キャラクターと能力
この章では、場に出て闘うキャラクターと能力について説明します。
4.1 キャラクターとはキャラクターとは、場に存在する兵士や防壁のことを指します。キャラクターは 1枚のカードで 1体を表すこともあれば、複数枚で 1体を表すこともあります。
4.2 キャラクターの持つ項目キャラクターの持つ項目について説明します。凡例のキャラクター「一般兵」を見てみましょう。(図 4.1)
■一般兵(兵士) [lite, std] ★ 2~10
(能力) • 準備(場に出たターンは、アタックアクションにて、対戦相手を攻撃する兵士(アタッカー)に指定することができない。)
キーカードキャラクター名
タイプ凡例
▲図 4.1 一般兵
キャラクター名
キャラクターの名称を示します。
タイプ
キャラクターのタイプを示します。タイプは兵士と防壁の 2種類が存在します。
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第 4章 キャラクターと能力
キーカード
キャラクターを示すカードが記載されています。複数のカードで 1体のキャラクターを示す場合もあります。
能力
キャラクターが持っている能力を記載しています。たとえば英雄の「世代交代」や、魔術士の「魔力増加」があげられます。能力については、「4.3 能力とは」で説明します。
数字
トランプの数字は、キャラクターの強さを示します。基本はカードに記載された数字を示しますが、魔法などのアクションを使うことで加算したり減算されたりします。
【補足】複数枚で 1体となるキャラクターが防壁になったら?
アクションの効果で兵士を防壁にすることがあります。防壁は 1枚で 1体のキャラクターであるため、複数枚からなるキャラクターが防壁となった場合、複数体の防壁となります。 なお、複数枚からなるキャラクターが墓地や手札に移った場合、1体のキャラクターとして扱うため複数枚合わせて移します。チャージ状態、ドライブ状態となった場合も同様に 1体のキャラクターとして扱います。
4.3 能力とは能力とはアクションの効果とは異なる概念で、アクションを起こすことができたり、アクションを誘発したりすることができます。代表的な能力は、英雄の「世代交代」や魔術士の「魔力増加」があげられます。能力を持つことができるのは、キャラクターやプレイヤー、エクストラフォーマットの切札です。
能力の種類
能力には次の種類があります。
常在型能力能力が有効である場合、継続的に発揮される能力
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4.4 まとめ
例:魔力増加
誘発型能力能力が有効である間に何かの契機でアクションを起こす能力例:世代交代
4.4 まとめこの章では、キャラクターと能力について説明しました。キャラクターの持つ能力という概念は第 5章「アクションの詳細」でも登場するので、理解しておきましょう。ポイントをまとめると次のようになります。
• キャラクターの項目はキャラクター名、キーカード、能力などがある• キャラクターの数字(強さ)は魔法などによって一時的に増減する• 能力はアクションの効果ではなく、アクションを誘発したりする概念• 能力を持つことができるのは、キャラクター、プレイヤー、切札
【補足】プレイヤーの能力とは?
BlackPokerでは、ゲームを始める前にフォーマットを決めます。実はこれはゲームを始める前にプレイヤーが使用できる能力を選択していることになります。 たとえばライト版をプレイする場合、ライト版のアクションリストに定義されているアクションを起こせる能力をプレイヤーが持ってゲームを始めることになります。
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第 5章
アクションの詳細
この章では、アクションの基本を踏まえた詳細なルールを説明します。
5.1 コントローラーとオーナーアクションと場にいるキャラクターには持ち主がいます。持ち主の決まり方について説明します。
コントローラー
アクションを起こしたプレイヤーをそのアクションのコントローラーといいます。アクションの効果はコントローラー目線で解決されます。たとえば、「兵士として場に出す。」というアクションの効果があるとします。ここでは、ど
の場に出すか明言されていないのでこのアクションのコントローラーの場に兵士を出すことになります。
オーナー
オーナーとは、キャラクターや切札などの持ち主のプレイヤーのことを指します。オーナーは対象が出ている場所により決定します。つまり、自分の場にいる兵士のオーナー
は自分ということになります。オーナーの概念は次のものに当てはまります。
• キャラクター• 切札• デッキ• 墓地
オーナーの概念が当てはまるこれらを「コンポーネント」といいます。
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5.2 即時効果
5.2 即時効果アクションの中には起こした時に即効果を発揮するアクションがあります。このようなアクションは特記事項に「即時効果」と記載されています。即時効果はその名のとおり、すぐにアクションの効果を発揮します。即時効果を踏まえたアクションの起こしかたは次のようになります。
1. 起こすアクションを対戦相手に伝える。2. アクションに応じたコストを支払う。3. 必要なら手札からキーカードを出す。4. 対象の指定が必要な場合、対象を指定する。5. 起こすアクションの特記事項に「即時効果」と記載されている場合、アクションの効果を発揮する。
基本的には、第 3章「アクションの基本」のアクションの起こし方と変わりませんが、起こしたアクションの特記事項に「即時効果」がある場合、起こした時点で効果を発揮するところが追加になっています。
【補足】即時効果のときの勝敗判定ってどうなるの?
勝敗判定は、アクションが解決される度に判定されます。即時効果の場合もアクションは解決されるため、勝敗判定が行われます。
5.3 誘発能力の中にはアクションを誘発する能力があります。誘発とは、特定の条件を満たした時にアクションが自動的に起こることを指します。
誘発の条件と誘発するアクション
英雄の世代交代を誘発する能力を見てみましょう。
場から墓地に行く場合、世代交代アクションを誘発する。
この能力から誘発する条件は「場から墓地に行く場合」、誘発するアクションは「世代交代」だということがわかります。誘発する条件は「~の場合」、「~時」などで記載されており、誘発するアクションは「~を誘発する」と記載されています。
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第 5章 アクションの詳細
誘発したアクションのコントローラー誘発したアクションのコントローラーは、誘発する条件を決めているコンポーネントのオー
ナーになります。たとえば英雄が墓地に移った場合、世代交代アクションを誘発します。この世代交代アク
ションのコントローラーは、英雄のオーナーということになります。
誘発したアクションの解決
アクションの解決などによって複数のアクションを誘発することがあります。複数のアクションを誘発した場合に、アクションを解決する順番を説明します。
誘発の有無判定誘発の有無は次のときに確認します。
• アクションを起こした後• アクションを解決した後
アクションを起こした後は、コストの支払いによってアクションを誘発するときがあります。
アクションの解決順誘発の有無判定で有りとなった場合、次のような順でアクションが解決されます。誘発し
たアクションに即効果を効果するアクションが含まれている場合があるため、順番が複雑になっています。
1. 即時効果の効果を発揮1-1. 誘発したアクションのうちターンを持っているプレイヤーがコントローラーかつ特記事項に「即時効果」と記載されたアクションの効果を発揮する。条件に該当するアクションが複数ある場合、該当する全てのアクションをコントローラーの好きな順で効果を発揮する。
1-2. 誘発したアクションのうちターンを持っていないプレイヤーがコントローラーかつ特記事項に「即時効果」と記載されたアクションの効果を発揮する。条件に該当するアクションが複数ある場合、該当する全てのアクションをコントローラーの好きな順で効果を発揮する。
1-3. 1-1,1-2で発揮されたアクションの効果によって誘発したアクションがある場合、1-1に戻る。
2. 誘発したアクションをステージに置く2-1. 誘発したアクションのうちターンを持っているプレイヤーがコントローラーかつ特記事項に「即時効果」と記載されていないアクションをステージに置く。条件に該当するアクションが複数ある場合、該当する全てのアクションをコントローラーの好きな順でステージに置く。
2-2. 誘発したアクションのうちターンを持っていないプレイヤーがコントローラーかつ特記事項に「即時効果」と記載されていないアクションをステージに置く。条件に該当するアクションが複数ある場合、該当する全てのアクションをコントローラーの好きな順でステージ
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5.3 誘発
に置く。図にすると次のようになります。(図 5.1)
アクションが誘発した時の流れ
1-1:即時解決の効果を発揮(AP)
1-2:即時解決の効果を発揮(NAP)
2-1:誘発をステージへ(AP)
2-2:誘発をステージへ(NAP)終了
アクション 誘発
凡例 AP:ターンを持っているプレイヤー NAP:ターン持っていないプレイヤー
1-1,1-2で誘発した場合1-3:誘発有無判定
▲図 5.1 アクションが誘発した時の流れ
【補足】即時効果アクションを起こしたときの誘発
即時効果のアクションを起こしたときに、コストとしてキャラクターを墓地に移すなどすると即時効果アクションを誘発することがあります。その場合のアクションは次の順で解決されます。
1. 起こした即時効果アクション2. 誘発した即時効果アクション
理由は、即時効果アクションが効果を発揮するのは、アクションを起こす中に含まれているからです。誘発の有無を判定するのは、アクションを起こした後のため、起こした即時効果アクションの方が先に解決されることになります。
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第 5章 アクションの詳細
5.4 その他補足事項防壁の置き方
防壁を場に出すときは次のルールにしたがって場に出して下さい。(図 5.2)
• 防壁を置く時はデッキ側に詰めて置いて下さい。• 防壁の左右の入れ替えは行わないでください。
デ ッ キ
墓地
防壁を出していく方向
防壁 ①
防壁 ②
デッキ側に詰めて出す
▲図 5.2 防壁の置き方
1ターンに 1回制限
特記事項に「1ターンに 1回制限」と記載されているアクションは、ターンを持っているプレイヤーが変わるまでの間に 1回しか起こすことができません。ターンを持っているプレイヤーが変わればまた起こすことができます。
直接起こせないアクション
特記事項に「プレイヤーはこのアクションを直接起こすことが出来ない。」と記載されているアクションは、プレイヤーがチャンスを持っていてもアクションを起こすことができません。
5.5 まとめこの章では、アクションの詳細を説明しました。ポイントとなる部分をまとめます。
• オーナーはキャラクターの持ち主、コントローラーはアクションを起こした人• 即時効果のアクションはアクションを起こした時に効果を発揮• 同時に誘発した時の解決順は「アクションの解決順」をみる• アクションは解決する度に勝敗判定が行われる
即時効果と誘発は混乱しやすいため、わからなくなったらその都度ルールを確認しましょう。
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第 6章
エクストラ
この章では、エクストラフォーマットについて説明します。エクストラフォーマットはスタンダードの拡張であるため、スタンダードからの追加部分のみ説明しています。スタンダード版で慣れてから遊ぶとルールが分かりやすいです。
6.1 エクストラとはエクストラではスタンダード版のアクション、キャラクターに加え切札を操作するアクションとそれに対応する切札の能力を使うことができます。切札を使うことで、スタンダードよりさらにデッキ構築要素が増えたルールとなっています。
6.2 切札とは切札とは、切札領域に置かれたカードを示します。具体的な切札の置き場所については、
「1.6 カードの配置」を参照して下さい。切札には各々能力が割り当てられており、表にするとその能力を発揮します。切札を操作するアクションは、「エクストラリスト」を参照して下さい。
6.3 バージョンについてエクストラには、バージョンが存在します。バージョンは次のように表記されます。(図
6.1)
エクストラのバージョン表記
v10.0メジャーバージョン マイナーバージョン
▲図 6.1 エクストラのバージョン表記
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第 6章 エクストラ
メジャーバージョン公開されている切札の枚数を示します。公開される切札が増える度に増えていきます。
マイナーバージョンメジャーバージョンが上がるまでに行った修正回数を示します。
対戦を開始する前に対戦相手とバージョンの確認をしましょう。
版数との関係について
版数毎に使える切札の種類が異なります。たとえば、第一版、第二版ではエクストラで遊ぶことはできません。第三版では、第四版が出るまでの間に公開された切札であれば使用することができます。(表 6.1)
▼表 6.1 版数とエクストラのバージョン
版数 エクストラのバージョン第一版 -第二版 -第三版 v4.0 ~ v10.0第四版 v14.0 ~
公開された切札と使用できる版数については、次のページをご確認下さい。https://sites.google.com/site/blackpoker000/etc/extra
6.4 ゲームのはじめ方エクストラでは、切札を置いてからゲームを始めます。切札を置くルールは次のようになっています。(図 6.2)
• 対戦前に裏向きで 2枚まで切札を置くことができる。• 切札はデッキと角度を変えて交わるようにデッキの下に置く。• 切札を表にするときはスートと数字が見えるようにし、対応する能力の名称を言う。• デッキが 0枚になった場合、切札が残っていても敗北する。• 能力が割り当てられていないカードも切札とすることができるが、表になっても能力は発揮されない。
切札の置き方
デッキの下に角度を変えて置きます。 @@@
デッキ切札
▲図 6.2 切札の置き方
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6.5 切札の能力
これ以降は、通常のゲームの始め方と同様です。
6.5 切札の能力エクストラでは切札を使って能力を得ることができます。切札 1枚 1枚に異なった能力が割り当てられており、表にすることで能力を発揮します。割り当てられている能力については、「エクストラリスト」を参照して下さい。
能力を発揮する
切札に割り当てられた能力は「オープン」アクションを起こし表にすることで発揮します。(図 6.3) 「オープン」アクションの詳細は、「エクストラリスト」を参照して下さい。切札が表でいる限り、その切札の能力は持続的に発揮されます。また切札を表にする時は、対戦相手に有効となった能力が分かるように、能力の名称を言いスートと数字が見えるようにしましょう。
切札を表にする例
@@@@
デッキ切札
B@デッキ
オープン
▲図 6.3 切札を表にする例
能力を無効化する
切札は裏向きもしくは、墓地に移されると能力を発揮しなくなります。切札を無効化するためには、「クローズ」アクションを用い切札を裏向きにするか、「切札破壊」アクションを用いて切札を破壊しましょう。「クローズ」アクション、「切札破壊」アクションの詳細は、「エクストラリスト」を参照して下さい。
6.6 まとめエクストラについて説明しました。ルールとしては、スタンダードに切札が入っただけのため、スタンダードで慣れていれば簡単に遊べると思います。切札が増えていくのもエクストラの特徴です。是非遊んでみて下さい。
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第 7章
その他のルール
この章では、公開・非公開情報やシャッフルの仕方といった細かな決まりごとを説明します。
7.1 公開・非公開情報配置されているカードには、アクションの効果を使わなくても中身や枚数を知れるものがあります。知れる度合いには次の種類があります。
完全公開全てのプレイヤーが知ることができ、聞かれたプレイヤーは正しく答える必要がある
個人公開デッキの持ち主のみ知ることができる
非公開全てのプレイヤーは知ることができない
完全公開の情報であれば、ゲーム中いつでも対戦相手に聞くことができます。各カードの配置と公開・非公開の度合いは次のとおりです。
デッキ完全公開:10枚未満のデッキ枚数個人公開:デッキの枚数非公開:デッキの中身
墓地完全公開:墓地の一番上のカード個人公開:墓地の中身非公開:なし
場完全公開:表裏を変えずに見えるカード個人公開:伏せてあるカード
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7.2 デッキのシャッフルについて
非公開:なし
手札完全公開:手札の枚数個人公開:手札の中身非公開:なし
切札完全公開:表裏を変えずに見えるカード個人公開:伏せてあるカード非公開:なし
【補足】残りのデッキ枚数を聞かれたらどうしたらいいの?
対戦相手から残りのデッキ枚数を聞かれた場合、自分のデッキの枚数を上から 10枚まで数え、相手に数えたカードの枚数が分かるように裏向きで見せます。10枚未満であれば枚数を答え、10枚以上の場合「10枚以上です」と答えて下さい。10枚以上の場合、正確な枚数を答える必要はありません。
7.2 デッキのシャッフルについてBlackPokerではコンセプトの 1つに”相手のカードに触らない”があるため、対戦相手にデッキのシャッフルをお願いする必要はありません。ただシャッフルしてほしいのであれば、お願いしても構いません。逆に、対戦相手があまりシャッフルしていない場合は、さらにシャッフルをお願いすることができます。
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付録 A
第三版から第四版への変更点
第三版から第四版の変更点を簡単に説明します。
A.1 大きな変更点先攻を決める時にスートを見なくなりました
第三版までは先攻を決める際にデッキの一番上をめくり同じ数字の場合スートを判定していましたが、ルールをシンプルにするため第四版から数字のみで判定するようになりました。詳しくは、「2.1 ゲームの始め方」を参照して下さい。
チャージとドローのアクション化
第三版までチャージとドローは、「チャージ&ドロー」としてターンの構成に含まれていましたが、第四版から「チャージ」アクション「ドロー」アクションに分かれて、ターン制御アクションとしてアクションリストに追加されました。この変更に伴い、ゲームを始める時に、先攻が 1ドローするまでがゲームの始め方に含まれました。詳しくは、「2.1 ゲームの始め方」を参照して下さい。また、「チャージ」と「ドロー」がアクション化されたことで、「チャージ」と「ドロー」の間にターンを持っていないプレイヤーにチャンスがめぐるようになりました。「チャージ」「ドロー」アクションについては、アクションリストを参照して下さい。
デッキ枚数の確認
公開・非公開情報を見直し、デッキ枚数の確認が出来るようになりました。詳しくは、「7.1公開・非公開情報」を参照して下さい。
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A.2 ルールの明確化
A.2 ルールの明確化コントローラー・オーナーの追加
アクションを起こしたプレイヤーをコントローラー、場に存在するキャラクターの持ち主をオーナーというようになりました。詳しくは、「5.1 コントローラーとオーナー」を参照して下さい。
コンポーネントの追加
キャラクター、切札、デッキ、墓地をコンポーネントというようになりました。「5.1 コントローラーとオーナー」にて説明しています。
即時効果の明確化
第三版までアクションの特記事項に「このアクションはステージに置かれた時に即効果を発揮する。」としていた記述を、第四版では「即時効果」という名称をつけ、ルール内に動きを明記するようにしました。詳しくは、「5.2 即時効果」を参照して下さい。
誘発順序の明確化
第三版までアクションが誘発するルールはアクションリストに補足的に記載されていましたが、第四版からルールに含めて記載するようになりました。詳しくは「5.3 誘発」にて説明しています。
「Support Paper」廃止&アビリティリストの名称を変更
第三版までアクションリストとキャラクターリストは「Support Paper」に含まれている扱いとなっていましたが、第四版からアクションリストの中にキャラクターリストが含まれるようになりました。また、エクストラフォーマットで使用するアビリティリストの名称は、エクストラリストに変更となりました。
細かな記述変更
アクションリスト、エクストラリストも分かりやすくするため細かく記載を変更しています。既に覚えている方も再度読み返してみて下さい。
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あとがき
最後まで読んでくださってありがとうございます。第四版では、ルールを分かりやすくかつ細かく説明するため、前回より大幅にページ数を増やしてみました。少しでもルールの理解に繋がれば幸いです。
BlackPoker はルールがなかなか複雑なゲームですが、覚えてしまえばトランプでカードゲームみたいな遊びができます。昔一緒にカードゲームで遊んでいた友人や、自分のやっていないカードゲームをしている友人と一緒に遊んでみてはいかがでしょうか。
動画配信について
ニコニコ動画、Youtubeにてプレイ動画を配信しています。動画を見ながら遊んでいただければ、文章だとわかりづらいルールも多少わかりやすくなると思います。
イベント(体験会・大会など)
都内を中心に行っています。詳しくは公式ウェブサイトや Twitterをご確認下さい。
最後に
ルール等でご質問がありましたらお気軽にご連絡下さい! BlackPoker は少数運営サークルのため、イベント等で不手際があったり、メールや twitterの返答も遅くなることがありますが、ご了承いただければと思います。今後もお金をかけず、いろいろな人と楽しく遊んでいける環境作りに励んでいきますので、興味が湧きましたら是非イベント等々にご参加ください。お待ちしています!
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ロゴの意味
図: BlackPokerのロゴ
「逆さクラブに穴 3つ」BlackPokerは対戦相手にとても依存するゲームです。対戦相手がいないと何も始まりません。クラブは知恵を意味するため、逆さクラブは対戦相手との知恵比べを意味しています。逆さクラブにある 3つの穴は、完璧な知恵を持っている対戦相手にも必ず勝てる抜け道があることを意味しています。
名前の由来BlackJackと Pokerを合わせた名前にしました。覚えやすく、ありそうでないゲーム名で
大会の名称にしてもそれなりな名前にしました。お父さんが「BlackPoker で優勝したぞ!」と家族に言っても違和感のない硬派な感じを目指しました。現状のルールでは、BlackJack要素も Poker要素もあまり含まれていませんが、コンセプトに反しない程度に入れていければと思っています。
著者紹介もりくま / @BlackPoker000
BlackPokerの代表者。2013年から BlackPokerを考案&運営をしています。プログラミングが好きで、BlackPoker のアクションリストとかツールで自動生成して
ます。
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BlackPoker公式ルール
2018年 2月 10日 第四版 v1.02018年 3月 21日 第四版 v1.12018年 7月 22日 第四版 v1.2著 者 もりくま発行元 BlackPoker連絡先 [email protected]
(C) 2013 BlackPoker
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