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BPO :ビジネス・プロセス・アウトソーシング 保険業界での業務アウトソーシング

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BPO:ビジネス・プロセス・アウトソーシング

保険業界での業務アウトソーシング

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BPOは、成長戦略実現の一翼を担うものであり、保険業務の中でも特に定型度の高い業務を 短時間で大量処理する契約保全業務は、BPO と親和性が高い領域です。

アクセンチュアのBPOは、人件費単価の削減 のみならず、ビジネスコンサルティングの経験 に基づく業務改革を同時に行うことによる トータルコスト(ITコスト・業務コスト)の削減 を実現する点に特色があります。また、業務 スキルの保持・業務遂行リスクの外部化といった価値の提供も可能です。

このレポートにおいて、いくつか実例をご紹介しながら、BPOによってもたらされるメリットや、BPO検討の進め方を分かりやすくご紹介 しております。

今や成長戦略に不可欠とも言えるBPOを、ご検討頂く一助となれば幸いです。

問い合わせ先

金融サービス本部E-Mail(日・英可): [email protected]

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ビジネス環境が厳しい なか、自前でのコスト 削減は限界にきている保険会社を含む金融機関は、業務関連 コストに占める固定費率、特に人件費率が高い特徴がある。固定費削減のアプ ローチとしては、規模の経済の活用が鍵であり、その主な施策は、M&A、アライアンス、BPOである。

M&Aは、スケールメリットを自前で実現するものである。アライアンスは、複数社が業務のプラットフォームを共有することで、自前より大きなスケールメリットを獲得するものである。コストは規模に 応じ参加者間で分担されるため、一定 部分が変動費化される。欧米の金融 機関は厳しい競争環境のなか、既にこれらには取り組んできた。

BPOは、サードパーティが大規模処理を前提として構築したプラットフォームに 処理を委託することで、アライアンス 以上のスケールメリットを追求するものである。コストは処理量に比例して請求されるため、変動費化をより推し進めることができる。

BPOは、M&Aやアライアンスのリスクを負えない場合の単独活用は勿論、それらと組合せての実施も可能であり、世界的な金融危機のダメージからの立ち上 がりが模索されるなか、その柔軟性と 効果に期待が高まっている。

成長戦略実現の 一翼を担うBPO従来の業務アウトソーシンやオフショア 化のイメージは、単純業務を安価な 労働力で大量処理するというもので あった。しかしながら近年グローバル 企業は、BPOやオフショア化の位置づけ を、経営資源を企画業務等の中核業務 に集約するための手段とすることは もちろん、さらに踏み込んで、リソース 調達の限界や自社対応力の制約を乗り 越え、短期間でより多くの経営施策を 実行するためという、成長戦略実現の 一翼を担うもの、としてきている。

BPOの意義

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保険業でのBPO活用余地

通常業務のBPO保険業務では、契約処理業務やコールセンタ等での顧客対応が発生する。 これら業務のうち大半は、定型度が中~ 高程度のものを大量に処理するもので ある。大量処理型の業務は、BPOになじ みやすい業務であることから、このよう な業務処理が中核業務の1つである保険 業界において、BPOが注目されている。

クローズドブック業務の BPOクローズドブック業務とは、新規発売を 行っていない商品(クローズドブック 商品)に関連する業務であり、大きく2つのタイプにわけられる。

1つは、当該保険会社の全商品がクローズドブック業務となるものである。例えば、日本市場での新規募集を全面的に 一時休止する、もしくは撤退を決めた外資系保険会社などが該当する。

もう1つは、会社としては新規募集を 継続していても、商品単位で見た場合、 既に新規募集を行わず、既存契約の 維持管理のみを行っているものである。

このどちらのタイプであっても、新規 契約がないため、管理すべき契約数と、対応すべき業務トランザクション数とが年々減少し、いずれはなくなること点は同じである。

将来的になくなる業務であること から、新規の投資をせず、徹底した処理の標準化を図り、よりローコストで業務運営を行うことが求められており、BPO化する意義が高い領域である。

今後、保険業界では、更なる規模の経済 の追求や事業ポートフォリオの拡充を 実現するための合従連合が、グロー バル規模で盛んになるものと予測さ れる。選択と集中によるビジネス統廃合 の一環として行われる商品再構成の 結果、今後も一定数のクローズドブック商品が生じることから、クローズドブック 業務のBPOは、近年特に注目を高めて いる。

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金融機関は人件費やシステムコストの ような固定費負担が重たいことから、 これをいかに低減させるかが課題で ある。そのためには、外部化を行い、より 大きなプラットフォームのもとで、より 効率的な処理を行うことが有効である。

コスト削減の主なアプローチとしては、以下の4つが考えられている。

1. ITコストの削減システムのシェアード化や標準化に より、ITプラットフォームの運用コスト の削減を行うことが可能となる。

2. 業務コストの削減各種の業務効率化(BPR) (ビジネス・ プロセス・リエンジニアリング)施策の 実施や、サービスレベルの見直しを 行い、アウトソーシング後の業務効率を高めることで、業務コストの削減を行う ことが可能となる。また、アウトソー シングを行うことで、処理量に応じて コストが請求される変動費形式への転換が図られるが、これにより未稼働コス

トを減らし、コスト負担の最適化が図られる。

3. 人件費単価の低減BPRによる業務の単純化や標準化を 通じて、より単価の低い要員での処理を推進したり、一部業務のオフショア化を図ることで、人件費単価を低減すること が可能となる。単純化や標準化への取り組みを我々は「工業化」と呼ぶことも あるが、これは、いかにして担当者の 個性や暗黙知に依存しないように業務を細分化して定型化出来るかが、成功の鍵であることを意味している。

4. 委託元における業務 スキル維持にかかわる コストの削減特にクローズドブック業務においては、必要な知識・スキルは契約が完全になくなるまで維持される必要がある。契約数や業務工数が減少し、また将来的にはなくなるとわかっている業務に対する投資やコストを、アウトソーシングにより回避することが可能となる。

BPOによるコスト削減: 4つのアプローチ

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事例1: 新規契約を含む通常 業務(オープンブック)のBPO事例-施策とセットによる抜本的なコスト改革

総資産100億ドル超、25万件の契約を 有する北米のある生命保険会社は、 保険証券発行以外の契約保全業務を アクセンチュアにBPOし、BRPとオフ ショア(インド)化により、約50%のコ スト削減を実現した。BPRでは、業務の 標準化/単純化施策、および案件難易度と要員スキルとのマッチング精度の 高度化施策により、平均処理時間の 削減、高スキル高単価要員比率の低減、より低単価な単純作業要員比率の引上げを実現した。

事例2: クローズドブック業務 のBPO事例-業務コスト削減と顧客満足度向上を両立させたA社のケース

欧州を拠点にグローバルに生命保険 事業を展開するA社は、2003年にフラン スにてB社とC社とを買収した。これら 買収先のビジネスを素早く円滑に統合 する必要があったが、特にクローズド ブック商品に対しては、コストを要する新規の投資は行いたくないと考えていた。

そこでクローズドブックである200 商品、15万件の保険契約の顧客対応業 務(コールセンタ)と契約保全業務とをアクセンチュアにBPOした。

アクセンチュアは、システム面では既存 のA社のシステムを引き継ぎ、活用し つつも、業務面では、「業務の標準化」、 「商品の統廃合」、「研修の内容の改善」 等のBPR施策による業務コスト削減への取り組みを行った。

その結果、「業務コストを50%以上 削減」、「顧客満足度調査結果を改善」、 「プロセッシングのバックログを削減」 「苦情件数を1/3に削減」といった効果を創出した。

A社はこのBPOにより、クローズドブック関連業務コストの削減のみならず、買収先を梃子とした新規ビジネスに対して、資源を重点配分し、より投資効率を高めることに成功した。

事例3: バックオフィスのBPO- ノウハウ獲得後に対象領域 を拡大し、コスト改革を 徹底追求

あるグローバル投資銀行は、総額60億ドル(9カ国/7年間)に及ぶ購買管理を アクセンチュアに委託した。アクセン チュアが調達仕様標準化や購買業務の効率化、アクセンチュア3拠点へのオフショア化、電子入札導入等の施策を提供 することで、同行は15%以上のコスト 削減を実現した。アクセンチュアへのBPOを通じてBPOの有効性を理解した 同行は、その後、出張管理や資金支払 管理、リサーチ業務など、より定型度 の低い業務やフロントに近い業務へもBPO対象を順次拡大している。

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BPO成否は、業務詳細 調査での業務分析で 決まるアクセンチュアの保険業界向けBPOは、アウトソーシング可能領域の識別及び現状のコスト把握と削減余地の検討を行う約4週間(2~6週間)の無料効果診断からスタートする。その診断結果を踏まえて、更に検討を進めるかどうか、保険会社社内でご判断が可能である (図表1)。

効果診断の次プロセスである、業務の詳細調査(業務デューデリジェンス)がBPOを成功に導く最も重要なキープロセスである。

BPO対象業務を詳細に分析・把握し、 当該現状認識をもとにBPR施策の適用 余地と効果試算や、業務移行後の新 業務プロセスの定義、システム要件定義 を行う。ここでの検討の品質が高いもの でなければ、実現性の高いあるべき 業務像の定義と、確実な効果を創出することは出来ない。

あるべき像を“絵に描いた餅”としない、実践的な 業務デューデリジェンス とは業務リスクとのバランスのとれたBPO施策によるコスト削減への取り組みは、BPO対象業務を適切に選定し、さらに各対象業務に優先度を設定した検討を行うことで実現が可能となる。

第一ステップ: BPO対象業務の選定

保険会社に残すべき機能と、BPO化する業務とを、現行業務のフローやマニュアル類をすべて確認し、法令や各社固有の事情も踏まえたうえで、委託元と徹底 的な議論を行って識別する。生命保険業務では、概ね図表2のような役割分担が一般的である。

アクセンチュアの経験では、専門業務 もしくは判断業務の場合でも、実は アウトソースが可能な業務が多く存在 する。BPOの対象となる業務を切り分ける際は、何がアウトソース出来るかでは なく、何がアウトソース出来ないか、と 

いう視点が重要である。

BPO検討の進め方

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図表1. BPO検討の進め方

* : 効果診断の本格着手前に、数日で結果が提示可能な簡易診断キットによるプレ診断を行うことも可能です

4-6ヶ月の期間をとらず、より短期間でのソリューション提供も可能

サービス開始効果診断*

2-6週間 2-3ヶ月 2-3ヶ月

貴社社内での是非の判断

貴社社内での是非の判断

• アウトソーシングの考え方についての相互理解

• 対象業務範囲とコスト

• アウトソーシングによる効果の可能性の提示

移行詳細調査/移行準備

• 施策、効果の最終的な精査、および確認

• 契約重要事項についての合意

• 移行計画の合意

• 移行計画の実施 、契約付替え

• 維持管理の実行、引継ぎ

LOI(覚書)

重要事項 説明本契約

図表2. BPO対象の選定

商品開発

商品企画・価格設定

新商品申請・認可

ブランディング・広告

マーケティング

マーケティング資料作成

市場・企業調査

テレマーケティング/顧客開拓

顧客理解

インサイトドリブンマーケティング

キャンペーン開発・管理

営業・販売 新契約 保全業務

顧客・契約管理申込書データ入力

アンダーライティング

要件・要望管理

証券発行

収納

国内通信/イメージング

支払変更 税報告

クレーム・支払 再保険管理

在庫管理

IT運用

対顧客資料発送

顧客サービス営業・販売サービス 新契約サービス

文書管理・書類入手

書類作成

ナレッジマネジメント

コールセンター

苦情対応

給与管理営業社員・代理店管理/ライセンス など

法人営業

代理店営業

コンプライアンス

代理店報告書作成

代理店トレーニング

営業・サービス支援

代理店管理

ダイレクトセールス

営業支援・ロジスティックス

チャネル戦略・管理

チャネル人事・採用

チャネル財務

チャネルコミュニケーション

営業管理

先進営業・企画支援

国内マーケティング・営業サポート

一般的に保険会社にて業務遂行されるべき範囲当初対象範囲 第二ステップにて対象となりうる範囲

注)弊社の対象業務とした領域において、個別の作業レベルでは保険会社との役割分担が生じる場合があります また業法上保険会社の役割に相当する部分はアウトソースされません

その他業務

財務・会計

人事

IT開発・保守

資材調達

FSA報告(一部業務)

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図表3. BPO効果を高めるためのアプローチ

Lift & Drop既に標準化/単純化されている業務であることから、早期にBPOすることが可能な領域

Some Transformation & Outsourceプロセスをより標準化/単純化する等のBPR施策を実施し、リスクを低減させた後BPOすべき領域

Significant Transformation & Outsource新規のシステム導入等、大規模かつ抜本的な業務の見直しを実施し、プロセスをより標準化/単純化した後にBPOすべき領域

Don't Outsource

BPOになじまない領域

高高

プロセスの複雑さ

リスク

Significant Transformation & Outsource Wave 3Some Transformation & Outsource Wave 2Don't Outsource

Lift & Drop Wave1

第二ステップ: BPOアプローチの検討

BPO対象業務を、「プロセスの複雑さ」と 「リスクの程度」により分類し、業務ごとのBPO実施アプローチを決定する(図表 3)。 Lift & Drop領域の業務は、出来る だけ速やかに業務移行を行う方法の 検討に入ることが、施策効果の極大化に つながる。他方、Some Transformation & Outsource や Significant Transformation & Outsource領域の業務は、まずは、BPR の手法を用いて業務効率化余地の検討を行うことが、施策効果の極大化に有効である。BPRの検討に際しては、アクセンチュアにおける長年のビジネスコンサルティング経験で培った知識や経験を活用いただくことが可能である。

第三ステップ: 優先順位の識別

BPO対象業務を「業務の難易度」と「期待 効果」によりマッピングし、BPO実施 の優先順位を決定する(図表4)。

第四ステップ: To Be役割分担の定義

BPO対象業務ごとに、業務を行う場所 (オンショア、ニアショア、オフショア)を 決定する。その際には、図表5のような ロジックツリーを用いて識別を行う。

この識別結果をもとに、業務移行後の 業務フロー、及び、業務効率化効果を織 り込んだ後の業務ごと/役職ごとのリ ソースプランの作成を行う。

オフショア化の実現可否検討に際しては、制約および言語の面から検討が必要 である。日本語での業務を前提とした オフショア化では、オフショア要員の日本語能力向上施策の実施に加え、オフショ アでのレビュー体制の確保や緊密な 連携を確保するための仕組みの検討を あわせて行う。

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図表4. BPO対象業務の優先順位付けアプローチ

高 中

第一優先対象 第二優先対象 第三優先対象 第四優先対象

難易度

手堅く即実施• 各種書類送付・ 受付• 書類不備 チェック(定型)

やりきる• データ分析

チャレンジ• 営業事務集約化

取り込めるよう徹底検討• 帳票作成・管理• 不備解消対応(非定型)

注意深くプランニング• 書類不備チェック (非定型)• 計数レポート作成 (差異解消含む)

とりこぼさず確実に実施• 不備解消対応(定型)

実施可否を見極め• 固定資産管理• 物件管理

実施可否を慎重に見極め• 商品開発• リスク/数理業務

他領域とセットで実施• 入力処理業務

最低限BPO化すべき領域

取り組み姿勢• 対象業務例(弊社検討事例)

期待効果

図表5. BPO役割分担の定義

オフショア

Yes

Yes

No

No

Yes

Yes

Yes Yes

No No

戦略/ 意思決定業務

専門業務

判断業務

執行業務

業務の特性は?

本当に自社に必要か?

ルール化出来ないか? BPO可能

アウトソース出来ない業務は何か? オフショア化できない業務は何か?

制約はあるか?(法的・物理的)

高度な日本語コミュニケーションが必要?

BPO不可オンショア・ニアショア

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保険会社の不安と対応策

BPOの検討にあたって、委託元から 寄せられる不安は主に3つに集約され るが、いずれもアクセンチュアがこれ までに培ったBPOノウハウで対応可能である。

不安1:保険会社でもないのに、本当に業務を支障なく遂行 できるのか

業務受託までの間に、以下の3つのプロセスを経ることで、保険会社が安心して業務委託を行えるようにしている。具体的には、1 .世界中で保険業務のBPOを 受託しているアクセンチュアの経験を もとに、保険会社と共同で業務設計を 行う。2 .ノウハウ移転期間(トランジッ ション期間)中に、保険会社要員による アクセンチュア要員へのOJTトレーニン グ等を通じたスキル移転を図る。3 . 最後に、業務シミュレーションテストを 実施し、保険会社と予め合意した基準を達成した後に、業務受託を開始する。

受託後も、保険会社との業務連絡を 密に行うとともに、要員に対する勉強会 の開催等業務遂行力の向上も図って いる。また、円滑な業務移管、業務遂行 のため、必要に応じて保険会社からの 転籍社員の受け入れも行うことなどに より、業務受託後の円滑な業務遂行を実現している。

不安2:業務効率は本当に 高まるのか

アクセンチュアでは、ビジネスコンサル ティングの経験に基づく、各種のBPR 施策の提案を行っている。BPRは、業務 の標準化/マニュアル化、平準化、同種 作業の寄せ集め・集中処理化、等の施策 が中心となる。またグローバルで用い ている業務・システムの処理プラット フォームを用いれば、更なる単位あたり 処理コストの低減が可能である。

不安3:(オフショアの場合) 日本語での業務遂行が本当に可能なのか

アクセンチュアのBPOは、オンショア、 ニアショア、オフショアの各拠点の単独利用や組み合わせ利用が可能であり、必ずしもオフショア化が必須ではない。 また当初はオンショアやニアショアで 業務を行い、業務安定後にオフショア化 を順次行う等の柔軟な対応も可能で ある。

アクセンチュアのオフショアセンタでは、 日本語検定有資格者を配置するとと もに、日本人講師による社内日本語 研修を必修としている。現在日本のお客 様向けに提供しているサービス(メール、電話)は、すべて日本語にて行っている。 また、サービスの品質の確認のため、 保険会社が、アクセンチュアのオフショア 要員への日本語インタビューをビデオ 会議や対面(現地)にて行うことも可能で ある。

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国内保険業界BPOへの取り組み

グローバル展開・抜本的 なコスト削減を支える BPO拠点網アクセンチュアは20年以上にわたりBPOサービスを提供しており、全世界に 50のアウトソーシングセンタ、9万人 以上の要員を有している(図表6: ITアウ トソーシング向け拠点/要員を含む)。このネットワークにより、グローバルに展開するクライアントに対し、進出先を 地域ごとにサポートすることはもち ろん、特定地域のみのサポートを提供 することも可能である。

国内拠点(ニアショアセンタ)を活用したBPOモデルの推進上記の通り、グローバルに展開するデリ バリー能力、拠点をBPO展開の基礎と考える一方、コールセンタ業務におけ るお客様対応の日本語力、また、金融 機関の情報管理に関する懸念等を勘案して、国内にオペレーション拠点を構えることが、金融業界でのBPO推進に重要

であると考えている。現在、東京圏以外 の国内拠点においてBPOサービスを 提供するファシリティ構築の準備を行っている。

BPR実施の器してのBPOBPO、特にオフショア化を伴う場合は、 余剰人員が発生するという効果が生じる場合がある。アクセンチュアは、BPR支援ノウハウの活用により、自然減との 相殺や採用抑制等の一般的な対応に とどまらない、例えば増収のための営業 部門への再配置と具体的な戦力化施策 の提案といった、「BPO後の収益向上」 までも含めたソリューション構築が可能である。

アクセンチュアの提供価値アクセンチュアのBPOの特徴は、ビジ ネスコンサルティングの経験に基づく BPRによる業務効率化までも含んだ提案 と、グローバルソーシング拠点/国内 ニアショアセンタ/オンショア拠点 (保険会社の拠点)の最適資源配置に ある。

このような特徴をもつBPOサービスの提供を通じ、BPOを梃子とした成長領域への経営資源の集中化や、業務継続リスクの外部化といった戦略的経営の実現を支援させていただきたい。

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アメリカ大陸

アメリカ合衆国 カナダ アルゼンチン コロンビア チリ ブラジル ベネズエラ メキシコ

アジア太平洋

日本 (札幌、福島、熊本) 中華人民共和国 台湾 大韓民国 インド インドネシア シンガポール タイ フィリピン マレーシア オーストラリア

ヨーロッパ/中近東/アフリカ

アラブ首長国連邦 アンゴラ アンドラ公国 アイルランド イギリス イスラエル イタリア オーストリア オランダ ギリシャ サウジアラビア王国 スイス スウェーデン スペイン チェコ デンマーク ドイツ トルコ 

ナイジェリア ノルウェー ハンガリー フィンランド フランス ベルギー ボツワナ ポーランド ポルトガル スロバキア モロッコ ラトビア ルクセンブルグ ルーマニア ロシア 南アフリカ モーリシャス共和国

図表6. アクセンチュアのグローバルデリバリーネットワーク

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アクセンチュアはBPO マーケットでリーディング カンパニーです。

25 BPOマーケットにおける 弊社サービス提供年数

625+ 弊社BPOサービスの顧客数

150+ 弊社BPOサービスを 提供している国の数

50+ デリバリロケーション数

45+ サポートしている言語数

そのBPOケーパビリティは 市場でも高く評価されています。

市場におけるアクセンチュア BPOサービスの評価

グローバルアウトソーサー 100社ランキングにおいて、 5年連続(2008年~2012年)で BPOアウトソーサー世界No.1に選出

4年連続受賞(2005年~2009年)

HROA(人材アウトソーシング協会)より Kimberly-Clarkと共に”Relationship of the year”を受賞 (2008年)

ランキングでナンバー1リーディング アウトソーサーに選出 (2007年)

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アクセンチュアについて

アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供するおよそ37万3,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。 

アクセンチュアの詳細は www.accenture.comを、 アクセンチュア株式会社の詳細は www.accenture.com/jpをご覧ください。 

ご不明な点や、さらに具体的な内容をお知りになりたい場合は、遠慮なくご連絡ください。[email protected]

お問い合わせ先