教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow...

21
ヒコロク 2020 法政大学大学院 国際文化研究科 教員紹介号

Upload: others

Post on 16-Oct-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

ヒコロク 2020 法政大学大学院 国際文化研究科 教員紹介号

Page 2: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

1

氏 名 粟飯原文子 (あいはらあやこ) 准教授

こんな研究を

しています

英語圏・仏語圏アフリカの文学、特に小説を中心に研究しています。

そのほか、アフリカの映画や音楽についても学んでいます。

こんな成果を

挙げています

【共著】

『グローバルヒストリーとしての「1968 年」――世界が揺れた転換点』ミネルヴァ書房, 2015

年.

【論文】

「移動をめぐるアフリカの物語」『思想』岩波書店, 2017 年 8 月号.

「アフリカ文学が紡ぐ「いま」 第 1 回 アフリカ文学とはなにか ――五〇年後の始まり」 『思

想』 岩波書店, 2018 年 10 月号.

「『崩れゆく絆』の余白――ヴィクトリア時代の黒人宣教師 」 『ヴィクトリア朝文化研究』16

号,2018 年 11 月.

「アフリカ文学が紡ぐ「いま」 第 2 回 メイド・イン・アフリカの可能性――アフリカの出版

の未来」 『思想』 岩波書店,2019 年 6 月号.

「アフリカ文学が紡ぐ「いま」 第 3 回 アフリカをクィア化する/クィア化するアフリカ――

クィアアフリカ文学の波」 『思想』 岩波書店, 2019 年 12 月号.

【翻訳】

ヴィジャイ・プラシャド『褐色の世界史――第三世界とはなにか』水声社, 2013 年.

アルンダティ・ロイ『ゲリラと森を行く』以文社, 2013 年.

チヌア・アチェベ『崩れゆく絆』 光文社古典新訳文庫, 2013 年.

ウォレ・ショインカ「狂人と専門家」『紛争地域から生まれた演劇 7』国際演劇協会日本センタ

ー, 2016 年.

チゴズィエ・オビオマ『ぼくらが漁師だったころ』早川書房, 2017 年.

【その他】

「脱植民地化とネイションの形成」『現代地政学事典』丸善出版, 2020 年.

ほかに、こん

なジャンルに

関心をもって

います

・アフリカのポピュラーカルチャー

・パンアフリカニズムの歴史・思想

・アフリカ哲学

・旧植民地世界の文学

・アジア・アフリカ・ラテンアメリカ(いわゆる第三世界)の連帯の歴史

こんな授業を

行なっていま

多言語相関論 IA(春)/IB(秋)

さまざまな地域・言語圏の文化/文学を読解、分析するための理論と実践方法を学びます。今年

度はアジア、アフリカ、ラテンアメリカの文学作品(短篇・中篇小説)を主に日本語訳で読ん

で、文学批評・理論に触れます。

学会や社会で

こんな活動を

しています

翻訳が好きです。重要な作品、おもしろい作品を日本語で紹介できるように頑張りたいと思っ

ています。今年は(うまくいけば)3点の翻訳書の出版を予定しています。

Page 3: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

2

氏 名 浅川 希洋志 (あさかわ きよし) 教授

こんな研究を

しています

1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的健康・well-being の関係について。

2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。 3. 異なる⽂化で育った⼈々はフローを同じように経験するのだろうか。 4. ⽣理学的指標でフロー経験をどう測定するか、できるのか。

こんな成果を

挙げています

1.“Flow experience and autotelic personality in Japanese college students: How do they experience challenges in daily life?” (Journal of Happiness Studies, 5, 2004).

2.“Flow experience, culture, and well-being: How do autotelic Japanese college students feel, behave, and think in their daily lives?” (Journal of Happiness Studies, 11, 2010).

3.『フロー理論にもとづく「学びひたる」授業の創造―充実感をともなう楽しさと最適発達への挑戦』(静岡⼤学教育学部附属浜松中学校と共著)学⽂社(2011 年).

4.「楽しさと最適経験の現象学―フロー理論―」⿅⽑雅治編『モティベーションをまなぶ 12 の理論』⾦剛出版(2012 年).

5.「ポジティブ⼼理学―“精神疾患の治療”から“充実した⼈⽣”の研究へ―」『児童⼼理』10 ⽉号臨時増刊,⾦⼦書房(2013 年).

6.「フロー経験−ポジティブな発達と⼼理的ウェルビーイングへの可能性」(⾏動科学,53,2014).

7.「『⽇常⽣活を充実させる』テクノロジー」(⾃動⾞技術,68, 2014). 8. “Universal and cultural dimensions of optimal experiences.”(共著:with M.

Cskszentmihalyi)(Japanese Psychological Research, 58, 2016). 9.(監訳)チクセントミハイ『クリエイティヴィティ―フロー体験と創造性の⼼理学』

世界思想社(2016 年). 10.“The role of active and passive s-WOM: Does participation affect e-loyalty?”(共著)

(In J. A. Trespalacios-Gutierrez, R. Vazquez-Casielles, E. Estrada-Alonso, & C. Gonzalez-Mieres (Eds), Marketing Insights: La Respuesta del Comercio a Las Tendencias de Comportamiento Social del Consumidor, KRK Ediciones, 2017).

11.「持続的な幸福(マーティン・セリグマン)―ポジティブ⼼理学と感情―」『臨床⼼理学』第 20 巻第 3 号,⾦剛出版(2020 年).

ほかに、こんな

ジャンルに関

心をもってい

ます

⽂化と⼼の働きに関する研究。例えば、異なる⽂化で育った⼈々は、同じ場⾯で同じような⼼の働き⽅や経験をするだろうか。また、学校教育は⽂化の担い⼿としての⼦どもたちにどのようなことを期待し、そのような教育プロセスの中で、⼦どもたちはどのような⼼の働き⽅を⾝につけていくのか、といったことに興味を持っています。

こんな授業を

行なっていま

「異⽂化社会論 IIA/B」:⽂化⼼理学の⽴場から⼼の働きと⽂化の関連について学ぶと

ともに、異⽂化社会/多⽂化社会における適応とはどういうことかを考えていきます。また、受講者が⾃分⾃⾝の異⽂化体験に対する考察を深めていくための⼀助となるような授業になればと考えています。

学会や社会で

こんな活動を

しています

所属学会:⽇本⼼理学会、International Positive Psychology Association、European Network for Positive Psychology。フロー理論への関心の高まりから、教育、産業、ビジネスといった分野での講演の機会が増えています。⼩・中学校の教育研究のサポート、企業内メンタルヘルス・モニタリング・システムの構築、フロー理論を⽤いた起業家教育プログラムの検証、Fitbit を⽤いて⽇常⽣活における⼼拍数を測定し、それとフロー経験の関係を明らかにする取り組みなど、様々な研究に携わっています。

Page 4: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

3

氏 名 石森 大知(いしもり だいち) 准教授

こんな研究

をしていま

文化人類学、オセアニア地域研究を専攻しています。これまでソロモン諸島ニュ

ージョージア島で延べ約2年半のフィールドワークを行ってきました。そのほか、

フィジー、ヴァヌアツ、ツバルなどの太平洋の島々で調査歴があります。

主な研究テーマは、宗教運動、キリスト教信仰、植民地主義、社会・文化変容、

地域開発、民族・宗教紛争などに関することです。また、宗教と公共性の問題や、

宗教者・宗教組織が提供する社会・福祉サービスの考察のほか、最近では太平洋に

おける非キリスト教への改宗について研究をしています。

こんな成果

を挙げてい

ます

【著書:単著】

石森大知 2011『生ける神の創造力―ソロモン諸島クリスチャン・フェローシップ

教会の民族誌』世界思想社。

【著書:共編著】

石森大知・丹羽典生(編) 2019『宗教と開発の人類学―グローバル化するポスト世

俗主義と開発言説』春風社。

石森大知・丹羽典生(編) 2019『太平洋諸島の歴史を知るための 60 章―日本とのか

かわり』明石書店。

【雑誌論文】

石森大知 2019「民族性から土着性へ―ソロモン諸島紛争におけるイサタンブ解放

運動の一側面」『国際文化学研究』53:1-27。

石森大知 2019「「新しいロトゥ」としてのバハーイー教―ソロモン諸島西アレアレ

における改宗過程と祈りの形式」『南方文化』45:1-18。

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

最近、関心をもっているテーマは「キリスト教の人類学」です。なかでも、キリ

スト教の組織的・制度的側面に関する研究を発展させたいと思っています。これは

従来の人類学的キリスト研究は、西洋起源の宗教概念を重視しつつ、個人の内的な

信仰に偏向してきたという反省からきています。具体的には、キリスト教が植民地

期のソロモン諸島にもたらした新しい組織や制度などの外面的な装置・配置が、

人々の生活様式や行動規範にどのような影響を与えているのか関心があります。

こんな授業

を行なって

います

私は太平洋の島々の研究をしていますが、授業において「太平洋限定」というわ

けではもちろんありません。異文化、あるいは自己と他者の文化的な差異などに興

味をもち、文化人類学のものの見方やフィールドワークに基づく質的調査に関心が

ある院生を広く指導したいと思っています。授業では基礎知識を補強するととも

に、発展、応用可能となるように問題を問いかけます。そして個々の関心を深め、

多角的な視野から研究テーマを発展させ、共感性を高められるよう指導します。

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

【受賞歴】第 7回国際宗教研究所賞、第 11 回日本オセアニア学会賞を受賞。また、

武蔵大学で「学生が選ぶベストティーチャー賞」(2017 年)の受賞経験があります。

【委員歴等】2014年~2016 年まで、文部科学省研究振興局・学術調査官をつとめ、

研究者の立場から、学術研究の振興及び科学研究費補助事業の振興のための調査、

指導及び助言を行いました。2013 年~現在に至るまで、日本オセアニア学会の理

事・評議員をつとめています。また、2018 年~現在に至るまで、日本文化人類学会

の第 28 期学会誌編集委員をつとめています。

Page 5: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

4

氏 名 和泉 順子 (准教授)

こんな研究

をしていま

情報通信技術は今や社会基盤の一つとして普及発展しています。しかし技術は、時代や社会動

向に依存して技術的な開発・設計の方向性が変わり、問題意識や倫理的視点もまた変わってきま

す。以前は問題にならなかったものが今は大問題になったり、優れた技術でも普及しなかったりするの

は何故なのか、仮想世界の情報が現実世界に大きな影響を与えるようになった今、情報はどのよう

に保護や制御される必要があるのか、情報セキュリティの観点からも国際社会との連携や協調を含

め研究を続けています。

こんな成果

を挙げてい

ます

- 和泉 順子,櫻井 茂明,中村 文隆,『情報システム概論』, サイエンス社,2018.- 和泉 順子, 「プローブ情報システムにおける ID およびプライバシ問題の現状と考察」, 情報学

研究第 4号, 獨協大学情報学研究所,2015.− 和泉 順子,「第 20回 ITS世界会議参加報告」, 日本ソフトウェア科学会論文誌「コンピュータソ

フトウェア」,Vol31,No.2,pp.33-37,2014.− 笹川 喬介、和泉 順子, 「誹謗中傷問題のインターネットによる影響に関する考察」, 情報処

理学会 第 61 回 電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)・第 156 回 DPS・第 89 回

GN 合同研究発表会, No. 27, pp.1-6, 2013. -M. SATO, M. IZUMI, H. ITO, K.UEHARA, J.MURAI, “Criteria for Privacy and Integrity Protection in Probe Vehicle Systems”, the 2011 ITS World Congress, Oct. 2011.

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

インターネット上を流通する情報として個人情報やプライバシに関わる保護技術、国際標準、各国

の動向などの研究調査などに携わっていました。これに関連して、地理位置情報分野として、車両

の情報化や自動運転にも関わる ITS(高度道路交通システム)分野の研究開発やシステムの普及

促進、災害時における道路行政やプライバシ情報などの国際連携や関連法規動向にも関心を持

っています。

また、2018年 10月から 2019年 7月まで電子行政の先駆けとして知られるエストニアで在外研

究を行い,e-Government とそれを支える基盤技術 としての X-Tee,あるいは eID の関連技術と

その利用に関する調査研究にも携わっています。

こんな授業

を行なって

います

多文化ネットワーク論 A/B の授業で、知っておくべき計算機科学及びネットワーク技術の用語や基

礎を確認します。その上で、関連分野の最新動向技術を紹介しながら、情報科学分野の技術が

広く社会で使われるようになるために、どのような準備が必要なのか、何が問題でどのような解決方

法が考えられるかを議論します。一方的に提示するのではなく、議論を通じて、今何が問題なのか、今後何が必要になるのかを自ら考えるための授業を行なっています。

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

経済産業省基準認証研究開発事業「プローブ情報システムの匿名性・セキュリティ評価基準など

に関する標準化」など、他大学・組織との共同または委託研究で情報技術の国際標準化にも取り

組んでおり、関連研究を続けています。

学生時代から WIDE プロジェクトにも携わっています。また 2018年にエストニア工科大学へ在外

研究に行くまで約 10年間日本ソフトウェア科学会の論文編集委員を務めた他、関連する研究会

の実行委員・プログラム委員なども務めていました。

Page 6: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

5

氏 名 今泉裕美子(教授)

こんな研究

をしていま

・国際関係学の方法論の研究…第一次世界大戦を契機として始まった日本の国際関係研究につい

て、植民地研究、移民研究から発展してきた研究を軸に、国際関係学の方法論を追究する。その

際、「国際関係」に関する概念や理論を、行為体の多様化及び「国際関係」の変容を踏まえて問

い直し、国際関係学の広領域学としての特徴、方法としての「関係性」を、具体的な事例から検

討する。

・ミクロネシアと日本の関係史および現状を、アジア及び太平洋島嶼をめぐる国際関係の中で追

究…①日本の旧南洋群島統治と植民地社会、③日本(植民地を含む)の旧南洋群島への移民・戦

時動員・引揚げ・戦後移住、④米国によるミクロネシア占領と戦略的信託統治、⑥第二次世界大

戦後の「復興」と脱植民地化、⑦第二次世界大戦後の旧南洋群島帰還者の諸活動(諸団体の形成、

再渡航運動、補償請求、生活再建、慰霊、ミクロネシアとの「交流」)、⑧旧南洋群島を生きた人

びとの植民地及び戦争経験、⑨戦後日本の太平洋島嶼政策、など。

こんな成果

を挙げてい

ます

・“Mobilization and Perspectives by the Japanese Army on Japanese Civilians and Local People during the

Pacific War in Saipan and Tinian,” E- Publication

(http://issuu.com/guampedia/docs/mhc_iii_2017_3),The 3rd Marianas History Conference, One

Archipelago, Many Stories: Milestones in Marianas History (Garapan, Saipan, NMI, September 1-2,2017),

Part 3(World War II, Recent History and Genealogy), 2018/05/03.

・「近年の「引揚げ」研究の視点と本書の課題」、「パラオ諸島 をめぐる民間人の「引揚げ」」今

泉裕美子他編『日本帝国崩壊期「引揚げ」の比較研究―国際関係と地域の視点から』日本経済評

論社、2016 年。

・ 「太平洋の「地域」形成と日本―日本の南洋群島統治から考える」李成市他編『岩波講座日

本 歴史第 20 巻(地域論)』岩波書店、 2014 年。

・ 「南洋群島研究」鴨下重彦他編『矢内原忠雄』東京大学出版会 、2011 年。

・ 「第五部 第二章 移民社会 第一節南洋」 ㈶沖縄県文化振興会史料編集室編『沖縄県史(各

論編第 5 巻近代)』 沖縄県教育委員会、2011 年。

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

・植民地経験や戦争経験をめぐる当事者や非当事者の歴史認識、国際関係認識の形成、これら認

識の形成と地域社会との関係。

・史・資料調査の方法、聞き取りの方法と記録化・分析。

・ミクロネシアや日本の各地域で生まれ育った研究者や学芸員、市民たちとともに調査、研究

交流を行い、地域社会、 市民にとっての文化、歴史とその継承、また異なる立場性を踏まえた

共同の在り方を考える。

・日本とミクロネシアの関係史・交流史に関する共通教材の作成。

こんな授業

を行なって

います

日本の植民地政策と植民地社会、そこに生きた人々のくらし、仕事、運動、 移動など、また彼

らにとってのアジア・太平洋戦争と戦後の脱植民地化の過程を国際関係学、 歴史研究の方法習

得とともに学ぶ。史・資料調査の方法、聞き取りの方法。

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

・歴史学研究会、日本植民地研究会、同時代史学会、日本国際政治学会、沖縄県地域史協議会。

・米国議会図書館南洋庁関係史料の整理・目録作成。琉球大学図書館「矢内原忠雄文庫」南洋 群

島関係史料の整理・目録作成、「矢内原忠雄文庫南洋群島関係資料展」(資料概要と整理の過 程

は http://manwe.lib.u-ryukyu.ac.jp/yanaihara/about.html 参照)

・原爆の図丸木美術館・企画展「赤松俊子と南洋群島」(2015 年 3月 28 日)ギャラリートーク。

・沖縄県立博物館・美術館「美術家たちの「南洋群島」」展(2008 年 11 月 7日‐2009 年 1月 18

日)の展示検討委員。

Page 7: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

6

氏 名 岩川 ありさ (いわかわ ありさ) 准教授

こんな研究

をしていま

専門領域:日本近現代文学、文芸批評、クィア・スタディーズ 「トラウマと記憶」という問題について、言語や文化表象の側面から考えています。

文芸誌などに発表されたばかりの小説や現在放映中のアニメーションまで幅広い

対象へのアプローチをしています。

こんな成果

を挙げてい

ます

【論文】

・「アイドルと共に生きてきた : King & Prince と高木ユーナ『ドルメン X』(総特

集 日本の男性アイドル)」『ユリイカ』51(18), 124-132, 2019-11.

・「前未来形の文学―小野正嗣『獅子渡り鼻』論」『現代思想』2019 年 3 月臨時増刊

号「総特集・ジュディス・バトラー」,pp.277-288.

・「変わり身せよ、無名のもの―多和田葉子『献灯使』論」『すばる』2018 年 4月号,

pp.164-173.

・「クィアな自伝―映画「ムーンライト」と古谷田奈月「リリース」をつないで」『早

稲田文学増刊女性号』2017 年 9 月発行、pp.436-444。

・「境界の乗り越え方―多和田葉子『容疑者の夜行列車』をめぐって」『論叢

クィア』5、クィア学会、pp.82-102、2012 年 11 月。

・「記憶と前未来-林京子「祭りの場」と「長い時間をかけた人間の経験」をつな

いで」『言語情報科学』11、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻言語

情報科学編集員会、pp.191-204、2013年 3 月。

【共著】

・「ポピュラー・カルチャーと歴史認識―清家雪子「月に吠えらんねえ」における

裂け目」西田谷洋編『文学研究から現代日本の批評を考える―批評・小説・ポップ

カルチャーをめぐって』ひつじ書房、2017 年 4月、pp.110-128。

・「私は街を歩きたい:インベカヲリ★『理想の猫じゃない』論『JunCture 超域的

日本文化研究』10,名古屋大学大学院人文学研究科附属超域文化社会センター8-17.

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

・フェミニズム、クィア・スタディーズの視座からの文学テクストや表象分析。

・マンガ、アニメーション、2.5 次元ミュージカルなどのサブカルチャー研究。

・文芸創作の実作と理論的な理解。

こんな授業

を行なって

います

文献の講読を行いながら、文学テクストや表象テクストを読み解くための方法や理

論について学びます。その上で、受講生それぞれの方が興味のある具体的なテクス

トについて分析し、発表し、議論を重ねながら、よりよい論文を書くために必要な

知識やスキルを学びます。また、視聴覚資料を多く用いて、身近なものとして、研

究と向かいあえるようにしています。

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

・日本近代文学会運営委員(2015 年 4月〜2017年 3月)。

・吉本ばななさんへのインタビューが『ユリイカ』2019 年 2 月号に掲載されていま

す。ヤマシタトモコさんへのインタビューが『現代思想』2020年 3 月臨時増刊号に

掲載されています。

Page 8: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

7

氏 名 大嶋 良明(教授、准教授、専任講師)

こんな研究

をしていま

現代のネット社会はどうなるのか、インターネットが我々をどのように変えるのか、これはテクノロジのみの

問題ではなく、広く人間の知的な営みに関わる問題であり文化の問題です。ネット社会=多文化情報空

間の特性や問題点を情報学の立場から学んで行きます。特にネット社会でのより良い自己実現を目指し

て、メディアリテラシ教育、eLearning や ePortfolio 等の教育工学的手法の研究に関心があります。

最近の研究関心はテキストマイニングなど機械学習の手法を用いてインターネット上のビッグデータ

を分析することです。

また大学院時代の研究テーマも大事にしており音響処理とミュージコロジーの観点からコンピュータ

音楽、電子楽器についても継続的に研究をしています。

こんな成果

を挙げてい

ます

大嶋良明,「われわれにとって情報とは何か?」, 『異文化別冊:国際文化情報学とは―その可能性と課

題』, 2010, 通巻第 1 号 , pp.18-31.

大嶋良明,「夏期 SA における文化情報フィールドワークについて」, 『異文化別冊:国際文化情報学とは

―その可能性と課題』, 2010, 通巻第 1 号, pp.201-210.

大嶋良明,「学部の情報教育について-これまでの歩み-」,2010, 『異文化. 論文編』, 第 11 号,

pp.73-85.

大嶋良明,「学部初年次教育における授業改善の試み—ICTと ePortfolioを中心として」, 『法政大学教育

研究』, 2014, 第 6 号, pp.65-82.

大嶋良明,「学部科目への ePortfolio の活用について : 立ち上がりの実施報告」,2014, 『異文化 論文

編』,第 15 号, pp.137-153.

以下は学会発表です

大嶋良明,佐々木健太,田中勇太,「Mahara を活用した学部教育の取組み―法政大学国際文化学部の

事例報告―」, Mahara Open Forum 2013.

佐々木健太,大嶋良明「紙資料の効率的仕分け機能を実装した Moodle と Mahara の連携」, 2013,

Mahara Open Forum 2013.

大嶋良明, 田中勇太,「学部教育における e ポートフォリオ Mahara 活用の継続的取組み」, 2014,

Mahara Open Forum 2014.

大嶋良明,「Hammond B3 の発音原理のモデル化の試み」, 2018, ADADA Japan 2018.

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

l 情報学(インターネット、情報メディア論)

l 教育工学(特に ePortfolio 、eLearning )

l 電気・計算機工学(信号とシステム、通信、データサイエンス、確率過程、機械学習)

l 音声情報処理(音声認識、音響モデル、対話システム、ロバストネス)

l ディジタル信号処理(特にコンピュータ音楽、音響、マルチメディア)

l 応用言語学(異文化コミュニケーション)

こんな授業

を行なって

います

現代社会をメディアとしての諸特性において分析することを目指しています。

【多文化情報メディア論ⅠA−ソーシャルメディアの調査と分析】

Twitter、ブログ、Web などインターネットの書き込みをデータサイエンスで分析します。

同時にイメージ、映像などのメディア情報の分析手法やモデル化を学び、実際のデータに適用して分析

します。

【多文化情報メディア論ⅠB−ポピュラー音楽制作とスタジオ技術の歴史】

ポピュラー音楽をテーマとしてとりあげ、シンセサイザ、サンプラー、ドラムマシンなど電子楽器とスタジオ

での音響効果の技術を学びます。原書購読とフィールド録音、映画音楽、放送など様々な音源から音楽

史上での関連事項の理解を深めつつ、現代のアーティストについても学びます。

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

法政大学市ヶ谷情報センター長(2006-2007)

法政大学グローバル人材育成推進事業 ePortfolio プロジェクトリーダー(2013.9-2015.3)

法政大学 FD 推進センター調査プロジェクトリーダー(2012-2014)

法政大学教育開発支援機構 ICT 教育プロジェクト委員(2011-2012,2013-)

以前の研究内容です

Y. Ohshima,“Environmental Robustness in Speech Recognition Using Physiologically-Motivated Signal

Processing”, Ph.D thesis, Carnegie-Mellon University (1993).

Page 9: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

8

氏 名 大中 一彌 (おおなか かずや) 教授

こんな研究

をしていま

学問分野:政治学、政治思想

地域:フランス語圏

主な関心:ことばや文化と政治の関係に興味がある。

キーワード:シティズンシップ、ヨーロッパ、社会統合、グローバル化、移民

こんな成果

を挙げてい

ます

・「黄色いベスト運動 ― あるいは 21 世紀における多数派の民衆と政治」『対抗言

論』法政大学出版局、2019 年、254-289 頁。

・杉田孝夫・中村孝文編『市民社会』第八章 現代フランスの「スカーフ問題」に

おける市民社会と国家 199-222 頁 おうふう 2016 年。

・「移民社会の論じ方 -ジェラール・ノワリエルにおける記憶と歴史-」『思想』

岩波書店 1096, 171-187 頁 2015 年。

・『フランスという坩堝』 ジェラール・ノワリエル 法政大学出版局 2015 年(翻

訳) ※授業で取り上げる予定です。

・細井保編著『20 世紀の思想経験』「自発的隷従とは何か ラ・ボエシー『反一者

論(コントラン)』をめぐって」 32-73 頁 2013 年。

・“Anti-Humanism as the Objectifying logic of Politics: A Pascalian Detour to Reread Althusser”『異文化』 16, 73-92 頁, 2015 年。

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

・Twitter 熟議のためのメディアとしてはほぼ機能せず、むしろフェイク・ニュー

スを拡散させたり、イデオロギー対立を激化させたり、考えの足りない人間(専門

外について発言する研究者を含む)のおもいつきが大量の「いいね」をもらってい

たりするため、良貨は悪貨に駆逐されるの感が否めないが、とにかく速いという点

では、間違った情報を含めて一番速い。学術論文や、大学図書館にある古い書物を

ゆっくりと読む必要性を思い起こさせてくれる面でも、反面教師的な意義がある。

こんな授業

を行なって

います

担当科目:多言語社会論A・B

基本姿勢:

①自分とは異なるものの考え方や文化に接する機会を提供することで、自分のなか

にある文化的偏見や無知に気づく機会を提供する。そして、そうした偏見や無知を

すぐに正そうとするよりは、そもそもどのような環境や仕組みがあるために、偏見

や無知が発生してくるのかを学問的に理解しようとする態度を養う。

②語学や思想史、外国事情などの専門知識・スキルの伝達も重視しています。

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

・「『「現代日本の思想』を再読する」 パリ日本文化会館客員教授招聘による講演

2015 年。

・ La philosophie, médiation entre les "corps de civilisation" ? 高等師範学校での講

演・討論会(パリ日本文化会館客員教授招聘による) 2015 年。

・法政大学出版局の理事長を現在つとめ、学術出版の困難さと意義を感じています。

Page 10: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

9

氏 名 熊田泰章 (教授)

こんな研究

をしていま

「テクスチュアリティ研究」が専門です。ここのところ書いている論文では、「間文化性=イン タ

ーカルチュラリティ」という新しい概念について研究しています。「主体」が他者との関係性 の

中に構築されるように、「文化」も、実体的に存立しているのではなく、関係的に構築される も

のです。「文化」の仕組みをこのように定めることによって、排他的になることと無縁に「個々 の

文化の独自性」を主張できると考えています。

こんな成果

を挙げてい

ます

1.「世界理解の表出としての言語テクストと図像テクスト -ボッシュとゴヤの絵画を例として

-」『異文化 17 号』法政大学国際文化学部紀要、2016 年

2.「グローバリゼーションの原理としての記号的従属および動的編成と相互変容-個人と文化の

相互的生成と変容についての一考察-」『異文化 16 号』法政大学国際文化学部紀要、2015 年

3.「唯一であることの相対的価値についての試論-芸術作品における内在性と行為性-」 『異

文化 15 号』法政大学国際文化学部紀要、2014 年

4.「絵画のナラトロジー試論―知ることと見ることと語ることの本来的役割同一性についての一

考察―」熊田泰章編『国際文化研究への道-共生と連帯を求めて』彩流社、2013 年

5.「翻訳の<前提/結果>としての「多文化性」に関する考察―<個々の/総体としての><テ

クスト/文化>が<依拠する/作り出す><独自性/普遍性>―」『異文化 13 号』法政大学

国際文化学部紀要、2012 年

6.「文化の複数性原理における自己と他者―多文化主義を問い返す反復する問い―」『異文化 12

号』法政大学国際文化学部紀要、2011 年

7.「<間文化性概念>による<多文化主義>の再構築の試み―空虚なシミュラークルの限界と持

続性を求めて―」『異文化 11 号』法政大学国際文化学部紀要、2010 年

8.「テクスト外参照性を封じる語り手の声-アゴタ・クリストフ『悪童日記』における拒絶する

語り」『異文化 10 号』法政大学国際文化学部紀要、2009 年

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

自分の研究史として挙げれば、以下のことについて考察してきました、また、継続しています。

1.グリム昔話の構造研究・分類研究 /2.小説の語りの構造・ナラトロジー/3.読者論

/4.翻訳論 /5.文化記号論

こんな授業

を行なって

います

「個」がいかにして存在するにいたったか、また「個」がいかにして表象されるにいたったかに

ついて考察することを通して、「間主観性」「間テクスト性」「間文化性」という概念をつきつめ

ていくことを課題としている。修士課程の授業では、目下のところ、肖像画を取り上げて、以下

の著作を精読している:ツヴェタン・トドロフ『個の礼賛-ルネサンス期フランドル肖像画』岡

田温司・大塚直子訳、白水社、2002 年

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

日本全国の約 50 大学に国際文化学部・国際文化研究科あるいはそれに類する名前で、「国際文

化学」を専門とする学部・学科・大学院があります。「国際文化学」を研究する学会である日本

国際文化学会は、2001 年に発足し、現在、これらの大学の教員・学生、また国際交流に従事す

る方々などからなる約 400 名の会員が、研究発表会や学会誌に研究の成果を発表しています。

私は、この日本国際文化学会の発足呼びかけ人の一人であり、常任理事として働き、2007 年度

~2010 年度は会長を務めました。大学院生の研究発表を歓迎します。

法政大学では、2017 年度~2020 年度、常務理事・副学長(大学院担当)の職務に就いています。

Page 11: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

10

氏 名 輿石 哲哉 (教授,准教授,専任講師)

こんな研究

をしていま

・ 英語形態論(英語の語を中心とした領域.形態論が絡む音韻現象,

形態現象,言語史なども含む). ・ 英語音声学・音韻論 ・ 英語辞書学(英語辞書の歴史,比較等). ・ 日本語との対照研究(書記体系,語彙構造等).

私の場合,一つの事象を理論的に突き詰め深化させていくタイプの研究

ではなく,さまざまな事象を記述し,一見無関係に思われることを関係

づけ,新たな光を当てていくタイプの研究になることが多いです.

こんな成果

を挙げてい

ます

・『コンパスローズ英和辞典』(⾚須薫監修・編集)⽂法解説を執筆.2018 年,研究社より出版. ・『歴史⾔語学』(服部義弘・児⾺修編集)第 6 章「形態変化・語彙の変遷」2018 年朝倉書店より出版. ・‘Two Types of Adjectives and the History of English Word Formation.’(単著,論⽂)2012 年『歴史⾔語学』(Historical Linguistics in Japan) 第 1 号23-38 ⾴掲載. ・Collateral Adjectives and Related Issues.(単著,書籍)2011 年,Peter Lang社 (Bern, Switzerland) より出版.

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

・ 英語が絡む事象全て. ・ 言語間の比較・対照研究全般. ・ 英語での作文指導,論文作成指導. ・ パソコン等を利用した英語の新しい学習法. ・ 時事英語,英語文体論. ・ 英語圏・欧州の言語・文化と歴史.

こんな授業

を行なって

います

学部授業では,ヴィジュアルを用いたプレゼン形式を採用していま

す.さらに授業支援システムによる事前・事後の情報提供等を行い,学

生が理解を深められるよう心がけています. 大学院の授業では,学生の知識・興味等がさまざまなため,学生との

話し合いをベースに授業の形式・進め方等を決めていきます.英語学,

言語学の知識のない学生でも理解できるように,十分な例を挙げながら

解説し,一見とっつきにくい方法論をできるだけ早く習得できるように

努めています.また,英語や文化についても理解を深められるように指

導しています.

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

英語学的な知識を英語教育に活かすため,かつて 3 年経過,5 年経過

等の中高英語教員の研修講師を務め,辞書指導のあり方等を指導してき

ました.2012 年,2015 年には Journal of Linguistics, Word Structure の論文

審査員を務めました. 英米の大学院で 10 年余り研究生活を送った経験から,英語圏留学全

般についてのコンサルティングや,海外の大学等との交流事業の企画・

推進も行ってきました.また 30 回を超えて往き来をしているスコットラ

ンドの歴史・文化の紹介やその普及にも努めています.

Page 12: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

11

氏 名 佐々⽊ ⼀惠 教授

こんな研究を

しています

19 世紀末から 20 世紀初頭にかけてのアメリカ合衆国における宗教と社会運動の関係を、ジェンダーの視点から捉える研究をしています。最近は、とりわけ⽶国聖公会(カトリックでありまたプロテスタントでもあるとするヴィア・メディア(中道)的⽴ち位置)に注⽬しながら、アメリカにおけるリベラリズムの公私⼆元論と宗教・ジェンダーの関係について検討しています。

こんな成果を挙げています

(著書・単著) l Redemption and Revolution: American and Chinese New Women in the Early

Twentieth Century (Ithaca, NY: Cornel University Press, 2016). (著書・共著) l 「ジェンダーからみるグローバル・ヒストリー ―⼥⼦教育とジャンヌ=ダルク

の『普遍化』から」、『グローバル・ヒストリーズ:ナショナルを超えて』上智⼤学出版会、2018 年。

l 「ニューヨークのチャイナタウン」、『華僑華⼈の事典』丸善出版、2017 年。 l 「夢と憫察:中国⾰命のなかの新⼥性」⽥沼幸⼦他編『ポスト・ユートピアの

⼈類学』⼈⽂書院、2008 年。 (論⽂) l 「『第三者』性のポリティクスー19 世紀末ニューヨークの聖公会員の社会改⾰

運動と公共領域の再編 」『アメリカ史研究』42 号、2019 年。 l “American Women Reformers in China and the Paradox of Internationalism,

1910s-1930s,” Review of International American Studies Vol.6 no.2-3, 2013. l "Excludable Aliens vs. One National People: The U.S. Chinese Exclusion

Policy and the Racialization of Chinese in the United States and China," The Japanese Journal of American Studies Vol.23, 2012.

l “American New Women Encountering China: the Politics of Temporality and Paradoxes of Imperialism, 1898-1927,” Journal of Colonialism and Colonial History Vol.10 no.1, 2009.

ほかに、こん

なジャンルに

関心をもって

います

l 19 世紀後半から 20 世紀初頭にかけてのアメリカにおけるジェンダー問題 l 公共領域と宗教、世俗主義の形成

こんな授業を

行なっていま

l 多⽂化相関論 III(歴史学の諸アプローチ) 歴史学における⽅法論的展開(政治史・経済史・⽂化史など)の概要について議論していきます。

l ジェンダー論(ジェンダー史の展開) ジェンダー史の視点や⽅法論を議論していきます。

学会や社会で

こんな活動を

しています

l アメリカ学会の英⽂ジャーナル編集委員 l アメリカ学会評議委員 l アメリカ史学会運営委員

Page 13: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

12

氏 名 佐藤 千登勢 教授

こんな研究をし

ています

20 世紀初頭のロシア・アヴァンギャルド芸術を専門としています。とりわけ、ロシア・ フォルマリストの

芸術理論、文学作品、映画(脚本)を中心に論文や本をまとめてきました。現在は、ロシア(旧ソ連

諸国)、中・東欧諸国の映画作品を中心に作品分析を行っています。

こんな成果を挙

げています

『DVD で愉しむロシアの映画』(東洋書店/ユーラシアブックレット、2005 年)

『シクロフスキイ 規範の破壊者』(南雲堂フェニックス、2006 年)

『映画に学ぶロシア語:台詞のある風景』(東洋書店、2009 年)

『チェブラーシカ』(東洋書店/ユーラシアブックレット、2010 年)

「幾何学的フォルムの可能性:ヴィクトル・シクロフスキイの場合」、貝澤哉、 野中進、 中村唯史編

著『再考 ロシア・フォルマリズム』所収 (せりか書房、2012 年)

「良心の旋律:ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ」、鈴木靖、法政大学国際文化学 部編『国境を

超えるヒューマニズム』(法政大学出版局、2013 年)

「ロシア・東欧の映画人」の項目概説、『岩波世界人名大辞典』二分冊(岩波書店、2013 年)

「文芸映画」の項目概説、『ロシア文化事典』(丸善出版株式会社、2019 年)

「異化」「シクロフスキー、ヴィクトル・ボリソヴィチ」の項目、『ロシア文学大事典』(勉誠出版、2021

年[予定])

ほかに、こんなジ

ャンルに関心をも

っています

映画学、文学作品分析

メディアと知覚の問題

抑圧と被抑圧の諸相

こんな授業を行

なっています

「多文化芸術論 1」にて、旧ソ連諸国・ロシア、チェコ、ポーランド、ハンガリーの映画作品や音楽、

建築を例にとり、国家のイデオロギーと芸術の関係について、また芸術の審美的要素について、院

生のみなさんと作品の一部を鑑賞しながら意見を交換する授業をおこなっています。 翌週までに、

議論点や自身の見解を簡潔にまとめたリアクションペーパーを提出してもらいます。 受講者メンバー

の傾向によって、音楽、映画の他にアニメーション作品など、ジャンルを変えて作品を部分的に鑑賞

し、議論する準備もあります。

学会や社会でこ

んな活動をして

います

日本ロシア文学会の倫理委員会委員長、日本ロシア文学会関東支部運営委員を務め、支部

事務局を定期的に担当しています。

『ロシア NIS 調査月報』(一般社団法人ロシア NIS 貿易会発行)にロシア映画のコラムを連載中で

す(2014 年 12 月号〜現在)。

Page 14: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

13

氏 名 重定 如彦 (教授)

こんな研究

をしていま

ユビキタスコンピューティング、人工知能

こんな成果

を挙げてい

ます

「Interoperable Spatial Information Model and Design Environment Based on ucR

Technology」IEICE Transactions on Information Systems, 2013

「Interoperable spatial information system architecture based on ubiquitous

ID infrastructure」 IEEE Computer Software and Applications Conference

Workshops, 2011

「ucR based interoperable spatial information model for realizing ubiquitous

spatial infrastructure」 Proceedings of IEEE Compsac 2010

「不完全情報ゲームにおけるメタ節点・メタ行動を用いた ゲーム木構築手法,BMI

命令等を用いた高速化手法」 日本ソフトウェア科学会 コンピュータソフトウェア

36 巻(2019)1 号

『実習 情報リテラシ(第 3版)』 サイエンス社, 2020

『学生のための詳細 Visual Basic』 東京電機大学出版局, 2009

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

コンピュータのプログラミングによるものづくりに関心をもっています。

こんな授業

を行なって

います

現在、大きな社会的注目を集めている人工知能について、古典的なチェスなどのゲ

ームを題材とする AI からはじめ、近年注目を浴びている画像を認識するディープ

ラーニングを用いた AI などを題材とした実習を行いながらその仕組みについて学

び、人工知能ができる事、できない事について理解できるようにする。 また、人工知能が社会に与える影響などについて考察する。

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

アジアの諸国を対象とした留学生の奨学金の選考委員を行っています。

Page 15: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

14

氏 名 曽 士才 (教授)

こんな研究

をしていま

中国における少数民族および日本における中国系移民・華僑華人を二本柱にし

て、エスニック・マイノリティに関する文化人類学的研究を行っています。特に、

民族文化(宗教、儀礼、慣習、言語など)が、年中行事や教育、観光などを通して

具体的にどのように自己表象または他者表象されるのかを分析し、民族意識、国家

(ホスト社会)と民族集団との関係を歴史的、社会的に考察し、最終的には民族間

の共生の実現に関心を持っています。

こんな成果

を挙げてい

ます

〇『日本華僑の歴史と文化―地域の視点から』(共編著)明石書店 2020年

〇「聖なる時空の現出とその観光資源化」長谷川清・河合洋尚編『資源化される「歴

史」-中国南部諸民族の分析から』風響社 2019 年

〇「戦中・戦後における神戸華僑の体験―華僑学校の教職員の事例」『異文化(論

文編)』第 19 号(法政大学国際文化学部)2018年

◯「日本残留中国人―札幌華僑社会を築いた人たち」今泉裕美子・柳沢遊・木村健

二編著『日本帝国崩壊期「引揚げ」の比較研究―国際関係と地域の視点から』日本

経済評論社 2016 年

◯「中国貴州省における生態博物館の二〇年」塚田誠之編『民族文化資源とポリテ

ィクス―中国南部地域の分析から』風響社 2016 年

◯『落地生根―神戸華僑と神阪中華会館の百年〈増補版〉』(共著)研文出版 2013

〇「西南中国のエスニック・ツーリズム」鈴木正崇編『東アジアの民衆文化と祝祭

空間』慶応義塾大学出版会 2009 年

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

・東アジア比較民俗学(衣食住、信仰、習俗、説話など)

・アジア系移民の比較

・現代中国の社会と文化

こんな授業

を行なって

います

わたし自身は文化人類学的、民俗学的な手法で研究していますが、理論的アプロ

ーチよりも、フィールドワークに基づいた、実証的な研究を行っています。授業で

は、研究史を押さえながら、優れたモノグラフを読むなかで、一緒に考え、議論を

深めます。

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

1981 年に創設したインターカレッジな研究会・仙人の会の発足時からのメンバー

として、月例会の運営に関わっています。この会は東アジア、東南アジア大陸部に

関心のある教員、学生が集い、議論し、切磋琢磨する場になっており、月例会での

発表は若手研究者にとってはいわば登竜門になっています。

また、日本華僑華人学会の常任理事(2003 年~19年)、会長(2014・15 年)、監

事(2020・21 年)を務めており、研究会、講演会など学会の諸活動を通じて、華僑

華人研究の充実とネットワークの拡大を図っています(仙人の会、日本華僑華人学

会ともにHPあり)。

Page 16: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

15

氏 名 髙 栁 俊 男 たかやなぎ としお (教授、准教授、専任講師)

こ ん な 研

究 を し て

います

専門は朝鮮近現代史で、日本との関係を中心に研究しています。激動の歴史のなかで、

人々が海峡を越えてお互いをどう認識し、移動や交流・摩擦を繰り返してきたのか、そ

の過程全般を守備範囲としています。

なかでもとくに、日本に渡ってきた人々(在日朝鮮人:総称)の経てきた歴史や、そ

のなかで培われた文化、そして日本人・日本社会との関係について重点的に研究してい

ます。従来見落とされてきたものの、本来大事と思われる埋もれた事実や資料の掘り起

こしにも力を注いでいます。

こ ん な 成

果 を 挙 げ

ています

・「ポンチ絵に見る日本人の朝鮮認識」(『すくらむ』第 216 号~第 227 号、全 12 回連載、

1985 年)

・「東京・枝川町の朝鮮人簡易住宅建設をめぐる一考察」(立教大学史学会『史苑』第 56

巻第 1号、1995 年)

・「映画『海を渡る友情』と北朝鮮帰国事業」(『在日朝鮮人運動史研究』第 29 号・第 30

号連載、1999 年・2000 年)

・「渡日初期の尹学準-密航・法政大学・帰国事業」(『異文化』第5号、2004 年)

・「在日朝鮮人と短歌-韓武夫を手がかりとして」(『社会文学』第 26 号、2007 年)

・「中西伊之助-支配民族と被支配民族間の溝を乗り越える」(鈴木靖/法政大学国際文

化学部編『国境を越えるヒューマニズム』、法政大学出版局、2013 年)

・「在日朝鮮人史における 11・3 事件の位置-当時と現在の視点から」(育友会教育研究

所『教育研究』、第 48 号、2013 年、*法政大学第二高等学校育友会)

・「留学生を主対象とする国内研修実現への歩み-法政大学国際文化学部の教育実践の

記録として」(熊田泰章編『国際文化研究への道』、彩流社、2013 年)

・「法政大学と学徒出陣-戦後の取り組み」(法政大学史委員会『法政大学と出陣学徒』、

2017 年)

・「満州移民や中国人強制連行について留学生にどう教えるか?-法政大学国際文化学

部の SJ 国内研修について」(方正友好交流の会『星火方正』、第 27 号、2018 年)

ほかに、こ

ん な ジ ャ

ン ル に 関

心 を も っ

ています

韓国・朝鮮関係なら、広く興味があります。ほかに、満州移民をはじめとする東アジ

アの民族問題や、多文化共生に向けた日本社会の動向全般にも関心があります。

研究のスタイルとして、文字資料を使用するのは当然ですが、映像資料の収集・活用

や、体験者からの聞き取りにも力を注いでいます。また、イメージをふくらませるため、

なるべく現地を訪れ、「足で稼ぐ」ことをモットーとしています。一例として、「歩いて

知る東京の中の『朝鮮』」というフィールドワークを、1990 年以来毎年実施しています。

最近では、学部の SJ(Study Japan)国内研修の担当者として、研修地の長野県南部

やその周辺地域の調査研究や、大学史委員会や自校教育に携わる者として、法政大学史

の解明にも取り組んでいます。

こ ん な 授

業 を 行 な

っ て い ま

どんな学問をやるにしても、その学問が形成されてきた時代への考察は欠かせませ

ん。春学期は、特定の個人の伝記的著作物を媒介に、戦前ないし戦後日本における時代

潮流や社会運動を、とくにアジアとのかかわりの中で追う授業を行なっており、これま

で鶴見俊輔・和田春樹・石田雄・富山妙子・岡部伊都子・日高六郎・松本昌次・上田正

昭・茨木のり子などを取り上げてきました。(「多民族共生論ⅡA」)

秋学期は、在日朝鮮人を軸とした日本の多民族共生がテーマです。ここ 8年間は、朝

鮮や在日朝鮮人に関連して戦後出されたパンフレット類を、当時の視点と現在の視点の

双方から読み込む作業を続けてきました。(「多民族共生論ⅡB」)

学 会 や 社

会 で こ ん

な 活 動 を

し て い ま

大学1年生のとき、NHKに朝鮮語講座開設を要望する署名運動が起こり、そこに集

まった人たちで読書会を作りました。それ以来 40 年以上、私のところを事務局に「鐘

声の会」として読書会活動を続け、ミニコミ誌『鐘声通信』を月刊で 480 号あまり発行

しています。目標としてきた柏木義円の『上毛教界月報』全 459 号は数年前、無事突破

しました。どこまで続くか不明ですが、「継続は力なり」で頑張っています。

Page 17: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

16

氏 名 廣松 勲(ひろまつ いさお)准教授

こんな研究をして

います

①フランコフォニー文学研究(カリブ海域諸島とカナダ・ケベック州) ②地域研究(同上)

こんな成果を挙げ

ています

①評論:「『たかが世界の終わり』における映像技法:ケベック映画としての/からの出立」『ユリイカ』特集「グザヴィエ・ドラン」,2020年4月号,青土社,2020年,頁数未定.

②共訳:ピエール・ヌヴー,「ケベックと北米大陸のフランコフォニー(ニューイングランド、アカディア、フランス語圏オンタリオ)」(廣松勲・小松祐子共訳),『ケベック研究』第10 号,日本ケベック学会,2018 年,93-108 頁.

③評論:「第5 章 エドゥアール・グリッサン(1928-2011):〈関係〉の詩学から全-世界へ」,『国際社会人叢書2:〈境界〉を生きる思想家たち』,栩木玲子/法政大学国際文化学部編,法政大学出版局,2016 年,105-129 頁.

④論文:「現代ケベック文学の諸潮流:移民文学と新郷土文学を中心に」,『Nord-Est』第7・8 号合併号,日本フランス語フランス文学会東北支部会,2015 年,84-105 頁.

⑤編集・翻訳・エッセイ・書評:日本フランス語圏文学研究会会報『Archipels francophones : bulletin du Cercle d’etudes japonais des lettres francophones』第5 号の編集/巻頭エッセーおよびインタビューの翻訳/エッセイ・書評の執筆,2015 年8 月4 日.

⑥論文:≪ Esprit d’avant-garde dans les romans de Raphael Confiant ≫, dans Experience de l’extreme, la cullture et l’art d’entre-deux guerres (Actes du colloque international d’automne 2014), CFAF, 2014, pp. 177-191.

⑦評論:「文学研究における社会」,『総合政策学のための思想研究』第1 号,慶應義塾大学総合政策学部・堀茂樹研究会,2013 年,24-29 頁.

⑧評論:「文化都市モントリオールにおける現代ハイチ文学」,『遠くて近いケベック:日ケ40 年の対話とその未来』(小畑精和・立花英裕編著),御茶の水書房,2013 年,275-277 頁

⑨論文:「パトリック・シャモワゾーにおけるトランスカルチャー:記憶の伝達から伝達の記憶へ」,『Nord-Est』第6 号,日本フランス語フランス文学会東北支部,2013 年,78-96 頁.

⑩博士論文: ≪ Melancolie postcoloniale : relecture de la memoire collective et du lieu d'appartenance identitaire chez Emile Ollivier et Patrick Chamoiseau ≫, these doctorale presentee a l’Universite de Montreal, Directrice : Lise Gauvin, 2012.

⑪論文:≪ La correspondance avec les editeurs : histoire editoriale des oeuvres d’Emile Ollivier ≫, dans Emile Ollivier : un destin exemplaire (dir. par Lise Gauvin), Memoire d’encrier, 2012, pp. 119-142.

⑫論文:≪ Espace et identite : la description spatiale chez Emile Ollivier ≫, dans Revue internatinale de l’ACEQ (韓国ケベック学会国際学会誌), No 6, ACEQ (韓国ケベック学会), pp. 53-90.

⑬論文:「L’enigme de l’enracinement dans La Brulerie」,『ケベック研究』第4 号,日本ケベック学会(AJEQ),2012 年,54-71 頁.

⑭論文:「Memoire et lieu de creolite dans Texaco de Patrick Chamoiseau」,『フランス文学研究』第32 号,東北大学フランス語フランス文学会,2012 年,22-37 頁.

⑮論文:「Exil et ≪ non-lieu ≫ :La description spatiale dans Passages d'Emile Ollivier」,『Nord-Est』第3 号・第4 号合併号,日本フランス語フランス文学会東北支部,2011 年,33-47 頁.

⑯論文:「Ecrire l'oralite en peril : Strategie d'auto-representation chez Patrick Chamoiseau」,『フランス文学研究』第31 号,東北大学フランス語フランス文学会,2011 年,20-34 頁.

⑰論文:「La narration de la ≪ non-histoire ≫ dans Mere-Solitude d'Emile Ollivier」,『フランス文学研究』第30 号,東北大学フランス語フランス文学会,2010 年,15-32 頁.

⑱論文:「Rememoration creative de Patrick Chamoiseau:La description du ≪ non-espace ≫ dans Un Dimanche au Cachot」,『フランス語フランス文学研究』第95 号,日本フランス語フランス文学会,2009 年,141-156 頁(学会奨励賞対象論文).

⑲論文:「Identite migrante ou impossible dans Les urnes scellees d’Emile Ollivier」,『フランス文学研究』第29 号,東北大学フランス語フランス文学会,2009 年,1-20 頁.

⑳論文:「Rememoration creative dans A bout d'enfance:Un recit d'enfance entre fiction et autobiographie」,『フランス文学研究』第28 号,東北大学フランス語フランス文学会,2008 年,41-54 頁.

㉑論文:「フランス語圏カリブ海域におけるクレオール文学の問題機制」,『ポストコロニアル批評の諸相』(岩田美喜・竹内拓史編著),東北大学出版会,2008 年,233-263 頁.

*その他:学術発表、書評、講演会司会・通訳・報告書作成、対談、コミュニティ誌記事など多数。

ほかに、こんなジ

ャンルに関心をも

っています

①ホラー映画,ドキュメンタリー映画(特にフェイク・ドキュメンタリー)における物語・語りの構造 ②実話系怪談小説における物語・語りの構造

こんな授業を行な

っています

①2020年度春学期:「国際文化研究A」(田島樹里奈先生と共に管理運営) ②2020年度秋学期:「多言語芸術論Ⅱ」(フランコフォニー文学入門)

学会や社会でこん

な活動をしていま

【受賞歴】①日本学術振興会特別研究員PD(2012 年~2014 年)/②エミール・オリヴィエ奨学金(2011 年,モントリ

オール大学)/③学会奨励賞(2011 年,フランス語フランス文学会) 【所属学会・役職】①日本フランス語教育学会:初中等教育委員/②日本ケベック学会:副会長(2018 年~),編集委

員長(2016 年~)/③日本フランス語フランス文学会/④日本フランス語圏文学研究会/⑤国際フランス語圏研究会議

(CIEF) 【その他の活動など】①集中講義(2018 年,東北大学)/②「第10 回 フランコフォニーを発見しよう」管理運営(2018年,法政大学)/③「北米文化論(ケベック講座)」の開講・管理運営(2018 年度~)/④「東日本および西日本高校

生フランス語暗唱コンクール」の課題テクスト選定(2013 年度~)

Page 18: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

17

氏 名 松本 悟 教授

こんな研究を

しています

・開発援助の制度、効果、影響(国際組織、日本政府、NGO、新興ドナー)

・調査の機能(特に環境・社会影響評価)

・メコン河流域の地域研究

・開発と環境(自然・社会環境)

こんな成果を

挙げています

【単著書】

1.『調査と権力』東京大学出版会、2014年。

【共(編)著書】

2.『NGOから見た世界銀行―市民社会と国際機構のはざま』ミネルヴァ書房、2013年。

3.『環境アセスメント学の基礎』恒星社厚生閣、2013年。

【単著論文(査読付)】

4.「中止された環境事業の15年――タイ・サムットプラカン汚水処理事業がもたらしたもの」

『環境と公害』49/3、61-67頁、岩波書店、2020年

5.「開発協力における調査・権力・倫理性――世界銀行の「調査の失敗」と異なる知の共犯

関係――」『国際開発研究24/2』35-50頁、2015年。

【分担執筆】

6.「「水と社会」を捉えるNGOの視点――メコン河流域を事例に」林大樹・西山昭彦・大瀧

友里奈編『水と社会 水リテラシーを学ぶ8つの扉』東京大学出版会、2019年。

7.「キリングフィールド」「王様と私」「エア・アメリカ」「ハーツ・アンド・マインズ」「ビ

ルマの竪琴」三上貴教編『映画で学ぶ国際関係II』法律文化社、2013年。

【事典】

8.「住民移転」国際開発学会編『国際開発事典』丸善出版、2018年。

【その他】

9.「誰のためのODAか?―利他と利己の間で」『世界』2014年8月号、岩波書店。

10.「メコン河の越境水環境問題」『環境パートナーズ49/ 8』76-80頁、2013年。

ほかに、こん

なジャンルに

関心をもって

います

上記研究分野以外に、貧困、紛争、資源、森林に関する研究であれば、大学院での指導が可

能です。研究方法としては、院生の研究目的に沿って、インタビューや文献を研究資料とす

る質的調査の指導、統計データやアンケートに基づく量的調査については助言を行います。

こんな授業を

行なっていま

国際協力の概念やアクター(国際機構、NGO)の役割、開発援助の社会・文化的側面、新興ド

ナー(中国、韓国、タイなど)、開発や開発援助が少数民族に及ぼす影響について学びます。

毎回文献を指定し、受講生が分担して講読・発表し、教員が補足的な講義を行います。なお、

履修する院生の関心をふまえて、授業内容や使用する文献を柔軟に変更する方針です。

学会や社会で

こんな活動を

しています

NHK報道記者(1987-92)、日本国際ボランティアセンター(JVC)ラオス事務所代表等(1992-96、

ラオス労働勲章)、特定非営利活動法人メコン・ウォッチ代表理事等(1999-)、国際環境NGO FoE

Japan顧問(2009-)、アジア太平洋資料センター理事(2010-19)、外務省開発協力適正会議委

員(2011-17)、JICA 環境社会配慮助言委員会委員(2011-18)、ジェトロ環境社会配慮諮問委

員など。2018年度はタイ・チュラロンコーン大学アジア研究所で客員研究員。

Page 19: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

18

氏 名 森村 修 (もりむら おさむ) (教授、准教授、専任講師)

こんな研究を

しています

① 現代哲学 (現象学を中⼼とした現代ドイツ哲学・現代フランス哲学)・⽐較思想

② 「臨床哲学(社会政治的トラウマ研究)」・現代倫理学 (ケアの倫理学・⽣の倫理学)

③ ⽇本近代哲学 (明治期以後の⽇本哲学・⽇本思想)

④ 現代アートの哲学 (アート理論) ・美学

⑤ パフォーマンス研究 (⽇本の現代演劇・映像論など)

こんな成果を

挙げています

① 【単著】森村修『ケアの倫理2』(近刊)、⼤修館書店、2020年

② 【共著】森村修「「社会政治的トラウマ」の倫理」、牧野英⼆・⼩野原雅夫・⼭本英輔・斎藤元紀編『哲学の変換と知

の越境』所収、法政⼤学出版局、2019 年

③ 【共著】森村修「アマルティア・セン──⾃由と正義のアイデア」、栩⽊玲⼦/法政⼤学国際⽂化学部編『⟨境界⟩を⽣

きる思想家たち』所収、 法政⼤学出版局、2016年

④ 【共著】森村修「ヨーロッハ」という問題─テロルと放射能時代における哲学」、熊⽥泰章編『国際⽂化研究への道:

共⽣と連帯を求めて』所 収、彩流社、2013年

⑤ 【論⽂】森村修「⻄⽥幾多郎のグラマトロジー叙説⟨⽇本語で哲学すること⟩の⟨意味⟩について」、法政⼤学国際

⽂化学部編『異⽂化21』、2020年

⑥ 【論⽂】森村修「市川⽩弦の「空-無政府-共同体論 (Sunya-Anarchist-Communism)」――⼩笠原秀実の仏教アナキズ

ムと⻄⾕啓治の⾃衛論批判をめぐって」、法政⼤学国際⽂化学部編『異⽂化 20』、2019 年

⑦ 【論⽂】森村修「技術は「ヒューマニズムを超える」か?(1) ハイパー・ニヒリズム時代におけるハイデガーの「技術

哲学」(1)」、法政⼤学国際 ⽂化学部編『異⽂化 19』論⽂編、2018 年

⑧ 【論⽂】森村修「パウル・ツェランという問題(1) ガダマーとデリダの「途切れない対話」(1)」、法政⼤学国際⽂化

学部編『異⽂化』論⽂ 編、2017 年【現代ドイツ哲学・フランス哲学】

⑨ 【論⽂】森村修「思想の翻訳と⽂字の問題──⽐較思想から間⽂化性の⽐較思考へ」、⽐較思想学会編『⽐較思想研究』

第42号、2016年

⑩ 【論⽂】森村修「センの「道徳哲学」(1) パトナム「事実/価値⼆分法の崩壊」論を⼿がかりに(1)」、法政⼤学国際⽂

化学部編『異⽂化17』 論⽂篇、2016 年

⑪ 【論⽂】森村修「「性的差異」のケア倫理学フェミニズム倫理学と和辻倫理学における「⾁体」の問題」、『⽐較思

想研究』第41号、2015 年

⑫ 【論⽂】森村修「喪と/あるいはメランコリー(1) デリダの⟨精神分析の哲学⟩(1)」、法政⼤学国際⽂化学部編『異⽂

化16』論⽂篇、2015 年

ほかに、こん

なジャンルに

関心をもって

います

2020 年5 ⽉に出版予定の『ケアの倫理2』(仮題)では、「ケアの倫理」をさらに「存在することの⟨ケア⟩」という⾓度か

ら捉える理論的実践を⾏った。さらに障がい者・病者・⾼齢者が⽣きやすい社会を構築するために、「Socially Engaged Art(ソ

ーシャリー・エンゲイジド・アート)」 の理論と実践を⟨ケア⟩の領域に取り込めないかを模索している。また、「(Socially)

Engaged Buddhism(社会参加仏教)」については、反戦・貧困・差別撤廃をめぐって、仏教徒の社会参加について思想的に

考察している。「ケアの倫理」・「存在することの⟨ケア⟩」については、猟奇殺⼈者やテロリスト、性犯罪者などの凶悪犯

罪者の「⼼の闇」と彼らの脳との関係を、精神医学・神経倫理学・精神分析学からアプローチしている。そこから、「犯罪被

害者・被害者家族」の社会的⽀援のみならず、「犯罪加害者・加害者家族」の社会的⽀援を「ケアの倫理学」の課題として考

えている。

こんな授業を

行なっていま

・哲学テキストの講読を⾏うことが基本。外国語⽂献(英・独・仏)を⽤いるようにしている。外国語はあくまでツールであり、

語学ができるからといって、思想が理解できるものではない。「考える」ことに主眼を置いた授業を⾏なっている。

学会や社会で

こんな活動を

しています

・2016 年度から「⽐較思想学会」の理事として、「Intercultural Philosophy」のあり⽅を考えている。また、論⽂査読委員も

務めている。前著『ケアの倫理』(2000 年)を機に、知的障害者施設「財団法⼈たんぽぽの家」(奈良市)と関わったり、「アー

ト」と「ケア」の実践を繋ぐ「アートミーツケア学会」の会員として、学会の論⽂査読委員も務めたりした。「アート」との

関連では、2020 年3 ⽉に開館する「京都市京セラ美術館」に関わった「森美術館」の元統括ディレクター(現・京都市美術館

リニューアル準備室ゼネラルマネージャー)や建築家兼キュレーター(国際⽂化学部⾮常勤講師)が親しい友⼈であり、アートや

建築と思想のコラボレーションを考えている。

Page 20: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

19

氏 名 リービ 英雄 (りーび ひでお) 教授

こんな研究

をしていま

* 現代日本語文学の創作および「越境」というテーマの批評。

こんな成果

を挙げてい

ます

*『仮の⽔』講談社、2009 年。 *『我的⽇本語』筑摩選書、2010 年。 *『⼤陸へ−アメリカと中国の現在を⽇本語で書く』岩波書店、2012 年。 *『模範郷』集英社、2016 年。 *『バイリンガル・エキサイトメント』岩波書店、2019 年。

ほかに、こん

なジャンル

に関心をも

っています

* 日本文学、中国文学、「バイリンガル」と「マイノリティ」およびその文学

表現。

こんな授業

を行なって

います

* 現代の視点から日本の現代文学を読みなおす。日本語と英語の問題、エク

ソフォニーの問題を、close reading を通して考え直す。

学会や社会

でこんな活

動をしてい

ます

* 基調講演を行うこともある。

Page 21: 教員紹介号...1. 最適経験(optimal experience)といわれるフロー経験(flow experience)と精神的 健康・well-beingの関係について。 2. 教育プロセスにおけるフロー経験と最適発達の関係について。

adastraperaspera

_____________________________________________ひころく 2020教員紹介号HoseiUniversityPostgraduateSchoolofInterculturalCommunication29March2020NFS_____________________________________________